07/04/21 17:33:50 0
過去に自分を暗殺しようと罠にはめた男の似顔絵を
シャクヤに見せるルシン。
その日は彼の記憶が戻ったことから、五大家の会議が開かれることになっていた。
五大家とは龍のオアシスに黎明期から住まう５つの家系のこと。
オアシスの繁栄のため、先祖達は調和と均衡を重んじた。
つまり龍の伴侶は、この五大家から順繰りに差し出される。
意味のあることでも、自分の代での反映を考えるような人間には、しびれの切れるしきたりでもある。
会議は三日月の、ひいては緑陰の砂嵐との関連性を探ること。
会議の上座に座る母、やがては自分が座る席。
五大家とて、けして互いに和気藹々なわけでもない。
その想いに成長しないといけないと思うシャクヤだった。
その頃、非番のルピナは町に来ていた。
そこでドジっ子の小間物屋と知り合う。偶然の出会いではあったが、
彼女は相手がルシンを襲った男と知らず、男はルピナが龍の宮の関係者と知っていた。
シャクヤの事を聞かれ、侍女を志願して面接を受けた時の思い出を話すルピナ。
妹みたいと話す彼女に、僕にもそういう人がいると話す小間物屋。
その人の事を（小間物屋の）元締めと言い、強くて威圧的で時々鬼みたいだけど、
家族でもある、…とても大切な、と言葉にしながら、
「そこにしか帰る場所はない--」そう話す彼の表情に、立ち入るのはやめておこうと思うルピナ。
別れ際に彼から、店で売っている髪飾りをもらうのだった。