06/08/16 23:59:47
シン「判った。ありがたく、使わせてもらうよ」
カガリ「ああ。お前たちの旅の無事を祈っている。…死ぬなよ」
シン「アンタこそ、少しは女王らしくなれよ!…元気でな!」
※「よろしいのですか、カガリ様?貴方も本当は、共に冒険に行きたいのではと思いましたが…」
シン達が席をはずした後、側近の一人がカガリへそっと耳打ちする。
子供の頃からカガリの守役だった男だ。カガリの性格など、お見通しなのだろう。
カガリ「…私には、ここでするべきことがある。この国を護る、責任がある」
カガリ「だから、私の冒険は、もう終わりだ。未熟な王だが、これからも、よろしく頼む」
カガリ(短い間だったが、お前たちとの冒険は楽しかったぞ…シン、レイ、ルナ、アビー)
風を受け、カケミカズチが大きく帆を広げる。
オーブの光に導かれて、船はゆっくりと南西へと進み始めた。
イヨ「兄ちゃーーーーーーーーーーーーん!!」
黒髪を揺らして、岬を走る影がある。
岬の先端まで走り、イヨは大きく手を振る。
イヨ「兄ちゃん、ありがとーーーーーーーーーーーーーー!!」
シン「元気でなーーーーーーーーーーー!!」
タケミカズチが見えなくなるまで、黒髪の少女は手を振り続けた。
「…来るのですね」
世界の片隅に、雪と氷に閉ざされた古の祠がある。
その祠には中央に大きな祭壇と、その周りを取り囲む6色の台座があった。
祭られているのは…タマゴ、だろうか?これほど巨大な卵が存在するとしたら、だが。
祭壇の前で、魔法の光に照らされて、娘はそっと呟く。
「来るって、誰が?ひょっとして、アスラン?」
隣から、もう一つ声が聞こえる。二つの声は、とてもよく似ていた。
声だけではない。その二人は、鏡合わせのようにそっくりだった。
流れるような桃色の髪も、双眸も。…ただ一つ、二つの膨らみを除いては。
胸の小さ、いや細身の娘が答える。
「凸ではありませんわ」
「…大きな運命を背負う者。神の翼の、主となるべき者が」
光の指し示す先に、どんな運命が待っているのか。
オーブの輝きに導かれて、シン達は暁の海へと旅立った!
だいぶ長くなってしまいましたが、これでジパング編は終了です。
この先の冒険は、22氏にお任せしたいと思います。
では皆様、お疲れ様でした。