06/12/18 00:17:11
剣を振り切った姿勢のまま、斜め45度からのポーズを決めるシンの背後で、キラーアーマーが激しく爆散する。
もうもうと立ち込める土煙の中、シンは小さく呟く。
シン「ルナ、仇は討ったよ…」
ルナ「生きてるんですけど~?何浸ってんのよ」
アビー「痛恨の一撃を二連続で受けてもピンピンしてるなんて流石ルナですね」
ルナ「ふ、ZAFTの赤は伊達じゃないのよ?ミサ○ルの直撃を受けても包帯だけで全然OK!」
軽口を交わすシン達を呆然と見つめるネクロマンサー。目の前の光景が信じられなかった。
ネクロマンサー「馬鹿な…赤い三騎士がこうも簡単に…貴様ら、死に損ない共ではないのか!?」
うろたえるネクロマンサーへと、シンはその切っ先を向ける。逃がすつもりなど無かった。
シン「あとはアンタ一人だ。覚悟しろ!」
ルナ「テドンの村をやらせはしないわ!」
ネクロマンサー「おのれ…このままやられるものか!」
さまよう鎧程度ではこいつらを倒すことは出来ない。何か、強い怨念、無念が篭った武具があれば…!
焦るネクロマンサーだが、シン達が持つ「あるもの」の存在に気付き、口の端をにやりと吊り上げる。
ネクロマンサー「くくく…貴様ら、鎧の魔物の成り立ちを知っているか?」
シン「ハァ?何を訳のわからないことをゴチャゴチャと!」
ネクロマンサー「さまよう鎧は戦いで倒れた戦士の怨念、嘆きが込められた鎧が魔物と化したものだ」
シン「だったら何だよ!」
叫ぶシンの背後で、がちゃりと金属の擦れ合う音が聞こえる。
シン「何だ?」
振り向いたシンの前で、道具袋から錆付いた鎧と兜が飛び出してきた!
アビー「あれは…さっき川で拾った刃の鎧?」
ルナ「思い切り存在を忘れていたけど、呪いの兜も!」
ネクロマンサー「あの鎧はかつて、この地で魔物と戦い死んでいった戦士の物!」
刃の鎧は何かに操られるように宙を舞い、人型へと組まれていく。
ネクロマンサー「その無念、嘆き、我が利用させてもらうぞ!」
最後に兜が組み合わさり、鎧の魔物は完成した。がらんどうの兜の奥に、ぼうっと蒼い燐光が灯る。
シン「何なんだよ、こいつ!」
アビー「冷静に考えると、良くあんなもの袋に入ってましたね」
シン「そんな事どうでもいいだろ!クソッ、アイツ…」
魔物に破れ、命を落とした者の魂さえ弄ぶネクロマンサー。許せるはずが無かった。
ネクロマンサー「地上最強と言われる刃の鎧、先程のようには行かんぞ!」
キラーアーマーの剣を手に、じりじりと間合いを詰めてくる刃の鎧。
シン達も剣を握りなおし、未知なる敵を迎え撃つ!