ガロード達が種・種死世界に来たら -風景画10枚目-at SHAR
ガロード達が種・種死世界に来たら -風景画10枚目- - 暇つぶし2ch327:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 15:52:34
>325
ランバラル夫妻(あえて夫妻と言う)をパクろうとして
失敗したのがトラ夫妻だろ?

328:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 17:09:57

         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ──/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i




329:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 17:11:28
>>327 しかし結果はトラの愛人が「板尾の嫁」になってしまいましたとさ

330:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 19:08:37
つまり職人の料理しだいでは、ガロティファと並んでも遜色のないカップルにすることも可能だ。

331:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 09:13:43
保守

332:Exceed4000
07/07/10 11:28:37
先日続きを投下しようとしたら丸一日人大杉でしたorz
閲覧は出来るのですが、携帯からしか書き込みが…
頃合いを見て二話か三話ぼつぼつ投下します。
では、また後程。

333:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 11:49:34
専ブラ使えば。

334:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 21:01:41
人大杉、いつまで続くのでしょうね。
おかげ様で、昨日今日と、新シャアのスレ読めなかった。
ついさっき、プラウザ入れて、ようやく読み書きできるようになりましたけどね。
そんな訳で、職人さんたちのSS更新、楽しみにしています。
……さて、他のスレのSSのチェックにも行くか。

335:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 21:17:07
夏が終わるまで続くぞ。
それにまだ人大杉のピークじゃない。
これからだ。

336:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 00:07:41
やっと人大杉が解除されたぜ・・・
これでもまだピークじゃないのかよ。今年から入ったんだがすげーな。

337:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 00:13:18
ヒント:夏休み

338:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:30:18
やっと人大杉解除されたんで第二十六話投下します。再構成スレを参考に色々と考えた繋ぎ的な話なので宜しく。

機動新世紀ガンダムXSEED 第二十六話「各員の奮闘を期待する」

「た……助かったのか、俺達…… ? 」
ブリッツのコクピットでガロードは完全に脱力しきったように呟いた。
乗ってからOS調整の為に必死に動かしていた手が汗で濡れている。
脱出する際にいきなり始まった集中砲火は、幾ら自分がフェイズシフトの働く機体に乗っていたとはいえ背筋に寒気が走ったからだ。
『追撃は無いですから……そう思っても良いかもしれません。』
カリスも自身では完璧に抑制した声で応対しているつもりだったのだろう。
が、言葉の端々に隠しきれていない息の荒さが出ていた。
「そうか……それにしてもよぉ……」
一息吐いた後に出てきたガロードの声は彼らしいとても明るい声だった。
「ひっさしぶりだなぁ、カリス !! まさかおめえもこっちに来てたなんて思ってもいなかったぜ !! 」
『それはこちらも同じですよ、ガロード。この世界に来てから僕は元の世界の仲間たちを探し続けていましたから。』
それから彼は、あの最終決戦以降自分の身に何が起こったのか一通りの事を説明し始める。
『僕がこの世界に来たのは今から丁度一年程前のC.E70年、2月13日の事でした。
見知らぬスペースコロニーの近くで漂っていたのを、他のコロニーから帰ってきたある学者に拾われて……勿論最初は何が何なのか右も左もさっぱり分からない状況でしたから、急いで情報を集めようとしたんです。
でも……その次の日に血のバレンタインという出来事があって……分かりますか ? 』
「あ、ああ……アークエンジェルの皆から何が起こったかは聞いたし、実際それがあった場所にも行った事があるけど。」
C.E70年の2月14日、プラントにとって貴重な食料生産地であったユニウス市に属するユニウスセブンに地球連合軍は核ミサイルを撃ち込んだ。
それも何の警告も無しに一方的に、一般人しかいない唯の農業用プラントに。
核による業火で一瞬にして散った人々の数は、アークエンジェルクルーから推計でしかないといわれたがおよそ24万人あまりと聞かされた。
ここに来る前、過去の事とは言っても、一度ばかりそんな事をやった軍に加担している事をアークエンジェルにいた時後悔した事もあったが、
報酬や安全な生活がかかった傭兵稼業、またこの世界でいえば自分もナチュラル且つ乗りかかった船だけに今更陣営を変えるわけにもいかなかった。
しみじみそれを思い出している間にもカリスは話を続ける。
『三日三晩意識を失ったまま寝込みました……とても言葉なんかでは表現できないあんな状態になったのは生まれて初めてです。あの場にティファが居たらと考えると……』
そう。カリスも人工的に付けられた物ではあるがティファと似た力を持っている。
彼女のそれには及ばないまでも他人の心を感じ取る事が出来るのだ。
その彼が三日三晩意識を失うほどの災厄だったのだ。
A.W世界でサテライトキャノンを初めて撃った時、直後に気絶したティファが数日は安静にしなければならなかったと後で知らされたガロードは、そんな瞬間に彼女がその場にいたらと考えてぞっとした。
無意識の内に考えないようにしていたが、あれを初めて撃った時と血のバレンタインの時では、明らかに一瞬で失われた命の数に雲泥の差がある。
数日気を失うだけではすまないだろう。

339:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:34:09
暫く続いた沈黙はカリスの方から破られた。
『ともかく、それからある程度回復した僕は、知り合いにザフトでも高名なパイロットがいた事を使って、僕を正規の手段をやり過ごした方法でザフトに組み入れようとする案を、引き取った学者さんから聞かされたんです。
僕としては知らない世界の争い事に介入するのは不味いと思っていましたし、百歩譲って自分がそれでしか当座の間食べていく道が無いと言われても、そんなずるい事をするのは気が引けたんですが、高官の側で武勲を立てて出世すれば人探しも容易になると言われて……
勿論ちゃんと自分なりにこれが正しいのかと考えました ! 元の世界の、フォートセバーンの事もありましたから余計に慎重にならざるを得ませんでしたが……』
そこで一旦カリスは言葉を切る。
まるで捻り出せる言葉を捜している様でもあった。
やがてアフリカ大陸側の荒涼な岸がモニターに見えてきた。
『でもその時僕はとにかく早く皆と合流したい一心で入隊する事を決意しました。それから事は半月もしないうちに手続きが終わって、ヴェルティゴもそのまま渡されました。
気づいた時にはカーペンタリア、カサブランカ沖、スエズ、そして数日前のビクトリア……確かに出世や昇進を重ねるごとに自分の権限も大きくなっていきました。
ですがそれに合わせて捜索網を布いたのですが、一向に事態が打開に向かわないので困っていたんです。でもまさかこんな形で再会できるなんて……本当に良かった。』
カリスの長い身の上話が終わりを告げる。
ガロードは全く知らぬ世界で各地の戦線を転々としながらも、自分達を探していた事にただ純粋に感心した。
傭兵とはいえ、自身もそれに近い運命を辿る事になるだろうとは薄々感づいてはいたが。
安心した様な表情を浮かべ、ガロードはそれに答える。
「ホントだぜ。俺達の所にもティファとテクスはいるけど、まだ他の仲間たちは見つかってねえんだ。話をすればアークエンジェルの皆もお前がザフトにいたって言っても、俺達の仲間だって説明すれば分かってくれると思うからよ。」
『そうですね……』
それから再びOSの調整に戻ろうとしたガロードはティファの方に一旦目をやる。
髪を縛っていた紐が拭きとばされ、ガロードに道を示したティファは長くたゆたう豊かな栗色の髪を大きく広げたまま、彼の膝元で軽い寝息を立てていた。
それを見ているとふっと頭の中にアスランとその同僚の顔が過ぎる。
アスランはティファに危害を加える事を自分に面と向かって言ったばかりか、実際に銃まで撃ってきた。
当たりはしなかったものの、あと少しずれていたらどちらかの首の直撃コースを辿っていただろう。
おまけにもう一人の方は、自分が捕まっている時に自分達の身の安全の保証を約束するような事をのたまっていた。
それだけにティファの下腹にマジの力っぽい一発まで喰らわせたのが許せなかった。
ついもっと他にやりようがあっただろと思ってしまう。
二人揃って一発殴ったとて気がすまない。
ガロードは直感的に思ってしまう。あの二人、もしかしたらこの世界でのフロスト兄弟みたいなもんになりかねないな、と。


340:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:36:25
「それにしても、っきしょう……次に会ったらあんの二人唯で帰さねえからな ! 覚えてろよ ! 」
腹立ち紛れに呟くその声にカリスが答える。
『君が拘束されていた部屋にいたあの二人の事ですね ? こんな事を言ってはなんですが……アスランの母親は先程話した血のバレンタインの犠牲者の一人です。
もう一人のニコルという少年に関しては純粋に国防の為に尽力したいという雰囲気でしたし、ティファへの一撃も殆ど不可抗力と言っても過言ではないでしょう。』
あっ、という風にガロードはOS調整の手を止め通信機の方に気を取られる。
通信機からは淡々とカリスの語る言葉が出ていた。
『アスランの母親は知り合いのナチュラルにも理解を示していただけに、彼女の死以降、彼のナチュラルに対して生まれた憎悪や不信感は並大抵の物ではなかったでしょう。
裏切られたという言葉でも不似合いかもしれません。』
「それさ、本人の口から直接聞いたのか ? 」
『いえ……心から感じ取りました。染み渡る様に侵入して来たといった方が正しいのか……とても冷たく重い感情でしたよ。』
それを聞いてガロードはしばしの間押し黙ってしまう。
アスランが狂気とも取れかねない雰囲気で自分達を殺そうとしていたのには、そういった経緯があったと改めて思い知らされる。
お互いの立場もあってか、彼とまともに言葉を交わした事など無いにも等しかったが、彼と血のバレンタインについての関係性は大体のあらましをアークエンジェルにいた時にキラから聞かされていたからだ。
その時、荒涼とした大地が広がっていたのを映していたモニターがついに目的の場所を捉えた。
「カリス、あれだ ! あれが俺達の乗ってきたアークエンジェルだ ! 」
周辺に比べて少し窪んだ場所にいる白亜の戦艦。
その後二機は徐々に高度を下げながらそこへ向かう。
だがそれとほぼ同時に、アークエンジェルからそこまで離れていない前方、そして自分達の遥か後方から敵機が飛来している事を、コクピット内の警告音が知らせる。
「 ?! おいおい、やっと皆と合流できるっていうのにこんな所で敵かよ ! どれぐらいいるんだ…… ? 」
『待ってください。今こちらで調べます。』
その間にもセンサーに探知される熱源の数はどんどん増えていく。
後ろから来た機体が自分達を追撃しにジブラルタル基地から発進した機体というのは分かった。パッと見ただけでも結構な数に上る
だが、前方から来ている機体は一体何なのだろうか ?
あっ、という声が通信機から聞こえて来た。
カリスが何かに気づいたのだろうが、ガロードが彼にどうしたんだと訊いても何の答えも返って来ない。
暫くしてから、からからに乾いたような声でカリスはやっと一言だけ発する。
『総司令官殿…… !! 』
間が悪いと言えばあまりにも間が悪い。
レジスタンスの様子を十数機のMSを連れて視察に行った司令官が、道中アークエンジェルの存在に気づいたのだろう。
更に追い討ちをかける様に後方の追撃部隊の大きさがデータとして合わせて報告される。
『戦力は……レセップス級一、ピートリー級二、ザウート三、バクゥ五、ジンオーカー四、アジャイル四、インフェトゥス三……後ろからディン三、ジン四、アジャイル五、インフェトゥス五……』
データを何かに取り付かれたかの如く抑揚の無い声でつらつらと読み上げるカリス。
それは司令官のいる部隊と合わせれば、戦艦一隻と数機のMSで相手をするにはあまりにも不利過ぎる数だった。
分からない単語が並んで困惑するガロードにも自分達が極めて危機的な状況に陥っている事ぐらいは分かる。
「なあ、こっちからアークエンジェルの方に通信を入れてみる。遅いかもしれねえけど二手に分かれるか合流してから両方を同時に迎え撃つかどうするかはその時に決めねえか ? 」
『分かりました。』
一応カリスの反応を訊いたガロードは自分の手で最大限調整したOSを使ってアークエンジェルに通信を入れた。

341:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:38:27
そこから遡る事五分ほど前。
アークエンジェルでは今後の方針について、ブリッジクルーも含めた話し合いがなされていた。
ジブラルタル基地の真正面にいる事、ザフト制圧下の北部アフリカにいる事、宇宙で先遣隊や第八艦隊と合流したとはいえ資材や物資は標準から見れば相変わらず少ないままであるという事からプランとしては四つ程が上がっていた。
一つはアフリカの北岸に程近い所を辿りつつ紅海に抜けるといった物。
ユーラシアが地中海を挟んで睨みを利かせている事から、いかにザフトが北部を制圧しているとはいえ、あまり大きなアクションは取れないだろうという算段があった。
しかしその途中には砂漠の虎と称されるザフト軍地上部隊の名将、アンドリュー・バルトフェルドとの拠点とものの見事にぶつかる事になる。
戦闘は必至となるだろうがアークエンジェル、スカイグラスパー、そしてストライクだけで抜け切れるかどうかが怪しい。いや、ほぼ無理と言ってもいい。
それに万が一その後上手くインド洋、太平洋に抜けられたとしても、補給抜きで一気に行ける訳が無い。
何がしかの形でそれを受けなければ、ザフト側に与している大洋州連合の近くをおめおめと通る事は出来ない。
スカンジナビア王国やオーブと同じく中立の立場にある赤道連合が手を差し伸べてくれるのかどうか。
そしてもしそれが不可能だった場合東アジア共同体に向かうか、オーブに向かうか。
カオシュン基地が墜とされた事を考慮するとオーブに向かった方がまだマシなのかもしれない。
元々この艦もG兵器もオーブが所有していたヘリオポリスコロニーで作られた物なのだから。
二つ目のルートは大気圏内では高空を飛べないアークエンジェルではあるが、山岳地帯を避けて何とかビクトリアまで辿り着けないかという物。
確かに現時点では自分達にとって一番近い基地であったが、こちらは砂漠やその先に構えるジャングルを何日もかけて突き進む為に現地協力はとてもではないが得られない。
それどころか、先述の様にアフリカ北部はザフト側の支配下なので完全に敵陣のど真ん中を行く事になる。
砂漠の虎よりは小規模かもしれないが複数回の戦闘が起きるだろう。
回数によれば進軍は途中で破綻しかねない。
おまけに今からルート検索をしなければいけないので何とも言えないが、場合によっては一つ目のルートより長い道程になるかもしれない。


342:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:40:48
三つ目に関しては西海岸を辿りつつ、南米に抜けた後南極経由でアラスカを目指すといった物。
こちらも補給が受けられない点、海に出るまではザフトの制圧下を延々と行かなくてはいけない点等については二つ目と似たり寄ったりの具合である。
おまけに南米に当たる南アメリカ合衆国は元々親プラント国家で、傘下のパナマはマスドライバーを保有していたため、血のバレンタインを契機としたコーディネイターとナチュラルの開戦直後のC.E70年2月19日、
地球連合に属する大西洋連邦に併合されたといった経緯を持っている。
その為に連合の支配下というのは殆ど名目上の物となっており、連合に追従しようとする者、プラント側に戻ろうとする者、
そして両陣営どちらにも属さずに分離独立した姿勢を築こうとする者の三勢力が入り乱れ、場所によっては混迷の様相を呈している。
そこに自分達が半ば首を突っ込むという様な形で向かうのだ。
抵抗勢力等もいるだろうから、自軍の基地へ行っても確実に補給が得られる事は保障されていない。
尤もそれを恐れていては戦場では何のアクションも取れない事になるが。
そして密林の多い南米では酸素供給の問題で焼いてはいけない場所が必然的に出る為おいそれとビーム・火炎放射系・ナパーム系・燃料系・爆弾系は戦闘で使用するのは禁止されてる。
戦闘は全て格闘かナイフ、機銃などを用いらねばならない。
更に南極まで出てしまえば敵との戦闘は無いものの、このルート最大の問題は異常なまでに距離が長大だということだ。
寧ろ北に向かってパナマに行っても良さそうだが、目標の地がアラスカなのでそれなりの待遇は受けそうである。
そして最後のルートがジブラルタルを突破しそのまま北大西洋に出た後アラスカに向かうという物。
このルートに関しては無理も無茶もあったものではない。
まともな思考回路で考えたなら、無謀としか言いようの無いルートだった。
最短ルートであるという事だけが唯一の強みで、敵の襲撃に会う事は無いだろうがその代わりに補給も受けられないどころか、その条件の中で近接する陸地が無い大海を延々と進まなければならない。
抜けられれば殆ど無条件で補給と安全を約束されたも同然だが。
いやその前に、ヨーロッパとアフリカ大陸侵攻の足がかりとして存在するザフトの前線基地であるジブラルタルを、アークエンジェル一隻と艦載機だけで突破できる訳が無い。
先述した砂漠の虎が挟撃でも仕掛けてきたら、笑い話にもならないのだ。


343:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:43:04
「んで、どうすんの ? 艦長さん ? 」
相変わらず飄々とした感じのムウからマリューに質問が飛ぶ。
自分でもどれが最善かと考えている最中なのに、唐突にどうすんのと訊かれても答えられる訳が無い。
「それを今考えている最中なんです、少佐。色々と八方塞に近い状況だというのは私でも分かります。」
彼女が彼を少佐と呼ぶのには理由がある。
あの低軌道会戦の後月のプトレマイオス基地まで行く事の出来たハルバートン提督が、クルーの階級を軒並み昇進させてくれたのだ。
ザフト相手に大戦果を挙げ、自分達を守りきった者達に対してのせめてもの親心といったところだろうか。
そういった訳で質問に答えたマリューも今では彼と同じ少佐である。
彼女も慕っていた上官から直々に昇進の報せを受け取った時は一瞬喜びもしたが直ぐに現実に引き戻された。
補充要員が追加されたとはいえ、クルーの殆どが実戦経験の無い下士官か兵卒ばかりで、マリューやムウすらもここまで深刻な状況など経験した事が無い。
「ともかく、本艦の目的及び目的地に変更はありません。」
自分の意識をしっかりさせる為の判断とはいえそれは重過ぎる程の判断だった。
茨の道は避けられないという事か……
三人が頭を抱えているとCICからトノムラが一言進言する。
「太平洋に赤道連合っていう頼り手がいるんなら紅海に抜けた方が良いのではないですか ? 」
「中立に属しているだけで頼り手ではない。それに必ずしも我々に援助をしてくれるとは限らんぞ。南からは大洋州連合が睨みを利かせ、東アジアは数日前にカオシュン基地が墜とされたばかりだ。
周囲の不安定な鬩ぎ合いの中で下手にどちらかの陣営に手を貸すような事をすれば今の南米と似た状態になりかねんからな。」
淡い期待とばかりにナタルはその考えを一蹴する。
「それに、向かうにしても暫くは敵陣の真っ只中を進む事になるわ。おまけに海までの道中の中央には砂漠の虎の拠点があるわけだし。現地からの協力も得がたいし。」
「砂漠の虎 ? 砂漠の虎って何ですか ? 」
ナタルの考えにダメ押ししたマリューに対し、レーダーからの警戒を続けていたチャンドラから質問がかかる。
彼等の様な殆ど新兵で構成されているこの場では出てもおかしくない質問だった。
「砂漠の虎っていうのは……」
彼女が説明をしようかといったその時、警告音が鳴り、チャンドラと共に警戒に当たっていたパルが突然声を上げる。
「本艦、レーザー照射されています ! 照合……測定照準と確認 !! 」
その報せに全員がぎくりとしてしまう。
測定照準を使うという事は当然敵に狙われているという事である。大急ぎで自分の持ち場に戻る者達。
マリューは急きこむ様に訊いた。
「数は ?! 」
「待ってください……こ、これは…… !! 」


344:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:45:23
「どうした ?!! 」
言葉に詰まったパルに思わず怒鳴り込んでしまうようにナタルが訊ねた。
その答えは震えるような声をもって返される。
「前方よりレセップス級一、ピートリー級二、ザウート三、バクゥ五、ジンオーカー四、アジャイル四、インフェトゥス三……後方よりディン三、ジン四、アジャイル五、インフェトゥス五 !! それと……ブリッツと、アンノウンです !!! 」
一瞬にしてその場の空気が凍りつき、ブリッジクルーには全身を厳寒の海に投げ出された様な感覚が襲う。
兵器の種類の垣根を越えて全て含めれば敵機は38機。死刑宣告も同然だった。
これで終わりなのか…… ? 友軍に消息を知らせる事も出来ず、満足に抵抗する事も出来ずに人知れずこんな地で散るのだろうか ?
だからと言って戦わなくて良いわけでも、逃げても良いわけでもない。
そのどちらをしたとしても何処にも行けない状況が好転する訳でもない。
自分達は軍人だ。戦い続けなければならない。
マリューの頭にはちらと降伏の二文字が浮かんだが、慌てて頭を降ってそれを消す。
この戦闘に勝利し、このアークエンジェルと今格納庫にあるストライクとイージスをアラスカまで無事に届けきり、生産ラインにそれが乗るのを見届けなくてはならない。
だがその勝利というものは何らかの奇跡でもない限り到底起こるものではないというのも彼女の頭にはあった。
彼女は全員に冷ややかに、しかし勢いよくきっぱりと告げる。
「総員第一戦闘配備 ! 繰り返す ! 総員第一戦闘配備 ! 」
その直ぐ後に艦内全体にアラートが鳴り響く。
敗北は許されない。そして降伏も撤退も。
それを意識したマリューは通信機に向かい、再び口を開く。
「艦長マリュー・ラミアスより、アークエンジェル全クルーへ通達します。現在本艦の前方にはザフト地上艦三隻を主とするMS部隊が、また後方からはジブラルタルにて本艦の存在を知ったと思われる同じくMS部隊が接近中である。
我々には両部隊を殲滅する以外道は無い。これより開始される戦闘はこれまでに無い程激しいものになると思われるが、我々はなんとしてもこれを突破せねばならない ! 」
そこで一息入れ、気つけと言わんばかりに大声でその熱弁を締める。
「各員の奮闘を期待する !! 」
ブリッジの空気が完全に張り詰め、一片の油断も許さぬ雰囲気へと変貌した。
口上を言い終えたマリューはふと思う。恐らく艦内全体が今のブリッジと同じ空気になっていることだろう。
冷静に考えれば戦闘ヘリ17機、MS21機そしてそれらを指揮するであろう地上艦3隻……合流すれば大部隊ともなるそれに戦艦一隻と戦闘機とMS1機が敵う訳が無い。
それでも絶望的な状況だから敵に死ね等と言われるのはごめんだ。諦めてはならない !
「ラミアス艦長 ! 」
「……っ、何 ? 」
繰り返しその文言を頭の中で響かせたマリューは通信席からの一報を理解するのに暫くかかってしまう。
「先程からこちらに向けて通信を繋いでいる者がいるのですが……」
「発信元、特定出来る ? 」
「待ってください……出ました !! 後方にいるブリッツからです !! 」
「ブリッツから ?!! 」
今は敵の陣営にいるブリッツが何用でこちらに通信を入れるのだろう。
降伏勧告でもする気なのだろうか ?
しかしその見当は良い意味で外れる。
通信自体は途切れ途切れではあったが、聞こえて来た声に彼女は驚かされるのと同時に確かな希望の光を感じた。
『……えてるか ?! ……こちら、ガロード……アークエ……応答してく……繰り返すっ !! こ……ガロード・ラン !!! 』


345:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:56:20
投下終了します。

レセップス級は虎の持ち物でしょ?!→基地の規模からして総司令官も一隻くらいは持ってないと自分的には?なので。

基地から来たには追撃の手が少なくない?!!→いかに大規模基地と言えどMSは戦力ではやっぱり要な訳ですから。
                            それにもっといるように書いたら戦艦1隻に送りすぎだと言われそうなので。

もっと他にルートあるでしょ?!→ご指摘があれば何時でも。

何でブリッツなのさ?!!→色々理由はありますが、少なくともニコル死亡フラグ回避の為ではありません。

続きは今日の内にまた投下できたらと思っております。
では、また後程。

346:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 01:37:08
なんかなあ~。
読んでて思ったことは
武勲を挙げまくっているベルティゴがアンノウンだなんて信じられない。
ザフトが宣伝をしているだろうし、連合だって存在くらいは把握しているはず。
少なくとも二つ名で呼ばれててもおかしくないのに、アンノウンはちと……。


347:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 02:30:08
そんなにむきになって辻褄合わせようとすんなよ。
破綻はともかく少々の齟齬は、後の複線になることもあるし、
その場で全て明かすこともない。
かといって、これ見よがしに
「~の部分については、後で語ることになります。」
とかやられても、嫌がられるから、黙してその時にあっと驚かせてやればいい。
一番、拙いのは物語がそっちばっかし気になって疎かになることだな。

>>346みたいな突込みには
有名になるのを嫌ったカリスが参戦の条件に喧伝を断ったとか
姿を見せず、皆殺しにしたとか
カリス拾ったギルがどっかのスレの悪人気取りと同じようなこと始めたとか
理由を用意しておいて後で明かすつもりなら、今は無視、後で話の中で種を明かせばよろしいかと?

レセップス級云々は、司令官「○○」の描写のときに艦名をそれとなく出せばいい
追撃数云々も同様、緊急事態で動かせる機体を掻き集めたとか適当に作中で触れとけ
ルートはいいんじゃねぇの?
何でブリッツなのさ?!!答える必要なしだろ

とにかく欄外で補遺するな

348:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 06:18:43
専ブラぐらい入れろよ

349:290
07/07/11 08:17:06
そんなことよりレジスタンスの様子を自分で見に行くような腰の軽い司令は虎だけで十分だ、とか思ったり。
だいたい戦艦3隻引き連れていったら視察じゃねぇだろw

350:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 08:18:46
おっと消し忘れ。

351:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 21:17:08
専ブラを未だに導入しないということは、人大杉を助長しているという事。
現在の状況を生み出している原因の一人は貴方自身だ。

352:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 14:43:18
>>349
敵勢力下の有力な拠点を自身の部隊と現地に展開した部隊で叩き
戦線を安定させて現地部隊に維持させると言う手法をとってるのかも試練
モグラ叩き請負人もしくはいいとこ取りとか言われそうだが・・・
あるいは現地指揮官の下に増援だけつけて、自分は見物とか
そのそも戦略として成り立つかは知らんが


353:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 22:26:12
>>349
史実のロンメルとかは、「自分で見に行く」という行為を良くやったそうな
虎と比較するのは失礼な話かもしれんがw

354:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 23:05:41
現地を見に行かないやつはまともな指揮できないんだぜ。日本軍には
いっぱいいるのが悲しい。

355:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 00:15:42
辻~んとかな

356:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/13 02:56:34
14日になったら投下します。

357:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 15:27:10
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!

358:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 17:30:35
>>355
辻~んは現場視察しまくって、
現場の兵隊にはそれなりに人気はあったけど…
参謀の仕事は(以下略

359:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:01:49
「ハイペリオン、出す!」
ブースターを吹かし、一気に広大な宇宙へと飛び出した。
目指す目的地は遺伝子実験コロニー・メンデル。生まれ故郷だ。
正直まったく覚えていないためか、その姿かたちには嫌悪は持たなかった。
だがそこは紛れもなく己の生まれ故郷であり、元をたどればすべてがここへとたどり着く。
そう考えればただひたすら憎たらしい代物に見えてくるから不思議だ。
だが今は、覚えてもいない生まれ故郷を憎むより大事な目的がある。それは、キラ・ヤマトを見つけ出し、殺すことだ。

ずいぶんとメンデルに近づいてきた。そのときレーダーが一体のMSの反応を警告する。
どうやら先にこちらに気づいて出てきたようだ。
やがて姿かたちを確認できるまでの距離になる。
相手は左肩にジャンク屋ギルドのマークをつけ、赤い素体に所々を白い装甲で保護したツインアイのツノつきMS。
機動性重視して作られた代物らしい。キラ・ヤマトの乗る機体の特徴とは違っている。コイツははずれか?
「こちらはジャンク屋ギルドのもんだ。そっちの用件は何だ!」
あちら側から通信が入り、はっきりとした口調で問いかけられる。
用件など唯一つだけ。
「キラ・ヤマトを知っているか?」
その問いに相手は言葉を失い黙る。それは肯定と同じ意味に他ならない。自然と唇の端が釣りあがった。
心臓の音がだんだんと大きく聞こえて来る。
「知っているんだな?答えろ。奴は今どこにいる」
ビームサブマシンガンの銃口を相手に突きつけ、高揚する気持ちを抑えつけ冷静さを装い言った。


360:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:03:07
「…ここにはいない」
期待が大きかっただけに若干曖昧な答えについ舌打ちをしてしまう。
知っていたとしても、おそらくこのままではこれ以上の情報を引き出せないだろう。
「まともに答える気はなしか、ならば…消えろ!」
ハイペリオンのビームマシンガンの光が3つ4つ相手の肩の装甲の端を打ち抜く。
やはりそれほど硬いものではないようだ。もう少し内側を狙ったつもりだが相手の反応はそれほど悪くないらしい。
しかしそうでなくては面白くない。
相手もそのままみすみすやられるわけにはいかないと、反りのついた片刃の実剣を腰の鞘から抜き放ち、向かってくる。
狙いを定め、引き金を引いた。しかし赤い機体の持つ実剣はソレをやすやすと防いでしまう。
「対ビームコーティングでもしているのか」
ぐんぐんと距離を近づけてくる赤い機体に舌を打ちながらつぶやく。思った以上にすばやい。
予想外の強敵との遭遇に、心なしか先ほど削がれた高揚が戻ってきていた。
赤い機体が実剣を振りかぶる。
そのモーションを一瞬だけ早く読み、左手でビームナイフを引き抜き高熱の刃を出現させ実剣を受け止めるように振るった。
二つの刃がバチバチとつばぜり合う。
一瞬でも判断が遅れていれば今頃ハイペリオンの右腕は切り落とされていただろう。
しかし相手がコックピットを狙っていなかったあたりが癪に障る。なんて甘い。
「薄い装甲があだになったな!」
左手はそのままに右手のビームサブマシンガンを相手に向け容赦なく引き金を引いた。


361:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:04:09
「おい、答えろ」
赤い機体は至近距離からビームサブマシンガンを打ち込まれたために、
装甲はところどころ削がれパチパチと電気の花を散らしていた。
パイロットに応答を求めるが、答えはない。
「…死んだか?」
やりすぎたか、と舌を打つ。もともと生かして返すつもりは毛頭なかったが、情報を聞き出せなかったのは痛い。
気を失っているだけなのかもしれないが捕獲したりするにしても手間がかかるだろう。
正直この区域に留まり続けるのはまずい。
銃口を向けたままカートリッジを腰の後ろの予備と交換し、コックピットに向け引き金に手をかける。
たとえ相手が死んでいようが、その機体にこのハイペリオンの姿が記録されていれば機密が漏れるきっかけになりかねない。
それを防ぐもっとも簡単な手段。それは完膚無きまで粉々にしてしまえばいいだけのことだ。
動かない的相手だ、手間もほとんどかからない。
しかしその引き金が引かれることは無かった。
「パルス特務兵。司令からの帰還命令です」
オルテュギアからの通信。声の主はメリオル・ピスティス。
「こんな時にか!…仕方が無い、帰還する」
たとえジャンク屋の様な非合法に近いような組織と言えど、そのネットーワークは侮れない。
特に技術関連等の話題は一時間後にはほとんど出回ってしまうだろう。こうなれば機密も何も無い。
しかし帰還が遅れれば"奴ら"はここぞとばかりに罵倒するだろう。
命令したのはあちらの方であり、命令に従ったに過ぎない。そう自分に言い訳をする。
「俺はどうなっても知らんぞ!」
幸いハイペリオンの特異な装備を見せたわけではない。
姿かたち程度であればまだ、何処かの新型の一言程度で済む。
何よりパイロットが生きているのであれば、次の機会という可能性もあるだろう。


362:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:05:23
墓場までもってかれちまったら再現しようがない
アルコフはそんなことを考えながら、厳重に封をした袋を開く。やや細く挽いたコーヒー粉が顔を覗かせた。
人の手ではやはり密封することはできないためか、持ち出したときよりずいぶんと香りが飛んでしまっている。
最も、密封に近い状態であっても挽いてからかなり時間がたってしまっているのだが。
本当は挽きたてが一番いいのだ。二週間以上たってしまえば美味しくなくなってしまう。
だけれど、この味を再現できる人はこの世にはもういない。だからこうやって一年以上たっても使い切れないでいる。
再現しようにも墓場までブレンドのレシピを持っていかれてしまえばどうにもできない。
おまけに言えば最近の地球は豆を手に入れることすら難しい状況だ。
もっともレシピを持っていたとしても、焙煎時間が少し違うだけで味も香りも変わってしまうため実はそれほど役には立たないのだが。
その味を出せる人がいなくなってしまえば、事実上永遠に失われてしまう。悲しい話だ。
そんなこのコーヒー粉もあと僅か。
フィルタをセットしたドリッパーに残り少ない粉を入れ、湯で全体を湿らせると、ほのかにコーヒー独特の香りがしてくる。
新鮮なものならば膨らんで目にも楽しいのだが。
「すぐに抽出しないのか?」
その様子を見つめるガロードが口を挟む。
「60秒くらい蒸らすのさ、古いものでもしないよりは美味い。
最もできれば湯ももうちょっと高い温度のほうがいいんだがね。宇宙ではそうもいかない」
無重力状態で湯は冷めにくい。
今現在彼のこの部屋は人工的に作られた重力下にはあるが、湯を沸かすにしても80度までしか暖める機能がないのだ。
文句を言っても仕方が無い。宇宙でこうやって本格的なコーヒーを飲めること自体が贅沢なものだ。


363:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:06:24
「へぇ~。そういえばテクスも言ってたっけな」
「仲間かい?」
「うん。一度だけ教えてもらったことあってさ」
雑談を交わしながら細口のポットで、真ん中から外へ円を描くように湯を静かに注いでいく、
やはり香りがずいぶんとなくなってしまっているのが少し悲しい。
「コーヒーを飲んだことは?」
「あんまりねぇかな」
たわいのない会話の合間にもサーバーに抽出されたコーヒーが落ちていく。
サーバーの形に添って光に透け、コーヒーの暗い黄赤が若干薄く見えた。

「メリオルから聞いたが、一体何の用なんだ」
暖めた二つのカップにコーヒーを入れているうちに、イライラしているといった表現が合うような様子でカナードが入ってきた。
大体いつものことだが、今日はそれ以上だ。おそらく帰還命令と関係があるのだろう。
「いやなに、久々にコーヒーを淹れたくなりましてね。どうせだからご馳走でもしようかと」
そんな風にいいながら、にかっと笑う。
「砂糖とクリーム無いのか?」
一口飲んだ後、ガロードがあたりを見回して言う。
「一応あるが。なんだ、ブラック飲めないのか。」
カナードに適当なところに腰をかけるように勧め、
もう一つのコーヒーを渡しながらアルコフは言う。お子様だな、と笑いながら。
「飲めないわけじゃねぇけどさぁ…。苦いのより甘い方が好きだし、少し贅沢したいし」
少しふてくされた様子で主張が帰ってくる。
「贅沢ねえ。甘いのが良いのはともかく、水と油の産物が贅沢か。苦いのが苦手なだけなんだろう?」
笑いながらグラニュー糖の入った紙のスティックと、クリームポーションを手渡す。
太陽のない世界で生きた経験のあるガロードにとってささやかな贅沢の一種であることは間違いなかったが、
今のはどうやら苦いのが苦手という主張のほうが強いようだ。
そんな二人のやり取りの横で、じいっとコーヒーを飲まずに見つめていたカナードが一口コーヒーを飲んだ。


364:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:08:22
「…う」
うめき声のような、くぐもった声が自然と出た。その声にガロードもアルコフも彼のほうを向く。
ガロードが彼の目の前で手をふってみる。
反応は返ってこない、こういった場合固まっているといった表現がしっくり来るのではないだろうか。
当の本人は、こんなものが本当に飲み物なのか?と初めて口にしたこの飲料を理解することに四苦八苦していたのだが。
「まあ、仕方が無いか」
固まっているカナードを見ながら一人納得したようにアルコフは笑う。
細く挽けば挽くほどコーヒーというものは濃い味となる。
パウダー状まで挽いた物ではないが、飲みなれていない人間にしてみればかなり濃い方だろう。
ましてや初めてでは飲み物だと思えないかもしれない。
結局カナードはそのままでは飲み干せず、悪態をつきながらも砂糖とミルクのお世話になったのだが。


「珍しいですね。あなたが他人にコーヒーを出すなんて」
一休みといった状態の格納庫の中で、メリオルはアルコフに言う。
「女房特製のブレンドなんだ。美味すぎて他のやつに飲ませるのはもったいなくてな」
普段誰にも飲ませることの無くコーヒーを一人で楽しんでいた理由を彼女はこのとき初めて知った。
だが彼等に御馳走した理由にはなっていない。
「…今日は息子の誕生日だったんでね。本人を祝ってやれないダメな親の身勝手な罪滅ぼしさ」
一部を残し落とされた照明は彼の表情を読ませない。
「罪滅ぼしだなんて、そんな大げさな…。もしかして、まだ小さいのですか?」
子供がまだ幼いのであれば、その罪悪感も頷けるというものだ。
親に祝ってもらえないという事は、幼い子供にとって大きな傷になりかねない。
「いや、二人と同じくらいさ」
確かに難しい年頃ではある。
「なら、戻ってからでも…」
言いかけて、初めて見えた彼の表情は、普段他人に絶対に見せる事の無いものであった。
「本人がいないんじゃどうしようもない」


365:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:10:39
彼はぽつりぽつりと語りだした。
「女房はあまり体が強くなくてね、よりによって四月一日が手術日だった。運が悪かったのさ。」
苦労して探しだした名医だった、設備だって整った場所であった。
失敗する要素など、ほとんど無かったはずなのだ。
すべてはエイプリル・フール・クライシスが引き起こした、不運。
四月一日のことだ。核兵器、核分裂エネルギーの供給を抑止してしまうニュートロンジャマーという代物が、
宇宙に住むコーディネイター達の手で無差別に地球の地中深くに埋め込まれたことから始まる。
当時地球は核分裂炉の原子力発電を主としていた。つまるところ極端なエネルギー不足が引き起こされたのだ。
地球では今、世界の人口の十分の一が餓死や凍死、そして二次、三次災害により死に絶えたといわれている。
確かにエネルギー不足により重病患者や丁度手術を受けていた者達は、その多数が死を迎えた。
妻もまたその被害者の一人なのだ。
だが腑に落ちないことが一つある。世界の人口が一割減ったという事。
ユーラシア大陸の北部に住んでいた彼からすれば、
屋根の下にいるかぎりエネルギー不足による凍死などほとんど有り得ない話である。
食料とて生産を完全に機械化しているわけではない。餓死した者がいないとは言い切れないが。
餓死や凍死、二、三次災害を含めたとしても、10分の1は有り得ない数字だった。
おそらく弱体化した情報伝達を利用した反コーディネイター感情をあおるプロパガンダなのだろう。彼はそう考えている。

「とにもかくにも、母親を殺したコーディネイターは絶対に許さないってな。
そういって俺の息子は軍人になっちまった。それが運のつきさ。結局味方に殺されちまった。いや…」
殺したのは止められなかった俺なんだろう。そう言おうとして口を閉ざした。
長い沈黙の中、メリオルは何も言えずただうつむいて彼の言葉を待った。
「俺たちは、どっちを恨めばいいんだろうな」
わからないから、戦争を恨んでそれ以上に自分を恨むことにしているのさ。
とだけ言い、格納庫の何処かを見つめながら、ただただ沈黙した。


366:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:12:40
第五話 珈琲の味 
投下終了です。

367:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 00:21:16
あぁ……なんかしんみりと胸を打たれた話だった。

可能性としてありうるよな。エイプリルフール・クライシスの被害がプロパガンダで誇張されてるって……
アルコフ氏の息子さんみたいに戦場へ出て、命を落としたケースはたくさんあったと思う。

その想いが凝縮したコーヒーに、乾杯。


368:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:16:55
……しみじみとGJ

369:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:28:07
情報を操作しているのは「一族」なんだよなぁ……
奴等は定期的に地球人口の「間引き」をしている訳で。

370:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:45:34
ロウとの接触がちょっとお座なりなってしまった感があるけど、
コーヒーの逸話と固まったカナードの可愛さがそれを補う以上の働きをした。
今後の展開に期待する。

>>369
むぅ、例の「一族」か……
もしAW世界に「一族」がいたのだとしたら、コロニー落としは計画通りだったのか、そうでなかったのか……

371:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 02:03:11
ジョージ・グレンやラクスは「一族」が造ったのかもな。
自分達にとって都合の良い世界の指導者として。
他人の子をこっそり毒電波を飛ばすような指導者になるようにコーディネート。
失敗作は親に捨てられ「サーカス」行き。
ジョージ・グレンは「一族」の意に沿わなかったので殺された。

372:通常の名無しさんの3倍
07/07/16 13:23:53
ラクスはともかくキャプテンは一族が作ったかもね
それだけの技術も金も人もあるだろうし
・・・アストレイの本スレはもうどうしようもなくなってるからつらいよ
一応今のX本スレ置いとく
前まで荒らしがひどくて見れるものじゃなかったけど今はそうでも無いかな?
まあまとめサイトに置かれるときは削除されてるだろうけど

機動新世紀ガンダムX-44
スレリンク(x3板)

373:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 07:41:48
ジョージ・グレンが一族に造られたとしても、試作品なんじゃね?
裏で暗躍させるんじゃなく、表で色々と活躍させたのも、能力検証のためだったとか
検証の後、政治家にでも立候補させて一族の役に立てよう…としたところで自分のレシピ公開なんぞやっちゃったせいで、始末?
ジョージ・グレン一代記とか書けそうだw

374:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 10:11:29
たとえ食料が生産されても
都市部に至る車や飛行機や船や鉄道が使えなければ
そこで展開されるのは、餓死という名の地獄なんだよ

都市の人間なんて
上下水道が死滅して電気が通らなくなるだけで
ライフラインが切断されるだけで容易に死ぬんだ
備蓄食料だってそうそう持つものじゃないし
保存用の冷蔵だって電気がいる
エレベータも動かないから手動で運ぶしかない
そうこうするうちに弱い女子供年寄りから死んでく
目の前に食料があるのに、医療装置があるのに
エネルギーが無くて大勢の人が死んで、
寒さが致命傷になる北半球で体力の問題で脱出できず
さらに大勢が死んで、それらの合計が10億人

そして、それでも連合は大勢の人を救った頑張った方なんだよな

375:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 11:13:21 Xh9MCnk9
……不謹慎な喩えだけど、今回の新潟の地震の後、
何処からも救援物資が届かず、ずっとライフラインが復旧しなかった状態を考えればわかりやすいよな。
しかも、ヨーロッパの冬は日本よりずっと厳しいし……。



376:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 11:22:52
>>375
夏は夏でフランスじゃ暑さで体の弱い人が何人も命をおとしてるし

>>374
共産主義者の大量虐殺記録を軽く更新してるコーディネイター…


377:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 12:48:13
「誰かの陰謀とプロパガンタ」のせいというのは、実はとても優しい結論だ
その誰かに責任を転化すればよい

「陰謀も無く、世界が現実に地獄」である、というのは実に単純であるように見えて
構造が単純であるだけ、その地獄が強調されて恐ろしく、また悲劇的だ。
失った命の総数という点でも、その総数分の悲劇・苦しみ・恨み・仇・怨恨が生まれるという点でも、
そしてそれらが実に正当なものであるという点から見ても、特に悲劇的だ

378:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:31:45
しかしその怒りをぶつけるべき正当な相手は遥か宇宙の彼方…
故にそれらの矛先は同じ被害者である筈の地上のコーディに向かい、
更なる憎しみの連鎖を生み出したわけだ。

…もし、地上の指導者の中にコーディ嫌いで無く冷静な者が居れば、
行き場を失った彼等を受け入れ自らの勢力の拡大を図ったのではないだろうか?
具体的にはもしC.Eにもエスタルドがあったらルクスならそれ位やってくれるんじゃないかなぁと。

379:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:40:27
「受け入れる」って単純に衣食住考えても大変だよね

380:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:45:44
そもそも通信も交通もNJで途絶してるよね。彼らをどうやって見つけるのか?
見つけてどうやって運ぶのか?

381:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 22:08:56
エネルギーだけならオーブの設定(火山を使った地熱発電が主流云々)を流用すればどうにか…
著しく信頼性には欠けるが作中で罷り通っちゃってるしww
通信は地続きなら有線を使えばどうにかなるか?
問題はやはり交通…
MSが電気で動いてる辺り自動車はじめ殆ど電気で動いてそうだし…
本編オーブの様に以前からコーディを大っぴらに受け入れてたなら向こうからやってくる事あるかも試練。

382:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 23:24:53
>>378
>…もし、地上の指導者の中にコーディ嫌いで無く冷静な者が居れば、
>行き場を失った彼等を受け入れ自らの勢力の拡大を図ったのではないだろうか?

つ青き正常なる世界の為に頑張る盟主王
その道は既にCE71年1月時点に、我々ナチュラルの国大西洋連邦と
アズラエルの姓を持つ地球の盟主王が踏破した道だッ!!
彼の英断によりコーディネイター技術陣を手に入れた大西洋連邦が
GATシリーズを筆頭にした新鋭機と、独自のナチュラル用OSの開発に成功したことは
意外と視聴者には知られているようで知られていない事実である

たいていの視聴者は、
本来必要な友軍である大西洋連邦側の情報をあえて出さずに
オーブのナチュ用OS開発を見せることで誤認させるという、恐るべき某負債のプロパガンタな演出描写によって、
オーブ…ひいてはキラががナチュ用OSの発生地点だと勘違いしているが、
公式設定ではそうなのである。

彼の英断によって連合が地上からプラントを叩き出す第一歩を踏み出せたと言っても
決して間違いではないのである

383:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 23:43:39
その割にどこに使えばいいか迷いそうなくらい有能なソキウス達を、
非常に勿体無い方法で使い潰してましたがw>盟主王

384:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 00:21:08
ソキウスはさぁ
ぶっちゃけあの時点じゃ連合視点的にはヴェイアの次なわけよ
俺ら読者視点では、パーフェクト完成品ってわかるけどさ
作中的には安全性と信頼性に難ありだべ?

だから、ブーステッドマン・エクステンデット・ナチュ用OS
そしてスウェン達努力したナチュラル主体にシフトしていって
用済みになったソキウスは破棄されたり払い下げられたりしたわけで

ま、作ってみたら自発的にナチュラルのためになる行動を開始したから
そういう意味でも連合と盟主王は偉大だよね
なんせ、盟主王自らが犯したミスを自発的に修正してくれる完成体ソキウスを
世に放つことになったんだから。しかもメンテナンスフリーかつフォローもばっちり

385:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 00:27:01
まさに人類は、自らの「戦友(ソキウス)」を手に入れたわけですね
盟主王スゲーwww

386:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 01:14:26
でもそれってあくまで結果論じゃ…
……やべえ、主役その他で結果として良い方向に転んだ事例が思い浮かばねえww

387:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 19:40:29
種オンリーの話するなら相応のスレがあんじゃね?

388:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:05:01
話し変わるがどこのSSでもパーラまだ見たことないな。

389:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:22:50
三次になるが赤い2連星はダメか?

390:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:54:52
0

391:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 21:08:48
>>388
かつてガロティファパーラinCEのSSを構想したが……
展開が複雑化しそうになって袋小路に陥ったのは記憶に新しい。

ここのスレでパーラが登場しづらい原因は、やっぱり本編の登場回数が少ないからかな?

392:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:06:09
おっぱいでかいから

393:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:10:10
パーラ影薄いしな。
それにキャラ増やしすぎても書ききれない。種世界のキャラにガロード、ティファ、ニート、
フロスト兄弟あたり足すぐらいが限界だな。あまり出しても空気にしかならん


394:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:16:02
トニヤ、シンゴ、サラは出てきてもあまり印象に残らないよな、確かに。

その点、キッドの方がまだ使いやすいか。

395:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 23:24:48
まあ、シンゴには、ノイマン並み事ができるかもしてないから、
フリーデンIII(種バージョン)なんてのに乗せてもいいかな?

396:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 23:40:34
>>395
X運命では操舵を握っていたが……

最近ではめっきり出番無し。


397:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 09:30:50
テクスはいいポジションもらってる事が多いのになあ。えらい違いだ

398:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 09:53:16
テクスは種にいなかった「若者を諭す大人」ってポジションに
一番いいキャラだからじゃないかな。
医者ということでどこにでも潜り込ませやすいのもポイントかもしれん。

399:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 11:01:25
何気に多芸だし、

400:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 11:18:53
Xが類を見ないほどの安心ガンダムであったのも
テクスとジャミルがしっかりと締めてくれていたからだな

401:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 16:54:55
テクスがいなかったら、Xの魅力は半分以下だ。

402:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 17:00:24
スタトレに喩えるなら艦内バーのおばさん。
ウーピー・ゴールドバーグだっけw

403:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 17:13:08
種死もああいう渋くて味のあるキャラがあればましだったな。
そもそもオッサンもオバサンもいない、青二才な面子ばっかだし。

404:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 19:18:03
歳をとるぐらいが取り得なおっさんはいたけど

405:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 22:58:41
つまり、せめて整備班長さんたちが、もうちょい頑張ってればって事か?

406:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:09:39
>>405
プロ意識を感じさせるシーンがなかったもんな~。

キッドみたいにドライバーで足ブッ刺せとは言わないけど、
補給を受けれない中で消耗部品をでっち上げるとかがあればよかったのに……

407:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:27:23
例えば自由が腕を飛ばされたら
次の出撃時にストライクとかM1の腕だったりって感じとかで
ギリギリ感とかも演出できるよな。

前の出撃から間がなくても物資が不足してても
次の時には全快してる不思議装甲だけど。

408:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:30:06
>>406
確かにな。08MS小隊やXのようにジャンクパーツを流用するシーンなんか無いしな。
種の連中はほんと工夫や努力が無いな。

409:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:41:39
1stだって「ガンダムは使い過ぎだ」の台詞があるのに……

410:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 05:02:24
倉庫のXSEEDの3話目、16話になってね?

411:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 11:11:37
>>406-408

そんなことしたら作画陣が全滅します。
ただでさえ遅い脚本基準でスケジュールいっぱいいっぱいなのに、
バンクが使えない演出なんか不可能です。
アニメーターには罪はありません……たぶん

412:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 11:36:58
メカの醍醐味は戦闘シーンだけじゃなくて、

壊れる→直す

にあると思う。特撮だろうがアニメだろうが変わらない。



あまり関係ないが、整備士を主人公にした作品って少ないよな?

413:1
07/07/21 11:37:45
どこぞのSSでも「こういう場合、必ず右上から攻撃が来る」とか言って避けてるノイマンいたなあw

414:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 12:26:25
>>411
あの程度の練られてない脚本でも、
仕上がってくるのはギリギリだったらしいな。
豊富な予算は納期に間に合わす為に多くが消費されたとかw

415:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 13:40:32
>412
リアルメンテ屋からすると…
仕事が増えるから、なるべく壊れてくれるなとか思うわけで(=ω=)
メンテって部署は常に人手足りなさ杉なんです


416:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 13:42:26
あ、物資も常に足りてねぇですよ orz

417:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 14:15:18
>>413
それタリア艦長。理想郷の完結済み作品にでてた。

418:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 16:12:28
>>412
そもそも種で修理中のシーンなんか極端に少ないしな。
砂漠で戦って砂ぼこりで汚れても無いっておかしいだろ。

さらにマードックやヨウラン・ヴィーノといったメカニックもないがしろだし
ラクシズは縁の下でがんばる人のことをわかってるのか?
てめーらの無茶を必死こいて支える人もいるんだぞと言ってやりたい。

419:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 17:45:54
>>418
ラクシズだと、縁の下の人たちは「ラクス様のために!」の一言で喜んで働いちゃうから、気にしなくても大丈夫さ orz

420:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 17:48:58
ミネルバ組はいつの間にか死んでたな。

421:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 18:04:54
宗教だからな。信徒ってすげえぜ、俺らだと金もらわなきゃやりたくねえことを
無料や場合によっては金払って喜んでやるんだぜ。しかも希望者が多くて
選抜すらする、別の生き物だよ、ラクス教徒もそうなんだろ。

422:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 18:07:53
>>418
ZZで砂漠では洗浄用のオイルが直ぐ無くなって大変とか、
そんな台詞があった。
稼動部分の多いMSが砂漠で戦闘するって大変なんだろうなぁ。


423:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 20:22:58
そういや砂漠専用MSってギレンでもやたらあったなあ
ほぼ使わなかったけど

424:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 20:40:04
種死の場合だとMS保有機数に制限があるから、むしろパーツ状態で機体がだぶついているかも知れんな。
基本的に壊れたら手足ごとどんどん交換してしまうとかさ。
インパルスなんてその最たる機体だろう。
一体何機ぶんのチェストとレッグを搭載していたんだか。

425:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 21:01:31
しかしベルリンではインパルスしか出撃してないという現実
レストアなんて単語が33話で聞こえるがね

ところでよく目にする単語だが理想郷って何だ?SS投稿サイトか何かなんだろうが・・・

426:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 21:41:01
>>425
その言葉を英語に訳してググれば答えは出るさ…

427:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 22:08:00
>>425
正直知らなくていい世界だ。

428:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 22:18:17
かなりスレ違いなんだが今日OVAのバルドフォースをみたんだ。
そしたら高木氏と鈴村氏が戦ってるじゃないか。鈴村氏主人公でシンみたいな復讐キャラ
高木氏イカレタ戦闘狂で役はまりすぎw

さらにwikiで見たら保志と石田がPC版に出てるし。これ狙ってやってるのか?

429:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 23:16:52
>>425
「新品を持ってきた方が早い」
これが答えだ。

430:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 00:08:11
高木氏はチンピラ役をやらすと東洋一だとかw

431:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 01:24:18
>>424
コアスプレンダーが複数あって、サバイバビリティや継戦能力を度外視するなら、
インパルス複数機出撃とか出来そうじゃねぇか、と思ったもんだ。ランチャー、フォース、ソードが
それぞれ一機ずつでチームプレーとか、そんなことを想像した時期が俺にも(ry

432:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 07:38:05
>>431
Vでやってたよな。

コアスプレンダーが複数あれば戦術の幅はかなり広がるのに……他は全てMSVだった。

出撃の度に合体だとか使い方が変だよな、インパルス。
歴代コアブロックシステムは何だったんだろうって首を傾げざる得なかった。

433:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 10:15:44
一応最初はシンにしかシステムを使いこなせないって事になってたんだぞ……インパルス

434:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 10:17:00
>>433
普通はそれ、欠陥品の烙印を押されるだろw

435:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 10:57:18
>>433
ストフリにしろ、なんで特定のキャラにしか使えないって設定が必要なんだ?
しかもまったく根拠がないし。

あるならあるでゾイドみたいに他の奴が乗ったら動かないとか、明らかに能力が落ちるとかの演出がいるんじゃないか?

436:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:27:00
 機動新世紀異聞・双星の軌跡
 第三話 『わたし……死ぬの?』 後編

 閃光は、一瞬だった。
 メガソニック砲。ヴァサーゴの腹部に内蔵されたこの大口径ビーム砲は、MS搭載兵器と
して正しく規格外の高威力を誇る。先ほどアーモリーワンの外壁を穿ったのも、この一撃だ
った。
 だが―
「ほう」
 メインモニターに映された情景を目にし、シャギアは呆れたように、あるいは感心したように
呟く。
 インパルスは、いまだ『生きて』いた。
 直撃の瞬間、シンは咄嗟にインパルスのVPS装甲の出力を、最硬の強度を持つ『赤』へと
引き上げていたのだ。加えてシャギアが確実に命中させるため、ビームの収束率を甘くした
拡散モードでメガソニック砲を撃っていた事が幸いした。
 どちらかの要因が欠けていれば、シンとインパルスは宇宙の藻屑になっていただろう。
「う……く……が―」
 とは言っても、インパルスの損傷は甚大なものだった。頭部と両脚は失われ、全身が手酷
く破損している。辛うじて無事なのはシールドで守ったコクピット周りのみ。またその衝撃は、
コクピットのシンにもダメージを与えている。
 ずたずたに引き裂かれた装甲がPSダウンし、ディテクティブモードの暗灰色に戻る。
「さあ、その機体も頂こうか」
 シャギアのヴァサーゴが、インパルスに接近する。だが捕獲しようとするその瞬間、弾か
れたように後退するヴァサーゴ。その眼前を、無数のビーム弾が翳め飛ぶ。
 ようやく追いついたレイのザクの射撃だった。
「シン! どうした、シン!!」
 レイの呼びかけにも、意識を失ったシンは答えられない。
「邪魔をしないでもらおうか!」
 ヴァサーゴの両腕が伸張し、クロービームを連射する。だがその不規則で変幻自在の射
線を、ザクは悉く掻い潜った。
 赤と白、二機のMSが交差する。
「今の動き―」
 シャギアの双眸が細まる。
 ヴァサーゴのストライククローは、その柔軟でフレキシブルな挙動によって、オールレン
ジ攻撃端末に近い形での運用を実現している。それをこうも易々と回避するとは―
「少々確かめさせてもらうぞ、白い坊主君」

437:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:28:09
「艦長、インパルスとの交信が途絶えました」
 ミネルバ艦橋、緊迫したメイリンの報告に、タリアは毅然とした表情で自国の議長を振り
返る。
「議長、私は本艦によってなんとしてでも奪われた機体を奪還、もしくは完全に破壊するべ
きだと意見を具申します。発進の許可を」
「無論だとも、グラディス艦長。みすみすアレを取り逃がしては、この後どれほどの脅威に
なるか。私も十分に把握している積もりだ。国家の安全を司る立場としても、ミネルバには
即座に外の母艦を追跡してもらいたい」
 二人のやり取りに、ブリッジが大きくどよめく。
「今からでは、議長に艦を降りて頂く余裕がありませんが」
「艦長、とても残って報告を待っていられる状況ではないよ。私には権限もあれば義務もあ
る。私は君と、話す為だけに来たのではないからね―タリア」
(え!?)
 デュランダルの意味深げな言葉に、メイリンの耳が旧世紀のアニメ映画に登場する空飛
ぶ象のように広がった。
 深々とため息をついたタリアが、軍帽を被り直すと、腹に響く声を上げる。
「メイリン! ミネルバ発進シークエンス開始! 本艦はこれより戦闘ステータスに移行す
る!」
「りょ、了解! 緊急伝達、全艦にコンディションレッド発令、これは演習にあらず! 繰り返
す、これは演習にあらず!」
 栄光と苦闘に満ちた女神の旅路は、こうやってその幕を開けた。


438:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:29:11
 結論から述べると、シャギアとヴァサーゴは終始レイのザクを圧倒していた。機体性能、
戦闘経験、操縦技量、その全てにおいて、両者の間には埋めがたい格差があったのだ。
「センスは悪くない、が―」
 右、と見せかけて左。フェイントにかかったザクの右腕が、ストライククローの直撃を受け
てもぎ取られる。コントロールを失ったザクは、錐揉みしながら吹っ飛ばされた。
「見込み違いだったか……ここまでだな」
 ヴァサーゴの腹部装甲が上下に分割され、メガソニック砲の砲門が露になった。
 たかだかMS一機を相手に、非効率極まる過剰殺傷。シャギアは、嗜虐の笑みを浮かべ
ながら白いザクをロックオンする。
 だが―
「上!?」
 天頂方向より、数条のビームが飛来する。回避機動を取ったシャギアが目にしたのは、
二機のゲイツRと一隻の戦艦。
 赤い翼を広げたその姿は、引き絞られた弩を思わせた。

「デイル機およびショーン機、アンノウンMSと接触! 交戦を開始します!」
「インディゴ53、マーク1ブラボーに不明艦1!」
 メイリンとバートの報告に、タリアは頷く。
「それが母艦ね。諸元をデータベースに登録、以降は対象をボギーワンと呼称する」
 タリアはそこで一拍置く。船出即初実戦―ブリッジクルーの緊張は最高潮に達した。
「艦橋遮蔽! 進路インディゴデルタでボギーワンに突撃! 全兵装使用自由!」
 やつばきに命令を出すタリア。同時に艦橋がフロアごと下降し、船体内部の主要防御区
域(ヴァイタルパート)内に設置された戦闘指揮所(CIC)と直結する。
「アーサー、砲戦指揮は任せるわ。操舵は私が指示します」
「りょ、了解―主砲(トリスタン)および副砲(イゾルデ)、全門開け! ランチャーエイト、
1番から4番まで対艦ミサイル(ナイトハルト)装填っ! 砲雷撃戦準備、照準ボギーワンに
合わせっ!」
 次々と艦の武装が起動する中、背後からデュランダルがタリアに声をかける。
「彼らを救助する方が先ではないのかね、艦長」
「そうですよ。だから母艦を撃つのです。敵を引き離すのが早いですから、この場合は」
 少々、うんざりした口調で振り返るタリア。その顔には見えない文字で『素人は茶でも飲ん
で黙っていろ』と書かれていた。

439:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:31:24
『兄さん、そろそろ潮時だよ』
『分かっている。少しばかり遊び過ぎたようだな』
 内心で舌打ちしながら、シャギアはオルバに答える。
「欲をかき過ぎては、元も子もなくなるか」
 決断すると、行動は早かった。ヴァサーゴの機体を反転させ、ガーティ・ルーを目指す。
(それにしてもあのパイロット、まさかな……)
 先ほどまでの戦闘を反芻し、小さく頭を振るシャギア。
『どうしたんだい、兄さん?』
『少々気にかかる事があってな。これより帰投する』

 急速に遠ざかる敵機の姿を目にし、レイは大きく息をついた。
「逃げた―いや、見逃してくれたのか」
 一人呟き、乱れかけていた呼吸を整える。常に冷静沈着なレイにとっても、初の実戦がも
たらす重圧と昂揚は相当なものだった。
 と、飛来した二機のゲイツRから、通信が入る。
「無事か、レイ?」
「手酷くやられたな」
 ゲイルとショーン。レイやシン、ルナマリアと同じくミネルバ所属のパイロットだ。緑服だが、
前大戦での実戦経験を持つベテランである。
「俺はいい。それよりシンを頼む」
「おう、了解だ」
 二機のゲイツRは熟練した機動で大破したインパルスに取り付くと、手早く確保する。
「気絶してるが、心臓は動いてるようだな。タフな野郎だ」
「そうか」
 それを見届けたレイも、ザクをミネルバへと向けた。

440:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:32:26
 目を開いたシンがまず見たのは、オレンジ色の前髪をした、人懐っこそうな少年だった。
「お、気がついたかシン」
 少年―整備兵のヴィーノ・デュプレは、安堵の笑みを浮かべる。
「ヴィーノ―こ、ここは?」 
「ミネルバだよ。動かない方がいい。直ぐに医務室まで運ぶから」
 そう告げるとヴィーノはシンを抱え、コクピットから飛び出す。既に無重力状態にあるため、
二人は緩やかな動きで格納庫の床に降り立った。
 そこでは、レイとルナマリアがストレッチャーと共に待機していた。
「すまね、後は任せるよ。俺まだ仕事あるんで」
「分かった。さあシン、横になって」
 ヴィーノからシンを受け取ったルナマリアが、ストレッチャーに寝かせる。
「状況は……どうなってるんだ―?」
 ズキズキと痛む頭を抱えながら、シンは問い質した。
「それは―」
 押し黙るルナマリアに代わり、レイが答える。
「件の不明艦―ボギーワンと呼称する事になったが―には逃げられた。奪われた三
機のセカンドシリーズMSごとな。今、このミネルバで追跡中だ」
「そうか……」
 それを聞いたシンが悔しそうに唇を噛み締めると、ストレッチャーに拳を叩きつける。ひど
く弱々しい音が響いた。
「負けたんだな、俺たち」
「だが、まだ生きている」
 淡々と、レイが答えた。
「ならば、次の機会があるという事だ。違うか?」
「だから今はとにかく休む事、分かった?」
 上から睨みつける二人の戦友に、シンは不承不承ながら頷いた。
「分かったよ、レイ、ルナ」
 急速に、再び意識が薄れていく。
 意識を手放す直前、最後にシンが目にしたのは、無残なまでに破壊されたインパルスの
姿だった。

 ―次は、負けない。


 NEXT:第四話『ここで仕留める』

441:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/22 11:34:33
……ようやく時間が取れた

442:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 11:37:45
おお!! 久し振りだ。待っていたよ。

辛うじて生きていたか、シン、インパルス。
気になるのはコアスプレンダーの破損状態だが、頑張れシン!

443:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 11:45:02
おお、ひさしぶりです。がんばれシン。

444:通常の名無しさんの3倍
07/07/22 23:33:28
お久しぶりです!投下乙!
シン生きてた~、前回ラストで「あ、死んだ」ってマジ思いましたもん

445:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 00:39:42
シン「あーよく死んだ」

446:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 06:21:53 s5D2FtBt


447:livedoorID持ち ◆yb1J9t3X3g
07/07/23 13:09:41
まとめwiki更新しました。
ところで、どなたかCrossASTRAY氏の第四話持ってませんか?
もし持ってましたら、まとめwikiのうpロダに上げてもらえれば光栄です。

448:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 13:29:24
>>447
URLリンク(www3.uploader.jp)

これでいいのかな?
コピペしただけだから修正なんかはお願いします

449:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 20:49:23
ついでに他のスレの更新もしてほしいな、ドモンスレとかWスレとか

450:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 21:01:20
何か、原作以上に良いとこなしだな、シン。
あまり踏み台な展開は好きじゃない。

451:通常の名無しさんの3倍
07/07/23 22:22:59
そう?また序盤だしこれからシンが成長する為のステップだと思ったけど

452:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 09:53:04
一回負けた相手に特訓を経てリベンジってのは王道なんだぜ?

453:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 12:44:13
主役はフロスト兄弟だろ?

454:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 17:53:41
このままいけばフロスト兄弟、ダーダネルス戦でAAが乱入した時、フリーデンを思い出すかもな。

455:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 18:31:10
>>454
なんでだ?

456:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 19:24:23
敵対した二大勢力の間に、単艦で割って入る第三勢力という構図は同じだろう。
AAとフリーデン。

457:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 19:38:46
>>456
そしてやった事。

フリーデン:サテライトシステムのガイドレーザーで道を開け、DOMEに向かって一直線。戦闘は降りかかる火の粉を払いのける程度。

アークエンジェル:カガリの演説? の後に両陣営に対して積極的に攻撃を行う。

どちらもテロ行為言えばそうなるが、似て非なるものだと思う。

458:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 19:54:09
どちらかといえばヤキンのほうが近いな
まあ最終的に主人公勢が権力握るのは同じだが

459:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 20:03:05
ヤキンの場合でも対立構図が全く違うよな。

Xの場合は、新連邦軍も宇宙革命軍もフリーデンも最終目的はDOMEであり、同一のものだ。言わば競争相手であり、敵戦力の無力化は二の次。

種の場合は、連合はプラントに、プラントは連合に勝利すること、そして三隻同盟はその戦闘行為の停止を目的としていた。

460:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 21:48:19
話を変えるが初代ACEやってみたけど連ザより難しいと思う
ACE3大丈夫かな?不安になってきた・・・もちろんやりきるつもりだが

461:通常の名無しさんの3倍
07/07/24 23:20:28
>>三隻同盟はその戦闘行為の停止を目的 ×
大量破壊兵器(MS含む)と指揮者の殲滅 ○

462:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 04:50:41
>>460
ACEは機体縛りとかしてるとキツいとこがあるだけで
クリアしたいだけならなんとでもなった気がするな。
もちろん難易度の高いミッションはあったけども。

463:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 14:43:52
連ザの場合はゲーセンでも出来るからな・・・ACEより優しいのはそこんところがあるのかも
てか俺も理想郷の行き方がわからない、ユートピアでぐぐったんだが・・・

464:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 16:06:52
一つほど言っておくけどユートピアじゃあ引っかからないぞ

465:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 16:09:14
Arcadiaか?

466:通常の名無しさんの3倍
07/07/25 22:23:15
まさにスコッパーのアルカディア

467:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 00:36:05
何であそこが話題に?


468:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:05:23
ビックリするほどユートピアだからさ…orz

悪い意味でな

469:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:12:27
変な流れだから話を戻そうか。

ダーダネルス戦でAAが乱入した場合、カガリの演説を聞いたフロスト兄弟がフリーデンを思い出すよりは単純に呆れて鼻で笑うだけな気がする。

470:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 01:26:42
そういう踏み台描写は好きじゃないが種のキャラの行動があまりにも
馬鹿すぎるのが多くて本編どおりのキャラでやるとそういう場面ばかりになるな。

471:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 06:17:39
しかし、フリーダムの事を考えると、笑ってもいられないと思うが。

472:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 08:40:19
変態兄弟の連携プレーで自由を翻弄するな。

473:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 13:08:54
シャギア「ふっ、所詮この程度か」
オルバ「最強のスーパーコーディネーターと聞いていたが」
シャギア「興ざめだな。もういい、雑魚は殺すとするかオルバよ」
オルバ「OK兄さん」
キラ「うわぁぁぁぁ!」

474:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 14:10:38
キラといえども1対(名前アリ)複数じゃ苦戦してるからな。
コンビネーションも完璧な兄弟相手にするには分が悪いと思われ

475:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 14:26:18
でも、ヴァサーゴもアシュタロンもバッテリー機だし、フリーダム相手だと分が悪いんじゃ?

476:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 14:38:26
常夏の3機もバッテリーだったぞ。

477:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 15:25:48
あの時は2対3で常夏組は連携とれてなかったのに押され気味だったな。
兄弟に会ったらマジでキラ最期かもな・・・

478:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 15:43:08
本命にCBとHCも控えてるからなあ。
あの二機って、CE世界だと、どれくらいの強さだろうか?

479:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 18:30:05
CB:戦略兵器に片足を突っ込んでる。トリプルメガソニック砲は威力・使い勝手に申し分無し。
HC:CBを乗っけたままGファルコンDXに追いつける推力。オプションにサテライトランチャー。

ふつうに化け物だろう。

480:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:00:29
MSの性能は作品世界のバランスの問題だからおいとくとしても棒立ちの雑魚
しか落とせないからな、種のキャラは

481:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:08:22
名有りのパイロットが少ないよな、本編には。

ムウとバルドフェルド以外に二つ名持ちがいたっけ?

482:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:42:59
アストレイやMSVにならいたけど、本編は2人だけじゃね

483:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 19:44:22
>>481
本編では呼ばれてないが黄昏の魔弾さんとか?

484:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 20:25:34
砂漠の虎の名はバルドフェルドが自分で宣伝させたんじゃなかったっけ?

485:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:14:39
そしてX世界は名は無くとも15年以上の歳月が生んだ熟練パイロットばっか。

486:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:16:15
XのMSが異常に扱いやすいだけのような気もするが

487:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:22:08
>>483
いくら操作性は良くても、戦いの組み立て方はパイロット次第だ。
無名のバルチャーだってあの世界生き抜いてきたんだから、それに値する熟練者ばかりのはずだ。

488:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:24:57
>>486
みんな操縦しやすいならみんな条件一緒だろ。

489:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:26:49
Ⅹ世界のバルチャーがみんな15年前からMS乗ってるわけでもあるまいに。
扱いやすいから熟練しやすいというのは当然アリだろ。

490:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:28:44
X世界のMSとCE世界のMSじゃ、機械としての完成度が違い過ぎるからなあ

491:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 21:39:44
俺はCEの人間の能力が異常に低いだけと思っている。
CEで高速タイピングができるのはコーディネーターだけらしい。
それで飯食ってる連中は普通にできるぞ……
俺たちAD世紀の人間にも劣るな。
また、どいつもこいつも負債のような思考回路しか持ちえず、精神的にも大きく劣る。

492:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:28:50
高速の度が違うんだろ、きっと。
大体あんなテンキーに毛が生えた程度のキーボードでOS書き換えちまうんだぜ?

493:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:38:21
パラメータいじっただけだろ
あのタイプ音じゃそれが精一杯

494:通常の名無しさんの3倍
07/07/26 23:39:55
>474
分が悪いどころか絶望的ジャマイカ?兄弟が冷静なら。
あいつ等、どっちかがすぐに調子に乗ってヘマするからなぁ・・・

495:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 00:42:47
ガロードの時と違ってキラには心強い仲間がいないからそのまま死ぬ。

496:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 01:56:19
自由はフルバーストとか言っても、あれ前方にしか撃てそうにないしなw
2機いたら、普通に横や後ろから撃たれて終わりだろ

497:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 09:55:10
戦い方がワンパターンだからな、キラの場合は。
ガロードやシンと違って意外性ってのが薄いし、あっさり癖を見抜かれそう。

498:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:15:25
戦闘をパターン化してしまうのはコーディネーター軍人特有の欠点らしいぞ。
キラも超絶的な技量を持っているが、その例に漏れないと。
シンもそうなのかな……?

但し、シンには成長の余地がいくらでも残されている感じがする。
キラは現時点で究極の存在であるが、同時にそれが限界でもある。

499:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 10:27:26
何でも出来る奴は何にも出来ないって言葉があるよな。誰の言葉だっけ?

戦闘のパターン化は最も避けるべきだと古代の兵法から言われているのに言われ続けるのは、人間の性質なんじゃないかな?

500:DC ◆BLrWQEywWM
07/07/27 19:53:24
ちょいと質問。
ミネルバやガーティって、ラミネート装甲は装備してるんですかね?

501:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 20:05:59
>>500
装備しているって話も装備していないって話も聞かないな。

ミネルバやガーティ・ルーで「ラミネート装甲、排熱追いつきません」なんて台詞もなかったし。

不都合がなければどっちでも良いと思うよ。

502:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:27:20
>>499
マトリフ師匠

503:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:31:15
>>502
……どなたですか?

504:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:37:25
>>500
ミネルバはラミネート装甲してないかもね。
あれはAAにしか見られない。
ドミニオンにもあったかどうか分からない。
どうも連合の技術っぽいし。
ザフトにラミネート装甲を採用した兵器はないっぽい。
ガーティはミラコロ採用してるからどうだろ?

505:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:39:34
>>503
ダイの大冒険のポップの師匠
ちなみに勇者の事を指して言った台詞

506:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 22:48:33
>>505
ありがとう。
そうだそうだ。確かに言っていた。
今度ダイの大冒険を読み返してみよ。

ようするに器用貧乏ってやつだよな。

507:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:08:01
8巻な

ガロードの武器も勇気

508:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:14:26
確かにガロードも万能タイプに属するキャラだよな。
適応性が高いとはいえ、能力はスペシャリストに劣る。
でも惚れた女のために勇気と根性を振り絞って仲間と共に不可能を可能にする。

まさしく勇者ガンダム。

509:通常の名無しさんの3倍
07/07/27 23:24:53
GXもそういう機体。
サテライトキャノンを除けば、機動力でエアマスターに、火力でレオパルドに劣るし。

510:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:10:47
>>504  自由正義のシールドは?



511:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:12:10
>>510
あれは確かナスカ級の装甲と同じ素材だって設定じゃなかったっけ?

512:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:19:02
>>510
あの世界のシールドはビームコーティングされているだけだ。
自由正義のが特別って訳じゃない。
ストライクのと基本は同じだろう。
インパルスから別物っぽいが。

513:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:20:18
>>510
ラミネート装甲だったような……?本体がPSなんでそれでカバーしてた(一応は)とオモ。

514:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 00:22:11
えーと、ラミネート装甲製でシールド表面のダクト状のものが排熱口じゃなかったっけか?

515:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 08:19:01
MSサイズでは廃熱が間に合わないって設定だと思ったが、そんなのをシールドに採用しても……

516:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 13:02:05
ブルーフレームセカンドのタクティカル・アームズはラミネート製でバックパック部分から廃熱できたはず

517:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 19:40:27
あれはサイズが盾よりでかいぶん廃熱スペースと冷却装置に余裕があるからじゃね?
あと積極的にあれで防御しない点もある。

518:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 22:50:17
積極的に防御するのはABCアーマーシュナイダーの方でだもんな青枠セカンド
……なんだろ、小さいくせに使えるのかな? こう、材質の違いが適正の違いって事か?

519:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 23:37:36
獣と違ってウサギを狩るのに全力をださないってことだろ。

520:通常の名無しさんの3倍
07/07/28 23:49:56
瞬間的なものだし小さいからすぐ冷めるとか?

521:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 00:39:25
ラミネートは吸収して熱放出が基本原理

で、ABCはビームを散らして弾き飛ばすコーディング
基本原理的にビームがコーディングに干渉して分散するとかなんとか
PGのインストに書いてあった気がする、トイザラスで店員がいない隙に
パッケージ開けて中身見たから多分そんな感じ、
さすがにプラモに一万も出せないよ

522:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 11:59:48
>ラミネートは吸収して熱放出
>ABCはビームを散らして弾き飛ばすコーディング

クラウダの装甲はABCに近いかな?

523:通常の名無しさんの3倍
07/07/31 11:20:21
近いといえば近いがあれは元々の装甲の強度で無理やり弾いている印象があるな。

524:通常の名無しさんの3倍
07/08/01 13:07:26
ACE3にDX、CB、HC、Gファルコンまで出てる。感無量。

URLリンク(www.uploda.org)

525:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 20:05:11
職人さん来ないな~。

526:通常の名無しさんの3倍
07/08/03 22:20:31
保守保守~

527:Exceed4000 ◆gzIb1zS1Ho
07/08/04 08:57:03
近日中にぼつぼつ投下します。
今まで色々あって投下しにくい雰囲気だったので。
よろしくお願い致します。

528:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 08:58:11 DOjnz5A5
追伸。
携帯より

529:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 10:41:53
おお! お待ちしてました。

530:通常の名無しさんの3倍
07/08/04 12:59:16
お帰りなさい。


531:通常の名無しさんの3倍
07/08/07 21:52:32
保守

532:通常の名無しさんの3倍
07/08/10 18:33:37
保守

533:通常の名無しさんの3倍
07/08/13 09:23:44
保守でございます

534:通常の名無しさんの3倍
07/08/14 17:25:24
保守だね兄さん

535:通常の名無しさんの3倍
07/08/15 13:47:54
URLリンク(sylphys.ddo.jp)
・・・

536:通常の名無しさんの3倍
07/08/15 18:51:38
保守だぞオルバよ

537:通常の名無しさんの3倍
07/08/15 20:21:24
わかったよタカヤにいさぁぁぁぁぁん

538:通常の名無しさんの3倍
07/08/15 20:50:38
シンヤァァァァァ!!!!!!

539:通常の名無しさんの3倍
07/08/16 23:53:59
ボルテッカ兄弟自重しろw

540:通常の名無しさんの3倍
07/08/17 20:41:27
ライカァァァァ!

541:通常の名無しさんの3倍
07/08/17 23:04:56
>>540
改造人間・弟も自重しなさいw

542:通常の名無しさんの3倍
07/08/17 23:29:33
ところで職人さんはまだかな~、みんな盆休みでのんびりしてるのかな~。

543:通常の名無しさんの3倍
07/08/17 23:39:01
どうやらガロティファが跳ぶのはCEだけじゃなくなったらしい

544:通常の名無しさんの3倍
07/08/17 23:44:22
惑星ZiやUCにも跳んでるな。まあこっちではスレ違いだから
スレリンク(x3板)
スレリンク(x3板)でやろうな。



545:通常の名無しさんの3倍
07/08/18 00:12:54
なんか下のほうは人名と機体名ばかりでついてけないw

546:通常の名無しさんの3倍
07/08/22 15:32:02
>>540
アイナァァァァァァァ!!!!!!!!!!

547:通常の名無しさんの3倍
07/08/22 20:15:39
>>540
>>546
中の人自重wwww

548:通常の名無しさんの3倍
07/08/22 23:29:04
そして降臨する

   ア  イ  ナ  ブ  リ  ッ  ジ

549:通常の名無しさんの3倍
07/08/24 12:52:46
僕らはガンダムというただのロボットアニメにとらわれた世代なのだから・・・

550:通常の名無しさんの3倍
07/08/26 15:06:37
あなたに保守を・・・

551:通常の名無しさんの3倍
07/08/28 13:48:42
保守は出ているか?

552:通常の名無しさんの3倍
07/08/31 09:14:22
保守

553:通常の名無しさんの3倍
07/09/01 21:16:39
保守

554:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/04 05:45:26
投下します。

機動新世紀ガンダムXSEED   第二十七話「高くついた寄り道からな」

「こちらガロード ! アークエンジェル応答してくれッ !! くそっ、さっきからうんともすんともいわねえ ! 通信状況が酷すぎる !! 」
『Nジャマーの影響でしょうね……でも大丈夫です。こちらの事は断片的ながらあちらに伝わっているようです。』
通信を入れ続けるも上手くいかない様子のガロードをカリスが宥める。
ザフトが開発し、地球各地に把握しきれないほど落とされたNジャマーことニュートロンジャマーは全ての核分裂を抑制するものであり、
その影響下では核分裂は抑制させられる。そのために核ミサイルをはじめとするかつての最終兵器であった核兵器を始めとする核エンジン、そして原子力発電などは使用不可能となった。
更に電波も阻害するために、影響下では電波を利用した長距離通信や携帯電話は使用不可能となり、レーダーも撹乱される。
自然の中にいる時や戦闘中のモビルスーツとの通信も困難になるケースが多く、長距離通信手段としてレーザー通信が使用されている。
しかし今はそれを一からガロードに詳しく説明している時間は無い。
やがてアークエンジェルが有視界範囲に入った時、彼にとって待ちに待った返事が相手方から返って来た。
『こちらアークエンジェ……マリュー・ラ……ス !! それに乗っ……るのは本当にガロード……のね ?!! 』
それは何度か話した事のあるラミアス艦長の声。
ガロードの声が一気に明るくなる。
「おっ、艦長さんか ?! おーし、本格的に繋がったみてえだな。そうだよ。こっちの黒いMSに乗ってるのは炎のMS乗り、ガロード・ラン様だぜ。
んで、この機体を今持ってくれてんのは俺の頼もしい仲間だ。」
『カリス・ノーティラスです。アークエンジェルの皆さん、お初にお目にかかります。ザフトにいましたがガロードの言った通り僕らは仲間です。
色々とお話したい事は多々あるのですが、後ろからの追手の事もあります。先ずは着艦させてもらえませんでしょうか ? 』
少しの間だけ通信機が静かになる。
ブリッツにガロードが乗っている事は確認出来たものの、詳細が分からないカリスに関しては慎重が要されるといったところだろうか。
調整したモニターの別枠を見ると、追撃隊との差が段々詰まりつつあるのが分かる。
かなり長く待たされたガロードは少し声を荒げた調子でアークエンジェルに再び通信を入れる。
「カリスは味方だ !! 着艦許可だけでも早く下ろさせてくれ !! でねえとハッチに俺が突っ込んででも…… !! 」
『お、落ち着きなさい !! ……分かりました。着艦を許可します !! 』
「よしっ ! サンキュー、艦長さん !! 」
とても穏やかでない発言を抑えつつマリューは着艦の許可を出した。
やがてアークエンジェルの左側のハッチが彼らを受け入れるべくゆっくりと開いていき、ヴェルティゴはそこに一直線に向かっていく。
ものの五分としない内に二機は吸い込まれる様にハッチの中に突っ込んでいった。
デッキに着いた瞬間の下から突き上げる衝撃と見慣れた整備班の面々はガロードに帰ってきたという感情を起こさせる。


555:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/04 05:46:54

ガロードはブリッツのコクピット内で一息を吐く。
またしても成り行きとは言えXナンバーの一機の奪還をする事となった。
格納庫にいる皆はその事実に気づき、イージスや艦隊合流前の一戦で勝利した時の様に喜びたい雰囲気の様だったが、今は状況が状況なのでそんな悠長な事は言っていられない。
急いでハッチを開けると、下からいつも世話になっているマードック曹長が両手をメガホンの様にしてガロードに声をかけてきた。
「良くやったな、坊主 !! だけどお祝いは目の前の敵さん追っ払ってからになりそうだ !! 機体の応急処置が終わったら直ぐ出撃できるか ?! 」
「機体は別段何ともねえんだけどよ、OSがコーディネーター用だからナチュラル用の調整が必要なんだ !
自力で何とかしてえけどパソコンとかそういうのまださっぱりだから、キラが一緒にいたらスムーズにいくかもしれねえ !! 」
そうガロードが答えると、マードックは少し渋い顔になる。
「悪ぃがあっちの坊主もこれから直ぐにストライクで出撃しなきゃいけねえ ! けど安心しろ ! ウチんとこの技術班や工作班だってそんなに柔じゃねえさ ! 協力すればある程度は何とかなる筈だ !! 」
「オッケー、わかった !! それから……」
ガロードはちらと後ろの方を見やる。
先程は毅然とした態度でアークエンジェルのブリッジに通信を入れていたが、この状況でカリスはザフトの黒服を着ているのを気にしているのか何の反応もよこしてこない。
不審がっているスタッフを相手にガロードは咄嗟のフォローを入れる。
「こっちの機体に乗っているのはいろいろあってザフトにいた俺の仲間だ。名前はカリス・ノーティラス。」
するとすっとヴェルティゴのコクピットハッチが開く。
全員に姿が見える様に外を出たカリスは格納庫全体に響く様な大きく、そして努めて明るい雰囲気の声で簡単な自分の状況説明を始める。
「皆さん ! 僕は今ザフトの制服を着ています。ですが、ガロードの仲間です !! そしてたった今ジブラルタル基地を脱出し、彼と共にここまで来ました !! もし僕がお役に立てるのなら出させて下さい !! 」
突然の口上に周りの者達は一瞬動きを止める。
だがそこにもう一つガロードにとって聞き慣れた声が響き渡る。
「それでいいのか ? 君は。」
ふとガロード、カリス二人の視線が奥の方に向けられる。
そこには今から一つしかないスカイグラスパーに乗って出撃に向かうといった様子のムウが、カリスの方に真剣な眼差しを向けていた。
ムウは正規の連合軍軍人、そしてカリスは仮にもザフトでは高位の役職の人間が袖を通す黒服を纏っている事から、ガロードはムウが何を言おうとしているのか直感的に気づく。
「外の様子を見れば分かるが俺達は今からザフトと戦闘をするわけだ。今さっきまでジブラルタルで色々な人間に指図出来るほどの権利を持っていた君が、
直ぐに仲間を討つ覚悟がこの戦闘の中で出来るのか俺としては少し厳しい。幾ら坊主の仲間だと言われてもな。
……俺もあまり疑り深い性格だと思われるのは心外だし、来ている制服にとやかく注文をつけるつもりは無いが……本当に良いのか ? 」
カリスはコーディネーターではない。
今のところはガロード、ティファ、テクスしか知らないが、人工ニュータイプであるといった所を除けば彼もナチュラルだから、
コーディネーター達に対して同胞という意識は割合希薄と言った方が正しいかもしれない。
とはいえ、彼はザフトに入って少なからずともある程度の恩恵は受けた。
更に今アークエンジェルを襲おうとしているジブラルタルからの追撃隊にはカリスが昨日今日談笑したり寝食を共にしたりした人間がいるかもしれない。
ここで前線に出て行ってその時になってから迷いや躊躇いが出るようであれば安心してその場を任せるなんて事は出来ないし、勿論自分の背後を守らせるわけにもいかない。


556:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/04 05:47:53
しばしの沈黙の後、カリスは口を開いた。
「僕やガロード達は自らの意志でここに来たわけではありません。ですから残りの仲間を見つけた後に全員揃って協力して戻る必要があります。
一人として欠けてはならないですし、こんな世界で敵味方に別れて戦争を続けるなんて愚の骨頂です。
……もしそこまでお疑いなのでしたら、出撃後に僕が妙な動きをした時には即座に撃っても構いません ! 」
その言葉にガロードはギョッとして振り向く。
しかし、カリスの表情は穏やかなものそのもので、言葉にも一片の飾り気は見られなかった。
寧ろそれは心の中の真摯な意見であった。
それを聞いたムウの顔からふっと笑みが漏れる。
「そこまで言ったんならお前さんを信用しよう。但しその代わり、こちらの陣営の人間として戦闘も含めてしゃかりき働いてもらうぜ。それとこれから先の事はもう誰のせいにもできないからな。」
「そのつもりです。信用してくれて有り難う御座います。」
言い終えたカリスの口からも軽く笑みが零れる。
しかし、安心する事は出来なかった。
くぐもった音と強烈な振動が艦全体に響き渡ったからである。
遂に敵方からの砲撃が始まったのだ。
「ともかく艦長達に詳しい話を通すのは戦闘が終わってからだ。相手の数が数だが弱気な事は言ってられねえぞ。ブリッジ ! どうなってんだ ?! 」
ムウは近くにあった通信用パネルまで行き、ブリッジに通信を入れる。
画面には口をこれ以上は無いほど固く真一文字に結んだマリューが映った。
それから神妙な面持ちのまま現状報告をする。
『敵が本艦を捕捉し砲撃を開始しました。出撃準備が整い次第直ちに発進して下さい。……それと、ガロード君と共に来たというあのカリスと名乗る少年については ? 』
「こっちと共闘するとは言ってるぜ。自分の後ろに銃突きつけた状態のままでも良いって覚悟持ったままな。
まあ、あの坊主の知り合いだって言うし、こんな状況だから俺としては信用してやらんでもないが……どうする ? 」
問いかけられたマリューはしばしの間思案にふける。
すると下のCICからナタルの厳しい声が横槍を入れる様に割って入ってきた。
『艦長。いかにこちらに与する意志と覚悟があったとしても、この状況下では信用に欠けます ! やはり一度艦内で勾留した状態にした方が良いかと。』
アークエンジェルの近くでは引っ切り無しに砲撃が続けられている。
マリューの考えとしてはこのまま沈むわけにはいかないというのなら藁にもすがる気持ちでこのカリスという少年の助けを借りたかった。
例えそれが現状にとって焼け石に水程度の事であったとしても。
だが幾ら傭兵にしたガロード達の仲間とはいえ、そして信用が無いなら背中に銃を突きつけたまま戦闘に臨んでもいいとはいえ、元を正せば彼は敵軍の重要ポストにいた人間だ。
早々簡単に信用しても良いものだろうか ?
『敵艦尚も接近 ! 』
ミリアリアの声がその音色も手伝って、自分に素早い処断を求めるベルの様に聞こえてならない。
『艦長 ! 急がなければこちらがやられます ! 』
ナタルは一時勾留を進言しているが、ここで墜とされる様な事があっては勾留も何もあったものではない。
迷った末にマリューは一つの決断を下した。


557:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/04 05:49:56
『ストライク、スカイグラスパー発進用意。ブリッツは調整が済み次第発進して下さい。カリス少年の乗った機体については先に述べた三機と同様に処置します。
但し三機の迎撃照準の一部は常に彼に合わせておくように。』
『艦長 ! 』
マリューの判断にナタルは驚きの色を隠せない。
軍門の家で生まれ育った彼女の常識に照らし合わせてみれば、非常識も甚だしい事この上ない事なのだから。
だが近くからブリッジとのやり取りを聞いていたガロードは、そんな空気をあまり意に介さず明るい調子の返事をする。
「おっしゃ、そうこなくちゃあ ! あ……急いでるトコ悪いんだけど、出撃前にキラを少しだけ貸してくれねえか ?
機体はあんまし損傷はねえんだけどよ、こちとらOSの事はそれなりのプロがいねえと殆どさっぱりだし、ザフト製のMSしか動かした事ねえから。な、いいだろ ? 」
『許可します。だけどなるべく急いで ! 敵の接近している距離から判断すればもうそんなに時間的余裕は無いわ ! いいわね ? 』
「りょーかいっ !! 」
ガロードはそう言ってブリッジとの通信を切る。
その時先程より一際大きい振動が艦を揺さぶった。
本当に残された時間は少なさそうである。
直後、格納庫にパイロットスーツに着替えたキラが転がり込む様に入ってきた。
「坊主 ! もう一人の坊主……ガロードが帰ってきたぞ ! 」
マードックの威勢の良い胴間声がキラの耳に入る。
そしてキラは軽く頭を殴られたような衝撃に襲われた。
艦の中にブリッツがある。何故ブリッツがあるんだ ?
確かにあれは元々連合の物だが、あのヘリオポリス襲撃の時にザフト側に奪われ更に今までにも何回か対峙してきた相手だ。
しかもその近くには低軌道会戦の時MIAになったものだと聞かされ続けていたガロードがいる。
生きていた事は純粋に嬉しかったが一体どういう事なのだろう ?
ブリッツのコクピットにはあのティファもいる。
更にそのブリッツの後ろにある白い機体が謎を大きくした。
流線型が特徴的なフォルムのその機体は数日前にとりあえず目を通しておけと言われた連合、ザフト両軍の機体のどれにも一致しなかった。
決定的だったのはそれのコクピットの辺りに見慣れぬ服を着た少年がいる事。
いや、見慣れていなくても彼が一体どういう存在なのかは腕の辺りにあるザフトのマークが雄弁に語っていた。
ザフトの人間が何故この連合の艦にいるのだろうか ? 事情を知らないキラには正に全てが混沌としていた。
そこにキラの姿を確認したガロードが声をかけてくる。
「キラ ! 」
ガロードにとってキラの顔はそんなに長く離れていた訳でもないのに、何故か久しぶりに見るように感じられる。
敵の陣営にいたからだろうか。
やがてキラの目の前に来たガロードは親指をピッと上げて微笑み言う。
「戻ってきたぜ。高くついた寄り道からな。」
キラはそれを聞き一先ず安心する。
どうやら彼自身が何か大きな怪我を負っていたとかそういった事は無かったからだ。
「おかえり。」
キラは笑顔で答えた。
そして、それを聞いたガロードは話を続ける。
「後ろの白いやつに乗ってるのは俺の仲間で名前はカリスっていうんだ。訳あってザフトにいたけど今は俺達の仲間だ。安心してくれ。
それからあのブリッツは俺とティファが捕まってたザフトの基地から逃げる時に取り返してきたんだけどもよ、OSが良くわからねえんだよ。
キラ……これから出撃で時間ねえとは思うけど、出来る範囲で良い ! OS変えるの手伝ってくれねえかな ?! 」
「分かった !! 」
キラは直ぐにガロードの申し出を了承した。
残り少ない時間でどれまで出来るかは分からないが……
それにしても……今まで自分達を執拗に追いかけて攻撃してきたブリッツのOSの調整をやる事になるとは。
心に何がしかむず痒い物を感じたキラだった。


558:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/04 05:51:28
投下終了します。
次はいつになるかは分かりませんがなるべく早めにしようと思います。
では、また。

559:通常の名無しさんの3倍
07/09/04 13:25:28
久しぶりの投下、乙です
戦闘終了後のガロードとキラの会話が楽しみだ、特に凸に関してのw

560:通常の名無しさんの3倍
07/09/04 13:39:28
カリス、損な役回りだなあ。相変わらずってとこが泣けるぜ
マリューとナタルがらしいぜGJ

561:通常の名無しさんの3倍
07/09/09 22:41:42
ついさっきまで友軍だったのにあっさり戦うんだなと思っけど
カリスも結構盲目的なところがあったんで、らしいといえばらしいか。

562:通常の名無しさんの3倍
07/09/10 01:08:56
お久しぶりのGJ!
本編の凸だと裏切り、カリスだとゆるぎない仲間への想いに基づく予定調和
ずいぶんと印象の違いが大きいなあ

563:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/12 17:32:38
戦闘関係、機体が多かったのできつかったですが、
今晩辺りにまた一話投下していいですか?


564:通常の名無しさんの3倍
07/09/12 17:41:08
どうぞどうぞ

565:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/13 14:20:41
昨晩コンピューターがスパイウェアの為一時あぼーんしてしまいましたが、データは無事残っていました。
では、投下します。

機動新世紀ガンダムXSEED 第二十八話「狼退治とキメますか !! 」

「ムウ・ラ・フラガ、スカイグラスパー、発進する!」
「キラ・ヤマト、ストライク、行きます!」
アークエンジェルのカタパルトから先にストライクとスカイグラスパーが発進する。
今回スカイグラスパーはエールパックを装備していた。
ビームライフルとサーベルという組み合わせがマードックを渋い顔にさせたが、これは歴戦を潜り抜けたムウのアイディアによる物だった。
地球では宇宙と違って当然の事ながら重力があるために、機動性で見るならば重い武装は極力避けなくてはならない。
おまけにここは砂漠に程近い場所である。
大気中における熱対流によるビーム兵器の減衰率がどれほどになるものか、それが一体どういう状態になるのかまだよくは分からない。
もし宇宙と同じ様にランチャーパックを装備していればそれらの問題にブチ当たるだけではなく、エネルギー消費問題ももれなく付いてくる。
何の考えも無しにアグニを放てば直ぐにフェイズシフトダウンを迎える事になる。
キラは最初のストライクの戦闘に於いて戦闘中にOSの書き換えを行ったと言うが、
この状況……ほぼ十機を一人で相手にしなくてはならない中でビーム兵器の減衰率計算が出来るかどうかなど本人に訊いたって怪しいものである。
またソードパックにすれば別の問題が浮上してくる。
近接戦闘に特化されたソードストライカーで出撃すれば、当然対MS戦闘も近接戦になる。
という事はそれだけ敵に距離的リーチを与えるという事になる。
捌き切れない敵が母艦であるアークエンジェルを狙い始めたら、蜂の巣になる事は免れない。
加えてガロードが取り戻したブリッツはそれこそ近接戦闘用の機体。
位置的なバランスが崩れてしまう事になる。
エールはその点中距離戦闘はビームライフルで行い、それを逃れてきた敵はサーベルで相手をし、短期戦で決着をつければ遜色は無い。
唯一の問題点、三つのパックの中で最重量である事に関しても四基のバーニアの働きはお釣りが帰ってくるほどにカバーしている。


566:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/13 14:21:42
それから遅れる事二分。
「ガロード・ラン、ブリッツ、出るぜっ!」
アークエンジェルのカタパルトから漆黒の機体、ブリッツが発進する。
キラがナチュラル用に調整した事もあってかガロードは直ぐに操縦の感覚を掴んでいた。
しかしブリッツには不安要素が幾つもある。
単機で敵陣に突っ込む様に作られている為に、中距離、或いは遠距離戦用の兵器が搭載されていない事だった。
近接戦と中距離戦にストライクが専念するだけに遠距離用兵器は必要だったが無い物強請りをしたところでしょうがない。
搭載されているレーザーライフルとてストライクのビームライフルと比べれば威力は格段に落ちるし、効果が何処まで効くかそれも分からない。
またブリッツの兵器はピアサーロック グレイプニールを除いて全てレーザーライフルもランサーダートも右に存在している。
頭部にはストライクにも付いているイーゲルシュテルンすら付いていない。
つまり右腕を破壊されればグレイプニールで奮戦するしかないのだ。
そのグレイプニールすらも戦闘慣れしたガロードにとって、使いどころって一体どういうところなんだと思わせる物であるが。
またランサーダートとて三発分しかないので使い所を見極めなければ全部スカで終わってしまう。
またブリッツを魅力的な機体たらしめているミラージュコロイドは熱対流の関係で使えないし、
ストライクの様なバーニアがあってもそこまで高くは飛べないので会敵方法は敵陣までえっちらおっちら走っていかなくてはならない。
地上戦では不自由する事この上ない。
詳細を聞いた時、ガロードは一瞬Xナンバーの機体でも貧乏籤をひいたかなとさえ思ってしまった。
しかし今は戦力の一つでも惜しい所である。出ない訳にはいかなかった。



567:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/09/13 14:22:43
そしてブリッツの出撃とほぼ同時にカリスも発進する。
「カリス・ノーティラス、ヴェルティゴ、発進します!」
ガロード達を救った純白の機体が猛烈なスピードでストライクとほぼ同じ位置に躍り出る。
内蔵ビームライフルとビームサーベルがあるだけにスペックや戦闘方法としてはストライクと同じだが驚異的な武装が一線を画す物となっている。
全方位攻撃とも言われている飽和攻撃を可能とする遠隔誘導端末、ビット。
A.Wにいた時、自身の出身地フォートセバーンでガロードと対峙した時全基打ち落とされてはいたが、第八次宇宙戦争の最終決戦時に修理自体は出来ていた。
死角無しともいえるこの兵器ならこの戦況を覆すどころか戦闘自体も勝利に導く事も容易い物かもしれない。
しかし今のカリスはそれを十分に分かっていたとはいってもビットを使うことに対し相当の自制心をかけていた。
今日はあの症状……シナップス・シンドロームが襲ってくる日ではない。
原因はこの世界のMSを詳細に調べていく仮定で分かった二つの事だった。
一つは材質が全く違う事。
ヴェルティゴの機体を構成しているのはルナ・チタニュウムであったが、この世界ではルナ・チタニュウムは大量生産出来ないばかりか、それ以前に生成する事も出来ない。
A.Wの工業概念に照らし合わせればもっと重くそして脆い金属が使われているのだ。
またビットは小さい故に機体より破損率が高くなる。
どちらかの陣営において微細工学に詳しい人間が手にしたら間違い無くこの世界のパワーバランスは崩れる。
物量で勝る連合が手にしたら尚更不味いだろう。
もう一つはビット攻撃自体がこの世界に存在しない事。
自身が人工的に処置を程された人工ニュータイプだと言う事もビット攻撃が可能になる一つの要因だったがその構造面でも知られてはならない。
しかしずっと自重はしていたが、ガロード達と共に基地から逃れる時に遂にそのシステムを解除した。
既に後戻りは出来ない所まで来たのだ。



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