ジオン公国が種・種死世界にきたら4-栄光at SHAR
ジオン公国が種・種死世界にきたら4-栄光 - 暇つぶし2ch452:450
07/07/09 23:33:22
すまん、いま読み返したら確かにシーマ様は姉御肌だよ・・・orz

ちょっくら、ヅダで敵陣に突っ込んできます・・・

453:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 01:25:06
>>450
そのシーマ様、なんかやだ。

454:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 13:18:12
シーマ様お綺麗だよね!
某ヤ○ンスレの黒髪美女技術主任(逝去済だがMS内蔵コンピュータとなってフカーツ)の、
俺的脳内イメージはシーマ様なんだぁ。うっとり。

455:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 16:10:27
>>447
つまり、銃殺に処さなければいかん訳か

「有能な怠け者は将軍に、有能な働き者は参謀に、無能な働き者は連絡役にすればおk
無能な働き者? そんなもん銃殺に処せ」
by.フォン・ゼークト

456:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 16:11:55

>無能な働き者は連絡役


>無能な怠け者は連絡役

457:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 07:32:29 NNgsGRm5
職人さんマダー?

458:51
07/07/12 20:35:02
お久しぶりです。今もゲーム三昧な日々を過ごしております。
今週中の投下を考えてますが、人大杉でなくなってからの方がいいのでしょうかね?

それと聞きたいのですがシーマ様って20代でOK?
私的には1st時代は二十……うわ、なにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp;@:

459:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 22:40:12
83時点で35だという話だが

460:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 01:41:49
原作基準が絶対ではないですから若いシーマ様もありかと

461:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 05:43:44
俺的には若々しい30代もありかと。

462:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 08:52:30
個人的には若いシーマ様大歓迎です。

人大杉は気にしなくて良いのでは。新シャア板見てる人は専ブラ使ってるだろうし。

463:livedoorID持ち@携帯 ◆yb1J9t3X3g
07/07/13 19:28:42
専ブラ持ってない俺、参上!

……という訳で、誰かVISTAで使える専ブラ知ってる方いますか?

464:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 20:05:21
>>463
つFirefox & bbs2chreader
今これで書き込んでる。

465:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 20:06:43
>>463
ヴィスタ対応はともかく、比較表ドゾー

URLリンク(browser2ch.web.fc2.com)

自分のはJane Doe Styleですが、一応対応してはいるといった程度ですね。

466:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 22:56:48
>462
「専ブラ」と聞いて、マリューもシーマもおっぱいでかいから専用ブラジャー使ってるだろうなと思った奴ノシ

467:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:06:15
シーマ様専用ブラ……なんと聞こえのいい言葉か―

468:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 11:25:41
やっぱパープル基本で、紐やレースの部分がカーキか?

469:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 13:24:46
スレ違い

470:51
07/07/14 16:55:15
33-1(1/5)

「ハルバートン提督、意外に善戦していますね」
 アズラエルに言われ、サザーランド大佐は些か不機嫌な顔になった。
「……そうですな」
「ビラード将軍も作戦通りに事を進めていますし、オデッサ攻略は決定的のようだ」
 目の前のモニターには1時間前の戦場が映し出されている。欧州の地図と各軍を簡略化して並べたものだ。
2年前ならリアルタイムで戦場を見れたが、今はミノフスキー粒子とNジャマーの所為で不可能であった。
 そんな配置図を見て、2人は各軍勢の同行を伺っていた。

――第33話

「しかし、よろしいのですか?」
「何がです」
「作戦が成功すればハルバートンの発言力は増します。我々としては今後の戦略に変更が生じるかと」
 反ブルーコスモスの急先鋒であるハルバートンは、サザーランドにとって厄介な相手だった。彼の発言力が
増せば、連合は対ジオンに傾くだろう。ザフトを始末したい自分達は不利になってしまう。しかし、それにも
拘らずアズラエルは余裕の笑みを浮かべていた。
「大佐。いけませんよ、曲がりなりにも彼は大西洋の人間ですからね。勝つに越したことは―」
「新しい情報が来ました!」
 モニターに映る青い光点―連合軍が更に侵攻を進めた。赤い光点―ジオン軍は前線を突破されて後退し
始めている。第2軍が遅れてはいるが、連合が圧倒的優位なのは素人目にも分かった。
「これは……」
「第1軍は順調ですが、第2軍が遅れてますな。と言っても進路を変えただけでは影響は少ないでしょうが」
 サザーランドの言葉を聴きながらも、アズラエルは浮かない顔をしている。
「どうされました?」
「大佐。貴方が敵軍の司令官ならこの状況どう打開します?」
「撤退するしか道は無いでしょう。如何にジオンのMSが強力でも、数には勝つことはできません」
「そうですか。では、こうするとどうでしょう」
 アズラエルはモニターを操作して光点を動かした。
「む―」
 アズラエルの指摘に、サザーランドは呻き声を上げる。
「こ、これは……まさか!」
「素人の考えですから、こう旨くいくとは思いませんが、相手は策士と呼ばれるマ・クベ中将です。私が思い
付くプランに気づかない訳が無い……嬉しそうですね大佐。顔が笑ってますよ」
「し、失礼……しかし盟主の推測が当れば、今後のシナリオが書き易くなります」
 参謀本部に属するサザーランドなら、ハルバートンを更迭にできる。そうなれば軍内部勢力はこちらに傾く。
さらに査問会で嫌味を言い放題なのだ。日頃の鬱憤を晴らすのに丁度よかった。
「何はともあれ、手を打っておく必要がありますね」


471:51
07/07/14 16:56:32
33-1(2/5)

 艦橋ではナタルとムウ、そしてイアンが今後について検討していた。
「ダメです。スカンジナビア王国からの応答無し」
「そうか……」
「既に見限られたと見て間違いないな」
 まずはじめに出た案が撤退である。今来た航路を逆に辿ればいいが、それにはスカンジナビア王国の領海内
であるバルト海を通過しなければならない。中立を貫くこの国はユーラシアからの嘆願で一度だけの領海侵犯
を許していた。しかし二度は許せないのか、先程から通信を送っても反応が無い。
「リー少佐、ドミニオンの方は?」
「動かすことはできる。動かすだけなら、な」
 ドミニオンは右舷エンジンを損傷して航行不能になっている。アークエンジェルの整備班も総出となり修理
に当たっているので航行は可能になったが、巡航速度がやっとである。最高速度が出せれば、強引にバルト海
を通過できるが、巡航速度ではスカンジナビア海軍を振り切ることができない。
「ドミニオンが速度を出せないとなると、バルト海側からの脱出は困難だ」
「やれやれ俺達は完全に孤立したってことか」
「……」
「どうする? 救助を待つか? それとも玉砕覚悟でミンスクに突撃するか?」
「ドミニオンを捨ててアークエンジェルだけ脱出、という手もある」
「もちろん投降も視野に入れるべきだよな」
「ま、待ってください!」
 消極的な意見ばかりが出る中でナタルが口を挟む。
「何か打開策があるはずです!」
「どんな?」
 イアンが険しい顔でナタルを睨んだ。
「そ、それは」
「この状況下でどんな手がある?」
「もう少し考えれば、何か……」
「悠長に考えている時間は無いぞ。敵の第2陣があるかもしれん」
 イアンの嫌味に俯き加減で艦橋を出るナタル。
 彼女が居なくなるのを確認すると、イアンは帽子を脱ぎ、息を漏らした。
「少し言い過ぎたか?」
「彼女にはアレ位でいいでしょ」
 ムウが頭をかきながらにこやかに言う。
「最初は驚いたよ。フラガ少佐からこんなことを頼まれるとはな……。しかし彼女に方針を決めさせるなど、
些か厳しいのではないか」
「分かっている。しかし、指揮官に迷いが有っては全体の士気に影響しちまう。彼女の状況対処能力が低い
のは親譲りみたいだから、乗り越えてもらわんと今後に支障が出る」
「確かに彼女は想定外の事態に固まることが多い」
「任されちまったからな。これを機に指揮官としての覚悟を持ってもらわんと」
 ムウはパオロから頼まれた時のことを思い出した。


472:51
07/07/14 16:58:09
33-1(3/5)

 その頃パイロット達は、戦闘の分析結果をマリューから説明されていた。
「ハレルソン少尉とイメリア大尉が抗戦した相手はノリス・パッカード大佐と思われます」
「欧州一のエースだな。厄介な相手だぞ、奴は共和国時代からの古株だ。技術も戦術も備えたトップクラスの
パイロットだ。こと地上戦に限っては“青い巨星”以上とも言われている」
「何より厄介なのは、彼の部隊は練度が高いことね。教官だった時期もあるみたいで、部下達は直々に訓練を
受けているそうよ」
 強敵の存在に頭を抱える大人達。
 キラも話半分で聞いている。わからない単語が出てきたが、相手が只ならぬパイロットなのは理解できた。
「あの飛行MSは何なんだ?」
「グフ・フライトタイプです」
 そのままじゃん―と心の中でツッコミを入れるパイロット達をよそに、マリューの説明は続く。
「グフを媒体とした飛行MSでしょう。形状を見る限り一から作り上げた改良型ね。頭部にしかグフの名残が
なかったのが裏付けになるわ。飛行そのものはディンのシステムを応用している。機動速度から逆算すれば、
本体重量は若干軽くなってるけど、ディン程ではないからグフ特有の格闘戦もこなせる。だけどヒートロッド
は装備してないから組しやすいかも。ガトリング砲は要注意ね。威力があるからPS装甲でも長くは持たない。
全体的には中近距離仕様で小回りの利く……」
「ラミアス大尉。それくらいにせんと、トールの頭から火が吹いちまうぜ」
 モーガンの指摘に見ると、トールがウトウトとしている。
「……コホン……兎に角、総合性能では105ダガーの方が上回っていると結論できるわね」
 マリューの言葉に皆が静かになった。
 この言葉が意味することが解ったからだ。敵兵の練度は此方の予想をはるかに上回っていることを、
「ふざけるなッ!!」
 しかしそんな事実を認めたがらない男が一人いた。
「そんなはずは無い! 何かの間違いだ!」
「ムラサメ少尉。これは事実です」
「もう一度調べろ! 僕が、僕があんな奴に劣っているなど認められない!!」
 ゼロは終始グフに翻弄されており、1機も撃墜することができなかった。それを気にしていたゼロは納得の
いかないマリューの分析に鬼気迫る勢いで詰め寄った。
「貴方があのグフに負けたのは純粋な腕の差よ」
「ぐぅああぁぁぁっっ!!!」
 目が血走り、もの凄い形相で叫ぶゼロ。モーガンとジェーンが慌てて押さえつける。
 尋常でないことが起きている。それはキラにもよく分かった。自信満々で自分に絡んできたゼロとは思え
ないほどの取り乱し容である。キラも2人に加勢してゼロを押さえる。
「真のNTであるこの僕が負けるなどありえないんだぁぁぁっ!!」
 しかしゼロは3人を振り払い逃げ出した。

473:51
07/07/14 16:59:25
33-1(4/5)

「どうしたってんだアイツ」
「“ニュータイプ”とか言ってたよな。それって……」
「NTは、ジオン共和国の建国者ジオン・ズム・ダイクンが提唱した思想よ。人類は過酷な宇宙環境に進出・
適応する事で、生物学的にも社会的にもより進化した存在=ニュータイプになれるという考え方で、全人類が
宇宙に移民する事で人類に革新が起こり、戦争や地球環境の汚染などを克服した一段高いレベルの文明……」
「だからラミアス大尉、それくらいで……」
 説明を止められ、不満なマリューを放置して、ジェーンが語り始めた。
「そのNTだと、アイツは思い込んでるのよ」
「思い……込んでる?」
「ええ。きっかけはジオン軍人の強さの秘密にはNTではと考える派閥よ。小さな派閥で誰も相手にしていな
かったけど、ジオン公国からの亡命者の中にNT研究者だと言い張る奴が出てきた」
「NT研究……ですか」
「ええ、フラナガン機関とか言うものなんだけど、詳しいことは分からない。その研究者がフラナガン機関の
資料を持っていたらしいの」
「その派閥は研究者を迎え入れた。そして“そして人工的なNT”という論文をまとめ、ある人物に渡した」
 引き継ぐようにモーガンが話す。そして次に出た人物の名は、キラを戦慄させた。
「ブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエルだ」
 ブルーコスモス―言わずと知れた反プラント、コーディネイター思想とその主義者の総称である。
 しかも組織のトップであるアズラエルの名は、コーディネイターであるキラに恐怖を感じさせた。
「彼自身はNTに対する見解を出していないけど、コーディネイターに対抗できる研究に興味を示したのね。
NT研究への投資を行っているわ。薬物や暗示による能力強化を中心にして……」
「奴はその“人工的なNT”の試作品。コードネームは“プロト・ゼロ”だ」
「なるほど。彼はMSの性能差で負けたと思い、精神の均衡を保っていたけど、私の分析結果を聞いたことに
よって自己矛盾が生じた。だからあんな行動に出たのね」
「そのゼロをあしらったあのグフのパイロット……本当のNTかもしれない」
「そうなると厄介だな」
 大人達が冷静に議論する中で、顔を真っ赤にしたトールが立ち上がった。
「おかしいですよ“試作品”だなんてっ!! まるで兵器みたいじゃないですか!!」
「トール……」
 トールは最初にゼロに会った時、彼のことが気に食わなかった。面と向かって侮蔑されれば誰も好きにはな
れないだろう。だが、それでも彼の自信たっぷりな振る舞いは、一緒に戦う人間として頼もしく見えたのだ。
「貴方達はそんな目でムラサメ少尉を見ていたんですか!?」
「そんなことはないぞ少年。俺は奴を頼もしい仲間だと思ってる」
「えっ?」
「実際、奴より腕の立つパイロットはこの場にはいない。対等に戦えるのはムウとレナぐらいだ」
「信頼はできるのよ。でも、ブルコスが関わってることがね……」


474:51
07/07/14 17:00:43
33-1(5/5)

 ナタルは一人艦長室で落ち込んでいた。
 具体案が全然出てこないのだ。ムウとイアンは様々な案を示しているのに、自分は何一つ出てこない。
「特務大尉が聞いて呆れるな……」
 自分はこんな弱い人間だっただろうか。士官学校を主席で卒業した自分が右往左往している。
 思えばヘリオポリスで初めて指揮を執り、今日までやってきたが、これだけ大規模な軍事作戦に関わるのは
初めてである。しかも作戦は敵に察知されているらしく負け戦は決定的だ。
 このような状況下で自分はどう動くべきなのか。ナタルは悩む。アークエンジェルが単独で動いていた時は
まだ耐えられた。しかし今度は、自分達の行動が連合軍全体に関わってくる。ハルバートン提督は後方撹乱を
アークエンジェルに任せることにより、安心して進軍しているのだ。もし自分達が失敗すれば作戦そのものに
影響が出る。それがどれほどの重圧か、ナタルは身をもって知った。
「これならラミアス大尉が艦長の方が良かったかもしれない」
 技術士官ではあるが、だからこそ艦の特徴を理解している。もしかしたら自分よりうまくやるのではないか。
「“砂漠の虎”を倒して舞い上がっていた自分が恥ずかしい」
 頭を抱えるナタル。そこに扉をノックする音が聞こえる。
「は、入れっ!」
 妙に気張りながら返事をした。入ってきたのはセイラである。
「失礼します艦長。先の戦闘による損害をまとめました」
「そこに置いてくれ」
 言われるままに書類を置く。途中、セイラの視線はずっとナタルに向けられていた。
「どうなさったの?」
 不意に出た言葉にナタルは身を震わせた。セイラが敬語を使わなかったことにも気づかない。
「何故そんなことを聞く」
「貴女がいつも以上に気張っているから……」
 自分ではいつも通り話しているつもりだが、セイラには自分の苛立ちを隠せなかったのか? 
 いや、隠さなかったのかもしれない。
「カウンセラーとまではいかないけど、話してくれます?」
 それが決定的だった。ナタルは今まで溜め込んでいたものをセイラに語った。責任という重圧に耐え切れな
くなっていること、そして艦長の任を降りようと考えたこと……。自分でも驚く程に弁が立った。セイラは
彼女の独白を頷きながら聞いていた。
 全てを話し終えると、セイラはゆっくり口を開く。
「今逃げ出すのは卑怯ではなくて? 今は悩むより、艦長として最適な行動を執るべきではない?」
 厳しい言葉をぶつけられる。しかし次の言葉にナタルの心臓を大きく打った。
「ヘリオポリスから少ない人員で頑張ってこれたのは貴女がいたからでしょう?」
 ハルバートンにも似たようなことを言われたが何も感じることはなかった。
 身近に居る人間の純粋な感謝の言葉―それがナタルの心に響いたのである。
「ありがとうございます。目の前のモヤが晴れた―」
 ここでナタルは初めて重要なことに気が付いた。
「―何故私はマス伍長に敬語を使っているんだ!?」
 慌てるナタルの姿に笑みを浮かべるセイラであった。

475:51
07/07/14 17:03:38
投下終了
マリューは技術士官……なんだけど、どこかで見たことのあるキャラになってしまった。

476:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 20:25:47
GJ

477:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 20:39:44
>>475
ナデシコのイネスさんですか?

あとGJ。続きを楽しみにして待ちます。

478:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 22:23:11
そのうち「なぜなにアークエンジェル」とかやりだしそうな
マリューさんですね。あとGJ!

479:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 07:53:32
最近、クリスが空気になってる気がする……
でもGJ!

480:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 10:47:33
>>478
そうなるとウサギユリカとルリお姉さんポジションにはいったい誰が?

481:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 11:03:29
えーっと・・・まず艦長だからウサギユリカはナタルで。
ユリお姉さんは・・・セイラさんかな?

482:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 11:06:19
失礼しましたユリって誰だよ・・・ルリだよorz

483:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 12:01:52
>>481
ウサギはウサギでも首刈兎になりそうだな。

484:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 12:55:17
クリスはパイロット専任だったか?
元はエンジニア兼任だったから「なぜなに」も出来るだろうけど。

485:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 13:11:16
>>481
さり気に声優ネタですね。

486:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 17:27:10
できれば「なぜなにアークエンジェル」で種世界の
謎の一つ戦艦の動力源について説明し・・・
うわなにをするやめ(ry

487:通常の名無しさんの3倍
07/07/15 23:41:15
GJでした。
ナタルを鍛えるのは良いんだが、イアンは答えが出ない場合のことも考えてるのかね。イアンが最上位者なんだが。

マリューはなんだか見事なスペック厨な感じに。しかし、ゼロがなんだかシン・アスカに見えてきたw

488:通常の名無しさんの3倍
07/07/16 21:03:29
GJ!

確かナタルはジェネシスの前でぼーぜんとしてたな…
イアンの指摘はもっともだ。

今後のAAだが撤退するなら海路でなくても良いのでは?

489:通常の名無しさんの3倍
07/07/16 22:46:37
ナタルとキラでガンダムシードさんって手もあるぞ

490:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:46:31
保守

491:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 10:16:56
さびしいけど、これって職人待ちなのよね

492:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 10:56:57
多分…

493:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 09:36:06 G6JjCEMP
職人さんが来るまでage続けるぞ!!

494:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 12:20:57
>>493
ageなくても書き込みがあればdat落ちしないのでsageた方がいいと思うぞ。

495:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 22:42:45
お前等CEとUCのビーム音どっちが好きだよ?

俺は後者、断然後者

496:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:04:13
俺もUC。

497:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 00:36:46
悪いがCEだな・・・
UCの音はあまりすきになれん

498:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 04:08:59
保守

499:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 08:11:58
絶対UC

500:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 14:57:14
500

501:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 15:10:55
UCのビーム音って統一されてたっけ?

502:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 15:58:58
機体によって違った気もする

503:51
07/07/21 17:21:40
33話の後半を投下いたします・・・

504:51
07/07/21 17:25:10
33-2(1/5)

「デュクロ大尉」
 白い煙を吐きながら地図を見ていたデュクロに背後から声が掛かる。
「我が大隊の損害は如何ほどかね」
「戦車2両が中破。負傷者は14名、全員軽症です」
「他の大隊はMSを失っている所もある。それと比べると上出来だな」
 進路をソフィアに向けた第2軍は、大した損害も出さず進軍していた。途中、いくつかの襲撃はあったが、
そのことごとくをこの2人の部隊が食い止めていた。コーネル少佐指揮下のMS大隊である。
 コーネルは大戦初期からMSを指揮した経験があり、沈着冷静な指揮官だ。そして副官のデュクロ大尉は、
鬼車長とまで言われた戦車乗りで、経験に裏付けられた確かな実力を持っていた。
 この2人の指揮するMS隊と戦車隊は、絶妙ともいえる連携でジオン軍を迎撃していた。
「しかし、MSと言うのは凄まじいですな。ユーラシアも早期に開発していればジブラルタル位は取り戻して
いたのですが……」
「フフフッ、そう褒められるものでもないぞ。私が昔、指揮していた部隊は、もっと腕の立つ奴がいたからな」
「煌く凶星ですか?」
 コーネルは拍子抜けした顔をする。 
「なんだ。知っていたのかね」
「ええ、一部では有名ですからね」
 辺りを見回しながら、コーネルが溜め息を付いた。
「驚かそうと思ったが、残念だな」
 他愛の無い会話が続く。このとき、コーネルはもちろんのこと、デュクロにも油断があった。
 2人が敵の存在に気づいたのは、レイエス伍長の叫び声を聞いてからだった。
「て、敵襲だーっ!!」
 前方のリニアガンタンクが爆発する。
 周囲が慌てふためく中、コーネルとデュクロは瞬時に頭を切り替えた。
「慌てるな! 弾道は!?」
「左方、10時方向、発砲炎!」
「何!?」
 デュクロが手にした双眼鏡を向ける前に、後方のリニアガンタンクが爆発する。
「全車、散開、止まるな! 敵はマゼラアタックだ!」
 デュクロは咄嗟に全車に指令する。陣形を整えてあった戦車隊が広がった。
「恐ろしく腕の立つ戦車乗りです」
「どうやら本命のようだな……」
 コーネルは冷静に分析する。今までの敵とは明らかに違うのを悟ったのだ。
「少佐、伏兵のMSがいる可能性が高いです」
「うむ、私もそう考えていた。MS隊は周囲の警戒に当たれ! デュクロ大尉、マゼラアタックは任せた」
「ハッ!」
 指揮車を飛び出ると、手近に停めてあった戦車に飛び乗る。モニターで敵を確認すると、デュクロの目に
映ったのは連合のブラックリストに載っている、狼のマークを付けたザクの部隊だった。


505:51
07/07/21 17:27:27
33-2(2/5)

「何が起こっているのだ!?」
 ボナパルトの艦橋は騒然となっていた。第2軍の前線部隊がいずれも奇襲攻撃を受けたのだ。特にMS隊へ
の攻撃を第一目標としていたらしく、充電中のMSは迎撃もできぬままやられてしまう。
「どうやら本格的な攻撃のようですな」
「そんなことは言われんでもわかっとるよ」
 エルランの発言にイラ付きながら応える。それもそのはず、ビラードは先程まで優越感に浸っていたからだ。
このまま進撃し、ハルバートンよりも先にオデッサを奪還しようとしていた。それなのになんだこれは!?
「敵MSが前線を突破しました!」
「止めろッ! 何としてでも止めろッ!!」
「護衛の MSはどうした?!」
 ビラードを始めとする幕僚達が、ヒステリックに指示を出しまくる。今まで順調すぎた所為で、楽勝気分が
蔓延していたのか、冷静に行動できる者が司令部に誰一人としていなかった。エルランを除いては……。


506:51
07/07/21 17:29:04
33-2(3/5)

「クルツ軍曹! 護衛機はこちらで引き付ける。戦艦はお前がやれ!」
「了解」
 トーマス・クルツ軍曹の乗ったグフが一直線にボナパルトに迫る。護衛のデュエルダガーがそうはさせじと
前に出るが、ジャニス・マコンネル少尉のMS小隊が後方より援護している。ボナパルトは目の前のMS群に
向けて砲火を集中させるが、G-27部隊として最前線を駆け巡り、戦いの度に生還を果たしてきたクルツの
悪運の前では敵うはずもない。
「司令官はビラード将軍か……」
 クルツは嘗て連合に所属していた。しかし開戦初戦のグリマルディ戦線で連合が敗北が決まると、クルツは
プトレマイオス基地に置き去りにされたのである。この時、クルツを置いて逃げ出した司令がビラードだった。
 彼はザクを奪って逃げ出そうとしたが、ロイ・グリンウッドに説得されてジオンに亡命していた。
「俺を月に置き去りにした借りを返させてもらうぞ」
 クルツはボナパルトをヒートソードで斬りつけた。ボナパルトの巨大な無限軌道は切り裂かれ、その巨体は
動きを止める。これで砲撃が止み、クルツにとっては千載一遇の好機だ。
 だが、不思議なことにクルツは追撃を加えず、対空砲火を潰しながら後退していく。ジャニス小隊も護衛機
を仕留めると、そのまま後退した。
「よくやった軍曹。さすがだな」
「アレでよかったのですか隊長」
 クルツが不満をこぼす。ジャニスもそれに同意するような仕草をするが、口にすることはなかった。
 彼らの目的は敵司令部を足止めをすることだった。外人部隊を指揮するローデンは、初めから第2軍を押し
返す気がなかったのである。唯でさえ3倍の兵力差であるのだからできることは限られていた。
「兎に角戻るぞ。グリンウッド中佐の陽動も長くは持たない」
「……了解」


507:51
07/07/21 17:30:59
33-2(4/5)

「中々やるではないか……尤も、力押ししかしておらぬが」
 オデッサ基地司令部では、マ・クベが全戦域の様子を確認していた。
 現在、ダグラスの遊撃部隊が少ない戦力で善戦していた。さらにはロイ・ジューコフ大佐のマゼラアタック
1個大隊が援軍として向かっている。連合の第2軍を釘付けにすることには成功するだろう。そしてケラーネ
の欧州方面軍も第三防衛ラインまで順調に後退していた。
「ですがマ・クベ司令。計画的に後退はしていますが、犠牲は少なくありません」
「ケラーネ少将も援軍を求めております。ドムを向かわせるべきでは?」
「無用だ」
 参謀の助言を平然と払いのけるマ・クベ。ドムはノリスに譲渡したのだから無理もない。そしてドズル派の
ケラーネを助ける気もなかったのである。ガルマから派閥抗争はやめよとの訓示は受けてはいるが、あの熊の
様な男に手を差し伸べるには抵抗があったのだ。
「しかし、ケラーネ軍の戦力低下は見過ごすわけにはいきません」
 それでも参謀は食い下がらない。実はこの参謀、ガルマとは同期の人間で、派閥の争いを監視するように
ガルマから勅命を受けていたのだ。マ・クベもその事は知っており、さすがに折れるしかなかった。
「致し方ないな……。少し早いが第三防衛ラインを放棄して、最終防衛ラインにまで下がる。オデッサ基地に
残っている爆撃機は?」
「第24、27爆撃隊の二個中隊のみです」
「ガウは?」
「ガウ攻撃空母は2機残っていますが、これはいざという時の脱出用で……」
「構わん、2機とも出せ。連合を最終防衛ラインで釘付けにするぞ」
 参謀はドムではないことに首をかしげながらも、直に命令を実行した。
「ウラガン、ガウの代わりはザンジバルを使う。もしもの時に用意はしておけ」
「ハッ!」
「力押ししかできん者に、負けるわけにはいかぬ」
 マ・クベは保険を掛けたが、内心ではその様なことは起きないと確信していた。

508:51
07/07/21 17:32:55
33-2(5/5)

 ハルバートンは戦果を聞くと、ジオン軍はオデッサを放棄すると判断した。
「勝ったな」
 ジオンの欧州方面軍は既に軍としての機能を失っている。ケラーネのいる部隊はまだ陣形が整っているが、
他の部隊は陣形も何もなく、ただ散り散りに逃げていくだけだ。
「掃討戦は後回しにする。一気にオデッサへ向かうぞ」
 オデッサ放棄後、ジオンはロシアおよび極東方面軍と合流するか、アフリカ方面へ向かうと予想できる。
確率としてはガルマ・ザビがいるアフリカ方面軍との合流が高くなるだろう。だが、仮に他の軍勢と合流して
も負けることは無い。連合もジオンやザフトと同じMSを戦力に加えたのだ。大西洋本土では今もストライク
ダガーを中心に量産体勢に入った。後1ヵ月もすれば戦局は大きく変わる。
 勝ちを確信したハルバートンは今後のことに思いをはせた。だが、直後の報告でそれは中断される。
「第3大隊が攻撃を受けている?」
「はい。詳しいことは解りませんが“高速で動くMS”との通信が……」
 第3大隊はMSを1個中隊を配備し、第1軍の左翼に置いていた部隊だ。先行しているアークエンジェル隊
と合流するため、第13独立部隊が同行している。
 気になったハルバートンは直ちに偵察機を向かわせると、送られてくる映像にハルバートンは絶句した。
「馬鹿な! 第13独立部隊が壊滅だと?!」
「生き残っているのはミラー大尉の105ダガーと数機のデュエルダガーだけです」
「何なのだ、あのMSは!?」
 重好感漂う装甲で覆われ、かなりずんぐりとしたMSが地面を滑るように高速移動している。
 デュエルダガーはその高速に対応できず、虎の子と呼んだ105ダガーもエールパック装備を除く機体は何も
できずに撃墜されていた。
「ジオンの新型MSか!!」
「移動速度が……なんということだ! 提督、あのMSはバクゥより速く動いています!」
「ぐっ……ぬう……」
 第3大隊を壊滅していくドムの姿に歯軋りする。ハルバートンは知らなかったが、このMS隊はノリスに
与えられていたドム2個中隊だった。ノリスの独断で前線へ向かった部隊が救援に来たのである。
「提督! 左翼部隊が敵の猛攻を受けてます!」
「中央も……後方にもジオンのMSがッ!!」
 しかも不幸なことに、ドム部隊が駆けつけたことを知ったケラーネが一斉に攻勢へと転じた。第1軍の前後
左右にジオンの部隊が展開していたのだ。ハルバートンはジオンが散り散りになるのを見て、統制が取れなく
なったと考えたが、そうではなかったのである。
 如何に数で増しているからといっても、四方から挟撃を受ければ溜まったものではない。
「提督……」
「今度は何だ!?」
 また悪い報告か?
 いや、これだけ悪いことが重なっているのだ。ひとつぐらい良い話があってもおかしくはない。
「ジブラルタルが……」
「なんだと!?」
 気の抜けた報告をしたコープマンに怒鳴り返す。よく見るとコープマンの表情は呆然としたものだった。
「ジブラルタルが落ちたそうです」
 ハルバートンはコープマンが何を言っているのか理解できなかった。
 ジブラルタルはカーペンタリアと並ぶザフトの地上基地のひとつ。それが陥落したと言う。もちろん連合が
ジブラルタルを攻める話などハルバートンは聞いていない。つまりジブラルタルを落としたのは……。
「ガルマ・ザビのアフリカ軍がジブラルタルを占領したのです、提督!!」
 他の幕僚が騒ぎ始める。それでもハルバートンは理解することができなかった。


509:51
07/07/21 17:35:15
デュクロはスターゲイザー、コーネルはアストレイ、
そしてクルツはパイロット列伝を参考にしております。(ジャニスは列伝のキャラ)

510:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 17:42:28
ジブラルタルと聞くと、どうしてもたけし城のあの音楽が…
涙目のおハルさんがどうするのか気になるぜGJ

511:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 18:02:53
狼のエンブレムって事は闇夜のフェンリル隊ですか!?

いやGJ!

512:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 20:36:43
GJ!
敵部隊の撃破ではなく足を止める事を目的とした戦術はいいですね。
マさんも友軍が優勢なのでマトモな部隊配置してるし。
しかしパイロット列伝とは渋いチョイスだ。

513:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 23:32:19
GJでした。
充電中のMSがって、どんな充電方法取ってんだ連合は。
見えないところでやれよ、そういうことは。

それとジブラルタルのザフト壊滅ですか。確かアスランたちが増援に行ったんじゃなかったっけ?

514:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 23:54:58 sLHwNiRv
核兵器搭載MSはまだ~ その奪取も~

515:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 12:26:11
かそすぎ

516:193
07/07/22 17:11:34
実は515氏の小説をベースに短編外伝を書いてみようと思っているんだが、
ユーラシアの存在により開発に影響を受けた感じのエピソードと、その後...みたいな感じで、
普段見てるだけでまったく書いたことは無いので、ブーイングでまくりだろうが...

出す兵器はヒルドルブ、ザクタンク、ヅダ、他(あと、ちょっとハイペリオン)
やっぱり515氏の小説に迷惑にかけることになるから、まったくの別の世界という設定にした方がいいんだろうか?
可能なら許可もらえると御の字だが、
(ネタばれするとカナード搭乗→ヅダ ハイペリも開発 なんで)

あと設定資料がほとんどwikiばかりなんだが、SEEDやUCの兵器の設定とかのサイトがあったら、教えてもらえると助かります。
(中には中国語サイトなんだが、設定者→大河原となってるサイトもあったが正しいんだろうか?)

・・・もしかしたら未完に終わるかもしれんが

517:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 19:17:12
>>516
三次創作ってだけで袋叩き要素満点。
その上、そんだけ不安要素があるなら、止めておけ。

518:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 22:23:07
515氏GJです。
闇夜のフィンリル隊ですか。奴らは原作の方で、1機の損害も出さずにジャブロー地下に侵攻したという恐ろしい部隊だからな~。
連邦軍オワタ\(^O^)/

519:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 22:29:31
515氏GJ!
闇夜のフェンリル隊ってことは、あのドムの手刀一閃に期待してます。
...挿絵ではザクだったけどw

520:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 22:35:08
>>518-519
俺の勘違いかもしれんが……
GJする相手が違うのでは?

521:519
07/07/22 23:12:52
>>520
今気付いたorz
51氏でしたorz

522:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 23:22:02

51氏お疲れさまです
しかし、トーマス・クルツはよく、設定が変わりますね・・・

1:サイド3の家族の為に開戦後にジオンに亡命(MSV)

2:捕虜になった後ジオン軍人に(漫画版)

3:声優さんのキャラの影響か、亡命理由がだんだん家族から戦闘に・・・(GCB等)



まあ、トーマスは仕方ないとして、ジョニー・ライデンは間違っても長谷川版は採用しないように!
そうしないと『修羅の双星』のMS-06R2使用ができなくなります(汗)

523:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 23:51:09
51氏投下乙!
しっかし何気にガルマ凄いな・・・
マさんが派閥抗争にこだわってることを知って手を打っといたり、ジブラルタル占拠て・・・


524:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 00:48:59
51氏GJっすー
なんつーか……どこまで行ってもジオン1人勝ち以外の未来が見えてきませんな

525:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 07:44:00
ジオンスキーだからジオンが勝ってくれてるのは非常に嬉しい

GJ!

526:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 09:51:35
小説版よりゲームの一人一小隊のが好きだったり…

527:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 21:34:15
このままだと地球連合の最後の希望は盟主王のようだなぁ・・・

528:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 22:19:05
地球連邦もゴップだのといったゴミどもはいたけどまともな人間はいたからな。
地球連合はゴップエルランクラスのごみすらおらん。

529:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 22:27:31
ゴップとか政治的にはそれなりに優秀って設定じゃなかったっけ?

530:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 23:09:25
ゴップが無能とかどんだけ……

531:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 23:19:25
ゴップは結構有能なのに…。

532:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 23:44:25
作戦指揮をしない=無能ってわけじゃない
のに・・・

533:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 00:01:00
ゴップが無能扱いされるような軍は、せいぜい最盛期のローエングラム王朝の銀河帝国軍ぐらいじゃね?
双璧やら芸術家やら鉄壁やらで、あの陣営ならゴップもかすむかと。


534:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 00:07:26
ゴップほどの軍政家がいなけりゃ、下手すりゃ連邦負けてたよなぁ……

535:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 00:34:51
でもコップが優秀だっていうソースってあったっけ?
立場的に優秀であるはずだっていう推測じゃないか?

536:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 01:10:33
ゴップの場合は、無能という描写は無いし、ホワイトベースを囮として使ったり、

オリジンではMS開発をテム・レイに任せたり、施設を建設中のサイド7に秘密裏に斡旋してるから

無能とはいえない。ただゲームの能力は最低だけど・・・



537:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 01:16:58
ゴップは見た目で損してるよなぁ

538:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 07:24:47
ギレン、系譜では戦場での能力のみが数値化されていて軍政関連は無視されてるからね。
毒腺では結構提案してくれるけど毒腺自体がダメダメなんで評価されてない。。。

539:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 08:13:10
系譜は別にして
実際ザビ家の能力ってどんだけなんだ?
政治家よりも軍人として
キシリアなんか?なんだが

540:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 13:29:10
比較対象が種の高級将校じゃあ……

541:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 16:37:40
「平時の人材」が「有事の人材」に劣る訳ではないて、ばっちゃんが言っていた。
作品で書かれるのは主に有事な訳だから平時の有能者がピックアップされるのは難しいわけで

だからきっと、ユウナにしろアズラエルにしろ平時は物凄く有能なんだよ

542:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 19:20:29
ユウナは有能だろう。
ただ、それを斜め上にいくバカ双子とヒステリック桃色電波が全部おじゃんにしただけで。

543:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 21:39:15
ユウナはともかく、親父のウナトは間違いなく有能だ罠。
戦時中に主要部が廃墟と化したオーブを切り盛りしたんだから

544:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 21:55:11
ザビ家で軍人として優れているのはドズルくらいじゃん
政治家ギレン、先端技術監督キシリア、ミーアポジションガルマ。

545:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 19:58:30
しかし、ドズル閣下はあまりにも武人であり過ぎた。
だから数がそろえられずソロモンで、負けちまったんだよぉorz

ま、そんな人だから大好きなんだけどな!

546:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 20:11:11
あれはソーラーシステムなんて想定外のものでソロモン焼き払われたんだから
数がどうこうじゃないと思うぜ。ソーラーシステムを予期しろなんて無理だし。

547:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 20:28:59
いや、軍には諜報部なんてものがあってだな

548:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 20:37:07
史上最大の戦艦の主砲だってかなり後の方になるまで6cmも偽装されてたんだぜ?

549:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 20:43:43
世界最強の魚雷の性能も秘匿され続けたしな。意外と諜報ってアテにならない、MI6で有名な英軍なんて間違いしまくってるぞ。

550:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 21:16:19
敵の諜報部だって偽の情報流すしな。諜報は万能じゃないってことだ

551:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 21:17:54
ジオンがソーラ・システムを察知できるほどなら、レビルがソーラ・レイでジュッ、てなこともないだろうよ。

552:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 22:25:28
正統派の武人ってやつでも一軍を預かる身なら戦力を有効に動かすために情報を集めるだろうし、
その戦力に指示を出すために情報発信にも気をつけるだろう。
むろん戦闘前に100%の情報が集まるわけはないから、その差は指揮官の経験とか知力・武力で埋める。

武力で差を埋めるどころかあふれ出すのはスパルタの300人

553:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 22:35:44
でも艦隊戦は交戦直前まで会敵どころか居場所見つけるのすら難しいから、埋めるにも限界があるからな。
特に秘密兵器なんて代物はそれこそ諜報でなければ手に入らないだろうし

554:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 22:38:10
さらにミノ粉があるからなー

555:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 23:02:17
>>552
ドズルもちょっとあふれ出し気味のような気がするが。あとブライトさんも。

556:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 00:12:31
>>547はスパイ映画の見すぎだなw
よしんば入手した情報が正しかったとしても、それを分析する段階で先入観等から誤った結論を出すことも多い。


557:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 00:57:48
それでも今なお諜報機関なるものが存続しているということは
やっぱり有用だからじゃないのか?

558:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:01:42
有用だよ、ただし限界はあるというだけ。 なんでもできるわけじゃない。

559:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:08:45
たとば新兵器の詳細がわからなくても
ソロモン攻略の為に新兵器を携行している。
って情報があるだけで対応はできるのでは?
自分のところでも似たようなの開発してれば余計仮定の中に
いれるのではないでしょうか?

560:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:14:47
>>559
コロニーレーザーとソーラシステムはまったく違うものだよ

561:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:16:49
ちなみに原爆投下もOSS、後のCIAのミスリードが大きいという説もある。

562:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:18:01
>>559
ソーラシステムとソーラレイは全くの別物だから。
それを似たようなのと言っちゃいかんだろう。

563:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:20:07
>>559
それだけで対応できるわけないよ、福田や嫁に毒されてないか?

564:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:35:10
運用方法としては同じ系統では?

対要塞用の新兵器となればある程度の推測はできるんじゃないかな?
んで、少なからず対策は採るのでは?
例えば武人のプライド捨ててキシリアの突撃機動軍に援軍を
頼んで、その戦力を遊軍にしてティアンム艦隊の背後に回らせるとか。

565:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:39:55
では?
かな?
では?

こんなの語る価値もない、もう一度やり直し。

566:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:44:22
>>564
ソーラシステムとソーラレイの運用方法は全く違う。

ソーラシステムは戦術兵器で、戦場に持っていって展開し、使用する物。
ソーラレイは戦略兵器で、移動させる事は考慮されて無く、自国領土から敵国領土を直接攻撃する類の物。

だいたい、仕組みも原理もまるで違う。似てるところを探す方が難しい。

567:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:46:13
対要塞用とはいえ普通は「兵器」の範疇で考えるはず。
自軍が準備しているソーラ・レイやマスドライバーを利用した質量爆弾、はたまたイグルーで出ていたような巨大対艦砲。
ソーラ・システムはその威力を太陽に依存しているんで普通に兵器を製造する過程で必要なものが違いすぎる。
例えば普通に諜報活動をしているならMS用熱核反応炉がどれだけ製造されたか、とか装甲板の生産量がどんだけだから予測される艦艇建造数はこれだけ、とかの推定が出来る。
そういった「通常ならば軍事と直接結び付かない」ものを前兆と考えるのはまず不可能。
私的にはソーラ・システムで使用されたミラーはコロニー用ミラーの製造ラインをそのまま流用するとかして、「決戦兵器を作っている」と悟られないようにしてたんじゃないかと思うんだが…。


568:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 02:01:07
>>566
そうなのか・・・。
いや、俺はてっきり「超火力で広範囲の敵を殲滅する」という
同じコンセプトの兵器だとばかりorz



569:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 02:08:32
>>567
丁寧な解説に感謝です・・・m(_ _)m
自分の知識の無さが不甲斐無い・・・

570:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 03:14:22
ソーラーシステムって、巨大な鏡の焦点に目標がなきゃまったく効果ないもの。
固定された目標か、事前予測通りの動きしかしない目標(「星の屑」の時ね)以外には無意味だよ。
なんか一部誤解されるような映像表現があるけど。

571:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 03:49:48
細かいミラーの集合体だから、焦点はある程度ずらせる。

572:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 04:53:49
まぁ、なんというかそろそろ軍事板に
行ったほうが良さそうな空気になったので
俺はそっちにいくは…。

573:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:05:40
>>571
ただその焦点を合わせるのに時間がかかるんだよね。
時間稼ぎがなければ所詮、ミラーでしかないからあっという間に潰される

574:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:40:04
投下…ないね…

575:51
07/07/26 20:51:42
>>574
最後まで書くと、試験の関係で来週、遅くて再来週になる。
途中までなら明日のこの時間に投下できるが?

576:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:32:56
待っております!

577:515
07/07/27 09:36:08
どうも3週間ぶりです。
最近欝気味で死にそうでした。
どうにか持ち直したので23話前半部分投下します。


578:515
07/07/27 09:38:22
Zion-Seed 第23話 PHASE-05『フェイズシフトダウン』或いは『ジオンの脅威』


 ■ ■

 シャアの“赤い”ザンジバルに発見されたクルーゼ隊のヴェサリウスとガモフでは、慌しく4機の鹵獲機体の
発進準備がおこなわれていた。

 現在クルーゼ隊の保有MSは4機のGに、小破したシグーが2機に中破したジンが4機のみである。
 中破したジンの修理は艦の機材では完全には無理で戦力として数えるのは不可能、クルーゼとミゲルのシグーは
応急処理さえすればなんとか戦闘は可能だが、かの『赤い彗星』相手となれば少々きびしかった。
 結局、鹵獲機体に頼らなければならないというザフトからしてみれば噴飯ものの事態であった。

 アスランはX-303イージスのコクピットに座りながら先ほどのクルーゼとの会話を思い出していた。

「だが、そういう事情であればこの後あの連合艦と戦う事があれば君ははずそう。友人と戦わせるなどと言った
事は私もさせたくはない」
「!! いえ、出撃させてください! 私がキラを、あいつを説得してみせます。同じコーディネイターなんだ
話せばきっと分かってくれるはずです!」

「そうか……だが、もし、その彼が聞き入れなければ? 我らと敵対する道を選んだら? 君はどうするのかね?」
「っ!! ……そのときは、私がキラを討ちます!!」

「……つらい事を言わせてしまったな。だが、君の覚悟が聞きたかったのだ。あの連合艦と当たる事があれば君に
も出てもらうとしよう。とは言っても、まずはこの危機を脱せねばならんのだがな」
「ハッ! 赤い彗星、でありますか?」

「そうだ。君たち4人が作戦の肝となる。ぬかるなよ?」
「了解しました!!」

 そのときのやり取りを思い返していると、どうやらこの機体の出撃準備が整ったようで整備班が機体から離れて
いく。
 アスランは、クルーゼもいっていた通りまずはジオンの追撃を切り抜けてからだな、と思考を切り替える。

「(キラを説得するのはその後だ)アスラン・ザラ、イージス出る!!」

 ヴェサリウスからX-303イージスが先行して出撃する。

579:515
07/07/27 09:39:44
「遅れるなよ! アスランはもう敵に接触しているぞ!!」
「分かってるよ、赤い彗星を倒せばネビュラ勲章ものだもんなぁ」
「わかっています。アスランだけに無理はさせられません」

 それに遅れる事1分弱、ガモフからX-102デュエル、X-103バスター、X-207ブリッツ、3機のGが出撃した。

 ■ ■

 悪寒を感じながらも、シャアは愛機の赤い塗装が施されたリックドムを駆り、ザフト艦へと近づいていた。

「さて、ジオンの大儀云々を言うつもりはないが……コロニーを崩壊に追い込んだ事、許すわけにはいかんな」

 そう呟き、笑みを浮かべるものの仮面越しにも分かるその視線は絶対零度の冷気を持ってザフトを見据える。
 かのジオン・ダイクンの遺児は、静かに深く怒っていた。

「連合の新型の性能、そして新人類を名乗るプラントの民の実力、見せてもらおうか!!」

 そう言って、シャアはナスカ級から出撃した赤い機体に向かって突貫した。

580:515
07/07/27 09:41:05
 ■ 赤い彗星vs赤服 ■

 出撃するとほぼ同時に、アスランは敵機からの強襲を受けていた。

「うわっ!!」

 突っ込んできたリックドムのバズーカの直撃をいきなり受けてしまう。
 PS装甲のおかげで機体に大したダメージはないものの、いかなPS装甲でも衝撃までは殺せない。
 ナチュラルでは脳震盪になりかねない振動がコクピットを襲う。

「っ、こんなものでぇ!!」

 だが、流石はザフトレッド。
 衝撃から機体をすぐさま立て直すとアスランは敵機に向けてビームライフルを連射する。
 しかし、どういうカラクリか、ほとんど背後から撃ったにも拘らず、尽くが回避されてしまう。

「当たらない!? どうして!」
「これが、フェイズシフト装甲か。流石に硬いな、だが!」

 これならばどうだ? ヒートサーベルを抜き放つと、シャアはイージスの射撃を掻い潜り再び接近する。

「くそぉ!!」

 一撃も当たらない敵機に焦りながらも、アスランもビームサーベルを抜き、斬撃を放つ。

「甘い!」

 しかし、その攻撃はシャアがサーベルの柄でイージスの手首を払い、無効化されてしまう。
 そしてシャアの放った斬撃がイージスを直撃する。

「うわぁああああああ!!」
「なんと、これも効かんか!?」

581:515
07/07/27 09:42:36
 リックドムのヒートサーベルはイージスのPS装甲とぶつかり合い、凄まじい火花を散らせるが装甲にその
刃を食い込ませる事はなかった。

「アスラン、避けろよー!」
「え!?」
「!!」

 通信機から流れるその声にアスランが機体を動かすよりも速く、シャアはイージスを蹴りつけて距離をとった。
 その直後に高出力のビームが先ほどまで2機のいた場所を通り抜ける。

「おおおおおおおお!!」

 続いてイーザクの駆るX-102デュエルがビームライフルを連射しながら突貫してきた。

「ほう、奪取機体を全て出すか。いい思い切りだ」

「あれをかわすかぁ? ニコル、アスランに着け、俺はイザークを援護する」
「わかりました」

 遅れて到着した3機のGの参戦により、シャアは4対1の戦闘を強いられる事になる。
 だが、圧倒的に不利な状況に追い込まれながらも、シャアの口元には笑みが浮かんでいた。

「さて、そろそろ頃合だな」

582:515
07/07/27 09:44:42
 ■ ニュータイプ兵器 ■

 “宇宙に進出した人々はその環境に適応した『ニュータイプ』へと進化を遂げ、やがて人類を『人の革新』へと
導く”。
 かつてジオン・ダイクンは、その思想の根幹部分にこのような概念を導入した。ジオン独立戦争に先立つ宇宙移民
独立運動の高揚、またギレン・ザビによる民衆の扇動も、このニュータイプ史観がなければありえなかっただろう。

 そして独立戦争以後、一般に空間認識能力者と呼ばれる人間の中でも特に優れた認識能力、洞察力を持つ人間を
発見し、これをニュータイプと呼んだ。
(無論、これはジオン公国内でのことである。プラントではニュータイプ史観自体が否定されているし、連合内でも
宇宙在住者であるコーディネイターが、ニュータイプとなりうる可能性を秘めている以上認めがたいものがあった)
 彼らの能力は軍事技術と結びつく事で“新兵器”となり、空間認識能力者と同じく『ニュータイプ=兵器』という
認識がもたれるようになる。

 公国軍で最初にニュータイプの軍事利用を考えたのはキシリア・ザビ少将(当時。現在は予備役)である。
 彼女はジオン独立戦争において、通常の空間認識能力者以上の戦果を上げたパイロット達を徹底調査した結果、
ニュータイプの存在を確信するにいたり、フラナガン機関を設立する。
 無論、軍事利用を念頭に置いた機関であり、当時既に公国軍再編に向けた動きが水面下であったため公国軍全体と
いうよりも彼女の私兵強化の目的が強かったと思われる。
(事実、クーデター時の私兵部隊には機関より選出された人員が少数であるが参加している)

 しかしながら、機関の長フラナガン博士はクーデター失敗におけるキシリア派失墜においても機関を維持することに
成功する。
 これは博士がクーデターの失敗を予期していたわけではなく、未だ開発段階であったサイコ・コミュニーケーターの
実験に必要なララァ・スンらの嫌ったからである。
 結果的にそれがクーデターを鎮圧したギレンへの手土産となり、機関の存続に繋がったのである。

583:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:41:18
もっと早く気付いてていれば、515氏が規制に魂を引かれることは無かったものを!

584:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 11:46:03
>サイコ・コミュニーケーターの実験に必要なララァ・スンらの嫌ったからである。
→ララァ・スンらがクーデターに関わることを嫌ったからである。

てな具合に抜けているのではないかと。支援出来なかったので、せめて指摘を…

585:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 12:35:52
GJ!

よく考えたら赤いザンジバルって気持ち悪いなw

586:515
07/07/27 14:00:37
 ギレン・ザビは妹キシリアほどにニュータイプの軍事利用に興味は抱いてはいなかったが、ニュータイプと呼ばれる
人間が戦場において確認されたと言う事実には注目していた。
 なんといっても、すべての人類のニュータイプへの覚醒がジオン公国の最終到達点である。
 その為フラナガン機関は予算は据え置きどころか増加(この予算の中には量子通信技術の開発予算も含まれている)
され、公国軍再編における混乱の余波もどこ吹く風でニュータイプ兵器の開発に邁進していく。

 それはソロモン攻防戦において有線式サイコミュを搭載したMAN-03の活躍によって表明された。
 この戦果でニュータイプ兵器の有効性を確立したフラナガン機関は、続いて無線式サイコミュの開発に勤しむ事になる。
 そうして開発されたのがMAN-08エルメスである。
 無線式サイコミュ、ビットを12基搭載したこの機体は、リックドムⅡ一個中隊の攻撃力に匹敵すると言われ、現在
ニュータイプ・パイロットと判明している4名のパイロットが乗機としている。

 1号機:ララァ・スン少尉 :シャア・アズナブル隊所属
 2号機:マリオン・ウェルチ少尉 :シャア・アズナブル隊所属
 3号機:シャリア・ブル少佐 :シャリア・ブル隊隊長、旗艦はザンジバル級機動巡洋艦『レガシー』
 4号機:クスコ・アル少尉 :シャリア・ブル隊所属

 ■ ■

 シャアが4機のGと交戦を開始した頃、“赤い”ザンジバルでは2機のエルメスが出撃しようとしていた。

「ウェルチ少尉はまだか? 流石の少佐とはいえ4対1は厳しいぞ」
『どうします、ドレン大尉? ララァ少尉を先行させときますか?』

 だが、何故かエルメス2号機のパイロット、マリオン・ウェルチがなかなか現れないのである。
 さすがにハマーン・カーンにノックアウトされているとは誰も想像できまい。

587:515
07/07/27 14:02:07
「仕方あるまい。これ以上出撃を遅らすわけにはいかん。アンディ中尉はスン少尉と出撃しろ、リカルド中尉は
保安部とウェルチ少尉を探してくれ」
『了解であります』

 すでに先行したシャアはザフトMS隊(といってもすべて連合からの奪取機体ではあるが)と交戦中である。
 これ以上、支援攻撃を遅らせるわけにはいかないと、ドレンはエルメス1号機を先行して出撃させる事に決めた。

『……と言うわけだ。これ以上時間を浪費するわけにはいかん、先行して出撃してもらう』
「了解しました」

 艦長のドレンの通信が終わるとほぼ同時に後方のハッチが開く。
 ララァは管制の指示通りにエルメスを操り、ザンジバルから出撃する。
 宇宙空間に出たことで、サイコミュによって増幅されたララァの感覚は一気に膨れ上がる。

(この感覚はいつも慣れない……まるで素肌で宇宙に出るかのよう……)

 膨張したララァの感覚は前方でおこなわれている戦闘の様相が見て取れた。
 5者5様の思念が流れ込んでくる。

(冷徹に燃える青白い炎が少佐、憤怒、焦燥、驚愕、恐怖が彼ら、コーディネイターと言えどもその精神は人と
変わらないというのに……)
『……ァ少尉、ララァ少尉? どうかしたのか?』
「っ、いえ、なんでもありません」

 思考に没頭していたせいで続いて出撃したアンディの通信に気がつかなかったララァは、恥ずかしさで顔を
真っ赤に染める。幸いにしてそれはヘルメットのバイザーに阻まれ、誰にも気付かれる事はなかったが。
 
「……攻撃目標、ザフト軍MS4機、及びローラシア級1隻、ナスカ級1隻。攻撃を開始します」

 ララァの言葉が終わるとともに、エルメスから12基のビットが射出される。
 昨年のソロモン撤退戦においてザフトを恐怖させたオールレンジ攻撃、姿が見えぬゆえ『亡霊』と呼ばれたそれが
クルーゼ隊に襲い掛かった。

588:515
07/07/27 14:05:15
 ■ 蜉蝣と三連星 ■

 一方、AAを追うシーマ中佐の『リリー・マルレーン』はアルテミスへと向かう進路をとっていた。
 地球連合の宇宙拠点がアルテミスだけである以上、AAが逃げ込めるのはそこだけしかないからだ。
 このことから当然、シーマたちはAAが連合艦であることは承知していた。
 その上で攻撃を仕掛けようとしていた、もちろん建前上はヘリオポリス崩壊にかかわった所属不明艦への攻撃である。

「さーて、そろそろお目当てのと接触するころだね」
「中佐、俺達は出なくてよかったのか?」

 シーマはアルテミス周辺のデフリ帯に差し掛かったところで、本人と三連星を除くMS隊を索敵に出していた。

「あんたらにはお目当てのが見つかってから出てもらうよ」
「心得た」
「まかしときな」
「おうよ」

 基本的にエース専用機は次世代型量産機より性能が優れたりするが、反面、整備性は劣悪で推進剤をバカ食いするなど、
いい面ばかりではない。
 シーマも三連星もそれを良く理解しているので、これは確認の為の会話であった。

「クルト機より通信、“ワレ敵艦ヲ確認セリ”!」
「よし、捕らえた! 他の連中に援護に向かうように伝えな、あたしらも出るよ!」

 副官のコッセルに指示を出し振り向くと、すでに三連星はブリッジから消えている。
 彼らはオペレーターがクルトからの通信を受けた時点で格納庫へと向かっていた。

「流石に行動が早いね。さてと、連合のガキどもに海兵隊の恐ろしさを叩き込んでやろうじゃないか。いくよ、野郎ども!」
「「「「了解、姐さん!!」」」」

589:515
07/07/27 14:19:44
以上、投下完了。

>>584氏のご指摘どおり、

>実験に必要なララァ・スンらの嫌ったからである。
→実験に必要なララァ・スンら優秀な被験者の放出を嫌ったからである。

ですね、申し訳ありません。

後編はいつになるか分かりませんがなるべく早く仕上げるつもりです。

>>516氏へ

短編外伝ですが、予定ではアストレイのストーリーも組み込むつもりでしたが、
現状では無理っぽいのでカナード絡みであれば特に問題ないと思います。

正直、欝気味でいつ投げ出してもおかしくないぐらい、今テンション低いです。
なんとか種終了までは書き上げたいですけど……。

590:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:26:40
鬱なときはシャニティアを見たらいいよ。

591:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 14:38:16
シーマ様海兵隊カコイイ!!

592:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 15:32:25
GJ!のエールを送るぜ!

593:51
07/07/27 19:41:24
515氏GJです! クルーゼ隊がフルボッコですね!
さて私も21時くらいに投下します。

594:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:29:38
wktk

595:51
07/07/27 21:02:24
34-1(1/5)

 ジブラルタル基地。
 この基地はザフト地上軍にとって大西洋連邦とユーラシア連邦の橋頭堡となる重要基地である。その規模は
連合に近いという理由からかなりのもので、MSだけでも400機を優に超える戦力を保持していた。大西洋に
面した湾岸部には無数の砲台群が配置。更には布陣している潜水艦隊の存在がジブラルタル基地を難攻不落の
永久要塞としていたのである。
 ジオンよりも早く地上へ展開していたザフトは、水中用MSという観点において一日の長があった。早期に
水中用MSを実験することができた為に、グーンやゾノといった高性能MSを開発できた。ジオンはゴックや
アッガイを地中海に投入したが、付け焼刃のMSでは対抗できなかった。
 そんな無敵を誇るジブラルタルにザフトは増援部隊を集結させた。

――第34話

 砂漠の虎の敗北によって地上へ送られた増援部隊。その中にアスラン・ザラもいた。本来ならプラント本国
にいる筈だったが、親友であるキラ・ヤマトに会うという理由で地上に降りたのだ。
 そんな彼は、カーペンタリア基地に所属するマルコ・モラシムの部隊に身を寄せていた。
「少しは慣れたかな? 地球の重力に?」
「はい。始めは戸惑いましたが、今は」
「そうか。だが、人間慣れ始める頃が一番危険なのだ」
「……肝に免じます」
 地球の重力に慣れていない兵は赤服・緑服とわず厳しい訓練を施される。当初はパトリックの息子であると
同時に英雄であるアスランにその様な訓練は不要との声も上がったが、モラシムを始めとした現場指揮官から
異議が唱えられ、現在に至っている。アスランとしてはそれを厄介に思うことはなく、むしろ特別扱いになら
ないことが嬉しかった。
(地上に降りたのは正解だった。しかし、キラ……お前は今何処にいるんだ)
 アークエンジェルがユーラシア連邦に向かったのは確認できた。だがその後の行方が解らない。再びキラに
会いたいアスランとしては、一刻も早くその行方を調べたいのだが、ジオンがバナディーヤを占拠した報せに
よって、ザフト地上軍は緊張状態になっており、調べる暇が無かった。

596:51
07/07/27 21:03:46
34-1(2/5)

 このような情勢下でカーペンタリアを出港したモラシム隊は、ジブラルタルへの輸送船団を護衛する任務に
就いていた。旗艦クストーを先頭に、3隻のボズゴロフ級潜水艦と10隻の輸送潜水艦が旧モロッコ沿岸を進む。
 すると、後1時間もすればジブラルタルに着くところで、オペレーターがSOSを受信したと言う。
「ミノフスキー粒子の影響で断片的なモノしか分かりませんが、反応はレセップス級のものです」
「モラシム隊長、助けましょう」
「アスラン・ザラ、少し落ち着け。敵は連合か? それともジオンか?」
「MSのようですが、データに無い機体です」
 現在確認されている水中用MSはゴックとアッガイのみ。違うとなると新型MSであるのは明白だ。
「新型となると、ことは慎重に動かねばなりません」
「待ってください。救援へ向かうべきです」
 味方の窮地にアスランは救助を進言するが、モラシムの副官ハンスは慎重論を言う。
「救援はジブラルタルから出るだろう。我々の任務は輸送船団の護衛だ」
「そんな悠長なことは……」
「アスラン、宇宙ではどうだったか知らんが、地上では命令無視は許されない」
「だが、見過ごすわけにもいかんぞ」
 2人のやり取りを見ていたモラシムは決断する。
「隊長!?」
「クストーだけ先行する。他の艦艇はこのままジブラルタルへ」
 それだけ告げるとモラシムは艦橋を出た。

 宛がわれたディンからレセップス級を見たアスランは、その姿に絶句した。
 外から見ただけでも、十数におよぶ破損箇所が認められる。対空砲は全て潰され黒煙を出し、見るも無残な
姿に変貌していた。これがバルトフェルドの乗艦であったとは、言われなければ気づかないだろう。
 そんなレセップスをこのような姿にした張本人が水しぶきを上げて現れた。
「ジオンのMSか?!」
 機体構造そのものが今までにない形をしているが、モノアイである時点でそれがジオン製であると分かる。
MSは今まで見たことの無い巨大なアームを伸ばし、先端からビームを撃っていた。
「アスラン、オマエはレセップスをジブラルタルまで誘導しろ! MSは俺が相手をする」
 モラシムはザフトにしては珍しく集団戦法を積極的に採用していた。大抵のザフト兵士は個人プレイに走る
のだが、地球の海を体験したモラシムにとって、それは自殺行為でしかないと考えていた。
「全機、私に続け!」
 ハンスのグーン隊が後方から魚雷を発射する。しかしジオンのMSは軽々とかわしてしまった。見たところ
装甲は薄そうだが、機動性はゴックやアッガイを凌駕しているらしい。
 4機の敵MSが散開し、魚雷を放つ。それに合わせる様に、モラシム隊も散開した。
 戦闘に突入したモラシム達を他所に、アスランはレセップスを誘導すべく、ディンを飛ばした。


597:51
07/07/27 21:05:17
34-1(3/5)

 ジブラルタルに入港したレセップスのハッチが開くと、包帯を巻いた女性と数人の緑服の兵士が現われた。
「俺はバルトフェルド隊のバーナード・ワイズマン。捕虜になったが、隊長の機転で何とか逃げ出すことが
できた。基地司令官に会わせてもらいたい」
「分かりました。しかし、これはどういうことです?」
 アスランが問うと、バーナードは支えていた女性を見た。
「詳しいことは彼女にしか知らされていない」
 その女性は長い黒髪をポニーテールにした中々の美人だ。しかし顔は青ざめており、所々に赤黒いものが
付着している。彼女は苦しそうにあえぎながら言葉を出した。
「私はアイシャという。バルトフェルドから言伝を頼まれた……ウッ、ゴホッ!」
 アイシャは崩れ落ち赤い血を吐き出す。バーナードが慌てて彼女を支えた。
「ジオン軍はジブラルタルを攻略する為に、恐ろしいMSを造った。ことはジブラルタルだけでなくカーペン
タリアにもかかわる。至急、司令官に……」
「しっかりしろ!」
「ジオンの拷問さえなければこんなことには……」
「何をしている! 早く司令官のところへ!!」
 バーナードが厳しい口調で言うが、ジブラルタル所属でないアスランには権限がない。どうしたらいいかと
悩んでいると、基地関係者が慌てて駆け寄り、彼らの要求を受け入れた。
 アイシャはストレッチャーに乗せられ運ばれていくと、アスランはその場に立ち尽くした。
(これで良かったのか?)
 違和感を感じる。それがなんなのか分からないがあまりにも出来すぎな展開に引っかかりを感じたのである。
 そんな感覚に頭を悩ませながらディンに乗り込むと、入港してきたクストーに帰還した。どうやらジオンに
は逃げられたらしい。アスランはモラシムに報告を済ませると、先程のやり取りおよび自身が感じた違和感に
ついて話した。
「彼らのIDは調べたのか?」
「いいえ。暇がなかったので……」
「何だとッ!!」
 アスランを睨みつけるようにして、モラシムは叫んだ。


598:51
07/07/27 21:07:41
34-1(4/5)

 司令室で待っていたヨアヒム・ラドルは、警備兵に囲まれて入室してきた隊員を見て急いで腰を浮かした。
なぜなら脱出した兵達の中にバルトフェルドの恋人の名が有ったからだ。彼女の名はバルトフェルドの部下か
親しい友人しか知らない。
「ラドルだ。アイシャ、一体何があった」
「それは……」
 ラドルはその友人の一人だった。そのため、重傷である彼女を気遣うように駆け寄った。しかしアイシャは
俯きながら弱々しい声で答える。ラドルは上半身ごと顔を彼女に近づけた。
「それはこういうことです、ラドル閣下……あんた等は私達の捕虜だ!」
 声を合図に、隊員達は警備兵のライフルを奪い去り、ラドル他幹部達に銃口を突きつけた。
「き、貴様! アイシャではないな!!」
「お初にお目にかかる、ラドル閣下。私はジオン海兵隊のシーマ・ガラハウ少佐。残念だったねえ」
 アイシャ改めシーマは不敵に笑った。まるで獲物を追い詰めた蛇のような目だ。
「こうもうまくいくとは思わなかったよ。IDカードまで偽造して来たのに、調べもしないなんてねえ……」
 全てはガルマの策略だった。執務室まで入り込んだカガリを見たガルマは、同じ事がジブラルタル基地にも
通用しないかと考えたのだ。
 実行に移されたこの作戦はアフリカ方面軍に所属するコーディネイター―ハーフ、クォーター含む―を
作戦の中核とした。何しろ敵陣のど真ん中に入り込むのだ。普通のナチュラルでは荷が重い。しかし特殊訓練
を受けていないものが大半だったこともあり、シーマが陣頭指揮を執ることになるのだった。そして案の定、
強い同胞愛を持つコーディネイターは策にはまったのである。
「これも“軍隊ゴッコ”のザフトならではなのかい?」
「ふざけおって……」
 ラドルは己の失敗に腹を立てながらも、シーマを前にして強気の姿勢でいた。
「この基地から無事に出られると思ったか? 人質をとったつもりだろうが、我らコーディネイターを貴様らと
同一視するなよ。貴様らの命を護る盾などないのだぞ!」
「人質……? 勘違いすんじゃないよ」
 シーマはバーナード―バーニィに視線で合図をする。彼は座っていた通信士を退かして機械を操作すると、
室内マイクをオンにした。スピーカーからは救援を求める声が流れ出す。
『こちら第27監視哨! ガウ攻撃空母の編隊がジブラルタルへ接近中! 繰り返す! ガウの編隊が……』
『退けっ! ダブデ級陸上戦艦が接近中! 至急、救援を……ザザッ……』
 次の瞬間、爆発音が鳴り、少し遅れて砲撃音がこだまして通信が途絶えた。
「何ということだ……」
「ご理解が早くて嬉しいかぎりさ」
 シーマは満足そうに言う。
「解ったろ? あんた等は人質なんかじゃなく、ただの捕虜さね」


599:51
07/07/27 21:10:30
34-1(5/5)

 ガウ攻撃空母10機とドタイ50機、そして護衛のドップ80機という編隊は、ジブラルタル南東から基地上空に
絨毯爆撃を開始した。“ヘラクレスの柱を折るのでは”と称される爆撃の初めの犠牲は飛行場だ。
 ここは基地防空隊が待機しており、小型VTOL戦闘機インフェトゥス150機が配置されていた。これらが
迎撃に加わればジオン空軍戦力を引かすことができただろう。しかし、待機していた150機は1機も飛び立つ
ことなく消滅した。戦闘機の大半を滑走路にむき出しの状態で待機させていたことが仇となった。
 なぜこんな馬鹿なことをしたのか。それはザフトのMS至上主義の所為である。地球進行の際、主力戦闘機
として開発されたインフェトゥスは艦載機としても運用するため収納性を高められていた。機体を前後に折り
たたむことでスペースの確保したのである。しかし、収納性を優先させていたため、火力・航続距離共に低く、
地球連合の戦闘機にも劣っていることが露呈してしまう。さらにザフトの航空兵器がディン主体に変化すると、
格納庫はディンが優先して置かれるようになった。戦争初期ではインフェトゥスを置く場所も確保できたが、
二線級扱いになり、ディンと置き換えられていく。このツケが今回ったのである。
 空の怪物と恐れられるガウの奇襲は成功を収めた。これと同時に胴体部のハッチが開かれると30機のMSが
一斉に降下を始めた。対空砲火の餌食となった機体もあるが、全体の9割強が降下に成功する。
 ザクは施設を攻撃、グフは敵MSを迎撃する。ザフトも必死の抵抗を見せるも、大半が散発的なものだった。
 このときザフトは、司令部が制圧されたことにより、指揮系統に混乱が生じていた。ザフトは各隊員の知的
レベルの高さに基づく判断力を生かし柔軟に戦うため階級が存在しない。しかし、幾ら知的レベルが高くても
正しい情報が入ってこない現状では、統一した動きを全体が取ることなど不可能だった。
 そんな中でモラシムは冷静さを失わずいた。浮き足だつ部下を落ち着かせると、ジブラルタル脱出を図る。
 飛行場は酷い有様だが、軍港にはまだ爆撃が行われていない。だが、ガウが反転してくる可能性があった。
停泊中を狙われれば、如何にモラシムといえど打つ手がない。
「輸送船団にも知らせろ! カーペンタリアに戻るとな!」
 何とか動き始めるクストー以下3隻。ジブラルタル所属の潜水艦も湾口を目指す。しかしクストーの前方に
いた潜水艦に水しぶきが上がる。湾口で待ち伏せていた敵が魚雷を放ったのだ。
「隊長、敵MSです! ゴック12機、それから……」
 モニターを見つめたオペレーターは口をつぐむ。
「どうした?!」
「……先程と同じ新型MSが24機」
 モラシムは一瞬だけ凍りつく。それでも気迫で立ち直ると、MSに出撃命令を出した。


600:51
07/07/27 21:12:46
実は俺ポニーテール萌え……うわなにをするやめ(ry

601:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:14:38
GJ!
ポニテのシーマ様ハァハァ…

602:51
07/07/27 21:18:53
冗談は置いといて、ザフトの指揮系統って成り立ってるのかな? 激しく疑問だ。

603:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:23:51
GJ!!!
ジブラルタルオワタ!!!
なんと見事なイゼルローン攻略戦……
このガルマは間違いないなく魔術師!

弱弱しいシーマ様……スンゲェ見てぇw

ジブラルタルをジオンに押さえられたとなると、ザフト終ったな。
ウロボロスどころの話ではないって感じだ。

604:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:29:21
515氏GJ!
ザフトの方は何人生き残るのか、PS装甲もビームに負けるからララァにやられる訳ですな。
ハニャーン様の行動次第で逃げ切れるかもしれませんが。
AAの方はシーマ様と三連星相手にどう生き残るのか。こっちはアルテミスから増援でもないと生き残る手段がなさそう。

51氏もGJ!
ジオンの新型はズゴックですか。これで制海権もジオンのものか。あと必要なのは大型潜水艦だけですな。
これで現在オデッサ作戦中の連合は袋のネズミになったわけで。
ザフトの指揮系統って、国防委員会の下に各隊があるという上と下しかいないような組織なのでは。
階級もないし、方面司令ってものもなさそうだったし。

605:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 21:33:14
>>602
まともに考えたらまず成り立たないのでは?
軍隊とかそういうのに関わらず、どんな組織にも階級というのは存在しますし。
全ての兵が軍事機密を含めた情報を共有化してるとかなら話は別……というわけでも無いですしね。
彼らが階級無しにしてる理由は「コーディネイターなら同じ考えに行き着く」という理由かららしいです。

最後に、GJ!!でした。

606:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:22:16
>>602
流石に基地や部隊なら指揮命令系統は機能してるだろうけど、各部隊の連合やこういう混乱時には普通の軍隊でも慌てるからねぇ。
俺が俺がな連中が多くないことを祈ってるんじゃね?

607:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:27:27
どこぞのフェイスさんもナチュラルと違って指揮や命令はいらないようなこと言ってたな。

608:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:55:34
むかーし、ソヴィエトという国が出来たとき、兵士労働者平等の観点から階級を廃止したそうだ。
結果、お仕事にならず、早々に復活させることになったそうだけれど。

しかし、コーディって勉強の成績はともかく、決して頭よくなさそうな印象があるなぁ……

609:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:05:37
装甲の薄い水中MS=ハイゴック=∩(`・ω・´)∩バンジャーイ

610:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:39:21
俺、今分かったんだ。
このスレのアイドルがシーマ様だって…




シーマ様バンザーイ!

611:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:42:34
そういえばコンテストはどうなったのかな?

612:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:13:18
お二方ともGJ。
ところでジブラルタルからカーペンタリアってどういう航路で移動してるんだ、ザフトって。
確か南米って大西洋連邦の勢力圏だろ、南極でも通るのか?

613:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:26:31
Uボートよろしく喜望峰周りでインド洋突破じゃないか?

614:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:43:10
両氏GJであります。

やったー、待ってたー、ズゴック登場! ジオンMSの中ではかなり好きな機体だ。

615:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 01:16:25
>>614
そう思ってたらハイゴッグ

616:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 02:42:47
51氏GJ!
しかし、この世界のガルマの覚醒の目覚しさをみて前世はまさか、
ブランデー入りの紅茶と昼寝の好きな某提督じゃないだろうな(汗
シーマ様もローゼンリッターの真似事してますし・・・

まあ、昔のガンダム読者参加ゲームでもガルマが生き残って
ガトー並の腕を思った猛将になった例もありますから
坊ちゃんよりこんなガルマなら応援しやすいですw



617:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 16:34:46
ジオンの楽勝ムードに危機感を覚える俺。

618:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 16:42:53
>>615
いや、ハイゴッグは後半で登場と見た。

619:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 16:45:58
>>617
楽勝、楽勝でみくびってこけてくれないとお話が盛り上がらないじゃまいか

620:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 17:18:04
ギレンの見通しが甘すぎるからな

621:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 17:19:20
>>620
アホの子が何とかするでしょww

622:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 18:34:47
>>608
もしかしたら知力向上じゃなくて単に記憶力が上げただけだったりして名

>>620
でも甘く見たくなる面子だからなぁ・・・

623:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 18:40:25
>>622
本編でもさ、PS装甲、ラミネート装甲、陽電子リフレクター、ヤタの鏡
ジェットストライカーとナチュラルが開発したの多いよ。

624:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 20:00:22
ドラグーンシステムの元になったバチルス・ウェポン・システムもな。

625:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 22:16:42
51氏GJ!
シーマ様の見せ場でしたね。 シーマ様ハァハァ。
そういやジブラルタルの陥落って凸が原因って事になるのか?
もはや言い逃れ出来ない大失態。
この事はモラシムしか知らない事だから・・・

626:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 22:42:33
シーマ様がシェーンコップ杉でバロスwwwwwwwww

627:通常の名無しさんの3倍
07/07/29 00:05:57
ぶっちゃけ、連邦とジオンだと両方とも同じ程度にアホで外道なんだけど、
連合やプラントはそれを高度差3000mくらい斜め上にバカで外道だから(ラクシズは言うに及ばず)、
比べると、ジオンでも連邦でも正義の軍隊になっちまうんだよなぁ。
正義の 怒りを ぶつけろ ザク♪ みたいな?

628:通常の名無しさんの3倍
07/07/29 00:08:49
コロニー潰しでコロニー住民大量虐殺しておいてジオンの戦争はスペースノイドの
大義のためだとすり替えに成功したギレン総帥とか、ルウムでぼろ負けした
責任者なのに連邦国民から英雄扱いされたレビル将軍とかたしかに。

629:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 00:56:06
>>628

そのあたりの理由は一年戦争全史上下巻を読むと実に良く理解出来るぞ。
少なくとも種や種死程にポカーンとはしない。

630:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 02:04:44
>>627
>正義の 怒りを ぶつけろ ザク♪
リズム悪っw
せめて次数が同じなジオングとかゲルググに

631:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 04:21:31
正義の 怒りを ぶつけろ アッザム♪
意外に合うなw

632:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 18:57:20
アッザム主役か世wwww

633:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 20:51:39
これみててふと思ったのですが
連邦や連合のお偉いさんとかってどうやって決まってるんですかね?
国連みたいに国家の代表で無し、選挙……もちょっと違うと思う
世襲制……じゃあ貴族化してしまうような?
地道に階級上げては武官しか通用しませんし、文官どうなってるんだろう?

634:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 21:48:28
連邦の場合は完全に形骸化した民主主義による選挙かと思われ。
連合構成国家は……多分、今とアンマリ変わんないんじゃないかな?

635:通常の名無しさんの3倍
07/07/30 22:05:04
国際連合の後身だけど、大国の存在が前面に出てるんだろうねぇ。
それでも学級会の国連よりははるかにましだけど

636:通常の名無しさんの3倍
07/07/31 08:07:08
モラシムが出てきたが種での印象薄いなー
51氏は有能に書いてるが実際どうなん?

637:通常の名無しさんの3倍
07/07/31 10:31:18
すまん、阿部スレの印象が強烈で本編の忘れた……_| ̄|○

638:通常の名無しさんの3倍
07/07/31 15:09:12
どっかにガルマ主役のSS落ちてませんか?

639:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 00:29:20
>>638
1.SSを買ってくる
2.ギレソの野望を買ってくる
3.新生ジオンモードプレイ

640:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 01:18:26
いや、買うんならドキャ版だろう。

641:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 01:26:54
ガルマ主役のセガサターン

642:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 02:56:25
ジオンの系譜でいいだろ

643:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 08:01:14
つワンダースワンの「蒼き星の覇者」

644:51
07/08/02 18:32:04
34-2(1/5)

「ドライゼ艦長。シュタイナー大尉から入電。“封鎖に失敗、敵の迎撃あり”です」
 指揮系統が崩壊したジブラルタル基地において唯一まともに機能していたモラシム隊に攻勢を仕掛けたのは
スエズ基地のドライゼ隊だった。旗艦のユーコン級潜水艦“U-801”艦長のドライゼ少佐は潜望鏡から目を
離すと敵に賞賛を送った。
「素早い判断だな。“砂漠の虎”以外にも、まともな指揮官がいたか」
「もしかしたら“紅海の鯱”かもしれませんね」
 “紅海の鯱”とは、まさにマルコ・モラシムのことを指している。
「確かにその可能性はあるな」
「しかしハイゴックの前では“紅海の鯱”も手も足も出ないはずです」
 ドライゼは新型MSのハイゴック1個大隊をぶつけていた。ツィマッド社が開発したハイゴックは統合整備
計画でゴックを改修した時期主力MSである。ゴック程の装甲はないが、下手をすれば陸戦用MSよりも高い
運動性と機動性を持った水陸両用MSだ。
 更には特殊部隊“サイクロプス”を中心としたベテランが搭乗している。さすがのモラシムでも分が悪い相手
と思われていた。
「果たして、そう旨くいくかどうか……」
 ドライゼは不安を感じ取り、頭の帽子を被り直した。


645:51
07/08/02 18:34:03
34-2(2/5)

「全機、油断するな。どうやらさっきの奴のようだ、注意しろよ!」
 ハーディ・シュタイナー大尉はサイクロプス隊の隊長だ。叩き上げの職業軍人で、それゆえに煙たがられる
ことも多いが、ジオン軍でも有数の指揮官と言えた。
「へへへ、思い知らせてやるとするか」
「♪~♪♪~!」
「またテーマ曲かよ」
 ザフト艦から出撃したMSがハーディ達に迫る。モラシムとハンスのゾノ、その後ろにグーンが続いた。
 サイクロプス隊はそろって魚雷をモラシム隊に向けて放つ。モラシム隊はそれを軽くかわして見せた。だが、
回避行動を行なっている間にサイクロプス隊のハイゴックが急接近する。
「全機散開!」
 ハーディの意図に気づいたモラシムは素早く指示を出した。ハンス達も即座に対応するが、遅れたグーンが
ハイゴックのアイアンネイルに切り裂かれてしまう。
「やはり接近戦か……」
 グーンは対MS戦闘を想定せずに造られた機体だ。その為、接近されれば攻撃方法が無い。
 鈍重なゴックなら近づかせることもさせなかったが、ハイゴックにはいとも簡単に接近を許してしまった。
「ハイゴックならばゾノに負けんぞ!」
 先手を取ったことでモラシム隊の連携が崩すことに成功した。
 サイクロプス隊の4機が目標としたのはモラシムのゾノだ。先の海戦で、モラシムの動きの良さに着目した
ハーディは最優先目標としていた。
 1機を相手に4機で仕掛ける。些か卑怯な行為ではあるが、相手はコーディネイターだ。ベテランぞろいの
サイクロプスでも慎重を喫したかった。
「目標を確認! 攻撃します!」
 アンディ・ストロース少尉とガブリエル・ラミレス・ガルシア軍曹が左右から挟み打つ。しかし―
「その攻撃は見切っているわ!」
 モラシムは限界まで引きつけてハイゴックを往なした。そして回避と同時にフォノンメーザー砲を発射する。
ガルシアは何とか回避したが、アンディには命中してしまう。
「うわぁぁぁ!!」
「アンディィィッ!!!」
「ク、クソがッ! やりやがったな!」
 モラシムの腕はハーディの想像をはるかに上回っていた。確かにハイゴックならば、ゾノが相手でも優位に
立ち回れただろう。しかしハーディは知らなかった。このゾノに乗っていたのが“紅海の鯱”であることに、
「ミハエル! ガルシア! フォーメーションを組みなおすぞ!!」
 ミハイル・カミンスキー中尉がアイアンネイルの先端からビームカノンを発射した。
 その隙にガルシアが距離を取る。
「いい腕だ! だが、あまり俺を甘く見るなよ!」
 爆発四散するハイゴックを確認し、モラシムは残りの機体を睨んだ。


646:51
07/08/02 18:36:58
34-2(3/5)

 アフリカ方面軍はモロッコ最北部のセウタに司令部を敷いていた。
 セウタはジブラルタル海峡に近い地中海沿岸に位置している。ジブラルタル海峡の幅は14~44km。そのため
艦砲射撃を行うには絶好の場所だった。ダブデ級陸上戦艦の主砲の力をいかんなく発揮している。
 兵達の士気も高く、奇襲の成功に誰もが沸きあがっていた。しかし、ガルマ・ザビ准将は興奮することもなく、
ただ戦況を見つめてばかりだ。
「湾口を押さえられなかったか」
 この一言だけでガルマの焦慮を理解するのには十分だろう。
 本作戦は第一に司令部の占拠、第二に制空権および制海権の確保が目標だった。その為にシーマを潜入させ、
無防備な滑走路に敷き詰められた戦闘機にはガウ隊を、沈降できない湾内の潜水艦にはユーコン隊を回した。
だが、先の二つは成功したものの、後の湾口封鎖には失敗してしまった。つまり、ジブラルタルの潜水艦隊は
健在というわけだ。
 ガルマは思考の海に入り込んだ。この後の作戦は揚陸艇を上陸させ、一気にジブラルタルを占領することに
なっている。しかし、ジブラルタル艦隊が揚陸艇を沈める可能性も出てきた。
「湾口を突破した艦隊は?」
「13隻ですが、これはジブラルタル艦隊ではありません」
「なに?」
「報告によると、入港したばかりの潜水艦だそうです。しかも大半が輸送艦だとか」
「となるとカーペンタリアの部隊か」
 言いながら前髪をこねる。
「ドライゼ少佐は“紅海の鯱”の可能性もあると言っています」
「ほぉ、その根拠は?」
「サイクロプス隊のアンディ・ストロース少尉が戦死したことからです」
 ガルマは目を見開く。サイクロプス隊の実力は彼も知っていた。
「奴らも手の内を見せなかった訳か」
 レセップスとの偽装戦闘の際、サイクロプス隊は手を抜いていた。敵も同様だったのだ。
「戦闘地域は?」
「湾口近海です」
 ガルマは広げられた海図に目を落とす。上陸地点と湾口では距離がある。上陸作戦の成功確率は高いだろう。
しかし、失敗する確率も低くはない。およそ2~3割の確率で、敵部隊の接近を許すことになる。上陸部隊が
殲滅されればジブラルタル攻略はもちろん、アフリカ方面軍には大打撃を負ってしまう。だからこそガルマは
慎重にならざるおえなかった。
「ハイゴックの調子はどうか?」
「3機の損害で、ゾノ2機、グーン5機を撃破しております」
「つまりこちらが有利なのだな」
 このことがガルマを決断させた。


647:51
07/08/02 18:39:10
34-2(4/5)

 その頃、アスランは1隻多くの脱出艦艇を護るため獅子奮迅の活躍を見せていた。
「なんて敵の数だ!」
 それでも次から次へと現れる下駄付きMSに手を焼いていた。彼は既に4機の下駄付きMSを落としていた。
味方のディンも必死になって応戦している。だが、いくらアスラン達でも護りきるには限界が近い。
「基地から増援は無いのか!?」
 満足な情報も得られぬアスランは基地飛行隊が壊滅したことを知らなかった。
「アスラン! 四時方向から敵機!」
「クッ!!」
 慌ててスロットルを引くとモニターの前をミサイルが通り過ぎた。見るとドップの編隊が10機向かってくる。
モラシム隊の腕を知ったジオン軍は部隊を集中させつつあったのだ。
「しまった!!」
 集中力を欠いたところを狙われ、潜水艦に爆弾が次々と投下される。アスランは阻止せんと立ち向かうが、
モラシムからの通信がそれを阻んだ。
「撤退とはどういうことです!」
「ジブラルタルはもうだめだ。生き残った艦艇だけで海峡を脱出する」
「まだ基地で戦っている者もいます!」
「だからこそだよアスラン。彼らがいる限り、ジオンも戦力を分散せざるえない。基地が抵抗している今しか
脱出の機会はないのだ」
「しかし……!」
「質問をしよう。今ジオンの上陸部隊がセウタから向かって進行中だが、我々はこいつを叩きに行くべきか?」
 アスランは答えに詰まった。
「答えはNOだ。そんな事をすれば艦隊防衛に穴があき、敵MSがなだれ込んでくるぞ」
 モラシムはたった1機で3機の新型機を相手取っている。ハンスらも苦戦しつつであるが持ちこたえていた。
「コーディネイターと言えど万能ではない。それを自覚しろ、アスラン」
「クッ……」
 無力感の中でアスランはクストーに帰還した。そしてIDカードを確認しなかったことを死ぬほど後悔する。
なぜなら、この日ジブラルタルを脱出できたのは20隻にも満たない艦艇だけだったのだから。


648:51
07/08/02 18:40:46
34-2(5/5)

 モラシム隊が逃げる時間を稼いでいるかのようにジブラルタル基地は抵抗を続ける。それでも揚陸艇が着き、
ジオンの制圧部隊がなだれ込むと、抵抗は徐々に薄れ、降伏するも者も出始めた。
 そして数時間後、難攻不落といわれたジブラルタルは陥落する。捕虜の数は20000人を超えた。
「捕虜の扱いは徹底させろ。違反した者は銃殺刑だ!」
 ジブラルタル基地に降り立ったガルマの第一声である。
 些か厳しい処置だが、ここまでしなければ軍規は保たれない。それだけ公国のコーディネイターに根付いた
反プラント感情は深いものだった。
「しかし20000人以上か」
 捕虜の数を聞いたガルマは呆れた。ただでさえバナディーヤ占領の折に5000の捕虜を得ていた。今度はその
4倍である。ガルマは、この数を知ったマ・クベはどんな顔をするだろう、と思い描いた。
 一先ず基地司令部に足を運ぶと、作戦の立役者であるシーマが敬礼を持って迎えた。
「よくやってくれた。ジブラルタルを落とせたのは貴官のおかげだ」
「お褒めいただき光栄です」
 謙遜することなくシーマは頭を下げる。
「それよりもガルマ様。連合軍がオデッサに向け進行中です。軍勢は既にウクライナ国境に達しています。
増援を送るべきかと……」
「無茶を言うな。動かせる部隊などないだろう」
「私の隊なら直にでも動けますが」
 なにやら思惑のある返答に、ガルマの好奇心が疼いた。
「シーマ。何を考えている」
「ガルマ様のために働きたい。それだけです」
「……なるほど、暴れ足りないわけか」
 シーマは本心を付かれるとニヤリと笑った。
「ここにいるコーディ達もストレスを抱えてますゆえ、連れて行っても構いませんか?」
 この言葉にバーニィが驚いた顔をするが、二人はそれに気づかない。
「いいだろう。好きにしろ」
「ハッ!」
 シーマは見事な敬礼をしてみせると、コーディネイター兵と共に出て行った。
 ガルマはそれを見送ると副官のダロダにいくつかの指示を出す。
「ダロダ。基地の通信施設は使えるか?」
「施設事態の損害は皆無ですので可能かと……」
「よし。では、オデッサのマ・クベ中将に戦勝の報を知らせてやれ。連合にも傍受できるようにな」
 こうしてジブラルタル陥落の知らせは世界を駆け巡るのだった。


649:51
07/08/02 18:42:21
ジブラルタル攻略戦はこんな感じです。
もっと書きたかったけど、夏の暑さに負けましたorz

>ハイゴック
 私が系譜で量産してましたので、主力にしました。
 ズゴック? アレは高いから……

>20000人
 多すぎますか?

>銃殺刑
 中の人繋がり……

650:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 18:56:17
>51氏
新作GJ!
20000でもええんじゃないのですか?
一応、重要拠点ならばそれぐらいいても不思議じゃないですし


651:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 19:49:17
決して多すぎるという数ではないけれど、イタリア軍並みのやる気のなさですな、ZAFT。

まぁ無印種のZAFTは「でっかいゲリラ組織」だから無理はないけど。

なにはともあれGJです。

652:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 19:49:37
ズゴックEとかメチャ高だったよなあ……でもハイゴッグだと柔らかいンだよな
とかつらつら考えつつも、シーマの姐さん萌えGJ

653:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 19:54:59
いや、イタリア軍もWW2じゃ一応は活躍してる所あるよ。
フロッグマンが魚雷改造の水中スクーターで英戦艦に取り付いて爆薬をセットして2隻大破させるし撃沈も多数してる。
魚雷艇などの小型艇も結構活躍してる上に他の所には笑いのネタがあるからZAFTはイタリア軍未満だ。

654:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 20:06:05
GJでした。
でも、種世界の場合コーディの捕虜って取っても良いことってなさそうだ。
捕虜虐殺するような連中だから捕虜交換も無理っぽいし、情報取るのも大変そう。
これが連合ならナチュラルは生かしておいてくれるかもしれないから、捕虜交換できるが。

いっそ身代金でも取るか、戦国時代みたいに。

655:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 20:49:54 6Mxef6+I
うーんさすが51氏GJです!

アンディ原作同様討ち死にですか。ちょっと残念。でもこれからのサイクロプス隊の
活躍に期待します。後モラシム隊長カコイイですな~歴戦の古強者という感じがして
いい感じです。後この分ですとシーマ姐さんの活躍がまた見れそうで楽しみな限りです。

656:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 22:03:48
コーディは人口少ないから捕虜は結構有利な外交カードになるかも
でも地球に居る同胞を無視してNJをバラ撒くお馬鹿さんな一面もあるからなぁw

657:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 22:06:50
ザフトの総兵力って何人だろ?
プラントの総人口が億いってなかった気がするんだけど・・・?

658:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 22:16:06
総人口が2000万だったかな?

659:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 22:54:01
変態仮面と凸の二人だけだな。後は戦力じゃなくて的だし。

660:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 22:55:10
GJ!!
でも一言突っ込みいれるんなら『ハイゴック』じゃなく『ハイゴッグ』なんだよねぇ名前・・・

661:通常の名無しさんの3倍
07/08/02 23:00:59
51氏GJです!
モラシムが強くてかつ冷静なのはやはりベテランの面目躍如と言った所でしょうか。
でも流石に無駄に血気盛んな部下達は抑えきれないような・・・
>「コーディネイターと言えど万能ではない。それを自覚しろ、アスラン」
このセリフは多分、アスラン以外の部下にも言いたかった、
あるいは訓練の時等に言い含めていたのかも?

662:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 05:35:54
>>654
だからって投降してきた兵を全部虐殺してもジオンの得にはならんだろう。
そうやってアメリカ軍は日本軍の玉砕戦法を呼んで結局自軍の被害でかくしたし。
それにコーディってことはジオニズムに染まる要素有りって事だし。

663:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 14:38:51
ソ連軍や国府(中華民国)軍みたく「捕虜?んなもんいらねーよ(プッ」「民間人?しらねーよ(プッ」ってな感じで
投降して来た敵兵や敵国の民間人を片っ端から虐殺した例もある。
アメリカ軍みたく「解放した」地域で略奪強姦殺人etcとやりたい放題した例もある。



664:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 15:45:19
ジオンの軍人は誇り高い。連邦兵と一緒にして貰っては困る。

665:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 16:56:23
国際社会の一員を目指すなら戦場協定は遵守しないと後が大変なんだけどな。
プラントがバカやってるから相対的にジオンは評判が上がってると思う。

666:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 17:07:53
ま、勝っているうちは虐待なんてしないだろ。追い詰められたらわからんけど

667:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 17:42:36
>>663
っつうか、共産圏はそれ、自国の兵隊も同じ扱い だから。

668:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 17:52:13
>>666 勝っててもWWⅡのカナダ軍部隊みたいに虐殺した例も多いからなぁ>戦死者よりも捕虜収容所での死傷者が多い

669:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 18:14:43
なんかバーニィがスルーされてるけどww
ここは流すべきなのかw

670:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 18:47:38
そろそろミンチになりそうな悪寒

671:51
07/08/03 19:33:20
35-1(1/2)

 オデッサ基地司令部では誰もが喜びに沸きあがっていた。
 難攻不落のジブラルタル基地をガルマ・ザビ准将が攻略してしまったのである。この報はオデッサだけでなく、
前線の将兵たちにも知らされた。
「マ・クベ司令! やりました。ガルマ様がジブラルタルを占拠しました!」
 ウラガンが小躍りするように喜んでいるが、オデッサ防衛はまだ果たされていない。幸いなことに連合にも
知らせは届いたらしく、ケラーネ軍の挟撃も重なってその進軍を止めていたが、気は引けなかった。
「まずいな……」
 だが、この時マ・クベは別のことを危惧していた。それは自分自身の立場にである。
 連合が引き、防衛に成功したとしても功績は与えられないのではないか。特にユーリ・ケラーネ少将は前線で
将兵たちと戦っている。司令部にいる自分と比べれば、上層部は迷わずケラーネを評価するだろう。
 ではガルマはどうだ?
 ジブラルタル陥落―この事実だけで、誰もがガルマを賞賛するだろう。ガルマの知略と、ザビ家の権威が、
想像できるかぎりの美麗賛辞を並べ立てるはず。階級も昇進して少将、いや、中将もありえた。
「このままではキシリア様の賛辞を受けるのはあのお坊ちゃんではないか」
 そうなれば突撃機動軍ナンバー2の地位も危うくなる。
 マ・クベは背筋が凍りつく思いがした。
「私も賭けに出るか……」

――第35話

 一方の連合軍司令部であるハンニバル艦橋は騒然となっていた。
 参謀達は慌てふためいており、碌な作戦案も提示できない。各部隊へはコープマンが何とか指示しているが、
どれも場当たり的なものでしかない。ハルバートンに至っては、遠い世界に行ってしまったかの如くだ。
「ハルバートン提督。敵の攻撃が止みました」
 通信士の声に一同が静まり返る。そして混乱から解放されたからか、ハルバートンが正気を取り戻した。
「どういうことだ?」
「判りません。一先ず態勢を整えさせますか?」
「あ、ああ。そうしてくれ」
 参謀達よりはるかに冷静な通信士の機転によって、何とか指揮系統の崩壊は免れた。
「提督。敵司令部から通信が入ってます」
 モニターに頬のこけた胡散臭い男が映る。
 ハルバートンは面識が無いが、その顔は南極会談のTV映像で幾度となく見た。
『オデッサ作戦の総司令官ハルバートン提督、聞こえるか? 私はマ・クベ中将だ』
「……一体どういうつもりだ」
 警戒感を表しながら、ハルバートンは問う。
 マ・クベは冷酷な笑みを浮かべると、信じられないことを言った。
『直に軍を引かせよ。ここで手を引かねば、我が方は水素爆弾を使う用意がある』
 その一言に司令部は騒然となった。

672:51
07/08/03 19:34:26
35-1(2/2)

「バカな! 核は使えない筈だ!」
『それはどうかな?』
 Nジャマーが投下された以降、地球上で核の使用は不可能になっているが、核兵器であっても原子爆弾に
よらない起爆方式をとる純粋水爆ならば原理上使用可能である。
『無論、核兵器を使わぬと約束をした南極条約に違反はするが、我々も負けたくないのでな』
 通信が切れると、皆がハルバートンを見た。
 ハルバートンは腕組をしたまま考えている。敵司令官との心理戦が、彼本来の冷静さを取り戻したようだ。
「誰か意見はあるか?」
 その言葉にコープマンが反応する。
「撤退すべきです。我が方は戦略および戦術的に不利な立場に立っています」
 第1軍は数で勝っていても四方を敵軍に囲まれている。
「反転して、後方の部隊を討ち、撤退しましょう」
 生きていればこそ復讐戦を企画することもできる。それがコープマンの意見だった。
 確かにベターな選択である。撤退すれば悪戯に将兵の命を亡くすこともないだろう。だが、ハルバートンは
一つ気がかりなことがあった。
「アークエンジェルを見捨ててかね?」
 そう、ハルバートンはAA隊のことを危惧していた。作戦通りなら、今頃は鉱山基地を攻撃している時刻だ。
しかし、このまま撤退すれば彼らは敵中に孤立することになる。
「コープマン大佐。彼らは2隻で鉱山基地を落とすと言っていたのだろう。ならば我々も行かねばならん」
「しかし、水爆が……」
「考えてもみろ。奴らは何故このタイミングで脅迫じみたことをする?」
 この問いに皆が返答に詰まる。
「戦局はジオンが優位なのに何故だ?!」
「それは……」
 少し考えてコープマンはハッとした。
「アークエンジェルが基地を攻撃したから」
 答えに知将がうなずく。
「そして第2軍の存在がある。つまり、これは私の推測だが―」
 1、敵はAA隊によって基地防衛隊に被害が被った。
 2、1によりジオン側の戦力は、実質欧州方面軍だけの可能性がある。
 3、更には第2軍が近づいている。
 以上のことから、このまま粘っても何れは押し切られる。そうマ・クベが判断したのではないか?
「―でなければ説明が付かん」
「確かに……」
「しかし、ジブラルタルからの増援があるかもしれません」
「冷静になれ。あのジブラルタルを落とした後に、部隊を展開できると思うか?」
 参謀達は首を振った。
「そうだ。ジブラルタルからの増援もない!」
 ハルバートンは膝を叩き断言した。
「全軍前進! 多少の損害は目をつぶる。オデッサを取り戻すぞ!」
 こうして第1軍は挟撃を受けながらも前進するのだった。


673:51
07/08/03 19:36:59
なんかお春さんがダメダメに……
ちょっと今回は苦戦してます。皆様の感想が聞きたいです。

修正
>「撤退すべきです。我が方は戦略および戦術的に不利な立場に立っています」
「撤退すべきです。我が方は戦略および戦術的に不利な立場にいます」
立場に立ってるって……

674:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 20:31:19
GJでした。
なるほど、マ・クベは防衛ではなく敵の撃破という賭けのために水爆脅しをかけたわけですか。
でも、これって第二軍に逆包囲くらう可能性があるんじゃないか?
第二軍の方はほぼ無傷なわけだし。それとも第一軍撃破に成功すれば逃げると思ってるのか。

>>662
なるほど。つまりジオニストに染まったコーディをザフトに戻してクーデターを起こさせると。
…あれ? それってもしかしてラクシズの手伝い?

675:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 21:02:15
GJです!!

マ・クベの賭けが気になる…

676:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 22:34:43
この段階で撤退を呼びかけてもむしろ応じる可能性は低いだろうになぁ・・・・
なんだこのいい感じの胡散臭さはw

677:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 23:24:45
勝ったと思った所でフルボッコにされた上、虎の子のMS部隊が壊滅したら、
過去のジオンへの敗戦トラウマと合わさって、ハルバートンが虚脱状態になるのも無理はないかと。
しかも壊滅させたMSがドム二個中隊じゃあ恐怖も覚えるでしょ。アレは怖い。
軍人としてどうかとは思うが。

そういえば、なんでカーペンタリア所属なのに「紅海の鯱」って異名がついてんだ?
紅海だとジブラルタルのほうがまだ近いはずだが。

678:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 23:28:34
GJ!
マさんは余計なことしちゃう人でもあるからなあ…
1stではこっからジオンごと転落してったけど、生き残れるのかマさん!
ならびに希望的観測で動いてるおハルさん!
AAと出撃したシーマ様たちも気になるぜ!

679:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 02:41:13
お春さん、ついに頭の中も春になったか
えっ? 元からそう、失礼しました

680:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 05:12:33
マさん、もしかして、純粋水爆を使う気か!?
あれなら確かにNJ下でも使えるし、南極条約でもグレーゾーンだ。

681:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 13:26:39
>>677
モラシムさんは、MSVでザフト地球降下部隊の第1陣辺りからいて、グーン部隊で凄まじい数の連合の艦隊を潰してる
そのメインにしてた狩場が紅海だったんでは?

682:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 19:07:14
>>681
いや、血で染まった紅い海の鯱なのかも試練

683:通常の名無しさんの3倍
07/08/05 09:56:55
何そのモラシムらしからぬ格好良さ

684:通常の名無しさんの3倍
07/08/05 10:05:15
鯱は鯱でも紅海海遊館の飼ってるシャチだとか

685:通常の名無しさんの3倍
07/08/07 17:50:44
なんかいやだな

686:通常の名無しさんの3倍
07/08/08 15:40:21 Idrfo+ah
保守

687:51
07/08/09 18:45:44
35-2(1/2)

 同時刻、ハルバートンが期待する第2軍は三度目の襲撃を受けていた。
 一度目は奇襲に近い形で各隊が攻撃を受け、一部の敵部隊が旗艦ボナパルトを急襲。ボナパルトは小破する。
 二度目は修復を終えて移動を開始し始めたところに襲撃。ボナパルトは無事だったが、MS23機が撃破され、
一度目と合わせると36機、約2個中隊の損害だ。
 そして今回の三度目。完全に待ち伏せを受けた形の攻撃は、デュクロのいる戦車隊を狙ったものだった。
 戦車隊の後方を走るリニア自走砲が爆発、横転する。そして背後の道を完全に塞いでしまう。
「まずい!」
 デュクロが直に敵の意図を察知するが、敵は次の行動に移っていた。
「各車、退避!」
 しかし、彼らが居た場所は狭い林道。戦車が2両通るのがやっとの幅であり、更には後方を遮断されている。
自ずと彼らの行動は制限されてしまう。
「全車、前進! 動かなければ袋叩きにされるぞ!」
 リニアガンタンクとリニア自走砲が全速で脱出を図る。この間も次々と車両が撃破されていった。50m程
前進し、小高い丘に辿り着くとデュクロはようやく敵MSのザクを発見した。肩には狼のマークが付いている。
それは神話に出てくる怪物フェンリル。連合でも注意を向けられる隊のひとつだった。デュクロは一度目の
襲撃でも戦闘をしている。
 ザクは3両のリニアガンタンクを瞬く間に撃破する。その動きには余裕すら感じた。
「全車、敵MSを包囲しろ! 生き残りたければ攻撃するんだ!」
 と言っても戦力が戦車と自走砲だけでは条件が悪い。まだ、戦車は砲身を動かすことができるが、自走砲は
砲塔が固定されている。迅速な射撃は不可能だった。
 ザクは自走砲を無視し、リニアガンタンクに目標に定めた。強力なリニア砲に注意を向けつつも、空き缶を
潰すようにマシンガンで撃ち抜く。デュクロの乗るリニアガンタンクは砲身をザクに向けて必死に応戦する。
何とかグフの側面を取り、十字砲火を浴びせることに成功した。
「よし。敵の数は少ない。MS隊が来るまで持たせるぞ」
 しかし、現実は非常である。コーネル隊が駆けつくよりも敵MSの方が早かったのだ。
 新手は同じフェンリルのマークを着けたグフ。瞬く間に自走砲を駆逐し、リニアガンタンクに目を付ける。
地を蹴り飛び上がると間合いを一気に詰めた。そしてリニアガンタンクの長い砲身を踏みつけた。車体は浮き
傾いてしまう。これでは攻撃ができない。
「いかん脱出しろ!」
 デュクロが叫ぶ。
 グフはリニアガンタンクの履帯だけをマシンガンで吹き飛ばす。横転した車体からレイエス伍長が飛び出し、
グフはそれを待っていたかのように、リニアガンタンクを一発の砲弾で破壊する。そして、その銃口をあろう
ことかレイエスに向けた。そして―



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