07/05/05 23:45:34 MNzT4nO0
>>1乙
3:通常の名無しさんの3倍
07/05/05 23:46:38
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,,,,,,,iiiiillllll!!!!!!!lllllliiiii,,,,,,,
.,llll゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙lllll,
\.>>1乙!./ .|!!!!,,,,,,,, ,,,,,,,,,!!!!|
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__ ,'⌒ヽ | ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ |
∠† _(†ヽ彡 .| |
又 !从从)))) |. 轟. .|
〈y.リ(l|`(フノ|ly〉 | .|
〈y⊂^)!†i(^つ!!!!!!!lllllllliii|. .天 |
⊂く ,、,、> | .|
し' | .爆 |
.| .|
.| .砕 |
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' ";`゙∵゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;"' ;∵;;"
' ";`>>1";∵;;"
4:通常の名無しさんの3倍
07/05/05 23:50:03
>>1乙
で、続きはこっちでいいのか?
5:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 00:07:59
いいと思う。
6::通常の名無しさんの3倍
07/05/06 00:38:05
オツだぜ!
7:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 13:18:06
>>1
乙
8:運命の子と最強を目指した少年
07/05/06 14:13:31
運命の子と最強を目指した少年
第一話
:コズミック・イラ71 廃棄コロニー内
「フォルファントリー!フルパワー!」
スーパーハイペリオンを取り囲んでいたフィールドに向け、カナードは放った。
結果、フィールドは消滅したがハイペリオンは大破、核エンジンの暴走も始まった。
敗北し、覚悟を決めるカナード
核エンジンの暴走にも省みず、カナードを助けようとするプレア
ドレットノートがハイペリオンに近づいたその瞬間
核エンジンは爆発し、二人を、そして互いの機体を包んだ
コズミック・イラ71
スーパーコーディネーターを目指していた少年「カナードパルス」
「運命の子」と呼ばれた少年「プレア・レヴェリー」
彼らは「この世界」から消滅した。
9:運命の子と最強を目指した少年
07/05/06 14:15:16
:闇の書発動2週間前・PM6:50
「・・・また明日ね、はやてちゃん。」
石田先生からの伝言メッセージを聞き、のどの渇きお覚え水を飲もうとキッチンへ向かった。
今は車椅子の音しか聞こえない静寂の中、少女、八神はやてはこれからどうしようかと考えていた。
「・・・・・・お風呂は入ったし、夕飯食べて、寝て、明日また石田先生の病院、そのあと図書館・・いつも通りやな」
はやては思っていた、このような生活がこれからも続くのだと、
ドサ!!
庭の方から聞こえた物音を聞くまでは
:海鳴大学病院
「こ・・・ここは・・・・」
少年、カナード・パルスはベッドの中で目を覚ました。
眩しい蛍光灯の光に照らされ、思わず顔をしかめる。
光を手で遮り、辺りを見回した。
「俺は確か、プレアと戦っていた筈、あの空間内でフォルファントリーを放った後・・・だめだ、思いだせん!!」
目覚めて早々苛立ちを覚えたカナードの部屋に白衣を着た女性が入ってきた。
「あら、目覚めたのね」
という石田先生の質問に
「誰だ、貴様?」
と答えるカナード。まぁ、元の性格だから無理は無い。
「口が悪いようだけど、元気そうね。私は石田、ここの病院で先生をやってるわ、貴方ははやてちゃんの家の庭で倒れてたのよ」
「(はやてちゃん?誰だ?)」
「普通はこのあと警察に任せるんだけど、はやてちゃんの親戚みたいだし、今はやてちゃんを呼んでくるわ」
そう言い、出て行く石田先生を無視してカナードは考えていた。
(一体ここはどこだ?収容所どころか軍の病院ですらなさそうだ・・・・・それにあの女、「はやてちゃんの親戚」とか
言ってたな、俺にそんなものはいない、それは俺が一番良く知ってる)
その時、扉が開き、車椅子に乗った少女が現れた。
「目ぇ覚めたんか。びっくりしたわ~、突然物音がしたと思って庭覗いたら人が倒れてるんやら、怪我とかは特に無いって石田先生が言ってたからよかったわ」
「・・・・・・助けてくれた事には感謝する。で、ここはどこだ?プラントか?」
「・・・はい?」
10:運命の子と最強を目指した少年
07/05/06 14:17:19
:八神家
怪我が特に無かったため、即日退院したカナードは八神家ではやての入れたお茶を飲んでいた。
「(どういうことだ?プラントどころかコーディネーター、地球連合軍が存在しないとは?それどころか人類は月に行くことが精一杯とは・・)」
正直はやての話を聞いたときは「ただガキが嘘をついてるだけだ」と思っていた。だが、はやてが持ってきた資料や図鑑、
TVのニュースなどを見る限り信じざるを得なくなってきた。
「(信じられんが過去にでも来たというのか?いや、それならばこの年代では既に火星のテラフォーミングが始まってる筈・・・美味いなこのお茶は・・・)」
何気に三杯目のお茶を飲み干そうとしている所にはやてが図鑑をもってやってきた。
「ごめんな~、これで最後や」
「いや、もういい、感謝する。それより聞きたいことがある、どうして嘘をついてまで俺をかばった?」
もっともな質問に
「だってほんとのこと言ったら警察のお世話になってたやろ?」
はやては「のほほん」と答えた。
「違う世界から来たという俺の話は?狂った人間の戯言だと思わんのか?」
「そないな真面目な顔されたらしんじてまうよ。それに(ノーマルスーツ)やっけ?そないな服着てるし」
「だが、見知らぬ人間を庇うどころか家にまで入れるとは・・・親とかは何も言わないのか?」
「・・私、一人なんよ。せやから心配ないんよ。」
「・・・・・すまなかった、俺はこれで失礼する。お茶、美味かったぞ」
帰ろうとしたカナードをはやては急いで呼び止めた。
「って、カナードさん行く当てあるんかい?カナードさんここの世界の人間やないんやろ?お金とかどうする気や?」
「(・・・・・・そういえば、どうするか・・・・・いっそそこらのチンピラをシメて金を・・・)」
「・・・・・なんや、すごく物騒なこと考えてへん?どうせ行くところないんやろ?そなら家きいや。」
「・・・正直申し出はありがたいがいいのか?」
「全然問題あらへんよ、むしろ一人や無くなってうれしいわ。」
「そうなると、俺もここの住人だな、改めて自己紹介だ、俺の名はカナード・パルス。(さん)は付けなくていい、呼び捨てでかまわん」
「わかったわ、よろしくなぁカナード。そなら遅くなったけどご飯や、手伝ってくれる?」
「ふっ、了解した。そうだ、俺以外にだれか倒れていなかったか?」
「いんや、カナードだけやったで、そういえばこんなもんが落ちてたな~」
そういい、はやては居間のひきだしから手のひらサイズの四角錐の物と楕円形の赤い宝石を取り出した。
「これ、見覚えあるか?」
「いや、無いが・・・・・(なんだ?この感じは?)とりあえず預かっておく。」
こうして八神家に居候が一人増えた。二週間後さらに増えるとは二人とも思っても見なかったであろう。
11:運命の子と最強を目指した少年
07/05/06 14:24:25
はい、初投下です。
やっぱり難しいな~(関西弁が・・・・)
続きはいつになるのやら・・・・・・orz
12:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 14:44:47
GJ
カナード&プレアとはこれはまた新しい
次回wktk
13:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 16:19:43
乙なの!
プレアとの最終バトル直後なせいか、カナードの性格が丸くなってる気がする。
wktkして続きを待ってます。
……俺もなのは無印やA's主軸のクロスを書きたくなってきたよ。
14:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 17:36:22
>13
なら、書くしかないじゃないか!
個人的にはアスランがでてほしいところだが…。
てか、何でアスランの登場頻度は少ないんだろう?
クロスしにくいんだろうか?
15:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 17:46:18
難しいというか女々しいから漢らしいなのはさんの踏み台にしか・・・・
16:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 17:48:50
>>14
あの原作のせいで、女キャラと絡ませる事にアレルギー感じる人が多いからじゃないかと
17:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 18:06:08
シン「アスランとアースラーって名前似てるよね」
18:13
07/05/06 18:36:47
>>14
無理ぽ(´・ω・`)
既に、このスレで投下してるSSの方を完結させないといけないから。
……前回の投下からだいぶ経ってしまってるよorz
ただ今、新作の5話の影響をもろに受けてしまい、組み上げてたプロットを大幅改変中。
なので投下は、まだまだ先になりそう。
19:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 18:53:43
そうか!シンも全裸で変身すれば無問題
20:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:32:48
ちょっwww
21:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:35:52
>>19
エリオ「あの~、裸の方がいいんですか?」
22:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:38:56
そして猥褻物陳列罪で女性陣+キラにフルボッコ
23:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:48:43
シン「疾風三連撃!閃光雷刃撃!!超重炎皇斬!!!」
24:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:53:06
>>23
それなんてシンの中の人(電童のスバル)ネタだよw
25:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 20:58:58
銃を借りてみた。
シン「撃つけど良いよね!!答えは聞いてない!!」
リボルバーナックルを借りてみた
シン「騎士凰牙を舐めるなーッ!!」
26:暇人A
07/05/06 21:05:11
「さて、もう終わりだなぁ」
本当はリンカーコアを喪って、先ほどから渦巻く魔力への抵抗が一切なくなったのが原因だったが、それは言わない事にした。
「全然余裕そうだな、お前」
「おにいちゃんも結構大丈夫になってきたんじゃない?」
(いや、堪えているだけだ。兄として・・・)
ふと、マユは真面目な顔つきになった。
「ん、どうした?」
「ん~っと、あのね。
わたしがさっきの話をしたのは、真実を知って欲しかったからなんだ」
「あぁ、わかってるぞ?」
まさか嘘が含まれているなどと疑ってはいない。
「うん、それでね。
決して敵を討って欲しいとかは思ってないよ?
わたしは少しだけ長生きして、おにいちゃんと話してて楽しかったから」
敵討ち・・・それは今よりも、元の世界にいた頃の記憶を締め付けていた。
「あぁ、わかってるよ。
でもさ、フェイトを助けてやるのは、駄目かな?」
さっきの話を聞き、俺がこっちに来てから手にした知識を鑑みるに、フェイトがいくら頑張っても得られる結果は好ましいものにはならないのだ。
「好きにするべきだと思うよ?」
「あぁ、ありがとう・・・!?」
次の瞬間マユはその場から消え去った。
シンの右手に、ピンク色の携帯電話と、
「プレシアさん、本当は優しい人だから・・・
本当に出来たらでいいから、止めて、あげてね?」
という、たったひとつの、本音を残して・・・
暫く泣いていた。
そして、雨が降り始めた。
夜だったのも幸いしてか、人は誰も来なかった。
来ないと、思っていた。
27:暇人A
07/05/06 21:06:41
あ、名前間違えたw
上のは「閉じて開く~~」の続きです
で、まだ行きます
28:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 21:07:15
そういやシンって中の人的にネズミの獣人でもあるんだよな・・・
全裸でヒロイン(主人公)に抱きついた前科ありだしw
29:閉じて開く運命
07/05/06 21:08:57
「だぁれ?そこに居るの」
幼い、声が聞こえた。
シンは顔を上げた。
勢いがあまって上がりすぎて、天を見上げる。
(結界が・・・まだ残ってる?)
「あなたも、魔法使いなの?」
もう一度声のする方を見直した。
そこには白いローブの・・・まだ幼い少女が一人、心配そうな顔をして立っていた。
少女に連れられやってきたここは、『アースラ』。
時空管理局という、今まで敵対していた機関の戦艦だ。
そして、ブリッジらしき場所へ案内された。
「高町なのは、今現場の捜索から戻ってきました」
随分仰々しいな・・・でも、少女に軍人気質はやはりなさそうに見えた。
「お帰りなさい。あら、その方は?」
女の声がした。
「あ、この人は、現場で寝てたんです」
なのは、と呼ばれた少女は軽いウソをついた。
(泣いてた事、知ってるだろうに・・・)
「シン・アスカです」
「シンくん、ね?
いったいなぜあそこにいたの?」
俺も嘘をつくべきなのだろうか?だが、今はそんな事さえわずらわしかった。
「戦ってたんですよ、あんたたちとね」
少女をはじめとして、艦橋内が静まった。
そして、以外にも少女が一番初めに口を開いた。
「リンディさん、ちょっと二人きりで話しできませんか?」
「私と?」
「いえ、シンくんと」
そんな会話に、俺は噴出してしまう。
そして、マユの死に結構堪えてない自分に驚いた。
一度目の死のときは、あんなにも何かを恨んだのに・・・
二度目だから、ではなく、あれが妹でないと自分で気づいていたのかもしれない。
それでも妹以外の誰かとして死ぬ事もなく、複雑になった俺の気持ちは、超然したのかもしれない。
「お前、何がおかしい!?」
「あぁ、すまない。あんたは?」
「ボクはクロノ・ハラオウンだ」
クロノと名乗ったのは、まだなのはより少し年上と言ったところの、少年だった。
「クロノか。悪いけど、俺の話を聞いてくれるか?」
何かが吹き飛んだ気がした。
そして、とたんにフェイトのために何かをしたくなった。
因みに暗に『二人っきり』を回避したのだが、なのはは別にどうといって変化は無い。
「いいでしょう。私はリンディ・ハラオウン。この艦の艦長です」
艦長、か・・・ここの軍人気質の低さにはもう慣れてきていた。
30:閉じて開く運命
07/05/06 21:11:08
「最初に聞きたいんだけど、フェイトと戦ってたのは誰だ?」
「あ、それはわたしです」
おずおずとなのはが手を上げた。
「なんで、戦ってるんだ?」
「えっと、わたしは・・・友達になりたいから、かな?」
艦内が一気に静かになった。
俺も目が点になっていたが、
「まぁ、いいや。
なら、好都合だ」
と、全てを語った。
マユと俺のことは除いて・・・
「それで、これからフェイトを助けに行きたいんだ。
力を貸すか、邪魔をしない約束をしてくれないか?」
「その前に、場所はわかるのかい?」
横槍を入れたのはクロノ。
「あぁ、大丈夫だ。俺が覚えている」
そうか、とクロノは頷き、
「ならなのは。
あの女の子については君に一任することにしたんだけど、シンを信じるかい?」
なのはにたずねた。
「えっ!?えっと・・・はい」
「そうか・・・なら艦長、ボクも賛成する事にします」
クロノはため息を吐いた後に、進言した。
「私もそれでいいわ。さっきの攻撃も何処からかわからなかった以上、これしかないもの」
非常にあっさりと決まった。
この艦は馬鹿ぞろいなのか大物ぞろいなのか、シンは真面目に悩んでいた。
31:閉じて開く運命
07/05/06 21:11:52
2時間くらいかかるわね。アースラの修理もしながらだから・・・
とは、先ほど艦長に聞いた言葉だ。
シンは重要参考人で、牢にでも入れられるべきなのだろうが、魔力のないことと時空転送事故の被害者と言う事で、なのはと一緒ならば艦内を自由に歩ける事になった。
「ごめんな、つき合わせちまって」
それ故に俺の隣を歩いている少女に謝罪をしておいた。
なのはは、シンと監視者の空気が重くならないようにか、わざわざ立候補してくれたのだ。
「いえいえ、進む道が無いわたしたちに道を示してくれたのは、シンくんだから」
大げさな言い方を至極真面目になのはは言った。
「フェイトのやつ、想われてるなぁ」
「想ってる・・・ことになるんでしょうか?」
「ああ。俺は多分あっちでもここから降りれないだろうからさ、フェイトのこと、よろしく頼むよ」
二重の理由で、降りれなさそうだった。
まず第一に、元敵である。
第二に、魔力の無いことになっているし、コアを取り戻したからと言ってすぐに魔法が使えるわけではない。
要するに、危険なのだ。
「わっかりました、任せてください」
シンはこの少女なら出来ると思った。
シンの見てきた魔法使いが強い理由、マユ達には当てはまらないとしても、それは意志の強さだ。
その点で、フェイトは強い。しかし、歪められている。
対して、なのははさらに強い。そう思うのは、穢れのない、知らないこの少女の瞳の力だろうか・・・
ついでに言うと、穢れてしまっている自分では、フェイトは助けられないかもしれない。
そのことだけは、辛かった。
「到着まで後もう少しです。シンさんは部屋にいてくれませんか?」
艦橋にいた女性、たしかエイミィと言ったか、がシンを見つけてそういった。
因みに逆らう理由も力も無いので、シンは大人しく与えられた部屋へ向かった。
そこからも見えた、こんな形で戻って来たくは無かった、『時の庭園』。
(ついに、最後の戦いなのかもな)
終始祈る事のみが戦闘中のシンの役目になっている気がするが、なに、気にする事は無い。
32:閉じて開く運命
07/05/06 21:13:38
「なのはは出来るだけ戦わないで。
あの女の子を『助ける』気があるのは、悪いけど君とユーノだけだからね」
クロノは半々な気持ちをなのはに述べた。
本当は、説得とかを手伝いたいんだけど・・・
「うん、ありがとう、クロノくん」
それでも、なのはは文句など決していわなかった。
「それじゃあ、作戦開始だ」
本来クロノがいうべき言葉でもない気がするが、こういった場面でのクロノへの信頼と言うのはとても高く、全員が応答した。
そして、作戦が始まる。
作戦は、なのはとユーノ、クロノ、その他大勢A、その他大勢Bに分かれて、それぞれの目的を達成する、と言うものだった。
(なのはは純戦闘員じゃない以上、個人的に動くのは僕だけだ)
クロノは一気に攻め入って、ジュエルシードの回収と『庭園』の機能停止が役目だった。
詳しい地図をシンが提供していたため、作戦は思った以上に楽に進んでいた。
クロノも例にもれず、どんどん進んでいた。
一方なのはたちは、目的が何処なのかがわからなかった。
が、アースラの存在は知られているのであろう、捨駒的存在が先ほどから幾度か見えていた。
フェイトが戦うためにいるのなら、もうすぐ出会えると言う確信があった。
そして、全ての人が、乗り越えるべき敵と出会う。
クロノは先ほどまでの傀儡と違い、魔道士が出てきた事に少なからず驚いていた。
が、それくらいで判断を誤る人間ではない。
それに、シンにそれとなく存在は聞いていた。又聞きだが・・・
「手加減は出来ないからね」
する必要も無い。
これも、プレシア・テスタロッサの狂気のひとつなのだから・・・
「うっせえよ、『カラミティ』」
カラミティ、それが、長身の男のデバイスの名前で、前形体は文庫本。
その能力は、3個の砲門を持っているものだった。
確実に強いの範疇である能力だろう。が、
(なのはにもいえる事だけど、遠距離タイプのくせにでしゃばりすぎだ・・・)
それに、このタイプの弱点はわかり易すぎる。
「おらおらおらぁ!!」
光の収束し始めたタイミングの早いものから優先的に避ければいいだけなのだ。
クロノは無言で男の隣まで行き、手に持つ杖で一つの砲門を破壊、魔術で一門破壊、残ったのはバインドをしておいた。
そして、少々躊躇いはしたが、その魂を開放してやる。
「最後に聞こうか・・・お前の名前は?」
「オルガだ・・・」
オルガは、とても清々しい気分だった。
「覚えておこう。せめて魂は自分の世界に戻る事を祈るよ」
クロノがいうとオルガは憑き物が落ちたように血色をよくし、微笑んで消えて行った。
33:閉じて開く宿命
07/05/06 21:14:39
ところ変わって、戦艦アースラ。
シンの元に、大きな犬が現れた。
「あ、アルフ?」
今は敵対している、フェイトの使い魔。
「シン」
しかし、声のするほうへ向かっても、攻撃どころか悪態ひとつ飛んでこなかった。
「どうしたんです?」
「フェイトを、逃がしたいんだよ・・・
もうあんなところに居ちゃいけない・・・」
アルフはそういうとその場にへたり込んだ。
言葉は足らなくても、マユに聞いた事を付け足せば意味は痛いほどに分かった。
(俺の魔力を感知したのか・・・)
それでも、プレシアに対するシンの態度を見ていたアルフがシンの所に来るとは思えなかった。
(いや、こいつもやっぱり、フェイトのためを思ってたんだろうな・・・)
だから、少しでも可能性のあるシンを、敵艦であると言う危険を顧みずに頼りに来たのだろう。
どこか安心したような寝息を立てるアルフに「行ってくるよ」といって、シンは艦橋へ向かった。
「なんだ、こいつは!?」
その他大勢、もとい潜入班Aは、オレンジの髪の不気味な少年に行く手を阻まれた。
「おりゃあ!滅殺!!」
彼が先ほど取り出したデバイス、名は「レイダー」。前形体は、ゲーム機だった。
形状は、背中に羽をつけ右手に棘の突いた痛そうな球を一球持っている、どちらかと言うと個性的でシンプルなものだ。
潜入班の局員のデバイス、杖では大体二度の攻撃で折れてしまう。
「魔法を使おう、強力なものを」
誰かが言った。
「バインドを」
また、誰かが言った。
このような状況では普通、一人のリーダーがいるべきなのだが、クロノの不在に際してそれを決め忘れていた。
が、しかし隊列は乱れることなく、バインドを放ち、他方では杖を犠牲に進行をとどめ、また他方では魔術の詠唱をしていた。
それは運が良かったのか、彼らの力なのか、個人個人が巧くその場に適応していた。
そして、何度もの攻防の果てに、8度目の魔術でついに少年は倒れた。
悪態をつきながら、それでもどこか幸せそうに、少年は消えていった。
終わってみれば死者は結局0人で、補給は必要だったが、先に向かえたのであった。
34:閉じて開く宿命
07/05/06 21:15:57
同じく潜入班のもう一般は、思わぬ敵に苦戦していた。
その少年には、遠距離の魔法がまるで利かなかったのである。
「うざい」
脱力した声を出しているが、その手に持った鎌の力は折り紙つきだった。
今にもその凶鎌が振り下ろされようと言うところに、赤い光が邪魔立てした。
「なんだ、お前?」
光の球の発射地点に脱力した目を向け、声を億劫そうに発した。
「覚えてないのかよ、俺のこと?」
そこに居たのは、赤い髪、赤い目の少年。
ほんの数時間前に名前以下を思い出した、シン・アスカであった。
邂逅を果たすと同時に、シンは両手にナイフを出現させた。
それを見ると、最後の一人に当たる少年、シャニは歪んだ笑みを浮かべた。
「何だよ、お前。敵討ちってやつ?」
(仇討か・・・見ようによってはそうなるのかもな・・・でも)
「そんなんじゃない」
「へぇ?なら、何だよ?」
何だ、そういわれて、シンは軍人になった頃の決意と、今の状況が似ている事を思い出した。
あの頃も今も、シンはマユと同じ境遇の人間を救いたいだけなのだ。
(ま、前は失敗しちまったけどな・・・)
それは、シンの記憶が語った事実。
「何だ、とかいわれたらわからないけどさ。今度は、絶対に間違えない」
「あぁ?なに言ってんだ、お前?」
喋りながら、大鎌をシンに振り下ろす。
それを手にしたナイフで防ぐが、あまり効果は得られない。
「くッ!」
ナイフは破損しはしなかったものの、シンは軽く吹き飛ばされる。
「はぁああぁ」
そこへ、追撃が来る。が、シンはナイフを地面に捨てた。
(このナイフじゃあいつは多分倒せない)
だから、シンは無手で凶刃を向かえた。
その手で、鎌を掴むために・・・
そして、シンは鎌を掴み、それを奪い取る。
「なっ!?」
「これで終わりだ!!」
シンは鎌で、出来るだけ痛みのなさそうなところを、斬った。
(これで、十分だからな・・・)
「消える・・・!?」
「あぁ、お前がマユにしたことだ。
礼を言うべきことだけどな」
怪訝な瞳を向けられ、シンは付け足す。
「大丈夫だ。きっと、なるべき姿になるだけ」
言って、シンは気がついた。
それは、自分に『マユは辛くないんだ』と、言い聞かせているのだ、と。
35:閉じて開く宿命
07/05/06 21:17:25
そんな心境を悟られたくなくて、シンは駆け出した。
こっちに来てはじめて、元の世界にいた自分と同じような嘘を、自分についたような気がした。
やはり戦えば人は歪むのかもしれない。
歪まなかったなのはたちを羨ましく思いつつ、フェイトを探すシンであった。
「大丈夫ですよ。あなたはまだ取り戻せます」
声は、ポケットから聞こえた。
主はマユの携帯、これがマユのデバイスだったのだ。
「サンキュ。でも、俺は・・・」
「わかってくれますよ。
今のあなたは、聞きたくないことに耳を背けはしないでしょう?」
なぜだろうか、シンは、全く違う口調と声なのに、マユを彼女の中にイメージしてしまう。そして、安心できる。
「そう、だな」
シンが自分の主でもないのに励ましてくれるデバイスに感謝を述べた瞬間、探し人を、ついに見つけた。
「フェイトちゃん!!」
なのはは叫ぶ。
今戦っている、闇に輝く、綺麗な少女の名を・・・
「やめようよ、こんな事!!」
「なら帰って。母さんが五月蝿いって・・・」
フェイトは、親を護っているだけ。
そんな事実が、シンにはとても辛かった。
「シン!!」
アルフの声に、シンは振り返った。
「もういいんですか?」
「ああ、あたしばっかりのんびりしてられないからね」
もう大丈夫と、腕を振り回し、
「実は助けてもらったんだよ、あの後見つかっちゃってさ」
などと言った。
「それで、フェイトは?」
本当に心配そうなアルフの声。
「大丈夫です。今、なのはと一緒に乗り越えるべき壁を乗り越えようとしているところですから」
そう、乗り越えるべきものなのだ。
母の呪縛と、決して存在しない嘘の記憶を・・・
「どんな事をしても、死んだ人間は元に戻ったりしません。
どんな魔法を使っても・・・過去を取り戻す事なんて、出来るもんかぁ!!」
「いいえ、アリシアは戻ってくるわ、わたしの元に。アルハザードに行けば!!」
「そんなわけ無いだろう!そんなの、あなたも良くわかっているはずだ!!」
クロノには許せなかった。才気に溢れた人が、狂気に落ちたと言う事実が・・・
「五月蝿い子供ね・・・親の顔が見て見たいわ」
「なにをっ!!」
クロノはデバイスを構え、光球を発する。が、
「なっ・・・」
それは何事も無くかき消されてしまう。
「弱いわね・・・」
研究者と言えど流石、この歳になると魔力も相当なものになるらしい。
彼女の発した魔法に、クロノは弾き飛ばされてしまった。
36:閉じて開く宿命
07/05/06 21:18:11
「フェイトちゃん!!」
叫び続ける。それしか多分、自分を正しく伝える方法を人は持っていないのだ。
レイジングハートとバルディッシュは、全てを彼女等に託している。
どんな立場に彼女らがいようと、間違えないと、彼女らを信じて・・・
「フェイト!」
シンも名を呼ぶ。
言うべきことが何かはわからないけど、何かはわからないけど、言いたいことがあった。
「シン!?」
フェイトはそんな彼の姿を見て、驚いていた。
「やめるんだ、フェイト!!」
昔、自分はこんなシチュエーションで、同じく金髪の女の子を救えなかった。
でも、今は違う。
あの時はシンの仲間も皆彼女の敵だったけど、今は皆、シンと心を同じくするものなのだから。
吹き飛ばされたクロノは、そこにあった傀儡と戦っていた。
能力的には明らかに自分よりは下でも、問題なのは圧倒的な数。まさに圧殺地獄である。
(ボクがここにいればこいつらはボクをねらう、か・・・)
それもいいかもしれない。
少なくとも、なのはの目的が達成するまでは、ひきつけていてやるのも悪くは無い。それに・・・
(彼も、戦えたんだね・・・)
あの赤い瞳の少年を、クロノは信じてみる事にした。
フェイトのバルディッシュから発せられる光になるべく当たらないように、なのはは戦う。
(と、言うより逃げてるだけだな・・・)
このままじゃ駄目だ。
この状況はシンにも経験があったから、今はなのはが何を言っても意味が無いのが良く分かった。
「なのは、戦え!」
だから、フェイトにたたきつけられ急降下してきたなのはにそういった。
「へ?」
「お前だってわかっているだろ?だから、あの時お前たちは戦っていたはずだ!!」
勝たなきゃ、決して語弊なく言葉が通じるはずが無い。
ましてや友達になりたいんなら・・・
「うん、やってみる」
上を見上げ、急上昇していった。
その顔は、どこか安心させてくれるような、凛々しい顔だった。
37:閉じて開く宿命
07/05/06 21:20:29
「戦うよ、フェイトちゃん。
二度目になっちゃうけど、わたしが勝ったら、今度こそ話を聞いてもらうから」
無言で、しかし頷くフェイト。
「バルディッシュ」
「Yes,sir」
「レイジングハート」
「Yes,my master Shooting mode」
互いにデバイスを呼び、互いがその返事をする。
シンのデバイスは厳密には彼のものではないから、それが妙にすごい事に見えて、少しだけ羨ましかった。
(フェイトちゃんに勝つには・・・)
なのはの技は確実に遠距離形と呼べるもので、動き回る相手への命中精度にかけている。
「貫け、轟雷」
「Thunder Smasher」
そんな事を考えていると、フェイトが先制をした。
「レイジングハート!!」
「Frier Fin Acceleration」
その攻撃を避け、なのははそのまま『一つの魔法』を発生させ、そのままレイジングハートを構えた。
「Shooting mode」
そのレイジングハートの声にフェイトははっとして逃げようとするが、
「さっきの魔法!・・・」
その行動はなのはのひらめきによるバインドで無意味となった。
「これがわたしの、『全力前回』ッ!!!!!!!!!!
ディバイン・・・」
「Buster」
これが、なのはの最高の技、なのだろうか。
「フェイト!!」
アルフが叫ぶ。
「大丈夫、なのはだってしっかり考えてるよ」
ユーノがそれを宥めるとおり、建物まで光が届いてない。
これなら大丈夫だろう、!マークがありえないほどついてたけど、多分。
フェイトは地面にたたきつけられそうになったが、それをなのはが支えてやった。
そして、しばらくシンが気絶したフェイトを膝枕で寝かせていた。
クロノが心配だから・・・皆にそういって、先に行ってもらった。
38:閉じて開く宿命
07/05/06 21:21:23
「大丈夫か、フェイト?」
「・・・・・・シン・・・無事だったんだ・・・」
さっきからずっとシンの姿も捕らえていただろうに、フェイトはやはりシンを心配していた。
「フェイト・・・ごめんな、俺・・・」
「母さんを・・・止めに行くんだね?」
フェイトの問いに、シンは臆せずに答えた。
「ああ・・・悪いけど、邪魔はさせない」
あの人には、いろいろと因縁があるから、と
「わたしもいくよ、シン」
「え?」
「母さんに聞いたんだ。
わたしは、普通の子じゃないんだって・・・」
それは、入れ違いで聞いていないアルフ以外、ここにいる誰もが知っている事だった。でも・・・
「知ってたならなんで、なんでまだお前が戦ってるんだよ!」
「それでもやっぱり・・・認めて欲しかったから・・・」
親に認めて欲しい・・・それが、小学生程度の歳の少女の考えるべき事なんだろうか?
「でも・・・違ったんだね・・・」
「へ?」
「シンは、なのはは、アルフは、こんなわたしを、認めてくれていた・・・」
それは違う。
「認める、なんていうなよ、フェイト。
俺たちは『仲間』で『友達』だろう?」
「仲間・・・友達?」
「ああ、そうだ。
なのはやユーノが違ったとしても、これから何とでもなる。
未来がある。俺たちの作る、明日がある」
この決意こそが、シンがあの失うことばかりの戦争の後、唯一手に入れた、大切なもの
「だから・・・一緒に帰ろうぜ?
何があっても、俺たちは生きるんだ」
命を大切に・・・軍人にそんなこという資格は無いかも知れないけど、して欲しかった。
「クロノくん、大丈夫!?」
「やあ、なのは・・・こっちは大丈夫
キミも、大丈夫みたいだね」
なのはの顔を見て、クロノは成功を確信した。
「じゃあ、行こうか。数が数だから、手伝ってもらうよ。いいね?なのは、ユーノ」
「はいっ!」
「うんっ!それに、アルフさんも」
「わかってるよ」
とりあえずアルフは、数に入れてもらえてうれしいと感じた事を、胸にしまっておく事にした。
39:閉じて開く宿命
07/05/06 21:22:04
「また来たの、あなた?」
もう喋る事も億劫そうに、プレシアはクロノを睨んだ。
「もう何人か来る予定はあるけどね、
降参するなら、今のうちだよ」
「冗談じゃないわ。そんな事で、あきらめられるわけが無いじゃない」
クロノの挑発に、プレシアは答えた。
前振り無しで光る球が発せられるが、先ほど見ていたクロノは何とか反応し、防いだ。
「なのははジュエルシードを!
あれをこっちに持ってくれば、あっちはおしまいだから」
ユーノはバインドをプレシアに迫らせながらなのはに言う。が、
「させないわ」
そのバインドを払い、ユーノに魔法を当てる。
「ユーノくんっ!!」
つい気を取られたなのはは、二はつ目の魔法が自分に迫っている事に気づけずに、直撃してしまう。
「なのはっ!」
クロノは防御しながら彼女の元へ駆け寄る。
「大丈夫・・・ちょっと痛かっただけだから・・・」
魔法を直撃してちょっとと言ってられることは流石だが、しかしこれではきついかもしれない。
そこへプレシアが追撃をしようとする。が、
「バインド!?なぜ?」
その手にはバインドが巻きつけてあり、魔法は不発に終わる。
その鎖の元には・・・
「あたしを数に入れない癖は、治らないものかねぇ」
隠れていたくせにそんな口をたたく、アルフの姿があった。
「なのはっ!!今だよ!!」
「はい!ジュエルシード、封印!!」
青く光るロストロギアは全て、なのはのレイジングハートの元へ収束した。
「よしっ、これで・・・」
絶対優先の条件の一つをクリアした。
そこへ、魔法使いの隊が到着した。
その魔法使いたちが、部屋を捜索しだす。
そして、一つの扉を開くと共に、ジュエルシードの封印によって放心していたプレシアが、反応した。
「私のアリシアに、近寄らないで!!」
そこへシンとフェイトが到着していた事に、誰も気づきはしなかった。
40:閉じて開く宿命
07/05/06 21:23:06
「それが・・・あなたの本当の娘ですか?」
クロノが問い詰める。
『それ』とは、大きな水槽のようなものに入ったフェイトに瓜二つの少女。
「あれが・・・そうなの?」
なのはは悲痛そうな顔をする。
ユーノやアルフも、それと変わらない。
「その子を生き返らせるなんて・・・そんな事、出来るわけが無いのに」
「出来るわ。言ったでしょう?アルハザードへ行くって!!」
クロノの言葉も、最早届かぬほどに乱心していた。
「あなたは・・・フェイトちゃんのことをどう思ってたんですか?」
なのはの言葉。それは、親から子への愛情のほどを聞くという、いわば異常なものだった。
「大嫌いだったわ・・・
あんなお人形みたいな子、作り出したときから、ずっと!!
そうよ、大嫌いだったのよ、フェイト!!」
が、それ以上に異常な返答を、フェイトに向けて言い放った。
その言葉で、皆がフェイトとシンに気づいた。
「フェイト・・・」
シンが、隣に居るフェイトを気にかけていた。
「大丈夫・・・」
全然そうは見えないんだが、フェイトは前進しだした。
そして、プレシアの前までやってくる。
「母さん、もうやめよう?
こんなことしても、意味、無いよ・・・
それに、わたしもいるから・・・」
ここへきてもやはり、彼女は母を信じたいのだ。
「フェイト・・・」
駆け寄ろうとするアルフを、シンが止める。
それは、フェイトがしたい事を優先させたかったから、と言うよりも、最後の決別のときをやろうという思いのほうが強かったかもしれない。
「やめれないわ。
あなたじゃ意味が無いもの」
でも、そんなフェイトの気持ちを、プレシアは汲んではくれなかった。
「フェイト・・・」
シンは、フェイトの元へ行った。
そして、ただ頭を撫でてやった。
「あら、あなたも来ていたのね?」
プレシアは今までシンのみたことのない表情をしていた。
「はい。あなたを、止めにきました」
本当はこんな事をしたくなかったけど・・・
「止めてくれっていっても、止めてはくれないんですよね?」
元の記憶によればあまり好んでなかった敬語で、精一杯の、敬意を込めて・・・
「なら俺は、俺のするべきことは・・・」
頷くプレシアを、ただ、
「あんたを止める!」
マユの携帯電話が、二本のナイフに変わる。
41:閉じて開く宿命
07/05/06 21:25:56
「フェイトちゃん・・・」
なのはが、心配そうにフェイトによっていく。
「大丈夫だよ。一緒に、母さんを止めよう?」
その心配は、確実にフェイトを暖かく包み込み、決心を固めさせる。
「一緒に・・・うん♪」
なのはは、かつて誓った約束と、ちょっと前に誓った約束を果たすため、そして、フェイトのために。
フェイトは、母の、いつも心配してくれたアルフのため、『仲間』と『友達』を知るため、そして、ちょっとだけ、なのはのために。
それらの『ため』は、全て一つの目標へ・・・
(あの人の言った、『運命ではない、未来』、それを、手に入れるために・・・)
「付き合ってられないわね・・・」
圧倒的戦力を前にそう吐き捨て、プレシアは立ち去ろうとしていた。
「まって、母さん!」
「だめだ、フェイト!!」
シンはそれを追おうとするフェイトを止めようとするが、手が届かない。
「こうなったら、アルハザードは私の魔力で!!」
アリシアに近づき、魔法の詠唱を始める。が、
「何ッ!?」
突然、プレシアのいる場所の床が抜けた。
「魔力が暴走したんだ。
個人の力で名前しか知らない場所にたどり着くなんて、出来たとしても体が持つはずが無い」
クロノが言うには、それはたとえジュエルシードがあっても同じことらしい。
「ああぁぁぁぁっぁあああ!!!」
「母さん!!」
フェイトは、プレシアのいる今にも沈もうとしている床に飛び乗った。
「待て、フェイト!」
シンもそれに続き、なのはたちも行きかけたが、
「いっちゃだめだよ、なのは」
「君も待つんだ、アルフ」
冷静な男が二人、それを止めた。
42:閉じて開く宿命
07/05/06 21:26:42
「母さん!!」
「待てよ、フェイト」
追いつき、フェイトの腕を掴んだ。
「放して、母さんがっ!!」
「あの人を救って、どうするんだ!!」
「え?」
シンにもフェイトの気持ちは痛いほどわかった。けど・・・
「もう駄目だよ、あの人は。
捕まって、牢屋に入って、死ぬだけだ・・・」
「でもっ」
(生きていたほうがいい。そんなのはわかってる!!だけど!!)
「行かせてやれよ。もう次元振なんてのは起きはしないし、アルハザードにいってもあの人は犯罪を犯したりしない」
それが論点で無いことだって、わかっている。
「それでも、わたしはっ」
地は、今も引き裂かれ続ける。
「くそっ!!フェイト!!」
シンは手を出した。
「俺はお前に生きて欲しい。生きて帰ろう、な?」
もう、嘘の混じった気持ちを口にするのはやめた。
ただただ、自分の願いだけを、告げていた。
「・・・・・・うん」
43:閉じて開く宿命
07/05/06 21:29:36
「クロノ、アルフ。フェイトを引っ張ってくれ」
地が割かれたせいで、地面に高低が出来ていた。
「シン、キミも早く!!」
フェイトを引き上げた後、ユーノがシンをせかした。
「虚数空間が侵食してきている。もう時間が無いんだ」
クロノも心配そうに言っている。だが・・・
「悪いな、携帯落としてきちまったんだ。
先に行っててくれ」
それはデバイス。大事なもの。それはわかっていた。が、
「何言ってるの?シンくんもいそいで!!」
「お前こそ何言ってるんだよ。
もしレイジングハートだったら、お前だって行ってただろ?」
「そうだけど・・・でも!!」
「早く行けよ、お前ら。
俺もすぐに戻るから」
シンは来た道を戻っていった。
そして、非虚数空間で念話を使った。
(クロノ、急げよ?)
(わかっている。君も早く来い!!)
いい男だ。
優しさを隠す事が出来るし表にも出せる人間なんて、以外と稀だからな・・・
(悪かった)
何か文句が聞こえてきた気がするが、もう、それもいい。
(ユーノ、あんたとももっと話したかったな・・・)
(何言ってるんですか?)
こいつは余計なほどに責任を感じていたらしいな。でも・・・
(なのはに伝えておいてやってくれ・・・フェイトはいい奴だから、頼むって)
それだけに、こういうことも任せれる。
(なっ!!)
シンは携帯を拾い、崩れ行く床の上に立ち止まった。
先ほど鎌を奪ったとき、勢いを殺しきれずに斬った足が痛んだ。
(それから二人に・・・ごめんとありがとうを・・・)
そして、念話をやめた。
ユーノもクロノも男だ。きっと、立ち止まりはしない。
(わかってくれとは、言えないけどな・・・)
足の怪我を引きずってたら、魔法の使えないあいつらの足手まといになる・・・
一度は、いや、もう何度も捨てた命のために、子供らを危険にさらすのはごめんだ。
44:閉じて開く宿命
07/05/06 21:30:22
「なぁ、お前は何だ?」
デバイスに話しかける。
「はい?」
「最後に聞いておきたかったんだ。名前は?」
「名前は・・・無いです」
思いもよらない返答だった。
「なんでだ?」
「マスターを見て、私は恐くなってしまったのです。
大切な人に、忘れられる事が・・・」
シンが、マユを忘れたように・・・
「でも、それは違うだろ?忘れてたって、思い出せるさ。
名前があれば思い出しやすいかもしれないし・・・」
「その通りでした。まるっきり、私の早とちり、と言うか・・・」
一旦言いにくそうにした後、
「マスターの兄を嘗めていたのかもしれません」
「全くだ。なら、俺が名前をつけてやるよ・・・」
死ぬときに名無しのデバイスじゃあ、辛すぎるもんな、なんて事を思ってると、ついに足場が落ちた。
「すみません。あなたにつけてもらう名前は、聞けそうにありません」
足場など気にせずに名前を探していたが、その思考はさえぎられる。
「どういうことだ?」
「これからあなたをどこか異世界に転送します」
「な、そんな事が出来るのか?」
「はい。とはいえ、私は全ての能力を使い果たす事になって、長く眠りにつく事になりますけどね・・・」
それが何を意味するのかは、容易に想像できた。
「だめだ、そんなの。やらせてたまるか!!」
それでは、ここまで来た意味が無い。
「いいえ、これはマスターとの最後の盟約です。あなたがなんと言おうと変える事は出来ません」
デバイスが輝き始める。
「これでも私は心残りは無いのですよ?
主の後見人に仕える事の出来るデバイスなんて、そう多くはありませんから」
今まで見た事の無い、魔法陣。
「何処に飛ぶのかはわかりません。が、きっとあなたのもといた世界に返れるでしょう」
世界には重力に似た見えぬ糸がある。
その糸はその人間が永くあり続ければあり続けるほど強くなると言う。
「元の・・・世界・・・」
「ああ、唯に一つの心残りは、あなたに名前をつけてもらえなかった事か・・・
時が、後少しでもあるならば・・・」
魔方陣はおおきく発光し、シンを包み、そのままシンは気を失った。
(次に目が覚めるのは・・・俺の居た・・・世界・・・か・・・)
気を失ったのに、シンの目からは涙が溢れ始めた。
45:閉じて開く宿命
07/05/06 21:35:08
シンの、今までずっと戦い続けてきた男の降り立った世界は、暗い世界だった。
しかし、シンにとっては十分すぎる光があった。
偽者の優しさに触れたシンは、それが偽者だと気づけなかった。
それ以上に、マユの本当のやさしさが強すぎたから。
そしてシンは、出会って、出会って、別れて、出会った・・・
それは老若男女さまざまだったが、それぞれがそれぞれのやさしさを持っていた。
そして、もう一度、シンは『今までいた』世界に、降り立った。
「恐い夢でもみてるんかなぁ?」
そこにあったのは、始まりの前の、休暇のような、日常だった。
46:暇人A
07/05/06 21:40:17
ここでひと段落です。が、
え~っと、実は『ここまでプロローグ』です。
と、言うのはこの物語ではシン、キラ、アスランを引っ張り出すのが目的ですから、一人出しただけだとやっぱり・・・
てなわけで、エ~ス時代を・・・書く気になったら書きます。
伏線も張っておいたからシンの立ち位置はバレバレですけどねw
47:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 21:42:04
>ここまでプロローグ
なにいいいいいいいいいい!?
すごく壮大なプロローグだった・・・・・・
48:暇人A
07/05/06 21:45:08
追申
途中までタイトルが素で間違ってるとか言う突っ込みはやめてください
と、はやてのしゃべり方に違和感あったら教えてください
49:運命の子と最強を目指した少年
07/05/06 21:47:25
>ここまでプロローグ
GJです。
プロローグが壮大だ~。
50:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:04:11
これは期待するしかないな
51:アスランVSなのは
07/05/06 22:04:20
背景:A's時
「もうすぐで…闇の書が完成するんだ!邪魔をするな!!」
パリィィイイン!
自分の中で弾ける種から膨大な量の魔力が溢れだす。
「レイジングハート!」
『All right, my master.Shooting mode stanby!』
目の前の蒼く、男にしてはやや長めの髪をした少年の瞳が光を失い、目付きが鋭く変わる。
なのははレイジングハートの尖端を深紅のバリアジャケットに身を包んだアスラン・ザラという少年に狙いをつけた。
『Divin Buster EX』
カートリッジが消費され、環状魔法陣およびリングが三つ展開され、発射体勢に入るなのは。
しかし、いつの間に接近していたのか、もうなのはのすぐ近くにまでアスランは接近していた。
だが、チャージ完了まで刹那も無い。
ほぼゼロ距離でなのはのディバインバスターを放った。直後にレイジングハートから伝わる衝撃。
桜色の奔流はなのはの目の前で大きく膨らみ、直進するはずの魔力が弾け、周囲に霧散して行く。
尚も流れ続ける奔流の隙間から見え隠れする蒼い髪。明滅する光の中でもはっきりと識別出来る緑色の瞳。激しくなびくアスランの深紅のバリアジャケットが、なのはのディバインバスターの威力の凄さを物語る。
「何で?」
驚愕を隠せないなのは。
なぜアスランは落ちないのか?
全てはアスランの左腕を覆う盾にある。
ディバインバスターが発射される刹那でアスランは盾を突きだし、突きだした盾からAMFを発生させた。
放たれたディバインバスターはAMFにより無効になる。
「レイジングハート!」
なのはは奔流を断つ。
『All right』
途切れる閃光。
「ジャスティス!」
『サーベル』
アスランの両手に現れる白い筒状の棒。
空洞から紫電を伴い発生する高密度に圧縮された魔力刃。
両膝部と脚部にかけても魔力刃は発生する。
計四本、四カ所。
アスランは両手のそれを振り上げなのはに向かって振りおろした。
ラウンドシールドを展開するなのは。
52:アスランVSなのは
07/05/06 22:06:52
なのはの防御力は高い、故に並大抵の攻撃では破られることはない。
それはアスランにとっても同じであった。
振り下ろした二刀の剣はなのはの障壁により、あっさりと弾かれる。
なのはは障壁を解除、距離をとろうとするが、アスランの攻撃は終わってはいなかった。
右脚部魔力刃による斬撃。障壁を解除したばかりだ。展開できない。
瞬時にそう判断したなのははフライアーフィンを発動させ後退する。
アスランの斬撃がバリアジャケットをかすめた。
「レイジングハート、一旦距離をとって体勢を建て直すよ?」
『All right』
が
『グラップルスティンガー』
アスランの左腕の盾から発射されるバインドがなのはの腰に巻き付く。
「ッ!?」
バインドの解除を行おうとするが、あまりに見慣れないバインドのためなのはは一瞬、術式解除に取り掛かるのが遅れた。
そのバインドは術者と対象者を繋ぐバインド。
そして、一瞬の遅れがなのはをさらに追い詰める。
突然全身にかかる衝撃。
猛烈なスピードで接近してくるアスラン。
いや、はなのが引き寄せられているのだ。
アスランまであと五メートルというところで不意に解除されるバインド。
突然のことにバランスを崩し、つんのめるなのは。
目の前には紅い魔法陣を2つ展開し、さらにその前方に増幅リングを展開したアスラン。
急収束していく魔力。
「仕方ない…、仕方がないんだ!!討たなければ!!!」
『アムフォルタス』
深紅の魔力の塊から轟音を立てて巨大な奔流が二本、なのはに向かって放たれた。~完~
53:アスランVSなのは
07/05/06 22:09:52
以上です。
アスラン云々の話がでてたのでちょっと書きたくなって書いてみました。
ちょっと強く書きすぎたか?
背景的にははやて側のアスランという設定DEATH。
駄文ごめんなさい。
54:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:26:41
投下しようと思ったけど……明日にしたほうがいいのか?
55:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:27:59
カモン!!
56:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:28:28
ばっちこーい!
57:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:34:01
要望が出たので投下します。
魔道戦士まじかるしん8話a 休暇1日目Aパートオーブ編
ここはオーブにあるとある墓地。
たくさんある墓の中の一つに、シンの家族の名前が書かれた墓があった。
墓には綺麗な花が添えられている。
その墓の前にシンはいた。
「父さん、母さん。マユ……」
ここに来るのも実に3年ぶりだった。
自分がここを離れ、ミッドチルダに移り住む前に一度来たっきりであった。
シンは、手に持っている一等陸士のバッジを手に取る。
「いろいろ忙しくて言うのが遅れたけど、俺、時空管理局で働いてるんだ」
シンは4年前より少し前、家族と過ごしていた日々を思い出す。
3年前にミッドチルダに住み始めてから久しぶりに帰ると、故郷の町は既に面影もなく、自分が住んでいた付近もショッピングモールに変わっていた。
「あと、マユ。これは忘れ物」
シンはそういって、黒く焼け焦げた、少しだけピンクが残っている携帯電話を取り出す。
マユが使っていた携帯電話だ。
「ごめんな。ここを離れるときに、3年前に置いておくつもりだったんだけど……」
その時は、唯一残った家族の形見だと思ったからずっともっていたいと思った。
だが、携帯を買ってもらい、喜んでいるマユを思い出す。
それで、やっぱりマユに返そうと思ったのだ。
シンは、ここの主にちゃんと許可をもらい協力してもらって、マユの遺骨のそばに携帯を置く。
「またくるから………」
そういって、シンは墓地を後にする。
そのあとシンはレンタルバイクに乗って海岸線を走る。
ここだけは以前と変わらない。
よく家族と散歩に行ったときの事を思い出す。
バイクを走らせていくと目当てのところに到着する。
その場所は、4年前の事件でなくなった人たちへの慰霊碑。
シン自身、あの事件の被害者でもあるから立ちよりたかったのだ。
シンはバイクを降り、慰霊碑のほうへ行くと、別の人が慰霊碑に来ていた。
数は3人だろうか……
しかし、シンはそのうちの二人を見て驚く。
二人ともかなりの有名人…いや有名どころではないだろう。
二人とも自分より年上みたいだが、未だにどこか少年のような感じがぬぐえない女性。
髪は金色の髪を短くしている。
もう一人はピンク色の髪を長く伸ばした女性で、近くにピンク色のロボットがピョンピョン跳ねている。
どの二人も、おそらくオーブ……いや、この世界で知らない人はいないほどの大物人物だった。
「ラクス・クラインに……カガリ様?」
一人は全世界的にミッドチルダでも有名な歌姫。そしてもう一人は、この国、オーブの代表の娘なのだから。
58:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:36:06
「もう4年になるのですね……」
慰霊碑の前で、ラクス・クラインは寂しげに言う。
横にいる男性と女性。
女性の方はこの国の代表、ウズミ・ナラ・アスハの娘、カガリ・ユラ・アスハ。
娘と言っても、彼女は本当の娘ではなく、ウズミが養子として引き取ったのだ。
カガリ自身もそのことは最近になるまでわからなかった。
そして、唯一血のつながっている家族が、そばにいる弟(カガリ曰く)のキラ・ヤマト。
この日は、決まってこうやって3人で集まっている。
本当はもう一人いるのだが、その人物は今は急用でいない。
「あの事件は、私も現地へ行ったから良く覚えている。とても悲惨だった。助かったのも子供が一人だけだって話だからな」
4年前に起こった謎の魔力爆発事故。
オーブ、ザフト、そして時空管理局が調べ上げたが、未だに理由がさっぱりわからない。
誰かが偶然ロストロギアでも発動させた。もしくは故意にやった。ブルーコスモスの仕業。
未だに謎が耐えないこの事件。
わかっているのは、ただロストロギアを使っていることだけ。
「民もまだ不安でいる。いつまたあのようなことが起こるのかって……」
まだ解決していないゆえに、また起こるかどうかわからない。
そういう気持ちが国民を不安にさせている。
「ええ。ですから私が歌い、人々の心を少しでも癒せれば……」
ラクス・クラインは世界的に有名な歌姫で、あの事件が起こってからは、毎年慰安コンサートを行っている。
ちなみに、3人が知り合ったのもこれがきっかけである。
ラクスが初めてコンサートに訪れたとき、ラクスのボディーガードとして選ばれた、弱冠14歳ながらもプラントが独自に持つ組織「ザフト」のトップガンの証でもある赤服を見にまとった二人の少年。
それがキラ・ヤマトとアスラン・ザラ。
ラクスとウズミの会見のとき、ウズミがキラを見つけ、カガリに事の真相を打ち明けた。
最初は戸惑ったが、やがて4人は仲が良くなっていった。
4人は、毎年そのコンサートの前日に集まり、こうやって慰霊碑を参っている。
現在、アスランはザフトを止め、カガリの世話兼ボディーガードをするためにオーブに移住した。
キラもザフトを止め、ラクス専属のボディーガードとなって、彼女と一緒に世界中を飛び回っている。
しかし、そのアスランが急用で用事があると言って、現在彼はプラントにいる。
「僕もアスランとはプラントであったけど、かなり急いでいたけど、どうしたんだろうね」
キラが急いでいる友をみて、少し微笑む。
そんなときだった。
「ラクス・クラインに……カガリ様?」
ふと、声が聞こえて3人が振り返ると、そこには一人の少年がたっていた。
年は自分達よりすこし低いくらいで、少年は3人が振り返ると焦っていた。
確かに、世界的に有名なラクスとカガリ。
この二人に見られると慌てるのは当然だ。
こんな偶然などめったにないのだから。
59:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:37:51
「君も慰霊碑に?」
キラの言葉で、何とか正気を取り戻した少年、シン・アスカははい、と頷く。
「だったら、もっと近くにくればいいですわ」
「オマエモコイ!オマエモコーイ!」
ラクスと、そのそばにいるまるいロボットがシンを招く。
シンが、心臓をバクバクさせながら慰霊碑に近づく。
だが、慰霊碑に近づくとだんだんそんな気持ちも消え、少し暗い気持ちで慰霊碑を見る。
「お前の家族も、あの事件の被害者なのか?」
カガリの言葉に、頷くシン。
「俺の家族の分はちゃんと墓はありますけど、やっぱりこっちも行かなくちゃと思ったんです」
シンは俯いてつぶやく。
「あの事件で、俺だけが助かりましたから……」
最後のシンの言葉に、3人は驚いてシンを見る。
「あなただったのですね、たった一人だけ助かった生還者と言うのは……」
ラクスの言葉に、またシンは頷く。
そういえば、たら樟は思い出す。
彼の名前をまだ聞いていない。
「ところで、あなたのお名前は?」
ラクスに名前を聞かれ、シンは正直に名乗る。
「シン・アスカです」
「シン、ですか」
ラクスはシンの名前を聞いて微笑む。
「あ、二人の名前は知ってるだろうけど、僕の名前は知らないね、僕はキラ・ヤマト。よろしく」
どうも、とシンも返事をする。
そのときだった。
「シンじゃないか」
シンは誰かに呼ばれたと思い振り返ると、そこには既に見知った顔がいた。
1年の間、自分を世話してくれて、この後にその人の家に顔見せでもしようと思ってもいた。
「トダカさん」
「なんだ、あいつはお前が保護してたのか」
トダカは、帰り道に偶然見つけた3人を家に帰すために車を走らせる。
そこにはシンも乗っている。
「はい。ですが、彼がミッドチルダに移ってから手紙を交換したりしていますがそれだけで、こうやってあうのは本当に久しぶりだな」
トダカの言葉に、はいと返事をするシン。
「良かったら、うちに泊まっていくか?妻も子供もきっと喜ぶだろう」
トダカの言葉にシンは少し考える。
確かに顔見せするつもりだったが、泊まるとか思っても見なかった。
だが、せっかくの好意なので、受け取ることにした。
「すみません。いろいろと世話になって」
シンは礼を言うが、トダカは笑いながら言う。
60:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:39:12
「何を言ってるんだ。君はもうほとんど私の家族のようなものだ。だから遠慮しなくてもいい」
シンはそこの言葉にうれしく、どこか恥ずかしい感覚がする。
カガリたちを送ったあと、トダカはシンを乗せたまま自分の家に戻る。
シンは、その時にラクス・クラインから渡されたものを見る。
それは、今度出たばかりのラクス・クラインのアルバムの初回限定番らしい。
初回限定版などの特別版は、異世界であるミッドチルダではなかなか手に入らないレアグッズだ。
ミッドチルダでもラクス・クラインは人気だが、いかんせん輸入ということになるので品薄状態で、発売日も遅れるので、この世界で新しく出るのなら、ミッドチルダでは来月くらいに出るのだろうか。
さらに本人のサインつきなのでその価値は極めて高い。
(これ、聞くのもったいない気がするな……)
ラクスの曲はいい曲だと思うが、シン自体そこまで音楽に興味がない。
まあ、持っておくだけもておくか、という感じである。
(そういえば、ヨウランたちの土産、何にしよう……)
ヨウランとヴィーノもラクス・クラインのファンである。
(じゃあ、明日にでもまたこれを二つ買いに行くか。えっと名前は……)
そう思ってシンはCDのジャケットをみる。
(Sui-Gin-Tou……水銀灯のことか?)
変わった名前だな、とシンは思った。
「シン、向こうではうまくやっていけてるか?」
トダカに話しかけられ、シンはええ、という。
「2ヶ月で転属くらいましたけど」
それは……とトダカは苦笑する。
「まあ、そっちのほうが良かったんですけど」
あんな上司はかなりやりづらい。
シンの話でそうか、といってトダカは笑う。
こんな話をしていて、二人はトダカの家に着く。
「ただいま」
「お邪魔します」
帰ると、すぐにやってくるのはトダカの一人息子。
「お父さん、お帰りなさい……あ!シン兄ちゃん」
シンは息子を見て驚く、しばらく見ない間にかなり大きくなっているからだ。
おそらくトダカもシンを見てそう思って入るだろう。
「あなた、お帰りなさい。シン君も久しぶりね。しばらく見ないうちに大きくなったわねえ」
トダカの奥さんは、シンが予想してた通りの言葉を言った。
「ゆっくりしていってね」
シンは、久しぶりにトダカの家に上がる。
普通だがあの時と全然変わっていない。
さっきのトダカの言葉を思い出し、何か本当に自分の家に帰ってきたような感じがした。
「シン兄ちゃん。久しぶりに遊ぼう」
この後、シンはトダカの長男と2時間ほど部と押しで遊ぶことになる。
61:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:41:03
シンは客室のベッドで横になる。
ずっとトダカの長男、トキオと遊んでいて、やっと開放されたのだ。
それにしても、とシンは懐かしいな、と思いながらあたりを見る。
この部屋は以前ここで世話になっていたときに使っていた部屋だ。
「全然変わってないなあ」
そう思いシンはテレビをつける。
つけてすぐに流れて、そこにはラクス・クラインが移っていた。
なにかのCMだろうか?
「皆さん、乳酸菌はとってますか?乳酸菌は私達の体を守る大切なものです。
皆さんも、乳酸菌で体を綺麗になってくださいね」
『毎日毎日、体においしいヤク○ト』
……これ以上はいろいろ危ないのでこれくらいに(ほとんど意味ないだろ……)
しかも微妙に古い気がするのは何故だろうか?
まあそんな事はほうっておくことにする。
その時、シンが持っている携帯通信機がなる。
誰からだろうと思っていると……
「高町隊長?」
何の件だ?と思っているとその内容は……
「用事が空いてたら明日の午後4時(ミッドチルダ時刻)に訓練場前に集合。その際、各自で水着を用意してくること……は?」
まあ暇なやつが訓練するのはいいけど、何で水着なんだろう、とシンは思う。
ふと、通信機に内蔵されているミッドチルダ時刻の時計を見る。
ミッドチルダでの午後4時は、この世界での深夜1時くらいだろうか。
その時差約9時間(最も、次元が違うので時差どころか日にちすら違うから関係ないが……
まあそんな事はどうでもいいとして、これだけではわからないので通信電話をかけることにするシン。
5回ぐらい鳴ったと
「あの、隊長?」
『あ、シン。メール見た?』
あ、メール見た?じゃないでしょう……
「何する気ですか?訓練で水泳でもする気ですか?」
シンの言葉に、ちがうちがう、というなのは。
「えっと……時間が空いてたらでいいけど、六課のフォワード陣と私の友達で海水浴へ行こうと思ってるんだけど、予定は大丈夫?」
……もう一度言おう、は?
「それで、時間は大丈夫?」
シンは少し考える。
明日からは確かに用事はない。
それで、シンはOKを出した。
詳しいことは続き、第8話休暇1日目Bパート、海鳴編で暴かれる。
「ややこしいんだよおい!!」
『シン、だれに突っ込んでるの?』
62:ガンダムし~どD´s
07/05/06 22:42:39
シンは久しぶりにトダカ達と夕食をとる。
その時、トダカの妻であるアヤが気付く。
「そういえば、シン君ってもう成人したのよね?」
この国とプラントでは、コーディネーターは15歳が成人と定められている。
あやの言葉にシンははい、とシンは返事をする。
「そうか、早いわねえ。もうお酒がのめる年だなんて」
ミッドチルダ在住の人は、成人は二十歳と定められている。
だが、シンはまだオーブ在住となっている(現在でもトダカが彼を引き取っている形となっているので、シンはほとんどトダガの養子といってもいい)ので、成人を証明するものを持っていれば、シンはミッドチルダでも成人として扱われる。
「だったら、今日はあとで一緒に飲まないか?」
この後、シンはトダカと酒を飲んだ。
ただ、初めての酒にしては少々きつい酒を飲んだため、二日酔いほどではないが、次の日に少々頭が痛かったとか……
投下完了。
キラたち4人組の出会いを本編よりすこし(少し!!?)変更。
またなかの人ねたを使ったけどね。
次はD´sじゃなくて休暇海鳴編を投下
63:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:53:01
GJです!!
64:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 22:58:37
GJですよ。この勢いだとキラとシンが仲良くできそう。俺は本編で仲良しな
2人で協力するのが見たかったが・・・・・。補正の力、恐るべし。
65:通常の名無しさんの3倍
07/05/06 23:08:44
GJです。
銀様ネタに吹いたwww
66:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 00:39:16
シン「『真月譚月姫』の琥珀さん声好きだな~」
67:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 00:47:55
GJっす!
これならSEEDトリオ結成だ~
みんな仲良しがなのはの売りだからね。
あのSEED3人の共演が楽しみだ!!
68:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:13:14
目的の為なら何やっても良いと考えるテロリスト思考のキャラ達だから
キララクカガリには出ないでほしいです。
誤字・慰安コンサート
追悼コンサート
69:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:16:48
シン「俺はこの世界ならのびのびと暮らせる。時には絶倫眼鏡になったり
するのは愛嬌ということで」
70:68
07/05/07 01:19:35
>>68アスラン入れるの忘れてた
71:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:22:42
シン「志貴の絶倫スキル、真中のパンツ見放題スキル、エイジの熱血
まあ多くのシスコンスキル・・・全て足したら俺凄いな。」
72:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:25:52
シン「ふっはっくらえ!」
73:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:29:04
なんか今日は(つか昨日か)SS投下祭りだったね。
GJの嵐!
>>68
それを決めるのは職人氏だ、君じゃない。
寧ろなのは世界と交わり変化した彼らを見たいと思うがな。
74:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:31:21
URLリンク(www.nicovideo.jp)
これは良い「鈴村」ですね
75:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 01:36:35
>>73
そりゃあ分かってるがね
ラクスが出ると本編のあの意味が有るようで全くない台詞を思い出してイライラしてしまうんだよ
ラクスのお人形さんキャラとかも吐き気がする
76:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 02:05:28
D'sさん乙です!
次回はシンのスキルが発動しそうですね。
楽しみにしてます。
>52
たぶん、なのはさんは生きてますよwww
火の海をバックに…。
77:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 02:06:38
俺もキラやアスランが大嫌いだからお前の言いたいことは分かるけどね
そういうときはスルーしといたほうがいいと思うぞ
俺もキラとかアスランがメインで出てくるようなのはスルーしてるしね、神隠しとか
78:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 02:19:11
シン「学園アリスの玲生役のシンです。」
はやて「学園アリスの蜜柑役のはやてです。」
79:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 02:51:05
リィンⅠ「ワイルドアームズアルターコード:Fでセシリアの声を担当している。」
シン「……………」
リィンⅠ「一体どうした。さっきから一言も話してないが」
シン「……………(紙切れを渡す)」
リィンⅠ「ロディは通常、文章でさえ台詞がないから、喋べらない。グッズ使用時と戦闘時はぉk…………」
シン「…………コクコク(頷く)」
リィンⅠ「…………。」
こうですかわかりませんっ><
80:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 02:52:36
シン「正直。リィンⅠとフェイトは俺はいちご100%で共演してる」
81:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 03:35:09
機動六課女性陣に全裸をみられて落ち込むシン。
「あの~…そんなに落ち込まないで…、湯気でほとんど見えなかったから…。」
なのはが、シンに慰めの言葉をかける。
その周りには皆が済まなさそうな顔をしてたっている。
「そんなくだらないことで落ち込むな。シン・アスカ」
とシグナム。
その言葉にシンが反応した。
「くだらない?
そんなこと言わせるか!湯気で見えなかったってのも嘘だね!
俺の貞操はあんたたちにズタボロにされた!
自分達が揉まれた胸の仕返だって?
あのときその自分達の行動で俺が傷付くことになるって考えなかったのかよ!!
次は俺が揉みしだいてやる!」
なのはとのすれちがい様に肩をぶつけ、シンは部屋を出ていった。
残された女性局員一同から世界を覆い尽さんばかりの殺意が湧いた瞬間だった。
82:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 03:39:31
>>80
フェイト、キャロは超重神でオペレーターメイドだったんだよな……
エイジはロリとフラグ建っ(ry
83:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 05:17:21
キラ「シンくん。オヤシロさまって知ってる・・?」
ティアナ「ふふふ・・・ははははは」
なのは「はははははは」
シン「ひぐらしの鳴く頃に・・・うわああああ」
84:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 07:24:55
>>77
キラアスが嫌いなのはアンタの勝手だが、最後の一言が余計だ。
わざわざSS名を挙げるな。
85:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 08:44:35
>>75>>77
汚い油だなあ
86:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 08:58:46
リリなのは基本的に「みんな仲良し」だから
キララクアスカガ死ねって姿勢で突撃されても正直、困ります。
ていうか全力でスルーしろ俺
87:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 10:21:53
SEEDのキャラと同じなのは名前だけだと考えるんだ。
うわあ釣られてるよ俺。
88:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 10:40:59 oYYjzGWR
同じ なのは?
89:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 10:43:43
頼むからsageてくれ
90:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 10:47:05
sage
91:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 12:57:52
マクロスゼロのシンと種死のシンみたいなものだろう。同じ名前の別キャラって考えは。まあ、マクロスゼロのシンと種死のシンは同じ声優さんですけどね。
92:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 13:07:12
アニメ版ゲッターの流竜馬と漫画版の流竜馬とか
93:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 13:37:26
南斗のシンとレイとな!?
94:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 17:15:21
この流れで言うのもなんだけど、
「みんな仲良し」や敵とも「話を聞いて!!」な、なのはの世界だと
個人的に相手に恨みがなくても仕事だから人を殺す、
相手も仕事として自分や仲間を殺しにくるから殺さないと殺される的な
軍人キャラって異質だろうな。
し~どD´s 氏の「ムウさんと仲良くして」も、
元の世界に戻ったら殺しあわなきゃいけない人間相手に無茶なっと思った。
なのはさんはまだ9歳という人間的な純粋さからだと思うけど。
95:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 17:44:08
『話し合いは不要・敵対者は皆殺しで悪役認定。死人に口なし』が種なんだぜ?
96:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 17:51:51
対照的にも程があるなそれ。
別に一方を非難する訳じゃないが、種もなのはも極端なところがあるのは同じか。
97:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 18:14:22
なの×種どころかなの×全てのクロスオーバーを全否定する件について。
スルーしろよ……俺……。
98:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 18:15:31
種死は現在進行形で殺し合ってるからな。
まあ「戦争」だから仕方がないちゃそれまでだけどね
99:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 18:35:13
URLリンク(www.nicovideo.jp)
これを最後まで見てみよう。貴方は笑うはずだ
100:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 19:37:07
>>97
(゚ДY)<全力でスルーしろ!
101:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 19:40:47
>>101
シン「斗牙!斗牙じゃないか!」
102:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 19:56:04
魔法騎士(マジックナイト)ASUKA
103:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 20:27:58
なのはとクロスの相性がいいのは戦争より私闘がメインの作品だわな
Xアストレイのカナードやプレアとフェイトの会話とか面白そうな予感
104:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 20:30:43
シン「おまいらもアイツの所為でこんな目にあったんだな・・・」
105:運命の子と最強を目指した少年
07/05/07 20:51:42
・闇の書発動後、なのはが襲われる数日前
:時空航行艦アースラー病室
「こ・・ここは・・僕は・・・」
少年、プレア・レヴェリーはベッドの中で目を覚ました。
眩しい照明の光に照らされ、思わず顔をしかめる。
「僕は確か、カナードさんと戦っていて・・・・」
少しづつだがプレアは思い出していた。
「あの時、ドラグーンの特殊能力を使って・・・・・その後・・だめだ、思い出せない」
プレアが自問しているその時、扉が開き1人の少女が入ってきた。
「あっ、目が覚めたの?」
現れたのはプレアとそう歳の変わらない金髪の少女だった。
「びっくりしたよ、訓練中に突然転移してきたんだから、体には特に異常は無いみたいだよ。気分はどう?」
「特に問題は・・・・・(あれ、どうしてこんなに快調なんだろ?僕の体は、もう・・・)」
「どうしたの?どこか痛い?」
「いえ、ご心配していただき、ありがとうございます。あの・・・」
「フェイト、フェイト・テスタロッサだよ。」
プレアに自己紹介をするフェイト。
「フェイトちゃんですか、僕はプレア・レヴゥリーといいます。改めて助けていただき、ありがとうございます。あの、ここは?」
「ここは時空航行艦アースラーの病室。今、クロノ達を呼んでくるね」
そう言い、フェイトは病室を出て行った。
「(時空航行艦?戦艦・・なのかな?)」
フェイトの言葉に疑問を持つプレア。
数分後、病室に入ってきた女性によってプレアは信じられない事実を聞かされる。
106:運命の子と最強を目指した少年
07/05/07 20:52:34
「・・・・・正直、信じられません」
女性、リンディ・ハラオウンから聞かされた事実、次元世界、時空管理局、魔法、どれも信じられるようなことではなかった。
だが今乗船しているアースラー、フェイトが見せた小規模の魔法、突如変身したアルフやユーノ
目の前の事実を突きつけられたプレアは信じざるを得なかった。
「う~ん・・・・プレア君の話からするに時空管理局の管轄外世界から来た見たいね。どうやって来たのかは不明だけど。」
「あの、どうにかして帰れないのですか?」
プレアにはNジャマーキャンセラーを運ぶ目的があった
その目的は果たされておらず、今すぐにでも帰りたい気持ちで一杯であった。
「正直、管理局の管轄外世界はかなりある。そこから君の世界を特定するのは時間がかかるだろう、申し訳ないがしばらく待ってくれ」
「そうですか・・・我侭をいって申し訳ありません、ありがとうございます、クロノさん。」
申し訳なさそうに誤るプレアに慌てふためくクロノ
「い・・・いや・・・こちらも全力を尽くす。それと、これを」
そういい、クロノは首飾りを渡した。
「(これは、Nジャマーキャンセラーのデータメモリ)」
「見覚えがあるようだね、これは君と一緒に落ちてたものだ、どうもデバイスのようなんだ」
「デバイスってあのフェイトちゃんのバルティッシュのような?」
「ああ、だがこのデバイスは不完全だ。解析した結果、機能に支障はなさそうだが、一部機能がパーツごと抜けてる」
見ると真ん中にあった赤い宝石が抜けていた。
「それと検査の結果、どういうわけだか君の体内からリンカーコアが確認された。君も魔法が使えるようになる」
「僕が・・・ですか?」
クロノの言葉に驚くプレア。
いきなり今さっきまでフェイト達が行った芸当が出来るようになると聞かされれば仕方が無い。
「まぁ、突然のことで無理は無いよ。実際魔法がまったくない世界でもリンカーコアを持つ人はまれにいる。」
その後、軽い事情聴取が続いた。
「カナード・パルス君ね、わかったわ、貴方のいた世界と一緒に探しましょ」
「何から何まですみません」
クロノの時同様、申し訳なさそうに誤るプレアに苦笑いをするリンディ。
「子供が遠慮なんかしないの。とりあえず、今日はこのくらいにしましょう。プレア君も色々と疲れてるようだし」
「そうですね、とりあえず君の世界の特定は急いで行う。それまではこちらで面倒を見よう。」
「本当にありがとうございます。あの、厚かましいようですけど、何か僕にもお手伝いさせてくれませんか。」
「申し出はありがたいが(いいんじゃないの)艦長?」
「プレア君が自分から何かしたいって言ってるんだし、エイミィの手伝いでもお願いしましょ。エイミィ、いいかしら?」
「勿論ですよ、資料を整理してくれる助手がいるだけでも大助かりです」
「わかった、エイミィの補佐をお願いしよう、あのフェイレットモドキよりは数百倍素直そうで(ちょっとまてー!!」
107:運命の子と最強を目指した少年
07/05/07 20:53:27
突然、ユーノ・スクライアはクロノに詰め寄った。
「僕はユーノ・スクライアって名前があるといってるだろ!このエロノ!」
『エロノ』という名称?に顔をまっ赤にするクロノ。
「なぁ!お前なんか淫獣で十分だ!この覗き間!」
「なにを~!もっと牛乳飲め!背が小さいんだよ~!!」
いつも通りの喧嘩が始まり、リンディとフェイトが止めに入ろうとしたとき
「お二人は仲が良いんですね。」
この言葉で二人は止まり、同時に
「「それは絶対ない!!!」」
と言い返した。だが、プレアは屈託の無い笑顔で
「ですけど、そうやって互いに言いたいことを言えるのって仲がいい証拠だと思いますよ、うらやましいです」
そのプレアの言葉に
「「・・・・・・・・うう・・・・・・」」
二人は見事に沈静化した。
「あらあら~、見事なもんだね~」
茶化すアルフ。
「プレアって、素直な子だね」
素直な感想を言うフェイト。
「う~ん・・・・フェイトちゃんに続く純粋タイプ二号だねぇ~」
エイミィは笑顔で答えた。
「さて私達は出て行くわね、何かあったら遠慮なく読んでね。少し経ったら食事を持ってくるわ。」
「ありがとうございます。リンディさん。」
「どういたしまして、それと、貴方について1つ解ったことがあるわ」
最後まで残り、急にまじめな顔になったリンディにプレアは緊張する。
「貴方が、とても素直でいい子ってこと」
笑顔でそう言い、リンディは病室から出て行った。
108:運命の子と最強を目指した少年
07/05/07 20:54:36
:闇の書発動直前
八神家カナードの部屋
今日も終ろうというこの時間カナードは机でプログラミング作業を行っていた。
何もしないではやての世話になるが納得いかなかったカナードは、
翌日から仕事を探したがこの世界では身分が無いため断念。
どうにか石田先生に斡旋してもらい、自宅で出来るプログラミング作業の仕事を行っていた。
訓練やキラ・ヤマトを探す日々。兵士としてコーディネーターを撃つ日々。
そんな生活を続けていたカナードにとって、はやてとの生活は新鮮な体験だった。
兵士として生きてきたカナードにとっては温い日常だったが、不思議と悪い気はしなかった。
ある程度終わり、ふと時計を見た。PM11:58
「もう少しではやての誕生日か・・・・・しかしこんな物でいいのか?」
カナードは引き出しの箱から小さな箱を取り出し、中に入ってるもの「イヤリング」を不思議そうに眺めていた。
「石田は『明日ははやてちゃんの誕生日だから何かプレゼントした方が喜ぶわよ』とは言っていたが・・・・こんな物でいいのだろうか」
女の子は勿論、他人に贈り物をしたことが無いカナードにとってプレゼント選びはとてつもなく難しい内容だった。
気づかれず情報収集しているときに、はやての「この包丁もう切れんなぁ~」という言葉に反応して
軍人さん御用達の物騒なナイフをプレゼントにどうだろうかと石田先生に相談したところ、笑顔で「ぐー」で殴られたのはまた別のお話で。
結局石田先生のアドバイスでイヤリングにしたが、
「まぁ、喜ぶかどうかは本人次第だ、さて、俺も寝るか」
寝ようとベッドに近づいたカナードに
・・・・・ドクン・・・・・・
妙な感覚が襲い掛かった。
「・・・・クッ!な・・なんだ・・!」
妙な感覚に襲われたカナードは考えるよりも早く自然にはやての部屋に入った。
・・・・・そこでカナードが見たのは・・・・・
ベッドの上で目を回してるはやてと
床に跪く4人の男女だった。
109:運命の子と最強を目指した少年
07/05/07 20:58:34
こんばんわです。投下終了です。
感想を下さった皆様、ありがとうございました。
次はホントにいつになるのやら・・・・・orz。
ちなみに、プレアとカナードって歳いくつなんでしょうね?
カナードはキラより1~2歳年上?
プレアは風花と同じ年齢
でしょうか?(公式見たら年齢不明になってるorz)
110:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 21:02:34
>>109
Good Job!!
なんかスレが妙な雰囲気になっていたので、ここでの投下は非常にありがたいです
続きも期待してるので頑張ってくらさい
111:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 21:41:39
>>109
乙!
なんとなくプレアならあっさり信じそうな気もするけど、異世界や魔法なんてさすがに度が過ぎてるか。
112:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 21:50:31
ヴォルケンズ登場前にはやてと会うというのは今までに無い斬新なパターンだな
113:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 21:59:41
いまさらだが、>>81を見て吹いたw
114:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 22:10:12
>>81は名台詞がうまく改変されているな。
115:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:06:30
>>109
GJです!
ブレアはいい子だな~。なんかなのは世界と違和感がない。
116:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:08:53
URLリンク(www.nicovideo.jp)
これを見てくれ。
117:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:08:56
>>109
GJ!
しかしブレアってムウのクローンである可能性もあるんだよなあ。
それでこの性格とかありえん気がするw
118:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:20:56
>>116
この板的に分かり易く言うと、スザク・ミリアリア・シン・はやて・シグナムってところか…
119:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:31:35
シンとはやての中の人は何気に縁があるなw
120:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:32:40
俺は櫻井孝宏と言えばテントモンとかレオンだな
121:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:35:09
俺の場合はビット・クラウドかダブルフェイスだな
122:通常の名無しさんの3倍
07/05/07 23:52:02
>>117
いやいや、似てる性格だったらプレシアさんも壊れなかっただろう
123:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:06:29
ていうか、プレシアのあの育て方じゃああいう性格にならざるを得ない気がするが。
124:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:07:57
シン「プレシアァー ・・・妹作ってくれ」
125:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:08:44
それでいいのか、シンw
126:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:11:02
プロジェクトM.A.Y.U発動
>>123
どっちなんだろね?
アリシアとは違うと分かったからああいう態度になったのか
最初からああいう態度だったのか
127:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:11:10
マユの怨霊にたたられるぞw
128:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:12:59
シン「いやったぁああッー なのは、フェイト、はやての九歳児のまま
のクローンを造り上げたぞ!! 長かった・・・戦隊名は・・」
シン「俺専用近衛戦隊・・・アスカレンジャーだッ!!(・・決まった)」
129:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:14:13
待て、お前はスタイルが良いのが好きなラッキースケベじゃなかったのかw
130:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:14:59
シン「本来は妹萌えです」
131:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:15:29
>>126
小説版だと利き腕の違いとアリシアが受け継がなかった魔力を受け継いでいること、
それにアリシアを失うことになった事件と同じ金色の魔力光を持っていることから
フェイトを忌避するようになった記述がある。
リニスに「私の娘はアリシアだけ。あんな失敗作に与える愛情なんて一匙分もない」と
言い切っているのもそこからだし。
132:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:15:56
>>126
「折角記憶を与えたのに」って言ってた辺りフェイトにアリシアを求めてはいたんだろうな
133:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:15:56
シン「俺の騎士達は少女。そして周りにはスタイルが良い女性。ふっ
完璧な布陣だぜ。俺に敵はいない!ハハハハハ」
134:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:16:55
>>128
アスカレンジャーってwww
ある意味エヴァのアsうわ何するやめアッー!
135:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:17:30
ええい!またこの流れか!
ラッキースケベネタの二日連続は正直、困ります…
136:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:19:35
まあ、作品投下されるまでの雑談のネタとしてはいいんじゃないの?
137:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:19:38
>>133
黒の騎士団のリーダーあたりにいぬかみの啓太声で言ってもらいたいセリフだなw
138:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:19:50
>>131-132
うーむ、そこから考えると前者が正解に近いということか
139:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:22:07
シン「まさか・・・俺も偽りの記憶・・・嘘だ!俺は何者なんだァー」
実は、シンは既に死んでいた。そうあの種死第一話のプロローグで・・
彼は改造人間である。今日も正義の為に生きるのだ! シン・アスカ!
140:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:23:56
>>139
ジェノバに侵食されたクラウドみたいな展開だったら神だったのにな種死
そのために記憶操作の装置が出てきたと思ったのに・・・・
141:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:26:21
結局なんであんなに強いのか設定では理由がわからないからなあ。
素養ではキラさえも上回っているように見える。
142:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:26:28
実際、序盤ではそういう予想あったしな
シンは実は議長に造られた存在で、家族の惨劇の記憶も実は戦争への憎しみを煽る為に植え付けられたものなんじゃないか、という
143:暇人A
07/05/08 00:30:49
ちょっと書いた分投下します。
一応注意して欲しいのは、二期にはまだ入らないって辺りですかね。
ですからまだまだプロローグですw
はやてでまくりですので違和感があれば教えてください
144:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:30:57
>>133
クルーゼ「やっかいな奴だよ君は!やってはいけない行為だというのに…
知れば誰もがやりたがるだろう、君のようになりたいと!君のようでありたいと!
故に許されない…君という存在は!」
シン「な、何を!」
クルーゼ「それが誰にわかる?なにがわかる!?分からぬさ!誰にも!
君はまたレイのような子供達を生み出したいとでも言うのか!」
種最終回の奴を再編集してシン版にしてみた、後悔や反省なんてしてない。
145:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:31:33
「うぅん・・・」
俺はベッドの上で目を覚ました。
記憶が混濁してはいるが、今度は喪失はしていない。
知らない部屋だ。
誰かに拾われたのだろうか。それより・・・
「帰って・・・きたのか?」
ベッドのある部屋を見回してみると、おかしな本を見つけた。
妙に目を奪われる、妖しく、どこか気品の漂う、一冊の本。
「っと、それどころじゃないな。誰か人を呼ばないと・・・」
流石に勝手に動き回るのは気が引けるし、と、思ったのだが・・・
「痛ッ」
体中が痛む。筋肉痛だ。
軍の訓練を受けてた身ではあるが、流石に引きこもりが長引き過ぎたようだ。
(もう暫く寝かせといてもらうか・・・)
こういう考え方は好きではないが、今日ばかりは勘弁してもらいたかった。
そのまま布団を引っ張った。
(いいにおいだな・・・って、)
「変体か、俺は!!」
ノリ突込みで跳ね起きるという芸当を成し遂げた。
「あれ、もう起きたん?」
その声に反応して家の人がやってきた。
なるほど、帰ってきただけあってそれは知った顔だった。
146:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:31:36
アスランが強かったのは良いとこの生まれで
金かけられたからという理由で一応は納得できるけど
ほんと、シンはなぜあんなに強かったのか?
デスティニープランで理由付けが欲しかった所だ
147:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:32:10
「って、はやて!?」
やってきたのは、見知った顔であった。
ただし、時空転移してからの知り合いだが・・・
「おはよう、シン。
道端で倒れてから心配したんよ?」
「道端で?ああ、そうだったのか・・・」
どうやら庭園から飛ばされた『元の世界』にはシンが一個前にいた世界が選ばれたようだ。
はやてが電動車椅子を押してベッドに近づく。
「どうしたんだ、はやて?」
「よしよし」
頭を撫で始めた。
「・・・・・・って、何で?」
心地よすぎて突込みが遅れた。
「シン、さっき泣いてたから・・・
まだないとってもええんよ?」
「泣いてた、俺が?」
はやてはその疑問を首で肯定した。
「辛い事、あった?」
辛い事・・・沢山あった。
家族が自分の目の前で死んで、憎むべき対象を求めた。
初めて護るべき対象の象徴とも思える少女と出会い、その少女と戦い、味方を裏切るような行動に出ても、護れなかった。
自分の信じたものが崩れ去った事もあった。
そして、ここに来てからはかけがえの無い存在を二つ、失った。
「あぁ、あった。
でも、大丈夫だ」
「なんで?」
大丈夫さ、そんな顔で見なくても。だって、
「今回は護りたいものを護れた。それに、俺はもう泣いたんだろ?」
「そうやけど・・・」
「あぁ、それとさ。目が覚めてからはやての顔を見たから、なんか落ち着いた」
「そうなん?」
はやてに強く頷き返して、俺は立ち上がった。
まだ筋肉痛なんて似合わないものは残ってたけど、なんとなく気分は上々だ。
その証拠に腹が鳴った。
・・・腹減ってたのか、俺。
148:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:32:45
「はやては・・・飯はどうしてるんだ?」
「手作りやよ~。今日は腕によりをかけて作るで、ちょっと待っててな?」
そういうと、はやてはキッチンへ入っていった。
ちょうど夕食時だったらしい。
(さて、何か出来る事は・・・)
流石にただ飯食いのプータローは遠慮したいので、部屋を見回してみた。
(結構片付いてるけど・・・所々汚いな・・・)
それらを良く見ると、どうやら車輪の後のような物なのが分かる。
「はやて~。車椅子ってやっぱり一台しか持ってないよな?」
「もってへんけど・・・シン、足がわるいん?」
「へ?
あぁ、そうじゃないよ」
どうも勘違いされたみたいだ。
確かに足は痛むが、マユのデバイスはシンにあらゆる何かをかけたらしい。
その中に治癒の力もあったのだろう、もう殆ど痛まない。
「その車椅子って、中と外で一緒なのかな、と思ってさ」
「あ、部屋汚かったな、ごめんね」
一応玄関に雑巾は用意してあるのだが、如何せん不自由な体では完璧とは行かないものなのだ。
「謝る必要は無いだろ?はやての家なんだからさ」
「そうやったね。なら、どないしたん?」
「拾ってくれたお礼に掃除ぐらいしてやろうかと思って
それならはやてが寝てからでも車椅子を洗っておくよ」
「寝てからって、泊まっていくん?」
・・・あれ?
149:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:33:52
「・・・あ、そうだった!!」
ついつい自分の家でもない場所で寝る事に慣れていた・・・
「悪い、今のは忘れてくれっ」
「あ、別に泊まってってもええよ?
いきなりやったからびっくりはしたけど、家に誰かおってくれるとわたしも心強いし・・・」
(どうする?男として泊まらないべきだ。が、俺には今行き先が無い・・・)
「悪い、就職先が見つかるまでここにいさせてくれ」
「・・・シン、図書館まで行ったら家の道わかる?」
「図書館?そんなところに行ってもそれの家は・・・あれ?・・・あ、わかる!!」
「おそいよぉ?
シン、この辺に引っ越してきた、ってのは嘘やったんやね?」
(しまった、寝起きで腹が減ってたせいで嘘の設定なんて完全に忘れてた・・・)
「悪かった、はやて。それで、その・・・」
「ええよ、好きなだけ泊まって行って。
その代わり、やって欲しい事があるんやけど・・・」
「あぁ、雑用でもなんでも。
相応のことはやらせてもらう」
行き先が無い以上、この申し出を断って彷徨うのは得策とは思えなかった。
「ほんなら、今日から一緒に寝てくれる?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「いやな、隣近所からわたしのことを二階に運ぶためだけに来てくれる人がいるねんけど、そろそろ悪い気がして・・・」
「あぁ、そういうことか」
いきなり一緒に寝て、は堪えた。
年代が年代だからはやてとしてはなんとも思ってないのかもしれないが、これは一歩間違えればいろいろな事を間違える結果になりかねないのだ。
「どうや?折角やから、一緒にくらさへん?」
「・・・・・・じゃあ、よろしくな、はやて」
即決だったが悩んだふりはしてみた。
150:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:34:57
「晩ご飯もう少しで出来るから、ちょっとまっててな?」
何だかんだでお世話になることになった。
ってことで、今の内に出来る事はやっておくか・・・
「あぁ。
風呂場はどこだ?洗ってこようと思ったんだが・・・」
「廊下の突き当りを曲がって二つ目やよ。
ありがとうな」
「礼を言うのはこっちだよ。
じゃ、いってくる」
風呂を洗い終わって戻ると、丁度ご飯が出来上がっていた。
「そういえば俺ってどれくらい寝てたんだ?」
「三日間やったよ。なんかの病気かと思った」
「そうか・・・悪かったな、ベッドを占領しちまってて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
はやては真っ赤になって壮大に無言になった。そして、
「ま、まぁ、折角作ったんやから、冷めんうちに食べよか?」
何事も無かったかのように取り繕っていた。
「へ?あ、あぁ」
(ま、後で聞く機会があったら聞いておくか・・・)
「う、うまい・・・」
「せやろ?そのムニエルはわたしの自信作や」
(ムニエルなんか俺でも作れるけど・・・)
もう一口食べてみる。
「マジでうまい・・・」
その後もいろいろな料理を堪能させていただいた。
151:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:35:50
「さて、お風呂はいろかな?」
「あぁ、俺はもちろん後でいいから、たっぷり入ってくるといいよ」
「う~ん・・・」
で、はやてはどうにもおかしなところで考え込むする癖があるみたいだ。
「やっぱりシンも一緒に入らん?」
「・・・なんでそうなる?」
「わたしおしりとか洗いにくいんよ。
体拭くのも時間かかってまうし・・・
せやから手伝ってくれへん?」
(いろんな意味で)やってやりたいが、これは流石に・・・
「悪い、それははやてのためにもやめておいたほうが・・・」
「そっかぁ、マユさんに悪いもんなぁ」
はやては悪戯っぽくそんな事を言った。
「マユ?」
はやてには言ってないはずだけど・・・
「寝言でいっとったよ。恋人やろ?」
なるほど、本人の意識化での話でないと情報は面白いほど歪むようだな。
「ちがう。マユは妹だ」
「へ?でも家族はもう・・・あ、ごめん」
情報を処理しきったようで、言葉をとめ、はやてはシンに謝った。
「いいよ。はやてだってありのままを話してくれているんだ。
俺だけ隠すつもりは無い」
「せやけど、ごめん」
「いいって、はやてが優しい事は、俺もよく分かってるつもりだ」
はやてはもう一度謝罪の言葉を述べ、風呂場へ向かった。
152:閉じて開く宿命(間話)
07/05/08 00:37:02
「さっきのは悪かったなぁ」
はやては脱衣所で自分の考えの浅はかさを悔やんだ。
「嫌われんようにしていかんと・・・」
折角初めての『友達』になれるかもしれないのに、こんな事で出て行かれてしまうのは辛すぎる。
そんな事を考えながら、はやては衣類を脱ぎ終わった。
ここからが一番難しく、車椅子から一旦降りなければいけない。
「あっ!?」
一応慣れてきてはいたのだが、気の緩みか他ごとの考えすぎか、横転してしまいかけた。が、
「大丈夫か?」
シンが支えてくれた。
「シン・・・」
「大丈夫。恥ずかしがったりしないで、一緒に入ってやるから」
「せやなくて、シン・・・」
はやての恥ずかしそうな声に、シンは状況を良く見る。
「手・・・胸に当たってる・・・」
「ご、ごめんっ!!」
そんなこんなで一緒に風呂入った仲の良い二人だった。
「シン、もう少し優しく・・・」
「ご、ごめん・・・」
女性の肌はあまり強く擦るものじゃありません。妹で慣れているでしょうに・・・
(慣れてるわけ無いだろ!!)
あ、そうですか。
一応シンは見ないように努力したそうです。
153:暇人A
07/05/08 00:41:06
空気読まずに申し訳ない
少し軽いノリになるよう心がけ、シンにはいろいろなものを堪能していただきました。
先ほども言いましたがこれはこのまま2期には行きません。
なぜなら時間軸的に3ヶ月間を棒に振る事になるからです。
ここでオリジナルを挟みます。(やる気が無くなったら2期に飛ばすけど)
いろいろなもの、とはもちろんはやての手料理ですよ?
154:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:42:34
>>152
GJ!
シンとはやてがいい感じですなw
しかしシンのスキルレベル高くなってますなw
なんかカミーユが最終回でハイパー化したくらいに能力の増大が感じられましたw
155:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:42:51
>>153
こっちこそ、すまねぇ
めっちゃ、ぶった切ってしまったorz
156:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:47:53
>>153
GJ
はやてとシンが同居ですか。
なんか良い感じで暮らしていけそうですな。
そ、それから・・・ね、ねんを押さなくてもわかってますよ。
いろいろなもの、というのがは、はやての手料理だという事くらいは・・
157:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:50:22
シン「はは・・無理しすぎてギックリ腰になっちまった・・・」
はやて「?」
シン「子供向けの番組で、とある台詞を言ったらやっちゃったのよ」
158:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:52:35
なんだ、とある台詞ってw
159:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 00:57:49
>>147
GJ
はやてといるのに不自然さがないな、シンは。
シンはこのままだとうまくいけば光源氏コースか?
160:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:09:56
俺の名前はシン・アスカ、最近スキルに研きがかかって絶好調。
歩くセクハラの2つ名を持つ俺は、今日も優雅に局内を歩き回る。
さぁて、今回はどんなラッキーがおこることやら…。
とある十字路までやって来た俺は角から聞こえる女性局員の声を聞き逃さない。おまけに廊下は清掃中。
これはもう、俺のスキルが発動するしかない。
「きゃっ…!」
俺は反射的に飛び出していた。
「あぶな~い!!」
無我夢中で対象者の体を支える…が、女性特有のあのふにゅっとした感覚がなかった。
何かがおかしい、そう思った俺は腕に収まってるであろう女性の姿を初めて黙視した。
「ありがとう、シンくん。助かったよ…。」
はたして腕の中の人物は、人の夢、人の望み、人の業であるキラ・ヤマトなる人物だった。
「………。」
「…あの…、そろそろ離してくれるかな?」
「何で…何であんたなんかをぉぉおお!!」
シン・アスカ
スキル:ラッキースケベレベル5ダウン!
161:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:12:00
>>160
ちょwユーノじゃなくてまさかキラとはw
162:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:12:29
>>歩くセクハラの2つ名を持つ俺は、今日も優雅に局内を歩き回る。
やばい、マジで吹いたw
というかその2つ名の時点でラッキースケベじゃねえw
163:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:19:48
「何で…何であんたなんかをぉぉおお!!」
機動六課隊舎某所
???「ふう、まったく。最近のシンはなんか浮ついてるからいい薬やw」
???「お疲れ様です。あるj」
???「ああ、言っちゃあかん。どこで聞かれとるかわからんからな
それにしてもわざわざ変身魔法までしたんやから。しばらくはシンも活動せんやろ」
???「はい。これで一応の隊舎での暴力沙汰は治まると思います」
???「まったく今月だけで隊舎の修繕費が60万とは、痛い出費や」
???「その件に関しては減給措置で乗り切ります」
???「薄給の上に減給とは辛いなー」
給料日
シン「なんだこりゃあああああああああああああああ」
164:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:23:09
全然ラッキーじゃないなw
>>シンも活動せんやろ
もはや確信犯だと見られてるw
165:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:23:37
>>歩くセクハラの2つ名を持つ俺
自認してんのかよwww
166:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:31:05
シン「この世に光があるかぎり 俺は何度でも蘇る!」
黒いボディ~ 真っ赤な目~
167:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:34:31
ボディ黒かったのか?w
168:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:38:32
シン「いや~ 改造されました」
169:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 01:52:56
シン「片腕と片足と片眼無くしたから仕方がないよね」
170:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 02:01:19
朝から何か騒がしい。話しを聞けばCEより誰かが次元転位して来たらしい。
CE…ルナが来たのか?気になった俺はその人物が収容された医務室へと足を向けた……。
ちょうど着いた医務室では6課の三鬼神達が集結し、異世界の来訪者と談笑していた。
……そこに居るのはルナ……ではなく、カガリ・ユラ・アスハだった……。
俺は怒りで我を忘れ、アイツにぶつけるべく……胸を掴んだ。目に留まらぬ速さで……しまった、いつもの癖がっ…!
「ひ、ひんぬ~はアスハのお家芸だなっ!」
……何かが弾けたカガリと三鬼神の笑顔……。
……ボスケテ……。
171:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 02:03:58
そのうちクビになるなwwwwシンはwwww
172:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 02:05:38
もはや反射的に動くまでになってるww
173:通常の名無しさんの3倍
07/05/08 02:05:41
シン「(俺の世界には出来なかった事を今なら出来る。こんな嬉しい事はない)」
174:リリカルASTRAY
07/05/08 02:34:01
リリカルなのは'ASTRAYの続き出来たんで投げます。
175:リリカルASTRAY
07/05/08 02:36:10
リリカルなのは'ASTRAY
第参話
「へぇ~、なるほど。デバイスを使うのって魔法を使うって事なんだな……」『この間のリンディの話の何を聞いてたんだ?』
「うん、つまりはそういう事だ。」
ここは時空巡航艦『アースラ』。
そして、今アースラの実習室においてロウ・ギュールは先日に時空管理局臨時局員に志願してから日々、執務官クロノ・ハラウオンから魔法の使い方を一から教え込まれ、今では最終段階の転送魔法を学ぶまでに至っていた。
そんな彼の魔法教育を受けている姿勢をリンディは関心していた。
最初の頃と比べれば驚くぐらい強くなったわねロウ君……、それに数日の間で転送魔法まで覚えるようになるなんて。
そこである事を思いついたリンディは授業が一段落着いた折をみて、クロノとロウを艦内に設けられている荼室に呼び寄せる。
…………
そいつは授業が一息着いた時だった。
8と今まで習った魔法をどう闘いに活かせるか作戦を練っていたら、リンディ艦長が何時もよりニコニコして俺に「クロノと荼室に来てほしいの」と言って立ち去る。クロノは「解りました艦長。」と答える。
なんだ?俺何かしたかな?『多分、リンディの大切にしていた湯呑を昨日割った事がばれたんじゃないのか?』
いや、それは素直に謝ったぜ?『なら、とりあえず言ってみるしか解らないな。』
ロウは8のその言葉に「そうだなぁ……」と答えてから、クロノと荼室に向かう。
そしてロウがクロノと訪れた部屋はSFチックな艦とは異質空気を醸し出すものであった。
赤い絨毯の上に靴を脱いで正座していたリンディが二人を出迎える。
「クロノ、ロウ君。さあ座って座って。」
そう勧められ、クロノは何時ものように靴を脱ぎ、赤い絨毯の上で正座をする。ロウもつられてクロノに続く。
「さて、単刀直入に言います。クロノとロウ君を呼んだのは他でもありません、貴方達に一度模擬戦をして貰いたいの。」
『ほう……興味深いな』
と8のディスプレイにそう表示される中、ロウは驚いていた。
176:リリカルASTRAY
07/05/08 02:41:14
「ちょっ、ちょっと待ってくれよリンディ艦長さん。俺はまだ魔法覚えた所だぜ?そんな急に……」
だが、その言葉にリンディは首を横に振る。
「いいえ、貴方の成長は目覚ましいものがあります。本来、普通なら魔法を始めて転送魔法までたどり着くのに一ヶ月は掛かるの、だからこの際、貴方の本気の力を見ておきたいの。」
するとクロノもリンディの言葉に同意し、ロウに声をかける。
「ロウ、僕も一度、君達と手合わせしてみたかったんだ。僕からも頼むよ」
二人にそう言われたロウはしばらく考え込むが直ぐに顔をあげて答える。
「まあ、そこまで見たいって言うんなら、仕方ねぇな。良いぜ、見せてやるよ♪な、8?」『私は既に準備万端だぞ?』
「なら、決まりね♪それじゃあ、十分後に模擬室で始めます。遅れないようにお願いします。」
「了解です、艦長。」
「ああ、解ったぜ。」
…………
そして、十分後。
模擬室においてバリアジャケットに着替えたクロノとロウが対峙していた。
リンディはその二人の姿をモニターで見ている。
「それじゃあ、時間無制限で一本勝負とします。二人共準備は良いかしら?」
それにクロノはデバイスを起動しながら「何時でも」と答え、ロウも8をガーベラストレートに展開して「ああ、大丈夫だ♪」と答える。
「それでは……始め!!」
合図と共に駆け出したのはクロノであった。
「はあぁぁぁ!!」『スティンガ・スナイプ』
一定まで距離を縮めると同時にクロノはS2Uから魔法刃をロウに放つ。
だが、ロウはガーベラを鞘に納めたまま刃を避けきる。
だが、ロウはそれが囮だと気付いていた。
そしてそれは的中する。
魔法刃は直ぐさま反転し再びロウを襲うが、それもまた回避する。
だが、魔法刃を放った場所にクロノの姿は無く、彼は真上からロウにS2Uを振りかざす。そこでロウはついにガーベラを抜き、S2Uを受け止めてクロノを押し返す。
が、クロノは直ぐに態勢を立て直してしまう。
177:リリカルASTRAY
07/05/08 02:46:13
「ちょっ、ちょっと待ってくれよリンディ艦長さん。俺はまだ魔法覚えた所だぜ?そんな急に……」
だが、その言葉にリンディは首を横に振る。
「いいえ、貴方の成長は目覚ましいものがあります。本来、普通なら魔法を始めて転送魔法までたどり着くのに一ヶ月は掛かるの、だからこの際、貴方の本気の力を見ておきたいの。」
するとクロノもリンディの言葉に同意し、ロウに声をかける。
「ロウ、僕も一度、君達と手合わせしてみたかったんだ。僕からも頼むよ」
二人にそう言われたロウはしばらく考え込むが直ぐに顔をあげて答える。
「まあ、そこまで見たいって言うんなら、仕方ねぇな。良いぜ、見せてやるよ♪な、8?」『私は既に準備万端だぞ?』
「なら、決まりね♪それじゃあ、十分後に模擬室で始めます。遅れないようにお願いします。」
「了解です、艦長。」
「ああ、解ったぜ。」
…………
そして、十分後。
模擬室においてバリアジャケットに着替えたクロノとロウが対峙していた。
リンディはその二人の姿をモニターで見ている。
「それじゃあ、時間無制限で一本勝負とします。二人共準備は良いかしら?」
それにクロノはデバイスを起動しながら「何時でも」と答え、ロウも8をガーベラストレートに展開して「ああ、大丈夫だ♪」と答える。
「それでは……始め!!」
合図と共に駆け出したのはクロノであった。
「はあぁぁぁ!!」『スティンガ・スナイプ』
一定まで距離を縮めると同時にクロノはS2Uから魔法刃をロウに放つ。
だが、ロウはガーベラを鞘に納めたまま刃を避けきる。
だが、ロウはそれが囮だと気付いていた。
そしてそれは的中する。
魔法刃は直ぐさま反転し再びロウを襲うが、それもまた回避する。
だが、魔法刃を放った場所にクロノの姿は無く、彼は真上からロウにS2Uを振りかざす。そこでロウはついにガーベラを抜き、S2Uを受け止めてクロノを押し返す。
が、クロノは直ぐに態勢を立て直してしまう。
178:リリカルASTRAY
07/05/08 02:51:10
「……やっぱ、速いなクロノの奴。」『今の反応速度、並の人間の数値を超えてるぞ。』
「僕はこれでも時空管理局の執務官だからね。まだ……終わっちゃいない!!」
そう言い切ったクロノはロウの周囲を走り出す。
「今の状態なら、クロノの攻撃を捌いて打ち込むしか出来ねえ、あいつと同等の速さが今は必要だ……ならアレしかねぇな。8、フライト・ユニットだ!」『了解だ!』
一方モニターではリンディはエイミィにロウの魔力解析をさせていた。
「艦長、解析終わりました。」
エイミィは報告すると共にリンディにロウの魔力数値のデータを送る。
「ありがとうエイミィ。」
そして次の瞬間、リンディはロウの解析結果に目を開かせて驚く。
こ、この数値……どんどん上がっていってる。
その表情から意を汲んだエイミィはロウの解析を説明していく。
「最初、模擬戦が開始した時のロウさんの魔力はクロノ君より大きく下回ってました。ですが、ロウさんはクロノ君の攻撃を見る度、避ける度に徐々にその魔力を相手の力量に合わせて数値は上がっていっています。
そして今ロウさんの魔力はクロノ君とほぼ同等にまで強くなっています。」
その説明を聞いたリンディは改めてモニターに映るロウを見遣る。
すると先程まで受け流していただけだったロウは今、フライトユニットを展開した状態でクロノのスピードを超えるまでになっていた。
「ロウ君……。」
※
く、最初よりも大分魔力が上昇して速くなってる……。このままだと僕の方が攻撃を当てる事が出来なくなる……なら今のうちに当てるしか。
そう考えたクロノは魔法でロウを攻撃する事を止める。
なら、アレで一気に!!
『スティンガ・スナイプ』
再び、S2Uから魔法刃が放たれる。だが、最初と違うのは刃がより範囲を広くしていたものであった。
「また、あれか!?」『最初よりも速い、回避したらまた後ろからくるぞ!!』
「ああ!!」
8の指示に従い、ロウは魔法刃を避ける事を止めてガーベラで打ち払う。