もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら8at SHAR
もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら8 - 暇つぶし2ch284:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:04:39

 アークエンジェルの格納庫には役目を終えたνガンダムとストライクがハンガーに納まろうといていた。
 開放されたエアロックはそのままに、熱い外気を運んで来る。
 アムロがνガンダムから降りて来ると、目の下に薄っすら隈を作ったマードックが声を掛けて来た。

「―お疲れさんです!」
「マードック、大丈夫か?戦闘が始まった時には寝ていたのだろう?」
「ええ、お陰で寝不足ですよ」

 アムロが顔色を見て気遣う言葉を掛けると、マードックはくたびれた様子で首の後ろを摩りながら頷いた。
 その向こう側では、ストライクを降りて来たキラが、整備兵に声を掛けている姿があった。

「―整備、お願いします!―お疲れ様です!」

 キラは整備兵の一人に頭を下げると、二人の元へと駆け寄った。

「おう、坊主!あの状態で良く帰って来たな」
「でも、援護が無かったら、今頃やられてたと思います」

 マードックが声を掛けると、キラは軽く首を振って答えた。
 謙虚な姿を見せるコーディネイターの少年に、マードックは笑みを浮かべながら少年の背中を軽く叩く。

「何であれ、あの状態で良くやった。お前は病み上がりなんだし、体を休めろ」
「はい、そうさせてもらいます。ストライクをお願いします」
「言われなくてもやっとくさ」

 キラはそう気遣って貰えるのが嬉しいのか、軽い笑みを受けべて頷くと頭を下げると、マードックは頷いて応えた。
 ヘリオポリスからここまで、運命を共にして来たアークエンジェルの整備兵達は、コーディネイターであるキラの事を自分達の仲間として見ている者が多かった。それも懸命に戦い、アークエンジェルを守ろうとするキラの姿を知っているからだった。
 それはアムロも同様であり、通り掛る整備兵が二人のパイロットに労いの言葉を掛けては、自分の仕事へと戻って行く。
 そうしていると、カタパルトデッキの方からレジスタンスと警備兵が言い合う声が聞こえて来た。距離がある為、良くは聞き取れないが若い女性の声や野太い男性の怒鳴り声が聞こえて来ていた。

「……ザフト兵も艦内に来ている。外の連中の事もあるからな、念の為にコックピットをロックしておいてくれ」
「分かりました。エアロックもすぐに閉じさせます。おい、お前ら―」

 カタパルトデッキへと顔を向けたアムロが言うと、マードックは頷いて部下である整備兵達に指示を出し始めた。
 マードックが二人の元を離れると、アムロはキラの背中を軽く叩いて言った。

「さあ行くぞ、キラ」
「あ、はい!」

 カタパルトデッキに目を向けていたキラは頷くと、アムロと共にパイロットルームへと向かって歩き始めた。その途中、気に掛かる事があったのか、隣を歩くアムロに声を掛ける。

285:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:04

「……あの、アムロさん」
「どうした?」
「さっき、どうしてラクスがあんな事……したのか、僕には分からなくて……」
「俺にも聞かれてもな……詳しい事は分からないさ。ただ、今分かるのは、ラクス・クラインが戦闘を中止させる程の力を持っていた。と言う位の事だな」

 アムロはキラの質問に対して、ラクスの行動がどうして行われたかなど、アムロが事実を知る訳は無く、一度首を振ると、ラクス・クラインと言う少女が、どれだけの力を持っているのかと言う事のみに対してだけ言及した。

「……それをラミアス艦長が利用した……んですか?」

 キラは少し俯くと苦々しい表情で言い難そうにアムロに聞き返した。
 ここまで共に苦楽を共にして来たマリューが、ラクスを人質として使ったのではないかと、キラが疑念を抱き始めているのにアムロは気付いた。

「……そう言う事か……。脅迫したのか、それとも自主的にラクス・クラインが行ったのかは知らないが、ラミアス艦長に他意は無くとも、そうさせてしまったと言う事は事実だからな。俺としては何とも言い兼ねるな」
「でも、それって人質と……同じじゃないですか……」

 苦々しい表情のままキラは顔を上げて言った。
 キラと言う少年は多感な思春期に有りがちなナイーヴな面を今まで、多々見せる事が多かった。だが、そのナイーヴさは、戦う者として諸刃の剣にも成りうる。その危険さを知るアムロは、考え過ぎるなと言わんばかりに突き放す言い方をする。

「……だとしても、起きてしまった事を無かった事には出来ない。真相はブリッジに行けば分かるさ」
「……そんな!?」

 キラはアムロの冷たい言い様に、思わず顔を強張らせ足を止めた。
 アムロは一瞬、振り返りはするが、そのまま歩き続けながら低めの声で言う。

「……キラ、お前は敵側であるラクス・クラインと関わり過ぎている。俺と同じ事を繰り返すつもりか?」
「……えっ!?……同じ事って?」

 キラは驚いて小走りでアムロの隣へと並び、横顔を見詰める。
 アムロは真っ直ぐ前を見据え、歩みを止める事無く、ゆっくりと話し始める。

「……俺は一年戦争当時、同じニュータイプだったララァ・スンを殺している……。彼女は軍人だったとは言え、殺してはいけない人だった」
「……僕とラクスが……同じとでも言うんですか?」
「ラクス・クラインはハロを持って居た。何かしらの関わりが有っても可笑しくは無い。今は民間人だとしても、この先、敵対する可能性が無い訳では無いだろう」
「ラクスは……そんな事……」

 キラはそう言うが、アムロの言う通り未来の事など分かりはしない。ましてや、ラクスはアスランの婚約者である以上確信が持てず、言葉を続ける事が出来なかった。
 顔を伏せながら歩くキラに、アムロは苛立ちを隠しながら言う。

「僕はキラに同じ道を辿って欲しくは無い。関わり合うなとは言わないが、敵対する国の住人である以上、線は引いて置いた方が良い」
「僕だって……ラクスを殺したくなんか無いですよ……」
「全てが起こってからでは遅す過ぎるんだ」

 様々な戦いを経験し、殺してはいけない人を殺めてしまったアムロの言葉がキラに圧し掛かる。

286:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:31

「……アムロさんは、その……ララァさんの事を……後悔しているんですか?」
「……今でも夢に出て来る。敵とは言え、互いを分かり合えた存在を殺してしまったのだからな……。だからこそ、ララァに母親を求めたシャアは、隕石を落としてまで俺と決着を着けたがったのさ……」
「……そんな事って!」
「νガンダムの中で見ただろう?……全て事実だ」

 たかが女性一人の復讐の為にシャアと言う人は地球に隕石を落とすなど、普通ならば到底考えられないが、アムロが言う様に、ヘリオポリスでνガンダムのコックピットで見た戦闘記録は事実であり、キラは現実にあった事なのだと絶句する他無かった。
 そうして居ると、あまりの事に言葉が出て来ないキラに向かって、アムロが徐に口を開いた。

「考え過ぎかもしれないが、キラに取っては、アスラン・ザラがシャアに当たる人間なのかもしれない。気をつけた方が良い」
「……アスランが!?」
「嫌な言い方になるが、全てに可能性が無い訳じゃ無い。戦っている以上、敵である事には間違いないのだからな」

 既にキラはアスランと戦い、完全な敵対関係となっている。それを否定する事はキラ自身、出来る訳も無く、アスランがシャアと言う人物に当たらないとしても、アムロの言う事は正しく現実の事なのだ。
 アムロの過去と自分の未来が重なる可能性が有ると思うと、キラは気が重くなった。そして、そうは思いたくないと、躊躇いがちに床を見詰めながら言う。

「……そう……ですね。でも、ラクスやアスランが、ララァさんやシャアって言う人と同じだとは思いたく無いです……」
「ああ、キラは僕では無いからな。……同じ事になるとは限らないさ」
「はい。……嫌な事聞いてしまって済みませんでした」

 アムロは静かに応え、元気を出せと言わんばかりに片手でキラの背中を押した。すると、キラは顔を上げて頷き、アムロに対して心から謝罪した。
 二人は格納庫の扉を出て通路に来た所で、キラは思い出した様に呟く。

「そう言えば、あの……レジスタンス……」
「ん?ああ。戦闘中に出て来た事を考えれば、俺達に恩を売ってザフトを討たせようとしたんだろうが、当てが外れたと言った所なのだろう」
「もしもあの時、僕がレジスタンスの指示に従っていれば、彼らはザフト軍から開放された……んですか?」
「いや、それは無いだろう。あったとしても一時的な物だ。どこかの国なり組織がバックが付いているなら話は別だろうが、民間の寄せ集めが正規の軍隊に勝てる程、戦いは甘くは無いさ」
「それなら僕達が彼らの助けてあげても……」

 キラはアムロに訴えるかける。が、アムロは未だ軍人としては甘すぎる考えをするキラを善しとは思わなかった。
 アムロは歩みを止める事無く、キラに向かって告げる。

「……突き放す言い方をするが、俺達は正義の味方じゃない。軍人となったキラが気に留める必要は無いんだ」
「―そんな!」
「自分の正義感だけを振りかざして戦うな。軍と言う組織はそう言う所だ」
「それじゃ、彼らを見捨てろって言うんですか!?」

 アムロの言葉にキラは信じられないと言う表情で叫んだ。
 軽く溜息を吐いたアムロは、足を止めて振り返ると淡々と語り始める。

287:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:56

「……悪く言えばそう言う事だ。泡良く俺達が彼らを助け、ザフト軍から開放したとしても、俺達が出て行けば無政府状態となる事を避ける名目で他国の軍が介入して来る可能性もある。上手く自分達で臨時政府を樹立したとしても、派閥や利害から内戦が起こる可能性も高い。
 彼らは彼らの目的の為にしか動いてないのだから、政治が安定するまで連合軍が駐留する事になれば、それを良しとしない別のレジスタンスが組織される可能性も否定出来ない」
「……それじゃ、戦いなんて終わらないじゃないですか!」
「だからこそ、人のエゴを押さえ込むだけの力が必要となるんだろう。キラは自分がストライクに乗り、何故、軍人として戦って居るのか考えてみると良い」
「……エゴを押さえ込むって……、その為に戦うなんて僕には……」

 キラは唇を噛みながら呟いた。
 アムロは悔しそうな表情を見せるキラに向かって言う。

「キラ、その人間が地球さえ破壊するんだ。だからこそ、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろう」
「……シャアと言う人みたいにエゴで隕石を落とそうとするなんて、僕は考えたくも無いです」
「……でなければ、俺だってシャアと戦って無いさ。俺は奴程、急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない。必ず人類は乗り越えて行けるさ」
「……僕だって、そう思いたいですよ」

 アムロは一瞬、厳しい目付きを見せると髪を掻き上げ、再び歩き始める。その後を追う様に歩き始めたキラは呟く様に言った。
 空気が固まった様な雰囲気の中を二人は歩いて行く。
 徐々に冷静になって来たキラは、アムロに対して物凄く生意気な言葉を言ったのではないかと後悔をし始めていた。しかし、口に出さなければ何も通じない。
 キラは躊躇しながらも前を歩くアムロに声を掛けた。

「……あっ、あのアムロさん……す、済みません……生意気な事を言って……」
「気にしなくて良い。実際の所、この世界の人間では無い俺が、戦いに介入して良い物なのかと、色々と考えさせられる事も多いからな」

 謝罪をして来たキラに、アムロは首を振って応えると、足を止めてキラが隣に来るのを待った。
 キラはアムロの隣に来ると、ゆっくりと口を開き、共に歩き始める。

「……でも、アムロさんが居なかったら、今頃どうなっていたか分からないです……」
「それは買い被りすぎだ。俺は今を生きる為に行動しているにしか過ぎない。この世界を良い方向に導くのは元からこの世界に住む、キラ、お前達の役目だろうに」
「……世界を良い方向に?……僕達の役目……ですか?」
「ああ。本来なら俺が介入すべき事では無いはずだからな」

 意外な言葉にキラは目を丸くすると、アムロが前を見据えたまま言った。
 だが、そのアムロでさえ、この世界に放り込まれ、既に本来の流れさえ変えてしまっている事に気付きはしない。
 キラは共にここまで一緒にやって来たアムロが、その様な言葉を言う事に一抹の寂しさを感じて聞き返す。

「……あの……それは、アムロさんも一緒にじゃ、駄目なんですか?」
「そうしなければならないのなら、俺もそうするさ」
「……出来ると思いますか?」
「……気休めでも出来ると信じなければ、何も出来ないだろう」
「……そう……ですよね」

 アムロの言葉にキラは頷くと、真っ直ぐ前を見据えて歩いて行く。
 キラはこの時を境に友達、仲間を守ると言う戦いだけでは無く、人類を守る為の戦いを少しずつ考え始める様になる。

288:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:12:34

 窓の外には街の灯りが瞬いていた。そこには多くの人達が集い、楽しんでいるのだと容易に想像がついた。
 ベッドに腰を掛けたアスランは、既に夜となった窓の外を眺めていた
 フレイに見送られ、軍病院から戻って以降、パトリックの言い付けを守り自室で謹慎に入っていた。頭の中では今までの事が思い出されたが、その度にフレイとニコルの顔が思い出された。
 理由は至極簡単で、病室を出た後、落ち込むアスランをフレイが勇気付けたのと、ニコルが本気で怒ったのでは無いのだと聞かされた事が原因だった。それが無ければ、今頃、自分は暗い思考の中を彷徨っていただろう。
 何であれ、今は感謝し切れないほどフレイとニコルには恩を感じていた。
 その時、来客を告げるチャイムが鳴った。

「―はい」

 アスランは立ち上がって扉の所まで行き、コンソールパネルに有るボタンを押すと、空気が抜ける音と共に扉が横へとスライドする。
 驚いた事に、そこにはクルーゼが立っていた。
 アスランは慌てて敬礼をする。

「―た、隊長!?……失礼しました!」
「うむ。失礼するがいいかな?」
「―は!散らかっておりますがどうぞ。それから……」

 アスランはクルーゼを部屋へと招き入れると、来客を持て成す物が一切無い事に気付き、バツが悪そうな表情を見せた。
 クルーゼは殺風景な部屋を一度見回すと、苦笑いを浮かべる。

「アスラン、気遣いは無用だ」
「―は!それにしても隊長自ら、何故、ここに?」
「それはユウキ隊長から話を聞いてな。事の内容を確かめに来た」
「……はい。あ、椅子をどうぞ」

 クルーゼはここに赴いた用件を言うと、アスランは頷く。そして、立ったままなのに気付き、クルーゼに椅子を勧めた。
 椅子へと腰を下ろすとクルーゼは口を開いた。

「うむ、ありがとう。君も楽にしてくれ。……それでだが、ユウキ隊長はラクス・クライン嬢が事の原因ではないかと言っては居たが、話を聞けばその戦場にはアークエンジェルも居たと聞く。どうなのだ?」
「……はい。キラ・ヤマトと戦いました」
「その結果、ニコルを含む多数の死傷者が出たと言う訳か」

 立ったままのアスランは、問いに対して事実通りキラ戦った事を告げると、クルーゼは足を組み問い返した。

289:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:03

「……はい」
「それで君は、友人のキラ・ヤマト君を倒すつもりはあるのか?」
「……それは勿論―」

 素直に答えるアスランにクルーゼは徐に質問をした。
 その問いにアスランは口を開くが、言い掛けた所でクルーゼの口から出た言葉が遮る。

「―彼の乗るモビルスーツ、ストライクと言ったか?あのモビルスーツに因って、私の部下であるニコルが傷付けられた。君は昔の友人と今の仲間、どちらを取るのだ?」
「……それは勿論、今の仲間を取ります」
「……そうか。ならば、これからも戦えるな?」
「はい」

 優秀な部下の選択にクルーゼは笑みを湛えて聞き返すと、怪我を負ってまで自分に気を使うニコルの事を思い、アスランは頷いた。
 その様子を見たクルーゼは、まだアスランは使えると判断すると皮肉交じりに言う。

「ならば、お父上の期待を裏切らぬ為にも今まで以上に働く事だ。それで処分についてだが……」
「どの様な処分も受ける覚悟は出来ています」
「……ほう、ならば話は早い。形ばかりではあるが少しの間、独居房の中に入ってもらう」
「……はい。しかし、それだけで済まされる様な罪では無いと……」
「うむ、その通りだ。然るべき時に任務と言う名の罰を与える」

 クルーゼから出て来た言葉にアスランは唖然とした。それは、独房で拘束される以外は通常の任務と変わらない内容なのだ。
 報告など握り潰す事など厭わない父に因って決定されたのではないかと、釈然としないアスランはクルーゼに抗議する。

「しかし、それでは!」
「分からないのか?私は君がパトリック・ザラの息子だからと言って、甘やかすつもりは毛頭無いぞ。君は死んでいった者達の為に死を覚悟した方が良い。理解出来たか?」

 恐ろしい程、冷たく笑みを湛えるクルーゼの口から出て来る言葉に、アスランは恐ろしい何かを感じた。
 だが、それだけの罪を自分自身は背負っているのだから、どの様な任務を与えられようと頷く以外には無い。

「……分かりました」
「それでは明朝〇九〇〇時、軍本部に出頭し、後に独房入りとする」
「アスラン・ザラ、了解しました!」

 クルーゼは立ち上がって命令口調で告げると、アスランは背筋を伸ばして命令を受領する。
 アスランはこの先、自分の手が何を行うのかさえ知る事は無かった。

290:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:29

 砂漠では日が徐々に高くなり、落ちる影を短くしていた。
 空調の利いたアークエンジェルのブリッジでは停戦協定調印が済んだ事で乗組員達の中には、安堵の表情を浮かべて居る者たちさえあった。
 ブリッジの扉が開き、制服姿のアムロとキラが入って来た。その二人を見たバルドフェルドが口元に笑みを浮かべた。

「ようやく御出座しか」
「えっ!?……あ、キラ」

 ラクスは振り向いてキラを見詰めるが、当のキラはアムロと共にムウやナタルと挨拶を交わし、何やら話し込んでいるようだった。
 そうして居るとキラは一人離れ、マリューの元へと歩み寄って行く。勿論、ラクスは傍マリューの居るのだから、近くを通る事と成る。
 キラは歩いて来る途中、少しだけラクスに目を向けるが、強引に唇を奪ってしまった負い目から直ぐに目線を外した。そして、立ち止まるとマリューに声を掛けた。

「あの、ラミアス艦長、お話があります」
「なにかしら?」

 バルドフェルド達が居る事もあって、マリューは立ち上がると、キラに通路へ行くようにと促した。キラは頷き、踵を返してブリッジの扉へと向かって行く。
 マリューは「失礼」と言って席を離れるが、一応のザフト側にラクスを拉致させない為に、その場にラクスを残そうとはせず、ナタルと共にラクスを引き連れてブリッジの外へと向かった。
 扉の外で待つキラの表情はかなり険しく、マリューは扉が閉まるのを待って、躊躇いがちにだが用件を聞く為に声を掛けた。

「……何かしら?」
「あの、ラクスを……ラクス・クラインを人質として使ったんですか?」
「それは―」

 キラの口から出て来た言葉にマリューは、結果的に人質と同じと採られても仕方が無いかと感じつつ、事の顛末を話そうと口を開くが、ナタルの一喝がそれを遮る。

「―ヤマト少尉、口を慎め!」
「―だけど!」

 キラはナタルに向かって怒鳴るが、それで気が収まる気配は見せてはいなかった。
 ラクスは自分が止めなければと、キラを止めようとする。

「キラ、違うんです!」
「―ラクスは黙ってて!」

 キラはラクスに怒鳴るが、ラクスも必死に食い下がった。

「―キラ、お願いですから聞いてください!ラミアス艦長は私のお願いを聞いてくださっただけなのです!」
「―!……っ」
「……お願いです……だから……」

 ラクスの言葉にキラは息を飲むと、苦々しい表情を見せた。懇願するラクスの視線がキラに突き刺さる。
 ナタルとて、この様な事態になってしまったのは仕方が無い事ではあるが、本来は喜ぶような事では無いのだ。
 居た堪れないであろうキラに同情しつつ、ナタルが静かに声を掛けた。

「……分かったか、ヤマト少尉」
「……ラミアス艦長、……済みませんでした」

291:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:53

 キラは少しだけ頷くとマリューに頭を下げて踵を返し、ブリッジの中へと向かおうとした。
 マリューこの様な選択肢を選んでしまった事もあり、自分の不甲斐なさも相まってキラの背中に向かって言った。

「……こんな事になってしまって、ごめんなさいね」
「……いいえ」
「あの……キラ」

 キラは扉を開けようとスイッチに手を掛けると首を振って応えると、ラクスが呼び止める。しかし、キラは「……ごめん」と言って、扉を開けてブリッジへと入って行った。
 ラクスにはキラが言葉が何に対しての謝罪であったのか理解が出来ず、寂しそうな顔を見せた。
 通路に居た全員がブリッジに戻るとマリューは椅子に腰を下ろし、社交辞令としてバルドフェルドに謝罪をした。

「……お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「いいや。それで、あの少年がストライクのパイロット?」
「それはお答えしかねます」

 バルドフェルドは首を振り、アムロやムウと共に離れた位置に立つキラを見て質問すると、マリューは真面目な顔をして答えた。

「まあ、そんなケチな事を言わないで欲しいな。そして、あっち彼がνガンダムとかって言うモビルスーツのパイロットだろ?声で分かるさ」

 肩を竦ませてバルドフェルド言うと席を立って、アムロとキラの方に歩み寄って行った。そして、最初にキラの前へと立ち、声を掛けた。

「少年、良い目をしてるな。アンドリュー・バルドフェルドだ。名前は?」
「……答える必要があるんですか?」

 キラの厳しい視線がバルドフェルドへと向けられる。キラに取っては、バルドフェルドはアークエンジェルの敵であり、ラクスを攫って行く存在でしかなかった。
 バルドフェルドは微かに微笑むと、手を差し出して言う。

「こっちが名乗ったんだ。礼儀として、教えてくれても罰は当たらんだろ」
「……キラ……キラ・ヤマト……少尉です」

 キラは嫌そうな顔をすると、仕方なく自分の名前を口にするが、決してバルドフェルドの差し出した手を取ろうとはしなかった。
 バルドフェルドは肩を竦めると手を下げてキラに問い掛ける。

「……キラ・ヤマト少尉、君はコーディネイターだろう?」
「―!……コーディネイターが地球軍に居ては可笑しいですか?」
「……いやいや、そんな事は無いさ。ただ、理由を知りたかっただけさ」
「僕はあなたに言うつもりはありません」
「フッ。そうか、まあ良い。少しの間、よろしく頼む」

 キラは敵意むき出しの視線を向けて答えるが、バルドフェルドは余裕を見せ付ける様に軽く笑みを浮かべながらキラに応え、次にアムロの方へと足を向けた。

「アンドリュー・バルドフェルドだ。さっきの戦い振りは見事だった。正直、死ぬかと思ったさ」

 バルドフェルドはつい数時間前に戦ったアムロに手を差し出しながら言った。
 アムロは肩を竦めると、その差し出された手を取り握手を交わして応える。

292:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:14:18

「アムロ・レイ大尉だ。まさか、指揮官自ら出て来るとはな……」
「いやいや、君の戦い振りを見ていたら気が抑えられなくなってな。君もストライクの……キラ・ヤマト少尉同様、コーディネイターかい?」
「知る意味があると言うのか?」
「あれだけの戦いをする相手の事を知りたくもなるのさ」

 アムロが問い返すと、バルドフェルドは真っ直ぐ見据えながら答えた。
 一瞬、アムロは素直に答えていい物なのかと、ムウの方に目線を投げるが、そのムウは虎の事を驚かせてやれと言わんばかりにニヤケた表情を見せていた。
 アムロは溜息を小さく吐くと、バルドフェルドに向かって告げる。

「……君達の言う所のナチュラルだ」
「―!?……これはまた……面白い言い方をする。……突然変異とでも言うのかな?それともOSの力か?……違うな、あの判断力に操縦技術、天性の素質とでも言えば良いのかな?」

 バルドフェルドはキラと同じコーディネイターと思っていたのだろう。顔を強張らせながらも面白い物を見つけたとばかりに、興味深々の様子で語りかけて来た。
 アムロはこれ以上答えるつもりは無いと言う様な感じで答える。

「……どうとでも取れば良いさ」
「……君は恐ろしい男だな」
「―ねえ、アンディ。私も良いかしら?」

 バルドフェルドは眉間に皺を寄せ目を細めて呟くと、後ろから声が掛けられた。
 振り返るとアイシャが歩み出て来て、パートナーの傍へと立った。バルドフェルドは頷き、アムロにアイシャの紹介を始める。

「ああ、構わんよ。一度見て分かっていると思うが、アイシャだ。ラゴゥの砲手をしている」
「よろしく、アムロ・レイ大尉」
「ああ、こちらこそ」

 アイシャははにかむ様な表情でが手を差し出すと、アムロはその手を取って握手を交わした。
 そして、手が離れるとアイシャが微笑を湛えたままの目を真っ直ぐ向けながら言った。

「あなた、嫉妬しそうなくらい強いわね」
「……偶然だろう」
「私には分かるの。あなたは強いわ。休戦の間は仲良くしましょう」
「……そちらが協定を破らなければな」

 楽しそうに言うアイシャに、アムロは真面目な顔を向けて応えた。
 アイシャは少し首を傾けて話し始めると、バルドフェルドの方に顔を向ける。

「大丈夫よ、アンディは約束は破らないもの。あなた達と正面から戦いたいんだから。ねえ、そうでしょう、アンディ?」
「まあ、そう言う事だ。今のうちに修理はしておいてくれ。君達とはつまらん戦いをしたくないからな」

 バルドフェルドは不敵な笑みを湛えると、頷いてアークエンジェルのパイロット達に向かって言った。

「―待ってください!命の恩人に対して、その様な事、私は許しません!私がここに居る限り、攻撃などさせませんわ!」

293:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:14:38

 ブリッジにラクスの声が響き、その場に居た全員の目がラクスへと注がれた。
 ラクスの表情は、ザフト軍の者達に取っては、モニターで見知っている穏やかな物とは違い、驚く程、真剣な物だった。
 プラント最高評議会議長の令嬢の言葉に肩を竦ませると、諦めを含んだ軽い口調で言う。

「フッ、と言う事だ。僕は次の機会がある事に期待するしかない訳だ。まあ、こんな機会も中々無いからな、今の間だけでも仲良くしようじゃないか。ラミアス艦長、こちらから食料と水、その他の物資を供給させてもらおう」
「―えっ!?……どうしてですか?」
「君達はラクス嬢の命の恩人なんだろう?毒を盛ったりするつもりも無い。歌姫からの感謝の気持ちと思って受け取ってくれ」
「……お気持ちは有り難いですが、しかし……」

 マリューは眉を八の字の様にして、見るからに困った表情を浮かべていた。
 そこへムウが助け舟を出すかの様に声を掛ける。

「攻撃して来ないって言ってるんだし、向こうが申し出てんだ。良いんじゃないの?」

「フラガ大尉!?」
「最も、毒を盛られたり、奇襲されなけりゃな。そうだな……、医者を遣して貰えるか?そっちの軍医とかはやめてくれ。何をされるか分からん」
「……分かった、腕の良い町医者を送らせる事にする。ただし、ラクス・クラインのDNA鑑定は軍医を使わせて貰う。さて、こちらからも頼みがあるんだが、聞いて貰いたい」

 ムウの要求に頷くと、バルドフェルドはささやかな願いを聞き入れる様、アークエンジェル側に申し込む。
 マリューは困った表情のまま聞き返した。

「……何でしょう?」
「君達を私の屋敷に招待したい。食事でもどうかな?」
「……それはいくら何でも」
「無理か?それなら俺がこっちに来よう。食事じゃなくても良い。どうだい?」
「……理由が分かりません。どうしてですか?」

 マリューはバルドフェルドが何を考えているのか分からす聞き返した。
 腰に手を当てるとバルドフェルドはマリュー達に取って、意外な言葉を口にする。

「ああ、彼らと話してみたいのさ。この戦争の事をね。こんな事がなければ、お互い話す機会なんてないだろう」
「……はぁ。……いきなりドカン!なんて事は無いんだろうな?」
「勿論だ。歌姫に誓って約束しよう」

 ムウは毒気を抜かれたのか、これ見よがしに溜息を吐いて言うと、バルドフェルドは頷いてラクスを顎で指して答えた。
 マリューは砂漠の虎と呼ばれる男が少なくとも約束を守る人物だと理解すると、機嫌を損ねるのも不味いと思い、一応、制限の中でなら許可する事にした。

「……見張りを立てて入れる場所を制限しますが、良いですね?」
「ああ、構わん。そっちがいきなりズドンとやらなければな」
「分かりました」
「感謝する」

 バルドフェルドは満足そうに頷くと感謝の言葉を口にした。
 そうして居ると、空気の抜ける音と共にブリッジの扉が開き、アークエンジェルの警備兵に挟まれる様にして金色の髪をした少女と、褐色の肌をした長い髪をした大男、髭を蓄え、がっちりとした体格の中年男性が入って来た。

294:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:15:01

「失礼する、艦長はいるか?」
「レジスタンスの方々ね。私が艦長のマリュー・ラミアス少佐です」

 金色の髪の少女―カガリが問い質すと、マリューは立ち上がって数歩前へ出て応えた。
 その様子を見ていたアムロが、ムウに小声で聞いた。

「どうしてレジスタンスがブリッジに?」
「ああ、やっこさんが連中に味方が居ないってのを分からせる為だろ?」
「……そう言う事か。しかし、それではこちらが攻撃対象にならないか?」
「いやぁ、有り難い事にさ、ピンクのお姫様が居る間は俺達の事を守ってくれるそうだ」

 ムウは顎でバルドフェルドを指すと、アムロは納得した表情を浮かべながらも聞き返した。すると、ムウは頭を掻きながらアムロに答えた。
 そうして居ると、レジスタンスの一人、髭を蓄えた中年男性―サイーブ・アシュマンが、マリューを睨みつけながら口を開いた。

「……おい、どうしてザフトへの攻撃を止めたのか、聞かせて貰いたいもんだな?」
「我々はあなた方と協力関係にある訳ではありません。一方的に押し付けられる云われは無いと思いますが?」
「……なんだと!?」

 マリューの返答にサイーブの隣にいたカガリがいきり立った様に睨み付けた。
 カガリの後ろに居た褐色の肌をした大男―キサカが、カガリに小声で語り掛ける。そのカガリは顔をマリューの後ろに座る男へと向けると強張った表情へと変化させた。

「―あっ!?……おい、サイーブ!」
「どうした?―砂漠の虎!?……どうてここに奴が居る!?」

 呼び掛けられたサイーブは、カガリの指す先に敵であるバルドフェルドが居る事に絶句した。
 バルドフェルドは椅子に座ったまま、レジスタンスの三人に向かって声を掛ける。

「これはどうも、レジスタンスの諸君。名乗らなくとも、僕の名を知っているんだろ?」
「貴様!一体、どう言う事だ!?」
「どうもこうも、彼らと停戦したのさ。停戦が終わるまでは、彼らは君達の味方にはならんよ」

 サイーブは自分達の宿敵の親玉を睨み付けたまま怒鳴り声を上げると、その親玉であるバルドフェルドは薄ら笑いを浮かべて答えた。

「……停戦……だとっ!?」
「それは本当なのか!?」
「……ええ、本当です。因って停戦期間が終了するまで当艦は、あなた方とは協力する事はありません」

 サイーブが絶句する中、カガリがマリューを睨みながら問い質した。
 そのマリューは小さく溜息を吐くと、割り切った様に胸を張って答えた。

「―くっ!……お前達、そんな卑怯者と手を組んで恥ずかしく無いのか!」
「……卑怯者とは酷い言われようだな。まあ、何と言われようが知った事では無いがね。まぁ、とにかく、この艦に手を出せば、君達はザフト、連合両軍から攻められる訳だ。分かったかい?」

295:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:15:23

 カガリの言い様に、バルドフェルドはおどけた様子を見せるが、その口から出て来る内容は完全に脅しである事に間違いは無かった。
 サイーブはバルドフェルドを睨みつけながら唇を噛んだ。アークエンジェルに入る時に武器を取り上げられてなければ、今すぐにでも撃ち殺したい程だった。

「……くぅぅ」
「何なら、君達もこの停戦に一口乗れば良いじゃないか。そうすれば、数日間はお互い平和に暮らせる。どうだい?」
「―卑怯者がふざけるな!」
「ハッハハ!いやぁ、元気がいいね。そうでなくてはな」

 軽い口調で話すバルドフェルドに向かってカガリは怒鳴り付けた。
 しかし、バルドフェルドに取っては、気にする程の事でも無いのだろう。笑ってカガリの威勢の良さを褒める程だった。
 怒りを治める事の出来ないカガリは喰って掛かる様に数歩前へ足を出した。

「―何が可笑しい!」
「いや、これは失礼、お嬢さん」

 バルドフェルドは肩を竦めると笑いながらカガリに謝ったが、そのカガリは警備兵に前を塞がれ、それ以上バルドフェルドに近付く事すら不可能となっていた。
 レジスタンスに対する警告を終えたバルドフェルドは席を立つと、マリューに声を掛ける。

「さて、我々はお暇させて頂こう。医者は夕方にでも寄こさせる。DNA鑑定は明日と言う事で、今日は戦いの疲れを取ると良い」
「分かりました」
「それでは失礼する」

 マリューが頷くと、バルドフェルドは部下を伴って扉へと歩き始めた。勿論、警備兵も伴っており、カガリ達が手を出せば、瞬く間に命は無くなるだろう。
 扉が開き、出て行こうとするバルドフェルドに向かってカガリが吼える。

「逃げるのか!?卑怯者!」
「……お嬢さんは口が過ぎる様だな。憶えておくと良い。君達が抵抗する程、犠牲者も迷惑する人間も増えるって事をな」

 バルドフェルドは呆れた様子で振り返ると、表情を一転させ、険しい表情でカガリに向かって言い放った。その雰囲気は正しく虎と言われる者らしく、恐怖を感じさせた。
 カガリはバルドフェルドを睨み付けたまま、言葉を発する事すら叶わなかった。
 そして扉は閉じられるのだった―。

296:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:03

 プラント本国、ザフト軍本部施設周辺の明かりは僅かな外灯が点るのみと成り、深夜が近い事を感じさせていた。
 だが、ザフト軍本部は眠る事は無い。例え、深夜に成り施設内部の人員が減ったとしても、その活気は然程変わる事は無かった。
 その施設内、相も変らぬ薄暗い執務室で、パトリックは新型モビルスーツの計画書に目を通していた。
 内容と言えば、地球軍から奪取したモビルスーツの性能をも取り込み、行く行くはザフトの守護神と成るべき機体の計画が記されている。今だ計画段階であって、様々な問題を抱え、装備やそのシルエットすら確定してはいない状況ではあるのだが。

「―失礼します」
「……クルーゼか」

 突然、扉が開きパトリックは目を細めた。
 クルーゼは部屋に入りパトリックの前までやって来ると、徐に口を開いた。

「アスランと会ってまいりました」
「……それがどうした」

 パトリックは眉を顰め、クルーゼを睨み付けた。
 帰還したユウキが原因とは言え、パトリックが握り潰したアスランの一件が危うく穿り返されそうに成ったのだから、不機嫌にも成ると言う物だった。

「彼に対する罰ですが、明日から次の任務までの間、一先ず独房に入って貰う事としました」
「……どうするつもりだ?」
「……しかし、形だけの事です。そうでもしなければユウキと言う男は納得しないでしょう。収監記録は抹消させます」

 苦々しい顔で聞き返すパトリックに、クルーゼは静かに答えた。
 パトリックは手に持った新型モビルスーツの計画書を横に置くと、納得した様に言う。

「……そうか」
「アスランへの刑罰は任務と言う形で行います。そうでも言わなければ、本人が納得しないようでしたので……。しかし、与える任務を上手く使えば、閣下の望み通りに成るやもしれません」

 クルーゼは続ける様にアスランへの対処を口にすると、その口元に笑みを零した。
 パトリックは眉を顰めて聞き返す。

「……どう言う意味だ?」
「……最愛の婚約者を失った者が困難な任務を成し遂げる。……それが、次期議長のご子息であれば、美談として民衆は褒め称えましょう」
「……なるほど。だが、その使い所、ゆっくりとは待ってられんぞ」
「分かっております。しかし、作戦が終了したばかりですので、今すぐと言う訳んは行きません。使い所を私の方でも検討するつもりでいます。今しばらくお待ち頂けませんでしょうか?」

 パトリックの言葉にクルーゼは頷くと、アスランの使い所を検討する時間を貰える様に伝えた。

「……ならば、貴様に任せる。上手く使え」
「承知しております」

 パトリックは自分の息子を道具として扱う事を許可すると、クルーゼは静かに頷き踵を返した。
 執務室を出て行くクルーゼの目の端に、新型モビルスーツの計画書が目に映っていたのをパトリックは知る由も無かった。

297:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:32

 アークエンジェルのブリッジでは、バルドフェルド達が退出した事で、残ったらレジスタンス達との話し合いが始まっていた。
 レジスタンスの主張は、今すぐにザフト軍との停戦を破棄し共同戦線を張ると言う物だったが、船体とスラスターにダメージを残したアークエンジェルに戦闘は厳しい上、マリューは停戦協定もあって、一時、話し合いは平行線を辿っていた。
 少なくとも停戦が終了するまでは協力は出来ないと話すマリューに対し、ほとんど話す事の無かったキサカが停戦終了後に向けての話しを始めた事で、再び話し合いが再会され、マリュー、ナタルが話し合いを進めている所だった。
 それを見て居たキラが、徐にアムロに声を掛ける。

「……アムロさん、お願いがあるんですが」
「なんだ?」
「νガンダムの戦闘データ、見せてもらえませんか?」

 聞き返すアムロを見上げながらキラは言った。
 アムロは考える事も無く、疑問を口にする。

「……別に構わないが、どうしたと言うんだ?」
「……そんな大した理由じゃ無いんです。ただ、もう少し上手く立ち回れないかと思って。そうすれば、ストライクを壊す率も少なくする事も出来ると思うんです」
「……そう言う事か。俺は構わない」

 言い分に納得したアムロは快く頷いた。
 キラはアムロに礼を言うと、らしく行動に出る。

「ありがとうございます。それで……早目に確かめたいんで、今、出て行っちゃ不味いですか?」
「……いや、俺達は話し合いに参加している訳では無いからな」
「それじゃ、行きませんか?」
「ちょっと待てろ」

 アムロはキラを制止すると、ムウに声を掛ける。

「ムウ、席を外して構わないか?」
「ん?……良いんじゃないか?これなら寝てる方がマシだって」
「分かった。キラ、行こう」

 答えるムウにアムロは頷くと、キラを扉の方へと促した。
 キラは頷いた。

「はい」
「ちょっと待った。俺も行くわ」

 アムロとキラが歩き始めると、ムウが二人の方を掴んでつまらなそうな顔で言った。
 振り返ったアムロはムウに言う。

「ムウが離れるのは不味いんじゃないか?」
「問題無いでしょ、副長さんも居る訳だしさ。おい、トール、付いて来い」

298:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:52

 飽き飽きした表情でムウは言うと、小声でトールを呼び付けた。
 トールはすぐにムウの元へと駆け寄った。

「えっ!?なんですか?」
「いいから俺に付いて来い」
「分かりました」

 訳も分からずトールは頷くと、アークエンジェルのパイロット達は、そそくさとブリッジを後にした。
 最も、何人かはそれに気付いていたが、問題は無いだろうと誰も引き止める事は無かった。

「―?」

 少ししてラクスは、キラが居ない事に気付きブリッジを見回した。そして、席を離れミリアリアに声を掛ける。

「あの、キラが居ない様ですが?」
「さっき、アムロ大尉やフラガ少佐と一緒に出て行ったわよ」
「……私も出て行ってしまっては不味いでしょうか?」

 ラクスはキラに避けられている気がしてならず、どうしても話をしておきたかった。
 聞き返して来たラクスに、ミリアリアは自分では判断出来ず、チャンドラに聞いてみる事にした。

「……あのぉ、今、ラクスがブリッジを出るのは不味いんですか?」
「はぁ?……別に構わないんじゃないか?本当ならブリッジに居る方が問題なんだしさ」

 チャンドラは眉を顰めるが、すぐにミリアリアに返事を返して来た。
 ミリアリアはラクスに笑顔で応える。

「だって」
「ありがとうございます」

 ラクスはミリアリアとチャンドラに笑顔で礼を言うとブリッジを出て行こうとする。
 それを見ていたチャンドラがミリアリアに言う。

「だったら、ちゃんと部屋へ送って来てくれ。俺達に取っちゃ、大事なお客さんなんだからさ」
「……分かりました」

 ミリアリアはチャンドラの「大事なお客さん」と言う言葉に、少しムッとしながらも頷いて、ラクスと共にブリッジを後にした。
 この後、ラクスとミリアリアは少しの間、パイロット達を捜す事と成るだった。

299:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:17:36

今回は以上です

皆さん、こんばんわ!
至らない点があると思いまするが、何卒ご了承くださいまし
今回は妙にメリハリつける所が少なかったんで苦労ましたわ
つまんなかったらごめんなさい
とりあえずご飯食べまする |・∀・)ノシ デワデワ

300:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:23:58
乙でした。
キラ、子供らしい部分はあるものの、進歩の兆しが見えますね。
アスランは……悪い親と大人に振りまわされそうで心配です。

ラクスやAAクルー、そして虎は良い味出てると思います。
そして、カガリとレジスタンス、空気読め、ってところですか。

質量共に十分なパフォーマンスでした。
お仕事に差し支えないように、お体に気をつけてください。

続きを楽しみにさせていただきます。

301:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:24:07
あえて言おう、GJであると!!

302:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:34:03
98さん、ありがとう。読み応えたっぷり嬉しいです。

303:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:40:48
GJ!です。
氏が種の脚本書いて作り直してくれたらと……仕方のない夢想をしてしまいました。

お仕事に差し支えないよう、お体にお気をつけ下さい。
自分も続きを楽しみにさせていただきます。

304:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:41:07
俺がご飯食べてる間に来てたw
GJ!
うまい飯食ってくれ。

305:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:49:19
98氏Gj!
ここで虎とAA組が先に会談ってのは巧い。戦って遺恨が残っても乗り越えられる
説得力が出ているよー。

はいはいと敵の言う事を素直に聞くマリューさん、無能に見えて状況を読む力が
しっかりあるってことなのかな? そしてこの先ノイマンの神操舵は発揮されるのか。
wktkが止まりません。

306:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:59:39
GJとしか言いようがありません!
砂漠の虎との停戦に、アスランとフレイ、ニコルの関係、さらにはパトリックとクルーゼの陰謀
これからワクワクする展開が広がっていきますね!
御仕事もありますのでお体に無理をさせない範囲で頑張ってください

307:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:01:36
ホモの凸とスカスカの山猿テラウザスwwww
キラが自分の使命に目覚めようとしているとき、こいつら何やってんだと言いたい。


308:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:14:03
投下キタコレwwwご馳走様ですた

309:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:17:53
今読み終わった。GJ


310:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:18:10
GJなんだろうけど
ブリッジにはたとえ停戦中であろうと敵軍の兵士にしろゲリラにしろ入れるのはおかしいかと


311:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:26:00
まあ、普通会合はブリッジじゃやらんよなぁ
戦艦なら会議室か艦長室かってとこか?

312:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:17:30
>>311
寄港中とか平時ならそうだけど、警戒中とか有事で艦長・副長以下、
上級将校参加必須なミーティングなら持ち場を離れられないので艦橋でやることはある。
敵兵など第三者いれるかどどうかは駆逐艦など小船での事例しかないので何とも言えん。

313:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:23:11
キラが主人公しててワクテカが止まらないぜっ
一方で凸は着々とヘタレライバル化してる気がする
果たして巻き返しはあるだろうか?

314:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:34:41
>>313
まさしく、シャア化じゃないかぁぁぁ!!!

あ、98氏乙です。

315:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:40:42
98氏乙っす

>>314
「フレイは俺の母になってくれたかもしれない女性だった」ってか?シスコン成分が足りないぞw

316:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:44:36
>>315
それだとクルーゼがアムロにw

317:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:04:55
アムロとキラの会話がGOOOOOOOOD!

318:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:30:16
話の流れが自然だ……
細かい荒は探せば見つかるんだが、本筋が確りとしているためまったく気にならん。
まさにGOD JOB!!!!!!!!!!!


319:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:36:50
>俺は今を生きる為に行動しているにしか過ぎない。この世界を良い方向に導くのは元からこの世界に住む、キラ、お前達の役目だろうに
良いセリフだな~と思いました。98氏GJ!!

320:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:49:00 tEGc3X/c
何故だろう?虎さんが巨星に見えた

321:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:52:05
νの戦闘データは最初にチラッと見ただけだけど、ついに本格的に見せるのか?
あ、でもいま地上だから見るのはついさっきの方か。艦から離れられないしあんま参考にならなさそうだな。
1stの戦闘データがあれば……アムロとしては恥か?
神格化しつつあるアムロが身近に感じられるようになって良いことずくめな気もするけど。

322:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 01:13:44
>>316
ニコルがいる
凸「ニコルは俺のアニキになってくれたかもしれない男性だったんだ」

323:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 01:26:07
98氏GJ!

ちょっと最初から読みたくなったからアムロスレのSSをウィキで全部よんでくるわ

 ノシ

324:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 04:30:45
98氏GJ!!
ラクスのことを話しつつ隙を突くアムロの抜かりなさがいいねw
ララァと邂逅した時も、あんな電波ってるのに
ララァはビット攻撃止めないわ、アムロはかわして落とすわしてたくらいだもんね。
あれ以来、皆NT感知すると動き止めて隙突かれまくりっていう…

325:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 04:52:00
アムロとキラの会話がいい!すごくいい!

326:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 07:23:19
GJ。
しかし気のせいか。ザラパパンが虎さんから送られるだろうラクスのDNA鑑定結果を握りつぶしそうな気がするのは。
杞憂だと思いたいが……。

327:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 09:09:41
GJ!
だが今回、「アムロ大尉・・・ポッ」なナタルを見られなかったのがちと残念

328:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 10:15:58
GJ!
ニャタルに関しては次回に期待だな。

329:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 15:19:39
>>320
放映当初、2クール目の敵キャラとして
「軍本部を目指して砂漠を行く主人公達の前に、手錬の部下と
  妖艶な愛人を伴って立ちはだかるプロのいくさ人」
というのが登場すると聞いた時はみんなそう思ってチョイと期待したんだよ…
そう、聞いたばかりの時は……ね……(遠い眼

330:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 15:27:11
「軍事物を目指しているはずが、昼ドラ方面へ行く主人公達の前に、へたれの部下と
 脳みそカラッポな愛人を伴って立ちはだかる自称プロのいくさ人」
だったからな

331:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:07:09
>>330
スポンサーや一部スタッフはともかく、監督は軍事物は目指してないかもしれないぜ?
なんたって、種死放送前インタビューでは 「『戦争は何故起こるのか』を描きたい」 なんて言ってたくせに、
最終話放送直前インタビューで 

「・・・最近の男の子ってハッキリ言って弱いじゃないですか。でもヤッパリ男は強くないとイカンと思うんです。
『男なら戦え!!』
これがボクがDESTINYにこめたメッセージです!」

なんて言う監督だぞ。軍事なんて言葉、脳内にあるとは思えん。

332:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:09:39
テレビシリーズのことは忘れてください

333:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:34:08
「最近の男の子ってハッキリ言って弱いじゃないですか。
でもヤッパリ男は強くないとイカンと思うんです。
『男なら戦え!!』 」


物凄く頭悪そう。

334:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:50:40
>>333

>物凄く頭悪そう

悪そうじゃなくて、実際頭悪いし

335:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 19:21:37
まぁまぁ監督叩きはそれくらいにしとけ

336:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 19:30:13
お堅い軍人気質な女キャラが好きな身としては
FF6のセリスみたいにはなってほしくないね>ナタル
序盤はカッコ良かったのに、いつの間にかただのなよなよ女に
成り下がっちゃったからなぁ…>セリス
ナタルはずっときびきびしつつ、時折アムロにポッとなればいいよ。

337:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 20:18:35
今、ラクスがアスランの元に戻ったら…三角関係の修羅場…?

338:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 22:42:11
限りなく二等辺三角形じゃないかねえ
キラは決断ができる男だった 凸はダメだ
状況と危機感が違うと言えばそれまでではあるけどな
キラは自分がしくじったら友人の命は無いが
凸は他人任せにしてても全然困らない

339:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 23:46:55
アスランがフレイと接近してるしナ、まあ幼馴染が敵になり、婚約者は死に自身は大失敗して慰めてもらえば、
コロっといってしまうのは、ある意味男としては正常ですがw
ダメダメで最底辺まで落ちたので、上手く逆境を乗り越えてキラの好敵手になってほしいことろ。

340:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 00:08:00
アスランは今まで押さえ込んでた母親の死に対するショックが
噴出しているんじゃないだろうか
フレイとのやり取りもなんとなく甘えているというか子供帰り
しているような感じがする
そういう意味でもシャア化するのか?

341:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 01:50:59
アスランがシャア化してもショボイ気がする

そういえばシャアはどうなったんだろう

342:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 02:06:27
このスレ的には成仏しているのが多いです。
もしくはララァが連れて逝った。

343:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 07:53:28
あるいはハロになった

344:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 09:05:32
98氏のSSでは、最初にもう一機のνガンダムと一緒にCE世界に登場してなかったっけ?
今まとめウィキがトロイだらけなんで、確認してないけど。
まあ、個人的にはあの設定はナシにしてほしい気もするが。


345:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 09:39:43
アレは最初期のネタ振りの一種であって今の連載分には繋がってない気がする。どっちのまとめでも初話扱いだけど。
そういう描写が欠片もないどころか、間接的な影響も臭いすら全くないもの。

346:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:24:25
>>344ー345
確かにあの話はややこしい。

第一話か無関係なのか、はっきりさせて欲しいな。

98氏のコメントが欲しいところだ。

347:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:27:08
98氏は以前、あれは今の本編とは関係ないと言っていたような気がするが。

348:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:35:47
ジャンプで連載前に1話読み切りで載るようなものか。

349:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:45:18
う~ん なんかアムロのライバルはシャアだけってイメージあるからな
最終決戦で一騎打ちしてほしい気がする

350:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:50:45
まとめがトロイだらけってどういうこと?
しばらく見に行ってないけど荒しでも出たのか?

351:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:08:46
どっちも普通に見てたけどなんかヤバいの?

352:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:15:26
とりあえずうちではマカフィーは沈黙してる

353:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:24:28
>>349
気持ちは分からんでもないが逆シャアで決着はついているからな一応。
にしても一騎打ち出来るほどのライバルキャラが欲しいのは同意だ。
クロス物の宿命とはいえアムロはちょっと強すぎる傾向がある。

354:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:28:35
イメージ的にはアムロ+νに匹敵するくらいに強いイメージがあるのは
カミーユ+Ζ、ヒイロ+W0、ゼクス+エピオンくらいだな
実際の強さとかじゃなくイメージ的にね
ロラン+∀、ドモン+ゴッドはちょっと別の次元にいるし

355:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 12:12:05
クルーゼが頑張ってくれるはず……多分な!

356:会社からですが、98です
07/05/23 12:51:01
皆さま、ありがとうです
次回も楽しんでもらえるといいなぁ

>>344 >>346
>>347 で言われている通り本編とは全く関係ありませぬ
このスレが出来た時に投下した短編パラレルでするよ


357:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 13:34:43
大人な立ち回りしてるクルーゼGJ
上司の思惑読み取って、困っている状況で上手く主導権とって立ち回る、サラリーマンなスキルに感心したw

358:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 14:20:05
ちょっと思いついたんだが、
νじゃなくて、リ・ガズィに乗ったアムロが種死の世界に来たら活躍できるかな?
使い捨てのBWSも含めて、武装の貧弱さで苦労しそうな気がするんだが

359:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 14:46:15
BWSにはメガ粒子砲、ビームキャノン×2
本体にも一通りの火器を装備し、さらにバイオセンサーを搭載

逆シャアでは散々な事言われていたが一応エース用の機体であるリ・ガズィを
そのまま持っていけたら一苦労どころか活躍は間違いないものになるかと思われ

360:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 15:32:35
>>358
BWS付きのリ・ガズィの武装が貧弱!?
スパロボのやりすぎだと思うよ。

361:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 15:36:24
武装自体は貧弱じゃないにしても、単なる重武装戦闘機みたいなもんじゃね?
言ってみればランチャーストライカー付けたスカイグラスパーのような
まあ装甲は段違いだが

362:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:03:47
>>361
パイロットの技量の差があったとはいえヤクトとやりあって落としかけた機体だぞ~

363:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:07:19
ランチャースカグラだってバスターを戦闘不能にしたじゃないか

364:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:12:46
>>359
バイセン付いてたのか

個人的にはリガズィカスタムに乗ってほしい。

365:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:30:54
>>360
ウインキー世代の俺にとっちゃリ・ガズィは中盤のエースだぜ。

366:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:53:22
>>364
ビームライフルがカラシニコフじゃなけりゃなぁ…

367:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 18:14:41
いや、リ・ガズィは一応製造時のZと同程度の性能だ。あるいはリゼル、ZⅡと言う手もある。
いやレッドゼータ…

368:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 19:06:45
リ・ガズィ・カスタムならBWSを一々気にしなくても良いから運用が楽だと思う
もともとアムロ専用機だし

369:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 19:48:15
ていうか、アムロの本当の強さはMSを選ばないことだろ・・・
極端な話、νだろうとリガズィだろうとストライクだろうと、大活躍は間違いないはずだ

そういえば、クルーゼってナチュラルなのにコーディネイター用のOSが搭載されたMSに乗って、ばれることなくエースパイロットやってるんだよな
ひょっとしなくてもこいつって滅茶苦茶強いんじゃね?w

370:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:08:59
ドラグーン抜きにしてもナチュラル最強だと思うぜ?

371:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:15:50
クルーゼは 戦闘能力上昇の為のドーピングはやってないのか?
副作用も後遺症も 気にする必要なさそうだが

372:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:16:16
どうしてもシャア役をあてるなら、クルーゼにしてもらいたい。
(油断がならないわりにコンプレックスの固まりな所は似てるし)

キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも役不足だ。

373:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:21:53
リ・ガズィも十分強いだろ。ただ相手が悪すぎたな。流石にシャアとサザビーの組み合わせには勝てんだろう。

しかしアスランも哀れだなぁ。親や周りの大人がまともなら、どうにかなりそうなのに……。完全に原作のキラポジだな>アスラン

>>370
俺はナチュどころか種世界でも五本の指に入る実力者だと思う。

374:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:32:08
>>373
親や周囲の大人は原作よりまともじゃないか?「良い」とは言えないが。
問題があるのはやはりキラキラ言ってるからだろ。

主人公を論破したラスボスは伊達じゃないとww

375:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:43:48
>>374
確かにまともかもしれんが叱りつけたり導いてくれるようなタイプじゃないだろ?
最初はユウキがそうなるかと思ったが、もう無理そうだしなぁ。

と、ここまで書いて新作のアスランの思考を思い出した……ごめんやっぱ本人の問題っぽいな。


376:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:48:36
>>366
辛子だからこそ良いんだろ、リガカスのライフルはよ

377:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:56:33
ニコルが生きてるから凸が吹っ切れないんだろ
迷い吹っ切れば良くも悪くも強いからなあいつは

378:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:16:07
>>372
お~い。「凸はアムロの相手には勿体無い」と申したか?

379:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:29:44
むこうでやれ

380:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:52:40
>>378
経験、知識、MSの操縦、女の扱い
どれをとっても役不足だ

381:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:57:38
>>380
役不足の使い方が違うって言いたいんだろ。

382:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:04:52
経験、知識、MSの操縦、女の扱い
どれをとっても凸の方がアムロより数段上、って意味になっちまうよなw>役不足

383:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:10:42
>>382は馬鹿


384:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:17:28
>>372
(ライバルが)キラキラぬかすホモ野郎では、(アムロには)いかにも役不足だ。

これなら意味が通るな
力不足と書いた方が補完の必要なくスッキリ意味は通るけど

385:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:20:07
>>383
煽る前に辞書引いたら?要するに役不足の用法を間違ってるから逆の意味になってるわけだが。

×キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも役不足だ
○キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも力不足だ

386:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:21:03
最終決戦はキラの相手をアスランあたりにしてクルーゼをアムロにぶつけるか?

387:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:25:44
クルーゼは成長したキラと戦って欲しいな
アムロはジェネシス止めに行くってのはどう?

388:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:39:06
或いは役者が不足、だな

389:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:44:54
劾あたりも力量としては申し分無さそうなんだけど、
ただのプロの傭兵で思想面での対立がまったく使えそうにないのと、
青枠ではいかにも力不足なのがな。あとあくまでも外伝キャラだし。


390:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 23:06:00
クルーゼに
「厄介な奴だよ、君は」
とか言われてるアムロを見てみたいwww

391:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 23:53:21
>>369
身体に欠陥を抱えながらも、他に追随を許さぬほどの操縦技能を持つのですから、そこに至るまでの苦行は推して知るべき。
才能とかだけではとても其処に至る事は出来ないでしょう。
どうみても努力と根性の塊です。

……書いてて思ったが、これ、何て主人公?

クルーゼを救ってくれとは言いません。
ただ、できれば彼には満足して逝ける生き方(死に方)をして欲しいものです。
人類の滅亡云々とかじゃなくて、純粋に自分の生き様に対してね。

392:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 01:10:33
エスコン×SEEDスレでかっこいいクルーゼ書いたのがあったよ。
387 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:27:05 ID:???
モニターに移る映像はザフトにとって悪夢そのものだった、核攻撃で崩壊するボアズ。
それを凝視する二人の男
「やはり人は愚かだな・・・。」
ラウ・ル・クルーゼは呟く。
「戦争を知らぬ愚か者に玩具を与えた結果がこれだ、少なくとも私はそう思うが。」
「それは私に対するあてつけか?」
「さてな、これでパトリックはジェネシスを問答無用で地球にぶっ放すだろう・・・
 コーディネーターが新人類か・・・馬鹿馬鹿しい元々コーディネーターはナチュラルから生まれた
 存在だと言うことを忘れている愚かなことだ。」
「もともとジェネシスはお前が原案を練り設計したのだろ。」
「本来は外宇宙進出の為に作り上げた物だがそれを兵器転用する愚か者がここにもいたということだ
 第一あれはジェネシス(創生)といった名前ではなくジャーニー(旅路)という名だ。」
「すまんな、確かお前はフリーダム、ジャスティスという名前をつけることに猛反発していたな・・・
 そうそう、所で・・・お前が練った「国境なき世界」のプラン読ませてもらったが中々面白いな
 世界の文明を退化させることにより全人類に痛みを与え、世界を改めて再構築し、良き方向へ
 少し舵を曲げるか・・・アントン。」
「だがその計画はあくまで最終計画として考えたものだ、まだ実行する気はない。この狂った中でまだ正気
 を保った連中がいるからな。」
「ラクス・クライン、キラ・ヤマトか・・・。」
「そうだ。」
「では彼らが道を誤った時点ぬなった場合はどうする?」
「そのときに我々は立つのさ、私はまだ信じたいからな。」
「そうか・・・、全く君はおかしな者だよ世界を憎み滅ぼさんとしようとした私と接触するとは・・・。」
「望もうが望まれないだろうが、生を受けたなら何かを全うする、憎しみという視野ではなく、それ以外の
 感情で世界を見ることもまた大切だ。」
「・・・君とはもう少し早く知り合い、友人となりたかったな、アントン・カプチェンコ。」
「こちらもだ、ラウ・ル・クルーゼ。」
二人の男は固く握手をする。


ヤキン・ドゥーエ
「ジェネシス崩壊プログラムは?」
「3射目発射を確認したら自爆プログラムを組み込んだ。」
「そうか、ならいい・・・。」
「君はどうするラウ・ル・クルーゼ。」
「もう私の命は短い、なら最後はアル・ダ・フラガのクローンではなく、ラウ・ル・クルーゼとして死ぬつもりだ。」
「分かった、ではそれまでの道案内は我々が勤めさせていただこう。」
「ラウ・ル・クルーゼ、プロヴィデンス・・・出るぞ!」
「ゴルド1より各機出撃開始。」

「確認したフリーダムだ。」
「では私は核搭載艦へ向かおう・・・さらばだクルーゼ。」
「さらばだアントン。」

393:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 02:09:59
エスコンスレは踏み台激しすぎてなぁ…………。

394:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 07:55:59
Abe-SEEDのクルーゼはかっこいいぞ

395:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 12:15:00
ニャタルタソマダー?

396:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 14:32:31
400氏マダー

397:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 18:42:36 4ahO7dcz
阿部さんのクルーゼはかっこいいんじゃない、イイ男なんだ!!


398:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 18:52:08 06AFmRU7
とりあえずアスランに向かって

「エゴだよそれは!!」って言ってもらいたい。

399:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 19:23:55
とりあえず、sageような。

400:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 21:33:20
狂うぜぇを何故そこまで持ち上げる?
所詮、アムロの強敵には成り得るかもしれんがシャアのような好敵手には役不足だ

401:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 21:55:24
>>398
「デコじゃないよそこは!!」

402:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 22:50:47
>>400
種世界で、マトモなラスボスになれるキャラが
いまのところクルーゼしかいない

403:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 22:56:58
アズラエルは?

404:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 23:00:29
サイボーグになってファイナルフージョンして黄金の槌もたんとだめだろう

405:404
07/05/24 23:01:33
フュージョンだた、、、

ちと、首つってくる



406:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 23:03:59
グレートダッシュして機関車砲を肩に担ぐか
不死身のスパークを持つカニ戦車になればあるいは

407:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 23:04:04
向こうでやれよボケども

408:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 23:24:36
ほいほい。皆さんこっちへ↓
スレリンク(shar板)

409:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 00:28:02
種がCCAに紛れ込んだらSS投下はここじゃないよな?

410:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 01:19:18
うん。

411:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 01:36:19
>>409
だがすげぇよみたい。

412:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 01:38:55
俺はそんなに読みたくない

413:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 01:45:40
とりあえず読むだけ読んでおきたい。

414:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 01:46:25
>>400
狂うぜがアムロの好敵手程度では収まらない器だと申し(ry

415:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 02:07:44
もういっそ汚名挽回と同義だと思え>役不足

力不足じゃ語呂が悪いと感じるなら役者不足でも通じるぞ。

416:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 02:29:17
いや、「役者不足」も誤用だしw田中芳樹辺りの捏造だっけ?

ジェリド乙。みたいに決まり文句的なネタが欲しいとこだ。

417:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 05:04:11
そろそろ盟主王が読みたい‥

418:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 06:30:57
しつこく電波氏待ち。

400氏はまだかかると予想。
98氏はまだ来たばっかだし。

メビウスリンクさんマダー?

419:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 10:00:10
しかしまぁ言葉って変わっていくのに頑ななやつが多いのな
まぁ俺はこれだけ日本語知ってんだよ!大切にしてんだよって
アピールしたいだけなのかもしれんが。
まぁ飛鳥時代の日本語を日常でも使ってなさいってこった。

420:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 10:11:49
例題『オマエでは役不足だ』
この場合の役不足、相手にではなくて自分に(私にとっては役不足だ)言ってるんですよねぇ
う~ん、日本語って難しい

421:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 10:18:03
役不足なんて紛らわしい言葉は最初から使わなければいいじょ

422:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 11:26:15
俺の怒りが有頂天とか、時既に時間切れとか、致命的な致命傷とか

423:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 11:55:13
「やめにいたすかCEでの戦闘参加 やめにいたすかアムロ」

やめ…

「やめにいたすのだな」

「福田監督…この日のためアムロは研鑽して参りました 何のこれしきの」

ガンダムは己がのし上がるためになくてはならぬもの
ガンダムをもらい尉官を手にいれエースとなっての隊長勤め
連合・ザフト・ラクシズをしゃぶり尽くした上でそいつを踏み台にして…
天下のアムロ・レイとなる!

424:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 13:33:08
そんな事よりうpマダー?

425:sage
07/05/25 21:24:43 VMGotGT+
>>419

君が将来恥をかかないように
善意の忠告をしてくれているのにね

426:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 21:27:50
と言った俺も恥をかいたの巻

427:sage
07/05/25 21:36:00 NO302rY4
>>426
m9(^Д^)プギャー!

428:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 23:02:46
>>427
おまえ・・・

429:通常の名無しさんの3倍
07/05/25 23:42:28
>>428
istd!istd!

430:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 03:06:29
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)
URLリンク(www.youtube.com)

アムロ「男同士、こうやって絆を深めていくんだ・・・解るかキラ?」
キラ 「あの・・・これって?」
アムロ「ふっ、俺も若い頃は君と同じで色々あったのさ・・・」
キラ 「赤い仮面の男の動きが何とも・・・」
アムロ「そんな事よりキラ・・・」
キラ 「なんです?」
アムロ「 や ら な い か 」

URLリンク(www.youtube.com)

痔「うほっ いいおとこ!」
遺「ストライクーッ!! ディアッカ、俺達も逝くぞっ!」

URLリンク(www.youtube.com)

431:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 03:21:51
URLリンク(www.youtube.com)

アムロ「ちなみに赤い男に対しては数年後にリベンジマッチをしたんだが・・・」
キラ 「リベンジならずですか・・・」

432:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 10:51:31
>>429
istdてレイヴンやリンクス以外に通じるのか?

433:メビウス・リンク
07/05/26 14:39:17
傍若無人

この戦場においてあの伝説の機体…『フリーダム』を評すとしたらこの一語に尽きるだろう。
たった一機でザフト、連合双方を相手にしつつ確実に相手を戦闘不能に追い込む手際の良さに驚嘆せずにはいられない。
己は被弾せずにエース級のパイロット達が駆る機体を次々に切り伏せる様は圧倒的だった。
しかし……

このままではまずい

タリアはそう感じていた。
あの連中の思惑はどうであれ、これ以上あのフリーダムを野放しにはしておけない。
ただでさえ数で圧倒的不利な立場であるのだからこれ以上の損害は……。

しかし、誰が止められるというのだろう
いま正にインパルスを駆け抜け様にライフルを持つ腕を斬り払ったフリーダムをモニターで見つつ思う。
エース級といえるシンをしてあの有り様なのだ。
タリアはくっ、と唇を噛むと己の気弱な考えを打ち消そうとした。

その時である。

『ミネルバ!俺の合図でフォース・シルエットの射出を頼む!!』


「えっ?」

このいきなりの通信に戸惑いの声を上げたのは管制官であるメイリンだった。
それも無理のないことだった。
いまの要請はインパルスに乗るシンからではなく、アムロ・レイからだったのである。
なんの意図をもってアムロがこんなことを言ったのか理解できなかったメイリンが戸惑うのも当然のこと。
しかし、いまはそれを許す状況ではく、何時にないアムロの叱責が飛ぶ。

『命令だ、メイリン!!』
「で、でも」
『戦況は刻一刻と変化している!いまアイツを抑えなければ被害は更に増す!!』

「メイリン、彼の言うとおりにしてっ!」

そこにすかさずタリアの檄が飛んだ。

「は、はいっ!」

急いでフライヤーの射出準備を進めながらメイリンは胸の動悸がドキドキと高まるのを感じていた。

(怒られた…)

普段の温厚なアムロとはまるで違う、凛とした意志が通った言葉だった。

434:メビウス・リンク
07/05/26 14:41:47
平時では口を荒げることなどないアムロも戦場では別人のようにシンや姉達を叱咤激励しているのは分かっていたが、それが自分に向けられたのは初めてだった。
萎縮したのではない。
怒鳴られるのも仕事の内というのは慣れている。

(じゃぁ、この胸の動悸はなに?ドキドキしてる…。おまけに顔まで紅潮してきた……なに?なに?なに?)

そう自問自答しつつコンソールパネルの操作は淀むことなく正確に準備を終えた。
それと半拍おいて、

『いまだっ!!』

ドクンッ!!!
一際高く心臓が高鳴ったのを自覚しつつ号を出す。

「フォースシルエット、射出!!」

…………声が少し、震えたかもしれない。


一方、メイリンに言った手前、タリアとてアムロの意図を理解したわけではなかった。
副長のアーサーにアムロの駆るザクの画像をモニターに写すように頼んだ………瞬間だった。

「か、かんちょおお!!」

切羽詰った声をあげるアーサーだったが、無理もないことだった。
水面上を全速で滑走しているザクがミネルバの艦首に向かっているのだから。
しかもスピードを緩めるどころか、己の両肩のシールドをパージしつつさらに加速していたのである。

「なっ!?」

タリアが驚きの声を漏らしたのと同時にザクが背中のセイルフィンまでも切り離した。
ぶつかるっ!?、と思った瞬間である。
速度はそのままに、ザクがスラスターを噴き上げ飛び上がったのだ。
それと同時にアムロから号令が出る。

『いまだっ!!』「フォースシルエット、射出!!」

阿吽の呼吸でメイリンが答えるとフライヤーが射出された。
それと同時に艦に横殴りの振動がきたと思った途端、フライヤーに跳び乗るザクの姿が映し出された。
なんとアムロは三角跳びの要領でミネルバから飛び立つフライヤーに跳び移ったのだ。

『メイリン、フライヤーのコントロールをこちらに回せっ!!』
「はいっ!」

片膝立ちになったザクを乗せたフライヤーは機首を巡らす。
そこには……



435:メビウス・リンク
07/05/26 14:43:31
ギャリィィィィン!!

対峙していたグフとガイアに割り込むカタチで双方に損傷を与えたキラはふと背中が粟立つのを感じた。

「え?」

振り向くと、そこには猛スピードで至近距離まで近づくザクの姿があった。

「っ!」咄嗟に乗っている足を撃ち抜こうとビームを放つ……のと同じくしてザクがフライヤーから飛び上がる。
ブゥゥン
フォースシルエットから抜き取ったのか、ザクが両手に持たせたビームサーベルを発振させる。
その様に目を細めたキラが正確無比な一撃を今度は頭部に撃つ…が、それは上体をわずかに反らせて避わされた。

「く!」

この相手は油断できない!!そう判断したキラは更に二連射する。
しかし、それは二刀に構えたビームサーベルが絶妙なタイミングで打ち払ってしまった。
驚愕に目を開く…あれは偶然の動きではない!!!そう感じたのも束の間、ザクは空中でまた奇妙なモーションをした。
右足を上げたかと思うと、足底に装着されたスキーをフリーダムに向けて回し蹴りの要領で蹴り放ったのだ。

反射的にそれを撃ちぬく…と
ドガァァァァン!!
スキーに装着された爆雷や機雷が爆発しその煙幕でお互いの姿を隠してしまった。
相手の策に嵌ったことを悟ったキラだが、間髪いれずに煙からビームサーベルが正確にフリーダムの頭部目掛けて一文字に飛んできた。

「うっ!」

先程のアムロと同じように首を反らせてかわすキラ。
その隙を突いて煙を割ってザクが躍り出てきたが、キラは脇に備えたビームサーベルを抜き放ちザクに向かって突進して斬り放つ。
バジジジッッ!!!
しかし、それはザクの一刀に構えたサーベルに防がれた。

「なっ!」

これにはキラも驚嘆させられた。
上下からほぼ同時とも言えるタイミングで放った二刀が相手の一太刀で防がれたのだ。
こんなことは初めてだった。

バシュッ!!

その時、ザクの手の中にあるサーベルの柄が爆散した。
本来、インパルスの使用するサーベルを無理矢理…しかも低出力から最大まで上げたのだから無理がないかもしれないが……。
無防備とみたキラは再び斬りかかる……が、ガシィィィィン!!……またしても止められた。

「そんな!」

今度こそキラは絶句した。

436:メビウス・リンク
07/05/26 14:44:50
どこに隠し持っていたのか、小型の実体ナイフ(事前にインパルスのナイフを2本装備していた)を逆手に持ってフリーダムの両手に突き出し受け止めたのだ。
しかも斬りかかるモーションの最中で、こちらの力が入りにくいタイミングで、である。

ぎし…ぎしぎし

ザクの腕が軋みを上げていた。
もとより馬力ではフリーダムのほうが圧倒的に上なのだ……腕ごと斬られるのは時間の問題だった…このまま行けば…。

ドガッ!!
「うく!」

驚かされてばかりだ!
今までの相手とはまるで違う戦いをする相手にキラは驚嘆の念を禁じ得なかった。
相手はいきなりザクの潜望鏡アンテナをフリーダムの頭部にぶつけたのだ…MSでの頭突きである。
あまりの衝撃にモニターがぶれるがフェイズシフト装甲であるこちらには差したる損傷でもなく、逆に相手のアンテナが粉々に砕けてしまった。
しかし、ザクはそれをまるで意に介さず緩んだフリーダムの懐に潜り込むと腹部にパンチを浴びせた。


この間わずか1分半にも満たない攻防だが、ソレは近場にいる二機のMSに乗るハイネとステラを数瞬の間圧倒した。
しかし…

「なんなんだ…、なんなんだお前らは!!よくも、よくもワタシをこんな……!!!」

訳も分からない怒りに全身を支配されたガイアのパイロット、ステラ・ルーシェは損傷した機体に関わらず無理矢理4足獣型で鍔競り合う二機に飛び掛かる。
その間にオレンジ色のグフが割り込んでも関係なかった。
この怒りを静めるには!!!

「じゃまだぁぁぁぁ!!!」


ザザッザザーー

モニターが点滅する中、アムロは叫びを…幼稚とさえ言える絶叫を聞いた気がした。
そして見た。
フリーダムの後方からこちらを援護するつもりか向かってくるハイネと、その更にその後方から<邪気>が泣きながら突っ込んでくるのが!!!
あくまで脳内の中を掠めたイメージでしかないがこの時のアムロにはハッキリと感じることができたのだ。

『『『『『『『『『『『ハイネ!迂闊だっ!!!』』』』』』』』』』』』

それはアムロの意思が込められたかのような<力>に溢れた言葉だった。
いや、言霊といったほうがいいかもしれない。
ソレはたしかにモニターを介さずキラの、ハイネの、ステラの、そして傍観していたアスランの耳朶を打ったのだから。

437:メビウス・リンク
07/05/26 14:46:01
「撥っっ!!」

気合とともにアムロは操縦桿がオーバーヒートを起こす性急さで操作をした。
フリーダムの右腕を両手で掴むと懐に潜り込んでジュードーでいうところの一本背負いの要領で投げ飛ばしたのだ。
そしてフリーダムがどうなるかなど気にもせず振り返り、ハイネに向かって残っていた左足のスキープレートを蹴り放ったのだ。
ドカァァァァ!!

「がっ!!」

いきなりのことにハイネは避けられる筈もなく胸のあたりを強打されたグフは堪らず背中から地面に倒れこむ…のとほぼ同じタイミングでガイアがグフの顔面スレスレを通り抜ける。
ステラは端からどうでもよかったのかグフには頓着せずアムロに向かって突進していく。

「あああああぁぁぁぁ!!」

絶叫しつつビームブレイドを発振させる。
それを正面から見据えたアムロは

「・・・・・・」

黙然と、なんでもない動作のように
ブワっ
機体を躍らせ、ガイアの背中を踏みつけた。

「え?」その余りのことにステラはつぶらな瞳をパチクリさせるしかない。

そしてアムロは空中で身を捻りながら腰に備え付けられたハンドグレネードをガイアに投げつけたのだ。
ズババババッッ!!!
「あうううう!!」
爆発の衝撃に機体を吹き飛ばされたステラは気を失い崖から落ちそうになった。

「ステラァ!!」其処へMA形態のカオスが駆けつけガイアを拾い上げると己が母艦に帰っていく。

ボボン、ボボンッ!!
退却信号がそこかしこで打ち上げられるのをみたアムロはようやくこの戦場が終わったことを実感した。
フリーダムはもう何処にも見えなかった。

「撤退してくれたか」

コクピットの中で一息つくとコクピットを上げて外の空気を取り込む。
磯の香りと清涼な風が中に入ってくる。
汗ばんだ身体にはとても心地いい。

「あともう少し、もってくれよ」

そう呟くとハイネのグフに向かって機体を歩かせると軋みを上げる機体に苦笑してしまうアムロだった。

つづく

438:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 14:48:26
………アムロすげー


乙!

439:メビウス・リンク
07/05/26 14:48:55
前スレに間に合わなかった。

申し訳ない。
戦闘パートに想像以上に苦戦してしまいました。
文才のない自分が恨めしい。

今日はもう少しUPできます。
夜中になりますが、よかったらお付き合いください。

草々

440:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 14:52:39 tC3YHJwb
乙です。

初めてリアルタイム投下に立ち会った。
アムロつえEEEE

441:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 14:52:59
乙。
アムロ人間じゃねー……

442:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 14:56:37
待ってました!!メビウスリンク氏!!GJ!!
アムロの華麗なる乱舞に震えた!!
今からバイトだが、帰ってくる楽しみが増えた!!

443:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:00:18
GJ!です。
これが……NT……強すぎる……ってかんじです。

444:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:09:19
GJ!!!
機体の性能では無く、積み重ねた操縦技術・戦闘経験で事を成しえたアムロが凄すぎる……
MSの性能の差をこうやって埋めるなんてな。

夜まで正座して待ってます!


445:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:12:14
GJ……

1stの時よりNT能力低下していてこれかよアムロ……
熟練て言葉じゃ説明つかんぞコレ……

446:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:23:28
GJ!
これはNTとかそういうのではなく、アムロ個人の能力(彼が持つ物を全て含めた)によって導きだされた結果ですな。

>傍観していたアスラン
おまいは何をやってるんだ。

447:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:25:07
GJっ!
アムロの歴戦の勇者っぷりに燃えた
ザクでフリーダムとやりあうとかもう…
メイリンもきゅんきゅん♪ですね
あとアスラン何やってんの

448:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:27:31
アムロにみとれてたとか>アスラン

449:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 15:34:34
メビウス・リンク氏GJ

とはいえ、最近の氏に朝チュン成分とネタ成分が足りない...

少し栄養失調気味だ...

450:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 17:30:25
アムロ強え…強すぎる
これが経験を積んだ戦士の強さというものか

451:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 18:01:30
GJです!
メイリンドキドキ♪

452:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 19:43:55
>>445
CCAのアムロが1ST時よりNT能力低下しているというのはデマだぞ
サイコフレーム無しでもファンネルを実戦で使用できるレベルのNTだ


453:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 19:51:41
>>452
でもサイコフレームが無ければ
サイコミュはもっとでかくなって重量も3キロ増えてたんだぜ?
サイコフレームのおかげでνは3キロ減らしたんだから

454:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 20:16:14
そこらへんは400氏他が言ってるように、戦闘に特化して(させて)しまったんではないかね。
感受性という点では1st以上とはとても思えないし。その分冷静に把握できてはいるようだけど。

455:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 20:29:29
>>453
ただ単に便利な最新技術使っただけじゃないか?
それによって操作が楽になるだけで、それでアムロのNT能力の増減は関係ないような。

456:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 20:49:39
>メビウス・リンク氏
スターティングオベーションしたい気分だ!!

457:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 20:54:14
>>455
サイコフレームの設定でパイロット側の受信面の補強にもなるんだっけ

458:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 21:18:11
>>433-437
GJ!!
“歴戦の戦士”であるNTに
“負債の補正”と言う人形が、敵うはずがない

459:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 21:40:19
コクピット周辺に配置する事で脳波コントロールのレスポンスが向上する反面、パイロットの意志を拘束する傾向があった。
アムロはそれを「搭乗者の意識を前に前に突進させるような強制力がある」と評している。
サイコ・フレームを据え付ける作業はアムロにとってはナンセンスな作業であったものの、
アムロ自身が自分のNT能力に懐疑的であったため、せめてファンネルのコントロールだけでも確実なものにしたいと考えて強行したものである。

とマスターグレートHi-νの説明書にあった

460:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 21:53:30
アムロ&メビウス・リンク氏GJ!

そしてオマイらニュータイプ能力云々は考察スレ使おうぜ。
せっかくあるんだから。

461:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 22:36:34
>>458
しかし歴戦の戦士でありなおかつ至上の努力家であった(と思われる)クルーゼ
愛のコンビネーションを駆使した虎
二つ名を持っていたミゲル
…全員その負債の補正に敗れ去ってるからなぁ

462:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 22:41:44
虎は駄目駄目だろ。

463:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 22:46:31
補正のない漫画版種デスとかは、キラもシンのやられ役になってたな。

464:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 23:07:08
しかし、アムロはサイコミュ兵器やNTの能力を戦闘で使用することに
抵抗がないようにみえるんだよな
このへんは、400氏がアンチテーゼ投げ掛けているようにNTとしては失敗しているように感じる

465:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 23:09:28
死んだら終わりだぜ。

466:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 23:43:55
俺的なイメージだと、アムロ強さは純粋に先読みと技術の確かさによるもので、
今回みたいなアクロバティックな戦闘は、読んでて面白いけどちょっとアムロらしくない気もする

467:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 23:48:52
強さや設定等々、考察に関してはこっち池
考察スレ↓
スレリンク(shar板)l50

468:通常の名無しさんの3倍
07/05/26 23:50:47
>>458
>>461
>>463
これが負債の補正であります!!
    ↓
機動戦士ガンダムSEED いまどきのアニメ
URLリンク(www.youtube.com)


469:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:05:07
ワロタw

470:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:07:50
さて、メビウスの投下を待とうじゃないか

471:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:08:57
明日は電王見てバイトだから早めに頼みたいw

472:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:15:42
こんなザクvsガンダム見たら某スレの12男坊は大喜びだ。

473:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:19:13
>466同意
アムロというよりウッソぽいかな。二次創作にそこまで求めてはとは思いますが


474:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:28:44
Vガン見てないからウッソって言われてもワカンネ
らしくない戦い方も専用機がない故の醍醐味なんじゃ。
メビウスリンク氏の話はただでさえルナマリアが面白無茶をするから
アムロがこういう無茶しても作風な気がする。

でも戦い方においても「らしさ」は大切ではある。
自分は全然気にならなかったが。

475:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:40:46
てかこれ「昔のアムロの戦闘スタイル」(1st時代中盤まで)じゃん。

476:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:46:57 RIC2wi/2
>>475
オレも思った。
ステラが「俺を踏み台にしたぁ!?」って言いかねないよね。
機体が『ガイア』だから踏んづけたのかな?

477:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 00:49:50
>>475
あー、ウッソってより納得できてしまったな、それ。
周りの若いモンに煽られてアムロも若くなっちまったか?w

478:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 02:19:30
わからん!それじゃ努力した雑魚が可哀想じゃないか!

479:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 02:55:45
メビウス氏、まだっぽいから寝ることにする。
起きた時にはうpされていることを祈って。

480:メビウス・リンク
07/05/27 03:03:36
マルマラ海

ここにあるザフト基地に停泊中のミネルバは先の戦闘で傷ついた船体の修復及び補給作業を行っていた。
あれほどの状況下で帰還できたことさえ驚嘆すべきだが何より特筆すべきは死傷者が0だったことだろう。
タンホイザーのエネルギー充填中に幾らか威力は分散していたとはいえ、これだけの損害ですんだのは僥倖以外の何者でもなかった。

そして、今回の戦闘での最大の功労者は……


「な、なんだこれ?」

シンはミネルバ艦内の廊下でなんっともいえない物体を発見した。
ソレはちょうど十字路の中間の位置に鎮座しておりソレのギャップと相成って筆舌に尽くしがたい存在感を醸し出していた。

ひと言で言うと…トラップ?

バスケットボールがすっぽり入るサイズのザルを斜めに傾け、それを紐で結んだ木の棒で固定し中のエサに獲物がかかると紐を引っ張り生け捕る…というシンも小さい頃に絵本で見たことしかないシロモノだった。
おまけにココは最新鋭の戦艦である。

獲物なんかいやしねえし、そもそもこんな見え透いた罠に引っ掛かる奴自体が皆無だろ。
つうか、この罠を仕掛けられること自体が侮辱以外の何者でもないし。

「何処のどいつだ、こんなもん仕掛けた奴は…」

なんて思いつつザルの中を覗くと、其処には小さめの瓶がポツンと置いてあった。

「なんだこれ」

さっきと同じことを言いつつソレに手を伸ばそうとした時……

「…ちょっと、シン!」
「ん?」

小声で呼ばれた気がして顔を上げると通路の曲がり角からルナマリアが顔だけ出してちょいちょいと手招きしていた。
そういえば棒切れから伸びた紐はルナマリアの居る方向へと伸びている。

「なんだよ、お前か?こんなの作っ…て、…て」

ルナマリアのところまで来たシンは一言もの申そうとしたが其処にもう一人居ることに気が付いた。

「…なにやってんすか、アムロさん」

481:メビウス・リンク
07/05/27 03:05:10
そう、其処には「俺はいま不機嫌だ」というオーラを立ち昇らせながら、目を瞑って腕を組み壁に凭れ掛かるアムロ・レイが居たのだ。
しかも例の紐は腕組みしているアムロの手から伸びている。

「…まさか、あれ」

余り考えたくないことだったが、恐る恐る尋ねると…アムロは薄目を開けてシンを見るとこれまた不承不承頷いた。
ガーーーーーン
稲妻が走ったかのようなショックをシンは受けた。
あの『フリーダム』と互角に渡り合ったパイロットが…最新鋭の戦艦の中に…あんな子供だましにもならない様なトラップを……!?
俄かには信じられない事態に固まるシンだがルナマリアの言葉が正気に戻らせた。

「ちょっとシン!其処に居ると通路から丸見えでしょっ!はやくこっちに来なさいよ!」
「あ、ああ」

そう返すとアムロを挟んで通路の奥に移動する…通路側からルナマリア、アムロ、シンの順である。

(おれ、なにやってんだろ?)

そう思いつつ横目でアムロをチラッと見ると、どうも少し疲れているようだった。
目の下辺りに薄っすらと隈が出来ている。

「そうだ、ねぇシン」
「ん?」
「あのぽんぽこぴー見なかった?」
「……はあ?」
「だ・か・ら、『赤いちんちくりんのぽんぽこぴー』のことよっ!」

そう言われて傍と思い浮かべるのは…何故かルナが目の仇にしているあの『赤いペットロボット』のことだろうか。

「さぁ、昨日今日はバタバタしてたからな…ソレより説明しろよ」
「…これを見てくれ。ついさっき本部から送られてきた」

アムロがポケットからグシャグシャに丸めた一枚の紙をシンに渡す。
其処には…赤いMSの設計図が描かれていた。
しかしこれをMSというには語弊があるだろう。
誰がどう見ても子供のイタズラ書きにしか見えないものだからだ。

「は………」

一目見たシンのひと言がコレである。
紙の隅にはこう書かれていた・・・・<ゾゴジュアッジュ>と。

482:メビウス・リンク
07/05/27 03:08:24
おまけ
(ハイネVSステラの1コマ)

「フッフッフッフ」

言うぜ!
この時、この瞬間を待ってたんだ!
これを言わずにナニを言うのかってくらいの決まり文句!!

イクぞッ!!!

「ザ『グフとは違うのよ、グフとは!!でぇぇぇぇい!!!!』クとは違うのだ、よ・・・・」


(戦いが終わって)
ズズズゥゥゥゥ
連合の空母の甲板でなんとも豪快な音が響き渡っていた。
誰もが見つめるなか、その音の発生源のぬしは……先ほどからインスタントのヤキソバをかっ喰らっていた。

「はぁ…」

そう呟くと空になった器を脇に置き三個目に取り掛かる。

「全く…何処のどいつだ?ステラに焼きそばなんて喰わせたのはっ!!」
「知らねえよ、前のラクスだかなんだかのコンサートの時に、気付いたら既にパクついてやがったんだ。それ以来クセになったんだと!」
「翌日から焼きそば食いにあの屋台に行くわ、屋台が居なくなったらそこらじゅう探そうとするわ、挙句の果てには空腹の余り崖から落ちてザフトの奴に助けられるときたっ」
「焼きそば食おうとするとグーで殴るしな…」

さっきから溢れる悔し涙を焼きそばと一緒に飲み込みつつステラは沈みゆく夕日を見つめる。

「あの金髪のヒトの焼きソバ、また、食べたい…」

はあ…
脳裏に浮かぶはあの袖まくりが似合いすぎる金髪のヒト…


少女の願いは近い将来、叶えられることになる…誰にとっても意外なカタチで……。


(噂の君は)
「…う、く。くくく…」

「「なに笑ってるんだい、カガリ?」」

「泣いてるんだ、このスットコドッコイッ!!!!」

続く

483:メビウス・リンク
07/05/27 03:14:58
待たせてばかりで本当に申し訳ない
データがまた飛んでしまったのでバックアップした分で勘弁してほしい次第です。

感想どうもありがとう、参考になります。

>>476
鋭いですね(笑)
偶然とは恐ろしいと実感しましたよ。

次回あたりからアムロとルナマリア、メイリンを絡めようと思います。

484:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 03:36:35
ちょw
シリアスな続き来るのかと思ってたらゾゴジュアッジュwww

ア ン タ 最 高 だ !!!



……明日も朝から仕事だからそろそろ寝るわ、モヤスミ。

485:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 07:33:17
? ゾゴジュアッジュって何?

486:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 07:55:09
>>485
そんな貴方に幸せになれる魔法の呪文!!

 グ グ レ カ ス 

487:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 08:46:16
>>484
激しく同意!

続き楽しみにさせていただきます。

488:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 09:37:25
GJ!メビウス・リンク氏!いつも面白いですな
>>471
「電王」見たか?盟主王が死んじまったぞ!さらに、「プリキュア」でもやられてた

489:471=484
07/05/27 09:59:55
>>488
スマン、中の人とか気にしてないからあんまり分かんないけど、あの狼みたいなイマジン?
プリキュアのほうは確実に遅刻するから見てないw

490:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 10:33:26
>>485
ガンダムさんにおいて、ジオンの水中用モビルスーツが変な形ばかりだから
こんなのもいるんじゃね~か?と想像図を紙に書いていたらホントに現れたMS
名前に使われてるMSを組み合わせた上で、ハイヒールの生足かつセクシーな唇をしている
なお、赤くて角突き
(一部情報混ざってるかも、間違っていたらごめんなさい)

491:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 10:57:15
ググるとトンでもない画像がw


492:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 12:34:43
遅ればせながらメビウス氏GJ!
持てる物も手段も何でも使うアムロザクVSフリーダムは
対サザビー戦を彷彿とさせますな
そして鬼神の如き活躍を見せる戦闘パートと日常パートの
ギャップがたまりませんw

493:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 13:10:41
あぁ…次はザズゴググングムだ…

494:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 14:03:33
ザクポンの出番は・・・・・・・

495:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 14:12:04
>>494
前に出てこなかったっけ?

496:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 14:16:37
むしろサクとCMがワラワラと出て来て『戦いは数だよ(ry』みたいのを

497:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 15:03:51
>>496
サムはCじゃなくてSな

498:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 15:20:22
ダイレクト・ドライブ・ザクが高級機に思えてくる…

499:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 16:46:53
400氏マダー?

500:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 18:05:21
私も、400氏マダー?

501:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 19:29:50
じゃあ私も、400氏マダー?

502:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 19:55:58
じゃあ俺は逆手をとって507をマダー?

503:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 20:09:12
まだだ( `Д´)ゴラァ

504:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 21:40:07
待ってるよ。

505:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 22:59:48
アムロは一年戦争の頃にビームサーベルでのビーム打消しをやってるんだよなぁ。

おまけにビットの攻撃(剣の届く距離からの射撃)をかわしながら切り払ってみせるし。

CCAではシャアの二刀流での斬撃の嵐をサーベル一本で防ぐし。

なんで某ゲームでは格闘の値が低いのだろう?

506:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 23:01:20
ゲームだからさ

507:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 23:09:46
>>505
某ゲームのあれは相対的なものだ
考えてみろ、アムロが格闘戦で東方不敗に勝てるか?

508:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 23:20:20
射撃が強い機体に乗ってるんだから低くても問題なくね?

509:通常の名無しさんの3倍
07/05/27 23:23:38
>>507 んなこと考えるほうがどうかしてる

510:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 00:05:54
まー二次スパの頃から伝統的に続く住み分けの結果じゃろ。

511:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 00:22:41
ザクに乗ったアムロが「ガイア」を踏み台にする…か
歴史は繰り返すんだな

512:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 00:52:09
>>507
スパロボ厨乙wwww
正当性ガンダムとイロモノガンダムを一緒にすな

513:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 00:57:02
>>512
元々「某ゲーム」の話なんだが

514:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 01:09:11
スパロボはスレ違い。

アムロのステータス気に食わなくてもスパロボやりたいなら
ゲームだから、と割り切るしかないだろ。
それか、スパロボアムロとUCアムロは別人なんだよ、きっと。

515:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 01:17:39
メビウス・リンク氏
GJです!

さすが…CCAアムロ!
NT能力を戦闘でフルに発揮できるんだろうなぁ。

516:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 02:05:20
リンクス氏の作を見て思う

以前、どこかで読んだ気がするんだが、
シャアはあくまで一流止まりなんだそうな。
NTとしてもパイロットとしても指揮官としても政治家としても一流なんだけどその道の天才たちには敵わないんだって。

パイロットとしてはアムロに負けて、NTとしてはララァに敵わない。
なにが言いたいかというと、そんなオトコがハロになっているということ(笑)
いまのアイツは幸せに違いない

517:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 02:41:40
器用貧乏か・・・急にシャアに親近感が沸いてきた

518:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 03:36:49
オールラウンダーと呼んでください・・・

519:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 05:51:35
最近のムック本ではシャアは指導者としては父ジオンに劣り、
扇動者(だっだかな?)としはギレンほど人を惹き付けれなく、
部隊長としてはラルみたいに部下の信頼を得られず
ニュータイプ能力ではララァほどの才能も無く
パイロットとしてはアムロには敵わなかった
ってあったな…

520:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 06:44:49
某所の歴史上の人物を数値化するところだと
シャアはall80~90クラスの化け物だった希ガス
理由は確か宇宙世紀最大最強の組織連邦軍を
のっとる寸前だったティターンズを策謀と軍事手腕で
壊滅させたからだったはず。
ちなみにそこのねた人物評(例イナゴ)はかなり笑える

521:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 07:01:58
なにその頭悪そうなのwwwww
別にティターンズ壊滅させたのはクワトロ一人じゃないだろwwww

522:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 07:53:37
>>520-521
そこじゃキラの知力と政治力はのび太や碇シンジ以下だからな…

523:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 08:07:37
要するに厨サイトってわけだな

524:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 09:05:07
>>519
ユリアン・ミンツかいなw

525:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 10:06:10
赤ハロは、超一流になれるかもしれない。
どっち方面かは秘密だ。
よかったなぁ、シャアw

526:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 13:24:25
>>522
政治力はともかく知力は納得

527:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 13:46:54
キラの場合は知力というより判断力、賢明度に問題があると思う。

528:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 14:17:07
98氏のキラは自分で考え始めているけど本編よりチト戦闘力低い気もする

某サイト、キラ評価
【統率】 54=なんでか分からんが高評価
【武力】 100=まあ、納得
【知力】 25=のび太以下
【政治】  5=シンジ以下
【魅力】 100=なぜかモテるが人間的魅力は感じられn(ry

529:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 14:34:41
>>519
要は器用貧乏ってことだな。

530:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 15:18:25
>>528
どこのサイトでしょう?

531:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 16:21:48
>>528
撹乱→同士討ちがかけたくなるんだけどw

532:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 19:40:10
>>522
あやまれ!
それじゃ、のび太に失礼だ

533:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 20:01:11
のび太は基礎能力が足りないだけで、様々な分野で才能抜群だもんな
既に開花してる才能に関しちゃ、小学生にして神業の領域
ていうか、種族越えて心通わせ、時や銀河を越えた精神感応すらしてる、マジNT

シンジは環境があまりにも悪すぎた
客観的に見れば、むしろよく精神崩壊寸前で踏み止まったってくらい

534:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 20:05:11
>>528
信長の野○に出てくる前田慶次がこんな数値だった。
花の慶次が創作物とはいえ、自分勝手なところとか似てんじゃないかとは思うが、個人的魅力の点では遠く及ばんな。

535:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 20:48:32
慶次の場合は自分勝手であるけど
許せない奴が居るからぶっ飛ばし、苦しんでいる者の為に悲しむ義侠の人でもあるからな。
いちいち高みから正義とか持ち出すキラよりも良くも悪くも人間的。

536:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 20:54:49
ヤマトに「だがそれがいい!」とか「フ、虎が鍛錬などするかね」なんて台詞はいえない。

537:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 21:17:23
キラの魅力?はコーディの整った顔を使ったニコポで、慶次の魅力は漢が漢に惚れる系だからね。
キラ相手にこの漢と一緒に死ねるのか、なんて喜ぶ奴いないでしょ。

538:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 22:29:47
慶二は自分に絶対の自信がある。

キラはラクスに丸投げ。

539:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 22:35:48
史実でも結構教養はあったみたいだしな
古田織部の弟子だとか、武芸百般に通じてたとか


540:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 22:51:55
いいかげんスレ違いだということに気づけ

541:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 22:59:03
誘導

スレリンク(comic板)


542:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 23:03:33
>>541
どこに誘導してんだよ、おまいは。


>>467にもあるが、
考察に関しては向こう池。雑談は雑談スレがあった筈だから自分で探してそこでヤレ。
考察スレ↓
スレリンク(shar板)l50

543:通常の名無しさんの3倍
07/05/28 23:17:10
みんな、もちつけ…
      ∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
(´・ω・`)つ旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦

足りなかったらまた煎れるよ(´・ω・`)

544:通常の名無しさんの3倍
07/05/29 19:39:19
業深き結構な手前にござった

545:通常の名無しさんの3倍
07/05/29 21:40:51
ころす

546:通常の名無しさんの3倍
07/05/29 22:10:19
>>499


547:通常の名無しさんの3倍
07/05/30 04:17:13
>>544
(´・ω・`)つ亠


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