ジオン公国が種・種死世界にきたら-ギレンの野望at SHAR
ジオン公国が種・種死世界にきたら-ギレンの野望 - 暇つぶし2ch563:51
07/03/18 20:48:12
21-3(1/2)

 その頃、アフリカ侵攻軍が残留していたカイロでは、ガルマがある人物を迎えていた。
 そこには黒いパイロットスーツを着た3名の士官が、ガルマに敬礼しながらたたずんでいる。
「ミゲル・ガイア大尉以下2名、着任を報告いたします」
「よく来てくれた大尉」
 ガルマは男たちに手を差し出すと、大尉と呼ばれた男はおもむろにガルマの手を握った。
「“黒い三連星”の到着を心待ちにしていたぞ」
 彼等は、ジオン屈指のMS小隊である。世界樹戦役において、ジェットストリームアタックと
呼ばれる攻撃フォーメーションで連合側の部隊に攻撃を敢行、連合軍第八艦隊の司令官であった
ハルバートン提督の乗るメネラオスを撃破し、脱出を試みたハルバートンを捕虜にした功績を持つ。
 そんな小隊のリーダーがこのガイア大尉であり、マッシュ、オルテガ両中尉を含めた3人は
“黒い三連星”の名で呼ばれていた。
「諸君等“黒い三連星”の戦歴に加えて、新型MSがあるとなると、優に機甲一個師団の戦力にも優る」
「あてにしてもらいたいですな。マ・クベ参謀」
「働いて見せますよ」
「四つ足なんざ、ひとひねりだ」
 ガルマは新型MSの書類に目を通すと、その出来ばえに感嘆する。
「陸戦用重MS“ドム”か」
 “ドム”―ツィマッド社が開発した重MSだ。脚部にホバーユニットを有し、高速移動が
可能で陸戦用MSとしての機動力を格段に向上させている。本来はもっと早期に投入されるはず
であったが、ホバーに問題が発生していた。
「ホバーユニットは大丈夫なのか?」
「ツィマッド社によれば問題無いとの事です」
「……ならばいい。さて、着任早々で悪いが、貴官等にやってもらいたいことがある」
 ガルマは視線を戻すと、ガイア達に向き合った。
「我々は、近々バナディーヤに侵攻する。その際、我々の侵攻に対し、ビクトリア側から妨害を
受ける恐れがある。そこで、貴官達にキンバライト基地を落としてもらいたい」
「キンバライト基地……ですか」
 キンバライト基地は、キリマンジェロの南西に位置するレーザー用ダイヤモンド採掘鉱山跡に
設営したジオンの前線基地であった。ビクトリア攻略の橋頭堡にするはずだったが、“砂漠の虎”
の襲撃に合い占領され、今はザフトの前線基地になっていた。
「貴官等はザク一個小隊と共に、キリマンジェロにいるノイエン・ビッター少将の下に向かってくれ」
「了解しました」

564:51
07/03/18 20:49:19
21-3(2/2)

「よろしかったのですか」
 “三連星”が出て行くと、マ・クベはガルマに言う。
「バナディーヤのことか?」
「バナディーヤ攻略に、“黒い三連星”の力は不可欠と思われます」
「そうだろうな―」
 頷きながらもガルマは真っ直ぐ前を見ている。
「―しかし、彼らは陸戦の経験が無い。ドムもどれ程の物か未知数だ。それに“三連星”と言えど、
初陣で“砂漠の虎”と相対するのは酷だろう」

 ガイア達は愛機の待つギャロップへ向かうと、物珍しそうにドムを眺めている若い下士官を見つける。
「どうした。コイツが気になるのか?」
 驚いた表情で下士官はガイア達を見ると敬礼をする。
「お前がこのザクのパイロットか」
「はい、そうです。ガイア大尉」
「俺を知っているか……」
「当然です。そしてそちらがオルテガ中尉とマッシュ中尉」
 エースパイロットである自分達に、目を輝かせている。
「自分はフレデリック・ブラウン軍曹です! 会えて光栄であります!!」
「うむ。出迎えご苦労」
「バルク大尉がお待ちです。こちらへ……」
 かくして、“黒い三連星”と新型MS“ドム”はアフリカの大地に降り立つのであった。

565:51
07/03/18 20:51:41
皆様のリクエストにお答えしました。

誤字修正
>ガイア達は愛機の待つギャロップへ向かうと、物珍しそうにドムを眺めている若い下士官を見つける。
ギャロップじゃなくてファットアンクルだった
直そうと思ってたのに・・・orz

566:通常の名無しさんの3倍
07/03/18 20:57:31
たまげた…







まさか『戦記』のブラウンが出てくるとは…

567:通常の名無しさんの3倍
07/03/18 21:04:28
とうとうジオン脅威のメカニズムが本領発揮しましたなw

568:通常の名無しさんの3倍
07/03/18 21:11:35
うわー渋いとこつくねw

569:通常の名無しさんの3倍
07/03/18 21:48:57
MS戦記のキャラがさりげなく出てるw

GJ

570:通常の名無しさんの3倍
07/03/18 22:44:19
GJ

>「ホバーユニットは大丈夫なのか?」
>「ツィマッド社によれば問題無いとの事です」
何故かヅダを連想してしまった・・・

571:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 00:43:31
GJ!!
イキナリ最前線に投入せずに慣らしをさせるのはイイ判断だと思う。

にしてもMS戦記のブラウンが登場とは。 SS全体でも初出じゃないかな。

572:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 00:57:45
マ・クベにしろ三連星にしろ、キシリアは随分とガルマに良い駒をまわしてるな
あぁ、ドズルもラル隊とかまわしてたか

573:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 01:49:14
ホバーがついに実用化~うれしい。
しかし動力がバッテリーだから稼働時間が著しく制限されそう。
あるいは巡航及び最高速度が基本設定より下だったりして。

>>553
>>554
こうして見るとアクシズ落としと変わらない被害だとわかる。
落とす時には既に半壊しているユニウスセブンにそこまでの威力があるのか疑問。

>>561
ザフトの勢力圏に落ちたという記述は見当たらなかった。

574:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 01:52:28
>ザフトの勢力圏に落ちたという記述は見当たらなかった

いやオーストラリアに落ちたことにしたほうがプラント宣戦布告の理由にもなるかと思っただけ

575:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 02:01:34
感情面(ユニウス落としはプラントから見たジオンの裏切り行為)だけでなく、
ザフトへの実害も付け加えた方が良いのではないか、と言うことか。

576:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 07:46:25 A5izlR3G
ドムキター

熱核ホバーの代わりに何を使った?

何にせよGJ!

577:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 11:31:17
ザフトはコロニー落としの後、地球に降下したはず。
コロニーの落ちた位置や被害だが、ストーリー上重要なパナマも近いし、
別の位置に変更したほうが最善ではないかとマジ思えてきた。
位置が無理でも被害パーセントは下げたほうが。

しかしこっちのジオンは原作より有利に戦いを進められそうだ。
まず第一に地球が連邦ではなく連合だという事。
大西洋連邦、ユーラシア連合、東アジア共和国といった国の指揮系統、
及び統制が地球連邦の場合と比べてとりにくい。
次に無秩序に戦線が拡大していない。
原作では多方面作戦を行ってしまったが、こちらでは欧州大陸、中東、
北アフリカに勢力圏が限定されており国力の消耗が少ない。
最後に連合という性質上、連合構成国を切り崩しやすい。
原作の場合地球連邦なので無理だったが、こちらでは主権国家の集まりなので
交渉と戦果次第では、相手国と単独で講和できたり、日本といった構成国の一部
を連合から離脱させることも可能。

578:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 12:34:29
まさかブラウンが出てくるとは・・・・・・
GJ!

579:通常の名無しさんの3倍
07/03/19 12:59:22
関係ないけど後これにロイ・グリンウッドが加われば三元帥・・・ なんでもない

580:通常の名無しさんの3倍
07/03/21 09:30:13
ホス

581:51
07/03/21 13:17:00
21-4(1/2)

 一機のMSが歩哨に立っていた。ジンを砂漠戦用に改修したジン・オーカーである。
 歩哨についたジン・オーカーのパイロットは、音響センサーを調整しながら周囲を警戒
していた。そのセンサーが何かの機械音を捕らえると、姿を確認すべく機体をその方向に
向けてモノアイをズームする。そこで彼が見たのは、自機と同じジン・オーカーだった。
「おう、交代だ」
 接近してきたジン・オーカーはマシンガンを掲げながら声を掛けた。
「そんな時間か……なあ、何か新しいネタはないか?」
 長い間地球に残留していると、自然とプラントのゴシップに飢えてしまう。
「ラウ・ル・クルーゼが更迭されたらしいぞ」
「あの変態仮面がか? なにをやらかした?」
「分からん。ただ、評議会はカンカンらしい」
「詳しいな……ん?」
 雑談に花を咲かせていると、センサーに新たな機械音を捕らえた。
「何だ?」
「敵だ! 高速で接近する機体が三機……っ!!」
 その瞬間、彼らの周囲に爆炎が上がる。
「クソッたれ! すぐに援軍を……」
 その言葉を彼が最後まで発することはできなかった。なぜなら次の瞬間には彼のジン・
オーカーにバズーカが直撃したからだ。両機の最後を間近で見たもう一人は悲鳴を上げる
ように通信を入れた。
「て、敵だ! 司令部、ジオンが攻めてきたぞ!!」
 叫びながらマシンガンを敵機に連射する。三機のMSはいずれも見たことのないタイプ
だった。その重量感を無視した機動性は、バクゥより速いのではないか。
「冗談じゃない……っ!」
 圧倒的不利な状況では、逃亡という行為を取らざるえなかった。しかし、彼の乗る
ジン・オーカーでは“ドム”から逃げるには不可能だった。

582:51
07/03/21 13:18:45
21-4(2/2)

「今のが砂漠戦仕様か。我が軍のJ型と同性能といったところだな」
 ガイアは撃破したMSを品定めしながら、“ドム”のOSを調整した。
 この“ドム”は、開戦前から陸専用MSとして期待がかけられていた。ジオニック社との
開発争いをしているツィマッド社が、総力を挙げ仕上げた機体である。特にツィマッド社は、
開発した“ヅダ”がジオニック社の“ザク”にコンペで負けていた為、その力の入れ具合が
尋常ではなかった。
 ところがプラントとの開戦が“ドム”の開発を滞らせた。ザフト軍が地球連合に対し使用
したニュートロンジャマーが“ドム”の熱核ホバーに多大な影響を与えたのである。

 ―機動力を失った“ドム”は鈍重な的でしかない。

 焦ったツィマッド社は、“ドム”に代わる陸専用MS“イフリート”を急遽開発したものの、
結局はジオニック社の“グフ”が正式採用されてしまった。これでツィマッド社に残された
選択はジオニック社が手を出していなかった水中用MSの開発しかなかったのである。
 着実に地球降下作戦を進めるジオン公国軍だったが、リビア砂漠会戦が一つの転機となる。
“バクゥ”の登場である。コードネーム“四つ足”と呼ばれたこのMSは機動性と火力に
優れており、正面突撃を行う戦法は砂漠において圧倒的で、ジオニック社の“グフ”ですら
勝つ事は容易ではなかった。
 この事態を知ったツィマッド社は、改めて“ドム”の必要性を感じ取った。
 “ドム”を復活させるべく、解散したツィマッドの開発チームを呼び戻して、熱核ホバー
に代わる推進装置を模索する。しかし、事は容易にはいかない。停滞する地球侵攻に誰もが
焦る中で、開発陣にある話が飛び込んできた。L4宙域のスペースコロニー“メンデル”から、
一人のザフト兵を捕虜にし、その際に一機のMSを鹵獲したと言うのだ。それはザフト軍初の
水中用MS“グーン”にそっくりだった。どうやら地中移動用に改修した機体らしい。
 ツィマッド社はこのMSの分析を行った。すると、このMSには“スケイルモーター”と
呼ばれる推進装置があることを知る。この推進装置は表面に多数設置された微細な鱗状の
突起物を振動させ、土砂を液状化させる事で推進力を得る。また陸上のみに限らず、水上、
水中用の推進機関にも転用可能であった。推進装置ならばホバーに転用できないかと、“ドム”
開発陣は“スケイルモーター”に飛びついた。
 そして“ドム”は完成する。実現不可能とまで言われたホバー走行。それも改良したスケイル
モーターを使うことで、平野部で巡航速度200キロ、最高速度400キロ超えるものに仕上がった。
「来たな……“四つ足”」
 緊急通信を聞いて鉱山基地よりバクゥが出撃した。ガイアはそれを見ると合図を送る。
「オルテガッ! マッシュッ! ジェットストリームアタックだ!!」
「「オウッ!!」」
 この数時間後、ザフトが一ヶ月をかけて攻略したキンバライト鉱山基地は、“黒い三連星”の
活躍により陥落した。そしてそれは“ドム”の栄光への第一歩でもあった。

583:51
07/03/21 13:20:49
無理矢理な気もするが、開発秘話でした。


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