07/06/28 03:15:28
話変わるがACEでXと無印種が共演するそうな。
あのDOME行く時の戦闘がヤキン戦みたいに横から乱入して殲滅するとかいう
アホなことにならないか心配だ・・・
その逆でガロードがヤキンでサテライトぶっ放なすのも嫌だ・・・
230:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 07:32:52
ジェネシスに向ける分にはいいんじゃね?>サテキャ
艦砲はろくに効いてなかったようだし…
231:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 09:33:19
>>229
>ACEでXと無印種
を見てACE COMBAT Xと無印種だと思った俺は間違いなくスレ違い。
232:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 13:31:04
<<南十字星を墜とせ!>>
動かせるエアマスターとレオパルドにドキドキが止まりませんぜw
233:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 16:09:30
Gファルコンとの合体はあるかな?
あの変形機構と火力を手にしたパーフェクトDXで暴れてーぜw
234:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 17:21:12
>>233
何そのまぬけなメル欄
235:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 17:35:10
>>234
失礼。最近この業界はいった新人なもので。
236:通常の名無しさんの3倍
07/06/28 20:27:06
ちょwww
デザートロンメルwwwwwww
237:通常の名無しさんの3倍
07/06/29 12:06:05
ネタが・・・
238:通常の名無しさんの3倍
07/06/29 17:43:37
無いなら振ればいいじゃない。
というわけで一つ。
C.Eの遥か昔にA.Wが存在したとして(∀による文明埋葬等によって)、
それでもなお残っている物があるとしたらどんなのだろう?
239:通常の名無しさんの3倍
07/06/29 17:57:34
地球と月。
240:通常の名無しさんの3倍
07/06/29 19:02:10
月は何時でもそこにある
241:通常の名無しさんの3倍
07/06/29 20:48:08
パソに触ってなかったらSS投下されてた、GJ!ただ少し今回はやっぱり雑だった気もする・・・
砂漠の狐ロンメル元帥(将軍?)か、役でいうとMSVのモーガン・シュバリエだね
戦車隊にエル・アラメインは月下の狂犬と共通してるし
ちなみに生物学者のモーガンと顔が似ている(手かこの人がモデルだろうな、顔と名前は
横にそれたけど投下乙、カガリとティファのシーンはよかったよ
本スレも見たけどACEでXとSEEDが参戦か、Xファンとしては嬉しいね
待遇が良ければいいんだけど・・・楽しみだな
242:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 00:16:01
種世界のビーム兵器はビームとは名ばかりのレーザー光線のようなもの。
砂漠の熱対流ごときで曲がったり、ラミネート装甲なんてもので防げる位だし。
ネロブリッツとやらのクリスタル化装備の説明で確信した。
何でもビームを内部屈折させて撃ち返すといった使い方をするものだが、
プラズマ化した金属粒子が固体を通り抜けたり跳ね返ったりするものだろうか?
243:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 01:22:07
い、言われてみれば……
244:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 09:00:45
確かに粒子ビームなら熱量のみならず運動エネルギーで
ダメージを与えられるはずだし・・・
UCでは粒子ビームがメインで
CEではレーザービームがメインなんだろうか?
245:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 13:03:29
だがCEのビームはプラズマだと言う謎。
246:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 13:54:25
つまり種のビームは心霊現象と同レベル。
そりゃ簡単に無効化されるわ。
247:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 14:00:17
レッドフレームはプラグからびビームに使うエネルギーを直接出して球状にできるし
種のビームは謎が多い。
248:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 15:07:57
>>246
大○教授乙
成金ピカツキの「装甲表面でビームを受け止めて、任意の方向に撃ち返す」
なんて超技術を出した種世界で物理を語っちゃいけないような気がするぜw
249:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 16:24:44
種のビームは陽電子砲なども含めて、その全てが怪しい光線、すなわち
『怪光線』であるという説をここで発表する
250:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 18:17:01
つまり機械獣や戦闘獣と同じか。マジンガーの出番だな。
251:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 19:06:30
よし、割れるバリヤーの開発だ!
252:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 20:31:06
ゲシュマイディッヒバンツァーやアルミューレ・リュミエールはUCのビームに対しては全くの無力であろう。
最強武器もレーザー対艦刀だからな……
ビームサーベルもビームとは名ばかりのレーザー剣なのだろう。
ところでCEのビームもどきはUC他のMSに通用するのだろうか?
気休め程度のビームコーティングで弾かれてしまうような気がするのだが……
253:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 20:43:17
CEの怪光線は粒子ビームの短所とレーザーの短所を併せ持つ!
254:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 21:05:56
つまりプロテクトシェードにもミラーコーティングにも無力だと
255:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 21:36:19
ああ、そうかだからPS装甲なんて代物が流行ったんだ
実弾技術が恐ろしいほどに発展したからそれに対しての対抗策は進んだけどビームと言うかレーザーには
まったく防御方法を考えていなかったからこそある意味全盛期なわけだ
256:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 22:07:39
しかしCEにはチタン系の合金を安く大量に精製する技術がない。
やっとの事で開発された新合金はジャンク屋に奪われ、無駄遣いされてしまった。
257:通常の名無しさんの3倍
07/06/30 22:32:40
Ex氏が水曜日から投下する訳だが08スレの三人目よろし大ポカやってド顰蹙食らわなければいいけど
クロスアストレイ氏もDC氏もやっぱり忙しいのかな・・・
258:通常の名無しさんの3倍
07/07/01 15:17:16
>>256
いくらチタン合金だろうと負債製のスーパー合金作ろうと、
CEの連中は一枚板の硬くて衝撃をよく通すワケわからん装甲しか作れんよ。
複合装甲を知らないんだから。
259:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 22:09:53
トランスフェイズ装甲はある意味複合装甲じゃないか?
260:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 22:42:49
PS装甲を通常装甲(どんなもんか知らんが)で覆っただけだろ。
結局ビームに弱いし圧力センサーおしゃかになったらPS化もしなくなるしな。
通常装甲がよほど衝撃を吸収しないとただ二枚板にしただけで意味なさそうだ。
261:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 23:10:08
ビームに弱いのは極端に厨臭いヤツ以外どれも一緒じゃん。
262:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 23:17:28
PS装甲は通常装甲よりはビームに強いとされてはいるんだが……
ビームコーティングの類が出来ないんだろうな。
あれ?TP装甲って、ビームにも強くなれる可能性があるんだ。
263:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 23:29:55
つーか通常装甲にアンチビームコーティングした方が種前半はともかく
後半と種死以降ならVPS・TP装甲より強いだろ。
264:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 23:42:42
主任「ええい、わがままな連中だな。ならば基礎となる装甲は発泡金属、その上にTP装甲を重ねようじゃないか。
さらにビームへの耐性を付けるため、TP装甲の外側部分は通常装甲からラミネート装甲に置き換えてみたぞ。
なに、MSサイズでラミネート装甲は意味がないだと? 心配するな、強制廃熱装置を大幅に増設して廃熱対策も万全だ。
次期量産MSを決めるコンペティションで有象無象を蹴散らす日が楽しみだな!」
~コンペ当日~
助手「……重過ぎていい的になってます」
265:通常の名無しさんの3倍
07/07/02 23:46:49
子供の時に皆が一度は考える、「盾の材質で装甲作ればいいのに」と同じだw
266:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 00:01:24
>>265
実際問題盾の欠点である寿命の短さも
一会戦乗り切れる
何十機も落とされている
ことを考えると、コスト的に考えても
優秀なパイロットの機体に付けてもいいような気が駿河
267:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 00:11:56
>>264
そこまでしなくても発泡金属にビームコーティングだけで十分。
コーティング量にもよるがアグニクラスまでなら耐えるとみた。
268:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 00:56:50
UCのMSは盾も装甲も素材は変わらない希ガス……
但し盾は分厚くできるし、デッドウェイトになりそうなら捨てるなり、最初から装備しないといった選択肢がある。
269:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 01:08:05
ベテランならその方が強いかもな。
「当たらなければどうということはない」このためにある言葉だな。
270:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 18:47:32
ヤタノカガミの下にPS装甲してTS装甲にすればいいんじゃね?
271:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 19:44:02
陽電子リフレクター+PS装甲でFAじゃね?
272:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 21:09:19
アルミューレリュミエール常時展開しとけばビーム・実弾
ばっちこーいじゃん。
273:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 21:39:25
いい加減スレ違いだぞ、明日Exceed氏が投下するんだしそのくらいにしておけ
274:通常の名無しさんの3倍
07/07/03 21:54:18 oAyPnaHF
オーケー、コーヒー飲んで落ち着こうぜブラザー。
275:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 02:40:55
久々にスレの中を見に来ましたが、曜日を間違ったせいか、1日違っているせいか、なかなか大変な事になっているようで……
次回投下を2007/07/05 20:10:18としたのはよく見に行っているX運命氏の第一話が投下されたのが
一年前の2006/07/05 20:10:18だった訳で(X運命氏のサイト、コーヒー過去ログを参照に。まさか気づいていた人板のかな?)。
と言ってもミナさんをこれ以上待たす訳にもいかないので、明日投下します。
一応37話、オーブ近海の戦闘まで書き終わったのでコーヒー飲みつつ一息吐いています。
Xからのキャラも、声ネタ含め更に二人も出して整合性を取るのは結構きつかったなあ……と。
ガロード、ティファ、カリスの脱出行は?ジブラルタルは?ビクトリアは?カガリとは、虎とはどうなるの?アスランたちの動向は?
疑問は尽きないと思いますが、他の種再構成スレを参考に色々と頑張りました。
38話以降の続きは鋭意執筆中ですので、これからも宜しくお願い致します。
では、また後程。
276:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 11:04:02
あのままフェードアウトかと思ったが続き書いてたんだ。
今まで散々突っ込まれてたのに、そんなにまとめて書いて大丈夫か?
277:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 18:35:37
続き書くのは別に構わんが、
ストーリー展開のためにキャラを不自然なレベルの阿呆に貶めるのは勘弁してくれ。
278:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:10:25
第二十五話投下します。凸とわかめの扱い苦労しました。
機動新世紀XSEED 第二十五話「仕方ありませんね……」
基地内に警報が鳴り響いた時、ニコルは格納庫のメンテナンスベッドにある自分の機体に向かっている途中だった。
あの傭兵が捕えられている部屋でアスランが銃を撃った直後、傭兵と副指令……だった人を追おうと出入り口に向かって走る彼から、直ぐに自分の機体に向かうように直接言われたのだ。
理由は訊く前に相手が言ってくる。曰く、『MSを使って逃亡されたら洒落にもならない』との事。
野暮な事をしてあの状況で彼をあれ以上怒らせれば、間違いなく冗談抜きで脅しの矛先は自分に向いていたのではないかと思うと、ニコルは背筋に僅かばかりの悪寒を感じた。
今彼は正直な事を言えば、アスランに対して良い感情を抱けないでいる。
確かにあの傭兵が乗った機体によって多くの仲間達が散っていき、アスラン自身も先の戦闘に於いて彼等に当たったせいで捕虜となった事は事実だ。
だが、だからと言って問答無用で射殺して良いという事ではない。
尋問くらいは許されているので訊くべき事……あの超能力じみた戦闘能力は一体何なのかと……は訊いておかねばならない。彼らの仕事上自分達が知っていない事を知っていそうだったからだ。
だから出来るだけ人払いをさせて簡単な事を訊こうとしたその時にアスランが来た為にそれは頓挫してしまった。
そうこう考えている内に自分の機体の前にやって来る。
格納庫の中は地球のあちこちに回される数多くのMSの周りを、やはり多くのスタッフがあちこちに忙しなく動き回り、起きている事の重大さを鮮やかに物語っていた。
ニコルはすぐに近くにいたスタッフの一人を捕まえて、自分の機体の状態について訊こうとする。
だがその時、格納庫の出入り口から凄まじい轟音と爆風が襲い掛かってきた。
背後に気を配っていなかった者達は一瞬にして方々に吹き飛ばされる。
彼もやはり同じ様に吹き飛ばされるが、床に身が当たる直前にとった受身の姿勢で何とか手負いにはならずに済んだ。
ふと2~3m程右隣を見ると、先程自分に応対しようとしていたスタッフがその場に転がっている。
ピクリとも動かない所を見ると、どうやら気絶しているか、打ち所が悪くてこと切れたかのどちらかのようだった。
次に意識が朦朧とした中で濛々と煙のたちこめる入り口付近に彼が見たのは、ノーティラス副司令官が数多の戦場で駆っていたとされているMSだった。
真っ白な色で流線型且つシャープな形のパーツが多く使われている、時代の先鋭を走ったようなデザイン。
正規のザフト製MSではなく極秘開発されていたと噂されていた、そのMSの名前を彼は一度だけ周りの人間から聞いた事があった……ヴェルティゴ、と。
それはゆっくりと中に入って来た後、外部スピーカーを通じて大声を上げる。
『ガロード、ティファ ! 今です ! 』
すると次の瞬間、爆煙の中からあの傭兵二人の影がこちらに向かって走ってくるのが見えてきた。
こちらに向かってくるのを確認したニコルは、その場に立ち込める煙と塵に軽く咽ながらすかさず銃を構え威嚇射撃をするが、全く応えないかのように走り続ける。
威嚇が用を成さないと思った後、次に本気で二人の内少年の方に狙いをすまして撃ってみる。
しかしその一発は少女の方が少年と繋がれている方の手を引っ張った為に、すんでの所でかわされてしまう。
279:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:11:33
やっぱり、とニコルは思った。
戦場でどうしてあんな敵の動きを悉く先読み出来る様な動きが出来たのか、鍵を握っているのはあの少女の方だと。
とはいえ銃弾という物を避けるには距離にも方向にも、そして数にも限度がある筈だ。
そう思って試しに二人に向けて4発ほぼ同時に撃ってみる。
一発目は少年の方の頬を、二発目は少女と繋がれている手の真上を掠めていく。
しかし三発目と四発目はやはり少女の方が先に動き、弾をかわす絶妙のタイミングで咄嗟に少年の方に体を寄せつつ、横っ飛びに跳躍する。
そして若干スピードを落としたものの、自分の目の前にあるブリッツまであと5~6mという所にまで迫った。
その時になって漸く周りから保安要員や兵士等が銃を構える音が聞こえ始める。その数は一瞬聞こえただけでざっと20くらいだった。
だが全ては遅かった。こんな距離になっては彼にまで当たってしまうかもしれないし、煙と塵のせいで余計に照準が定まらないだろう。
かくなるうえは徒手格闘しかないと思い、ニコルは銃を捨て少年を気絶させるべく下腹の辺りに一撃を喰らわそうと拳を勢い良く前に出す。
だがその時、少女の方が先に半歩程少年の前に躍り出て、真正面からそれを下腹辺りに自ら受け止めた。
次の瞬間、「あうぅっ !! 」という高く小さな呻き声と共に少女はその場に崩折れ、そのまま気を失ってしまう。
まさかの出来事にニコルは刹那の間その場に固まってしまう。
少年はニコルが最初からティファを狙っていた様にでも見えたのだろうか、烈火の如く大声で怒鳴る。
「てめぇっ !!! よくもティファをっ !!! 」
「待って、ふか…… !!! 」
不可抗力だと言おうとしたが最後まで言い切る事が出来なかった。
信じられないほど素早く少年が前に向かって駆け出し、ハイキックで拳を握り締めたままの自分の顔の右側に蹴りを入れてきたからだ。
いつものニコルなら避けられない事も無い、所詮は全く脅威になりえないナチュラルの繰り出す蹴り。
しかし何故か彼はそれをまともに受けてよろめいてしまう。
それはどういった立場にしろ、女性に対してはあまり手を上げる様な乱暴な真似をしたくないというニコルの意識の裏打ちか。
ともかく少年にとってはその一瞬があれば十分だった。
彼は少女を抱え上げ近くにあったブリッツのコクピットに乗り込むべく、幸運にも下に降りていたワイヤーに足をかけ上に昇る。
やがて意識が薄れていき、そしていきなり強く床に叩きつけられたせいか体の節々が上手く動かないニコルが気を失う直前に見た物……それは調整中と言われた愛機のコクピットに吸い込まれていく二人の人影だった。
280:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:12:48
ガロードは頬と右手から流れる血を拭き取りながらブリッツのコクピットに座る。
気絶しているティファは自分の膝元に寝かせた状態にした。
その時、あのアークエンジェルから脱出したザフト兵ことアスランの仲間はつくづく碌な人間がいないのではと思わされる。
当の彼は言うまでも無く、ニコルだとかいった坊ちゃん育ちそうなやつも、理解力がありそうな顔をしてティファの体を思いっきり殴りつけた。
事態が事態だけに一発だけキックをお見舞いするだけにしたが、本当だったらコーディネーターだろうがなんだろうが関係無くボッコボコにしているところだった。
さて奪取されたXナンバーの機体の一つを奪いかえしたはいいものの、ガロードにとってこれは当たり前だが未知の機体だった。
ザフト製のMSしか動かした事のないガロードにとって、イージスのコクピットをちらとも見なかったので連合のMSはどうすれば動きだすのか皆目見当がつかない。
また二人が乗った時にコクピットハッチが閉まったとはいえ早く起動させなければ、敵が無理矢理乗り込んできてあっという間にホールドアップになってしまう。
「ちくしょう ! どれだ ? どれが起動スイッチなんだよ ?!! 」
様々なボタンを押していると、外から短機関銃の音が止む事無しに鳴り始める。
早く何とかしなければ……
そしてそれは恐らく色々なボタンを50回近くは押した後だったろうか、不意にブンという駆動音がして様々な箇所に光が灯りだす。
それに伴いモニターも外の様子を映し出し始めた。
その直後自分の視界の左から右に多数の銃弾が流れて行き、右側でMSにでも当たったのか多くの爆発が起こる。
MSの頭部メインモニターをレバーで動かすと、ヴェルティゴが内蔵ビームライフルを構えていた。
更に外部スピーカーからカリスの声が聞こえてくる。
「ここは一旦僕がくい止めます !! 」
ガロードは無言で頷き、ゆっくりと目の前にあるレバーを動かしだす。
次にエンジンが低く唸るような音を立て始め、両足がぎこちなく動き出した。
全くといって良いほど整備を受けていない様なぎくしゃくとしたその動きに、どこかおかしいと思っていたガロードははっとする。
連合が開発したMSとはいえ、これのOSはコーディネーター用の調整が成されているのだ。
ナチュラルのガロードが動かした所で幼児並みの動きしか出来ないのは仕方がない。
と言った所で、こんな状況で直ぐにOSの書き換えなんか出来る訳が無い。
そんな事が出来るのは彼が知っている人物で思いつく限り、今はアークエンジェルにいるキラぐらいしかいない。
しかし、今は出来るだけの事をしなければ命の保証は無い。
自分でも出来るだけ精一杯の速さで色々なスロットルを動かすが、それでもかなり鈍い動きだ。
コーディネーター達が見れば鈍重とかそう言う前に不器用な方だと断じ切っているだろう。
2~3歩歩みだすと直ぐによろめいてしまう。
と、その様子を見ていたヴェルティゴが側まで駆けつけて両脇を抱える。カリスにもガロードが機体を上手く動かす事が出来ないと分かったらしい。
それから直ぐに通信が入った。
『ガロード !! 君達の仲間が居る場所はこちらでもある程度掴んでいます。機体の調整はそこに向かうまでに出来るだけの範囲で済ませられますか ? 』
「……やってみる !! 」
それ以上ガロードは答えないようにした。
OSの調整なんてこの世界に来てから片手の指を折って数えるぐらいしかやった事がないし、キラがそれをやっているであろう光景も感心しながら数秒目に留めている程度でしかない。
完全に勘の範疇で調整するしかなかった。
その間にもヴェルティゴはブリッツをその場から引き離し、スラスターを全開にして格納庫から出ようとする。
281:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:14:11
しかしそんな時、目の前に立ち塞がる者がいる。
格納庫の外に出たヴェルティゴとブリッツの視界の前に現れたのは後方に何十機ものジンやディン、シグーやザウート、バクゥを引き連れたバスターとデュエルだった。
多くの味方を引き連れているあたり、恐らく待ち伏せでもしていたのだろう。さすがに敵の地上一大拠点というあたり半端ではない。
そこから逃げる為に間合いを取るカリスと必死になって機体の調整を行うガロードに、耳を劈くような大声が音声通信で入ってくる。
『しれいか……いや、違うっ ! 貴様っ !! よくもニコルを人質にしたな ?!! 』
当然の事だが、バスターとデュエルに乗っているであろうニコルという人物の同僚は、先程の格納庫の顛末を見ていないので、ブリッツには違う人物がいるという事を知らないのだろう。
ガロードがそれは違うと言おうとしたが、それより先にカリスの方が相手に向かって通信を入れる。
『そこから一歩でも動いたり、こちらに向かって発砲したりするような事があればこのMSを破壊します。僕の力は良くご存知でしょう ? 簡単に同僚を失う事になってもいいのですか ? 』
その言葉の後に、ヴェルティゴは内蔵ビームライフルをブリッツのコクピット近くに突きつける。
成程ね……とガロードは納得した。
つまり傭兵である自分達はヴェルティゴにカリスと共に乗っている事にして、このブリッツにニコルという人物を乗せたまま人質にした状態でここから逃亡しようというのである。
それなら下手に相手は手を出す事は出来ない。
カリスの目論見は当たったらしく、敵は武器を構えたままその場に立ちつくす。
それを確認したヴェルティゴはスラスターを吹かして滑走路の方へ向かう。
相手が撃ってくる気配が無い事からガロードは一瞬上手くいったと思った。
ところがその場から飛び立つ直前、一発の砲弾がヴェルティゴの機体の横を掠めた。
ガロードとカリスがぎょっとしてその方向を見ると、一機のディンが空中に上がった状態でこちらに狙いをすましていた。
そしてそのディンから一つの怒号が聞こえてくる。銃で足を撃ち抜かれたはずのアスランのものだった。
『それに本当にニコルが乗っているのか ? なら通信の一つでもこちらに入れてくるはずじゃないのか ? 』
『僕は彼がこの機体の中で気絶しているだけだと思いますが、それが何か ? 』
それにはカリスが凛とした声で反論する。
実際、彼は本当に気絶していた。カリスとガロードのいる所から150m程背後にある格納庫の中でだが。
また、その場にアスランがいる事にやはり味方内も驚いたらしく、心配した同僚と、怒鳴る様なそれへの応対の様子がその場に駄々漏れになる。
『アスラン、お前銃で撃ちぬかれたって……』
『撃たれたのは足の甲だけだ ! それに片足だけででもMSの操縦くらいは出来る ! それと、聞こえなかったのか ! 敵に買われた傭兵と共に副指令殿が逃走したんだぞ ! 』
いや、そうだとしても……
イザーク達はそう思ってその場で判断を鈍らせてしまう。
だが、そんな風にしている者達に対し焚きつける様なアスランの声が再び響く。
『気絶していなければニコルだって伊達に赤を着ている訳じゃないんだぞ ! 反抗できない訳は無いだろう ! ……元副指令殿の乗った機体を落とせ ! 』
しかし、その場に居る全員にとってはいかに彼が赤を纏っているとはいえ、一介の兵士にしか過ぎない彼がどれだけ喚いたとてそこにいる兵が動きはしない。
だがその様子に業を煮やしたディンはその方向に向かって飛び立ち、MMI-M7S 76mm重突撃機銃、MMI-M1001 90mm対空散弾銃、6連装多目的ランチャーの全てを乱れ打ちしてヴェルティゴに迫った。
282:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:16:33
それと同時にアスランは再び全周波で全員に再び挑発する様な通信を入れる。
『人質を取っている敵というのはな……その間にほぼ無防備になる。人質に当たらない様に撃つ事が出来ないほどお前達の射撃の腕は下手なのか ?! 』
『なっ ! 何をーっ ?! アスラン貴様よくも言ったなァーッ !! 』
『落ち着け、二人とも !! ……チィッ !! 言われなくたってやってやるよ !! 』
先ず挑発に反応したのはイザークで高エネルギービームライフルを撃ち出し、続く様にバスターが遅れて高エネルギー収束火線ライフルと6連装ミサイルポッド、更にジンとシグーが重突撃機銃、
ターレットオプション武装を施したバクゥが2連装レールガンか13連装ミサイルポッド、ディンがアスランと同じ武装で、挙句にザウートが全ての砲を乱れ打ちしてヴェルティゴとブリッツを襲い始める。
ブリッツを抱えている為にヴェルティゴは上手いこと素早く動く事が出来ないので、必死で避け続けてはいるもののあちこち被弾していく。
これでは反撃するどころの話ではない。
ガロード達のいた世界では軽く頑丈な事で知られるルナ・チタニウム装甲で守られているとはいえ、このままでは墜とされてしまう。
その時ガロードは通信機越しにカリスの低く小さな、しかし苦々しげな声を聞いた。
『仕方ありませんね……これはあの戦闘の時既に修理は出来ていましたが、体の事もあってこっちに来てから使うのを憚っていました。でも……今また使わせて頂きます !! 』
その直後ヴェルティゴの腕部アーマーの辺りから小さい粒の様な機械が射出される。
それを見た瞬間ガロードはあっと小さく叫んでしまう。
かつて彼自身をA.W世界でカリスと初めて対峙した際、大いに苦しめた小型無人ビーム砲台、ビット。
死角という物が存在せず、全方位の敵に対し、その敵機を中心に全方位から攻撃できる兵器をカリスは使うのだから。
片方の腕から6基ずつ、計12基放たれたビットは非常に正確な攻撃で数多くの敵を撃墜していく。
それは突然前後左右から発射されたビームと言ってもいい。
なす術も無く四散した機体のパイロットは、何が起こったかも分からないまま機体と運命を共にしたことだろう。
目にした事も無い異様な攻撃の様子に敵兵達は一瞬たじろぐが恐れる事無く砲撃を再開する。
そしてあと僅かで真下は滑走路の端だという時、ビットを操っていたカリスは息を飲んでしまう。
味方の砲撃、ビットの攻撃を避け続けたアスランの乗ったディンがビームを発射する寸前のビットの一基を、エネルギーの逆流を利用したのか一発の砲弾で撃ち落としたからだ。
しかし残ったビットも負けんとばかりにディンの武装や装甲を次々に撃ち落していく。
そしてそれが最後と言わんばかりにヴェルティゴは一つ欠けた全てのビットを再び機体の中に格納し、その場から飛び去って行った。
283:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:17:30
ヴェルティゴとブリッツの二機が水平線の彼方に消えたのを見たアスランは、ディンを地上に降ろしコクピットから降りた。
その時になって自分の右足の甲を疼痛が襲い始める。
パイロットスーツの下に着ていたシャツの一部を無理に破って作った、足に巻いた止血用の布は真っ赤に染まっていた。
気づけば顔にもじっとりとした脂汗が浮かんでいる。
よくこんな状態でMSを操縦し、あんな動きをしたものだと自分でも感心してしまう。
元々このディンは足をやられた彼が、ブリッツ等があるところとは別の格納庫で整備員を怒鳴りつけて殆ど無理矢理借りてきた物だ。
整備員は手負いの彼を乗せる事は丁重に拒否したかったが、鬼気迫る彼には無駄であった。
だが冷静になって考えれば、それも含めかなりの無茶をしたと言える。
捕虜の殺害未遂、人質がいる状況でそれの命を無視した敵機への攻撃。
激情に駆られた行動でレッド降格は免れないか……と、ぼんやりと思う。
後ろではヴェルティゴの正体不明とも言える攻撃でやられた機体への消火活動が続いている。
撃墜された機体は全部で20から30、損傷を負わされた機体に至ってはそれ以上に及ぶだろう。
あの攻撃が再びこのジブラルタルになされたらと考えると彼ですら身震いがしてくる。
そうなれば言うまでも無く壊滅は間違いないからだ。
そう考えてふと10m程先を見ると自分が破壊した謎に包まれたヴェルティゴの攻撃端末の破片が転がっていた。
他の破片は海にでも落ちたのだろうかそこにあるのはその一片きりである。
負傷した足を無理矢理動かしてそこまで来たアスランは、その破片に指先で数回触れてみた。
既に熱くはなってない事を確認して拾い上げる。
大きさはCD-R程、厚さは一般的な電話帳くらいあった。
それにも拘らず重さはとてつもない軽さ。同じ形の物で例えてみるならアルミニウムと良い勝負をしているかもしれない。
しかしアルミだとすればMSの装甲に使える訳が無い。使っていたならヴェルティゴは跡形も無く破壊されていた筈だ。
だがあれは大量に被弾しても碌に傷つく事無く飛行し続けていた。ますます不思議な事だ。
そう思いアスランはポケットに手を突っ込んである物を出す。
それは基地の出入り口近くで傭兵を狙撃した際に、散らばった少女の方の毛髪の一筋。
別に彼女に対して危ない趣味が出た訳ではない。自身そういった物を持っている訳でもない。
彼はあの直後少しだけ冷静になって頭をフル回転させていた。
以前ナチュラルが、こちらから鹵獲したジンを戦場にそのまま流用しているのを見た事があった。
だがその動きは敵なりの整備を受けていたとはいえあまりにも鈍重で唯の的だと言ってもおかしくはなかった。
だからナチュラルが自分達と同程度にMSを操るなど出来はしない。
しかしキラというコーディネーターが連合についているという例があるのだから、MSを使って自分達を苦しめた二人の内どちらかがコーディネーターかもしれないという疑念があった。
どちらかといえば少年の方からは言動からあまりそういった雰囲気はしなかったが、少女の方がその雰囲気が感じられた。
その結果として今自分の手の中にその手懸かりがある訳なのだが。
遺伝子を調整していれば必ず痕跡が専門家によって見つかる筈……
アスランは二機の去った方向を忌々しげに見つめた後、再びディンに乗って格納庫に向かって行った。
284:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/04 20:21:56
投下終了します。
もう何も言いません。
では、また後程。
285:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 21:45:40
GJ!
そしてニコル災難w
>捕虜の殺害未遂、人質がいる状況でそれの命を無視した敵機への攻撃。
激情に駆られた行動でレッド降格は免れないか……と、ぼんやりと思う。
アスラン結局自分の事しか考えてないな・・・
今回の人質がいる状況でのなりふり構わない攻撃に加え、
さらに言えば前にガロード達に発砲した時に一歩間違えば味方に当たってた事に
反省や自己嫌悪するのなら分かるが真っ先に自分の心配とは実に大したご身分だ。
286:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 21:50:26
だって、凸だからね
所詮その程度さ
まあ、それは置いておいてニコルよ・・・生きてくれよ~
287:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 22:00:35
>>284
乙です。
凸は今回の件で降格にならなかったとしても
後々同僚や部下からの反感買う可能性大だな。
仮にも一般兵士(緑服)の上に立つ人間が
あれだけの自己厨な真似を衆人環視でやらかしたんだから
288:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 22:07:03
GJ!
しかし身勝手云々を除いて見れば寝返り後状態どころか、
どこぞのスーパーコーディネイター様並の芸当をやってのけているんだが…>凸
しかもC.Eの人間に渡っちゃいけないものベストテンくらいの物が二つも手元に転がり込んでるしw
これはあれか、いわゆるラスボスフラグというヤツか?
>>286
大丈夫!
ニコルが命を落としたのはトール同様拙いタイミングで近づいた事ともう一つ、
ミラージュコロイドがあった為に気付かれずに近づく事が出来てしまったのが理由だから。
むしろここは生存率が上がった事を喜ぶべきかと。
最後に、『らしい』活躍を見せてくれたカリスに乾杯。
289:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 22:23:12
286の心配は、「ティファに危害を加えてしまう」という
死亡フラグを立ててしまったことじゃないか?
290:通常の名無しさんの3倍
07/07/04 22:30:06
>>285-286
291:290
07/07/04 22:31:40
すまん、ミスった_| ̄|○
気を取り直して……
普通なら自分たちの撃った弾が当たるとか以前に、人質がカリスに撃たれること心配するよなw
292:通常の名無しさんの3倍
07/07/05 23:08:45
過疎だなぁ
293:通常の名無しさんの3倍
07/07/06 12:03:05
か、過疎ってますね
294: ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:05:24
取りあえずできたので投稿します
295:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:06:43
ここはバナディーヤ、アークエンジェル一同はレジスタンスの提案に従いここで補給物資を調達するこ
ととなった。
武器や水、食料の調達はナタルやトノムラなどの管制官がレジスタンスの幹部と共に、
雑貨は逆に怪しまれない子供でなおかつ腕が立つガロードとティファが案内役のカガリと共に町で買い
込む事となった。
「じゃぁ、4時間後だな」
「ガロード、ティファも気をつけろよ?」
「了解、任せとけって!」
「そちらも気をつけて…」
「解っている」
ナタルがそう返事を返すと互いに笑いあってその場は別れた。
ただその時ティファは片時もガロードから離れなかった為、
一緒に行動するカガリはなんとなくのけ者にされたような気がしてさっさと歩き出してしまい、
それをガロードとティファが追いかける形になった。
296:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:08:10
「キ~ラ!」
「ミリィ、トールも…」
「お前は行かなかったのかよ?」
格納庫でジン及びストライクのプログラミングをしていたキラにミリアリアとトールが話しかけた。
「うん、ガロードにさっきの戦闘でビームが曲がって当らないって言われて、
原因を突き止めたのは良いんだけどのプログラムが難しくてね…」
「そんなに難しいの?」
「実際自分の目で見た訳じゃないからね…後で何回か試射して見ないと…」
「それってキラがするのか?」
「それは俺がやんだよ」
「「え?」」
キラ達の会話に突然横から入ってきたフラガがそう応えた。
フラガはストライクのコクピットで今までシュミレーションを行っていたらしく、
頭をかきながらコクピットから出てきた。
「しっかしガロードの坊主ってすげえな、ほんとにあれでナチュラルなのかよ………」
「そんなにMSの操縦って難しいんですか?」
トールが興味本位でそう訊くとフラガは真剣な顔で頷いた。
「ああ、戦闘機やMAにはジャンプや歩行の概念は無いし、
バランスだって殆ど自動だったのがこっちじゃほぼ手動だし、
歩かせるだけながらともかく武器構えたり切り付けたり…
下手に動作をプログラムに頼ると結構隙ができるしでやっぱり腕もある程度は自分で動かさなきゃならん。
坊主がそこいらへんはフォローしてくれてっけどまだまだ俺じゃ扱いきれねえよ」
フラガはそういいながらキラの頭をくしゃくしゃと荒く撫でた。
297:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:09:43
「ふぃ~、よっこらせっと」
「ふふ…ガロード、お疲れ様」
「おう!」
「…そうしているとほんっとに夫婦みたいだな」
カガリがそう言うとガロードとティファは互いに顔を赤くした。
それはまさにご馳走様という雰囲気であり、それに当てられているカガリはたまったものではない。
「まあいいや、これでだいたい揃ったがぁこのキャンパスだっけ?
こんなのここじゃまず手に入らないぞ?」
「そう…ですか」
ティファはそう言うとガク~ンと肩を落として落ち込んだ。
「ま、まあけどスケッチブックは見つかったしな!?」
「それに鉛筆もデッサン用のがあったし…な!」
二人は慌ててティファにフォローした。
「お待たせしました」
ちょうどそこにカガリが注文した3人分の食事が来た。
「ケバブ?」
「そ、ドネルケバブさ! あー、疲れたし腹も減った。
ほら、お前らも食えよ、このチリソースを掛けてぇ…」
「あーいや待ったぁ! ちょっと待ったぁ! ケバブにチリソースなんて何を言ってるんだ!
このヨーグルトソースを掛けるのが常識だろうがぁ!」
カガリが赤い容器を持つと突然隣の席からアロハシャツにサングラスと言う怪しい格好のおじさんが、
白い容器を携えカガリの言葉に割って入った。
298:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:10:55
「うわ!?」
「え?」
「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう!
ヨーグルトソースを掛けないなんて、この料理に対する冒涜だよ!」
「なんなんだお前は!」
カガリはそう言うと自分のケバブに赤いソースをかけ、近くに座るティファに差し出した。
「見ず知らずの男に、私の食べ方にとやかく言われる筋合いはない!」
カガリはそう言うと一口ケバブを頬張り、
「っんまーーーーいーーー! ほぅらお前も! ケバブにはチリソースが当たり前だ!」
と言ってティファに勧めた。
「だぁぁ待ちたまえ! 彼らまで「お前ら何言ってんの?」「え?」」
そこまで黙っていたガロードが口を開いた。
「ケバブにソースをいきなりかけるなんて贅沢こそ邪道だろ? まずは一回そのままで食ってみる!
店によって味が微妙~に違うんだからまず食ってそれから味を変える為にちょこっとかける!
それで気に入るソースがあればそのままかければ良いんだから…
そりゃ二人はこの店でも食った事あっかも知んないけど俺達は初めてなんだぜ?
初めての奴にいきなりドバッてかけて舌が合わなかったらもったいないじゃん」
ガロードがいつに無く長い台詞を言う傍らでティファはすでにガロードの食べ方を実践していた。
どうやらソースはヨーグルトが気に入ったらしく一口分容器からかけては食べている。
「なんか俺間違ってる?」
「「い、いいえ」」
ガロードがかなりの迫力で二人にそう言うとカガリとおじさんは揃って首を横に振った。
ガロードはそれに納得すると早速ケバブにかぶりつき…
そのまま一足速く食べ終わったティファを抱えてカガリの座る椅子とテーブルを蹴り上げた。
299:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:12:52
食堂は一瞬前の静けさから一転戦場へと姿を変えた。
「いたた…なんなんだ一体…」
「死ね!コーディネイター! 宇宙の化け物め!」
「青き清浄なる世界の為に!」
カガリが椅子から転げ落ちている間にその掛け声と共に何人かの男が、
さっきまで話していたおじさんに銃を向け、発砲した。
「ブルーコスモスか!?」
「構わん! 全て排除しろ!」
おじさんがそう言うと周りにいた客数人が銃を持ち、
ブルーコスモスと言われた男達と銃撃戦を繰り広げた。
なおカガリがかじったケバブはガロードがしっかりキャッチ、
それをティファに預け自分は片手でケバブを口に押し込みつつもう片手で銃を引き抜いた。
周りではおじさんの護衛が多いようでブルーコスモスは早々に撃滅したようだ。
銃撃が一段落した時にガロードはおじさんを後ろから狙おうとしている男に気付いて、
その男の右肩を性格に撃ち抜き、よろけた拍子に銃が下を見たのを良い事にその男の銃を撃ち抜いた。
その男は遅ればせながらに反応したおじさんの部下らしき人により意識を刈り取られた。
「隊長!御無事で!」
「ああ!私は平気だ。彼のおかげでな」
「ぁ…アンドリュー・バルトフェルド…」
「いやぁ~助かったよ、ありがとう」
そう言うとおじさん、アンドリュー・バルトフェルドは男臭い微笑を浮かべた。
300:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:14:27
ガロードがテーブルを蹴り上げた時、
不運にもカガリはお茶をかぶってしまいそれを見かねたバルトフェルドが、
ガロード達を屋敷まで招待した。
「この子達ですの? アンディ」
バルトフェルドの後をついてきた3人を妙齢の美女が出迎えた。
「ああ、彼女をどうにかしてやってくれ、お茶を被っちまったんだ」
「あらあら~」
美女はそう言うとカガリとさらにティファの手も掴んだ。
「おい、ティファは…」
「まあまあ、彼女に任せたまえ」
「大丈夫、ガロード」
ティファにそういわれガロードはしぶしぶ従った。
「僕はコーヒーには、いささか自信があってねぇ。
「へ~、知り合いの医者にコーヒーに五月蠅いのがいるんだけどそいつと話し合いそうだな」
「それはぜひ会ってみたいね…まぁ掛けたまえよ、くつろいでくれ」
「はいよっと………うぇ…」
ガロードは一度テーブルにおいてあるコーヒーの匂いを嗅いでからちょっと口と付け…うめいた。
「はっはっ! 君にはまだこの味は分からんかね」
「一生解る気はないよ」
ガロードはそう言うと少し膨れたようにそっぽを向いた。
301:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:16:03
「これはすまない、機嫌を損ねたかな…っと」
「アンディー」
先ほど出迎えた美女がドアをノックして入ってきて、それに続くようにまずカガリがその部屋に入る。
服装は白と黄色のドレス姿だ。
「ほぉ…」
「へぇ~」
「ドレスもよく似合うねぇ。 と言うか、そういう姿も実に板に付いてる感じだ」
「つうかなんで似合ってんだ? 違和感がある筈なのにそれが無いし…」
「…ガロード、それはどういう意味だ!?」
「な、なんでもねぇよ」
「おやおや、しゃべらなきゃ完璧」
バルトフェルドがそう言うとガロードはそっぽを向き、
カガリは頬を膨らませながらガロードの近くに寄った。
「それでもう一人のお姫様は………」
続いて入ってきたティファは顔を赤くして部屋に入ってくる。
こちらは薄い水色のドレスで、ティファの雰囲気に良くあっている。
「………」
「………」
二人はお互いに見つめあい、そのままほぼ同時に下を向いた。
しばらく初々しい雰囲気が続くが、バルトフェルドが何か言おうとして美女に止められた。
302:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:18:09
「あ、あの…その」
「………」
「その…すっげぇ似合ってる、いや、マジでその…なんていったらいいか」
「………」
ティファは頷き、もうしばらくその初々しい空気は続いたが、
「お前ら何やってんだよ!」
その雰囲気はカガリによって壊された。
「やれやれ…もう少し待つって言う事はできないのかい?」
「ふん! 何時もあんなことをしているのか?」
カガリは語気を荒げながら言った。
なおその頃ガロード達ははっと我に返ってお互い顔を赤くしながらもソファーにそそくさと座った。
「あんなこととは?」
「町をうろついたり、警告を出してから町を焼いたりしたことだ!」
「いい目だねぇ…真っ直ぐで、実にいい目だ」
「くっ! ふざけるな!」
「おいおい落ち着けって…」
そのまま掴みそうな雰囲気だったのでガロードがカガリをなだめた。
「君も死んだ方がマシなクチかね?」
「「「は?」」」
しかしガロードがなだめるよりもバルトフェルドのこの一言のほうが効果があった。
303:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 00:20:25
「君達の方は如何思うかね? モビルスーツのパイロットとしては?」
「なっ! 何でその事を!」
慌てていたカガリはあっさりとバルトフェルドの鎌に引っ掛かり、立ち上がった。
「はっはっはっは、あまり真っ直ぐすぎるのも問題だぞ」
「くっ!」
カガリは悔しそうにその場に座った。
「戦争には制限時間も得点もない、スポーツの試合のようなねぇ…
ならどうやって勝ち負けを決める?」
「そんなのお偉いさんの仕事だろ?」
ガロードはそう即答した。
ガロード達の世界では戦争を始めようと画策した兄弟や、終わらそうとする自身の先輩達がいた。
ガロードとティファは先輩たるジャミルたちが築いた交渉を少し離れた所で1年見てきた。
「戦争ってのは始めるのはそれこそ少人数でできっけど終わらそうとしたら本気で大変なんだ。
互いの維持やプライドやら文化やら…後それぞれに背負っている人たちもいるし」
「ふむ…確かに」
ガロードの物言いに、一緒に見てきたティファは頷き、
カガリは自分よりも具体的な意見を言っているガロードを驚いたような目で見ていた。
「だから中途半端な、背負っている人達が納得しない成果や条件じゃいつまでたっても終わんねぇよ」
「では君は今回の戦争をどう見るかね? どこで終わりにできる?」
304:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 00:26:38
連投規制でも引っかかったかな?
305:ガンダムXSEED 新たなる道 (作 ◆L1QckJlrlM
07/07/07 01:39:12
「さぁね」
「「え?」」
ガロードの言葉にカガリとバルトフェルドは驚いたような顔をした。
「今は泥沼って言うか小競り合いばっかなんだろ?
これからどう転ぶかなんて俺は全体を見たり聞いたりしてる訳でもねぇし解る訳無いって」
「では君は何の為に戦っているんだね?」
「過ちを繰り返さない為に…です」
「「過ち?」」
「核とか広範囲無差別兵器とかだよ」
ガロードがそう言うとカガリはバルトフェルドを睨みつけた。
「最初に使ったのは其方なんだがね」
「え? 俺は知らないよ?
ヘリオポリスがいきなり崩壊して助かるにはあの艦に転がり込むしかなかったんだからさ」
「ヘリオポリス…ということは君はオーブ出身かい?」
「さぁね、それに俺達はあくまで傭兵、オーブに行くまでの間の護衛でしかないからね」
「ほぅ…」
バルトフェルドは感心したような顔をした。
「中々良い話を聞けたよ。
何故君たちが同胞を敵にまわすことを決めたのかは知らないが、
あのモビルスーツのパイロットである以上、私と君は、敵同士だと言うことだな?」
「同胞?」
「君もコーディネイターだろ?」
「俺らはナチュラルだよ?」
これにバルトフェルドは驚いていた。
306: ◆L1QckJlrlM
07/07/07 01:41:13
ここで途中規制が入りつつ終了です。
なかなか書く時間が取れない…どうしたもんか…
307:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 05:12:23
ドレスアップティファ光臨。
この日を待っていた。アイシャさんGJ!
虎との会談もガロードの実体験を感じられて、とてもらしいと思った。
この後の展開を期待するぞ。
あとどうでもいいことだけど、食べ物を粗末にしないガロードが印象的だった。
308:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 06:57:38
GJ!
ガロードがコーディでない事に驚いてる虎だが、
当時の連合にも反射神経がコーディを凌駕してるような人も居たらしいし有り得ない訳でも無いんだよな。
まあ物凄く珍しい例であることには違いないけど。
ケバブのシーンは食糧事情が厳しい世界で食事を少しでも美味しく摂ろうとする知恵といった所か。
そして虎の質問に真っ当な答えを返すガロード。
確かにこれで正解ではあるんだが本編におけるキラ(及びメインの視聴者層だろう中高生)では返答に困るのも仕方ない気もしたり。
実際問題ガロードにしたって少なくともエスタルド編以前だったら、
そうした事をろくに考えた事も無いだろうしこの答えを出せたかどうか…
まあ結局一番悪いのは大人の癖して碌な答えを持ち合わせなかった虎なんだがw
最後に、銃撃戦のシーンでガロードが射撃の腕を披露して「流石ガロード!」なんて思ったりもしたが、
よくよく考えると脅しやら至近距離からの発砲はあってもその腕前を如実に表すシーンって本編にあっただろうか…?
309:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 07:48:13
>>308
ガロード本人の射撃能力か。
X本編で発砲したのって
「あの子、許せない」:エニルに対して。当てるつもりどころか暴発に近い+動揺していたため、外れた。
「愚かな僕を撃て!」:カリスに対して。反射的とはいえ、かなりの至近距離。命中。
「ダブルエックス、起動!」:カトックと共に新連邦軍の兵士たちを相手に銃撃戦。マシンガンだったのであまり参考にならない。
ぱっと思い浮かんだ事例を挙げて考察したが、その腕前はよくわからない。
印象として少なくとも軍の一般兵レベルはあるだろうし、スペシャリストまではいかないだろうけど、それなりの腕はあると思う。
正直、今回の銃撃戦シーンを読んで、特に違和感はなかった。
310:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 11:18:15
MS狩りをやってた経歴上、AWの平均(一般人含む)以上の腕はもってそうだな
311:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 12:48:34
細かいけどシュミレーションじゃなくてシミュレーションな
312:名もなき店主
07/07/07 15:01:23
ケバブGJ
みんなもラーメン屋で、一口も食わないうちからコショウやニンニクぶっこむのはやめようぜ。
313:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 15:22:26
GJガロード!食べ物を大事にするのは良い事だぜ(笑)
銃撃戦もサルファのキラみたいに躊躇せずに撃つたぁさすがAW育ちだ。
ドレスティファのお返しってことでアイシャ生存なるかな?
314:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/07 16:34:35
先ずは一言、GJです!ガロードの性格や、経験譚がよく生きていて良かったと思いました。
それから二度三度読み直してからビクッとしてしまいました。
キャンバスの件、アイシャに因る御召かえ……こっちの二十九話と展開が酷似してる<゜Д゜>!!!
徹夜で書き直しだな、こりゃ…….._.._φ<・ω・;;>
作者の皆さん、色々とお忙しいとは思いますがお互い一緒に頑張っていきましょう。
いつもこちら作り手に感想を送ってくれる皆さんにも感謝しています。
では、また後程。
315:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 17:57:46
射撃の腕ねぇ…的確にコクピット脇にワイヤー打ち込める程度の腕はあるよね。
316:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 22:16:07
>>314
自分語りうざい。
しかも自分も思いつきました的なことまで言って。
317:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 23:36:02
>>314
と言う輩もいるので、
職人は作品で語った方がよろしいかと
愚痴等は職人スレで名無しで書けば?
318:通常の名無しさんの3倍
07/07/07 23:43:21
>>313
このままだと
ガロード&ティファ VS アンドリュー&アイシャ
による相乗り対決が実現するわけか。
がんばれアンドリュー、アイシャ。
コズミック・イラであのガンダム3大カップルの1柱に対抗できるのは君らだけだ。
319:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 00:29:55 qDAnSQ8y
>>318
あとの2柱のうち1つはドモン&レインだということはよく考えなくてもまるわかりですが、
残りはヒイロ&リリーナですか?
320:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 00:33:10
>>320
いや、シロー&アイナ。
321:320
07/07/08 00:35:40
ミスった。
>>320において
320ではなく319だった。
322:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 01:34:11
シャア
323:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 11:45:41 TzWZJKQC
>>320
おお、そういえばそうでした。
324:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 12:39:00
虎&アイシャってシンステに並ぶ
CEで最も普通なカップルじゃないだろうか。
彼らでもガロティファのパワーには勝てんと思うが。
325:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 12:57:07
絆を感じるよね、虎とアイシャって。
1stのランバ・ラルとハモンみたいになれる可能性を秘めている。
326:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 14:01:17 Q7mCgPpU
>>298
> 「うわ!?」
> 「え?」
> 「いや、常識というよりも…もっとこう…んー…そう!
> ヨーグルトソースを掛けないなんて、この料理に対する冒涜だよ!」
> 「なんなんだお前は!」
>
> カガリはそう言うと自分のケバブに赤いソースをかけ、近くに座るティファに差し出した。
>
> 「見ず知らずの男に、私の食べ方にとやかく言われる筋合いはない!」
>
> カガリはそう言うと一口ケバブを頬張り、
>
> 「っんまーーーーいーーー! ほぅらお前も! ケバブにはチリソースが当たり前だ!」
>
> と言ってティファに勧めた。
>
> 「だぁぁ待ちたまえ! 彼らまで「お前ら何言ってんの?」「え?」」
>
> そこまで黙っていたガロードが口を開いた。
>
> 「ケバブにソースをいきなりかけるなんて贅沢こそ邪道だろ? まずは一回そのままで食ってみる!
> 店によって味が微妙~に違うんだからまず食ってそれから味を変える為にちょこっとかける!
> それで気に入るソースがあればそのままかければ良いんだから…
> そりゃ二人はこの店でも食った事あっかも知んないけど俺達は初めてなんだぜ?
> 初めての奴にいきなりドバッてかけて舌が合
327:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 15:52:34
>325
ランバラル夫妻(あえて夫妻と言う)をパクろうとして
失敗したのがトラ夫妻だろ?
328:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 17:09:57
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / /
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /
./__ ー7 /、 l '゙ ヽ/ ,. '" \`ー--- ",.::く、
/;;;''"  ̄ ̄ ──/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
329:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 17:11:28
>>327 しかし結果はトラの愛人が「板尾の嫁」になってしまいましたとさ
330:通常の名無しさんの3倍
07/07/08 19:08:37
つまり職人の料理しだいでは、ガロティファと並んでも遜色のないカップルにすることも可能だ。
331:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 09:13:43
保守
332:Exceed4000
07/07/10 11:28:37
先日続きを投下しようとしたら丸一日人大杉でしたorz
閲覧は出来るのですが、携帯からしか書き込みが…
頃合いを見て二話か三話ぼつぼつ投下します。
では、また後程。
333:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 11:49:34
専ブラ使えば。
334:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 21:01:41
人大杉、いつまで続くのでしょうね。
おかげ様で、昨日今日と、新シャアのスレ読めなかった。
ついさっき、プラウザ入れて、ようやく読み書きできるようになりましたけどね。
そんな訳で、職人さんたちのSS更新、楽しみにしています。
……さて、他のスレのSSのチェックにも行くか。
335:通常の名無しさんの3倍
07/07/10 21:17:07
夏が終わるまで続くぞ。
それにまだ人大杉のピークじゃない。
これからだ。
336:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 00:07:41
やっと人大杉が解除されたぜ・・・
これでもまだピークじゃないのかよ。今年から入ったんだがすげーな。
337:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 00:13:18
ヒント:夏休み
338:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:30:18
やっと人大杉解除されたんで第二十六話投下します。再構成スレを参考に色々と考えた繋ぎ的な話なので宜しく。
機動新世紀ガンダムXSEED 第二十六話「各員の奮闘を期待する」
「た……助かったのか、俺達…… ? 」
ブリッツのコクピットでガロードは完全に脱力しきったように呟いた。
乗ってからOS調整の為に必死に動かしていた手が汗で濡れている。
脱出する際にいきなり始まった集中砲火は、幾ら自分がフェイズシフトの働く機体に乗っていたとはいえ背筋に寒気が走ったからだ。
『追撃は無いですから……そう思っても良いかもしれません。』
カリスも自身では完璧に抑制した声で応対しているつもりだったのだろう。
が、言葉の端々に隠しきれていない息の荒さが出ていた。
「そうか……それにしてもよぉ……」
一息吐いた後に出てきたガロードの声は彼らしいとても明るい声だった。
「ひっさしぶりだなぁ、カリス !! まさかおめえもこっちに来てたなんて思ってもいなかったぜ !! 」
『それはこちらも同じですよ、ガロード。この世界に来てから僕は元の世界の仲間たちを探し続けていましたから。』
それから彼は、あの最終決戦以降自分の身に何が起こったのか一通りの事を説明し始める。
『僕がこの世界に来たのは今から丁度一年程前のC.E70年、2月13日の事でした。
見知らぬスペースコロニーの近くで漂っていたのを、他のコロニーから帰ってきたある学者に拾われて……勿論最初は何が何なのか右も左もさっぱり分からない状況でしたから、急いで情報を集めようとしたんです。
でも……その次の日に血のバレンタインという出来事があって……分かりますか ? 』
「あ、ああ……アークエンジェルの皆から何が起こったかは聞いたし、実際それがあった場所にも行った事があるけど。」
C.E70年の2月14日、プラントにとって貴重な食料生産地であったユニウス市に属するユニウスセブンに地球連合軍は核ミサイルを撃ち込んだ。
それも何の警告も無しに一方的に、一般人しかいない唯の農業用プラントに。
核による業火で一瞬にして散った人々の数は、アークエンジェルクルーから推計でしかないといわれたがおよそ24万人あまりと聞かされた。
ここに来る前、過去の事とは言っても、一度ばかりそんな事をやった軍に加担している事をアークエンジェルにいた時後悔した事もあったが、
報酬や安全な生活がかかった傭兵稼業、またこの世界でいえば自分もナチュラル且つ乗りかかった船だけに今更陣営を変えるわけにもいかなかった。
しみじみそれを思い出している間にもカリスは話を続ける。
『三日三晩意識を失ったまま寝込みました……とても言葉なんかでは表現できないあんな状態になったのは生まれて初めてです。あの場にティファが居たらと考えると……』
そう。カリスも人工的に付けられた物ではあるがティファと似た力を持っている。
彼女のそれには及ばないまでも他人の心を感じ取る事が出来るのだ。
その彼が三日三晩意識を失うほどの災厄だったのだ。
A.W世界でサテライトキャノンを初めて撃った時、直後に気絶したティファが数日は安静にしなければならなかったと後で知らされたガロードは、そんな瞬間に彼女がその場にいたらと考えてぞっとした。
無意識の内に考えないようにしていたが、あれを初めて撃った時と血のバレンタインの時では、明らかに一瞬で失われた命の数に雲泥の差がある。
数日気を失うだけではすまないだろう。
339:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:34:09
暫く続いた沈黙はカリスの方から破られた。
『ともかく、それからある程度回復した僕は、知り合いにザフトでも高名なパイロットがいた事を使って、僕を正規の手段をやり過ごした方法でザフトに組み入れようとする案を、引き取った学者さんから聞かされたんです。
僕としては知らない世界の争い事に介入するのは不味いと思っていましたし、百歩譲って自分がそれでしか当座の間食べていく道が無いと言われても、そんなずるい事をするのは気が引けたんですが、高官の側で武勲を立てて出世すれば人探しも容易になると言われて……
勿論ちゃんと自分なりにこれが正しいのかと考えました ! 元の世界の、フォートセバーンの事もありましたから余計に慎重にならざるを得ませんでしたが……』
そこで一旦カリスは言葉を切る。
まるで捻り出せる言葉を捜している様でもあった。
やがてアフリカ大陸側の荒涼な岸がモニターに見えてきた。
『でもその時僕はとにかく早く皆と合流したい一心で入隊する事を決意しました。それから事は半月もしないうちに手続きが終わって、ヴェルティゴもそのまま渡されました。
気づいた時にはカーペンタリア、カサブランカ沖、スエズ、そして数日前のビクトリア……確かに出世や昇進を重ねるごとに自分の権限も大きくなっていきました。
ですがそれに合わせて捜索網を布いたのですが、一向に事態が打開に向かわないので困っていたんです。でもまさかこんな形で再会できるなんて……本当に良かった。』
カリスの長い身の上話が終わりを告げる。
ガロードは全く知らぬ世界で各地の戦線を転々としながらも、自分達を探していた事にただ純粋に感心した。
傭兵とはいえ、自身もそれに近い運命を辿る事になるだろうとは薄々感づいてはいたが。
安心した様な表情を浮かべ、ガロードはそれに答える。
「ホントだぜ。俺達の所にもティファとテクスはいるけど、まだ他の仲間たちは見つかってねえんだ。話をすればアークエンジェルの皆もお前がザフトにいたって言っても、俺達の仲間だって説明すれば分かってくれると思うからよ。」
『そうですね……』
それから再びOSの調整に戻ろうとしたガロードはティファの方に一旦目をやる。
髪を縛っていた紐が拭きとばされ、ガロードに道を示したティファは長くたゆたう豊かな栗色の髪を大きく広げたまま、彼の膝元で軽い寝息を立てていた。
それを見ているとふっと頭の中にアスランとその同僚の顔が過ぎる。
アスランはティファに危害を加える事を自分に面と向かって言ったばかりか、実際に銃まで撃ってきた。
当たりはしなかったものの、あと少しずれていたらどちらかの首の直撃コースを辿っていただろう。
おまけにもう一人の方は、自分が捕まっている時に自分達の身の安全の保証を約束するような事をのたまっていた。
それだけにティファの下腹にマジの力っぽい一発まで喰らわせたのが許せなかった。
ついもっと他にやりようがあっただろと思ってしまう。
二人揃って一発殴ったとて気がすまない。
ガロードは直感的に思ってしまう。あの二人、もしかしたらこの世界でのフロスト兄弟みたいなもんになりかねないな、と。
340:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:36:25
「それにしても、っきしょう……次に会ったらあんの二人唯で帰さねえからな ! 覚えてろよ ! 」
腹立ち紛れに呟くその声にカリスが答える。
『君が拘束されていた部屋にいたあの二人の事ですね ? こんな事を言ってはなんですが……アスランの母親は先程話した血のバレンタインの犠牲者の一人です。
もう一人のニコルという少年に関しては純粋に国防の為に尽力したいという雰囲気でしたし、ティファへの一撃も殆ど不可抗力と言っても過言ではないでしょう。』
あっ、という風にガロードはOS調整の手を止め通信機の方に気を取られる。
通信機からは淡々とカリスの語る言葉が出ていた。
『アスランの母親は知り合いのナチュラルにも理解を示していただけに、彼女の死以降、彼のナチュラルに対して生まれた憎悪や不信感は並大抵の物ではなかったでしょう。
裏切られたという言葉でも不似合いかもしれません。』
「それさ、本人の口から直接聞いたのか ? 」
『いえ……心から感じ取りました。染み渡る様に侵入して来たといった方が正しいのか……とても冷たく重い感情でしたよ。』
それを聞いてガロードはしばしの間押し黙ってしまう。
アスランが狂気とも取れかねない雰囲気で自分達を殺そうとしていたのには、そういった経緯があったと改めて思い知らされる。
お互いの立場もあってか、彼とまともに言葉を交わした事など無いにも等しかったが、彼と血のバレンタインについての関係性は大体のあらましをアークエンジェルにいた時にキラから聞かされていたからだ。
その時、荒涼とした大地が広がっていたのを映していたモニターがついに目的の場所を捉えた。
「カリス、あれだ ! あれが俺達の乗ってきたアークエンジェルだ ! 」
周辺に比べて少し窪んだ場所にいる白亜の戦艦。
その後二機は徐々に高度を下げながらそこへ向かう。
だがそれとほぼ同時に、アークエンジェルからそこまで離れていない前方、そして自分達の遥か後方から敵機が飛来している事を、コクピット内の警告音が知らせる。
「 ?! おいおい、やっと皆と合流できるっていうのにこんな所で敵かよ ! どれぐらいいるんだ…… ? 」
『待ってください。今こちらで調べます。』
その間にもセンサーに探知される熱源の数はどんどん増えていく。
後ろから来た機体が自分達を追撃しにジブラルタル基地から発進した機体というのは分かった。パッと見ただけでも結構な数に上る
だが、前方から来ている機体は一体何なのだろうか ?
あっ、という声が通信機から聞こえて来た。
カリスが何かに気づいたのだろうが、ガロードが彼にどうしたんだと訊いても何の答えも返って来ない。
暫くしてから、からからに乾いたような声でカリスはやっと一言だけ発する。
『総司令官殿…… !! 』
間が悪いと言えばあまりにも間が悪い。
レジスタンスの様子を十数機のMSを連れて視察に行った司令官が、道中アークエンジェルの存在に気づいたのだろう。
更に追い討ちをかける様に後方の追撃部隊の大きさがデータとして合わせて報告される。
『戦力は……レセップス級一、ピートリー級二、ザウート三、バクゥ五、ジンオーカー四、アジャイル四、インフェトゥス三……後ろからディン三、ジン四、アジャイル五、インフェトゥス五……』
データを何かに取り付かれたかの如く抑揚の無い声でつらつらと読み上げるカリス。
それは司令官のいる部隊と合わせれば、戦艦一隻と数機のMSで相手をするにはあまりにも不利過ぎる数だった。
分からない単語が並んで困惑するガロードにも自分達が極めて危機的な状況に陥っている事ぐらいは分かる。
「なあ、こっちからアークエンジェルの方に通信を入れてみる。遅いかもしれねえけど二手に分かれるか合流してから両方を同時に迎え撃つかどうするかはその時に決めねえか ? 」
『分かりました。』
一応カリスの反応を訊いたガロードは自分の手で最大限調整したOSを使ってアークエンジェルに通信を入れた。
341:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:38:27
そこから遡る事五分ほど前。
アークエンジェルでは今後の方針について、ブリッジクルーも含めた話し合いがなされていた。
ジブラルタル基地の真正面にいる事、ザフト制圧下の北部アフリカにいる事、宇宙で先遣隊や第八艦隊と合流したとはいえ資材や物資は標準から見れば相変わらず少ないままであるという事からプランとしては四つ程が上がっていた。
一つはアフリカの北岸に程近い所を辿りつつ紅海に抜けるといった物。
ユーラシアが地中海を挟んで睨みを利かせている事から、いかにザフトが北部を制圧しているとはいえ、あまり大きなアクションは取れないだろうという算段があった。
しかしその途中には砂漠の虎と称されるザフト軍地上部隊の名将、アンドリュー・バルトフェルドとの拠点とものの見事にぶつかる事になる。
戦闘は必至となるだろうがアークエンジェル、スカイグラスパー、そしてストライクだけで抜け切れるかどうかが怪しい。いや、ほぼ無理と言ってもいい。
それに万が一その後上手くインド洋、太平洋に抜けられたとしても、補給抜きで一気に行ける訳が無い。
何がしかの形でそれを受けなければ、ザフト側に与している大洋州連合の近くをおめおめと通る事は出来ない。
スカンジナビア王国やオーブと同じく中立の立場にある赤道連合が手を差し伸べてくれるのかどうか。
そしてもしそれが不可能だった場合東アジア共同体に向かうか、オーブに向かうか。
カオシュン基地が墜とされた事を考慮するとオーブに向かった方がまだマシなのかもしれない。
元々この艦もG兵器もオーブが所有していたヘリオポリスコロニーで作られた物なのだから。
二つ目のルートは大気圏内では高空を飛べないアークエンジェルではあるが、山岳地帯を避けて何とかビクトリアまで辿り着けないかという物。
確かに現時点では自分達にとって一番近い基地であったが、こちらは砂漠やその先に構えるジャングルを何日もかけて突き進む為に現地協力はとてもではないが得られない。
それどころか、先述の様にアフリカ北部はザフト側の支配下なので完全に敵陣のど真ん中を行く事になる。
砂漠の虎よりは小規模かもしれないが複数回の戦闘が起きるだろう。
回数によれば進軍は途中で破綻しかねない。
おまけに今からルート検索をしなければいけないので何とも言えないが、場合によっては一つ目のルートより長い道程になるかもしれない。
342:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:40:48
三つ目に関しては西海岸を辿りつつ、南米に抜けた後南極経由でアラスカを目指すといった物。
こちらも補給が受けられない点、海に出るまではザフトの制圧下を延々と行かなくてはいけない点等については二つ目と似たり寄ったりの具合である。
おまけに南米に当たる南アメリカ合衆国は元々親プラント国家で、傘下のパナマはマスドライバーを保有していたため、血のバレンタインを契機としたコーディネイターとナチュラルの開戦直後のC.E70年2月19日、
地球連合に属する大西洋連邦に併合されたといった経緯を持っている。
その為に連合の支配下というのは殆ど名目上の物となっており、連合に追従しようとする者、プラント側に戻ろうとする者、
そして両陣営どちらにも属さずに分離独立した姿勢を築こうとする者の三勢力が入り乱れ、場所によっては混迷の様相を呈している。
そこに自分達が半ば首を突っ込むという様な形で向かうのだ。
抵抗勢力等もいるだろうから、自軍の基地へ行っても確実に補給が得られる事は保障されていない。
尤もそれを恐れていては戦場では何のアクションも取れない事になるが。
そして密林の多い南米では酸素供給の問題で焼いてはいけない場所が必然的に出る為おいそれとビーム・火炎放射系・ナパーム系・燃料系・爆弾系は戦闘で使用するのは禁止されてる。
戦闘は全て格闘かナイフ、機銃などを用いらねばならない。
更に南極まで出てしまえば敵との戦闘は無いものの、このルート最大の問題は異常なまでに距離が長大だということだ。
寧ろ北に向かってパナマに行っても良さそうだが、目標の地がアラスカなのでそれなりの待遇は受けそうである。
そして最後のルートがジブラルタルを突破しそのまま北大西洋に出た後アラスカに向かうという物。
このルートに関しては無理も無茶もあったものではない。
まともな思考回路で考えたなら、無謀としか言いようの無いルートだった。
最短ルートであるという事だけが唯一の強みで、敵の襲撃に会う事は無いだろうがその代わりに補給も受けられないどころか、その条件の中で近接する陸地が無い大海を延々と進まなければならない。
抜けられれば殆ど無条件で補給と安全を約束されたも同然だが。
いやその前に、ヨーロッパとアフリカ大陸侵攻の足がかりとして存在するザフトの前線基地であるジブラルタルを、アークエンジェル一隻と艦載機だけで突破できる訳が無い。
先述した砂漠の虎が挟撃でも仕掛けてきたら、笑い話にもならないのだ。
343:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:43:04
「んで、どうすんの ? 艦長さん ? 」
相変わらず飄々とした感じのムウからマリューに質問が飛ぶ。
自分でもどれが最善かと考えている最中なのに、唐突にどうすんのと訊かれても答えられる訳が無い。
「それを今考えている最中なんです、少佐。色々と八方塞に近い状況だというのは私でも分かります。」
彼女が彼を少佐と呼ぶのには理由がある。
あの低軌道会戦の後月のプトレマイオス基地まで行く事の出来たハルバートン提督が、クルーの階級を軒並み昇進させてくれたのだ。
ザフト相手に大戦果を挙げ、自分達を守りきった者達に対してのせめてもの親心といったところだろうか。
そういった訳で質問に答えたマリューも今では彼と同じ少佐である。
彼女も慕っていた上官から直々に昇進の報せを受け取った時は一瞬喜びもしたが直ぐに現実に引き戻された。
補充要員が追加されたとはいえ、クルーの殆どが実戦経験の無い下士官か兵卒ばかりで、マリューやムウすらもここまで深刻な状況など経験した事が無い。
「ともかく、本艦の目的及び目的地に変更はありません。」
自分の意識をしっかりさせる為の判断とはいえそれは重過ぎる程の判断だった。
茨の道は避けられないという事か……
三人が頭を抱えているとCICからトノムラが一言進言する。
「太平洋に赤道連合っていう頼り手がいるんなら紅海に抜けた方が良いのではないですか ? 」
「中立に属しているだけで頼り手ではない。それに必ずしも我々に援助をしてくれるとは限らんぞ。南からは大洋州連合が睨みを利かせ、東アジアは数日前にカオシュン基地が墜とされたばかりだ。
周囲の不安定な鬩ぎ合いの中で下手にどちらかの陣営に手を貸すような事をすれば今の南米と似た状態になりかねんからな。」
淡い期待とばかりにナタルはその考えを一蹴する。
「それに、向かうにしても暫くは敵陣の真っ只中を進む事になるわ。おまけに海までの道中の中央には砂漠の虎の拠点があるわけだし。現地からの協力も得がたいし。」
「砂漠の虎 ? 砂漠の虎って何ですか ? 」
ナタルの考えにダメ押ししたマリューに対し、レーダーからの警戒を続けていたチャンドラから質問がかかる。
彼等の様な殆ど新兵で構成されているこの場では出てもおかしくない質問だった。
「砂漠の虎っていうのは……」
彼女が説明をしようかといったその時、警告音が鳴り、チャンドラと共に警戒に当たっていたパルが突然声を上げる。
「本艦、レーザー照射されています ! 照合……測定照準と確認 !! 」
その報せに全員がぎくりとしてしまう。
測定照準を使うという事は当然敵に狙われているという事である。大急ぎで自分の持ち場に戻る者達。
マリューは急きこむ様に訊いた。
「数は ?! 」
「待ってください……こ、これは…… !! 」
344:Exceed ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:45:23
「どうした ?!! 」
言葉に詰まったパルに思わず怒鳴り込んでしまうようにナタルが訊ねた。
その答えは震えるような声をもって返される。
「前方よりレセップス級一、ピートリー級二、ザウート三、バクゥ五、ジンオーカー四、アジャイル四、インフェトゥス三……後方よりディン三、ジン四、アジャイル五、インフェトゥス五 !! それと……ブリッツと、アンノウンです !!! 」
一瞬にしてその場の空気が凍りつき、ブリッジクルーには全身を厳寒の海に投げ出された様な感覚が襲う。
兵器の種類の垣根を越えて全て含めれば敵機は38機。死刑宣告も同然だった。
これで終わりなのか…… ? 友軍に消息を知らせる事も出来ず、満足に抵抗する事も出来ずに人知れずこんな地で散るのだろうか ?
だからと言って戦わなくて良いわけでも、逃げても良いわけでもない。
そのどちらをしたとしても何処にも行けない状況が好転する訳でもない。
自分達は軍人だ。戦い続けなければならない。
マリューの頭にはちらと降伏の二文字が浮かんだが、慌てて頭を降ってそれを消す。
この戦闘に勝利し、このアークエンジェルと今格納庫にあるストライクとイージスをアラスカまで無事に届けきり、生産ラインにそれが乗るのを見届けなくてはならない。
だがその勝利というものは何らかの奇跡でもない限り到底起こるものではないというのも彼女の頭にはあった。
彼女は全員に冷ややかに、しかし勢いよくきっぱりと告げる。
「総員第一戦闘配備 ! 繰り返す ! 総員第一戦闘配備 ! 」
その直ぐ後に艦内全体にアラートが鳴り響く。
敗北は許されない。そして降伏も撤退も。
それを意識したマリューは通信機に向かい、再び口を開く。
「艦長マリュー・ラミアスより、アークエンジェル全クルーへ通達します。現在本艦の前方にはザフト地上艦三隻を主とするMS部隊が、また後方からはジブラルタルにて本艦の存在を知ったと思われる同じくMS部隊が接近中である。
我々には両部隊を殲滅する以外道は無い。これより開始される戦闘はこれまでに無い程激しいものになると思われるが、我々はなんとしてもこれを突破せねばならない ! 」
そこで一息入れ、気つけと言わんばかりに大声でその熱弁を締める。
「各員の奮闘を期待する !! 」
ブリッジの空気が完全に張り詰め、一片の油断も許さぬ雰囲気へと変貌した。
口上を言い終えたマリューはふと思う。恐らく艦内全体が今のブリッジと同じ空気になっていることだろう。
冷静に考えれば戦闘ヘリ17機、MS21機そしてそれらを指揮するであろう地上艦3隻……合流すれば大部隊ともなるそれに戦艦一隻と戦闘機とMS1機が敵う訳が無い。
それでも絶望的な状況だから敵に死ね等と言われるのはごめんだ。諦めてはならない !
「ラミアス艦長 ! 」
「……っ、何 ? 」
繰り返しその文言を頭の中で響かせたマリューは通信席からの一報を理解するのに暫くかかってしまう。
「先程からこちらに向けて通信を繋いでいる者がいるのですが……」
「発信元、特定出来る ? 」
「待ってください……出ました !! 後方にいるブリッツからです !! 」
「ブリッツから ?!! 」
今は敵の陣営にいるブリッツが何用でこちらに通信を入れるのだろう。
降伏勧告でもする気なのだろうか ?
しかしその見当は良い意味で外れる。
通信自体は途切れ途切れではあったが、聞こえて来た声に彼女は驚かされるのと同時に確かな希望の光を感じた。
『……えてるか ?! ……こちら、ガロード……アークエ……応答してく……繰り返すっ !! こ……ガロード・ラン !!! 』
345:Exceed4000 ◆mGmRyCfjPw
07/07/11 00:56:20
投下終了します。
レセップス級は虎の持ち物でしょ?!→基地の規模からして総司令官も一隻くらいは持ってないと自分的には?なので。
基地から来たには追撃の手が少なくない?!!→いかに大規模基地と言えどMSは戦力ではやっぱり要な訳ですから。
それにもっといるように書いたら戦艦1隻に送りすぎだと言われそうなので。
もっと他にルートあるでしょ?!→ご指摘があれば何時でも。
何でブリッツなのさ?!!→色々理由はありますが、少なくともニコル死亡フラグ回避の為ではありません。
続きは今日の内にまた投下できたらと思っております。
では、また後程。
346:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 01:37:08
なんかなあ~。
読んでて思ったことは
武勲を挙げまくっているベルティゴがアンノウンだなんて信じられない。
ザフトが宣伝をしているだろうし、連合だって存在くらいは把握しているはず。
少なくとも二つ名で呼ばれててもおかしくないのに、アンノウンはちと……。
347:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 02:30:08
そんなにむきになって辻褄合わせようとすんなよ。
破綻はともかく少々の齟齬は、後の複線になることもあるし、
その場で全て明かすこともない。
かといって、これ見よがしに
「~の部分については、後で語ることになります。」
とかやられても、嫌がられるから、黙してその時にあっと驚かせてやればいい。
一番、拙いのは物語がそっちばっかし気になって疎かになることだな。
>>346みたいな突込みには
有名になるのを嫌ったカリスが参戦の条件に喧伝を断ったとか
姿を見せず、皆殺しにしたとか
カリス拾ったギルがどっかのスレの悪人気取りと同じようなこと始めたとか
理由を用意しておいて後で明かすつもりなら、今は無視、後で話の中で種を明かせばよろしいかと?
レセップス級云々は、司令官「○○」の描写のときに艦名をそれとなく出せばいい
追撃数云々も同様、緊急事態で動かせる機体を掻き集めたとか適当に作中で触れとけ
ルートはいいんじゃねぇの?
何でブリッツなのさ?!!答える必要なしだろ
とにかく欄外で補遺するな
348:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 06:18:43
専ブラぐらい入れろよ
349:290
07/07/11 08:17:06
そんなことよりレジスタンスの様子を自分で見に行くような腰の軽い司令は虎だけで十分だ、とか思ったり。
だいたい戦艦3隻引き連れていったら視察じゃねぇだろw
350:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 08:18:46
おっと消し忘れ。
351:通常の名無しさんの3倍
07/07/11 21:17:08
専ブラを未だに導入しないということは、人大杉を助長しているという事。
現在の状況を生み出している原因の一人は貴方自身だ。
352:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 14:43:18
>>349
敵勢力下の有力な拠点を自身の部隊と現地に展開した部隊で叩き
戦線を安定させて現地部隊に維持させると言う手法をとってるのかも試練
モグラ叩き請負人もしくはいいとこ取りとか言われそうだが・・・
あるいは現地指揮官の下に増援だけつけて、自分は見物とか
そのそも戦略として成り立つかは知らんが
353:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 22:26:12
>>349
史実のロンメルとかは、「自分で見に行く」という行為を良くやったそうな
虎と比較するのは失礼な話かもしれんがw
354:通常の名無しさんの3倍
07/07/12 23:05:41
現地を見に行かないやつはまともな指揮できないんだぜ。日本軍には
いっぱいいるのが悲しい。
355:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 00:15:42
辻~んとかな
356:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/13 02:56:34
14日になったら投下します。
357:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 15:27:10
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
358:通常の名無しさんの3倍
07/07/13 17:30:35
>>355
辻~んは現場視察しまくって、
現場の兵隊にはそれなりに人気はあったけど…
参謀の仕事は(以下略
359:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:01:49
「ハイペリオン、出す!」
ブースターを吹かし、一気に広大な宇宙へと飛び出した。
目指す目的地は遺伝子実験コロニー・メンデル。生まれ故郷だ。
正直まったく覚えていないためか、その姿かたちには嫌悪は持たなかった。
だがそこは紛れもなく己の生まれ故郷であり、元をたどればすべてがここへとたどり着く。
そう考えればただひたすら憎たらしい代物に見えてくるから不思議だ。
だが今は、覚えてもいない生まれ故郷を憎むより大事な目的がある。それは、キラ・ヤマトを見つけ出し、殺すことだ。
ずいぶんとメンデルに近づいてきた。そのときレーダーが一体のMSの反応を警告する。
どうやら先にこちらに気づいて出てきたようだ。
やがて姿かたちを確認できるまでの距離になる。
相手は左肩にジャンク屋ギルドのマークをつけ、赤い素体に所々を白い装甲で保護したツインアイのツノつきMS。
機動性重視して作られた代物らしい。キラ・ヤマトの乗る機体の特徴とは違っている。コイツははずれか?
「こちらはジャンク屋ギルドのもんだ。そっちの用件は何だ!」
あちら側から通信が入り、はっきりとした口調で問いかけられる。
用件など唯一つだけ。
「キラ・ヤマトを知っているか?」
その問いに相手は言葉を失い黙る。それは肯定と同じ意味に他ならない。自然と唇の端が釣りあがった。
心臓の音がだんだんと大きく聞こえて来る。
「知っているんだな?答えろ。奴は今どこにいる」
ビームサブマシンガンの銃口を相手に突きつけ、高揚する気持ちを抑えつけ冷静さを装い言った。
360:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:03:07
「…ここにはいない」
期待が大きかっただけに若干曖昧な答えについ舌打ちをしてしまう。
知っていたとしても、おそらくこのままではこれ以上の情報を引き出せないだろう。
「まともに答える気はなしか、ならば…消えろ!」
ハイペリオンのビームマシンガンの光が3つ4つ相手の肩の装甲の端を打ち抜く。
やはりそれほど硬いものではないようだ。もう少し内側を狙ったつもりだが相手の反応はそれほど悪くないらしい。
しかしそうでなくては面白くない。
相手もそのままみすみすやられるわけにはいかないと、反りのついた片刃の実剣を腰の鞘から抜き放ち、向かってくる。
狙いを定め、引き金を引いた。しかし赤い機体の持つ実剣はソレをやすやすと防いでしまう。
「対ビームコーティングでもしているのか」
ぐんぐんと距離を近づけてくる赤い機体に舌を打ちながらつぶやく。思った以上にすばやい。
予想外の強敵との遭遇に、心なしか先ほど削がれた高揚が戻ってきていた。
赤い機体が実剣を振りかぶる。
そのモーションを一瞬だけ早く読み、左手でビームナイフを引き抜き高熱の刃を出現させ実剣を受け止めるように振るった。
二つの刃がバチバチとつばぜり合う。
一瞬でも判断が遅れていれば今頃ハイペリオンの右腕は切り落とされていただろう。
しかし相手がコックピットを狙っていなかったあたりが癪に障る。なんて甘い。
「薄い装甲があだになったな!」
左手はそのままに右手のビームサブマシンガンを相手に向け容赦なく引き金を引いた。
361:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:04:09
「おい、答えろ」
赤い機体は至近距離からビームサブマシンガンを打ち込まれたために、
装甲はところどころ削がれパチパチと電気の花を散らしていた。
パイロットに応答を求めるが、答えはない。
「…死んだか?」
やりすぎたか、と舌を打つ。もともと生かして返すつもりは毛頭なかったが、情報を聞き出せなかったのは痛い。
気を失っているだけなのかもしれないが捕獲したりするにしても手間がかかるだろう。
正直この区域に留まり続けるのはまずい。
銃口を向けたままカートリッジを腰の後ろの予備と交換し、コックピットに向け引き金に手をかける。
たとえ相手が死んでいようが、その機体にこのハイペリオンの姿が記録されていれば機密が漏れるきっかけになりかねない。
それを防ぐもっとも簡単な手段。それは完膚無きまで粉々にしてしまえばいいだけのことだ。
動かない的相手だ、手間もほとんどかからない。
しかしその引き金が引かれることは無かった。
「パルス特務兵。司令からの帰還命令です」
オルテュギアからの通信。声の主はメリオル・ピスティス。
「こんな時にか!…仕方が無い、帰還する」
たとえジャンク屋の様な非合法に近いような組織と言えど、そのネットーワークは侮れない。
特に技術関連等の話題は一時間後にはほとんど出回ってしまうだろう。こうなれば機密も何も無い。
しかし帰還が遅れれば"奴ら"はここぞとばかりに罵倒するだろう。
命令したのはあちらの方であり、命令に従ったに過ぎない。そう自分に言い訳をする。
「俺はどうなっても知らんぞ!」
幸いハイペリオンの特異な装備を見せたわけではない。
姿かたち程度であればまだ、何処かの新型の一言程度で済む。
何よりパイロットが生きているのであれば、次の機会という可能性もあるだろう。
362:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:05:23
墓場までもってかれちまったら再現しようがない
アルコフはそんなことを考えながら、厳重に封をした袋を開く。やや細く挽いたコーヒー粉が顔を覗かせた。
人の手ではやはり密封することはできないためか、持ち出したときよりずいぶんと香りが飛んでしまっている。
最も、密封に近い状態であっても挽いてからかなり時間がたってしまっているのだが。
本当は挽きたてが一番いいのだ。二週間以上たってしまえば美味しくなくなってしまう。
だけれど、この味を再現できる人はこの世にはもういない。だからこうやって一年以上たっても使い切れないでいる。
再現しようにも墓場までブレンドのレシピを持っていかれてしまえばどうにもできない。
おまけに言えば最近の地球は豆を手に入れることすら難しい状況だ。
もっともレシピを持っていたとしても、焙煎時間が少し違うだけで味も香りも変わってしまうため実はそれほど役には立たないのだが。
その味を出せる人がいなくなってしまえば、事実上永遠に失われてしまう。悲しい話だ。
そんなこのコーヒー粉もあと僅か。
フィルタをセットしたドリッパーに残り少ない粉を入れ、湯で全体を湿らせると、ほのかにコーヒー独特の香りがしてくる。
新鮮なものならば膨らんで目にも楽しいのだが。
「すぐに抽出しないのか?」
その様子を見つめるガロードが口を挟む。
「60秒くらい蒸らすのさ、古いものでもしないよりは美味い。
最もできれば湯ももうちょっと高い温度のほうがいいんだがね。宇宙ではそうもいかない」
無重力状態で湯は冷めにくい。
今現在彼のこの部屋は人工的に作られた重力下にはあるが、湯を沸かすにしても80度までしか暖める機能がないのだ。
文句を言っても仕方が無い。宇宙でこうやって本格的なコーヒーを飲めること自体が贅沢なものだ。
363:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:06:24
「へぇ~。そういえばテクスも言ってたっけな」
「仲間かい?」
「うん。一度だけ教えてもらったことあってさ」
雑談を交わしながら細口のポットで、真ん中から外へ円を描くように湯を静かに注いでいく、
やはり香りがずいぶんとなくなってしまっているのが少し悲しい。
「コーヒーを飲んだことは?」
「あんまりねぇかな」
たわいのない会話の合間にもサーバーに抽出されたコーヒーが落ちていく。
サーバーの形に添って光に透け、コーヒーの暗い黄赤が若干薄く見えた。
「メリオルから聞いたが、一体何の用なんだ」
暖めた二つのカップにコーヒーを入れているうちに、イライラしているといった表現が合うような様子でカナードが入ってきた。
大体いつものことだが、今日はそれ以上だ。おそらく帰還命令と関係があるのだろう。
「いやなに、久々にコーヒーを淹れたくなりましてね。どうせだからご馳走でもしようかと」
そんな風にいいながら、にかっと笑う。
「砂糖とクリーム無いのか?」
一口飲んだ後、ガロードがあたりを見回して言う。
「一応あるが。なんだ、ブラック飲めないのか。」
カナードに適当なところに腰をかけるように勧め、
もう一つのコーヒーを渡しながらアルコフは言う。お子様だな、と笑いながら。
「飲めないわけじゃねぇけどさぁ…。苦いのより甘い方が好きだし、少し贅沢したいし」
少しふてくされた様子で主張が帰ってくる。
「贅沢ねえ。甘いのが良いのはともかく、水と油の産物が贅沢か。苦いのが苦手なだけなんだろう?」
笑いながらグラニュー糖の入った紙のスティックと、クリームポーションを手渡す。
太陽のない世界で生きた経験のあるガロードにとってささやかな贅沢の一種であることは間違いなかったが、
今のはどうやら苦いのが苦手という主張のほうが強いようだ。
そんな二人のやり取りの横で、じいっとコーヒーを飲まずに見つめていたカナードが一口コーヒーを飲んだ。
364:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:08:22
「…う」
うめき声のような、くぐもった声が自然と出た。その声にガロードもアルコフも彼のほうを向く。
ガロードが彼の目の前で手をふってみる。
反応は返ってこない、こういった場合固まっているといった表現がしっくり来るのではないだろうか。
当の本人は、こんなものが本当に飲み物なのか?と初めて口にしたこの飲料を理解することに四苦八苦していたのだが。
「まあ、仕方が無いか」
固まっているカナードを見ながら一人納得したようにアルコフは笑う。
細く挽けば挽くほどコーヒーというものは濃い味となる。
パウダー状まで挽いた物ではないが、飲みなれていない人間にしてみればかなり濃い方だろう。
ましてや初めてでは飲み物だと思えないかもしれない。
結局カナードはそのままでは飲み干せず、悪態をつきながらも砂糖とミルクのお世話になったのだが。
「珍しいですね。あなたが他人にコーヒーを出すなんて」
一休みといった状態の格納庫の中で、メリオルはアルコフに言う。
「女房特製のブレンドなんだ。美味すぎて他のやつに飲ませるのはもったいなくてな」
普段誰にも飲ませることの無くコーヒーを一人で楽しんでいた理由を彼女はこのとき初めて知った。
だが彼等に御馳走した理由にはなっていない。
「…今日は息子の誕生日だったんでね。本人を祝ってやれないダメな親の身勝手な罪滅ぼしさ」
一部を残し落とされた照明は彼の表情を読ませない。
「罪滅ぼしだなんて、そんな大げさな…。もしかして、まだ小さいのですか?」
子供がまだ幼いのであれば、その罪悪感も頷けるというものだ。
親に祝ってもらえないという事は、幼い子供にとって大きな傷になりかねない。
「いや、二人と同じくらいさ」
確かに難しい年頃ではある。
「なら、戻ってからでも…」
言いかけて、初めて見えた彼の表情は、普段他人に絶対に見せる事の無いものであった。
「本人がいないんじゃどうしようもない」
365:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:10:39
彼はぽつりぽつりと語りだした。
「女房はあまり体が強くなくてね、よりによって四月一日が手術日だった。運が悪かったのさ。」
苦労して探しだした名医だった、設備だって整った場所であった。
失敗する要素など、ほとんど無かったはずなのだ。
すべてはエイプリル・フール・クライシスが引き起こした、不運。
四月一日のことだ。核兵器、核分裂エネルギーの供給を抑止してしまうニュートロンジャマーという代物が、
宇宙に住むコーディネイター達の手で無差別に地球の地中深くに埋め込まれたことから始まる。
当時地球は核分裂炉の原子力発電を主としていた。つまるところ極端なエネルギー不足が引き起こされたのだ。
地球では今、世界の人口の十分の一が餓死や凍死、そして二次、三次災害により死に絶えたといわれている。
確かにエネルギー不足により重病患者や丁度手術を受けていた者達は、その多数が死を迎えた。
妻もまたその被害者の一人なのだ。
だが腑に落ちないことが一つある。世界の人口が一割減ったという事。
ユーラシア大陸の北部に住んでいた彼からすれば、
屋根の下にいるかぎりエネルギー不足による凍死などほとんど有り得ない話である。
食料とて生産を完全に機械化しているわけではない。餓死した者がいないとは言い切れないが。
餓死や凍死、二、三次災害を含めたとしても、10分の1は有り得ない数字だった。
おそらく弱体化した情報伝達を利用した反コーディネイター感情をあおるプロパガンダなのだろう。彼はそう考えている。
「とにもかくにも、母親を殺したコーディネイターは絶対に許さないってな。
そういって俺の息子は軍人になっちまった。それが運のつきさ。結局味方に殺されちまった。いや…」
殺したのは止められなかった俺なんだろう。そう言おうとして口を閉ざした。
長い沈黙の中、メリオルは何も言えずただうつむいて彼の言葉を待った。
「俺たちは、どっちを恨めばいいんだろうな」
わからないから、戦争を恨んでそれ以上に自分を恨むことにしているのさ。
とだけ言い、格納庫の何処かを見つめながら、ただただ沈黙した。
366:CrossASTRAY ◆n/pJcmlREs
07/07/14 00:12:40
第五話 珈琲の味
投下終了です。
367:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 00:21:16
あぁ……なんかしんみりと胸を打たれた話だった。
可能性としてありうるよな。エイプリルフール・クライシスの被害がプロパガンダで誇張されてるって……
アルコフ氏の息子さんみたいに戦場へ出て、命を落としたケースはたくさんあったと思う。
その想いが凝縮したコーヒーに、乾杯。
368:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:16:55
……しみじみとGJ
369:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:28:07
情報を操作しているのは「一族」なんだよなぁ……
奴等は定期的に地球人口の「間引き」をしている訳で。
370:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 01:45:34
ロウとの接触がちょっとお座なりなってしまった感があるけど、
コーヒーの逸話と固まったカナードの可愛さがそれを補う以上の働きをした。
今後の展開に期待する。
>>369
むぅ、例の「一族」か……
もしAW世界に「一族」がいたのだとしたら、コロニー落としは計画通りだったのか、そうでなかったのか……
371:通常の名無しさんの3倍
07/07/14 02:03:11
ジョージ・グレンやラクスは「一族」が造ったのかもな。
自分達にとって都合の良い世界の指導者として。
他人の子をこっそり毒電波を飛ばすような指導者になるようにコーディネート。
失敗作は親に捨てられ「サーカス」行き。
ジョージ・グレンは「一族」の意に沿わなかったので殺された。
372:通常の名無しさんの3倍
07/07/16 13:23:53
ラクスはともかくキャプテンは一族が作ったかもね
それだけの技術も金も人もあるだろうし
・・・アストレイの本スレはもうどうしようもなくなってるからつらいよ
一応今のX本スレ置いとく
前まで荒らしがひどくて見れるものじゃなかったけど今はそうでも無いかな?
まあまとめサイトに置かれるときは削除されてるだろうけど
機動新世紀ガンダムX-44
スレリンク(x3板)
373:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 07:41:48
ジョージ・グレンが一族に造られたとしても、試作品なんじゃね?
裏で暗躍させるんじゃなく、表で色々と活躍させたのも、能力検証のためだったとか
検証の後、政治家にでも立候補させて一族の役に立てよう…としたところで自分のレシピ公開なんぞやっちゃったせいで、始末?
ジョージ・グレン一代記とか書けそうだw
374:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 10:11:29
たとえ食料が生産されても
都市部に至る車や飛行機や船や鉄道が使えなければ
そこで展開されるのは、餓死という名の地獄なんだよ
都市の人間なんて
上下水道が死滅して電気が通らなくなるだけで
ライフラインが切断されるだけで容易に死ぬんだ
備蓄食料だってそうそう持つものじゃないし
保存用の冷蔵だって電気がいる
エレベータも動かないから手動で運ぶしかない
そうこうするうちに弱い女子供年寄りから死んでく
目の前に食料があるのに、医療装置があるのに
エネルギーが無くて大勢の人が死んで、
寒さが致命傷になる北半球で体力の問題で脱出できず
さらに大勢が死んで、それらの合計が10億人
そして、それでも連合は大勢の人を救った頑張った方なんだよな
375:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 11:13:21 Xh9MCnk9
……不謹慎な喩えだけど、今回の新潟の地震の後、
何処からも救援物資が届かず、ずっとライフラインが復旧しなかった状態を考えればわかりやすいよな。
しかも、ヨーロッパの冬は日本よりずっと厳しいし……。
376:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 11:22:52
>>375
夏は夏でフランスじゃ暑さで体の弱い人が何人も命をおとしてるし
>>374
共産主義者の大量虐殺記録を軽く更新してるコーディネイター…
377:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 12:48:13
「誰かの陰謀とプロパガンタ」のせいというのは、実はとても優しい結論だ
その誰かに責任を転化すればよい
「陰謀も無く、世界が現実に地獄」である、というのは実に単純であるように見えて
構造が単純であるだけ、その地獄が強調されて恐ろしく、また悲劇的だ。
失った命の総数という点でも、その総数分の悲劇・苦しみ・恨み・仇・怨恨が生まれるという点でも、
そしてそれらが実に正当なものであるという点から見ても、特に悲劇的だ
378:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:31:45
しかしその怒りをぶつけるべき正当な相手は遥か宇宙の彼方…
故にそれらの矛先は同じ被害者である筈の地上のコーディに向かい、
更なる憎しみの連鎖を生み出したわけだ。
…もし、地上の指導者の中にコーディ嫌いで無く冷静な者が居れば、
行き場を失った彼等を受け入れ自らの勢力の拡大を図ったのではないだろうか?
具体的にはもしC.Eにもエスタルドがあったらルクスならそれ位やってくれるんじゃないかなぁと。
379:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:40:27
「受け入れる」って単純に衣食住考えても大変だよね
380:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 21:45:44
そもそも通信も交通もNJで途絶してるよね。彼らをどうやって見つけるのか?
見つけてどうやって運ぶのか?
381:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 22:08:56
エネルギーだけならオーブの設定(火山を使った地熱発電が主流云々)を流用すればどうにか…
著しく信頼性には欠けるが作中で罷り通っちゃってるしww
通信は地続きなら有線を使えばどうにかなるか?
問題はやはり交通…
MSが電気で動いてる辺り自動車はじめ殆ど電気で動いてそうだし…
本編オーブの様に以前からコーディを大っぴらに受け入れてたなら向こうからやってくる事あるかも試練。
382:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 23:24:53
>>378
>…もし、地上の指導者の中にコーディ嫌いで無く冷静な者が居れば、
>行き場を失った彼等を受け入れ自らの勢力の拡大を図ったのではないだろうか?
つ青き正常なる世界の為に頑張る盟主王
その道は既にCE71年1月時点に、我々ナチュラルの国大西洋連邦と
アズラエルの姓を持つ地球の盟主王が踏破した道だッ!!
彼の英断によりコーディネイター技術陣を手に入れた大西洋連邦が
GATシリーズを筆頭にした新鋭機と、独自のナチュラル用OSの開発に成功したことは
意外と視聴者には知られているようで知られていない事実である
たいていの視聴者は、
本来必要な友軍である大西洋連邦側の情報をあえて出さずに
オーブのナチュ用OS開発を見せることで誤認させるという、恐るべき某負債のプロパガンタな演出描写によって、
オーブ…ひいてはキラががナチュ用OSの発生地点だと勘違いしているが、
公式設定ではそうなのである。
彼の英断によって連合が地上からプラントを叩き出す第一歩を踏み出せたと言っても
決して間違いではないのである
383:通常の名無しさんの3倍
07/07/18 23:43:39
その割にどこに使えばいいか迷いそうなくらい有能なソキウス達を、
非常に勿体無い方法で使い潰してましたがw>盟主王
384:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 00:21:08
ソキウスはさぁ
ぶっちゃけあの時点じゃ連合視点的にはヴェイアの次なわけよ
俺ら読者視点では、パーフェクト完成品ってわかるけどさ
作中的には安全性と信頼性に難ありだべ?
だから、ブーステッドマン・エクステンデット・ナチュ用OS
そしてスウェン達努力したナチュラル主体にシフトしていって
用済みになったソキウスは破棄されたり払い下げられたりしたわけで
ま、作ってみたら自発的にナチュラルのためになる行動を開始したから
そういう意味でも連合と盟主王は偉大だよね
なんせ、盟主王自らが犯したミスを自発的に修正してくれる完成体ソキウスを
世に放つことになったんだから。しかもメンテナンスフリーかつフォローもばっちり
385:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 00:27:01
まさに人類は、自らの「戦友(ソキウス)」を手に入れたわけですね
盟主王スゲーwww
386:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 01:14:26
でもそれってあくまで結果論じゃ…
……やべえ、主役その他で結果として良い方向に転んだ事例が思い浮かばねえww
387:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 19:40:29
種オンリーの話するなら相応のスレがあんじゃね?
388:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:05:01
話し変わるがどこのSSでもパーラまだ見たことないな。
389:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:22:50
三次になるが赤い2連星はダメか?
390:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 20:54:52
0
391:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 21:08:48
>>388
かつてガロティファパーラinCEのSSを構想したが……
展開が複雑化しそうになって袋小路に陥ったのは記憶に新しい。
ここのスレでパーラが登場しづらい原因は、やっぱり本編の登場回数が少ないからかな?
392:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:06:09
おっぱいでかいから
393:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:10:10
パーラ影薄いしな。
それにキャラ増やしすぎても書ききれない。種世界のキャラにガロード、ティファ、ニート、
フロスト兄弟あたり足すぐらいが限界だな。あまり出しても空気にしかならん
394:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 22:16:02
トニヤ、シンゴ、サラは出てきてもあまり印象に残らないよな、確かに。
その点、キッドの方がまだ使いやすいか。
395:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 23:24:48
まあ、シンゴには、ノイマン並み事ができるかもしてないから、
フリーデンIII(種バージョン)なんてのに乗せてもいいかな?
396:通常の名無しさんの3倍
07/07/19 23:40:34
>>395
X運命では操舵を握っていたが……
最近ではめっきり出番無し。
397:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 09:30:50
テクスはいいポジションもらってる事が多いのになあ。えらい違いだ
398:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 09:53:16
テクスは種にいなかった「若者を諭す大人」ってポジションに
一番いいキャラだからじゃないかな。
医者ということでどこにでも潜り込ませやすいのもポイントかもしれん。
399:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 11:01:25
何気に多芸だし、
400:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 11:18:53
Xが類を見ないほどの安心ガンダムであったのも
テクスとジャミルがしっかりと締めてくれていたからだな
401:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 16:54:55
テクスがいなかったら、Xの魅力は半分以下だ。
402:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 17:00:24
スタトレに喩えるなら艦内バーのおばさん。
ウーピー・ゴールドバーグだっけw
403:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 17:13:08
種死もああいう渋くて味のあるキャラがあればましだったな。
そもそもオッサンもオバサンもいない、青二才な面子ばっかだし。
404:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 19:18:03
歳をとるぐらいが取り得なおっさんはいたけど
405:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 22:58:41
つまり、せめて整備班長さんたちが、もうちょい頑張ってればって事か?
406:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:09:39
>>405
プロ意識を感じさせるシーンがなかったもんな~。
キッドみたいにドライバーで足ブッ刺せとは言わないけど、
補給を受けれない中で消耗部品をでっち上げるとかがあればよかったのに……
407:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:27:23
例えば自由が腕を飛ばされたら
次の出撃時にストライクとかM1の腕だったりって感じとかで
ギリギリ感とかも演出できるよな。
前の出撃から間がなくても物資が不足してても
次の時には全快してる不思議装甲だけど。
408:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:30:06
>>406
確かにな。08MS小隊やXのようにジャンクパーツを流用するシーンなんか無いしな。
種の連中はほんと工夫や努力が無いな。
409:通常の名無しさんの3倍
07/07/20 23:41:39
1stだって「ガンダムは使い過ぎだ」の台詞があるのに……
410:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 05:02:24
倉庫のXSEEDの3話目、16話になってね?
411:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 11:11:37
>>406-408
そんなことしたら作画陣が全滅します。
ただでさえ遅い脚本基準でスケジュールいっぱいいっぱいなのに、
バンクが使えない演出なんか不可能です。
アニメーターには罪はありません……たぶん
412:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 11:36:58
メカの醍醐味は戦闘シーンだけじゃなくて、
壊れる→直す
にあると思う。特撮だろうがアニメだろうが変わらない。
あまり関係ないが、整備士を主人公にした作品って少ないよな?
413:1
07/07/21 11:37:45
どこぞのSSでも「こういう場合、必ず右上から攻撃が来る」とか言って避けてるノイマンいたなあw
414:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 12:26:25
>>411
あの程度の練られてない脚本でも、
仕上がってくるのはギリギリだったらしいな。
豊富な予算は納期に間に合わす為に多くが消費されたとかw
415:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 13:40:32
>412
リアルメンテ屋からすると…
仕事が増えるから、なるべく壊れてくれるなとか思うわけで(=ω=)
メンテって部署は常に人手足りなさ杉なんです
416:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 13:42:26
あ、物資も常に足りてねぇですよ orz
417:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 14:15:18
>>413
それタリア艦長。理想郷の完結済み作品にでてた。
418:通常の名無しさんの3倍
07/07/21 16:12:28
>>412
そもそも種で修理中のシーンなんか極端に少ないしな。
砂漠で戦って砂ぼこりで汚れても無いっておかしいだろ。
さらにマードックやヨウラン・ヴィーノといったメカニックもないがしろだし
ラクシズは縁の下でがんばる人のことをわかってるのか?
てめーらの無茶を必死こいて支える人もいるんだぞと言ってやりたい。