07/04/27 13:14:30 0
鉄の仮面が割れた。サニンが初めて見た空は紅い色だった。
サニンに操られて毒を飲まされた王は、まだ息があった
牢から出てきたサニンは王を見下ろす。
以前、サニンが暗殺計画を察知したとき、サニンは何の罪もない王妃もその一員として伝えた。
王は自分を蔑んでいた王妃を喜んで処刑した。
「あなたは邪魔者や気に食わないものを排除するために僕を作った。
役に立てて光栄にございます父上」
サニンは薄ら笑いを浮かべる。
王はサニンが龍になると思っていたようだが、サニンは自分は龍力をもっただけの人間だという。
龍に変化できるのは---
カナンが姿を消して一ヶ月。
ラムカはツェマレプの町の、なじみの店に来ていた。
店の女が呆れた顔で言う。
「よくうちだってわかったわねー、匂いでもついてた?」
通されたカナンの部屋にあったのは、チュミの人形と秋祭りのとき買ってやった櫛だけ。
呼び出されたカナンは、何故ここがわかったのかと驚く。
ラムカはカナンがラモ山に金を返しに行くだろうと探していたのだが、
追いつけずおかしいと感じて引き返す道中で
カナンらしい娘に治療費を立て替えてもらったという家族にであった。
(カナン自体は道に迷っていた)
金が足りなくなれば働くだろう、と考えたラムカは、
そこから一番近くてカナンも知っているこの店に来たのだった。
ラムカはカナンに王宮の地下でのこと、サニンのこと、本物のカナンのことを話すようにいう。