07/05/13 14:07:25
>>199
スレ違いの話題にレスするなよ。
201:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 14:09:06
C.EとU.Cをマジェマジェしている時点で、ナニを今更w
202:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 14:11:03
>>201
スレタイ見直して首くくれ。
203:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 14:31:46
ハイハイココはナニ板か言ってみましょうね
204:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 15:06:30
\
\
\ 彡
`r∧__∧
r‐ 、(゜∀゜ ) 流れを変えるべく颯爽と登場
\(`ヽ、 ,つ
`ヽ.__/
CCAアムロは種世界の諸政府を見て、UC諸政府はまだマシだったのだと思うかもしれないなぁ。
国家レベルでは、理念で国を焼く国家から、企業とテロ宗教で動かされる地球政府、能力が上がっただけで他の技術が疎かな自称新人類砂時計
個人組織レベルでは、道徳法律完全無視な死の商人組織から、テロ行為を平和のためと謳って後先考えない歌姫集団
海兵隊やティターンズが霞む。ネオ・ジオンなんて、極めてまともな武装組織だなぁ。連邦だって汚職があるだけの、普通の政府組織に見えてくる。
205:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 15:57:22
まあ、UCも人のことを言えるような立場じゃないけど、ジャンク屋の有り方が両者じゃ大きく違うから、そういう点で言えばCEよりはましかな……
つーかな、空気を換えようとしてくれることはありがたいんだが、投下してくれた話題がスレタイとずれてるよ。
とりあえず雑談スレでやろうか。
206:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 18:02:19
507さんは最初にプル、プルツーを出すって言ってなかった?
207:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 18:14:07
400氏マダー?
208:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 19:22:00
>206
プルなら出るって言ってたよーな
209:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 19:39:37
>>207
まだ慌てるような時間じゃない。
マッタリ待つんだ。
210:通常の名無しさんの3倍
07/05/13 20:03:01
お前らみんな自重しろ
211:通常の名無しさんの3倍
07/05/14 00:55:36
他スレ他板の余波と惰性で興奮してる奴がいるんだろ
212:通常の名無しさんの3倍
07/05/15 09:51:23
保守
213:通常の名無しさんの3倍
07/05/15 10:05:08
たった一日カキコ無いくらいで保守するなよ。
214:通常の名無しさんの3倍
07/05/15 12:25:31
メビウス・リンクさんまだ~
215:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 00:57:10
まとめサイトにある以外のSSで、おすすめの紹介してくれ。
216:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 01:09:14
>>215
そういうのは、このスレが良いかな。
面白いガンダムSSを紹介するスレ5
スレリンク(shar板)
217:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 16:47:52
でも伏せて紹介してるので結局わからないサイトが多々ある
218:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 17:19:12
ていうか初見の人間には分からんトコばっかりだろ。
219:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 18:36:38
題名の九割近く伏せてあるやつを理解できる方がおかしい気がするが
220:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 22:56:34
>>216
スレ住人がキチガイ過ぎてついていけない
221:通常の名無しさんの3倍
07/05/16 23:06:00
>>220
あんまりキチガイ言うのもどうかと思う
まあ、確かにあのノリの高さはキツいものがあるけどさ
222:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 02:03:17
>>221
キチガイだよ、個人サイトならまだしも、時ナデやActionまで伏字だろ
そんなに話したきゃ外部に板作ればいいんだよ
223:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 02:21:16
ともあれいささかスレ違いがすぎると思う。
8に入ってからまだ一作しか投下されてないんだな~
職人さん頑張ってくれ。
気が向いたら途中経過教えてほしいです。
224:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/17 04:53:21
コツコツと書いてまする
日曜か来週頭くらいに投下できればと思ってます
今回はそんな盛り上がる話では無いので期待せずに今しばらくお待ちくださいまし
何故だかダラダラと台詞が多くて、また1000行近くいきそうな気配ですわな・・・orz
225:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 05:14:02
おk。
正座の準備に入ります。
226:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 05:30:06
98氏、律儀に報告ありがとう。
227:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 08:06:39
wktk
228:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 08:42:32
全裸で待ってます
229:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 08:51:59
風邪ひくなよ
230:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 11:47:04
>>224
1000行!?
上等!!
231:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 12:44:00
オイオイ、暫く見に来ない内にどうしちまったんだ?
232:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 12:58:50
そんなにあるなら前後編に分けたほうがいいぜ
233:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 14:02:57
いや、別に一気でもいいよ
234:会社からですが、98です
07/05/17 14:15:21
空行含んで1000行くらいなんで、いつもの量だと思ってくだされ
どの道、連投規制は確定ですから(w
ここ最近は書き始めた頃と比べて文字数が倍以上増えてますからなぁ・・・
どうのこうので1話からだと文庫本分くらいの量になってる希ガス
235:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 14:49:14
投下は今日の夜ですか?
236:会社からですが、98です
07/05/17 15:03:29
>>235
今、会社にて書いてまするが、まだ途中なので
>>224で書いた通りの投下予定となる見込みです
申し訳無いですが今しばらくお待ちくださいまし
237:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 17:40:17
98氏、了解だ。がんがれ
他の職人の近況も知りたいところだがはてさて
238:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 18:24:12
しかし98氏はほんとすげーな。
文字数が増えてもクオリティが高くなってるし、読み応えもあるし。
砂漠で文庫本1巻だとすると全何巻になるんだろう?
いくらでも待ちますんでがんばってください。
239:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 18:31:59
ほんとーにすごいわ。
クオリティの高さを自分も見習いたいっす。
ちなみに自分は最近仕事忙しすぎて手をつけれずorz
240:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 18:52:49
>>239
騙りなのか職人か見分けがつかね~YO!!
241:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 20:57:22
いや、それよか「まじめに仕事しろ」って突っ込むべきなんじゃあ…。
続きは楽しみだけど、結果的にそのせいで帰るの遅くなってたりとかあるんじゃないか?
242:携帯から400です
07/05/17 21:53:50
クライアントへの納期が迫り、忙し杉で手をつけれてない400ですorz
98氏、楽しみにしておりますが
社会人の本分から外れない程度には御自重を
243:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 22:14:22
>>241
仕事中に読んでたから突っ込めなかったんだw
244:通常の名無しさんの3倍
07/05/17 23:18:47
400氏のss読んでて思ったんだが、アムロのメビゼロの壊れたパーツのカケラを、お守りがわりに身につけるのが流行ってそうだな
245:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/18 04:07:34
どもども98です
皆さん、ご心配おかけしましてすみませぬ・・・
基本的に会社で書いてる時は暇な時なんで大丈夫っす
なんせメリハリあり過ぎる仕事なんで(w
まぁ、来週あたりから忙しくなるんで、そうも言ってられなく成りそうなんですがね
あと、夜更かしは習性なんで仕様だと思ってくださいまし
>>242
400氏、乙カレー様です
社会人の本分、了解しとりまする
おいら、過去2回程仕事で体壊してまして過労による免疫不全で死に掛けた事がありまする
恐らく違う業界とは思いますが、働き過ぎて体を壊さないように御自愛くださいまし
続き、首を長くして楽しみにしてまするよ!
246:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/18 04:34:11
あと、お褒めいただきありがとうです
書くごとに自分の成長を感じるこの頃でつ
まだまだスレと共に成長していければと思っておりまする
皆さんに感謝感謝!連投スマソ |・∀・)ノシ オヤスミー
247:通常の名無しさんの3倍
07/05/18 12:44:42
各職人さんがんばれ
248:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 00:18:06
ほしゅ
249:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 07:54:14 yCQgGUTD
期待age
250:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 11:19:11
応援しつつ期待しておりまつ。
251:みぎ、ひだり
07/05/20 18:07:13 FGz+72UG
まだかな、まだかな・。・
252:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 20:16:53
あれ('A`)
253:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 20:30:07
日付変更頃か
254:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 21:43:00
焦らず待ちますか
255:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 22:14:51
全裸で正座して待機中
256:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 22:34:09
今日は寒いから服着れ
257:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 23:24:45
>>255
上だけは着ようね
258:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 23:25:00
ねむ ねむ ねむzzz…
259:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 23:28:59
>>258
寝るな!寝るんじゃない!
寝てる間に来るかもしれないぞ
260:通常の名無しさんの3倍
07/05/20 23:38:02
起きてから読めよ
261:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 00:04:23
日曜\(^o^)/オワタ
262:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 01:21:38
アムジャケットで正座して待機中
263:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 01:47:49
来ないのかねぇ
何かあったんだろうか?
264:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 02:07:23
>日曜か来週頭くらいに投下できればと思ってます
オマイらとりあえず服を着てもう少し待て。
265:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 02:10:49
色々都合もあるだろうさ
気長にお待ちしています
266:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 14:49:19
..
267:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 18:14:06
メビウス・リンクさん求む
268:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 19:33:06
URLリンク(www.new-akiba.com)
ワロス
269:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 20:08:41
あ、足が痺れた上にテラサムス
270:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 20:54:40
待ちくたびれてララァが見える
271:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:56:46
お待たせしました!
これから投下しまする
今回も連投規制掛かりますんで、その時は再投下まで10分ほどおまちください
272:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:57:49
『機動戦士ガンダムSEED bloom』
スレリンク(shar板:797番) の続きです
窓の外は青空が広がっていた。人工とは言え、その風景は地上とそう大差無く清々しい物だった。
しかし、ニコルが入院しているの病室へとやって来たアスランには、その青空を見る余裕すら無かった。何故なら、病室に入ってニコルの顔に巻かれた包帯に息を飲み、自分の行動が改めて迂闊だったのかと、唇を噛む事となったからだった。
ニコルはイザーク達が見舞いに来た時の様に朗らかな声で応える事は無く、かなり厳しい声をアスランに対して向けていた。
「あの人は倒すべき敵なんです。……僕の言った事、分かってもらえますか?」
「……ああ、それは分かっているんだ。本当に済まない」
「―それなら、そんな顔をしないでください!全然、分かってないじゃないですか!」
「……っ」
答えるアスランの表情が満足出来る物で無かったのか、ベッドに座ったままのニコルは罵声を浴びせた。
アスランは唇を噛み反論すら口にする事すら出来ず、ニコルはそれを無視しながら言葉を吐き続ける。
「あの人は、もうアスランの友達なんかじゃないんです!倒さなければ行けない敵なんです!ちゃんと自覚してください!」
「……それは……あの時戦って、感じてはいたんだ……。キラが変わってしまったのも……」
「良くも悪くも人は変わるんですよ!あの時、僕は本当に死んだかと思いました。このままじゃ、アスラン……あなた自身が友達だった人に殺されますよ」
「―!」
「―っ!……それは……」
ニコルの言葉に、傍らに立って二人を見守っていたフレイとアスランは顔を強張らせると息を飲んだ。そして、アスランが吐き出す様に口を開くと、包帯の間から見える瞳に怒りを滲ませたニコルが遮る。
「―分かってるって言いたいんですか!?」
「……自分の迷いが、みんなに迷惑を掛けているのは分かってるんだ」
「自覚しているなら、そう言う風に行動してください!」
「……本当に申し訳無い……」
怒鳴り声を上げるニコルに、アスランは自分がキラにこだわり続けた結果を後悔しながら顔を歪めながら頭を下げ続けた。
それを見かねたフレイが懇願する様にニコルに言う。
「……ねえ、もうアスランを責めないであげて」
「フレイ、アスランを甘やかすのは止めてください!それで死ぬのはアスランなんですよ!戦場じゃ、やらなきゃ、やられるだけなんです!」
「……」
ニコルは睨む様にフレイを睨み付けると怒鳴り声を張り上げた。ニコルとて、フレイに対して怒鳴るつもりなどは無かったが、踏ん切りを着ける事が出来ないアスランがニコルを苛立たせた。
フレイはニコルの言葉を聞き、何時までもキラを気に掛けるアスランが向かう先に、死が待っているのだと思うと何も言い返す事が出来なかった。
「……アスラン、帰ってください。……当分の間、あなたの顔を見たくありません!」
「……えっ!?」
「……ニコル」
273:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:58:15
徐にニコルの口から出て来た言葉にフレイは驚くと、アスランは驚愕し呆然と立ち尽くした。
病室は時が止まったかの様に重苦しい空気に包まれるが、ただ立ち尽くすアスランに対して業を煮やしたニコルが怒鳴る。
「―早く出てってください!」
「……分かった。……本当に済まなかった」
「―アスラン!」
アスランは自分が罵られても可笑しく無い立場なのだと改めて実感し、己の甘さに唇を噛むと頷いて、再度、深々と頭を下げ病室を出て行く。
フレイは引き留めようと呼び止めるが、アスランは振り返る事は無く扉が閉じられ、その姿が遮られた。フレイは涙を溜めながらニコルに顔を向ける。
「……どうして、あんな事言うの!?」
「……はぁ……。僕だって、好きで言う訳無いじゃないですか……。こんな怪我までして……」
「……」
ニコルは大きく溜息を吐くと、愚痴りながら顔を背けた。
アスランがキラを信じたばかりにニコルはキラに怪我を負わされたのだから、フレイはただ口を噤む他無かった。
気まずい雰囲気の中、顔を背けていたニコルが包帯の下に苦笑いでも浮かべているかの様に言う。
「……これで少しは自覚してくれると良いんですけどね……。フレイ、アスランの事、追いかけてあげてください」
「えっ!?」
「アスランの事ですから、見た通り凄く落ち込んでると思います。だから……」
「……うん」
ニコルの口から出て来る言葉を聞いたフレイは、怪我を負いながらも優しさを忘れていない事に涙腺が緩むと頷いて、病室を出て行ったアスランを追いかける。
病室を出て行くフレイの後ろ姿を見詰めながら、「いってらっしゃい」とニコルは優しく手を振るのだった。
274:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:58:46
「―私の名は、ラクス・クラインです!ザフト、連合両軍共に武器を引き、戦いを止めてください!私はラクス・クラインです!」
真夜中の砂漠―しかも戦場に、ラクス・クラインの声が響き渡った。そして、戦場の居た全ての者達が何事かと動きを止めた。
「―ラ、ラクス……!?」
ストライクのコックピットの中でキラは、声の発信源―アークエンジェルへと顔を向け顔を目を見開いた。そして、盾代わりにしていたバクゥを離すと、ストライクをアークエンジェルへと旋回させる。
その動きで思わぬ巻き添えを喰らったのが、足元に居た金色の髪を持つレジスタンスの少女だった。
「―うわっ!?お、おい!」
金色の髪の少女―カガリ・ユラは、ストライクに繋げたワイヤーガンを手にしたままだった為に、旋回したストライクに引っ張られバギーから転げ落ちた。
落ちた拍子にワイヤーガンを手放したカガリは、口の中に入った砂を唾を飛ばしながら吐き出すと、ストライクへと怒鳴りつける。
「こ、この馬鹿!危ないじゃないかっ!」
カガリの声は装甲に隔てられたキラの耳に届く事は無く、アークエンジェルへと向きを変えたストライクはバーニアに火を点し大きく跳び上がった。
それと共に、ストライクの跳躍と共に舞い上がった砂がカガリ達にパラパラと雨の様に降り注いだ。
「バッカヤッロー!」
アークエンジェルに向かって跳び去るストライクの背に向けて、カガリの怒鳴り声が虚しく木霊した。
その時、バギーに乗せてある通信機からノイズ交じりに重々しい男性の声がに入って来る。
「連合の腰抜けどもが攻撃を中止しやがった!一時、引き上げだ!様子を見るぞ!」
「―っ!くそっ!」
カガリは跳び去ったストライクの後姿を睨みつけると助手席に飛び乗り、勢い良くバギーが砂丘を駆け上がって行く。
その他のバギーも同じ様に砂を巻き上げながら後退を始めたのだった。
275:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:59:18
「―私の名は、ラクス・クラインです!ザフト、連合両軍共に武器を引き、戦いを止めてください!私はラクス・クラインです!」
アークエンジェルのブリッジの上では右前後の脚を失い大破しながらも尚、ブリッジを潰そうとするラゴゥとそれを阻止しようとするνガンダムが対峙していたが、そこへ突然、ラクス・クラインの声が響いた。
互いに張り詰めていた緊張感が一瞬、途切れる。
「―ラクス・クラインだと!?……一体、どうなってる!?」
ラゴゥのコックピットでバルドフェルドが傾いたラゴゥのコックピットの中で戸惑った声を上げた。
νガンダムに乗るアムロも同様に何事かと、足元のブリッジに向けて回線を開く。
「―アークエンジェル、どう言う事だ!?何が起こった!?」
「―おい、モビルスーツのパイロット、どう言う事だ!?死んだはずのラクス・クラインが、何故、ここにいる!?」
「……死んだ……だと!?」
「ああ、ユニウス・セブンでユーラシア艦に襲われて死んだって話しだ」
「……あの時の事か?俺達は救命艇を拾い、その中にラクス・クラインが乗っていた。そう言う事だ。……どうする?」
アムロはふとユニウス・セブン跡宙域で地球連合軍ユーラシア所属艦と戦った事を思い出し、その時の事を目の前の敵に話しながらも隙を突き、νガンダムの右手に持たせたサーベルをラゴゥのコックピットへと近付けた。
隙を突かれサーベルを近付けられた事で、サーベルのスイッチを押す時間差と言うアドバンテージがほぼ無くなり、バルドフェルドは苦虫を噛み潰した表情を浮かべる。
「……くっ!……アイシャ、どう思う?」
「……分からないわよ。あのパイロットの言う事が本当なら、間違いなく生きてなんでしょう」
「……つまらん。全く、つまらんな……。仕方無い……アークエンジェルの艦長、聞こえているか?」
アイシャも額に汗を浮かべながらも口元に笑みを湛えて答えると、バルドフェルドは吐き捨てる様に呟いてアークエンジェルへと呼びかけた。
突然、アークエンジェルのブリッジに響く声にマリューは戸惑いを見せる。
「―えっ、な、なに!?」
「こちらはザフト地上部隊北アフリカ方面軍指揮官、アンドリュー・バルドフェルドだ。貴艦に一時停戦を申し入れる」
「……停戦だと!?」
「……停戦!?」
ナタルとマリューはバルドフェルドからの申し出に目を見開いた。
マリュー自身、ラクスをブリッジに上げ、一時的に戦闘を中断出来ればと思っては居たが、まさか一時停戦を申し込まれるとは思っていなかった。
276:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 20:59:44
「……ラミアス艦長、お受けしてください」
「あー、受け入れられない場合は、分かっていると思うが……」
艦長席後ろのCICの傍に立っていたラクスが静かに口を開くと、間を置かずに再びバルドフェルドの声が響いた。
チャンドラが顔を強張らせながら叫び声を上げて無情にも報告を告げる。
「―敵モビルスーツ、多数出現!レセップスからの増援です!」
「―!」
「あの数……!」
砂丘の頂に姿を現したザフト軍のモビルスーツに、マリューは息を飲み、ナタルは顔を顰めた。
今、見えるだけでも三個小隊分のモビルスーツが姿を現し、砂丘の向こう側からは、まだ続いて出てくる気配が窺えた。
そこに追い討ちを掛けるようにバルドフェルドの声が響く。
「……ラクス・クラインの件もある、こちらとしても最大限、譲歩しよう。一時停戦を受け入れ、ラクス・クライン引き渡しの交渉を行いたい。飲んでもらえるかな?」
「……分かりました、停戦を受け入れます。その前にモビルスーツを下がらせてください」
スラスターの一部にダメージを受けたアークエンジェルに、逃げ切れるだけの力が無いのはマリューにも分かっている。
例え、νガンダムとストライク、スカイグラスパーがあの数のモビルスーツを倒そうとしても、時間が掛かり、その間にアークエンジェルは落とされてしまう。ましてや、頭上には砂漠の虎が居るのだ。マリューはバルドフェルドの提案を受け入れる他無かった。
意図も簡単に敵の提案を受け入れてしまう上官に対してナタルは叫ぶ。
「―艦長!」
「仕方ないでしょ!あの数を相手に戦えば確実に落とされるわ!それに敵は私達の頭の上にも居るのよ!」
「……くっ!しかし……」
マリューは状況が状況だけに仕方ないと言う感じで、苦々しい表情で異を唱えるナタルに怒鳴った。
ナタルにもマリューの言う事は分かるが、地球軍の士官が簡単に敵の提案を受け入れて良いのかと奥歯に力が篭った。
だが、アークエンジェルにはこの現状を打破するだけの力は無い。
「……モビルスーツを下げて逃げられたら、お話にならないんでね。モビルスーツを下げるのは正式な書類にサインをしてからにしたい。それまでは、互いに攻撃はせずに睨み合いと言う事でどうかね?」
「……分かりました」
バルドフェルドの提案を受け入れる他無く、マリューは神妙な面持ちで頷いた。
アークエンジェル側が提案を受け入れた事でバルドフェルドは少しだけ安堵の表情を浮かべる。
「……受け入れ、感謝する。―おい、ダコスタ、聞こえているか?攻撃中止だ!これからアークエンジェルと交渉に入る。下手な動きをしない限りは攻撃はするな!それから、何人か護衛を寄越してくれ!」
「―了―いし―した!」
バルドフェルドはマリューに礼を言うと、通信回線を開いてダコスタに指示を出した。Nジャマーの影響で通信にはノイズが混じるが、ラゴゥのコックピットには「了解しました」と答えたであろうダコスタの声が響いた。
そして、そのやりとりはアークエンジェルのブリッジにも聞こえていた。
277:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:00:09
「……ストライクを下げて……って、こっちに向かっているのね……。ストライクはエネルギーも少ないでしょうから装備を変更の後に、νガンダムと共に警戒に当たらせて!」
「―分かりました!」
マリューは大きく溜息を吐くと、指示を出しながら窓の外へと目を向けた。
そこにはジャンプしながらアークエンジェルへと戻って来るストライクの姿が見え、マリューは指示を言い直すとミリアリアが頷いた。
一方、アークエンジェルのブリッジの上では、未だνガンダムが武器を下ろす気配を見せてはいなかった。アムロからすれば理由は至極簡単な事で、下手に隙を見せて不意打ちをされる可能性があったからだった。
バルドフェルドは武器を下ろそうとしないνガンダムに向かって呼びかける。
「モビルスーツのパイロット、話は聞いていたんだろう?いい加減、武器を下げてもらえないか?」
「それならば機体から降りろ。そうすれば武器下ろそう」
「……ふぅ……分かった。……ついでにだが、君の攻撃でモビルスーツが見た通り壊れてしまって動けない。下に降りるのに手を貸してもらいたいんだが、頼めるかね?」
アムロはアグニとビームサーベルをラゴゥに突き付けたままの体勢で言うと、バルドフェルドは息を付いて頷いた。そしてコンソールを確認して、右側前後の脚を失った今のラゴゥで下に降りるのは不可能だと、バルドフェルドは肩を竦ませてアムロに降ろしてくれるよう頼んだ。
バルドフェルドの頼みに対して、アムロは念を押す様に言う。
「……下手な真似をすれば容赦はしない。いいな?」
「そっちが何もしなければ、こちらも手出しをするつもりは無い。安心してくれ」
「……分かった。手の上に乗れ。機体は後で下ろしておく」
「済まないが、よろしく頼む」
バルドフェルドはそう言うと、ラゴゥのコックピットを開いた。
外の空気は冷たく、見上げれば砂漠の夜空を追い遣る様に東の空が白見始めていた。そう時間も掛からずに、やがて太陽が昇って来るのだろう。νガンダムの白と黒のコントラストが鈍い光に赤く染まって見えた。
アムロはサーベルをラックへと収めると、νガンダムを屈めさせて空いた右手を差し出した。
「……良いモビルスーツだな」
「……ええ」
バルドフェルドはνガンダムを見上げ、額から流れる血を拭いながらぽつりと呟くとヘルメットを外したアイシャが頷いて、二人はコックピットを離れた。
アムロはνガンダムの右手に二人を乗せてアグニを抱えたまま立ち上がらせると、右手に乗ったバルドフェルドとアイシャに注意を促す。
「少し揺れるが落ちない様に気をつけろ」
「ああ、敵だからって振り落とさないでくれよ」
バルドフェルドはνガンダムを見上げながら、皮肉混じりに笑いながら言った。
νガンダムのバーニアに火が点り、ゆっくりと機体が浮き上がる。
「……夜明け……か」
νガンダムの指の間から見える徐々に白む空を見詰めながらバルドフェルドは呟いた。
278:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:00:39
プラントの空は帳が降り夜と言われる時間が訪れていたが、ザフト軍本部の建物から光が漏れ、まだ多くの者達が働いているのを感じさせている。
その軍本部の一室、パトリック・ザラの執務室にラウ・ル・クルーゼが入室しよう扉の前に立っている所だった。
扉が開かれると椅子に座っていたパトリックは眩しそうに目を細めた。
「―ん?クルーゼか」
「―は!失礼します。報告が遅れまして申し訳ありません」
「いや、構わん。それよりも良く成功させてくれた」
クルーゼは一度敬礼をすると薄暗い執務室へと足を踏み入れ、パトリックの座る大きなデスクの前へと進んで行った。
パトリックはクルーゼが歩いて来る中、作戦を無事遂行させた事を労う言葉を掛ける。
「ありがとうございます」
クルーゼは立ち止まると労いの言葉に答えた。
パトリックは満足そうな表情を浮かべると口を開く。
「これでプラントがナチュラルどもに対して有利である事を示す事が出来たはずだ。やがてプラント中が歓喜で溢れかえるだろう」
「これで次期最高評議会議長の座も決まった様な物ですな」
「―フッ、嬉しい事を言ってくれるな。それでだが、お前が上申していた勲章授与の件だが、私としてもイザーク・ジュールにネヴィラ勲章を与える事に文句は無い。今回は大々的に授与式を執り行いたい」
「……なるほど。それならば更に軍の士気は高まり、プラント中の注目を集める事となりましょう」
パトリックの意図に気付いたクルーゼは静かに頷き笑みを湛えた。
普段、余程の事が無い限り大々的な式典は行われてはいない。それを今回は執り行いたいと言うパトリックの意図は一つ、民衆へ誇示する事で戦意高揚を促し、戦争への道を更に加速させる事だった。
察しの良いクルーゼに、パトリックは口元で笑うと皮肉る様に勲章を貰う者の母の事を口にする。
「フッ、最も、一番喜ぶのは本人よりも母親なのだろうがな」
「ええ、微笑ましい物です」
クルーゼもパトリックの言いたい事に同意し微笑んだ。
そうして少しの間、二人は遣り取りをしていると扉が開き、レイ・ユウキが姿を見せた。
「―失礼します」
「おお、ユウキか。今回は臨時編成の艦隊で良くやってくれた。礼を言うぞ」
「いいえ。私は任務に従ったまでの事です」
ユウキはそう言うと、クルーゼが立つその隣へと進んで行った。
「そうか。しかし、流石としか言いようが無い。本当に感謝している」
「―は!ありがとうございます」
歩いて来るユウキに向かってパトリックは頷くと、改めて労いの言葉を掛ける。ユウキはクルーゼの隣に立ち、再度、敬礼をして背筋を伸ばした。
隣に立つクルーゼは、ユウキ体を向けると静かに口を開く。
「ユウキ隊長、私からもお礼を言わせて頂きたい」
「クルーゼ隊長、この度の作戦は見事だったな」
「ありがとうございます」
279:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:01:47
ユウキは口元に笑みを湛えながらクルーゼの功を讃え、右手を差し出した。クルーゼはその手を取り二人は握手を交わした。
互いの手が放れるとユウキは神妙な顔でパトリックへと向き直った。
「それでですが、仮報告書で提出した件ですが……」
「……ん、提出した件とは何かね?」
「……は?届いておりませんか?」
「私の元には、この報告書が来ただけだが?これで良いのだろう?」
ユウキは眉を顰め確認し直す様に聞き返すと、パトリックは手元にあった報告書を軽く持ち上げて見せた。
プラント到着前に送った仮の報告書でアスラン・ザラの軍紀違反についての報告を添付しておいたのだが、それがパトリックの手元に来ていないのは不自然過ぎた。
ユウキはパトリックの言葉に一応頷くが、その眉間には皺が寄っていた。
「はぁ、確かにそうなのですが……」
「何か問題があったのかね?」
「ええ……。ザラ国防委員長には申し難い事ですが、アスラン・ザラの事での報告を秘匿にて付けたはずなのですが」
「……」
パトリックはユウキの言葉に眉を顰めた。
握りつぶしたのはアスランの事柄のみではあるが、報告をした本人が目の前に居る上に自分の立場を考えれば、怪しまれても可笑しくは無い。
―ちっ、ユウキめ……。
パトリックは心の中で、ユウキの事を忌々しく思った。
「……ユウキ隊長、私の部下が何か問題を?」
「あ、ああ。命令違反を犯してな。婚約者であるラクス・クライン嬢の事が原因だとは思うのだが……」
パトリックの心中を察したのかクルーゼが聞くと、ユウキは顔をパトリックからクルーゼへと向けて答えた。
その二人の遣り取りを見ていたパトリックは、握りつぶした事実を悟らせぬ為、椅子から腰を上げ一芝居仕掛ける。
「……そうか、由々しき事だ。息子が迷惑を掛けた。親として頭を下げさせてもらう。……しかし、我が息子と言えど、軍規違反を犯した以上は処分せねばならない。報告の方は電波状態が悪かったのかもしれんな。
それでだが、報告が来ていない以上は何もできん。必要とあらば、再度提出をしてもらえるとありがたい」
「……了解しました。再度、提出させていただきます」
「うむ」
まさか頭を下げるとは思っていなかったユウキは驚いた表情を見せたが、すぐに表情を正して応えると、パトリックは間を置かずに如何にも威厳有る感じで頷いた。
クルーゼは仮面の下で微かに微笑む。それはパトリックもユウキも気付かない程に。
「お待ちください。ユウキ隊長の指揮下にあったとは言え、アスラン・ザラは私直属の部下です。部下の失態は隊長である私の責任でもあります」
「……クルーゼ」
突然のクルーゼの申し出にユウキは、クルーゼに対して人間としては懐疑的な見方をしていただけに、部下を庇う様な行動に出るとは思わず目を丸くした。
クルーゼは一歩足を進めると、凛とした声で言う。
「ユウキ隊長、ザラ国防委員長閣下、お二方にお願いがあります。アスラン・ザラへの処罰、私目にお任せ頂けませんでしょうか?」
「……いや、しかしそれでは―」
「部隊内で処理すると言う事か?」
280:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:02:56
ユウキはクルーゼの言葉に「―それでは示しが着かない」と続けようとしたが、パトリックがそれを遮った。
パトリックの問いにクルーゼは静かに頷く。
「はい。かと言って、ラクス・クライン嬢の事が原因だとしても、甘い処分を下すつもりもありません。しかし、今のプラントに彼の様な優秀な人材を遊ばせて置くだけの時間的な余裕はありません。全てを私にお任せ頂けませんでしょうか?」
「……見逃すつもりではないのだな?」
「それは勿論です。罪を犯したのならば罰せられて当然。上官としてアスラン・ザラには、それだけの帳尻は合わせさせるつもりです」
ユウキが厳しい視線を向けると、クルーゼは胸を張って答える。
そのクルーゼの毅然とした態度を見たユウキは考える。
―今回の件は一時の気の迷いだと思うが、これを気に立ち直ってくれるのならばな……。クルーゼの人としての器、見て見る機会でもあるか……。
ユウキは考えを纏め上げると、クルーゼに対して口を開く。
「……ならば、報告書は作成するが、それをクルーゼ隊長にお預けさせて頂く。処分が甘ければ私の方から抗議させてもらう。それでどうだ?」
「ありがとうございます。ザラ国防委員長閣下、私目にお任せ頂けますでしょうか?」
「……分かった。但し、厳正な処分と報告を頼むぞ」
「―は!心得ております」
自ら握りつぶした報告の件が立ち消えた事でパトリックは安堵しながらも、アスランの処分の件に対しては苦々しく思っていた。しかし、今更、回避出来る物でも無い。
パトリックは眉間に皺を寄せながらも重々しく言うと、クルーゼは背筋を伸ばして応えた。
そして、アスランの件が纏まった所で、再びユウキがパトリックに向かって口を開く。
「それからですが、今回、戦闘指揮を執っていて感じた事なのですが、アカデミーのカリキュラムも見直した方が良いかと思われます」
「……そうか。流石、FAITHを纏めている者は見ている所が違うな。私としても大いに助かる。是非とも意見書を提出してくれたまえ。プラントの防衛が掛かっている故、こちらとしても早急に対応しよう」
「―は!ありがとうございます」
「うむ。戦いで疲れている所を済まない。クルーゼや君の様に優秀な者が居るからこそ、今のプラントがあるのだ。感謝しているぞ」
ユウキはパトリックの自分の進言を受け入れてくれた事に敬礼をすると、パトリックは話しながらユウキの前まで歩出て手を差し出した。
「恐縮であります」
「勿体無いお言葉、ありがとうございます」
パトリックはユウキの手を取り軽く握手をすると、次はクルーゼへとその手を移動させた。
二人と握手を終えたパトリックは向き直ると、ゆっくりとした口調で言う。
「疲れた体を休めるといい。一応の報告も上がっている。君達二人には大仕事をやってもらっているからな、明日一日休みを取ってくれたまえ。意見書製作はそれからでも構わん」
「―は!ありがとうございます!それでは失礼します!」
「―は!失礼します!」
ユウキとクルーゼは、パトリックに敬礼をすると踵を返し、薄暗い執務室を後にした。
残されたパトリックは苦々しい顔をしながら椅子へと腰を下ろし呟く。
「……ユウキめ、余計な事を。……私の苦労を無駄にしおって。この件、クルーゼに釘を刺して置くか……」
パトリックは背凭れに体重を預けると目を瞑り、大きく息を吐いた。
281:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:03:21
砂漠では既に朝日が昇り、アークエンジェルのカタパルトデッキ前にはνガンダムが下ろしたラゴゥが横たえ、照りつける光はジリジリと装甲温度を上昇させていた。
その中、外の外気と遮断されたアークエンジェルのブリッジでは、マリューとバルドフェルドにより、一時停戦に向けた交渉が行われている所だった。
ザフト側は椅子に腰を下ろしたバルドフェルドを中心に、アイシャ、そして、五名のザフト兵。彼らは丸腰ではあるが、その代わりに外には十数機のモビルスーツがアークエンジェル右舷側でいつでも戦闘に突入出来る体勢を取っていた。
対するアークエンジェル側はマリューを中心とし、ナタル、帰還したムウ、ラクス、そしてブリッジ要員と多くの者達が揃っていた。
外にはアグニを構えたνガンダムと、バッテリーの残量の関係で、仕方なくダメージが残るエールストライカーパックに換装したストライクがザフト軍モビルスーツに対する様に立っている。
停戦交渉は、二、三時間程掛かりながらも大体の条件が纏まり、互いに確認しあう段階へと移っていた。
額に包帯を巻いたバルドフェルドがメモを手に取り、目を通すと念押しするかの様にマリューに言う。
「―これで条件は良いかな、マリュー・ラミアス艦長?」
「ええ、これでお願いします」
「それでは、これを文書化した上で調印、停戦としよう」
「ええ。これを文書化してもらえる?」
バルドフェルドの提案にマリューは頷くと、ミリアリアにメモを手渡した。
ミリアリアは「分かりました」と言ってCICへと戻りタイプを打ち始める。その傍らではナタルが文章の内容を確認しながら指示を与えていた。
一仕事終えたとばかりにバルドフェルドが背凭れに体重を掛けると、ブリッジ内を見回しながら楽しそうに言った。
「それにしても良い船だ。それに艦載機やパイロットの腕も良いと来てる。クルーゼやユウキが取り逃がすのも無理は無い」
「それはそれは、お褒めに預かり恐悦至極でございますよ」
「まぁ、そう嫌な顔をしないで欲しいな。エンデュミオンの鷹殿」
ムウが皮肉混じりに言うと、バルドフェルドは薄い笑みを浮かべて応えた。
その遣り取りを見ていたブリッジに居る者達の表情が強張り緊張が張り詰める。
「フラガ少佐……まだ調印が済んでいないんです、刺激しないでください」
「フン、分かったよ!悪かったな、砂漠の虎さんよ」
見かねたマリューが困った表情を浮かべながら言うと、バルドフェルドが気に食わない様子のムウは顔を背けて謝罪の言葉を口にするが、誰が見ても謝っている様には見えなかった。
それを見ていたバルドフェルドは可笑しそうに笑みを零しながら言う。
「フッ……こんな機会は滅多に無いんだ、停戦の時ぐらいは仲良くしようじゃないか」
「だがな、こっちはそうもして居られないんでね」
「そりゃ、またどうして?」
「新米を抱えてんだ。仲良くする暇があるなら、訓練させにゃいかんのさ」
282:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:03:47
興味を示した様に言うバルドフェルドに対し、ムウは顎で自分の後ろに立つトールを指して答えた。
一応の納得をしたバルドフェルドは肩を竦めながら、薄ら笑いを浮かべる。
「……なるほど。まあ、訓練するなら、取り決め通りに通達を貰えれば飛行空域を設定する。その範囲内なら、いくら飛んでくれても構わんよ。お互い不可侵な訳だからな。しかし、エンデュミオンの鷹が育てる人間か……。鷹か鳶か、楽しみな物だな」
「それはあんたには関係無い話だ。どの道、見張り立てて性能を確かめんだろ?」
「それはお互い様って事さ」
トールに目を向けた敵将に対し、ムウは突き放す様に言うと、納得してくれと言わんばかりに、その敵将であるバルドフェルドは答えた。
その時、チャンドラの声がマリューに向かって掛けられた。
「―艦長、左舷より所属不明の車両が近付いています!」
「所属不明って……?」
「ああ、きっとレジスタンスの連中だろ?」
眉を顰め聞き返すマリューに、バルドフェルドはレジスタンスの車両など見えぬ窓の外に目を向けながら答えた。
マリューは律儀にもバルドフェルドの目線の先を追った。
「レジスタンス……ですか?」
「そうだ。我々は君達、連合の相手ばかりをしている訳では無いからね。まぁ、最もこうなった以上は、レジスタンスが君達に攻撃を仕掛けて来た場合は我々が守ろう。そうなった時は手を貸して貰えると有り難いんだがな」
「おいおい、敵の味方をしろって言うのか?」
ムウはバルドフェルドの申し出に呆れた表情を見せると、そのバルドフェルドは頷くと顔の前で手を組んで言う。
「ああ、君達の船を襲って来た場合の話しだがね。レジスタンスが我々を攻撃して来た場合は、その限りでは無い。君達は高見の見物と洒落込めるんだ、良い話しとは思わないか?」
「ラクスさんの引き渡しが終わるまでは―と、言う事ですね?」
「そう言う事だ。それまでは、互いに戦う事は禁止。君達はレジスタンスの味方をする必要も無い。これだけの好条件を飲まないとしたら愚者としか思えんよ」
マリューが確認するかの様に聞き返すと、バルドフェルドは薄い笑いを湛えながら答えた。
少し考える素振りを見せたマリューは軽く頷くと引き締まった表情を向ける。
「……先程言った通り、私達は停戦を結ぶ意志に変わりはありません。それでは、その条項を新たに明記します」
「大いに結構」
「レジスタンスに対して警戒を。警備に伝えて!それから、バジルール少尉、今の話し聞いていたわね?」
「分かりました」
「ええ、了解しています」
283:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:04:12
バルドフェルドが満足そうに頷くと、マリューはチャンドラとナタルに指示を出した。それぞれが頷き、指示を出して行く。
ナタルは口頭で追加条文をミリアリアに伝え、タイプさせて行く。
数分が経ち、停戦協定調印書が二枚吐き出される。それをナタルは手に取ると不備が無いか確認を始める。
「……不備は無いな。艦長、お待たせしました」
「ええ、バジルール中尉」
ナタルから調印書を受け取ったマリューは紙に目を落とした。そして、一通り目を通すと、バルドフェルドに調印書を差し出す。
「……これで大丈夫ね。―どうぞ、ご確認ください」
「ああ、ありがとう……ふむ、問題は無い様だ。早速だが、お互いにサインを取り交わして休戦としよう」
「分かりました」
バルドフェルドも内容を確認し終え、二人は二枚の紙に自分の名をサインして行く。
それぞれが停戦協定調印書を交換すると、満足そうに笑みを湛えたバルドフェルドが立ち上がる。
「さて、これで正式に休戦と成った訳だ。この取り決めが破られない事を期待する」
「ええ、分かっています」
マリューも頷くと席を立ってバルドフェルドと握手を交わした。
「おい、ダコスタに連絡してモビルスーツを下がらせろ」
「―は!」
「こちらもモビルスーツを下がらせて!」
停戦協定に則って、バルドフェルドが自分の後ろに立つ部下に指示を出すと、マリューも同じ様に指示を出した。
ここにアークエンジェルとバルドフェルド隊の停戦が締結され、モビルスーツ同士の睨み合いが終了した。
284:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:04:39
アークエンジェルの格納庫には役目を終えたνガンダムとストライクがハンガーに納まろうといていた。
開放されたエアロックはそのままに、熱い外気を運んで来る。
アムロがνガンダムから降りて来ると、目の下に薄っすら隈を作ったマードックが声を掛けて来た。
「―お疲れさんです!」
「マードック、大丈夫か?戦闘が始まった時には寝ていたのだろう?」
「ええ、お陰で寝不足ですよ」
アムロが顔色を見て気遣う言葉を掛けると、マードックはくたびれた様子で首の後ろを摩りながら頷いた。
その向こう側では、ストライクを降りて来たキラが、整備兵に声を掛けている姿があった。
「―整備、お願いします!―お疲れ様です!」
キラは整備兵の一人に頭を下げると、二人の元へと駆け寄った。
「おう、坊主!あの状態で良く帰って来たな」
「でも、援護が無かったら、今頃やられてたと思います」
マードックが声を掛けると、キラは軽く首を振って答えた。
謙虚な姿を見せるコーディネイターの少年に、マードックは笑みを浮かべながら少年の背中を軽く叩く。
「何であれ、あの状態で良くやった。お前は病み上がりなんだし、体を休めろ」
「はい、そうさせてもらいます。ストライクをお願いします」
「言われなくてもやっとくさ」
キラはそう気遣って貰えるのが嬉しいのか、軽い笑みを受けべて頷くと頭を下げると、マードックは頷いて応えた。
ヘリオポリスからここまで、運命を共にして来たアークエンジェルの整備兵達は、コーディネイターであるキラの事を自分達の仲間として見ている者が多かった。それも懸命に戦い、アークエンジェルを守ろうとするキラの姿を知っているからだった。
それはアムロも同様であり、通り掛る整備兵が二人のパイロットに労いの言葉を掛けては、自分の仕事へと戻って行く。
そうしていると、カタパルトデッキの方からレジスタンスと警備兵が言い合う声が聞こえて来た。距離がある為、良くは聞き取れないが若い女性の声や野太い男性の怒鳴り声が聞こえて来ていた。
「……ザフト兵も艦内に来ている。外の連中の事もあるからな、念の為にコックピットをロックしておいてくれ」
「分かりました。エアロックもすぐに閉じさせます。おい、お前ら―」
カタパルトデッキへと顔を向けたアムロが言うと、マードックは頷いて部下である整備兵達に指示を出し始めた。
マードックが二人の元を離れると、アムロはキラの背中を軽く叩いて言った。
「さあ行くぞ、キラ」
「あ、はい!」
カタパルトデッキに目を向けていたキラは頷くと、アムロと共にパイロットルームへと向かって歩き始めた。その途中、気に掛かる事があったのか、隣を歩くアムロに声を掛ける。
285:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:04
「……あの、アムロさん」
「どうした?」
「さっき、どうしてラクスがあんな事……したのか、僕には分からなくて……」
「俺にも聞かれてもな……詳しい事は分からないさ。ただ、今分かるのは、ラクス・クラインが戦闘を中止させる程の力を持っていた。と言う位の事だな」
アムロはキラの質問に対して、ラクスの行動がどうして行われたかなど、アムロが事実を知る訳は無く、一度首を振ると、ラクス・クラインと言う少女が、どれだけの力を持っているのかと言う事のみに対してだけ言及した。
「……それをラミアス艦長が利用した……んですか?」
キラは少し俯くと苦々しい表情で言い難そうにアムロに聞き返した。
ここまで共に苦楽を共にして来たマリューが、ラクスを人質として使ったのではないかと、キラが疑念を抱き始めているのにアムロは気付いた。
「……そう言う事か……。脅迫したのか、それとも自主的にラクス・クラインが行ったのかは知らないが、ラミアス艦長に他意は無くとも、そうさせてしまったと言う事は事実だからな。俺としては何とも言い兼ねるな」
「でも、それって人質と……同じじゃないですか……」
苦々しい表情のままキラは顔を上げて言った。
キラと言う少年は多感な思春期に有りがちなナイーヴな面を今まで、多々見せる事が多かった。だが、そのナイーヴさは、戦う者として諸刃の剣にも成りうる。その危険さを知るアムロは、考え過ぎるなと言わんばかりに突き放す言い方をする。
「……だとしても、起きてしまった事を無かった事には出来ない。真相はブリッジに行けば分かるさ」
「……そんな!?」
キラはアムロの冷たい言い様に、思わず顔を強張らせ足を止めた。
アムロは一瞬、振り返りはするが、そのまま歩き続けながら低めの声で言う。
「……キラ、お前は敵側であるラクス・クラインと関わり過ぎている。俺と同じ事を繰り返すつもりか?」
「……えっ!?……同じ事って?」
キラは驚いて小走りでアムロの隣へと並び、横顔を見詰める。
アムロは真っ直ぐ前を見据え、歩みを止める事無く、ゆっくりと話し始める。
「……俺は一年戦争当時、同じニュータイプだったララァ・スンを殺している……。彼女は軍人だったとは言え、殺してはいけない人だった」
「……僕とラクスが……同じとでも言うんですか?」
「ラクス・クラインはハロを持って居た。何かしらの関わりが有っても可笑しくは無い。今は民間人だとしても、この先、敵対する可能性が無い訳では無いだろう」
「ラクスは……そんな事……」
キラはそう言うが、アムロの言う通り未来の事など分かりはしない。ましてや、ラクスはアスランの婚約者である以上確信が持てず、言葉を続ける事が出来なかった。
顔を伏せながら歩くキラに、アムロは苛立ちを隠しながら言う。
「僕はキラに同じ道を辿って欲しくは無い。関わり合うなとは言わないが、敵対する国の住人である以上、線は引いて置いた方が良い」
「僕だって……ラクスを殺したくなんか無いですよ……」
「全てが起こってからでは遅す過ぎるんだ」
様々な戦いを経験し、殺してはいけない人を殺めてしまったアムロの言葉がキラに圧し掛かる。
286:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:31
「……アムロさんは、その……ララァさんの事を……後悔しているんですか?」
「……今でも夢に出て来る。敵とは言え、互いを分かり合えた存在を殺してしまったのだからな……。だからこそ、ララァに母親を求めたシャアは、隕石を落としてまで俺と決着を着けたがったのさ……」
「……そんな事って!」
「νガンダムの中で見ただろう?……全て事実だ」
たかが女性一人の復讐の為にシャアと言う人は地球に隕石を落とすなど、普通ならば到底考えられないが、アムロが言う様に、ヘリオポリスでνガンダムのコックピットで見た戦闘記録は事実であり、キラは現実にあった事なのだと絶句する他無かった。
そうして居ると、あまりの事に言葉が出て来ないキラに向かって、アムロが徐に口を開いた。
「考え過ぎかもしれないが、キラに取っては、アスラン・ザラがシャアに当たる人間なのかもしれない。気をつけた方が良い」
「……アスランが!?」
「嫌な言い方になるが、全てに可能性が無い訳じゃ無い。戦っている以上、敵である事には間違いないのだからな」
既にキラはアスランと戦い、完全な敵対関係となっている。それを否定する事はキラ自身、出来る訳も無く、アスランがシャアと言う人物に当たらないとしても、アムロの言う事は正しく現実の事なのだ。
アムロの過去と自分の未来が重なる可能性が有ると思うと、キラは気が重くなった。そして、そうは思いたくないと、躊躇いがちに床を見詰めながら言う。
「……そう……ですね。でも、ラクスやアスランが、ララァさんやシャアって言う人と同じだとは思いたく無いです……」
「ああ、キラは僕では無いからな。……同じ事になるとは限らないさ」
「はい。……嫌な事聞いてしまって済みませんでした」
アムロは静かに応え、元気を出せと言わんばかりに片手でキラの背中を押した。すると、キラは顔を上げて頷き、アムロに対して心から謝罪した。
二人は格納庫の扉を出て通路に来た所で、キラは思い出した様に呟く。
「そう言えば、あの……レジスタンス……」
「ん?ああ。戦闘中に出て来た事を考えれば、俺達に恩を売ってザフトを討たせようとしたんだろうが、当てが外れたと言った所なのだろう」
「もしもあの時、僕がレジスタンスの指示に従っていれば、彼らはザフト軍から開放された……んですか?」
「いや、それは無いだろう。あったとしても一時的な物だ。どこかの国なり組織がバックが付いているなら話は別だろうが、民間の寄せ集めが正規の軍隊に勝てる程、戦いは甘くは無いさ」
「それなら僕達が彼らの助けてあげても……」
キラはアムロに訴えるかける。が、アムロは未だ軍人としては甘すぎる考えをするキラを善しとは思わなかった。
アムロは歩みを止める事無く、キラに向かって告げる。
「……突き放す言い方をするが、俺達は正義の味方じゃない。軍人となったキラが気に留める必要は無いんだ」
「―そんな!」
「自分の正義感だけを振りかざして戦うな。軍と言う組織はそう言う所だ」
「それじゃ、彼らを見捨てろって言うんですか!?」
アムロの言葉にキラは信じられないと言う表情で叫んだ。
軽く溜息を吐いたアムロは、足を止めて振り返ると淡々と語り始める。
287:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:05:56
「……悪く言えばそう言う事だ。泡良く俺達が彼らを助け、ザフト軍から開放したとしても、俺達が出て行けば無政府状態となる事を避ける名目で他国の軍が介入して来る可能性もある。上手く自分達で臨時政府を樹立したとしても、派閥や利害から内戦が起こる可能性も高い。
彼らは彼らの目的の為にしか動いてないのだから、政治が安定するまで連合軍が駐留する事になれば、それを良しとしない別のレジスタンスが組織される可能性も否定出来ない」
「……それじゃ、戦いなんて終わらないじゃないですか!」
「だからこそ、人のエゴを押さえ込むだけの力が必要となるんだろう。キラは自分がストライクに乗り、何故、軍人として戦って居るのか考えてみると良い」
「……エゴを押さえ込むって……、その為に戦うなんて僕には……」
キラは唇を噛みながら呟いた。
アムロは悔しそうな表情を見せるキラに向かって言う。
「キラ、その人間が地球さえ破壊するんだ。だからこそ、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろう」
「……シャアと言う人みたいにエゴで隕石を落とそうとするなんて、僕は考えたくも無いです」
「……でなければ、俺だってシャアと戦って無いさ。俺は奴程、急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない。必ず人類は乗り越えて行けるさ」
「……僕だって、そう思いたいですよ」
アムロは一瞬、厳しい目付きを見せると髪を掻き上げ、再び歩き始める。その後を追う様に歩き始めたキラは呟く様に言った。
空気が固まった様な雰囲気の中を二人は歩いて行く。
徐々に冷静になって来たキラは、アムロに対して物凄く生意気な言葉を言ったのではないかと後悔をし始めていた。しかし、口に出さなければ何も通じない。
キラは躊躇しながらも前を歩くアムロに声を掛けた。
「……あっ、あのアムロさん……す、済みません……生意気な事を言って……」
「気にしなくて良い。実際の所、この世界の人間では無い俺が、戦いに介入して良い物なのかと、色々と考えさせられる事も多いからな」
謝罪をして来たキラに、アムロは首を振って応えると、足を止めてキラが隣に来るのを待った。
キラはアムロの隣に来ると、ゆっくりと口を開き、共に歩き始める。
「……でも、アムロさんが居なかったら、今頃どうなっていたか分からないです……」
「それは買い被りすぎだ。俺は今を生きる為に行動しているにしか過ぎない。この世界を良い方向に導くのは元からこの世界に住む、キラ、お前達の役目だろうに」
「……世界を良い方向に?……僕達の役目……ですか?」
「ああ。本来なら俺が介入すべき事では無いはずだからな」
意外な言葉にキラは目を丸くすると、アムロが前を見据えたまま言った。
だが、そのアムロでさえ、この世界に放り込まれ、既に本来の流れさえ変えてしまっている事に気付きはしない。
キラは共にここまで一緒にやって来たアムロが、その様な言葉を言う事に一抹の寂しさを感じて聞き返す。
「……あの……それは、アムロさんも一緒にじゃ、駄目なんですか?」
「そうしなければならないのなら、俺もそうするさ」
「……出来ると思いますか?」
「……気休めでも出来ると信じなければ、何も出来ないだろう」
「……そう……ですよね」
アムロの言葉にキラは頷くと、真っ直ぐ前を見据えて歩いて行く。
キラはこの時を境に友達、仲間を守ると言う戦いだけでは無く、人類を守る為の戦いを少しずつ考え始める様になる。
288:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:12:34
窓の外には街の灯りが瞬いていた。そこには多くの人達が集い、楽しんでいるのだと容易に想像がついた。
ベッドに腰を掛けたアスランは、既に夜となった窓の外を眺めていた
フレイに見送られ、軍病院から戻って以降、パトリックの言い付けを守り自室で謹慎に入っていた。頭の中では今までの事が思い出されたが、その度にフレイとニコルの顔が思い出された。
理由は至極簡単で、病室を出た後、落ち込むアスランをフレイが勇気付けたのと、ニコルが本気で怒ったのでは無いのだと聞かされた事が原因だった。それが無ければ、今頃、自分は暗い思考の中を彷徨っていただろう。
何であれ、今は感謝し切れないほどフレイとニコルには恩を感じていた。
その時、来客を告げるチャイムが鳴った。
「―はい」
アスランは立ち上がって扉の所まで行き、コンソールパネルに有るボタンを押すと、空気が抜ける音と共に扉が横へとスライドする。
驚いた事に、そこにはクルーゼが立っていた。
アスランは慌てて敬礼をする。
「―た、隊長!?……失礼しました!」
「うむ。失礼するがいいかな?」
「―は!散らかっておりますがどうぞ。それから……」
アスランはクルーゼを部屋へと招き入れると、来客を持て成す物が一切無い事に気付き、バツが悪そうな表情を見せた。
クルーゼは殺風景な部屋を一度見回すと、苦笑いを浮かべる。
「アスラン、気遣いは無用だ」
「―は!それにしても隊長自ら、何故、ここに?」
「それはユウキ隊長から話を聞いてな。事の内容を確かめに来た」
「……はい。あ、椅子をどうぞ」
クルーゼはここに赴いた用件を言うと、アスランは頷く。そして、立ったままなのに気付き、クルーゼに椅子を勧めた。
椅子へと腰を下ろすとクルーゼは口を開いた。
「うむ、ありがとう。君も楽にしてくれ。……それでだが、ユウキ隊長はラクス・クライン嬢が事の原因ではないかと言っては居たが、話を聞けばその戦場にはアークエンジェルも居たと聞く。どうなのだ?」
「……はい。キラ・ヤマトと戦いました」
「その結果、ニコルを含む多数の死傷者が出たと言う訳か」
立ったままのアスランは、問いに対して事実通りキラ戦った事を告げると、クルーゼは足を組み問い返した。
289:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:03
「……はい」
「それで君は、友人のキラ・ヤマト君を倒すつもりはあるのか?」
「……それは勿論―」
素直に答えるアスランにクルーゼは徐に質問をした。
その問いにアスランは口を開くが、言い掛けた所でクルーゼの口から出た言葉が遮る。
「―彼の乗るモビルスーツ、ストライクと言ったか?あのモビルスーツに因って、私の部下であるニコルが傷付けられた。君は昔の友人と今の仲間、どちらを取るのだ?」
「……それは勿論、今の仲間を取ります」
「……そうか。ならば、これからも戦えるな?」
「はい」
優秀な部下の選択にクルーゼは笑みを湛えて聞き返すと、怪我を負ってまで自分に気を使うニコルの事を思い、アスランは頷いた。
その様子を見たクルーゼは、まだアスランは使えると判断すると皮肉交じりに言う。
「ならば、お父上の期待を裏切らぬ為にも今まで以上に働く事だ。それで処分についてだが……」
「どの様な処分も受ける覚悟は出来ています」
「……ほう、ならば話は早い。形ばかりではあるが少しの間、独居房の中に入ってもらう」
「……はい。しかし、それだけで済まされる様な罪では無いと……」
「うむ、その通りだ。然るべき時に任務と言う名の罰を与える」
クルーゼから出て来た言葉にアスランは唖然とした。それは、独房で拘束される以外は通常の任務と変わらない内容なのだ。
報告など握り潰す事など厭わない父に因って決定されたのではないかと、釈然としないアスランはクルーゼに抗議する。
「しかし、それでは!」
「分からないのか?私は君がパトリック・ザラの息子だからと言って、甘やかすつもりは毛頭無いぞ。君は死んでいった者達の為に死を覚悟した方が良い。理解出来たか?」
恐ろしい程、冷たく笑みを湛えるクルーゼの口から出て来る言葉に、アスランは恐ろしい何かを感じた。
だが、それだけの罪を自分自身は背負っているのだから、どの様な任務を与えられようと頷く以外には無い。
「……分かりました」
「それでは明朝〇九〇〇時、軍本部に出頭し、後に独房入りとする」
「アスラン・ザラ、了解しました!」
クルーゼは立ち上がって命令口調で告げると、アスランは背筋を伸ばして命令を受領する。
アスランはこの先、自分の手が何を行うのかさえ知る事は無かった。
290:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:29
砂漠では日が徐々に高くなり、落ちる影を短くしていた。
空調の利いたアークエンジェルのブリッジでは停戦協定調印が済んだ事で乗組員達の中には、安堵の表情を浮かべて居る者たちさえあった。
ブリッジの扉が開き、制服姿のアムロとキラが入って来た。その二人を見たバルドフェルドが口元に笑みを浮かべた。
「ようやく御出座しか」
「えっ!?……あ、キラ」
ラクスは振り向いてキラを見詰めるが、当のキラはアムロと共にムウやナタルと挨拶を交わし、何やら話し込んでいるようだった。
そうして居るとキラは一人離れ、マリューの元へと歩み寄って行く。勿論、ラクスは傍マリューの居るのだから、近くを通る事と成る。
キラは歩いて来る途中、少しだけラクスに目を向けるが、強引に唇を奪ってしまった負い目から直ぐに目線を外した。そして、立ち止まるとマリューに声を掛けた。
「あの、ラミアス艦長、お話があります」
「なにかしら?」
バルドフェルド達が居る事もあって、マリューは立ち上がると、キラに通路へ行くようにと促した。キラは頷き、踵を返してブリッジの扉へと向かって行く。
マリューは「失礼」と言って席を離れるが、一応のザフト側にラクスを拉致させない為に、その場にラクスを残そうとはせず、ナタルと共にラクスを引き連れてブリッジの外へと向かった。
扉の外で待つキラの表情はかなり険しく、マリューは扉が閉まるのを待って、躊躇いがちにだが用件を聞く為に声を掛けた。
「……何かしら?」
「あの、ラクスを……ラクス・クラインを人質として使ったんですか?」
「それは―」
キラの口から出て来た言葉にマリューは、結果的に人質と同じと採られても仕方が無いかと感じつつ、事の顛末を話そうと口を開くが、ナタルの一喝がそれを遮る。
「―ヤマト少尉、口を慎め!」
「―だけど!」
キラはナタルに向かって怒鳴るが、それで気が収まる気配は見せてはいなかった。
ラクスは自分が止めなければと、キラを止めようとする。
「キラ、違うんです!」
「―ラクスは黙ってて!」
キラはラクスに怒鳴るが、ラクスも必死に食い下がった。
「―キラ、お願いですから聞いてください!ラミアス艦長は私のお願いを聞いてくださっただけなのです!」
「―!……っ」
「……お願いです……だから……」
ラクスの言葉にキラは息を飲むと、苦々しい表情を見せた。懇願するラクスの視線がキラに突き刺さる。
ナタルとて、この様な事態になってしまったのは仕方が無い事ではあるが、本来は喜ぶような事では無いのだ。
居た堪れないであろうキラに同情しつつ、ナタルが静かに声を掛けた。
「……分かったか、ヤマト少尉」
「……ラミアス艦長、……済みませんでした」
291:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:13:53
キラは少しだけ頷くとマリューに頭を下げて踵を返し、ブリッジの中へと向かおうとした。
マリューこの様な選択肢を選んでしまった事もあり、自分の不甲斐なさも相まってキラの背中に向かって言った。
「……こんな事になってしまって、ごめんなさいね」
「……いいえ」
「あの……キラ」
キラは扉を開けようとスイッチに手を掛けると首を振って応えると、ラクスが呼び止める。しかし、キラは「……ごめん」と言って、扉を開けてブリッジへと入って行った。
ラクスにはキラが言葉が何に対しての謝罪であったのか理解が出来ず、寂しそうな顔を見せた。
通路に居た全員がブリッジに戻るとマリューは椅子に腰を下ろし、社交辞令としてバルドフェルドに謝罪をした。
「……お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「いいや。それで、あの少年がストライクのパイロット?」
「それはお答えしかねます」
バルドフェルドは首を振り、アムロやムウと共に離れた位置に立つキラを見て質問すると、マリューは真面目な顔をして答えた。
「まあ、そんなケチな事を言わないで欲しいな。そして、あっち彼がνガンダムとかって言うモビルスーツのパイロットだろ?声で分かるさ」
肩を竦ませてバルドフェルド言うと席を立って、アムロとキラの方に歩み寄って行った。そして、最初にキラの前へと立ち、声を掛けた。
「少年、良い目をしてるな。アンドリュー・バルドフェルドだ。名前は?」
「……答える必要があるんですか?」
キラの厳しい視線がバルドフェルドへと向けられる。キラに取っては、バルドフェルドはアークエンジェルの敵であり、ラクスを攫って行く存在でしかなかった。
バルドフェルドは微かに微笑むと、手を差し出して言う。
「こっちが名乗ったんだ。礼儀として、教えてくれても罰は当たらんだろ」
「……キラ……キラ・ヤマト……少尉です」
キラは嫌そうな顔をすると、仕方なく自分の名前を口にするが、決してバルドフェルドの差し出した手を取ろうとはしなかった。
バルドフェルドは肩を竦めると手を下げてキラに問い掛ける。
「……キラ・ヤマト少尉、君はコーディネイターだろう?」
「―!……コーディネイターが地球軍に居ては可笑しいですか?」
「……いやいや、そんな事は無いさ。ただ、理由を知りたかっただけさ」
「僕はあなたに言うつもりはありません」
「フッ。そうか、まあ良い。少しの間、よろしく頼む」
キラは敵意むき出しの視線を向けて答えるが、バルドフェルドは余裕を見せ付ける様に軽く笑みを浮かべながらキラに応え、次にアムロの方へと足を向けた。
「アンドリュー・バルドフェルドだ。さっきの戦い振りは見事だった。正直、死ぬかと思ったさ」
バルドフェルドはつい数時間前に戦ったアムロに手を差し出しながら言った。
アムロは肩を竦めると、その差し出された手を取り握手を交わして応える。
292:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:14:18
「アムロ・レイ大尉だ。まさか、指揮官自ら出て来るとはな……」
「いやいや、君の戦い振りを見ていたら気が抑えられなくなってな。君もストライクの……キラ・ヤマト少尉同様、コーディネイターかい?」
「知る意味があると言うのか?」
「あれだけの戦いをする相手の事を知りたくもなるのさ」
アムロが問い返すと、バルドフェルドは真っ直ぐ見据えながら答えた。
一瞬、アムロは素直に答えていい物なのかと、ムウの方に目線を投げるが、そのムウは虎の事を驚かせてやれと言わんばかりにニヤケた表情を見せていた。
アムロは溜息を小さく吐くと、バルドフェルドに向かって告げる。
「……君達の言う所のナチュラルだ」
「―!?……これはまた……面白い言い方をする。……突然変異とでも言うのかな?それともOSの力か?……違うな、あの判断力に操縦技術、天性の素質とでも言えば良いのかな?」
バルドフェルドはキラと同じコーディネイターと思っていたのだろう。顔を強張らせながらも面白い物を見つけたとばかりに、興味深々の様子で語りかけて来た。
アムロはこれ以上答えるつもりは無いと言う様な感じで答える。
「……どうとでも取れば良いさ」
「……君は恐ろしい男だな」
「―ねえ、アンディ。私も良いかしら?」
バルドフェルドは眉間に皺を寄せ目を細めて呟くと、後ろから声が掛けられた。
振り返るとアイシャが歩み出て来て、パートナーの傍へと立った。バルドフェルドは頷き、アムロにアイシャの紹介を始める。
「ああ、構わんよ。一度見て分かっていると思うが、アイシャだ。ラゴゥの砲手をしている」
「よろしく、アムロ・レイ大尉」
「ああ、こちらこそ」
アイシャははにかむ様な表情でが手を差し出すと、アムロはその手を取って握手を交わした。
そして、手が離れるとアイシャが微笑を湛えたままの目を真っ直ぐ向けながら言った。
「あなた、嫉妬しそうなくらい強いわね」
「……偶然だろう」
「私には分かるの。あなたは強いわ。休戦の間は仲良くしましょう」
「……そちらが協定を破らなければな」
楽しそうに言うアイシャに、アムロは真面目な顔を向けて応えた。
アイシャは少し首を傾けて話し始めると、バルドフェルドの方に顔を向ける。
「大丈夫よ、アンディは約束は破らないもの。あなた達と正面から戦いたいんだから。ねえ、そうでしょう、アンディ?」
「まあ、そう言う事だ。今のうちに修理はしておいてくれ。君達とはつまらん戦いをしたくないからな」
バルドフェルドは不敵な笑みを湛えると、頷いてアークエンジェルのパイロット達に向かって言った。
「―待ってください!命の恩人に対して、その様な事、私は許しません!私がここに居る限り、攻撃などさせませんわ!」
293:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:14:38
ブリッジにラクスの声が響き、その場に居た全員の目がラクスへと注がれた。
ラクスの表情は、ザフト軍の者達に取っては、モニターで見知っている穏やかな物とは違い、驚く程、真剣な物だった。
プラント最高評議会議長の令嬢の言葉に肩を竦ませると、諦めを含んだ軽い口調で言う。
「フッ、と言う事だ。僕は次の機会がある事に期待するしかない訳だ。まあ、こんな機会も中々無いからな、今の間だけでも仲良くしようじゃないか。ラミアス艦長、こちらから食料と水、その他の物資を供給させてもらおう」
「―えっ!?……どうしてですか?」
「君達はラクス嬢の命の恩人なんだろう?毒を盛ったりするつもりも無い。歌姫からの感謝の気持ちと思って受け取ってくれ」
「……お気持ちは有り難いですが、しかし……」
マリューは眉を八の字の様にして、見るからに困った表情を浮かべていた。
そこへムウが助け舟を出すかの様に声を掛ける。
「攻撃して来ないって言ってるんだし、向こうが申し出てんだ。良いんじゃないの?」
「フラガ大尉!?」
「最も、毒を盛られたり、奇襲されなけりゃな。そうだな……、医者を遣して貰えるか?そっちの軍医とかはやめてくれ。何をされるか分からん」
「……分かった、腕の良い町医者を送らせる事にする。ただし、ラクス・クラインのDNA鑑定は軍医を使わせて貰う。さて、こちらからも頼みがあるんだが、聞いて貰いたい」
ムウの要求に頷くと、バルドフェルドはささやかな願いを聞き入れる様、アークエンジェル側に申し込む。
マリューは困った表情のまま聞き返した。
「……何でしょう?」
「君達を私の屋敷に招待したい。食事でもどうかな?」
「……それはいくら何でも」
「無理か?それなら俺がこっちに来よう。食事じゃなくても良い。どうだい?」
「……理由が分かりません。どうしてですか?」
マリューはバルドフェルドが何を考えているのか分からす聞き返した。
腰に手を当てるとバルドフェルドはマリュー達に取って、意外な言葉を口にする。
「ああ、彼らと話してみたいのさ。この戦争の事をね。こんな事がなければ、お互い話す機会なんてないだろう」
「……はぁ。……いきなりドカン!なんて事は無いんだろうな?」
「勿論だ。歌姫に誓って約束しよう」
ムウは毒気を抜かれたのか、これ見よがしに溜息を吐いて言うと、バルドフェルドは頷いてラクスを顎で指して答えた。
マリューは砂漠の虎と呼ばれる男が少なくとも約束を守る人物だと理解すると、機嫌を損ねるのも不味いと思い、一応、制限の中でなら許可する事にした。
「……見張りを立てて入れる場所を制限しますが、良いですね?」
「ああ、構わん。そっちがいきなりズドンとやらなければな」
「分かりました」
「感謝する」
バルドフェルドは満足そうに頷くと感謝の言葉を口にした。
そうして居ると、空気の抜ける音と共にブリッジの扉が開き、アークエンジェルの警備兵に挟まれる様にして金色の髪をした少女と、褐色の肌をした長い髪をした大男、髭を蓄え、がっちりとした体格の中年男性が入って来た。
294:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:15:01
「失礼する、艦長はいるか?」
「レジスタンスの方々ね。私が艦長のマリュー・ラミアス少佐です」
金色の髪の少女―カガリが問い質すと、マリューは立ち上がって数歩前へ出て応えた。
その様子を見ていたアムロが、ムウに小声で聞いた。
「どうしてレジスタンスがブリッジに?」
「ああ、やっこさんが連中に味方が居ないってのを分からせる為だろ?」
「……そう言う事か。しかし、それではこちらが攻撃対象にならないか?」
「いやぁ、有り難い事にさ、ピンクのお姫様が居る間は俺達の事を守ってくれるそうだ」
ムウは顎でバルドフェルドを指すと、アムロは納得した表情を浮かべながらも聞き返した。すると、ムウは頭を掻きながらアムロに答えた。
そうして居ると、レジスタンスの一人、髭を蓄えた中年男性―サイーブ・アシュマンが、マリューを睨みつけながら口を開いた。
「……おい、どうしてザフトへの攻撃を止めたのか、聞かせて貰いたいもんだな?」
「我々はあなた方と協力関係にある訳ではありません。一方的に押し付けられる云われは無いと思いますが?」
「……なんだと!?」
マリューの返答にサイーブの隣にいたカガリがいきり立った様に睨み付けた。
カガリの後ろに居た褐色の肌をした大男―キサカが、カガリに小声で語り掛ける。そのカガリは顔をマリューの後ろに座る男へと向けると強張った表情へと変化させた。
「―あっ!?……おい、サイーブ!」
「どうした?―砂漠の虎!?……どうてここに奴が居る!?」
呼び掛けられたサイーブは、カガリの指す先に敵であるバルドフェルドが居る事に絶句した。
バルドフェルドは椅子に座ったまま、レジスタンスの三人に向かって声を掛ける。
「これはどうも、レジスタンスの諸君。名乗らなくとも、僕の名を知っているんだろ?」
「貴様!一体、どう言う事だ!?」
「どうもこうも、彼らと停戦したのさ。停戦が終わるまでは、彼らは君達の味方にはならんよ」
サイーブは自分達の宿敵の親玉を睨み付けたまま怒鳴り声を上げると、その親玉であるバルドフェルドは薄ら笑いを浮かべて答えた。
「……停戦……だとっ!?」
「それは本当なのか!?」
「……ええ、本当です。因って停戦期間が終了するまで当艦は、あなた方とは協力する事はありません」
サイーブが絶句する中、カガリがマリューを睨みながら問い質した。
そのマリューは小さく溜息を吐くと、割り切った様に胸を張って答えた。
「―くっ!……お前達、そんな卑怯者と手を組んで恥ずかしく無いのか!」
「……卑怯者とは酷い言われようだな。まあ、何と言われようが知った事では無いがね。まぁ、とにかく、この艦に手を出せば、君達はザフト、連合両軍から攻められる訳だ。分かったかい?」
295:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:15:23
カガリの言い様に、バルドフェルドはおどけた様子を見せるが、その口から出て来る内容は完全に脅しである事に間違いは無かった。
サイーブはバルドフェルドを睨みつけながら唇を噛んだ。アークエンジェルに入る時に武器を取り上げられてなければ、今すぐにでも撃ち殺したい程だった。
「……くぅぅ」
「何なら、君達もこの停戦に一口乗れば良いじゃないか。そうすれば、数日間はお互い平和に暮らせる。どうだい?」
「―卑怯者がふざけるな!」
「ハッハハ!いやぁ、元気がいいね。そうでなくてはな」
軽い口調で話すバルドフェルドに向かってカガリは怒鳴り付けた。
しかし、バルドフェルドに取っては、気にする程の事でも無いのだろう。笑ってカガリの威勢の良さを褒める程だった。
怒りを治める事の出来ないカガリは喰って掛かる様に数歩前へ足を出した。
「―何が可笑しい!」
「いや、これは失礼、お嬢さん」
バルドフェルドは肩を竦めると笑いながらカガリに謝ったが、そのカガリは警備兵に前を塞がれ、それ以上バルドフェルドに近付く事すら不可能となっていた。
レジスタンスに対する警告を終えたバルドフェルドは席を立つと、マリューに声を掛ける。
「さて、我々はお暇させて頂こう。医者は夕方にでも寄こさせる。DNA鑑定は明日と言う事で、今日は戦いの疲れを取ると良い」
「分かりました」
「それでは失礼する」
マリューが頷くと、バルドフェルドは部下を伴って扉へと歩き始めた。勿論、警備兵も伴っており、カガリ達が手を出せば、瞬く間に命は無くなるだろう。
扉が開き、出て行こうとするバルドフェルドに向かってカガリが吼える。
「逃げるのか!?卑怯者!」
「……お嬢さんは口が過ぎる様だな。憶えておくと良い。君達が抵抗する程、犠牲者も迷惑する人間も増えるって事をな」
バルドフェルドは呆れた様子で振り返ると、表情を一転させ、険しい表情でカガリに向かって言い放った。その雰囲気は正しく虎と言われる者らしく、恐怖を感じさせた。
カガリはバルドフェルドを睨み付けたまま、言葉を発する事すら叶わなかった。
そして扉は閉じられるのだった―。
296:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:03
プラント本国、ザフト軍本部施設周辺の明かりは僅かな外灯が点るのみと成り、深夜が近い事を感じさせていた。
だが、ザフト軍本部は眠る事は無い。例え、深夜に成り施設内部の人員が減ったとしても、その活気は然程変わる事は無かった。
その施設内、相も変らぬ薄暗い執務室で、パトリックは新型モビルスーツの計画書に目を通していた。
内容と言えば、地球軍から奪取したモビルスーツの性能をも取り込み、行く行くはザフトの守護神と成るべき機体の計画が記されている。今だ計画段階であって、様々な問題を抱え、装備やそのシルエットすら確定してはいない状況ではあるのだが。
「―失礼します」
「……クルーゼか」
突然、扉が開きパトリックは目を細めた。
クルーゼは部屋に入りパトリックの前までやって来ると、徐に口を開いた。
「アスランと会ってまいりました」
「……それがどうした」
パトリックは眉を顰め、クルーゼを睨み付けた。
帰還したユウキが原因とは言え、パトリックが握り潰したアスランの一件が危うく穿り返されそうに成ったのだから、不機嫌にも成ると言う物だった。
「彼に対する罰ですが、明日から次の任務までの間、一先ず独房に入って貰う事としました」
「……どうするつもりだ?」
「……しかし、形だけの事です。そうでもしなければユウキと言う男は納得しないでしょう。収監記録は抹消させます」
苦々しい顔で聞き返すパトリックに、クルーゼは静かに答えた。
パトリックは手に持った新型モビルスーツの計画書を横に置くと、納得した様に言う。
「……そうか」
「アスランへの刑罰は任務と言う形で行います。そうでも言わなければ、本人が納得しないようでしたので……。しかし、与える任務を上手く使えば、閣下の望み通りに成るやもしれません」
クルーゼは続ける様にアスランへの対処を口にすると、その口元に笑みを零した。
パトリックは眉を顰めて聞き返す。
「……どう言う意味だ?」
「……最愛の婚約者を失った者が困難な任務を成し遂げる。……それが、次期議長のご子息であれば、美談として民衆は褒め称えましょう」
「……なるほど。だが、その使い所、ゆっくりとは待ってられんぞ」
「分かっております。しかし、作戦が終了したばかりですので、今すぐと言う訳んは行きません。使い所を私の方でも検討するつもりでいます。今しばらくお待ち頂けませんでしょうか?」
パトリックの言葉にクルーゼは頷くと、アスランの使い所を検討する時間を貰える様に伝えた。
「……ならば、貴様に任せる。上手く使え」
「承知しております」
パトリックは自分の息子を道具として扱う事を許可すると、クルーゼは静かに頷き踵を返した。
執務室を出て行くクルーゼの目の端に、新型モビルスーツの計画書が目に映っていたのをパトリックは知る由も無かった。
297:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:32
アークエンジェルのブリッジでは、バルドフェルド達が退出した事で、残ったらレジスタンス達との話し合いが始まっていた。
レジスタンスの主張は、今すぐにザフト軍との停戦を破棄し共同戦線を張ると言う物だったが、船体とスラスターにダメージを残したアークエンジェルに戦闘は厳しい上、マリューは停戦協定もあって、一時、話し合いは平行線を辿っていた。
少なくとも停戦が終了するまでは協力は出来ないと話すマリューに対し、ほとんど話す事の無かったキサカが停戦終了後に向けての話しを始めた事で、再び話し合いが再会され、マリュー、ナタルが話し合いを進めている所だった。
それを見て居たキラが、徐にアムロに声を掛ける。
「……アムロさん、お願いがあるんですが」
「なんだ?」
「νガンダムの戦闘データ、見せてもらえませんか?」
聞き返すアムロを見上げながらキラは言った。
アムロは考える事も無く、疑問を口にする。
「……別に構わないが、どうしたと言うんだ?」
「……そんな大した理由じゃ無いんです。ただ、もう少し上手く立ち回れないかと思って。そうすれば、ストライクを壊す率も少なくする事も出来ると思うんです」
「……そう言う事か。俺は構わない」
言い分に納得したアムロは快く頷いた。
キラはアムロに礼を言うと、らしく行動に出る。
「ありがとうございます。それで……早目に確かめたいんで、今、出て行っちゃ不味いですか?」
「……いや、俺達は話し合いに参加している訳では無いからな」
「それじゃ、行きませんか?」
「ちょっと待てろ」
アムロはキラを制止すると、ムウに声を掛ける。
「ムウ、席を外して構わないか?」
「ん?……良いんじゃないか?これなら寝てる方がマシだって」
「分かった。キラ、行こう」
答えるムウにアムロは頷くと、キラを扉の方へと促した。
キラは頷いた。
「はい」
「ちょっと待った。俺も行くわ」
アムロとキラが歩き始めると、ムウが二人の方を掴んでつまらなそうな顔で言った。
振り返ったアムロはムウに言う。
「ムウが離れるのは不味いんじゃないか?」
「問題無いでしょ、副長さんも居る訳だしさ。おい、トール、付いて来い」
298:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:16:52
飽き飽きした表情でムウは言うと、小声でトールを呼び付けた。
トールはすぐにムウの元へと駆け寄った。
「えっ!?なんですか?」
「いいから俺に付いて来い」
「分かりました」
訳も分からずトールは頷くと、アークエンジェルのパイロット達は、そそくさとブリッジを後にした。
最も、何人かはそれに気付いていたが、問題は無いだろうと誰も引き止める事は無かった。
「―?」
少ししてラクスは、キラが居ない事に気付きブリッジを見回した。そして、席を離れミリアリアに声を掛ける。
「あの、キラが居ない様ですが?」
「さっき、アムロ大尉やフラガ少佐と一緒に出て行ったわよ」
「……私も出て行ってしまっては不味いでしょうか?」
ラクスはキラに避けられている気がしてならず、どうしても話をしておきたかった。
聞き返して来たラクスに、ミリアリアは自分では判断出来ず、チャンドラに聞いてみる事にした。
「……あのぉ、今、ラクスがブリッジを出るのは不味いんですか?」
「はぁ?……別に構わないんじゃないか?本当ならブリッジに居る方が問題なんだしさ」
チャンドラは眉を顰めるが、すぐにミリアリアに返事を返して来た。
ミリアリアはラクスに笑顔で応える。
「だって」
「ありがとうございます」
ラクスはミリアリアとチャンドラに笑顔で礼を言うとブリッジを出て行こうとする。
それを見ていたチャンドラがミリアリアに言う。
「だったら、ちゃんと部屋へ送って来てくれ。俺達に取っちゃ、大事なお客さんなんだからさ」
「……分かりました」
ミリアリアはチャンドラの「大事なお客さん」と言う言葉に、少しムッとしながらも頷いて、ラクスと共にブリッジを後にした。
この後、ラクスとミリアリアは少しの間、パイロット達を捜す事と成るだった。
299:98 ◆TSElPlu4zM
07/05/21 21:17:36
今回は以上です
皆さん、こんばんわ!
至らない点があると思いまするが、何卒ご了承くださいまし
今回は妙にメリハリつける所が少なかったんで苦労ましたわ
つまんなかったらごめんなさい
とりあえずご飯食べまする |・∀・)ノシ デワデワ
300:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:23:58
乙でした。
キラ、子供らしい部分はあるものの、進歩の兆しが見えますね。
アスランは……悪い親と大人に振りまわされそうで心配です。
ラクスやAAクルー、そして虎は良い味出てると思います。
そして、カガリとレジスタンス、空気読め、ってところですか。
質量共に十分なパフォーマンスでした。
お仕事に差し支えないように、お体に気をつけてください。
続きを楽しみにさせていただきます。
301:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:24:07
あえて言おう、GJであると!!
302:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:34:03
98さん、ありがとう。読み応えたっぷり嬉しいです。
303:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:40:48
GJ!です。
氏が種の脚本書いて作り直してくれたらと……仕方のない夢想をしてしまいました。
お仕事に差し支えないよう、お体にお気をつけ下さい。
自分も続きを楽しみにさせていただきます。
304:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:41:07
俺がご飯食べてる間に来てたw
GJ!
うまい飯食ってくれ。
305:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:49:19
98氏Gj!
ここで虎とAA組が先に会談ってのは巧い。戦って遺恨が残っても乗り越えられる
説得力が出ているよー。
はいはいと敵の言う事を素直に聞くマリューさん、無能に見えて状況を読む力が
しっかりあるってことなのかな? そしてこの先ノイマンの神操舵は発揮されるのか。
wktkが止まりません。
306:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 21:59:39
GJとしか言いようがありません!
砂漠の虎との停戦に、アスランとフレイ、ニコルの関係、さらにはパトリックとクルーゼの陰謀
これからワクワクする展開が広がっていきますね!
御仕事もありますのでお体に無理をさせない範囲で頑張ってください
307:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:01:36
ホモの凸とスカスカの山猿テラウザスwwww
キラが自分の使命に目覚めようとしているとき、こいつら何やってんだと言いたい。
308:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:14:03
投下キタコレwwwご馳走様ですた
309:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:17:53
今読み終わった。GJ
310:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:18:10
GJなんだろうけど
ブリッジにはたとえ停戦中であろうと敵軍の兵士にしろゲリラにしろ入れるのはおかしいかと
311:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 22:26:00
まあ、普通会合はブリッジじゃやらんよなぁ
戦艦なら会議室か艦長室かってとこか?
312:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:17:30
>>311
寄港中とか平時ならそうだけど、警戒中とか有事で艦長・副長以下、
上級将校参加必須なミーティングなら持ち場を離れられないので艦橋でやることはある。
敵兵など第三者いれるかどどうかは駆逐艦など小船での事例しかないので何とも言えん。
313:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:23:11
キラが主人公しててワクテカが止まらないぜっ
一方で凸は着々とヘタレライバル化してる気がする
果たして巻き返しはあるだろうか?
314:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:34:41
>>313
まさしく、シャア化じゃないかぁぁぁ!!!
あ、98氏乙です。
315:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:40:42
98氏乙っす
>>314
「フレイは俺の母になってくれたかもしれない女性だった」ってか?シスコン成分が足りないぞw
316:通常の名無しさんの3倍
07/05/21 23:44:36
>>315
それだとクルーゼがアムロにw
317:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:04:55
アムロとキラの会話がGOOOOOOOOD!
318:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:30:16
話の流れが自然だ……
細かい荒は探せば見つかるんだが、本筋が確りとしているためまったく気にならん。
まさにGOD JOB!!!!!!!!!!!
319:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:36:50
>俺は今を生きる為に行動しているにしか過ぎない。この世界を良い方向に導くのは元からこの世界に住む、キラ、お前達の役目だろうに
良いセリフだな~と思いました。98氏GJ!!
320:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:49:00 tEGc3X/c
何故だろう?虎さんが巨星に見えた
321:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 00:52:05
νの戦闘データは最初にチラッと見ただけだけど、ついに本格的に見せるのか?
あ、でもいま地上だから見るのはついさっきの方か。艦から離れられないしあんま参考にならなさそうだな。
1stの戦闘データがあれば……アムロとしては恥か?
神格化しつつあるアムロが身近に感じられるようになって良いことずくめな気もするけど。
322:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 01:13:44
>>316
ニコルがいる
凸「ニコルは俺のアニキになってくれたかもしれない男性だったんだ」
323:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 01:26:07
98氏GJ!
ちょっと最初から読みたくなったからアムロスレのSSをウィキで全部よんでくるわ
ノシ
324:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 04:30:45
98氏GJ!!
ラクスのことを話しつつ隙を突くアムロの抜かりなさがいいねw
ララァと邂逅した時も、あんな電波ってるのに
ララァはビット攻撃止めないわ、アムロはかわして落とすわしてたくらいだもんね。
あれ以来、皆NT感知すると動き止めて隙突かれまくりっていう…
325:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 04:52:00
アムロとキラの会話がいい!すごくいい!
326:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 07:23:19
GJ。
しかし気のせいか。ザラパパンが虎さんから送られるだろうラクスのDNA鑑定結果を握りつぶしそうな気がするのは。
杞憂だと思いたいが……。
327:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 09:09:41
GJ!
だが今回、「アムロ大尉・・・ポッ」なナタルを見られなかったのがちと残念
328:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 10:15:58
GJ!
ニャタルに関しては次回に期待だな。
329:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 15:19:39
>>320
放映当初、2クール目の敵キャラとして
「軍本部を目指して砂漠を行く主人公達の前に、手錬の部下と
妖艶な愛人を伴って立ちはだかるプロのいくさ人」
というのが登場すると聞いた時はみんなそう思ってチョイと期待したんだよ…
そう、聞いたばかりの時は……ね……(遠い眼
330:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 15:27:11
「軍事物を目指しているはずが、昼ドラ方面へ行く主人公達の前に、へたれの部下と
脳みそカラッポな愛人を伴って立ちはだかる自称プロのいくさ人」
だったからな
331:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:07:09
>>330
スポンサーや一部スタッフはともかく、監督は軍事物は目指してないかもしれないぜ?
なんたって、種死放送前インタビューでは 「『戦争は何故起こるのか』を描きたい」 なんて言ってたくせに、
最終話放送直前インタビューで
「・・・最近の男の子ってハッキリ言って弱いじゃないですか。でもヤッパリ男は強くないとイカンと思うんです。
『男なら戦え!!』
これがボクがDESTINYにこめたメッセージです!」
なんて言う監督だぞ。軍事なんて言葉、脳内にあるとは思えん。
332:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:09:39
テレビシリーズのことは忘れてください
333:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:34:08
「最近の男の子ってハッキリ言って弱いじゃないですか。
でもヤッパリ男は強くないとイカンと思うんです。
『男なら戦え!!』 」
物凄く頭悪そう。
334:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 17:50:40
>>333
>物凄く頭悪そう
悪そうじゃなくて、実際頭悪いし
335:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 19:21:37
まぁまぁ監督叩きはそれくらいにしとけ
336:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 19:30:13
お堅い軍人気質な女キャラが好きな身としては
FF6のセリスみたいにはなってほしくないね>ナタル
序盤はカッコ良かったのに、いつの間にかただのなよなよ女に
成り下がっちゃったからなぁ…>セリス
ナタルはずっときびきびしつつ、時折アムロにポッとなればいいよ。
337:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 20:18:35
今、ラクスがアスランの元に戻ったら…三角関係の修羅場…?
338:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 22:42:11
限りなく二等辺三角形じゃないかねえ
キラは決断ができる男だった 凸はダメだ
状況と危機感が違うと言えばそれまでではあるけどな
キラは自分がしくじったら友人の命は無いが
凸は他人任せにしてても全然困らない
339:通常の名無しさんの3倍
07/05/22 23:46:55
アスランがフレイと接近してるしナ、まあ幼馴染が敵になり、婚約者は死に自身は大失敗して慰めてもらえば、
コロっといってしまうのは、ある意味男としては正常ですがw
ダメダメで最底辺まで落ちたので、上手く逆境を乗り越えてキラの好敵手になってほしいことろ。
340:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 00:08:00
アスランは今まで押さえ込んでた母親の死に対するショックが
噴出しているんじゃないだろうか
フレイとのやり取りもなんとなく甘えているというか子供帰り
しているような感じがする
そういう意味でもシャア化するのか?
341:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 01:50:59
アスランがシャア化してもショボイ気がする
そういえばシャアはどうなったんだろう
342:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 02:06:27
このスレ的には成仏しているのが多いです。
もしくはララァが連れて逝った。
343:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 07:53:28
あるいはハロになった
344:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 09:05:32
98氏のSSでは、最初にもう一機のνガンダムと一緒にCE世界に登場してなかったっけ?
今まとめウィキがトロイだらけなんで、確認してないけど。
まあ、個人的にはあの設定はナシにしてほしい気もするが。
345:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 09:39:43
アレは最初期のネタ振りの一種であって今の連載分には繋がってない気がする。どっちのまとめでも初話扱いだけど。
そういう描写が欠片もないどころか、間接的な影響も臭いすら全くないもの。
346:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:24:25
>>344ー345
確かにあの話はややこしい。
第一話か無関係なのか、はっきりさせて欲しいな。
98氏のコメントが欲しいところだ。
347:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:27:08
98氏は以前、あれは今の本編とは関係ないと言っていたような気がするが。
348:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:35:47
ジャンプで連載前に1話読み切りで載るようなものか。
349:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:45:18
う~ん なんかアムロのライバルはシャアだけってイメージあるからな
最終決戦で一騎打ちしてほしい気がする
350:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 10:50:45
まとめがトロイだらけってどういうこと?
しばらく見に行ってないけど荒しでも出たのか?
351:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:08:46
どっちも普通に見てたけどなんかヤバいの?
352:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:15:26
とりあえずうちではマカフィーは沈黙してる
353:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:24:28
>>349
気持ちは分からんでもないが逆シャアで決着はついているからな一応。
にしても一騎打ち出来るほどのライバルキャラが欲しいのは同意だ。
クロス物の宿命とはいえアムロはちょっと強すぎる傾向がある。
354:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 11:28:35
イメージ的にはアムロ+νに匹敵するくらいに強いイメージがあるのは
カミーユ+Ζ、ヒイロ+W0、ゼクス+エピオンくらいだな
実際の強さとかじゃなくイメージ的にね
ロラン+∀、ドモン+ゴッドはちょっと別の次元にいるし
355:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 12:12:05
クルーゼが頑張ってくれるはず……多分な!
356:会社からですが、98です
07/05/23 12:51:01
皆さま、ありがとうです
次回も楽しんでもらえるといいなぁ
>>344 >>346
>>347 で言われている通り本編とは全く関係ありませぬ
このスレが出来た時に投下した短編パラレルでするよ
357:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 13:34:43
大人な立ち回りしてるクルーゼGJ
上司の思惑読み取って、困っている状況で上手く主導権とって立ち回る、サラリーマンなスキルに感心したw
358:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 14:20:05
ちょっと思いついたんだが、
νじゃなくて、リ・ガズィに乗ったアムロが種死の世界に来たら活躍できるかな?
使い捨てのBWSも含めて、武装の貧弱さで苦労しそうな気がするんだが
359:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 14:46:15
BWSにはメガ粒子砲、ビームキャノン×2
本体にも一通りの火器を装備し、さらにバイオセンサーを搭載
逆シャアでは散々な事言われていたが一応エース用の機体であるリ・ガズィを
そのまま持っていけたら一苦労どころか活躍は間違いないものになるかと思われ
360:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 15:32:35
>>358
BWS付きのリ・ガズィの武装が貧弱!?
スパロボのやりすぎだと思うよ。
361:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 15:36:24
武装自体は貧弱じゃないにしても、単なる重武装戦闘機みたいなもんじゃね?
言ってみればランチャーストライカー付けたスカイグラスパーのような
まあ装甲は段違いだが
362:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:03:47
>>361
パイロットの技量の差があったとはいえヤクトとやりあって落としかけた機体だぞ~
363:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:07:19
ランチャースカグラだってバスターを戦闘不能にしたじゃないか
364:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:12:46
>>359
バイセン付いてたのか
個人的にはリガズィカスタムに乗ってほしい。
365:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:30:54
>>360
ウインキー世代の俺にとっちゃリ・ガズィは中盤のエースだぜ。
366:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 16:53:22
>>364
ビームライフルがカラシニコフじゃなけりゃなぁ…
367:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 18:14:41
いや、リ・ガズィは一応製造時のZと同程度の性能だ。あるいはリゼル、ZⅡと言う手もある。
いやレッドゼータ…
368:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 19:06:45
リ・ガズィ・カスタムならBWSを一々気にしなくても良いから運用が楽だと思う
もともとアムロ専用機だし
369:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 19:48:15
ていうか、アムロの本当の強さはMSを選ばないことだろ・・・
極端な話、νだろうとリガズィだろうとストライクだろうと、大活躍は間違いないはずだ
そういえば、クルーゼってナチュラルなのにコーディネイター用のOSが搭載されたMSに乗って、ばれることなくエースパイロットやってるんだよな
ひょっとしなくてもこいつって滅茶苦茶強いんじゃね?w
370:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:08:59
ドラグーン抜きにしてもナチュラル最強だと思うぜ?
371:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:15:50
クルーゼは 戦闘能力上昇の為のドーピングはやってないのか?
副作用も後遺症も 気にする必要なさそうだが
372:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:16:16
どうしてもシャア役をあてるなら、クルーゼにしてもらいたい。
(油断がならないわりにコンプレックスの固まりな所は似てるし)
キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも役不足だ。
373:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:21:53
リ・ガズィも十分強いだろ。ただ相手が悪すぎたな。流石にシャアとサザビーの組み合わせには勝てんだろう。
しかしアスランも哀れだなぁ。親や周りの大人がまともなら、どうにかなりそうなのに……。完全に原作のキラポジだな>アスラン
>>370
俺はナチュどころか種世界でも五本の指に入る実力者だと思う。
374:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:32:08
>>373
親や周囲の大人は原作よりまともじゃないか?「良い」とは言えないが。
問題があるのはやはりキラキラ言ってるからだろ。
主人公を論破したラスボスは伊達じゃないとww
375:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:43:48
>>374
確かにまともかもしれんが叱りつけたり導いてくれるようなタイプじゃないだろ?
最初はユウキがそうなるかと思ったが、もう無理そうだしなぁ。
と、ここまで書いて新作のアスランの思考を思い出した……ごめんやっぱ本人の問題っぽいな。
376:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:48:36
>>366
辛子だからこそ良いんだろ、リガカスのライフルはよ
377:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 20:56:33
ニコルが生きてるから凸が吹っ切れないんだろ
迷い吹っ切れば良くも悪くも強いからなあいつは
378:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:16:07
>>372
お~い。「凸はアムロの相手には勿体無い」と申したか?
379:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:29:44
むこうでやれ
380:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:52:40
>>378
経験、知識、MSの操縦、女の扱い
どれをとっても役不足だ
381:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 21:57:38
>>380
役不足の使い方が違うって言いたいんだろ。
382:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:04:52
経験、知識、MSの操縦、女の扱い
どれをとっても凸の方がアムロより数段上、って意味になっちまうよなw>役不足
383:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:10:42
>>382は馬鹿
384:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:17:28
>>372
(ライバルが)キラキラぬかすホモ野郎では、(アムロには)いかにも役不足だ。
これなら意味が通るな
力不足と書いた方が補完の必要なくスッキリ意味は通るけど
385:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:20:07
>>383
煽る前に辞書引いたら?要するに役不足の用法を間違ってるから逆の意味になってるわけだが。
×キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも役不足だ
○キラキラぬかすホモ野郎では、いかにも力不足だ
386:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:21:03
最終決戦はキラの相手をアスランあたりにしてクルーゼをアムロにぶつけるか?
387:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:25:44
クルーゼは成長したキラと戦って欲しいな
アムロはジェネシス止めに行くってのはどう?
388:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:39:06
或いは役者が不足、だな
389:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 22:44:54
劾あたりも力量としては申し分無さそうなんだけど、
ただのプロの傭兵で思想面での対立がまったく使えそうにないのと、
青枠ではいかにも力不足なのがな。あとあくまでも外伝キャラだし。
390:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 23:06:00
クルーゼに
「厄介な奴だよ、君は」
とか言われてるアムロを見てみたいwww
391:通常の名無しさんの3倍
07/05/23 23:53:21
>>369
身体に欠陥を抱えながらも、他に追随を許さぬほどの操縦技能を持つのですから、そこに至るまでの苦行は推して知るべき。
才能とかだけではとても其処に至る事は出来ないでしょう。
どうみても努力と根性の塊です。
……書いてて思ったが、これ、何て主人公?
クルーゼを救ってくれとは言いません。
ただ、できれば彼には満足して逝ける生き方(死に方)をして欲しいものです。
人類の滅亡云々とかじゃなくて、純粋に自分の生き様に対してね。
392:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 01:10:33
エスコン×SEEDスレでかっこいいクルーゼ書いたのがあったよ。
387 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:27:05 ID:???
モニターに移る映像はザフトにとって悪夢そのものだった、核攻撃で崩壊するボアズ。
それを凝視する二人の男
「やはり人は愚かだな・・・。」
ラウ・ル・クルーゼは呟く。
「戦争を知らぬ愚か者に玩具を与えた結果がこれだ、少なくとも私はそう思うが。」
「それは私に対するあてつけか?」
「さてな、これでパトリックはジェネシスを問答無用で地球にぶっ放すだろう・・・
コーディネーターが新人類か・・・馬鹿馬鹿しい元々コーディネーターはナチュラルから生まれた
存在だと言うことを忘れている愚かなことだ。」
「もともとジェネシスはお前が原案を練り設計したのだろ。」
「本来は外宇宙進出の為に作り上げた物だがそれを兵器転用する愚か者がここにもいたということだ
第一あれはジェネシス(創生)といった名前ではなくジャーニー(旅路)という名だ。」
「すまんな、確かお前はフリーダム、ジャスティスという名前をつけることに猛反発していたな・・・
そうそう、所で・・・お前が練った「国境なき世界」のプラン読ませてもらったが中々面白いな
世界の文明を退化させることにより全人類に痛みを与え、世界を改めて再構築し、良き方向へ
少し舵を曲げるか・・・アントン。」
「だがその計画はあくまで最終計画として考えたものだ、まだ実行する気はない。この狂った中でまだ正気
を保った連中がいるからな。」
「ラクス・クライン、キラ・ヤマトか・・・。」
「そうだ。」
「では彼らが道を誤った時点ぬなった場合はどうする?」
「そのときに我々は立つのさ、私はまだ信じたいからな。」
「そうか・・・、全く君はおかしな者だよ世界を憎み滅ぼさんとしようとした私と接触するとは・・・。」
「望もうが望まれないだろうが、生を受けたなら何かを全うする、憎しみという視野ではなく、それ以外の
感情で世界を見ることもまた大切だ。」
「・・・君とはもう少し早く知り合い、友人となりたかったな、アントン・カプチェンコ。」
「こちらもだ、ラウ・ル・クルーゼ。」
二人の男は固く握手をする。
ヤキン・ドゥーエ
「ジェネシス崩壊プログラムは?」
「3射目発射を確認したら自爆プログラムを組み込んだ。」
「そうか、ならいい・・・。」
「君はどうするラウ・ル・クルーゼ。」
「もう私の命は短い、なら最後はアル・ダ・フラガのクローンではなく、ラウ・ル・クルーゼとして死ぬつもりだ。」
「分かった、ではそれまでの道案内は我々が勤めさせていただこう。」
「ラウ・ル・クルーゼ、プロヴィデンス・・・出るぞ!」
「ゴルド1より各機出撃開始。」
「確認したフリーダムだ。」
「では私は核搭載艦へ向かおう・・・さらばだクルーゼ。」
「さらばだアントン。」
393:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 02:09:59
エスコンスレは踏み台激しすぎてなぁ…………。
394:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 07:55:59
Abe-SEEDのクルーゼはかっこいいぞ
395:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 12:15:00
ニャタルタソマダー?
396:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 14:32:31
400氏マダー
397:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 18:42:36 4ahO7dcz
阿部さんのクルーゼはかっこいいんじゃない、イイ男なんだ!!
398:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 18:52:08 06AFmRU7
とりあえずアスランに向かって
「エゴだよそれは!!」って言ってもらいたい。
399:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 19:23:55
とりあえず、sageような。
400:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 21:33:20
狂うぜぇを何故そこまで持ち上げる?
所詮、アムロの強敵には成り得るかもしれんがシャアのような好敵手には役不足だ
401:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 21:55:24
>>398
「デコじゃないよそこは!!」
402:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 22:50:47
>>400
種世界で、マトモなラスボスになれるキャラが
いまのところクルーゼしかいない
403:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 22:56:58
アズラエルは?
404:通常の名無しさんの3倍
07/05/24 23:00:29
サイボーグになってファイナルフージョンして黄金の槌もたんとだめだろう