06/12/13 20:10:33
**「 …あ、大きな星が付いたり消えたりしている。彗星かな?いや、違う、違うな。彗星はもっとこう、バーッて動くもんなぁ」
レイ(…ん?)
突然の声に振り向いたレイの目に、若草色の髪をした少年が飛び込んでくる。
**「暑苦しいなあ、ここ。出られないのかな。おーい出してくださいよ、ねえ」
レイ(気配は無かった…いつの間に来たのだ?いや、本当に『来た』のか?)
**「月も星もあんなに綺麗ですよ。そう思いませんか?貴方も」
問いかける少年の顔は月明かりのせいだろうか、不自然なほどに青白い。
レイ「…ええ、いい夜ですね。こんな夜には静かにピアノを奏でたくなります」
**「貴方もピアノを!?嬉しいなぁ、僕も好きなんですよ、ピアノ。あ、僕はニコル。ニコル・アマルフィです」
レイ「ええ、少しだけですが。私はレイ・ザ・バレル」
ニコル「よろしく、レイ。いつか貴方にも僕の演奏を聞いてもらいたいなぁ」
そう言ってニコルはレイに手を差し出した。その笑顔が少し寂しげに見えたのは、気のせいだろうか?
レイ「我々はオーブを求めて旅をしています。この村にそのオーブがあると聞いていたのですが…」
ニコル「…確かに、この村は代々『グリーンオーブ』を守護してきました」
ニコル「このオーブは世界の希望。いつかコレを相応しい人物に託すために…ッ!?」
風が変わった。レイがそう感じた瞬間、ニコルの顔に緊張が走る。
ニコル「…どうやら、魔物が村に近づいているようです」
ニコル「オーブを奪われる訳には行きません!ここは戦場になります。貴方達は早く非難を!」
レイ「いえ、我らも戦います。…大丈夫、彼らは強い。魔物などに負けはしません」
一方その頃。
シン「レイのヤツ、何処行ったんだろ?」
ルナ「フラッっと居なくなっちゃったのよね~。レイにしては珍しくない?」
アビー「普段リーダーとしてPTを纏めてますからね。こういう事は確かに珍しいかも」
シン「いや、リーダーは俺だと(ry」
アビー「それにしてもこの村、結構変わってるますよね。もう夜なのに平気で子供が出歩いてるし」
シン「最後まで言わせろよ!!」
ルナ「最近は子供も夜型になってるからねぇ。マユちゃんもこっそり夜遊びとか…」
シン「マユはそんなことしないッ!!!!」
ルナ「や、や~ねぇ、冗談よ冗談。ちょっと過剰反応しすぎじゃない?」
アビー「仕方ないですよ、シンはシスコンですし。それはそうと、何だか表が騒がしいような」
シン「さらりと酷いこと言うよな、アビーって…」
**「た、大変だー!!」
部屋のドアが勢いよく開けられ、宿の主人が引きつった顔で飛び込んでくる。
ルナ「どうしたの!」
**「ま、魔物の群れが村を襲っている!男たちが立ち向かっているが、数が多くて…」
シン「何だって!?ええい、行くぞ皆!」