種・種死の世界にWキャラがやってきたら MISSION-07at SHAR
種・種死の世界にWキャラがやってきたら MISSION-07 - 暇つぶし2ch200:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 08:21:31
デュオ「暗闇に紛れて俺、参上!」

201:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 11:40:13
W系MAD。PASSはメル欄
URLリンク(s-io.net)

202:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 12:38:13
>>200
レイ「俺はいつでもクライマックスだぜ!」

203:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 12:51:59
声優ネタウザイ

204:Destiny-Walts ◆JESTW0zUfg
07/02/23 20:15:10
あ、それは単なるミスです。申し訳ありませう

205:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 22:05:35
>>201
パスわかんないです・・・。メル欄って、どこ見ればいいんでしょうか?

206:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 22:12:42
声優オタ消えろ

207:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 23:18:23
>>205
つ質問板

208:通常の名無しさんの3倍
07/02/23 23:20:55
>>201
こーいうもん(URLリンク(www.youtube.com))を想像してて
がっかりした俺

209:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 00:12:18
自分で作れb(ry

210:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 04:17:20
>>208
それって全く面白くない

211:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 19:45:06
エレガントウザイの次は声優ウザイか・・・

もうウザイって言えればなんでもいいのね

212:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 19:54:46
はっきり言って声優ネタツマンネ。


213:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:00:16
>>212
言いたいだけ?

214:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:22:35
>>211
スルーせずにいちいち食いつくお前がウザイ

215:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:34:19
>>214
自らスルーしろとは・・・

この粘着はどうにかならんのかね

216:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:37:17
>>215
自分の荒らしを邪魔されるのが嫌なだけなんだよ

217:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:39:39
我等が腐女子職人edたんと添い遂げる不真面目な片割れの文章が似てる件について

218:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:40:22
オチスレから出てくるな

219:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 20:43:59
ええじゃないかー

220:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 23:04:15
まあ、確かに似てる所はあるかも知れんがな。取り合えず声優オタとスパ厨連れてヲチスレに帰れ

221:通常の名無しさんの3倍
07/02/24 23:27:21
>>220
とりあえずお前はスレ潰し工作をやめろ

222:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 01:12:56
ed氏が今月の投下は無理と宣言していたレスが
目に入らない人がいるようで…

223:26
07/02/25 04:20:26
そろそろ、投下してもよさげな時期かな……?

224:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 04:35:10
ぜひお願いしまーす!

225:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 04:38:50
おk正座待機

226:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 09:41:40
>>215-216
お前が工作員だろ。逐一反応すると見せかけてスレを荒らしたいだけの

227:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 10:39:53
>>226
はいはいラクシズ工作員は出てってね

228:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 11:31:08
添い遂げる不真面目な片割れがed氏と同一人物な件について

229:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 11:36:00
ぶっちゃけどうでも良い…

230:Destiny-Walts ◆JESTW0zUfg
07/02/25 12:37:52
最初からきちんと読み直してきて、流れが無茶苦茶なことに気がつきました。
各々の心理描写、戦闘シーンが適当だったりと…ヒイロの、街から海に行き、空に上がるまでの心境変化はおかしいとか、サトーの思惑の説明不足なども…ということで、いっぺんすべて書き直しいたします。
友人から助言を受けたりなどで、矛盾点などを無くす用にいたしますので再投稿は何時になるか…その時にPCが使えるかどうかすら怪しいものですが…
まことに申し訳ありません。

231:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 13:20:37
>>230
正座して待ちます。

232:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 13:43:04
PCが駄目なら携帯で投下すれば良いじゃない?

233:Destiny-Walts ◆JESTW0zUfg
07/02/25 14:51:54
>>232あ、その手がありましたか…どもです。では、もしPCが使えなくなった場合は携帯で投稿するという形式で…
何時投稿になるかは分かりませんが

234:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 17:04:11
>>228
マジで?

235:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 17:10:16
他スレでも振れまわってるみたいだけど、大した根拠のない話だよ

236:通常の名無しさんの3倍
07/02/25 22:08:17
>>223
投稿を期待してマツ

237:26
07/02/26 01:14:23
それでは、投下しよう。

238:26
07/02/26 01:21:28
「ウルカヌスが、消えた?」
 マリーメイア・バートンによる、真のオペレーション・メテオ終結から数日、戦いの疲
れを癒すガンダムチームに、プリベンターから不可解な報告が届いていた。その日は、偶々
『残ったガンダムをどうするか?』という話し合いをしており、カトルを中心に五人の意見
が出されていたのだが……
「消えたって、おいおい俺達は今、そう言う冗談は聴きたくない気分だぜ?」
緊張が走る室内で、デュオ・マックスウェルだけが極めて明るく、明るく振る舞おうと努力し、
報告者であるプリペンダーのサリィ・ポゥに詰め寄った。
「残念だけど、私もあんな事件の後、こんな冗談を言うほど意地の悪い性格はしてないつもりよ」
「つまり、誰かにウルカヌスが強奪された、ということか?」
 いち早く冷静を取り戻したトロワ・バートンがそう質問するが、サリィは首を振り、
「その可能性も含めて調査中……というしかないわね」
「どういうことだ?」
「それが……何ともおかしな話で……」
 サリィの話によると事の起こりはこうだ。
 元々廃棄資源衛星ウルカヌスは、カトル・ラバーバー・ウィナーによるガンダム廃棄計画に
よって太陽に送られたが、今回のマリーメイア動乱によって急遽戦力を必要としたガンダムチ
ームのため、やはりカトルの手によって再び地球圏へと帰還したものである。
 ガンダムが地球へ向けて発進した後は、とりあえずプリベンターの監視宙域に放置されてい
たのだが……
「マリーメイア一件の事後処理中に、そういえばウルカヌスはどうしましょうかって、プリベ
ンターの会議で議題に上がってね。とりあえず、直してまた太陽に送るにしても、今の状態を
知りたいからってプリベンターの巡洋艦が派遣されたの」
「それで?」
「そしたら、その宙域に着いてプリベンター巡洋艦からおかしな連絡が入って……『ウルカヌ
スが無い。消えてしまっている』って。まったく、驚いたわよ」
「そんなバカな、ウルカヌスは核融合炉が破壊されてますから、動けないはずです!」
 カトルは思わず声を荒げるが、無理もない事情がある。ウルカヌスは、元々とある事件の折
に発見された、OZの秘密工場を備えた衛星であり、その中には……
「誤認の可能性は?」
 今まで黙っていたヒイロ・ユイが、静かに口を開いた。
「私たちもそう思いたかったわ。でも、その報告を寄こしたのがね、プリベンターの技術部門
を総括してくれてる、ハワードなのよ」
「ハワード? あのピースミリオンのか? アロハシャツ来てる」
 発言したデュオを始め、ガンダムチームが何度も世話になっている技術屋ハワード。確かに
彼は、そんな冗談を言うタイプではなかった。
「それで、ハワードは具体的になんて言ってるんだ?」
「…………消えたわ」
「なに!?」
「連絡後すぐ、同じ宙域でプリベンター巡洋艦が、消えた」
 室内に衝撃が走った。
「撃墜されたのか?」
 五飛が、ポツリと、呟くように言う。その無神経な言葉に、デュオは一瞬睨み付けるが、
「違うわ。言葉通り、「消えた」のよ。影も形もなく、何処かにね」
「消えた……」
「だから、もしもの時のことを考えて、みんなにも伝えておこうと思って……」
 ウルカヌス内には、今だ多くの戦力が保持されている。それは、もうこの世に、宇宙であろ
うと地球であろうと、起動させてはいけない。そう言う代物だった。

239:26
07/02/26 01:25:13
「でも、僕たちのガンダムはもう……」
 カトルはチラリとヒイロを見る。
「ゼロ以外なら応急処置だけで動かすことは可能だ」
 ヒイロの乗るウイング・ゼロは、ほぼ大破に近い状態になっていた。他の四機はまだマシ
だが、いずれも今すぐに出撃できる状態ではない。
「どうせなら完全に修理したほうが良いだろう。ウルカヌスに収容されているアレは、この
前のサーペントより強力だ」
 トロワの意見に、デュオはやれやれと首を振る。
「折角最後の戦いにするつもりだったのによぉ……いやなことは続くもんだぜ」
「再びアレを使おうとする奴、そいつは悪だ」
 五飛は、そう断言する。
「サリィさん、僕らはこの通り今すぐにでることは出来ません。その間の事は……」
 カトルは、不安そうにサリィを見るが、サリィは笑って、
「安心して、みんなのガンダムが直るまではプリベンターが何とかするわ。今もその宙域に、
プリベンターの精鋭中の精鋭を派遣したから」
「プリベンター<風>って、やつかい?」
 デュオがからかい気味にいうが、サリィは首を振り、
「いいえ違うわ。プリベンター<ローゼンリッター>………薔薇の騎士よ」


 この世界、A.C.197年以降の戦いの歴史にガンダムを始めとしたモビルスーツの存在は確認
されていない。そして、同様にモビルドールもまた、その存在を遂に確認されることはなかった。
 そう、この世界では…………

              第1話『薔薇の騎士』



 プリベンター高速宇宙船の船内、操縦席には二人の男が座っていた。一人は、プリベンター
<ローゼンリッター>こと、ロッシェ・ナトゥーノ。もう一人は、民間資源コロニーMO-Ⅴ所属の
<技術屋>オデルバーネット。先のMO-ⅤとOZプライズを巡る事件で知り合った二人は、事件解決
後も度々顔を合わせる中であった。
 オデルは事件後、父の代から続くエンジン開発者の道を志し、その道の専門家であるハワードに
師事しており、今回、師が巻き込まれた事件を究明するため、ロッシェに同行をしていた。
「星を見ているのか、ロッシェ?」
「あぁ、星はいい……オデル、お前はそう思わないか?」
 ロッシェは、その中世の騎士のような服装で優雅にシートへ腰掛け、星々の海を眺めていた。
オデルはそんな、ロッシェにため息をつき、
「綺麗だとは思うが、私はお前ほど詩的な人間ではないさ」
「もっと、心に余裕を持て。心配なのはわかるが……」
 ロッシェはどこからともなく取り出した薔薇を一輪、ピッと投げ、
「過度の緊迫感や緊張は、人の判断を鈍らせると言うからな。まったく、お前ら兄弟は本当に対照
的だ。弟のほうは常に物事を前向きに考えているぞ?」
「それがアイツの良いところだ。私には、マネでない……」
「そういえば、最近はどうしてるんだ?」
「色々悩んでいるよ、前はモビルスーツの修理工になるのが夢だとか言ってたんが、この時代その
手の職種はほぼないからな……それこそ、お前たちのような職種でないと」

240:26
07/02/26 01:27:59
「フッ、プリベンターとてモビルスーツ戦力はそんなに保持していない。使えるのはこの前
ゼクスが使ったトールギスと、その女が乗るトーラス、そして……」
 ククッと、ロッシェは笑う。
「我が愛機だけだ」

 それから暫くして、プリベンター高速宇宙船は、問題のウルカヌス消失宙域まで来ていた。
そこは本当に何もなかった。周辺にコロニーはないし、衛星もない。だからこそ、カトルは
ウルカヌスをここに放置したのだが……
「……モビルスーツで出よう。万が一のこともある、このまま近づくのは危険だ」
「大丈夫か?」
「私が人形風情に後れを取るとでも?」
 不敵に笑い、ロッシェは後部モビルスーツ格納庫に向かった。そこには、前述のロッシェの
愛機が格納されている。
 リーオーをベースにカスタム化されたその機体は、頭部は西洋の兜のように角を生やし、肩
からはマントを纏い、特異な形のビームサーベルを腰に下げる、騎士であるロッシェの意向を
忠実に再現された機体となっていた。そして、その名は……
「ロッシェ・ナトゥーノ、レオス、出るぞ!」
 ハッチが開き、レオスはマントをはためかせながら宇宙へと飛び出した。

「付近に熱反応無し……レーダーにも、モニターにも衛星らしきものは発見できず、か。
レディ・アンから調査の依頼をされたときは絵空事を言うと思っていたが……」
『どうだロッシェ? こちらでは何も確認できないが』
「こちらもだ。もう少し中心部に行ってみる」
 ロッシェは、機体を動かし中心部へと進んでゆく。その後をゆっくりと、周囲の警戒をしな
がら付いてくる宇宙船。
「なんというのだったかな、こういうのを」
『なんだ?』
「私が以前、地上のローフフェラ財団本部にある図書室で、東洋の書物を読んでいたときだ。
東洋ではこんな風に突然ものが消えることに対し、面白い表現をしていた」
『ほう?』
「そう確か……神隠し、とか言ったか」
 その時、突然機体のモニターに異常が起きた。それまで映されていた映像が全て消え、けた
たましいノイズ塗れになった。
「なにっ、これは……」
 機体を動かそうと操作するが、一切受け付けなくなっている。
「オデル! オデル! くそっ、通信も出来ないのか!」
 呼びかけても、宇宙船との通信は遮断され、一向に繋がる気配がない。レオスは行動不能状
態になっていた。
「な、に?」
 それだけではない。今までノイズにまみれたモニターが、突如、白い光を映し出し、輝き始
めていた。
「これは……なんだ、なんだというのだ!?」

 そして、ロッシェ・ナトゥーノは、愛機レオスと共に、『この世界』から消えた。




241:26
07/02/26 01:29:54
 C.E73年、10月3日。
 100年単位安定軌道にあるはずだった、ユニウス・セブンが突如地球に向かって動き出
した。これは、現プラント政権に反感を持つ、ザフトの脱走兵によって編成された部隊が、
ナチュラルを殲滅せんとし行った、史上空前の規模のテロ行為だった。
 そして、今、ユニウス・セブンではテロリストとザフト軍による死闘が行われいた。
「我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!」
 部隊の隊長であるサトーが叫びながら、アスラン・ザラの乗るザクへと斬りかかった。
「娘?」
 アスランは困惑しつつ、シールドで受けきる。
「此処で無惨に散った命の嘆き忘れ、討った者等と何故偽りの世界で笑うか! 貴様等は!」
「何を!」
「軟弱なクラインの後継者どもに騙されて、ザフトは変わってしまった! 何故気付かぬか
ッ!」
「くっ!」
 数の上ではミネルバ及び、ジュール隊がテロリストたちを圧倒していた。しかし、技量の
面では明らかに向こうが上手だった。
「こいつら……戦闘用タイプのコーディネーターかっ」
 現に、テロリストの部隊は数の差を補いながらも善戦している。このままでは、破砕作業
もままならない。
「我等コーディネーターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正しきもの!」
 サトーは叫ぶと、一気に機体を上昇させていった。アスランは彼の言葉を聞き、完全に硬
直してしまっている。
 サトーの機体を中心に、テロリストに機体が集まってゆく。
『隊長、我が方の被害が無視出来ないレベルに達しました』
「…………むぅ」
 部下の報告にサトーは眉を顰める。
『このまま、玉砕覚悟で特攻をかければ、何とかなるかも知れませんが……』
「いや、我々の目的を忘れてはならん。特攻などという行為で、軽々しく命を無駄にするな。
今日のところは引くのだ」
 サトーはそう決定を下し、すぐさま撤退をはじめた。
 それを見た、ミネルバ所属のパイロット、シン・アスカは、
「逃げるのか!? くそっ、逃がすものか!」
 逃亡しようとする、テロリストに追撃を試みようと機体を動かし、
『馬鹿者ッ!!!』
「うぁっ!?」
 強烈な一喝に、硬直してしまった。
『貴様の任務は我々の支援のはずだ。今は破砕作業に従事しろっ!』
 その声の主、ジュール隊隊長イザーク・ジュールは、偶然にもアスランとサトーの接触通
信を聴いてしまい、不機嫌になっていた。彼には今だ固まったまま動けないでいるアスランの気持ちが、よく分かった。
『全機、破砕作業を進めろ。今ならまだ十分間に合う』


242:26
07/02/26 01:32:45
「やれやれ……なんとか大丈夫そうだな」
 ミネルバのブリッジにて、撤退してゆくテロリストの一団を見ていたデュランダルは安
堵のため息をついた。
「はい、このまま破砕作業が無事に進めば、地球にはほんの僅かな欠片も落ちることはないでしょう」
 こちらも同じく安心したように、タリアが笑顔を作って言った。
「フフ、このままあれの、欠片一つでも落ちていたら、ブルーコスモス辺りがうるさそう
だからな。強引に開戦と言うことも……おっと、失礼。あまり代表には気持ちのいい話で
はありませんでしたね」
 デュランダルは同じくブリッジにて、事の経過を見守っていたカガリ・ユラ・アスハに、
軽く詫びる。しかし、カガリは首を振り、
「いや、議長の仰るとおり、ブルーコスモスとはそう言う側面を持つ連中だ……何はとも
あれ、あれが地球に落ちることが無くてよかった」
 ミネルバのモニター上に、メテオブレイカーで次々に破砕されるユニウス・セブンが映
し出されている。かつての悲劇の地であり、平和を誓い合ったはずの場所が、砕かれてゆ
く。ミネルバのブリッジは、粛然とした雰囲気になった。
 暫くそれを見つめた後、デュランダルが切り出した。
「代表、私は取り急ぎプラントに戻る必要があります。落下を防ぐことは出来ましたが、
なんの発表もしないわけにはいきませんし、そしてそれは出来るだけ早いほうが良い」
「それはそうだろうな」
「ですが、代表も自国のことがおありでしょうし、すぐにでもお戻りになりたいはずです。
そこで、といってはアレですが、よろしければこのミネルバでオーブに向かっては?」
 デュランダルの突然の申し出に、カガリだけでなく、ブリッジの面々も驚きの声を上げ
るが、察していたタリアはそれを制止、
「私は別に構いません」
 っと、クルーの行動を決定づける一言を発した。
「しかし、それでは議長が?」
「いや、このミネルバにはボルテールという宇宙艇がありますので、私はそれでプラントに
戻れます。しかし、オーブに戻るには大気圏から、地球に降下する必要があります。幸いこ
のミネルバは、大気圏下でも活動できる万能艦です。」
 カガリはデュランダルの破格とも言うべき申し出に考えを働かせる。デュランダルとしては、
今回の事件の当事者であるカガリに、地上で何かと便宜を図って貰いたいという思惑があるの
だろうが、カガリもまた一国の代表として、はいそうですかと行為を受け取るわけにも行かな
い、そこで……
「いや、そこまでして貰うわけにはいかない。ミネルバもまた、事後処理等で必要だろう。
わざわざ地球に降下させることはない」
「では、どうなさるのですか?」
「代わりと言ってはなんだが、破砕作業終了後、この艦を<アメノミシハラ>に向けて欲しい。
オーブ所有の宇宙ステーションだ」
「あぁ、あのロンド・ミナ・サハク氏が管理している……」
「あそこなら降下用シャトルぐらいあるだろう。あまり会いたいとは思わないが、こういう事
態だ、仕方ない」
「わかりました、そのように取りはからいます」
 デュランダルは、タリアにアイコンタクトを送り、タリアもそれを了承した。


243:26
07/02/26 01:37:06
 ボルテールに移乗したデュランダルは、長距離通信を飛ばし、プラントと連絡を取った。
「あぁ、私だ。これからそちらに戻る……あぁ、わかっている。勝手な行動を取って悪か
った。ところで、アーモリーワンの様子はどうだ?」
 アーモリーワンは、先日地球連合軍と思わしき部隊に襲撃された、プラントの軍事工廠
で戦闘によるかなりの被害を受けていた。
「私はすぐには戻れないからな……そうだ彼女を、『ラクス』を向かわせ……ほぅ、もう
行かせた? さすがに行動が早いな。あぁ、彼女が行けば動揺する市民をなだめることが
出来るだろう。私もなるべく早く戻るから、それまでよろしく頼む」
 通信を切り、デュランダルは息をついた。丁度ボルテールが発進する。
「しかし、未だに現プラント政権に不満を持つ輩もいるのか……私は、つくづく人気のな
い政治家だな、まったく」
 苦笑しながらも彼は砕かれ、破片とかしてゆくユニウス・セブンの残骸を、寂しげに見
つめていた。

 そして、その頃プラントでは、一台のシャトルが首都アプリリウスから、アーモリーワ
ンへと向かっていた。
「ねぇ~……なんでわざわざあたしが、そんなところ行かなきゃ行けないの~?」
 乗っているのは、議長のラクスこと、ミーア・キャンベル。
「いや、だからアーモリーワンにいる一般市民の動揺を防ぐために……」
「そんなの議長とかのお仕事でしょ~? なんで、あたしが?」
 声が非常に似ているという理由でラクス・クラインの影武者的存在になった彼女だが、
その性格は年相応で、かつてのラクスが持っていた不思議なカリスマに欠けていた。
「あーぁ、折角ラクス様になったのに歌ったり踊ったりもしないで、被災地訪問だなん
て……意外に地味よね」
「ラクス様は、貴女ですよ。あまりそういった発言はお控え下さい」
「はいはい、わかってるわよ……」
 ミーアは不機嫌そうにシャトルの窓から外を見る。遠くに見える星が、何とも綺麗だった。
(あんな星みたいに、あたしも輝けると思ったからラクス様になったのに……これじゃ
あ、まるでただの)
 その時、シャトルに警報音が鳴り響いた。
「な、なによこれっ!?」
 ミーアのお着きが、シャトルに同乗している兵士に確認を取る。
「そ、それが、突然シャトルの前方にモビルスーツが」
「な、なんだと!」
 冗談ではない話だった。プラント付近にザフト軍以外のモビルスーツがいるとは思え
ないが、昨日の今日である。連合だったとしたら折角用意したラクスの身に危険が……
「ねぇ、どうなってるのよ?」
 ミーアが不安そうに声を上げるが、ふと、窓の外から、そのモビルスーツが目に入った。
ふわふわと、ただ宇宙に浮かぶだけのそのモビルスーツは、軍事知識に乏しいミーアであっ
ても、それがザフトのものでないことを告げていた。そして……
「あっ」
 一瞬だが、ミーアはそのモビルスーツに見とれてしまった。そのモビルスーツは、彼女が
今まで見たどんな機体よりも特異的で、優雅だった。
「……騎士?」

 これが、ミーア・キャンベルと、薔薇の騎士ロッシェ・ナトゥーノの、出会いの瞬間だった。

                                        つづく

244:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 01:37:48
同じテロリスト繋がりということで、生まれて初めてこんな物作ってしまった。
反省はしていない。

URLリンク(upload.3deg.net)

keyはメル欄

245:26
07/02/26 01:38:52
まずはこんなところ。タイトルは未定ですが、メインキャラはWサイドから、
ロッシェ・ナトゥーノ。種死サイドから、ミーア・キャンベルとアスラン・ザラに
なる予定。
種死をなぞるようで、全然違う話になる予定です。



246:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 01:49:16
待望のG-UNIT物GJ

LOブースターじゃないのか
まあバランス的には丁度いいよな。

………ブルムには期待して良いんですか?

247:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 01:59:07
26氏GJ!
予想の斜め上を行く展開ですね。
続きを期待していますよ。

248:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 07:24:36
ハイドラまだー?

249:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 08:57:40
G-UNITはさっぱり判らん
今入手可能でいい資料ない?

250:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 09:37:22
>>26GJ!
っていっても自分もG-UNITわからん。なんか面白そうだから
探してみよう…と思ったらAMAZONで買えるな。

251:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 11:16:17
ボルテール(ヴォルテール?)って遺作隊のナスカ級なんだが

252:26
07/02/26 12:48:42
>>251
あれ、ミネルバからプラントに帰るとき、議長が乗った宇宙艇の名前、
それじゃなかったけ?
どこで、勘違いしたんだろ……

253:26
07/02/26 13:00:20
あ、違う、あのシーンはミネルバ艦載機で、イザークの旗艦「ボルテール」に
移乗したっていうシーンだった。自己解決、自己解決。
つーことは、あの宇宙艇に名前はないのか。

254:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 13:02:00
26氏GJ

ミーアが活躍しそうなSSだ

255:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 19:36:27
やはりG-UNITはマイナーか。
連載当時はわくわくしながら次のボンボンを待ったもんだぜ。
コミックジャパンは永遠に2話が来なかったが…

256:通常の名無しさんの3倍
07/02/26 20:16:06
>>26氏GJ!
G-UNITを初めて知ったのはたしかGジェネFだったなぁ
この後の展開がとても楽しみです

257:26
07/02/26 22:48:26
一応、2話目出来てるけど少し書きためてから公開してこうと思います。
ストック溜まり次第投下するので、よろしくです。

258:通常の名無しさんの3倍
07/02/27 19:44:55
>>227
お前が帰れラクシズ厨

259:通常の名無しさんの3倍
07/02/27 22:45:32
何この自演の嵐

260:通常の名無しさんの3倍
07/02/27 23:07:30
お前らはツンデレ腐女子職人edたんが投下しないからって自演するなよ

261:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 01:57:00
雑音はスルーで

262:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 12:12:56
こんなんじゃ職人さん投下してくれないよ。

263:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 12:17:59
ところでW-SEED氏の作品がWikiにうpされてないので
前の部分が読めないのだが・・・・

264:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 12:23:02
すまんが三人目っていう職人を引き取ってくれないか?


265:26
07/02/28 13:22:51
こっそり、真っ昼間に投下してみよう。

266:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:27:02
 議長がミネルバを去った後も、ミネルバとジュール隊による破砕作業は続いた。テロリ
ストが早々引き上げてくれたこともあり、作業は思いのほか上手く進み、地球の引力圏に
はいる前に、完全に破砕することが出来た。
「よし、メテオブレイカーによる破砕作業はこの辺で良いだろう。後は本国から、破片を
回収する工作部隊を回させよう」
 ジュール隊隊長のイザークは、きびきびと指令を出した後、未だ魂が抜けたかのように
制止を続けるアスランのザクへと近づいていった。
「アスラン、おい、アスラン!」
 怒声とも思えるような声で、アスランに呼びかけるイザーク。
『……イザークか』
「そうだ、破砕作業は終了した。何をボケッと突っ立ている!」
『すまない、少し動揺してた』
「今のお前に戦場は無理だ。さっさとミネルバに戻れ」
 アスランは何か反論しようかとも思ったが、イザークの言うことは事実でもあったので、
やめた。確かに今の彼は戦場にはいられなかった。早く、ミネルバに、カガリの元に戻って、
パトリック・ザラの息子アスラン・ザラではない、アレックス・ディノに戻りたかった。

 ミネルバに帰還した『アレックス』に、ミネルバ所属のパイロット、ルナマリアが労いの
言葉をかけた。『アスラン』が戦闘で役に立ったかどうかは別としても、それぐらい礼儀だ
ろうと思ったからだ。しかし、彼はそれを無視して通り過ぎていった。
「なによあれ? 無視しちゃって」
 当然ルナは憤るが、レイがそれをなだめる。
「久々の実戦だったんだ……きっと身体に負担が掛かったに違いない」
「でも、一言ぐらい何か言うもんじゃないの?」
 彼が戦士アスラン・ザラだったなら、確かに答えていただろう。しかし、帰還した彼は、
護衛官アレックス・ディノだった。
「…………」
 シンはアスランの去った方向を、怪訝そうに、黙ってジッと見ていた。

 その後、<アメノミシハラ>に到着したミネルバは、そこでオーブ代表カガリ・ユラ・
アスハと、その護衛官アレックス・ディノを降ろして、プラントへと帰還していった。
カガリは、<アメノミシハラ>を管理する、ロンド・ミナ・サハクにオーブ帰還のための
シャトルを借り受けた。元々、家同士の仲が非常に悪く、さらにロンドが、カガリが尊敬
する亡き父、ウズミ・ナラ・アスハに対する侮蔑的発言をよく行っていたため、二人の面
会は極めて形式的で、感情の籠もらないものだった。
 しかし、それでも、建前は建前、二人は二言三言挨拶程度に会話をし、ロンドは「今回
のテロ行為に対して、オーブ本国は如何様に動くか?」と問うた。
 これに対しカガリは、「オーブが直接の被害に遭っていない、そして、地球上の主立っ
た諸国に被害が出ていないのであれば、私は特に積極的に動く気はない」と完結に答えた。
その答えにロンドが満足したのかはわからないが、ただ一言「そうか」とだけ答え、二人の
面会は終了した。


267:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:30:31
「とは言ったものの、このまま平穏に物事が進むとも思えないよな」
 帰還用の降下シャトルで、カガリはアレックスと話す。
「あぁ、防げたとはいえ、ユニウス・セブンが落ちるところだったんだから……しかも首
謀者は……」
 アレックスは、テロリストの隊長と思われる男の発言を思い出し、眉を顰めた。
「コーディネイターか……大西洋連邦の大統領、ジョゼフ・コープランドはかなりの穏健
派だから、あそこは心配いらないと思うんだけど」
「あぁ、確か『プラントを含めてた地球圏統一国家の樹立』を公約にしていたんだったな」
「実際、良い政治家だとウナトも評価してるさ。まあ、アイツは連邦寄りな一面もあるが、
ただお世辞を言うような奴じゃない」
「しかし、大西洋連邦は大丈夫でも、連合単位で考えると……」
「ん? ……そうだな」
 ブールコスモス。
 アレックスとカガリが互いに考えた組織の存在は、確かに無視できないものだった。
「ブルーコスモスの現盟主、ロード・ジブリールは何かに付けてプラント批判、コーディ
ネイター蔑視をする男だからな……今回も何かというんだろうけど」
「議長は何か言ってたのか?」
 アレックスが戻る前にデュランダルはミネルバを去っており、会うことが出来なかった。
「ユニウス・セブンが落ちてたら、無理矢理開戦に持ち込まれていたかも……なんて、怖
いこと言ってたけど、特に心配はしてない様子だったな。連中だって、完全に防がれたテ
ロ行為を理由にじゃ、押し切れないと思ったんだろ」
「だといいんだがな……」



              第2話「戦士だった男」


 オーブへと帰還したカガリは、すぐに行政府へと向かった。そこには既に、ユウナ・ロマ
・セイランを始めとした現オーブ政権の議員たちが集まっており、カガリの帰りを今か今か
と待ちわびている様子でもあった。
「では、大西洋連邦は遺憾の意を唱えただけなのだな?」
「はい。それとジョゼフ大統領は早急な事件解決を望む、とも。これが会見の際の映像です」
 映像では、ジョゼフ・コープランドによる緊急会見が行われていたが、特別大事にするつ
もりはないようで、あくまで形式的な発言が目立った。しかも、遺憾の意を唱えてはいるが、
それと同じくテロを未然に防いだザフトへの感謝の意も行っており、ジョゼフが穏健派の筆
頭であることを示していた。
「この事も含めた上で、今度、連合内で和平に向けての会議が行われそうですが、これには
中立国である我が国は関係ありません」
 映像を消しながら、ウナトがそう発言した。
「うむ、そうだな。それで、もう一度確認するが各国に被害などは出ていないんだな?」
「それはもう。ユニウス・セブンの欠片一つ、地球には落ちてきませんでしたよ」
 ウナトの子であり、カガリの『婚約者』でもあるユウナ・ロマ・セイランが言う。
「大統領の発言が抑え目なのも、これといった被害が出ていないからですね。まあ、落とそ
うとしたのもコーディネイターであり、防いだのもコーディネイターですから、そこのとこ
ろは難しいのでしょうが……」

268:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:32:40
 プラント内の内輪揉めと言ってしまえばそれで済むのかも知れないが、狙われたのはあ
くまで地球だ。プラントではない。そのことがまた、各国の対応を複雑にさせていた。
「代表、我がオーブとしましてはいかがするおつもりで?」
「あぁ、それは」
 カガリはロンドに言ったのと同じ説明をする。
「……まあ、今のところはそれが妥当でしょう。プラント側も事の経緯を細かく説明して
いますし、後はテロリストを逮捕するだけです」
 現在、プラントは全力を挙げて事件の究明と、テロリストの逮捕に専念しているという。
カガリが不可解だったのは、先のアーモリーワンへの襲撃事件について、プラントが何ら
発表をしないことだった。カガリも居合わせた人間として、あの事件が連合軍によるもの
と思っていたが、何故そのことを追求しないのか?
(事態悪化を防ぐためか? しかし、あの事とユニウスの一件は別問題だ。議長は一体何
を考えている?)
 カガリは悩むが、答えを出すことは出来なかった。
「代表、何か?」
 そんなカガリの様子に、ウナトが声をかけたが、
「いや、なんでもない。それより、オーブの方針を発表する会見についてだが」
「あぁ、その件については既にマスコミ各社に……」

 その頃プラントは、ごく一部のものだけに知らされた、衝撃の事件が起きていた。あの
ラクス・クラインが、未知のモビルスーツと遭遇し、これを救助したというものである。
無論、ラクスとはラクスに扮しているミーアのことだが、それを知る者が彼女をミーアと
呼ぶことはまず無い。
「なるほど、ラクスが……」
「はい、ラクス・クラインが漂流するモビルスーツと中のパイロットを見捨ててゆくなん
てするはずがない、と仰られまして」
「それは正しい判断だ。しかし……」
 デュランダルは渡された報告書を見て、ため息をつく。
「この未知のモビルスーツを救助したとあっては、宣伝にも使えないな」
 それはザフト及びプラントを揺るがせるような衝撃の事実が書かれた報告書だった。
ミーアがザフトに回収させたモビルスーツは、ザフト製・連合製ともにかけ離れたもの
であり、装甲に使われている材質も、動力源とされているものも、現在の科学技術では
到底実現できるものではなかった。
「パイロットが乗っていたというが、今どうしている?」
「今は、ラクス様が看ておられます」
「ラクスが?」
 自分の興味のあること意外には余り動こうとしない少女のことを思い出しつつ、デュ
ランダルは怪訝そうに聞く。
「えぇ、かなり興味がお有りのようで……まだ意識は目覚めておりませんが」
「ふむ……」
「変わった人物でしたよ。ノーマルスーツも着ずに、モビルスーツに乗っているのです
から。まあでも、コーディネイターだと思われますが」
「何か身分が確認できるものでも出てきたのかね?」
 いえ、そう言うわけでは、と部下はいいつつも、
「あれほどのたぐいまれな美貌の持ち主、ナチュラルのはずがありませんよ」
 笑ってそう答えた。

269:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:35:50
 一方でオーブへと帰還したアレックスは、ある男を、アスラン・ザラとして訪ねていた。

『我等コーディネーターにとって、パトリック・ザラの執った道こそが唯一正しきもの!』

 アスランは、ユニウス・セブンの一件で出会ったテロリストの発言に頭を悩ませていた。
パトリック・ザラ、それは彼の父親であり、かつてのプラント最高評議会議長であり、ザ
フトの総司令官だった偉大なる男。そして、憎しみの余り復讐鬼と化し、多くの同胞を巻
き込み死んでいった、愚かな男。
「未だにあの人の言葉を信じ、戦い続ける兵士がいる……それなのに俺は」

『貴様ぁっ! そんなところで何をやっている!』

 破砕作業の最中、イザークにいわれた言葉。そう、俺はこんなところで、祖国でもない
国で何をやっているのか?
「父上が正しかったとは今でも思えない、でも俺は父上を……」
 本当に、理解してやることが出来たのだろうか? 彼は彼なりに、プラントを愛し、家
族を愛し、妻を愛していた。俺がモビルスーツに乗って戦ったように、だ。
 やがてアスランは、海辺の屋敷へと車を走らせていた。
 会うのは何ヶ月振りになるだろうか? そんなに経っていないと思われたが、アスラン
には今回の訪問が、かなり久しぶりのように感じ、彼と会うのもまた、酷く懐かしく感じた。
「ラクス、彼はいるかい?」
 訪れたマルキオ邸。そこにはプラントのかつての歌姫、本物のラクス・クラインと、最
強の戦士と呼ばれた男が暮らしていた。
 ラクスはアスランの突然の訪問に、驚き、また喜びもしたが、『彼』に会いに来たとい
う事実を知ると顔を曇らせ、
「テラスの安楽椅子に……ここのところは毎日そこにいますわ」
「……そうか」
 彼女の口調から、彼とラクスの仲があまり上手くいっていないと感じたアスランだったが、
そのようなこと今は関係なかった。

「よぅ、キラ」
 キラ・ヤマト。かつて最強の戦士と呼ばれた前大戦の英雄。地球連合、オーブ、三隻同盟と
激闘の中を死ぬもの狂いで生き続けた彼は今、オーブにいる。
「…………アスラン」
 大戦後の彼は、一言で言えば『抜け殻』だった。何か大切なものを失ったかのように無気力
になり、さっさとオーブに隠遁してしまった。
(いや、実際にコイツは大切なものを失っている)
 アスランは、安楽椅子に腰掛けるキラの手が、ギュッと握られているのを見て、そう思った。
今の彼にかつての戦士の面影はどこにもない。彼は戦後、ザフトにフリーダムの返還を求めら
れたときも、猛反対するラクスを無視し、二つ返事で了承してしまった。
 彼は、極端に武器や兵器を嫌うようになった。
「久しぶり、かな。ゴメン、最後に会ったのがいつだか、憶えてないんだ」
 意外に明晰なその声は、しかしどこか頼りなく、覇気に欠けた。
「俺もだよ……なんだか、随分久しぶりで、懐かしい気もする」
 アスランはそう言うと、テラスにある椅子を持ってきて、キラの前に腰掛けた。

270:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:38:52
「珍しいよね。今日は、どんな用?」
「ニュースで見てないか? ほら、例のユニウス・セブンの……」
「あぁ、あの事件」
 キラの声は、それがどこか遠い世界の、他人事のように感じさせた。実際キラにとって
は他人事なのだが、アスランは違った。
「実は俺、あの現場にいたんだ」
「君が?」
「破砕作業を手伝うためにね。近くの艦に、カガリもいた」
「モビルスーツに、乗ったの?」
 キラの声は、少しだけ、アスランでないとわからない『怯え』が含まれていた。
「……乗ったよ。それで、テロリストとも戦った」
 アスランは事の始まりから終わりまでを、キラに話した。キラは黙って聞き、相づちも
何も入れず、目を瞑っていた。
「ショックだったよ。父のこととか、血のバレンタインのこととか、未だに引きずってる
奴らが居るってことにさ」
「…………」
「復讐心なんて、俺は前の戦争と一緒に捨てた。でも、捨てきれない奴はまだいるんだ。
そう思ったら俺、悩んでな」
 そしてその復讐者たちの行動理念は、自分の父の言葉なのだ。他人事ではない。
「俺は今、こうしてオーブにいる。カガリの護衛官なんて役職を貰ってはいるが、それ
だって俺が何か努力して手に入れた訳じゃない。ただ、周りに流されただけだ」
 カガリには勿論感謝している。極秘裁判とはいえ、ザフトを追放された自分を拾って
くれたのはカガリだ。恩義も感じているし、好意も持っている。しかし、彼女とどうこ
うというのはあり得ない。彼女はオーブの代表であり、自分はただの護衛官。
 現に彼女は、来月にはユウナ・ロマ・セイランと正式に結婚するのだ。
 ユウナ自身は「カガリの気持ちが他を向いているうちは、結婚なんてあり得ない。僕が
彼女を振り向かせてから、始めてその資格が生まれるんだ」と言ってはいるが、婚約も結
婚も昔から決まっていたこと、ただ時期が延びるだけだろう。
「アスラン、僕はね……」
 一通り話し終え、物思い耽っていたアスランに、キラが呟くように口を開いた。
「僕は前の戦争で、周りに流されるままに戦い続け、その結果大切なものを失い続けた」
 一人は親友、もう一人は……握る手に力が入る。
「僕の戦いの動機は、復讐心じゃなかった。こんな言い方をするのは悪いけど、僕は血の
バレンタインでも、ヘリオポリスが崩壊したときも、戦い始める前に失ったものは何もな
いんだ」
 テロリストの男は娘を失い、アスランは母を失ってモビルスーツに乗った。
「だから僕は復讐心で戦う人間のことを、理解できない。いや、理解しようがないのかな、
僕にはそういった部分の感情が死んでしまったから」
 キラは、前大戦で最大の強敵とも言える男と一騎打ちをし、これに勝っていた。だが後に
知ったことだが、そのアスランの元上司でもあった男は、キラの一番大切なものを、奪っていた。


271:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:42:06
「あの時、僕の中で何かが死んだ。彼に勝って、僕の最初で最後の復讐は終わったんだ」
「キラ……」
「君の悩んでることは、今の僕でも何となくわかる。でも、アスラン、僕は復讐者たちに
何か言える立場じゃないし、言うつもりもない。だけど……」
 一瞬だが、キラの目に、精気が籠もったような気がした。
「僕は戦いは否定するよ。人はもう戦っちゃいけない。もう兵器なんて捨てて、モビルス
ーツになんか乗るべきじゃないんだ」
「…………」
「人は血を流しすぎたよ……流しすぎたんだよ」
 いつの間にか開かれたキラの手の平には、女物の口紅があった……

 キラに別れを告げた後、アスランはもう一度ラクスに会った。アスランにとっては元婚
約者でもあるこの少女は、今もっとも複雑な立ち位置にいた。というのも、戦後の彼女は
全てを捨ててキラの元へ行った。キラを愛していたのだろう、少々無責任だとも思ったが、
彼女もキラと同じく、戦いに嫌気が差していたのだ。
 しかし、ここで一つの誤算が生じた。なんとキラ・ヤマトは別に、ラクス・クラインの
ことを愛してはいなかったのである。これにはアスランも驚いた。前大戦の時、何度かラ
クスと親密そうにしているキラを見ていたから、てっきりそうなのかと思ったのだが、キ
ラの心はずっと別の『少女』に向いていた。
 そして、その愛すべき少女はもう、この世にはいない……それでもキラは想い続け、贖
罪をし続けているという。守れなかった、大切な人に。
 だから今のラクスは、自分に振り向くことのない少年に甲斐甲斐しく世話を焼く、ある
意味哀れな少女だった。いつかは振り向いてくれると信じ、彼の悲しみを和らげることが
出来ると信じて……全てを捨ててきたというのに、結果が叶わぬ片思いとは、恋愛に疎い
アスランでも酷い話だと思ったが、キラに罪があるわけでもないし、非常に複雑だった。
「もうお帰りになるのですか?」
「あぁ、もう用は済んだよ」
「そうですか……」
 そんなこともあってか、アスランとラクスもまた、会話が少ない。ラクスにしてみれば、
アスランは一方的に振った男でもあるため、会話をする後ろめたさも少しあった。
 だが、しかし……


272:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:44:17
「アスラン、何か悩んでいらっしゃるのですね」
「えっ?」
「貴方の顔を見れば、それぐらいわかります。そしてそれはキラに話した後も、解消されて
はいない」
 アスランは、相変わらず高い洞察力を持つラクスに驚いていた。彼女はこの隠遁生活の間
も、自分を見失ってはいないようだ。
「プラントも、地球も、そしてオーブも、また何か大きな事が起こりそうでね」
 アスランは内心、自分があのテロリストたちに逮捕されて欲しくないと思っていることに、
気付いた。
「……もし、仮に、の話ですが」
 ラクスの声に、アスランは少しばかり怪訝な顔になった。今のラクスの声には、どこか、
『期待』するような響きがあったからだ。
「仮に大きな戦いがまた起こるのだとして、私はまた表舞台に立つべきなのでしょうか?」
「それは…………」
 君は表舞台に戻りたいのか? と、アスランは聞くことが出来なかった。
「そうだな、その時は……」
 だから彼は、
「その役目を今度負うのは、」
 新たな決意を持って、
「俺なのかも知れない」
                                   つづく

273:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/02/28 13:45:55
どうも、26です。スットクが溜まってきたので投下。

第2話どうだったでしょうか?
うちのキラとラクスは、こんな感じの奴ら。
悩んでたタイトルなんですが、『運命の歌姫』と言うのしました。
この作品の歌姫が誰かは、まあ読んでのお楽しみ。
今回はロッシェ出てきませんでしたが、次回また出てきます。
尚、ブルム・ブロックスについてはなんとかしようとは思ってますが、
何分死人のため、どう登場させるか、悩んでます。

274:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 14:16:48
素晴らしいです。
キラのフレイへの想いが、そしてラクスの切ない想いがとても哀しいですね。
どうなるのか分からないですけど、続きが非常に楽しみです。

275:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 21:30:08
これはこれで楽しみだね、wktkして待ってます

276:通常の名無しさんの3倍
07/02/28 21:38:09
GJです!
どのキャラもしゃんとしてて良いよ。
G-UNITキャラは知らないけど、W系らしい人物とMSみたいで
種キャラ達とどう絡むのか素直に楽しみにしてる。
議長とミーアもどう動くのか読めなくてwktkだ。

277:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 01:32:03
キラが切ないねえ…しかし抜殻であるがゆえに逆にある意味自我を保って
いられてるっぽいと言えなくもないのが皮肉というか。
しかしフリーダム返却に猛反対とか、表舞台への再起に意欲アリとか
本物ラクスの方は…いやこれも例えばキラが振り向いてくれない悲しみで
歪んだもの、とかいう事であればまだ理解できる範囲の話となるかな…?

278:W-SEED
07/03/01 04:10:53

「艦長!おやすみの所すみません!至急ブリッジに来て下さい!」
アークエンジェル、マリューの部屋に通信が入った。どうやらマリューは休憩で寝てたようだ
「…ん、どうしたの?」
寝惚け眼で答えるマリュー。素っぴんだ

「…うわ」
チャンドラはビックリした。素っぴんのマリューは思いの外酷いらしく「…うわ」と言っちゃうほどだ

「…?どうしたの?報告はしっかりとね」

「…あ!すみません!ブリッジで喧嘩が起きてるんです!キラとサイが…」

「…私じゃなく、ナタルにお願いできない?」
マリューはすっごい嫌そうな顔をして言った。キラが苦手なのだ

「…バジルール少尉はすでに止めに入ったんですが…、とりあえず来て下さい!」
チャンドラはマリューの言葉を待たずに通信を切った
「…あー、まぢ行きたくねー」
マリューはバッチリ化粧してからブリッジに向かって行った。
ブリッジに向かう途中に腕を押さえながら医務室に向かうナタルに会った。
ナタルは
「…艦長、腕にお気をつけ下さい」
と言い医務室に向かって行った。

マリューがブリッジに入った瞬間、凄惨な光景が目に入ってきた
キラがサイの腕を捻あげているのだ!
止めに入る者はことごとく腕を捻あげられて行く!そしてまたサイの腕を捻あげるのだ

「ちょっ、一体何があったのよ!?キラ君やめなさい!」

マリューはあとちょっとでサイの腕が折れると直感的に察知した。…そう、諸君が思ったようにニュータイプなのかもしれない。

279:W-SEED
07/03/01 04:21:45

「黙れ脳なし」

場を一瞬で凍らせる一言。マリューの心はズタズタだ
だが、引き下がる訳には行かない。なんてったってサイの腕が折れそうなのだ。

「ホワッ!ホワッ!マジやばい!マジやばい!ギブギブ!!」

サイはもうマジやばいのだ。意を決したマリューは無理矢理キラの腕をサイから離そうとした
…が、案の定マリューの腕が捻あげられてしまった
「ちょっイタタタタ!」
「お前の腕は…遠慮なく折る!」
キラが叫ぶ、マリューは恐怖する
あ、折られる。マリューが直感的に思った時警報がなった。
「レーダーに反応です!…これは!先刻のザフト艦です!」

「助かった…じゃなくて、振りきれそう!?」
「無理です!前方と後方を挟まれてます!」
「くっ!!…キラ君とデュオ君、フラガ大尉は各機体で待機!
各員戦闘準備よ!」

マリューが腕を抑えながら叫ぶ

「この前の艦ってことは…アスラン、追ってくるなんてバカじゃないの?」

キラはMSデッキへと歩いて行った。
サイは泣きながら医務室に向かって行った。
「…ところで、さっきのキラ君どうしてあんなに怒ってたの?」

「あぁ、何かサイがキラのベッドに悪戯でエロ本置いてたらしく、それを見たデュオがキラの事バカにしたんですよ。それでキラが怒って…」

「…サイ君、バカね」



…to be contineud

280:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 05:13:43
このスレ活気出てきたな
職人さん達GJ!

281:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 15:24:21
GJ!相変わらずキラブチ切れてるなw
つまんねーことでケンカするなw

282:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 16:01:52
ちょっww面白すぎるw次回はディアッか達が出てくるのかww
職人さんGJ!

283:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 16:37:46
>>「黙れ脳なし」
 テラワロタ。GJ!

284:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 16:51:06
馬鹿にしたデュオはイの一番に逃げたんだろうな・・・

285:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 17:09:05
向かって来ても普通に倒せるだろ

286:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 17:50:20
このキラならわからんとか思っちゃう俺。

287:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 22:34:50
腕捻あげられるデュオしか想像できねえww

288:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 23:17:28
あの5人の中で運の悪さならピカ一だからな、2番君は
ほかの4人は捻られなくても、2番だけはなんか油断した隙に捻られそう

289:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 23:37:10
>>「黙れ脳なし」
一瞬、ヘイトスレに紛れ込んだのかと思った。キラ様降臨かと・・・

290:通常の名無しさんの3倍
07/03/01 23:43:06
>>287
はいはいラクシズ厨は出てってね

291:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 00:04:27
こいつぁケンコウのキラ以上だなw
ガンガレ凸超ガンガレ

こんな危険人物と一緒にいなきゃならないのを不運とみるべきか
敵に回らずにすんで珍しくラッキーとみるべきか……ww>2番

292:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 01:31:40
>>288
デュオのやられっぷりは異常だよなww
それだけにヴァイエイト・メリクリウス戦は燃えたが。

293:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 02:34:58
明らかにネタで言ってんだろ。ラクシズ廚に敏感になるなよ
スレが荒れる

294:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 03:28:09
とりあえずワロタww

295:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:01:44
投下します。

296:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:05:22
「本気ですか? 大統領?」
 ブルーコスモス盟主ロード・ジブリールは、スクリーン越しに映る男、大西洋連邦大統
領ジョゼフ・コープランドと対峙していた。
「いや、正気と言い直すべきですかね、プラントとの相互理解のための和平会議? この
私に向かってそんなものに出席なされと、貴方はそういうのですか?」
 苦々しげに毒づくジブリールに、ジョゼフはやれやれと首を振る。
「ジブリール、議場での君の扱いは軍事関係者と言うことになる。君は連合軍のあの部隊の
トップとして……」
「勝手に話を進めて貰っては困る。私はまだ出席するとはいっていない!」
「いや、出席して貰う。君も連合に身を置く物ならば拒否はさせん」
 ジョゼフは、反戦派の筆頭、穏健派の鑑と言われる稀代の政治家で、大西洋連邦大統領と、
連合軍最高顧問を兼任する謂わば地球圏の実質的リーダーだった。
 彼は、その役職に就任した当初、世界各国で毎年消費されている『軍事費』を計算し、
その国一つ買えるかも知れないという『莫大な無駄遣い』を大々的に公表した。
 これは、彼なりの作戦の一環で、実質的な数字を見せることによって反戦や和平にイ
マイチピンと来ないであろう一般民衆の関心を買うことに成功していた。反戦や和平な
ど政治家が決めることと思っている民衆も、自分たちの支払っている税金が、軍事費削
減によって幾分か『マシ』になるかも知れないと聞けば、少しは耳を貸すようになる。
「私はこのまま、全世界で軍備の縮小が進められ、最終的に一般的な治安維持以外の兵
力が無くなることを期待している」
「フン、世迷い言を……そんなことが出来ると思っているんですか?」
「私の夢は、公約通りだ。その為にもこれからは軍事力などではなく、対話によって完
全な平和の道へと進まねばならん」
「コーディネイターどもと? 危険な発想ですな」
「君よりはマシだ……ジブリール、私は他人の主義主張にとやかく言いたいとは思わな
いが、君や君の仲間たちは少々異常だよ。君が今回私の元に送りつけてきた『意見書』
と、やらもだ」
 ジョゼフがなるべく会いたくもないようなこの男と、多忙な時間を割いて会話をして
いるのには事情があった。というのも、先のユニウス・セブンのテロ未遂事件について、
ブルーコスモス及び軍事複合大体ロゴスから意見書とは名ばかりの、命令書が届いたの
だ。その内容というのがまた驚きで、現プラント政権及びザフトの解体、地球側に被害
も出ていないのに莫大な額の補償金を要求、ジョゼフなどは項目の二つめを読む頃には
頭を抱えてしまった。こいつらに常識はあるのか? と。
「ジブリール、君は何か勘違いをしている。我々連合は、他国であるプラントの政権に
対して、何ら介入する権限など有りはしないのだ。内政干渉など、考えただけでも馬鹿
馬鹿しい」
「奴らが満足にコーディネイターどもを統率できないから、今回のような事件が起こっ
たのですぞ? これは謂わば、自衛のためですよ」
「拒否すれば戦争をすればいい、とでも言い出すんだろうな、君ならば」
「ブルーコスモスも、そしてロゴスも、全面的にバックアップいたしますぞ? その為
に奴らのような存在もいるのだ」
 ブルコースモス、そしてそのバックにいるロゴスの声をジョゼフが無視できないでい
るのは、彼が『戦争景気』によって誕生した軍需産業複合体だからである。
 一言で言ってしまえば『一番税金を払っている連中』であり、全てのメンバーが世界
経済の中枢にいる。会社で言えば大株主のような存在だ。


297:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:08:03
「残念だが私にそんな気は毛頭無い。君らのように何でも武力で解決しようという考え方
の連中がいるから、戦争がなくならんのだ」
「…………」
「あの、故ムルタ・アズラエル氏も、最初は交渉から入ったものだぞ?」
 その名をジョゼフが口にした途端、ジブリールに異変が起きた。ワナワナと震え、歯ぎ
しりをする。
「死人の名など出さないで貰いたい!」
「その様子だと未だにブルーコスモスは迷走中のようだな。君ではアズラエル氏のように
自身の持つカリスマ性で信者を統率する、と言うことが出来ないらしい」
「私があの男に劣っているとでも言うのか!」
「極端なナチュラル原理主義者、コーディネイター根絶原理主義者である君よりは、幾分
かマシな男ではあったよ」
 事実、大統領になる以前、上院議員時代のジョゼフは、アズラエルにあまり悪い印象は
持っていなかった。彼は常に理知的で、打算で行動をしない、彼が自身の会社を放棄して
政治家にでもなっていれば、今頃大統領は彼だったかも知れない。
「ジブリール、私は今度の和平会議の議題として、ブルーコスモスとロゴス、そしてその
お抱え部隊である彼らの問題について話すつもりだ」
「なんですと!?」
「君は自信があるようだが、世界は常に変化し、進歩している。君ご自慢の部隊も、早々
に解散ということになるだろう」
「たいした自信ですな。大統領……」
「当たり前だ、私は大西洋連邦大統領ジョゼフ・コープランドだからな」
 そして、時代を平和へと導く使命を持った男は、ジブリールとの通信を終えた。ジブリ
ールは、苛立ち紛れに酒の入ったグラスを床に叩き付けようかと思ったが、床に寝ころぶ
猫を見て、その手を止めた。そして暫く精神集中をした後、もう一度通信機のスイッチを
入れた。
「私だ、ファントムペインのネオ・ロアノーク大佐を呼べ」



            第3話「ファントムペイン」


 プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは、元々は遺伝子工学の研究を専門
とする学者から政治観に転向した男で、人並み以上に節度と常識を持っていると自他共に
いわれる男だった。プラント、と言うよりもコーディネイターが抱える遺伝子的な問題は
深刻で、最高評議会議長自らがその問題に率先して挑むという姿は、プラント市民にとっ
ては決して悪い物ではなかった。研究者としての実績もある。
 しかし、そんなコーディネイターのことを人一倍知り尽くしている男でも、受け入れが
たい現実というものは存在するらしい。
 それは人間誰しもが持つ固有の感情『嫉妬心』というものである。

298:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:10:10
 人間自分より優れた存在、容姿にしろ頭脳にしろ、それを持ち得る存在に、自身の持つ
些細な優越感を崩され、劣等感を抱く。それは対抗心や、嫉妬心、果ては憎悪にまで変貌
するというが、デュランダルがこの時受けたのは、圧倒的なまでの敗北感による嫉妬だった。
「では、ロッシェ……君は本当に異世界から来たというのだね?」
 軍病院の一室、高級士官用の応接室にてギルバート・デュランダルは、先日議長のラク
スことミーア・キャンベルが救助した、謎のモビルスーツのパイロットと面会していた。
「あぁ、そうらしいな。俄には信じがたい話だが」
 優雅な口調で、紅茶のカップを口元に運ぶその姿は、気品に満ちていた。中世の貴族の
ような立ち振る舞いに、デュランダルは始終圧倒されていた。
「それはこちらの台詞だよ……しかし、あんなものを見せられれば、納得するしかないな」
「あんなもの、とは?」
「君のモビルスーツだよ。この世界の技術力ではとてもじゃないが作れる物じゃない」
 しかし、デュランダルを一番『驚愕』させたのはそんな事実ではなかった。彼にとっては
未知の技術に驚き、唖然とさせられている技術者たちよりも、目の前の『ナチュラル』であ
るロッシェに受けた衝撃のほうがずっと大きかった。
「おかしいなものだな、宇宙があり、地球があり、人もいるというのに歩んできた道はまる
で違うという……平行世界とはまた違うらしい」
 愉快そうに笑うロッシェには、今の境遇に対しての驚きや、動揺がほとんど見られなかっ
た。全く大した精神力だとデュランダルは思う。
(そしてこの容姿……こんな『人間』が異世界にはいるのか)
 氷のような美貌と、薔薇のような気高さを持つ男……黄金色の髪、端麗な鼻梁と唇、そし
て耳によく通る声が、彼を一種の芸術作品のようにも思わせた。
「危険だな……」
 ポソリと、デュランダルは呟いた。別に彼はコーディネイター原理主義者ではない。しか
し彼は、コーディネイターがナチュラルよりも優れているということを学術的観点で知って
いたし、またその事実は彼が密かに進めている『ある計画』にとって必要不可欠だった。
 だが目の前にいる青年はどうだろうか? 何ら遺伝詩的操作をしていないナチュラルであ
りながら、その容姿は完成されきっている。そして恐らくモビルスーツパイロットとしての
腕も……
「それで? 君はこれからどうするつもりなんだ?」
 デュランダルは自身の考えに溜息をつきながら、ロッシェに尋ねた。
「それを決める権利が私にあるのかな?」
 不敵な笑みで返してくるロッシェ。
「……私個人としては君の存在は余り歓迎できるものではないな。正直、天地がひっくり返
るどころの騒ぎではないよ」
「なら拘禁でもするか? それとも……」
 デュランダルもその先はわかっている。もっとも単純で、確実な方法がある。しかし、安
易にその方法をとることが、彼には正しくないようにも思えた。
 と、その時。

299:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:11:41
「ロッシェ! ロッシェはここにいるの?」
 応接室の扉が勢いよく開き、ミーア・キャンベルが飛び込んできた。
「これは、これは……ミーア嬢ではありませんか」
 ロッシェはソファに腰掛けたまま、うやうやしく頭を下げる。
「ラクス、君がどうして……そして何故ロッシェが君の、その」
 デュランダルは突然のミーアの来訪と、ロッシェが彼女の元々の名前を知っている事実
に困惑した。が、当のミーアはけろりとして、
「だって、ラクス様のことを知らない異世界の男性に、ラクス様を名乗ったところで無意
味でしょ? 知らないんだから」
「それはまあ、そうだが……」
 確かにこの世界におけるラクス・クラインの影響力など、異世界の住人であるロッシェ
には皆無である。しかし、だからといってあっさり正体をばらすのもどうかとデュランダ
ルには思われた。
「それより、今日はお早いですね」
「仕事が早く終わったの。それであなたの病室に寄ったら、応接室で議長に会ってるって
言うんだもの」
 笑いあう二人の雰囲気に違和感を感じながら、デュランダルはロッシェの言葉からある
ことに気付いた。
「今日は? ラクス、君は毎日この病院に来てるのか?」
「そうですけど?」
 これまたけろりとした表情でいうミーア。ミーアは、ロッシェを助けたあの日以来、異
世界からの訪問者である彼に、色々な意味で興味津々だった。
「ラクス様としての活動はちゃんとやってますし、問題はないでしょ?」
「むぅ……それはそうだが」
 ラクスとしての活動と、その秘密さえ守ればプライベートにはなるべく干渉しない、と
いうのがデュランダルとミーアが交わした契約だった。
「それより、お話しはもう終わったの?」
 ミーアはロッシェに向き直る。
「さぁ? 私は議長の質問に答えているだけですから。あぁ、そういえばこれからの身の
振り方をどうするか、でしたか?」
 ロッシェは微笑を浮かべ、デュランダルを見る。その美しい笑みに、デュランダルは目
を逸らしたい衝動に駆られる。
「お互い知るべき事は山ほどある。とりえず、ロッシェ、君の言うことを信じるためにも
君がここの世界に来てしまった経緯等を、詳しく教えて貰いたいね」
「いいでしょう。時間はタップリある」

300:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:13:10
 その頃、ユニウス・セブンでの破砕作業を終えて帰還したミネルバとジュール隊にそれ
ぞれ国防委員会からの次の指令が待っていた。ミネルバに対しては、当初の予定通り月軌
道への配備。進水式に関しては、予算の都合上改めてやるつもりはないようだった。
 そしてジュール隊への指令は先の事件を起こしたテロリストの捜索という物だった。
「捜索、でありますか?」
 その言い慣れぬ単語を、イザークは少々不快そうに口にする。
「君たちはあのテロリストどもと遭遇し、戦闘も行っている部隊だ。捜索任務というのは
確かに地味な仕事ではあるが、君も軍人である以上は拒否権はない」
 国防委員長は、端的に事実だけを述べる。
「しかし、この発見次第抹殺も許可するというのは……」
「行動は迅速かつ的確に。生死問わず、テロリストどもを始末できれば今回の一件は終わ
る。上はそう判断したのさ」
 イザークとて僅かな期間ではあるものの政治の世界にいたことがある人間だ。テロ行為
に対して国というのは、どんな方法でも早期解決を目指さなければ行けないと言うことぐ
らい知っている。しかし、イザークはなるたけテロリストは逮捕し、大々的に裁判にでも
かけたほうが良いのではないかとも思う。内々に処理しては帰って疑惑を生む。
(それとも、生きていられると困る事情でもあるのか?)
 イザークはこの可能性が決して低くはないと思った。いくらザフトの脱走兵とはいえ、
独自にカスタマイズされたモビルスーツを持ち、安価とはいえ大型フレアモーターを持ち
出してテロ行為走るなど、彼らだけで出来るとは思えない。故にバックに政治家や企業が
付いていたとしても、不思議ではない。
(だから裁判を恐れる。ボロを出させないために、か)
 しかし、イザークはそれ以上何も言うつもりはなかった。軍人に戻った以上、彼には政
治に対して発言をする権利などないのだ。
「ジュール隊、任務了解。直ちに出動します」


301:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:14:56
 ロッシェは自分の事情を説明するに当たって、なるべくウルカヌスの件について触れな
いように心がけた。デュランダルがどう言った種類の人間であるか、まだ明確に見定めら
れない以上、あの存在を軽はずみに話すのは憚られた。
(この世界の技術力がどの程度かは知らんが、カスタムタイプのレオスに驚愕しているよ
うでは、アレの中身はもっと危険だ)
 例えデュランダルが善人であったとしても、欲や野心というのは人を変えてしまう。
そして、ロッシェはそれを身内からの裏切り行為という形で、よく知っていた。
「つまりこの世界に、君の他にも異世界から来たであろう人間がいると?」
 デュランダルはロッシェの話に愕然としていた。ロッシェのような人間がこの世界に複
数人来ているという事実は、彼にとっては無視できない事実だったのである。
「少なくとも私と行動を共にしていた男は来ている可能性が高い。そして私とそいつが行
方を追っていた男もまた……」
「その人も、ロッシェみたいな感じの人なの?」
 当然のようにその場に残っていたミーアが、そうロッシェに尋ねる。
「みたいな感じ、というと?」
「ロッシェみたいに、なんていうのか……そう、貴族的って言うか」
「貴族的も何も、私は貴族ですよ、ミーア嬢」
「えっ! そうなの?」
 デュランダルは頭を抱えたくなった。何が貴族だ馬鹿馬鹿しい。
が、そう思いつつも既に自分は、目の前の青年が異世界の皇帝陛下だと言われても納得し
てしまいそうなほど圧倒されまくっていた。
「まあ、財団が崩壊して以来飾りのような物ですが、爵位も持ってましたよ」
「じゃあ、その一緒にいたお友達も?」
 友達、自分にとってオデルは友達なのだろうか? ミーアの言葉に、そんなことを考え
たロッシェだったが、フッと笑うと、
「アイツは民間の技術屋です。今頃でどこで何をしているのか……」
 しかし、ロッシェはそんなに心配はしていなかった。時としてオデルの行動力は自分な
どの予想以上のものだからだ。……仮面にマントを羽織っていたときは、密かにそのセン
スを疑ったが。
「議長、行動の自由をいただけるのであれば、私は仲間を捜したい」
「むぅ……それは、しかし……」
 ロッシェの頼みに、デュランダルは眉を顰める。害意のある人間ではない、そんなこと
はこの会話の中から容易にわかることだ。しかし、行動の自由を与えるにしても、ある程
度の監視下に置いておく必要はある。こんな企画外れの容姿を持つナチュラルを、野放し
にしておくのは余りにも危険だ。
「こちらの条件を呑むのならば、ある程度自由は保障しよう」
「ほぅ……その条件とは?」
 ロッシェの瞳が探るように、ミーアの瞳が覗くように、デュランダルを見る。
「それは……」


302:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:16:39
 ネオ・ロアノークは常に仮面を被っている男だ。人が仮面を被る理由は、顔を隠すため
であり、顔を隠す理由は様々だ。傷や火傷、跡の残る外的損傷を人に見せないため、醜い
容姿を隠すため、そして、他人に顔を知られてはいけないため。しかし、この時ネオの仮
面はいつもとは違った効果を発揮していた。もっともそれは、嫌いな上司からの嫌な命令
に対して、表情を隠す、というものだったが。
「お話の内容は分かりました……しかし、この作戦、本気で行うのですか?」
 ネオは、ジブリールから渡された、ある作戦の計画書に一通りの目を通すと、率直な感
想を漏らした。作戦自体は見事な物だと思う。とてもこの盟主が一人で考えたのだとは思
えないが、確かにこれならば成功率は高い。しかし……
「この作戦、成功した場合、また戦争が起こるのでは?」
「それがどうした? 我々は戦争をしたいのだ。コーディネイターどもと和平などとあり
得ん妄想を抱き続ける偽善者どもを排除し、宇宙にある砂時計を全て消滅させるためにな」
 それはある意味、ユニウス・セブンのテロリストと同じ発想と意見なのだが、ジブリール
はそんなことを知る由もない。
「なるほど、如何にもブルーコスモスとロゴスの考えそうなことです」
 タップリと皮肉を込めていってやったつもりだが、ジブリールは堪えた様子もなく不敵に
笑っている。ネオに元より拒否権がないことを知っているのだ。
「ファントムペインを総動員するとして、間に合うか?」
 ジブリールの問いに、ネオは嫌々ながらも計画書を捲り、
「ギリギリ、といったところですかね。まあ、宇宙はダイダロスにいるイアンに任せるとし
て……」
「地上の実働兵力は貴様とホアキンに任せる。必要な資材があればなんでもいえ」
「必要なのは資材ではなく人材ですよ、盟主」
 ネオは、苦々しげにそう言うと、すぐに細部の調整にはいるためジブリールとの協議を始
めた。所詮自分はこんな風にしか生きられないのだ。拾われた死に損ないは、拾ってくれた
飼い主に忠誠を尽くす。例えそいつがどんなに嫌な奴であっても、だ。


303:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:18:25
 翌日、ジブリールは改めて大西洋連邦ジョゼフ・コープランドと通信による会話を交わ
し、和平会議へ正式に出席することを述べた。ジョゼフはこの心変わりを不審に思ったが、
自分から呼んでおいて怪しいから来るな、ともいえず、とりあえず形式的な感謝をし、通
信を終わらせた。
 通信後、ジブリールは笑いを堪えるのに必死だったという。彼はこの先起こるであろう
出来事と、始まる新たな時代に対して驚喜の笑い声を上げたくて、堪らなかった。
「いよいよだ。いよいよ、我らファントムペインが歴史の表舞台に立つときが来た」
 そして、憎らしきコーディネイターを、ザフトを、プラントを、今度こそ完全消滅させ
ることが出来る。
「アズラエル、私は貴様のような甘さは持たんぞ。貴様が怯え、震え、実行できなかった
作戦だろうと、勇気と冷酷さ持って実行してやる」
 この時、未だ世界は平和を維持することが出来ていた。それは大西洋連邦大統領ジョゼ
フコープランドを始めとした、地球連合内に広がりつつある反戦と和平を望む穏健派たち
の存在、オーブ代表カガリ・ユラ・アスハを始めとした中立国群の存在、そして今のとこ
ろは反戦派であるプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの存在が、その平和
の均衡を保つため、存在の大きさを見せていたからだ。

 それから数日後、プラント国防委員会諜報部が、驚くべき機密情報の入手に成功した。
それはあのブルーコスモスが、今回のテロ行為に対する『報復』を目的とした極秘総会を
開き、プラントに対してすぐにでも核攻撃を行うという内容であった。


304:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/02 16:19:43
以上、第3話。
ある意味で、この作品は次から大きく動いてゆく、
といった感じでしょうか?
現在第6話まで書き上がっていますが、書きためつつ、
小出し小出しで投下していこうかと思います。
次回は少々長くなるかも知れません。

305:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 16:23:30
う、生まれてはじめてのリアルタイムだ。
ディ・モールトGJッ!!
長くなっても全然かまいません。楽しみにしてます。
ロッシェとミーアいいなぁ・・・・・・(*´ω`*)


306:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 16:25:30
GJ!
議長はロッシェ相手に圧倒されっぱなしか。

307:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 16:56:58
乙!
そしてブルムさーん!

308:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 17:08:53
>>293
工作員乙

309:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 17:19:49
この議長がヴァルダーに会ったら飲み込まれるな。

310:通常の名無しさんの3倍
07/03/02 20:51:14
「暗黒の破壊将軍」ってニックネームを聞くだけでも卒倒しそうだ。

311:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 06:41:12
GJ

ギルを手玉に取るロッシェがカッコヨス

312:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 08:00:08
コープランドとジブリのやり取りを見ると
彼も伊達に選挙の洗礼を受けていないねw

313:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 09:30:50
ただジブリールはファントムペインじゃないけどな

314:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 09:56:22
つーかジブリはPPの親玉だから、
盟主王がドミニオンを好き勝手に使っていたのと同義。

私兵です罠

315:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:01:15
>>310
マジンガーに出てきそうな名前だな……あちらは暗黒大将軍だが。

316:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:10:09
バスタードとか

317:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:13:00
星屑の騎士団(スターダストナイツ)もなw

318:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:14:52
歌姫の騎士団といい勝負じゃん

319:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:28:29
歌ハゲの氣志團

320:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 10:31:56
ここはやはり新生星屑の騎士団の結成を…

321:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/03 11:27:16
私の認識ではジブリールって、
ブルーコスモスの親玉で、ロゴス内で強い発言力があり、
私兵ファントムペインを意のままに操れる男って感じな
んだけど……違うの?(汗)


322:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 11:28:57
>>321
そんなもんでいいと思う。他に分かってんのは金融関係の人だというだけだし。

323:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 11:43:07
>「いよいよだ。いよいよ、我らファントムペインが歴史の表舞台に立つときが来た」
ここがおかしいと思ったんじゃない

324:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/03 12:09:32
>>323
あー、その台詞か……
んーっと……私の作品のコンセプトが関わってくるんだけど、
それ話しちゃおうとネタバレにもなるからなぁ……
一応、次の第4話で私の作品が何をやりたいのかは明確になる
んですけど、書き上がってるとはいえ昨日投下したばっかだ
しなぁ。

325:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 12:15:26
まあいいじゃないか
キラの設定も多少変わってるんだし、本編と違う部分があってもそれはそれこれはこれって事で

326:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 16:25:33
うんうん、おkおk

327:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 18:08:53
URLリンク(zip.2chan.net)
ウイングゼロすげー!!

328:通常の名無しさんの3倍
07/03/03 19:25:21
太陽系wwwwwwwwwwww
∀並にスゲーwwwwwwwwww

329:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 01:02:07
wikiに登録されている作者さん以外で誰が書いてるか一覧が欲しいのだけど頼めるかな?

330:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 01:04:59
連投失礼。今現在、現スレの>>237まで登録済み。
現スレの26氏はwikiに登録されている26氏とは別人でいいのかな?
このスレの26氏=運命の歌姫 ◆1gwURfmbQUさん?

331:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 01:37:30
太陽系オワタ\(^o^)/
こりゃC.E.聖剣伝説も目じゃねぇぜ

332:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 03:31:25
セルじゃないんだからw

333:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 04:41:26
>>330
私はwikiの登録の仕方知らなかったので違います。
もう保管してくださった方がいるんですね。
でも、ちょっと、直したい誤字脱字があるんですが、
wikiに登録って、どうやるのでしょうか?

334:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 04:45:13
と思ったら、保管はされてないのか(勘違い)
まあ、1,2,3話ともお恥ずかしいことに、
誤字脱字がちょっとあるので、私の方でも編集
出来れば……と思ってます。

335:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 04:58:16
ライブドアID取って該当ページ上部の編集タブ押せばいいだけ。
編集終了したらそのページ下部の「保存する」ボタン押せば反映する。

個人情報出すの嫌がってID取りたがらない人とかは
ぶっちゃけ偽名使えばいいじゃないと時々思う

336:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 06:21:56
>>335

今はID取らなくても登録作業に協力する事できるよ。
詳しくはwikiのTOPページにある編集方法の項目を見てちょ

337:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 10:20:54
今は荒しがあった為にID取得しないと編集できないようになっています。
別の方法としてはtxtでもhtmlでもいいので修正した内容をUPロダ(トップページからいけます)に上げ、掲示板(これまたトップページから)で上書きするよう言って頂ければ編集しておきます。
っちなみに運命の歌姫さんの作品は夕方5時頃登録予定です。

338:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 14:58:48
>>337
了解しました。
とりあえず、今日はこれから出掛けるので、
帰ってきてから、編集等については考えます。

後、第4話は、今日の夜にでも投下します。

339:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 15:02:20
>>327
この設定でクロスさせたらエライことになるなwww

340:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:15:11
帰宅。
投下します~

341:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:18:41
 プラント最高評議会は12名の評議員によって構成されている。議長、副議長、国防委
員長等の役職に就いている彼らは、プラント12の市から各一人ずつ互選制によって選ば
れたメンバーだ。最新のコンピューター技術の発達により個々の能力や実績から「政治
家としての適正」を判断された彼らは、時として本人の意思とは関係なくこの道にくる
べき事がもある。しかし、少なくとも最高評議会議長ギルバート・デュランダルは、自
身がくるべくしてこの道に入ったと思っている。
 彼は、自分が将来的に成立目指すある計画と、このプラント最高評議会の評議員選出
方法は似ていると思っていた。コンピューターによってその適正を判断され、その職に
就くというのは彼には願ってもないことだ。
「いずれ、政治家だけでなく他の職種もこのような形になってゆくだろうさ。最高評議
会、国のトップでさえこのような選出方法なのだから」
 これはデュランダルが、今のところもっとも信頼している被保護者である少年に語っ
たという言葉だが、確かにこのまま彼が最高評議会議長の座に居座り、計画を推し進め
ることが出来れば、それは可能だったであろう。故に彼は、他の議員たち以上に、自分
の地位と権力を愛していた。だからこそであろうか? 彼は自分の進退にも影響を及ぼ
すような重大な議題が議会に上がると、途端に慎重になった。
 世間ではそんなデュランダルの態度を、「常に沈着冷静で、軽はずみな決断と決定を
しない」と評価することもあれば「難局に対しての行動力に欠ける」と非難することも
あった。どちらもそれなりに理のある表現ではあったが、歴代の議長が必ずしも優れて
いたわけではないことを考えれば、デュランダルの評判はそれほど悪い物ではなかった。

 薄暗く窓一つ無い会議室は、ドーナツ上となっており、中央の円卓に最高評議会の委
員長クラスの議員たちがそれぞれ腰掛けている。
 この日の議題は、国防委員会より提出された、『ブルーコスモスによるプラントへの
核攻撃の可能性』についての対策についてであった。これは昨日、国防委員会の諜報部
が入手することに成功したブルーコスモスの最重要機密であり、近々行われるらしいブ
ルーコスモス全体総会の承認待ちという案件だった。
「では、ブルーコスモスは今すぐにでも我らプラントに対し核攻撃を行う、国防委員長
はそう仰るのか?」
 まず口火を切ったのは、デュランダルであった。形式上、議長がまず意見なり質問な
りをして会議を推し進めるのは最高評議会の通例であり、デュランダルが特別論戦派と
いうわけではない。
「少なくとも、彼らは我々に対する口実を欲しています。戦争か、攻撃か、そこに格好
の名目を手に入れた」
 国防委員長は、資料を広げながら溜息をついた。彼は昨日から今日の会議にかけてま
での時間を諜報部がもたらした情報の真実性、つまり裏付けを取ることに費やしており、
そしてその結果、「92%以上の確立で真実である」というものに頭を悩ませ続けていた。
「口実と言っても、ユニウス・セブンにおける一連のテロ騒動は防いだではないか!」
 女性議員の一人が、言いがかりだと言わんばかりな剣幕で発言するが、国防委員長は諦めたように首を振る。

342:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:21:39
「彼らは政治家でもなければ軍人でもない、ただの主義者です。人の持つ常識とか良識に
は無縁の立ち位置にいるのですよ。まあ、少なからず残っていた見識が今まで彼らの行動
を抑えていたのでしょうが、今回我々がテロという弱みを見せてしまったが為に、そこに
つけ込もうと必死なのでしょう」
「それでブルーコスモスの連中が納得しても、地球の各国は? 一方的な攻撃を許すとい
うのか?」
「許しはしないでしょう。だからこそ彼らは極秘に事を進めている……そう、いつかの血
のバレンタインのように」
 国防委員長の、本人としては何気なく言ったつもりの一言が、議員たちをしんと静まり
返した。そうだ、ブルーコスモスはあの血のバレンタインを起こした連中だ。何をするか
などをわかったものではない。
「しかし、国防委員長、事態が急を要することはわかるが、君の対応策は少々強引ではな
いか? 衛星軌道上からブルーコスモスの総会が行われる連合軍基地に制圧部隊を送り、
これを逮捕または抹殺する、と言うのは」
 デュランダルは国防委員会が提出した作戦書を見ながら険しい表情で言う。しかし、国
防委員長はそれを制止、
「確かな情報を持ちながら、後手に回るというのですか? 議長、今また核を撃たれれば、
プラント市民の反戦意識は著しく低下しますぞ? ただでさえ、ユニウス条約への不満が
残っているのが現状です」
「プラント市民が、民意レベルで戦争を望むと? 我々はそこまで愚かでは……」
「だが、血のバレンタインの時は違った。市民は地球へ、ナチュラルへの報復を叫び、デ
モや集会を繰り返した。結果、当時の最高評議会は開戦を決意した、違いますか?」
 デュランダルはその反論に口をつぐんだ。それは事実であり、当時のプラントが民意に
よって動かされた結果でもあった。
「国防委員会としては、我々コーディネイター最大の驚異であるブルーコスモスを、これ
を機に一網打尽にしたいと思っております。テロ行為を名目に、プラントに対し核攻撃を
行おうとしている彼らこそテロリストではないか!」
 国防委員長の一際高い声に、会議室の議員たちは自己の決断を迫られ始めた。
 そして、国防委員会諜報部より新たな情報が来たのはこの時だった。連合軍の月基地ダ
イダロスに異変アリ。出撃準備をしている傾向にあるというのだ。
「……では、早急に議題を可決しましょうか?」
 それ見たことか、と言わんばかりの国防委員長の声に議員たちは早期議決することを決
定し、投票用のボタンにそれぞれ指を伸ばした。
 結果、過半数の議員が賛成を押した。評決の結果ザフトによるブルーコスモス総会への
制圧作戦が可決された。デュランダルはこの時、反対の票を入れていた。



              第4話「時代の変革」




343:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:24:19
 月軌道に配備予定だったミネルバに、ブルーコスモス総会制圧の命が下ったのは最高評
議会の作戦決定から僅か14時間後のことだった。ただ降下部隊を降ろすよりも戦艦による
奇襲攻撃をかけ、敵の抵抗力を一気に殺ぐ、というのが国防委員会と軍部の狙いであっり、
ミネルバは大気圏突入が可能な最新鋭艦だ。
「グラディス艦長、君の艦のクルーは新進気鋭の若者たちが多いが、だからといって失敗
が許される任務ではない。心して作戦を実行してくれたまえ」
「わかっております。クルー一同、最善を尽くします」
 国防委員長から直接指令を受けたとき、タリアは彼が自分に余りよくない印象を持って
いるということに気付いた。面白くないのであろう、国防委員会と軍部が威信をかけて作
り上げた最新鋭艦の艦長を、女の自分に取られたのだから。取られた、と言うのは正確な
言い方ではないが、タリアが艦長になった裏には、ギルバート・デュランダル最高評議会
議長の後押しと推薦があったと言われ、事情を知る一部の者、国防委員長クラスともなれ
ば、余りいい気はしないのだ。
 しかし、迅速さが求められる今回の作戦に、足自慢でもある快速戦艦のミネルバは絶対
に必要であり、また能力も決して低いわけではないので、渋々の決断、といったころか。
「というわけで、ミネルバはこれより地球に向けて出発。衛星軌道上から艦を降下させ、
連合軍基地制圧の任務に当たります。何か質問は?」
 艦に戻ったタリアは、ブリーフィングルームにクルーを集め、今回の作戦内容を説明した。
「よろしいですか、艦長?」
「なに? レイ」
 モビルスーツパイロット、レイ・ザ・バレルが質疑の挙手をあげた。
「この度の作戦の重要性は理解できました。しかし、何故ミネルバだけなのですか?」
 レイの隣に座るシンは、もっともな質問だと思った。自分たちの力が足りないとは思わ
ないがこの作戦は絶対に失敗が許されないものだ。それをミネルバ一隻で、というのはい
ささか心細いのではないか?
「基地を制圧するにしても、もっと大部隊を投入すれば、より早く、確実に済むと思うの
ですが?」
「えぇ、確かにそうね。でもね、今回のブルーコスモスの総会はかなり極秘裏に進められ
ている物なの。それに対して大部隊を動かせば、向こうに察知される可能性がある、少な
くとも上はそう考えたようよ」
 隠密にことを進めろ、つまりはそう言いたいのだろう。
「ですが、艦長」
 同じくモビルスーツパイロット、ルナマリア・ホークが挙手と共に発言する。
「ミネルバは先の戦いで、その、モビルスーツパイロットを二人、失いました。補充員も
ないままでは、戦艦一隻にモビルスーツ3機で基地制圧をすることになります」
 レイの言いぐさではないが、戦いは数だとルナマリアは思っている。エースなどと呼ば
れてはいるが、自分たちは未だ実戦経験の少ない青二才の集団に過ぎない。

344:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:27:05
「基地の規模がどれほどかはわかりませんが、基地である以上それなりの兵力を有してい
るはずでは?」
 プラントの命運が掛かった作戦である以上、多少のリスクを背負ってでも兵力を増強す
るべきだとルナマリアは言いたいのだ。
「それについては心配いらないわ」
 タリアはクルーの不安を取り払うべく、国防委員長より渡された制圧目標である基地の
資料を提示する。
「さすがに連中も極秘にことをすすめているだけあって、この通り基地は小さな物だし、
配備されているモビルスーツは微々たるものよ。我が隊だけでも十分に攻略できるわ」
 国防委員会も軍部も、実現不可能な作戦など立案しない。勝算があるからこそミネルバ
による単艦制圧にしているのだ。
「……上層部の認識はわかりました。しかし、この作戦項目に書かれている『ブルーコス
モスメンバー逃亡時の措置』については?」
 ルナマリアは、一応の納得をすると質問を変えた。この項目は、資料を読んでいた際に
シンと共に驚いた、驚愕とも言って良い内容だ。
「本項目には『ブルーコスモスのメンバーの逮捕に失敗し、逃亡の可能性が出た場合これ
の抹殺も許可する』とありますが?」
「えぇ、確かにそう書いてあるわね」
「しかし、ブルーコスモスは軍属も含めてはいますが基本的には民間団体です。裁判にも
かけず他国の軍隊である我々が、これを処刑する、と言うのは?」
 テロリストである以上、それも止むえないのかも知れないが、ルナマリアにはこの項目
が乱暴にも思えた。
「それに……」
 それまで機を見計らっていたシンが、ここで口を開いた。
「かえってこの事が、奴らに戦争の口実を与えるんじゃ?」
 シンの意外と当をえている意見に、クルーたちは静まりかえった。シンがまともな発言
をしたからではない。戦争という、嫌な響きに反応したのだ。
「奴らが口実を探して、今回のテロ騒動を利用してるって言うのなら、不用意に攻撃何か
したらそれこそ……」
「シン」
 言いかけのシンを、タリアが遮った。それ以上は無用な議論になるとわかっていたからだ。
「残念だけどこの作戦は、最高評議会で可決され、国防委員会から軍上層部へ直接下され
たものよ。今更撤回はあり得ないし、我々にその権利もない。事は政治の問題よ、何か意
見を言いたいのであれば、政治家でも目指す事ね」
「…………」
 シンは何も言わず、そのまま押し黙った。その後、作戦の事細かな詳細に移り、具体的
な実働作戦は衛星軌道上から降下したミネルバが、まず基地に一撃を与え、それをモビル
スーツ部隊で制圧するという、妥当な物になった。


345:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:29:54
「ほらっ、シン」
「……ありがと」
 ブリーフィング終了後、休憩スペースでつまらなそうに座っているシンを見つけたルナ
マリアは、彼にドリンク渡し、隣に腰掛けた。
「珍しいじゃない。アンタがあそこまで積極的に艦長に意見するなんて」
 少々意地悪そうに彼の顔をのぞき込むルナマリア。その小悪魔的表情は、普通の男性で
あれば魅了されてしまうほどのものだったが、生憎とシンはその手のことに興味がなかった。
「別に。ただ思ったことをいっただけだよ……」
「ふーん」
「軍人なんて所詮は人殺しの職業、判ってはいるんだけど、どうもな」
 今回は、あの悪名高きブルーコスモスが相手ではあるが、彼らは一応は民間人だ。それ
を軍人である自分が攻撃し、場合によっては抹殺するというのは、気分の良い物ではない。
「でも、ブルーコスモスって言ったら、その……シンの」
「あぁ、仇の一つだ。前の戦争で地球連合がオーブに進行した際、その指揮を執っていた
のはブルーコスモスの前盟主だからな」
 ムルタ・アズラエル。シンがその存在を知ったのは彼が死んだ戦後だった。彼は地球連
合への強力を拒み続けるオーブに対し、幾度となく交渉を持ちかけたが、オーブの前代表
であるウズミ・ナラ・アスハは彼と語る舌を持ち合わせはしないとして、これを断固拒否。
遂に痺れを切らしたアズラエルは連合軍を動かし、オーブに進行した。これが前大戦のオ
ーブ解放作戦の真相である。そしてシンは、その作戦時にオーブにおり、両親と愛する妹
を失っていた。
「だけど、個人としての私怨を理由にして戦ったら、奴らと同レベルじゃないか」
「シン……」
「俺は軍人だ。軍人になった以上、個人的感情じゃなくて組織のために動く」
 シンが軍人の道に入ったのは、何も彼が戦災孤児で食うにも困る身分だったからではな
い。戦中も戦後も、シンの心は常に憎悪と復讐心が支配していた。妹を奪った戦争、オー
ブに攻めてきた連合、無謀な戦いをしたオーブ、妹と家族を撃ったモビルスーツ、彼の精
神はそれらに対する思いに蝕まれていた。このままではいけないと思った。このまま自制
心が崩壊すれば、自分は連合やオーブに対するテロリストか、よくてレジスタンスになっ
てしまうだろう。こんな自分に歯止めをかける方法はないか……あった。
 それがザフトへの志願という道だった。規律の厳しい軍隊に身を置くことで、自己の精
神を縛り、自己の意見や主張よりも、組織について常に考える。シンにとって、手っ取り
早く憎悪や復讐心を忘れるにはそれしかなかったのである。
 故にシンのアカデミー時代はとにかく凄かった。自分が戦闘向き、軍人向きのコーディ
ネイターでないことをシンはよく理解していたから、人の三倍は常に努力したし、三倍で
ダメなら五倍、五倍でもダメなら十倍努力するようにした。結果、彼はアカデミーを次席
卒業、文句なしでザフトレッド、赤服を着ることが出来るようになった。
「確かに俺は今回の作戦に不満を持ってる。それもルナが心配してたような作戦の成功と
かそういった類の物じゃない」
 相手が妹の仇であったとしても、民間人を手にかけるというのは、彼の理念に反した。

346:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:33:06
しかし、これもまた軍隊という組織に身を置いた物の運命なのだろう。軍人は命令に従う
義務があるのだ。そして、その命令に意味を考えるのは、必ずしも軍人ではない。
「ねぇ、シン。この任務が終わったらさ……」
 深刻な顔で考え込むシンを見て、ルナマリアはニヤリと笑いかける。
「デートしない? 二人で、どっか遊びに行こうよ」
「デート!? ル、ルナ、い、いきなりなにを……」
 突然の、しかも『妹以外』の女の子から始めて誘われたデートの申し込みに、シンは面
食らったように赤面する。
「作戦が成功すれば休暇ぐらい出るでしょ?」
「そりゃ、出るだろうけど……」
「パーッとさ、嫌なこととか忘れて、遊べばいいのよ。シンはさ、少し物事を考え込む癖
があるわよ。それが悪い癖だとまでは言わないけど、それじゃ人生楽しくないって」
 ルナマリアの言っていることは正しかった。シンは、常に物事を一歩引いた立ち位置で、
客観的に見ようとしている。それはプラントのことだけではなく、地球やオーブといった、
仰々しくいえば宇宙全体についてとも思えた。彼の祖国はプラントではない。でも、今や
オーブでもない。そんなこともあってか、彼は親プラントとか、そう言った一部に偏った
思考とは無縁だった。そして、そんなシンの考え方を、ルナマリアは嫌いでなかった。
「それに何か目標があったほうが作戦もはかどるわよ? アタシみたいな可愛い娘とデー
トできるなんて、凄い励みにならない?」
「自分で可愛いとか言うなよ……」
「そう? 結構自信あるんだけど」
 そりゃ、アカデミー時代はそれなりに人気あったけど……とシンは思う。
 ルナマリアは、席次こそ首席のレイや次席のシンに劣るものの、ザフトレットになるだ
けの優秀さを持っており、学生時代はその容姿と共にかなりの人気であったことをシンは
記憶している。レイが女子人気を一手に集めていたのならば、ルナは本人の意思とは無関
係に男子人気を掌握していた。それがなんだって自分なんかと仲良くし、連むようになっ
たのかをシンは思い出せないが、ルナは彼にとって大切な友人だった。
「まあ、考えといてよ。勿論、返事は良いのを期待するけど」
「……あぁ、考えておくよ」
「アタシね、行ってみたいとこがあるんだぁー」
 楽しそうに笑うルナマリアを見て、シンも微笑んだ。こうやって、自分と一緒に笑える
友人を、俺は守っていかなきゃいけないんだ、と。

 その日、地球連合軍の基地で行われていたのは、大西洋連邦ジョゼフ・コープランドを
議長とするプラントとの和平について協議する、平和に向けての総会だった。出席者は主
に連合加盟国を中心とした反戦を唱える穏健派の政治家たちと軍人たちであり、ブルーコ
スモスの盟主など、もっともこの場に似つかわしくないと誰もが思っていた。
 しかし、いざ会議が始まってみると、ジョゼフ・コープランドは今まで暗黙の了解とし
てきた部分にズバズバと斬り込んでいくではないか。
「―このことからも、私は連合規模での軍備を見直し、それを最小限に縮小していきた
いと思っております。その為にはまず、連合軍をもっと透明性のある軍隊にする必要があ
り、かのファントムペインなる部隊も例外ではありません」

347:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:35:22
 ファントムペイン。その名を聞いた政治家たちは一様に顔をしかめ、軍人たちは目を背
けようとした。近年、連合軍内部に台頭してきたこの部隊は、あのブルーコスモスの息が
掛かっており、ブルーコスモスのバックにいるといわれる軍需産業複合体ロゴスの資金力
を背景に、独自の指揮系統を持つ大規模な独立部隊になっていた。
「しかし、ジョゼフ大統領は軍備縮小を声高に唱えられるが、その為にはプラントにもザ
フトの規模縮小を求める必要があるのでは?」
 出席者の一人が当然のことである質問をする。
「無論私は、プラントにも同様の考えを提示するつもりだ。だからこそ我々がまず手本と
なり、軍備の縮小及び解体を進めねばならんのだ」
 そしてやがては兵力や兵器といったものを全廃できれば……と、ジョゼフは思っている。
私が生きているうちは無理でも、私の跡を継ぐ者が、私の志を継いでさえくれれば、公約
に掲げた『プラントも含めた地球圏統一政府の樹立』は可能になるはずだ。
 その為にも、ここ踏ん張りどころなのだ。今日を乗り切れば、世界はとりあえず連合だ
けでも軍備縮小、和平への道に加速するはずだ。
「しかしですなぁ、大統領閣下」
 ここで今まで黙って静観を決め込んでいたかに見える、ブルーコスモス盟主ロード・ジ
ブリールが口を開いた。その顔は、ジョゼフに対して幾分かの侮蔑と失笑を含んでいる。
「未だ我々はコーディネイターどもと手を取り合えるわけではないはずですよ。失敗に終
わったとはいえ、過日もコーディネイターによる地球に対するテロ行為があったではあり
ませんか。あのユニウス・セブンが落下していた場合の被害規模を計算したのですがね、
まったく途方ない結果でしたよ」
 ジブリールはコーディネイターという部分を強調しながら、コンソールを操作し、スク
リーンに予測計算された被害状況を提示して見せた。確かにそれは酷いものであり、仮に
欠片一つ落ちていたとしても、無視できない被害であった。
 総会出席者は息を呑むものもいれば、目を疑うものもいたが、壇上に上るジョゼフは冷
静だった。
「過ぎ去った事件に対して悲観的な過程を見せられても困るなジブリール。今現在地球に
ユニウス・セブンは欠片一つ落ちていない、これは紛れもない事実だ。ザフトが責任を持
ってテロリストを撃退してくれたというな」
「ですが、現実にコーディネイターどもに未だ我らに牙を剥く連中がいるのも事実。未だ
逮捕されていないのでそう? コーディネイターのテロリストどもは」
 確かにプラントは未だにテロリストの逮捕には至っていなかった。ザフトが派遣したジ
ュール隊は寝る間も惜しんで日夜捜索を続けているのだが、一向に成果が得られてはいないらしい。

348:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:38:11
「プラントの市民や、ザフトの中に我々に不満を持つものがいるのは当然だろう」
 突然、ジョゼフはそう切り出した。
「いきなり何を言われるのです? まさかまた血のバレンタインを引き合いに出すのでは
ないでしょうな? あの一件はこちらもエイプリルフールクライシスで相応の……」
 反論するジブリールをジョゼフは手で制した。その顔には決意の色があった。
「これは一昨日、プラント側が極秘裏に公開したプラントの軍事工廠アーモリーワンで起
きたある事件に付いての映像だ」
 映像では、ザフトの最新鋭機がアーモリーワンを破壊して回る映像があった。
「この後、ザフトは機体を奪って逃走したテロリストに追っ手をだし、これと戦闘を行っ
たそうだ。これがその時の映像だ」
 議場に動揺が走った。ザフトのモビルスーツが戦っていたのは、紛れもない連合製モビ
ルスーツ、ダガーだったからである。
「つまり、この事件は連合軍が起こした物である可能性が非常に高い。しかも、その部隊
は一般の指揮系統には左右されず、戦艦とモビルスーツを持ち出すことが出来る、とても
優遇された存在だ」
 ジョゼフの目がいっそう鋭くなり、ジブリールを睨み付けた。
「フン、プラントの自作自演ということもあり得る」
「ほぅ、連合のダガーLをザフトが? それこそあり得ない話だろう」
 如何にも苦し紛れといった感じで毒づくジブリールと、冷静に彼を圧倒していくジョゼ
フ。議場にいる人間は、ジブリールの敗北と、ジョゼフの勝利を悟った。

 一方、基地の外ではファントムペインのネオ・ロアノーク大佐による作戦の最終チェッ
クが行われていた。
「シャトルの配置は全て完了しているな? あぁ、そうだ、その配置で良い」
 ネオはきびきびと指示を出しながら、今回の作戦に気乗りしない自分の心を紛らわせて
いる。
「ロアノーク大佐、パナマ派遣部隊から通信が入っております」
「スティングから? よし、繋いでくれ」
 恐らく作戦開始前の挨拶であろうが、もしかすれば部隊で何か問題が起こったのかも知
れない。決して仲の悪い三人ではないが、自分が居ないとまとまりを欠くこともある。
『よぅ、ネオ! そっちはどうだよ?』
 しかし、そんな心配は無用だったようで、通信機越しのスティングの声は至って気楽な
物だった。

349:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:39:47
「こっちは滞りなく進んでいるよ。そっちはどうだ? 俺が居ないからって喧嘩でもして
るんじゃないだろうな?」
『ばーか、俺達だってもうガキじゃねぇんだ。そんなことしねぇよ。……まあでも強いて
言えば』
「何かあったのか?」
 ネオの仮面に隠れた表情が一瞬険しい物になるが、スティングは軽く笑って、
『ステラがお前に会えなくて寂しがってるぜ。ネオー、ネオー、ってな。帰ったらタップ
リ構ってやれよ?』
「フフ、ハハハッ! なんだ、そんなことか。判ってるよ、帰ってきたらステラをタップ
リ可愛がってやる。お前とアウルにもメシでも奢って」
『いっとくが、ステラにイヤらしいことはすんなよ、おっさん』
「おっさんじゃない! お前、なんてこといいやがる!」
『構ってやれっといったのに、可愛がってやると返すところが、おっさん臭いんだよ。し
かもエロ親父の部類だな』
「お、お前なぁ!」
 そんなやりとりが少し続いたが、決してこの二人の仲は悪くない。むしろ、ファントム
ペインの中でも良好な部類に入り、スティングたちはネオを慕っている。
『まあ、そういうわけでこっちは俺に任せろ。おっさんも、そっちで頑張れよ?』
「だから、おっさんじゃないと何度言えば―」
『じゃーなー、アウルが呼んでるわ』
 一方的にスティングに通信を切られ、ネオは少しの間憮然とした表情をしていた。まっ
たく自分は仮面を付けていたよかった。おっさんと連呼されて、結構傷ついているという
事実を、周りに悟られないのだから。
「さて……後は、ザフトの皆さんの到着を待つばかりだ。上手く餌は流したんだ、精々派
手に食らいついてくれないと困るぜ?」


350:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:40:52
「皆さん、今度の事件を私は良い機会だと思っております」
 総会はいよいよ終盤を迎えていた。ジョゼフは最後の締めとして、熱弁を振るう。
「これからは地球もプラントも武器を捨て、対話による解決を目指す。それこそが平和へ
の大いなる一歩だと、私は確信しております!」
 議場から盛大な拍手が巻き起こる。あのジブリールでさえ拍手をしている。
 ジョゼフは満足しきっていた。時代は変わる、自分の理想、平和への道へと。時間は掛
かるかも知れない、しかし、それがなんだというのだ。時間をかけてえられる平和ほどあ
りがたい物はないではないか。
「皆さん、私は賛同してくださる皆さんを心から―」
 この時、ジョゼフはたった一つだけ、考え違いをしていた。
 確かに時代を変えることは可能だ。長い目で見て平和を作っていくことも、不可能では
ない。だが、世界を動かすにはもっと単純で、変革させるにはとても有効な手段があった。
それは、武力によるクーデターという物だった。

「……来たか!」
 宇宙より降下し、真っ直ぐとこちら向かってくる戦艦を確認したネオは、それが見知っ
た戦艦であることを知り苦笑した。
「つくづく縁があるらしいな……奴らとは」
「大佐、すぐに警報を出しますか?」
「いや、ギリギリまで待て……奴らに先に仕掛けされるんだ」
 その上で警報を流す。総会出席者は面食らって肝を冷やすだろう。
「ここまでは計画通り……後は時代が俺達を受け入れるかということだけだ」
 C.E73年10月末日。歴史は今、新たな時代を迎えようとしている。

                               つづく

351:運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU
07/03/04 22:42:09
第4話。
予定では今回で戦闘シーンまで持って行くつもりだったのですが、
予想以上に長くなったと感じたので、とりあえずはここまで。
この先の展開、このスレにいる皆さんはもう判っちゃったと思います。、
どうだったでしょうか?
今のところ全然活躍していないロッシェや、どこに行ったのかも定かではない
オデルですが、そのうち活躍予定なのでもうしばらくお待ち下さい。

352:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 22:43:12
こ、これは流血へのシナリオ!?
GJ!

353:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 22:57:25
GJ

コープランド大統領閣下の死亡フラグが強烈過ぎるw
彼がノベンタ元帥なわけだな

ジブリがトレーズでネオがレディ。

ミネルバ隊がテロリストのガンダムパイロット役と。

と言う事はシンが心ならずとも戦争への引き金を引いてしまう
ヒイロ役なわけですね!
続きが気になります

354:通常の名無しさんの3倍
07/03/04 23:30:34
GJ!
シンに特大のトラウマが出来そうな予感…
ガクブルしながら続きをまってます。

355:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 01:14:15
あぁ~、これはなぁ~
ヒイロは自爆とか被害者家族のとこ行ったりしてたけど
シンは軍人だからそんなことできないしな……

356:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 03:00:09
若者よ、早まるな...

357:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 06:52:20
GJ!
しかしこの死亡フラグっぷりは・・・
大統領逃げて!超逃げて!
あぁでも、逃亡者は抹殺か・・・

358:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 07:37:38
ハッ、早まるな、若者よ!
いやぁ、上手い上手い。これは実に上手い。GJです、

359:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 10:20:13
しかしあくまで一テロリストに過ぎないW主人公ズはともかくとして、
国家の諜報機関だというのに騙され過ぎな無能っぷりと
シンですら想定出来ることを想像も出来ん最高評議会の無能っぷりがたまらんw
デスティニープランを全否定するわけじゃないが遺伝子で選別したの、
やっぱ拙かったんじゃない?と思っちゃうなww

360:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 10:29:59
>>357
大統領には無限コンテナを持つパワードスーツがあるさ。

361:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 12:44:02
テロに襲われる大統領といえばエアフォースワン
映画エアフォースワンみたいな大活躍してくれたら惚れる

362:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 12:58:53
GJ!!
>>359
激しく同意!
デュランダルはDP云々以前に、こんなアホしか選別しないコンピュータを疑えよ。

363:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 13:43:47
もしかしたら議長はこれをきっかけにDPの構想をボツにして新しいプランを考えたりして

364:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 14:17:40
最高評議会の連中って、基本的にナチュ蔑視をいまだに強く持ってる典型的な高慢なエリートコーディだと思うんだよな
だから基本ナチュラルを舐めてるし、物事を自分達の都合良く運ぶもんだと考えてる節が見受けられる
シンはコーディの中でも唯一と言っていいほど、ナチュラルに対する偏見を全く持たない奴だから、かえって本質をとらえられたのかも

365:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 17:03:17
>>364
シンが生まれながらのエリートじゃないのもあるけど、そこら辺はオーブで育ったお陰なんだろうな。
もう少し外交面に気を使えば、ナチュとコーディが共存している稀有な国として、
世界の目指すべき指標の一つにもなれただろうに、
自爆ショーなんてテロリストぐらいしか選択しちゃいけない選択を国家レベルでしちゃったからなぁ。
シンも絶望しちゃう筈だよ、ほんと。

366:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 17:59:02
評議会の連中は仮に今回の事で戦争が起こっても『卑劣なナチュラル』に責任押し付けて終了な気がする。

367:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 18:23:17
>>366
知識はあっても知恵が足りないのがプラント政界ということだ罠

368:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 19:58:08
>>367
彼らは生粋の政治家じゃないからな、本業の片手間にやってるみたいなもんだ。

369:通常の名無しさんの3倍
07/03/05 20:20:14
>>368
そうだよな。プラント政界は遺伝子適性で選ばれるんだから
彼等が本業を持っているのは自然だよな。


考えて見たんだがプラントの諜報部は遺伝子適性関係あるのか?
ガチでオトリ情報に簡単に釣られる無能なんじゃね?


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