07/04/27 14:08:37 0
新九郎の周囲の景色が突然変わった。
天狗の姿が歪み、周囲は森に変わった。
急激な変化にふらつき、尻餅をつくように座り込む新九郎。
呆然としていると五郎太が声をかけてきた。
新九郎はおじゃる様の中から五郎太を知っていたので
「可愛いな」と撫でまわし、物が触れる現実に戻ったことを感じる。
五郎太から現八郎の最期が伝えられる。
現八郎はただ、新九郎と肩を並べてあゆみたかっただけだった。
いつしかそれを忘れ道を間違え、多くの人を苦しめたことに思いを馳せる。
そして呪文を唱え、現八郎は己が体に刀をつきたてたのだった。
残ったのは現八郎の着物と、それを貫いた刀だけ。
涙を浮かべ、着物にすがる新九郎。
八重が戻る前に離れろ、お前を手下にしようとするかもしれない、
手に負えるかどうか判らない、と現八郎は伝言を残していた。
五郎太は早く逃げようというか、新九郎は八重を迎え撃った。
新九郎は呪文で八重を押さえ込むが、八重は自分の体を潰し、
首だけになって逃げ出した。
八重の悪意と執念に恐怖を覚える新九郎。
「骨さえ揃えば」という八重の捨て台詞が気になる。
とりあえず、一番近い百原へ案内するよう五郎太へ頼む。
すずを心配する新九郎。
普通の人の身では、今すずがいる勝貞の領地までは遠い。
そして自分が抜けたおじゃる様はどうしているのか…