エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら~参号機at EVA
エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら~参号機 - 暇つぶし2ch708:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/08 23:06:39
急にして超展開自体もさる事ながら、ゲンドウざまぁwwwwwwwだけで
ご飯三杯はイケるGJですた。
種死系のSSでラクシズが報いを受けるタイプの噺を読んだ時に似た
溜飲の下がり方というか。
ただあちらだとファンも多いのであまり喝采していると反発もあるわけだが。
エヴァの改変・クロスものはこのスレのしか読んでいないのでわからないのだが
他にもこういう見せ場を持ってくるSSはあるの?

709:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/08 23:55:25
最初に言っておく。
以下の発言は、かーなーり、板違いだ。

>>708
ラクシズを憎むのも結構だが、ラクシズが虐殺されるのを見て拍手喝采するのって
結局あんたは負債と同じレベルってことだぞ?

710:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/08 23:59:27
まったくスレと関係ない作品挙げてる時点でもう救い様の無い種アンチとしかね…
空気読むことと場所を選ぶことを覚えろと

711:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:11:25
>>709-710
俺はボインちゃんが大好きでな!

712:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:23:54
>686
ネオゲに奥さん出てたっけ?

713:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:25:17
>>709
別に虐殺だとか書いてないんだがお前さんも過剰反応気味だぞ。

714:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:26:21
ロンギヌスランサーで盛大に吹いたところでド肝を抜く急展開。
予想とか無粋以前に不可能。もはや次回を待つだけの俎上の鯉。

715:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:41:36
>>713
ごめんね、侑斗も心の中じゃ皆に謝りたいと思ってる。

[ ゜◇ ゜]⊃[>@<]  デネブキャンディーだ!これから皆仲良くしてね。

716:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:50:24
漫画の竜馬は真ゲッターの啓示をあっさり受け入れて、全てを取り込み
火星に飛び立つという補完計画の親戚みたいな挙に出て、またゲッペラーを
司っているのもどうやら本人らしいが、正直違和感があると言ったらドワオされるだろうか。
個人的には反骨心剥き出しで果てしない戦いを挑む新の方がまだ納得がいくのだが、
ここの竜馬はどんな選択をしたのか…

717:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:53:51
>>712
出てないお
奥さん出てくるのはアークの回想シーンのみ

718:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 00:59:57
>>716
「あの竜馬を納得させるだけのすげえ真理があったんだろうなあ、すげえぜ賢ちゃん!」って思ってました。ごめんなさい。

719:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 01:13:52
>>716
全てを取り込みつーほどじゃないような。みんな持っていってしまったとシュワルツは
言ったけどアークみれば持っていったもののほうが少ないとおもう。
恐竜帝国も存在してたし。

720:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 01:14:39
>>716
ゲッター線なんか凄いからちょっとノリノリだっただけだと思ってる
運命に従うのも運命なら逆らうのも運命とかいってたのもその場のノリだろう
基本的にテンションに任せて行動してたイメージがある

721:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 01:32:17
原作じゃ竜馬死んでしまったん?

後「俺達の闘いはこれからだ」ENDにはならんでしょ。

722:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 01:34:59
>>721
何をもって原作というのか難しいからなあ・・・できれば具体的なタイトルを挙げてくれると皆判り易い。

竜馬が死んだENDの作品ってあったっけ?

723:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 02:36:30
桜多吾作が手がけたコミカライズでは、最終回でゲッターGが百鬼要塞島ごと
自爆して百鬼一族全員道連れに三人とも死んで終わったバージョンがあるそうな。
ちなみに掲載誌は小学二年生か三年生だったはず……

724:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 03:07:56
そして永遠に出番のない来栖丈・・・

725:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 06:27:46
>>723
それは大都社の決戦!ゲッターロボGに載ってるぜ。
ゲッターチームがゲッター線増幅装置を早乙女研究所から奪って百鬼要塞島へ特攻して死んでしまう最期。
しかも小学三年生連載。あの人は石川賢とは別の方向でとんでもない才能の持ち主だな。

726:名無しさん氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 06:56:45
>>716
同感です。だから、私は新の竜馬が一番好きなんですよ。新ゲも終わり方は虚無ってるけど
なんとなくきれいにまとまっているし。新ゲがOVAでは一番好きです。

727:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 19:55:23
>>718
アレじゃね? ゲッター線が正直に「時天空ぶっ殺さないと宇宙がヤバイから協力しろ」って竜馬に言ったんじゃないの。

728:つづき
07/11/09 20:50:22
「あなた、落ち着いてください。今から、真実を明かします」

 レイが立った。
 彼女はゆっくりと顔をシンジへむけていう。

「シンジ……これから話すことは、とても大事なこと。今は受け入れられなくても、けっ
して耳を塞がずに聞いて」

 と、つらつら話すレイにシンジが待ったをかける。

「ちょっと、待ってよ……綾波が母さんって、どういうことなんだ」
「おねがい聞いて、シンジ。人類補完計画を止めなければ、世界が滅んでしまう」

 レイがいった。
 ここから先は、彼女にかわって代筆しよう。
 レイ……いや、ここでは彼女をユイと呼ぼう。
 ユイのいうとおり、この世界は未来において滅んでいる。
 その理由は、以下に説明する長い経緯によるものとなる。

 さて。
 A.Tフィールドというものが何度も登場してきたが、これは単なる物理障壁ではない。
 わかりにくいが、いってみれば心の壁を具現化した存在なのだ。他者を拒否したいとい
う心の防壁が、現実のものとなって世に現れたと思えばいい。
 エヴァやシトだけでなく、全ての生命がもっている。物質化できるほどに強力なのが上の二体なだけだ。

 これこそがヒトや、その他の生物の自我と肉体のカタチを構成するために不可欠のもの
であって、それが根本から失われるとアンチA.Tフィールドが発生して、その生物はLCL
(羊水に近い物質)なる原始の生命に還ってしまう。
 壁があるからこそ、他者との差ができ、よってカタチも造られるのだという。
 生きようという意思もあらわれるのだという。

729:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:51:35
 そして今、ゲッター1が持ってきたロンギヌスの槍。
 いつの頃から地球圏に存在するこの槍は、そのA.Tフィールドを根本から失わせる力があった。

 この世界が終局をむかえるとき、ゼーレは初号機を中心に一二体の量産型エヴァを、オ
リジナル一本と、一二本にコピーしたロンギヌスの槍で、一斉に処刑した。
 これによって地球の全土に、巨大なアンチA.Tフィールドが発生し、ヒトを含めた全生
命体をLCLへと還して計画は遂行されたのである。

 この、エヴァの元となったのがリリスとアダムだ。

 リリスは、この世界にあっては人類の始祖とされていた。
 その肉体のコピーが、エヴァンゲリオン初号機である。制御の効かないリリスの代わり
であり、これに選ばれた子(シンジのこと)を乗せて動かし、最終的にロンギヌスの槍に
よってアンチA.Tフィールドを発生させるための、柱であった。
 なお、この魂を碇ユイのクローンに移植したものが綾波レイの正体である。
 
 その他のエヴァは、加持がとどけたあのアダムのコピーだ。
 アダムとはなにか。
 それははるか数億年のむかし、リリスに地球での生存権を奪われ、月に隔離されて永い
時を眠りについやした現在の地球にすむ生命体とは、別個の生命体の始祖であった

 初号機以外のエヴァは、アダムからコピーされたヒトのしもべに過ぎない。
 いけにえとなる地球生命は、ひとつでいいのである。
 ほかは、いわゆる王の埋葬の際の副葬的な存在だと考えていい。

 アダムは生存権の獲得に敗北して、月で眠りについていたが、それでも地球による生存
を諦めなかった。
 数億年の時を経て、かれは再び地球に舞い戻り、リリスから生存権を奪い返すべく戦い
を仕掛けてくる。
 だが、すでにこのとき地球にはその子孫の中で最大の知識をもつ生命体、人類がいた。
 そしてアダムが最初に遭遇した人類こそゼーレ、そしてそれと深い関連をもつユイだっ
たのである。

730:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:53:16
 ゼーレはアダムを捕獲するべくロンギヌスの槍を持ち出してかれを突いたが、予想以上
にアダムの発生するアンチA.Tフィールドが強大になり、当時その舞台だった南極をLCLの
海と化し、さらに余波で世界中に爆風の大打撃を与えた。
 これがセカンド・インパクトの正体である。

 アダムはこれにより、胎児にまで還元してしまい自分で動く力を失った。
 そして、しぶとく生き残ったゼーレに捕獲されることとなる。

 ちなみに、これまで現れたシトの正体についても言及しておこう。
 それはセカンド・インパクトによって胎児に還ってしまったアダムの、新たな抵抗の手
段であった。

 アダム自身には、すでに戦う力がない。
 そこで、月に残したみずからの眠り場所、月のジオフロント「白い月」から子供たちを
呼び寄せてリリス、そして人類、地球生命体を打倒しようと考えた。
 それが、今まで戦ったシトの正体である。
 かれらは人類の始祖との生存競争に、負けてしまった者の末裔なのだ。

 ともかく、リリスの分身・初号機を核に、副葬としてアダムの分身、初号機以外のエヴ
ァを用いて、世界中を巻き込むアンチA.Tフィールドの発生……サード・インパクトを起
こして地球生命体をLCLと化させ、地球のジオフロント、つまり黒き月に融合させて新た
な生命とする。

 ここまでがゼーレの計画であった。
 だが、神にしょく罪せねばならないという妄想にかられるゼーレと違い、ユイの目的は
さらにその上をいっていた。

 黒き月に人類を融合させて神へしょく罪するのではなく、リリスのコピー、初号機その
ものに融合させ、人類みずから神となって宇宙を永遠にさまようことを企んだ。
 それで人類の記憶が永遠たりえると考えたのだ。
 そのために、自らがエヴァ初号機と一体となり、さらにその思考の支配下にゲンドウを
おいて、間接的に息子を自分の中へ乗せるように仕組んだ。

731:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:54:24
 ゼーレ案とユイ案は最後まで拮抗したが、最終的にはユイ案が打ち勝ち、人類、そして
地球生命体はエヴァ初号機と共に神となり、永遠に宇宙をさまようこととなる。 

 ともかく……これが、現行の地球生命体が滅亡した未来の出来事だった。
 ユイは満足だったであろう。
 なにしろ、己が願いを果たして永遠の命となって宇宙をさまようことができるようにな
ったのだから。

 だが。
 それをよしとしない存在があった。
 ゲッター線である。
 これはリツコも調べていたとおり、ただのエネルギーではない。
 意思がある。
 はるかな時空の先にある「大いなる意思」と呼ばれる存在によって生み出されたエネル
ギーだった。

 なお、この物語では「時空」は「次元」と考えてもらっていい。
 たとえばこのシンジたちのいる宇宙と、竜馬や将造の宇宙は、別の時空にある宇宙同士
である。
 本来は、平行世界であり干渉することはできない。

 その大いなる意思は、ひとつの宇宙に君臨する神を超越する存在だ。ゆえにすべての時
空に干渉する力をもっていた。
 だが、その彼らも存在の消滅の危機にひんしていた。

 かれらをおびやかした敵の名を「時天空」という。

 時空を超えた宇宙の外からやってくる、ほぼ無限の浸食体と大いなる意思は判断した。
 宇宙のすべてを司ることのできるかれらにも、どれほどの大きさがあるのか、わからな
いほど、途方のない敵だった。

732:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:55:27
 明らかなのは放っておけば、あらゆる時空の宇宙が時天空に飲み込まれて、全ては無に
なってしまうことだった。逃げ場など、どこにもない。
 ゲッター線は、大いなる意思によってこれに対抗するために生み出されたエネルギーで
あり、地球の人類を筆頭に機械・生命とわず進化、あるいは融合させて、対時天空用の兵
器とするための存在だった。

 人類は大いなる意思の期待通り、他の生命体を蹴散らして進化し、さらにゲッター線の
器として最大の威力を引き出すことのできる機械、ゲッターロボをも発明した。

 やがてゲッターロボは他者を喰って進化する力を身につけ、竜馬を乗せたまま気の遠く
なるほどの時間、進化を重ねていった。
 そして、とうとう太陽系をも飲み込む大きさの「ゲッターエンペラー」となるが、それ
でも進化はとまらず、ついには一つの宇宙を飲み込んでしまうほどになっていく。

 それでも無数にある時空のすべてを飲み込む時天空には、ほど遠い存在だった。
 そのため、竜馬はエンペラーをより巨大に進化させるため、いよいよ他の時空に干渉し
はじめた。
 そこでユイやシンジと出会うことになるのだ。
 すでに宇宙そのものの大きさまで進化していたエンペラーには、宇宙をさまようユイが
どこいるかなど、関係がない。

 だが、戦うために進化した竜馬の世界の人類と違い、シンジの世界の人類はLCLの神と
なって滅亡していたのは書いた通りである。
 これに触れた、エンペラー率いるゲッター艦隊は、一部がLCLと化しはじめる。
 シンジの世界の影響が、竜馬の世界に及んできたのだ。

 むろん、エンペラーの力ならば、まだまだ小さなこれを強制的に切り離して消滅させる
ことは可能だった。しかし。
 エンペラーの戦わねばならない相手は、時天空である。
 この程度の相手を取り込めず、撃破しなければならないということは、仮に時天空や、
現時点でのエンペラーよりも巨大な敵と戦えば、為す術もなく飲み込まれるということである。

733:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:56:32
 ゆえに竜馬は引かなかった。
 エンペラーの力で浸食を抑え込むと、その核であるユイの意思を見つけ出して強制的に
引きずりだし、コンタクトした。
 そして竜馬は、ユイに時天空の存在を説く。
 ユイもそれによって真理を知ると、自らの行為が過ちであったと悔いた。

 どうすればいい、というユイの意思に、竜馬はエンペラーの力でこの宇宙の過去に飛ん
で歴史をねじ曲げて修正するという荒技を提案する。
 時間軸をいじったことのよって起こる時空の歪みが発生し、この宇宙ごとエンペラーが
吹き飛ぶ可能性もあったが、竜馬はためらわなかった。

 彼女は、すべての出来事は自分の責任だと竜馬の案を呑み、自らの魂を初号機から切り
離して竜馬の道案内となり、同時にロンギヌスの槍をゲッターに託すことにした。
 そして竜馬は滅亡に至った要因を修正し、全時空の命運をかけた戦いに、この時空をも
参加させるために竜馬はエンペラーのカケラに乗って、過去の地球へ旅立った。

 現在のレイの正体は、この未来のユイの魂がレイの肉体に融合した存在である。
 レイをよりしろに選んだのは、エヴァ初号機にはかつての己の魂が宿っており、思考が
異なりすぎて同居できず共に消滅してしまう可能性が高かったことと、レイの肉体は自身
のクローンであること、さらに魂がリリスだという理由からだった。

 ユイは綾波レイの魂に、同居の協力をもとめたのだ。
 レイは、すべてを理解し承諾した。
 だからこのレイは、綾波レイとしての記憶もあるし、未来のユイとしての記憶もある。

 そして最後に、ここが大事なところになるが、竜馬はただ、大いなる意思に従ってゲッ
ター線を享受し、時天空と戦うだけの存在になるつもりはなかった。

「俺たちをいいように使ってくれたんだ。時天空をぶちのめしてから、ゲッターもろとも
大いなる意思なんてやつらは、消滅させてやる。
 そうでなきゃ、今までゲッターに取り込まれていった奴らに対する申し訳がたたん」

734:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:58:04
 これが、竜馬の最終目的だ。
 真実は定かでない。しかし、彼は信じたことのために戦い続けるというのだった。
 ……長くなってしまったが、竜馬の世界とシンジの世界、この二つをつなげた物語は、
以上のような内容となる。
 ここで場面を、ターミナルドグマに戻そう。
 レイに支えられたゲンドウが、うめくままにいった。

「そんな……途方もない話をされたところで、今の我々に理解できるはずがない」

 もっともである。
 すでに人間が知覚できる限界をこえた話だ。
 
「でも」

 とユイはつづけた。

「本当のことです。私は大きな過ちを犯しました。時天空を倒さない限り、私達が宇宙を
さまよったところで、それはなんの意味も成さない。
 だから、人類補完計画は止め、私たちもゲッター線と共にゆかなければ」

「……本当だったとしても、ユイ。おまえに再会したいというだけで、ここに来るまで様
々な人間を犠牲にした私が、いまさら罪をつぐなうために改心するなどと……誰が許してくれる」

 といった。
 だがユイはかぶりをふって、

「誰にも許してもらえないのは、私も同じ。だからって何もしないのはもっと罪なこと。
 たとえ誰にも許してもらえなくても、つぐなうべきです」

 と説得するようにいう。
 その言葉に、ゲンドウはしばし目をとじたまま思考をめぐらしてから、

735:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 20:59:22
「……各員、今日起きたことは部外秘だ。もし、時間軸云々が真実だとするなら、いたず
らに既存のシナリオを動かせば、なにが起こるかもわからん。
 決断は、する。流竜馬……命を狙っておきながら恥を承知でいう。私に時間をくれ」

 そういった。
 みなが竜馬がどう反応するかと視線を集中させたが、その答えはしごく単純なものだっ
た。

「ああ、いいぜ」


 アスカ帰還の、数日前の出来事であった。







 ネルフでの停電騒動と、第七、第八シトとの交戦劇からしばらくが経った。
 相変わらず第三新東京市は常夏の太陽がてらし、うだるような暑さがつづいている。
 ゲンドウは、あれからいまだ答えを出さずに態度を保留していた。

 いい加減に竜馬もしびれをきらしている頃だったが、自身の秘密を明かしてしまった以
上は待つしかない。
 可能な限り、この世界での出来事を変動させずに人類補完計画を阻止しなければならないのだ。
 もっとも竜馬がゲッターロボで暴れまくっている時点で、変動もなにもないと考えるこ
ともできるのだが……。
 竜馬をいら立たせるのはそれだけではなかった。

「ぬるぃ! なによこのおフローーーッ!!」

736:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:00:35
 竜馬がその寝床としている、ミサトのマンションで焼いたイワシを頭からボリボリとか
じっていると、風呂場の方からアスカの怒号が響いてくる。
 すぐにドタドタと足音がひびいて、弐号機と同じ赤色のバスタオルを巻いた姿のアスカ
が居間に飛び出してくる。

「シンジぃっ、おフロぬるすぎなのよ!! あんたこんな温度で入ってるわけ!?」

 と、彼女はシンジがわざわざ沸かした湯の温度が気にくわなかったらしく、その格好の
まま文句をわめきちらしていた。
 竜馬やシンジがいるのだからもう少し、羞恥心があってもよさそうなものだが、そうい
う目では二人とも見てはもらえていないのだろうか。

 それはそうと、彼女の希望でミサトの同居人が三人に増えたまではよかったが、問題な
のが部屋割りのことだ。
 3LDKであり、部屋割りは一一畳ほどの居間に七畳半の和室、六畳の洋室、納屋、そして
ミサトのペット、温泉ペンギンの「ペンペン」が住まう、居間に鎮座する巨大冷凍庫という構成だった。
 このうち和室がミサト、洋室がシンジ、納屋が竜馬という割り当てだったのだがアスカ
が増えたことにより、シンジの洋室は彼女に乗っ取られてしまう。

「あんたはペンペンの冷凍庫で暮らしたら?」

 などと暴言を吐かれたものだが、そんなことが物理的にも精神的にもできるはずがなく
シンジは仕方なく竜馬の納屋をさらに半分に仕切ってもらうことになった。

 いかに竜馬が住む場所にこだわらないといっても、もともとせまい納屋がさらにせまく
なれば寝るにも息苦しい状態だった。
 そのおかげで、竜馬の機嫌は日に日に悪くなっていく始末であった。

「うるせえ赤猿ッ、湯の温度ごときでわめくんじゃねえっ」

 赤猿とは、竜馬がつけたアスカのあだ名だ。

737:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:01:41
 だが当然プライドの高い彼女は、これをよしとするわけもない。
 しかも、彼女は最初竜馬に嫌というほど脅された恨みつらみがある。
 竜馬の言葉に、まさに猿のように顔を真っ赤にさせて怒ると、濡れた足のまま洋室に駆
けると例の軍刀を取り出してきて、しゃらん、と抜きはなつ。

「もっぺん言ってみろおっ、タマとったるぅぅーー!!」
「上等だコラ、ちっとばかし将造に鍛えられたからっていい気になるんじゃねえッ」

 と、売り言葉に買い言葉となり、もう夕刻なのに二人はそのままベランダに躍り出ると
極道映画よろしく、大立ち回りを演じはじめた。
 それをビールを片手に、ペンペンを膝の上に抱いたミサトがその頭をぺしぺしとやりながら、

「元気ねぇ」

 と、つぶやいていた。
 ターミナルドグマでで真実を知った者たちは、これから自分たちを待ち受ける運命に戦
慄しているはずだったのだが、どうも竜馬と関わっていると、そう言う気分が抜け落ちて
いってしまう。

「アスカも、あれから話を聞いたはずなのにへこたれないですね」

 と、シンジがいう。
 ゲンドウは部外秘だといったが、竜馬の独断でアスカとその保護者である、将造にはこ
の話が伝わっている。
 将造は敷島博士という、竜馬の世界の人間と行動を共にしているし、アスカはその義娘だ。

738:ここまで
07/11/09 21:02:45
 なにか、切れぬ縁のようなものを感じたのだろう。
 話をきいた将造とアスカは驚くどころか「なんて面白そうな話なんだ」と釣り餌にくい
ついた魚のごとき反応をしめしていた。
 精神構造が、普通の人間とは違うらしい。

「ミサトさん。初号機、いや、母さんと僕が、本当にこの世界を滅ぼす原因なってしまう
んでしょうか。僕は……最近、この生活が少し楽しく感じていたのに。
 ネルフでの居場所のなさを感じるのは、別として」
「う~ん。私に聞かれても、ちょっち……加持君があのあと、偵察の対象をゼーレに絞っ
たみたいなんだけど、よく解らないってとこかしら……」
「そ、そうですよね」

 シンジは、はからずして母親と再会した。
 それそのものは内心、嬉しさを感じていたことだったが同時に、つきつけられた運命は
過酷なものだった。
 おそらく、人類補完計画を進めていたゲンドウとても、似たような心境であろう。

「父さん、どうするつもりなんだろう……」

739:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:08:38
GJ!
エンペラーやら時天空やらいろいろ起こり過ぎてもう思考がドワォ

740:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:18:00
これはいよいよ虚無る気がしてきましたね

741:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:18:34
なんという和やかな団欒の雰囲気…これはハッピーエンドの予感

742:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 21:18:47
>「俺たちをいいように使ってくれたんだ。時天空をぶちのめしてから、
> ゲッターもろとも大いなる意思なんてやつらは、消滅させてやる。
> そうでなきゃ、今までゲッターに取り込まれていった奴らに対する申し訳がたたん」

そうだ!それでこそ流竜馬!
そしてこれこそがずっと待っていて、しかしもう実現不可能と半ば諦めていた
ゲッターサーガの結論でありオトシマエだ!!
やっぱり石川賢の魂は地獄から舞い戻ってこのスレの職人各位に宿っているのだ…!

743:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 22:01:18
ここまできたら隼人・武蔵・弁慶・號・早乙女も登場しても驚かない。

744:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 22:48:59
兜、剣、デューク、ひろしもだ!

745:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 22:54:45
俺達の戦いは終わらないのさ!

746:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 22:56:55
>>745
そんな事言ったら物語が強制的に終わってしまうからやめてくれ!

747:名無しさん氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 23:17:44
>>742正にそのとおりです!!

うおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーー!!
何だこの神展開は!! 
これぞ、真の竜馬だ!! 流竜馬だ!!
天元突破を超えたぜ!! まさに石川先生の書きたかったものこれに違いない!!
石川作品の結論であることに激しく同意します!!
そして必ず勝てる!! 正造と竜馬がいれば!!

748:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 23:19:18
>>747
興奮する気持ちも分かるが一々他作品を引き合いに出すな、マヌケ

749:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 23:54:33
神だ…
このスレには今まさに神が降臨している…!
こんな素晴らしい状況にリアルタイムで参加できるなんて!

できればハッピーエンドになってほしいな
竜馬のおかげでみんなとっても前向きになってるから、
このまま人生全うさせてあげたい…

750:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/09 23:56:01
残念だが・・・お前たちにはもっと残酷な未来が待っているんだ!

751:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:05:31
時天空っていきなりスケールがでかくなったなぁw

ふと思ったんだけどチェンゲのラストで出たエンペラーに居た竜馬と漫画に出たエンペラーに居た竜馬って同一人物?

752:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:17:56
何をもって同一人物とするのかわからないが

チェンゲエンペラーの中の人は来留間慎一スタイルっぽい反重力マフラーしてたから
同一人物ではなくチェンゲのオリジナルじゃないか?

753:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:26:28
>>747
もともと天元突破(笑)はゲッターを超えてない

754:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:32:10
>>753
いちいちアンチ活動する奴はお断りしてるぜ

755:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:38:49
なんだか知らんがいちいち天元突破とやらをもって来るな
最近ゲッター系のスレでよく話に出て困る

756:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:41:55
>>751 >>752
スパロボD萌えスレにあったネタ思い出した


868 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/02/07(水) 18:07:24 V/Qu3nXH
ゲッターエンペラー内
漫画竜馬「じゃ、次の議題な。えー…『グラキエースの寿命が3年だなんてあんまりだ! 謝罪と賠償を要求する!』…なんじゃこりゃ?」
真! 竜馬「ああ、それ持ってきたの俺だ。ちょいと知り合いがな」
新竜馬「へっ! 一番獰猛な『俺』が助命嘆願たぁ、お笑いだな!」
真! 竜馬「うるせえ! 『助命嘆願』も漢字で書けそうにねえ馬鹿は黙ってろ!」
新竜馬「ああ!? 舐めんなよオッサン! 俺だってそんくらい…そんくらい!」
リョウ「止めるんだ二人とも! 今は新竜馬君の頭の足りなさは関係ない!」
新竜馬「おう、そうだぜオッサン! 話逸らしてんじゃねえ!」
真! 竜馬「チッ、煽って来たのはテメェだろうが…で、どうなんだ?」
リョウ「詳しい事情が解らない以上何とも言えないが、原則として死は絶対だ。ゲッターと言えども簡単に覆していいものじゃない」
真! 竜馬「チッ…まあそりゃそうだけどよ」
ネオ竜馬「事情によっちゃあ生き返らせんのもありだが、今回の件はあんましゲッターとは関係ねえしなぁ」
漫画竜馬「強いて言うなら破滅の侵攻を事前に食い止められなかったことくらいか? それにしたってなぁ…」
新竜馬「オッサンがちゃんと出向いてたんだしな」
真! 竜馬「チッ…」
リョウ「まあそう気を落とすな。決定を下すのは詳しい事情が解ってからだ。可能性が無いわけじゃない」
漫画竜馬「ウム。では次の議題…」






757:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:47:23
グレンラガンなんかほっとけよ

758:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:48:11
作品比較はしないのがマナー

竜馬だけで話し合いをする時点で何かが決定的に間違っているwww
エンペラー2にいるであろう隼人sが足りないと碌な事になりそうにないwww

759:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:50:50
グレンラガンの話題を振る奴も便乗してこき下ろす低脳アンチもまとめてドワオだ!

760:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:52:41
>>756
カオス過ぎる。テレビの竜馬も何気にひどい事いうあたり竜馬だよな。最近テレビ版初めて見て、あぁこいつもまごう事なき竜馬なんだなと思った

761:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 00:58:19
かつてゲッターが切り開いた、旧き道を辿ってきたルーキーアニメさ。
そいつに魅了された奴が自惚れて、何にも知らずに暴れてる。

そもそもコンセプトからしてゲッターの模倣だ。
後ろから着いて来ただけでは、超えることは出来ない。               と思う。

762:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:01:52
お前ら隼人のボインでも見て落ち着け
そして>>758を読め

763:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:04:54
>>762
先生!全然癒されません!>隼人のボイン

764:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:26:12
じゃあ隼人の失禁シーンでも見て和むとするか・・・
あれどこからか目鼻耳ぎゃ(ry

765:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:30:00
じゃあこれでも聞いて和みやがれ
URLリンク(www.nicovideo.jp)

766:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:32:19
エンペラーの内部って食堂とかあるのかなあ

767:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:33:10
もしあったとしても調理するのは竜馬だぞ多分

768:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:36:14
食材はゲッター線に汚染されてるのか

769:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:37:19
丸焼き系のレパートリーしか思い浮かばない。

770:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 01:49:47
そうか、わかったぞ!
シンジをゲッターに乗せた理由が!

竜馬はシンジにゲッペラー食堂wでおさんどんさせるつもりだったんだよ!

771:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 02:11:15
シンジは家庭科自体は出来るかもしれんが、本人の食が細そうだし
好みも味付けも淡白そう。とてもゲッペラー艦隊のバケモノ連中を満足させる
料理が作れるとは…

772:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 02:15:16
皆大人だなぁ



しかしこの作者ってまさか石ドワオ

773:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 02:34:16
いよろけん座から電波を受信した

レイ「私が死んでも、代わりはいるもの」
武蔵「おう、お前さんもかい!お互いドジで何回死んだか分かんねぇよな!わははははは!」

774:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 03:09:28
>>773
ムサシ、つきぬけすぎワロタw

775:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 06:25:50
実際そんなノリだしなw

776:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 09:41:25
>>773
エンペラーの進化がきわまれば将来的にはそうなるでしょうね。ああ先が楽しみです。

777:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 11:51:53
エンペラー艦隊って天文学的なゲッターが積まれていると思うが
それが1体1対、真ゲッタークラス・・・つまり、ゲッターチームみたいな奴ら(肉体的な意味で)が天文学的・・・

お前ら、素手で戦えよ!
まさか、あれか!武蔵みたいに他のメンバーもクローンが大量か?
天文学的な数の原作隼人軍団とか?

778:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 12:17:34
さあ、慎一が出て来るまで待とうか。

今流行りの裸正座で。

779:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 12:23:48
>>777
チェンゲの量産ゲッターG軍団みたいな隼人か

「「目だ!」」

「「「耳!」」」

「「「「「「鼻だ!!」」」」」」

みんな揃って返り血浴びてニヤリ

780:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 14:09:54
怖いわw

だが凄く見てみたい光景だ

781:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 14:46:30
いかがかな?我が神隼人軍団の威力は

782:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 15:41:26
>>779-780
しかしまだその段階の隼人だと、認識力の限界を超えた事態に際して
一斉にチビrぎ  ゃ  ん  ! !




冗談はさておきマジレスすれば隼人はゲッペラー軍には居ない気がする。
いや不死に近い存在に進化はしてるかもしれないが、あの時代においても
前線から一歩下がらされ、あるいは地球から見届ける役を運命付けられてるのでは。

783:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 16:40:34
常に置いてかれてこそという気はするな

784:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 17:10:22
ゲッター勢に対して、人間代表って感じするからね。

785:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 19:17:01
よく読んだら竜馬の乗ってたゲッターはエンペラーそのものじゃないか?

786:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:26:59
エンペラーのカケラ、とあるから、外見はチェンゲ版初代っぽいけど
まぎれもなくエンペラーの一部ではあるな。
例えは悪いけど早乙女チームのメタルビーストドラゴンみたいなものかな?

787:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:39:14
例えがグレンラガンですまんがオリジナルのゲッペラーを超銀河グレンラガンとすれば
このSSのゲッペラーはアークグレンラガン的な存在かな?

788:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:45:31
グレンラガン見てないからその辺のをゲッターでたとえてくれ

789:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:48:17
ラグースの細胞みたいなもんだろう

790:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:54:24
>>787
まったくわからん

791:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 20:58:42
ゲッターエンペラーを理解する際は、
「漫画・真ゲッターロボ」で登場した時点では太陽系サイズだったというだけで、
その後も際限なく進化していってる存在だと考えればいい。

792:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 21:06:32
テレ東系列圏外の者も少なくない事を考慮してもらえるとありがたい…

793:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 21:15:34
俺の地域でもやってなかったなぁ…

794:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 22:30:26
てかグレンラガンは話題に出さないで欲しい
何が風呂敷を畳むだよ

795:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 22:35:45
上の行には同意するが下の行は余計だな。
いちいち煽るな

796:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 23:03:35
ここはエヴァらしく童心に返って仲良くしようじゃないか
手始めにマグネットロボで遊ぼうぜ、勿論公園の砂場でだ

797:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 23:07:19
俺の鋼鉄ジーグがひどい事になったトラウマがあるのでやめてください

798:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 23:11:21
まぁまぁ、それならリボルテックがあるじゃないか
ゲッターもエヴァもあるし、それなりに安価だし

799:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/10 23:12:43
リボルテックはゲッター多くてかなりお世話になったなぁ
というわけで真ゲ2と3もだしてほしい

800:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 00:29:06
エンペラーを立体化してほしい

801:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 00:46:16
>>800
もちろん、完全変形でな。

802:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 00:52:54
何分の一だよw

803:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 01:14:08
8分の1

804:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 01:19:17
でかすぎでかすぎ。太陽よりでかいって

805:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 01:40:07
では太陽を大きくしましょう

806:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 01:42:53
>>805




807:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 02:58:34
太陽大きい
エンペラー大きくない


ふしぎ!

808:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 13:28:54
でも戦いを重ねるたびに進化するとしたら…?

809:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 13:56:43
また太陽よりでかくなる→太陽大きくする→太陽またでかく

無限ループって怖くね?

810:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 14:05:13
エンペラー「太陽ウマー」

811:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 17:27:21
真面目な話、エンペラーが立体化されたとして何京分の1サイズだ?

812:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 19:57:49
スケールモデルは無理なんじゃね?
ノンスケールにせざるを得ないようなw

813:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 20:00:24
今計算してみたが十京分の一で12cmぐらいだ

814:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 20:16:45
ゲッペラー総統∩(´・ω・`)∩バンジャーイ

815:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 20:26:41
「隼人の校しゃ」で検索するとウィルスが検出されるんだが何これ

816:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 21:39:37
隼人がテロの為に作ったウィルスに違いない

817:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:12:12
サイバーテロとはやるな隼人

818:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:27:22
小説ゲッターロボの隼人はインテリな上に資産家
無性に悔しく思えるが反抗すると眼だ!(以下略)だろう

819:つづき
07/11/11 22:55:21
「父さん、どうするつもりなんだろう……」

 そう、シンジがつぶやいたときだった。
 食卓のうえに置かれた、やや古めのプッシュホン式電話がコールを鳴らす。
 ミサトがすこし構えてとった。

「……はい、葛城です。あ、加持君」

 電話の相手は、ゼーレの偵察に態度を決め込んでから、しばらく音沙汰のなかった加持
であった。ミサトの顔が、ぱっと明るくなる。
 以下、会話の内容である。

「よう、しばらくぶりだな葛城。元気そうじゃないか」
「あんたこそね」
「まあな。なんせ、心強い味方もついたことだし」
「心強い?」
「史上最強の極道さ」
「げっ……まさか」
「そう嫌ったもんじゃないだろうよ。蛇の道は蛇ってね、俺にとっては居心地が悪いとい
うこともないのさ。それはそうと、司令の腹が決まったみたいだぜ」
「ほんと」
「ああ……だがこれ以上のことを本部や電話で話すと盗聴の危険があるからな、こっちで
場所を用意させてもらったよ。今晩、そこへみんなを集めて来てくれ。
場所は流君に「例のトコへ集合だ」っていってくれりゃ解る」
「あ、うん……」
「じゃな」

 と、そこで加持は通話を終えた。
 あとにはツー、ツーと、トーンの音だけが残る。
 やや不可解な表情になるミサトが、それを確認して受話器を静かにおくと、まだベラン
ダでアスカと乱闘に興じていた竜馬に顔をむけて、大きく叫んだ。

820:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:56:40
「リョウ君! 碇司令の態度が決まったみたいよ、今晩、例の所へ集まれって!!」

 そうすれば竜馬は頭上に振り下ろされたアスカの軍刀を片腕で受け取めながら応じた。
 一歩間違えれば、脳天からざっくりとやられて死んでいただろう。
 アスカも仕込み親が仕込み親だけに、一度ケンカを始めると容赦がないのだ。
 殺るか、殺られるか、である。
 だが竜馬のそれと、アスカのそれでは年季が違う。
 アスカが刀の柄に渾身の力をこめて押そうとするが竜馬はぴくりともしなかった。
 やがて彼女は、

「くしゅっ」

 と、小さくクシャミをひとつする。
 水に濡れた状態にバスタオル一枚で大暴れしたせいだ。
 それをみて竜馬が、刀をはじき返して飛び下がると、いった。

「おら、遊びは終わりだ。とっとと着替えて準備しやがれ」
「あたしに命令しないでよっ」
「置いてくぞ」

 と、竜馬は居間に戻るとボロのデニムジャケットを羽織ると、あとはひとりで外に出て行こうとする。
 あわててミサトが引き留めた。
 どこに集まればいいのか、まだ聞いていない。
 ミサトに問われた竜馬はくるりと振り向いて、

「あ? 知らねえのかよ、例のトコってのは「酔いどれ亭」って居酒屋だ」

 といった。
 しかしミサトは、

「いざかやぁ?」

821:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:57:42
 と素っとん狂な声をあげた。
 電話はもとよりネルフ本部をも遠ざけたい会合だというのに、よりにもよって街の居酒
屋でやるとは、どういうことだろうか。
 もしスパイがまぎれていたら、情報など筒抜けになってしまうではないか。
 そう思って問いただした。
 すると、

「そこぁ、岩鬼組で経営してんだよ。必要となりゃ、貸し切りにできる」

 そんな答えが返ってきた。
 ミサトの脳裏にさきほどの加持の言葉が思い出される。

(なるほど。そういうこともあって岩鬼組に接触したのね)

 しかし、だからといってスパイを防げる理由にはならない。
 店に潜まなくとも、他に諜報の術はいくらでもあるのだ。居酒屋は密室ではない。
 だが、その疑問にも竜馬は快刀乱麻を断つようにして答えた。

「不用意に近づいた野郎は、護衛の組員がぶち殺すから心配すんな」

 これにミサトは、

(ムチャクチャだ!!)

 と心の中で叫んだ。
 あの岩鬼組なら、不用意に近づいたのがスパイであれ罪のない一般人であれ、何のため
らいもなく抹殺するだろう。

「MAGIによる市政も、岩鬼組にとっちゃ有って無いようなものね」
「機械なんぞに支配されてたまるかよ」

822:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:58:53
 その言葉に、ミサトはなにか思うところがあったようだ。
 ふと、竜馬がエンペラーの主となる前の出来事を聞きたくなった。

「……そうかもね。リョウ君、あなたがいた地球はどんな所だったの?」
「官房長官が勝手に研究所襲撃を命令するような、ふざけた所だったぜ」
「どっちも、どっちだわ……」

 竜馬の珍しい世間話を聞きながら、ミサトは急いで支度をはじめる。
 普段はずぼらで通っていても化粧、その他の見つくろいを欠くような女ではない。
 二人が話している間に、いつのまにかシンジとアスカも支度を調えていたようだ。

 シンジは平常心と大きな筆文字がプリントアウトされたシャツに、ベージュのハーフパ
ンツといういでたちで、アスカは、例のスカート部が花のように広がった黄のワンピース
姿だった。
 二人とも一応、怪しまれないように普段着を着ている。

「ミサトー、早くぅ」

 着替えに入ったミサトの和室の前でアスカが急かすと、

「は、早いわねあなたたち」

 と、いいながらミサトも急いで身じまいを整えていく。
 彼女の服装は紺のタンクトップに、ジーンズといったものだった。
 だが、ミサトが和室から飛び出すころには、竜馬はもとよりシンジとアスカも外に出て
いってしまっていた。
 ミサトは愛車のキーを掴むと、あわをくって追いかけていくのだった。

823:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 22:59:55
 ところは変わり第三新東京市内、国道上。
 度重なる破壊で都市としての機能が麻痺しつつあるこの土地では、あまり多くの交通量はない。
 その空いた道路を矢のような勢いで飛ばして走る車が一台あった。
 車種はロータス・エランS2。
 旧いイギリスのオープンカー型スポーツモデルであり、排気量は一六〇〇cc。
 その助手席に乗っていたのは、ゲンドウだった。
 珍しく地味な色の背広に身を包んでいる。私服なのだろう。
 ドアの縁にひじをかけて過ぎゆく景色をみながら、運転席側に向かって話しかける。

「加持君。君も、物好きだな」
「車はいいですよ。走ることで自らは限りなく静止に近づき、世界は動き出す」

 と、答える加持の姿はいつものよれたワイシャツとスラックスであった。仕事着と私服
が同化しているのだろう。
 スパイとしては、身なりから人物を想像できないようにすることで重要な意味がある。
 加持の言葉に、ゲンドウは薄ら笑いをうかべていった。

「世を見渡す心境になれるということか。それは私に対する皮肉かね」
「とんでもない」
「……ああ。すぐ邪推するのが私の悪い癖だ。しかしその邪推ついでにいうが、どうも行
く先が、あけぼの亭の方角とは違うようだが」

 あけぼの亭というのは、第三新東京市内の料亭の名だ。
 政治家の会合などにも使われる事のある場所で、ゲンドウも懇意にしている。
 なお、幕末の頃から京都に同じ名の料亭兼宿場があり、こちらは坂本の方の龍馬にとっ
てゆかりのある場所である。
 だが加持の握るハンドルは、あけぼの亭とはまったく違う先を目指していた。

「そりゃそうでしょう。だって行く先は酔いどれ亭って居酒屋なんですから」
「な、なに?」

824:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:01:11
「料亭なんざじゃ、息苦しくて仕方がない。ここはぱっと一つ、居酒屋でやろうと思いま
してね。勝手に予定変更させてもらいました」
「正気か……それでは情報がだだ漏れになる」
「ご心配なく。酔いどれ亭は岩鬼組が直接経営してるところですから。ただの居酒屋なん
かじゃありません」
「……」

 加持の説明にゲンドウは一瞬、息につまったような感覚を覚えた。
 なにしろ岩鬼組は、ネルフにとってはアスカを奪還しようと戦争沙汰まで引き起こした
相手である。
 その実力、凄まじさはゲンドウが一番よくわかっていた。

「明日には命がないかもしれんな」

 そう、いった。
 だが加持はからからと笑ってハンドルを切る。
 もうすぐ目的地だった。

「今日は組長の客人という扱いですから大丈夫。そのあたりの仁義は通す方々ですよ……
見えてきたな。おや、もう集まってる」

 ゲンドウの心配をよそに、エンジンを吹かす加持の目に酔いどれ亭の姿があらわれた。
姿形は、木造で旧い日本家屋を模したような、いかにもといった風情だった。
 だが、そこかしこに、物々しい機械や蒸気を吹く正体不明の何かが覗いていて、単なる
木造の建築物でないのは確かである。
 いや、そもそも木に見えるものが本当に木材であるかどうかも疑わしかった。
 まあそれはともかく……。
 加持の車のヘッドライトが、その駐車スペースとなっている区画にすでに集いつつあっ
た竜馬の乗ってきたバイク「隼」を照らし出す。
 時速三〇〇キロ以上で走れるスーパーバイクである。

825:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:02:18
 ちょうどその後部座席から、シンジが飛び降りたところだった。
 さらにその横にミサトとアスカを乗せたオープンカーが停車している。
 加持はゆっくり車を進めると、隣に横付けして停車した。
 ミサトが運転席から加持に顔をむける。
 笑顔であった。

「丁度ね、加持君」

 というが、当の加持の目線はミサト本人よりも車体に注がれているようだった。
 その理由は、

「また買ったのか。しかもフェラーリ328とはなぁ」
「アルピーヌじゃどう頑張っても、リョウ君に置いてけぼりにされちゃうのよ」
「隼が相手じゃ、それでも辛いだろ。せめてテスタロッサにしときゃよかったのに」
「それじゃ如何にもって感じで嫌じゃない。それに乗ってて息苦しいのよ、あれ」

 この通りである。
 フェラーリ。知らない人はいないであろう。ミサトのものは、そのなかで328GTSという
やや旧いモデルであり、性能よりも運転の軽快さを重視したオープンカーであった。
 それにしても、普通の車に乗っている人間がだれもいない。
 すべてが異様な重低音でアイドリングしていたのだった。

 やがて、加持が車から降りるとゲンドウもつづいて降りると、あとは自動的にそれぞれ
店の戸をあけて入店していく。
 その入り口には、リツコとレイを従えた将造が待ちかまえていた。

「地獄の一丁目によう来たのう。これからでけー戦争の話をするそうじゃねえの!」

 といった。
 それにゲンドウがしかめっ面をして、

「部外秘だったはずだが……」

826:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:03:27
やあ作者さん作者さん
支援はいるかい?

827:支援ども。10超えて失敗したらごめん
07/11/11 23:05:33
 と、アスカを見たあと、加持をちらりとサングラス越しに見た。
 だが彼はどこ吹く風だ。
 その代わりに、将造がゲンドウのむなぐらを掴むと

「いいか。日本は、いや地球はわしのシマじゃけえ……シマの人間達を全滅させるような
ことは、命を張ってでもさせん。それが、」

 将造、ぐっ、と力をため、

「それが、シマを預かるドンのつとめだからじゃあッ!!」

 と叫んだ。
 ゲンドウを上下左右に揺さぶりながら、大口をあけて唾を飛ばす勢いである。
 要するに、人類補完計画の阻止に俺たちも参加させろという事だ。
 ゲンドウは将造からなんとか離れると、咳き込みながら、

「あ、ああ、わかっている。君たちがどういう存在かは……迷惑とはいっていない」
「わかりゃあ、ええんじゃ」

 そのやりとりの後、それぞれは畳の座敷に通されていった。
 なお、配置としては二〇畳ほどの座敷に大きな座卓が二台おかれ、床の間中央の上席に
将造が座り、左片面にゲンドウ、竜馬、リツコ、の順に並んでいる。
 その向かいが上席寄りにシンジ、アスカ、ミサト、加持の順だった。

 他に客はいないようで、加持のいう通り今日は完全な貸し切りの状態だった。
 準備は整っていたようで着席すると、すぐに料理や酒が振る舞われていく。
 一応、やくざらしく将造の仕切りで軽い仁義切りのような挨拶が終えると、あとはゲン
ドウの舞台となり、それぞれは今後のネルフの動向を彼より聞いた。

 まず、人類補完計画の阻止は絶対として、その方法だ。

828:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:06:35
 いますぐ全勢力をもってゼーレを叩いてしまうということも考えられたが、竜馬やレイ
がいう、歴史を必要以上に動かすことは、宇宙が消滅する原因にも成りかねないという説
明から極力、歴史の改変を無しに進めることとなった。
 もとより裏死海文書なるものの、内容通りに進んでいる世界だ。これから起こる事があ
る程度予測できる分、対策そのものは講じやすいといえた。

 だが、人類補完計画が実行されてしまうぎりぎりまでタイミングを見て、最終段階にお
いてゼーレを含めた、その配下の組織から人員までを一掃しようというのである。
 実行するには極めてむずかしい計画だった。
 阻止計画を有利に進めるべく、味方を多く引き入れようとすれば、ゼーレにたちどころ
に感づかれることとなるし、味方が少なければ、その戦力でいかに彼らのシナリオに従っ
たふりをしつつ、反撃するかが問題になる。
 そうなれば、

「結局は、ゲッターに頼らざるを得んか……」

 ゲンドウがいった。
 だが、加持がそこで手をあげた。

「エヴァを改良して戦力の増強につとめてはいかがでしょう」

 といった。
 それにゲンドウはむずかしい、といった後につけくわえていう。

「まず予算の問題がある。それに、改良といってもどうするつもりだ」

 もっともな疑問だった。
 そもそもエヴァは完成されている存在である。これ以上の性能強化は、根本からエヴァ
というものを考え直さなければなるまい。
 そんな問題に、リツコから提案があった。

829:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:07:38
初リアルタイム支援!

830:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:07:42
「そこですが……」

 と、言いかけたがその途端に座敷のふすまをぐわらりと開けて、フランケンシュタイン
の怪物のような老人が現れる。
 敷島博士であった。
 彼は座敷の中央にずい、と進むと、なぜか手に抱えたサブマシンガンのようなものを天
井にかかげながらいった。

「あっと待ったぁ、その先はワシに説明させるがいい。ええか、わしもこの赤木君の協力
でエヴァンゲリオンなるものの詳細がちっとは解ってきた。
 なかなか面白いが、兵器としては破壊力とケーブル断絶の際の稼働時間に問題がある。
そこでじゃ、内部電源をプラズマボムスに切り替えることで出力・稼働時間共に大幅に増
大させる。
 この設計図を見よ! なづけてエヴァンゲリオン號じゃあ。うわははははッ」

 と、敷島は興奮しながらいう。
 よくみるとサブマシンガンは安全装置が解除されていた。
 撃たれてはかなわない、とばかりにほとんどの人間が身を引きはじめる。
 リツコが勝手に外部の人間に、エヴァの機密を話していたという問題を、誰もが問題と
して提起することを忘れさせてしまう迫力だった。

 なお、プラズマボムスとはおそらくプラズマエンジンの一種であろう。
 プラズマとは、気体・液体・固体のどれにも属さない状態の物質をさし、たとえばゲッ
ター線のような一個のエネルギーのことではない。
 プラズマエンジンとは、主に宇宙機などに使われる推進用エンジンであり、その推進剤
を極高温化させた事で発生するプラズマを推進力として用いるものだ。

 しかし、このシステムは要するに燃費を極限に追求したもので、単に出力の点でいえば
化学燃料を燃やした方が、よほど高出力を追求できる。
 が、ひらひらと舞う、いまどき珍しい紙の設計図を手に取ったゲンドウがそれを一読す
ると緻密なプラズマボムスの構造が記してあった。

831:規制だったらここまで
07/11/11 23:08:47
 書かれていた発案者の名が「神隼人」となっており、どうやら敷島による発明ではなか
ったようだったが原子炉より高出力を発揮し、なお従来の化学燃料よりも信頼できるシス
テムであった。
 それは、

(これはすごい。たしかに、これなら稼働時間の問題は解消できるうえ、エヴァに本来以
上の力を発揮させることもできる。あとはエヴァそのものが耐えられるかどうか)

 と、自身も科学者であるゲンドウに思わせるほどだった。
 しかし、懸念もある。生産やコストのことだ。設計はできても実際に造るとなると、膨
大な資金が必要になってくる。

「……予算がおりまい。新しい設備も必要だ。無理にやればゼーレに感づかれてしまう」

 と懸念を示したが
 リツコが、

「一基だけなら既に」

 と割り入った。
 どこでどうやって資金と設備を調達して造ったのかゲンドウにすら想像できなかったが
敷島と岩鬼組をみていると、やれて不思議ではない気分になってしまう。
 じっさい、一基つくっているのだ。
 ゲンドウはひとこと「そうか……」と答えただけであったが、十二分に驚愕しているの
が固まった姿勢から読み取れた。
 敷島はつづける。

「まだまだあるぞ! 現行のエヴァの専用火器は手ぬるい。まず、通常兵器でいくならこ
の設計図のようにN2弾頭を用いた、ミサイルマシンガンくらいは欲しいなあ。
 月ぐらいはふっとばせるようにせにゃあ、つまらんではないか!!
 あ? なんじゃ、将造、なにをするっ」

832:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:10:14
 だんだん暴走しはじめる敷島に呆れた将造が「ひっこんで護衛でもしていろ」と彼を持
って退場していった。
 一同、唖然としている。
 しばらくして将造が戻ってきても、まだ場が沈黙していて、それからさらに一分ほど経
ってから、ふたたび口を開いたのはミサトだった。

「……まあN2マシンガンは論外として、プラズマボムスは良さそうですね。でも一基だけ
か。どのエヴァに搭載するべきか」

 この言葉に真っ先に反応したのがアスカだった。

「はい!! 弐号機にください。聞けば、なんか初号機はわけわかんない力があるし、零号
機だって乗ってるのがファーストじゃないファーストなんて、反則じみてるわ!
 私だけおいてけぼりなんて、嫌よっ」

 といった。
 いささか子供じみた、というより子供だから仕方ないのだが、そんな理論を展開するア
スカに、しかしミサトは同意した。

「言葉はともかくとして、まあもっともね。エヴァのパイロットとしての技量は彼女がト
ップだし、底上げを図るにはいいかもしれないわ」

 ということだ。
 ただ、それに少しうつむき加減だったシンジの顔に気づいたアスカが、

「もっともシンクロ率じゃ、シンジには負けてるけどさ……」

 と、最近のシンクロテストでの結果をネタに、フォローを入れる。
 本来はそんなことを気づかう性格はしていないのだが、やくざ社会で妙な序列の感覚を
身につけた彼女は、立場的バランス調整の術をかつて以上にこなせるようになっていた。
 ゲンドウが場を制した。

833:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:11:37
「まあいいとしよう。赤木博士、できるか」
「ええ。ゲッター炉心に比べれば圧倒的に制御しやすい逸品です。もしも量産に成功すれ
ば発電所なんていらなくなる。エネルギー革命が起きるでしょうね……。
 もっとも、きっと発明者は平和利用なんて頭の隅にも考えていないでしょうけれど」
「ん。おいリツコ、隼人を知っているのか?」

 と、それまで会話に加わっていなかった竜馬がいった。
 どうやら、プラズマボムスの発案者に深い関わりがあるようだった。

「ええ、敷島先生と交流していたとき、一度会ったことがあるわ。
 でも「竜馬って奴に後のことは頼むぜと伝えてくれ」と私にいったあと、
どこかへ消えてしまって。そういえば言い忘れていたわね。ごめんなさい」

「隼人はもとより、いつから敷島のジジィと知り合いになってたんだよ」
「あれだけ異常な機動のヘリを見せつけられたら、一度は会ってみたくなるわ」

 彼女がいうのは、イスラフェル戦で将造が乱入してきた時に乗っていた、ヘリコプター
のことである。
 たしかに敷島本人も「ゲッター並の機動性を追求した~」と、わざわざスピーカーを通
して大演説していたくらいだから、自信作だったのだろう。

「そんなもんか、科学者ってえのは……しかし」

 竜馬は、隼人という人物のことを思い返していたようで、笑いながらいった。

「野郎、相変わらずスカしてやがる。どこからどうやってここまで来たのやら」

 この男が、まるで旧友に再会したかのような笑みを浮かべるのは、今までにもないことだった。

834:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:12:49
 そして。
 この後もゲンドウを中心に、議題はいくつかに分けて話し合われたが、基本となる趣旨
はすでに出た。
 ゲッターとエヴァによる戦力を中心に、これまで通りシトの撃滅を行うのと同時に、人
類補完計画の最終局面による発動を絶対阻止すること。
 簡単に説明できるが、実行は困難である問題だった。
 だが、やるしかない。
 総員で意思を固める時間であった。

 固まれば、あとは居酒屋にふさわしく酒に飲んで呑まれての饗宴に染まるのみである。
 最初こそはシラフの状態で、ゲンドウという上司が手前にあることもあって、竜馬と将
造以外は、ややぎこちない風を崩さなかったが、酒が回ってくるにつれて、それぞれ本性
をあらわしはじめる。
 まず、もっとも酒量の多いミサトがとなりに座っていた加持にからんだ。

「あたしはね、もうね、三佐なのよ。あんたごときに、こけにされるおぼえは、ないんだから、ぬぇっ」
「おいおい、ハナから飛ばし過ぎだぜ葛城……帰りどうすんだよ」

 そんな具合であった。
 ちなみに本人のいうとおり、ミサトはイスラフェル戦のごたごたの後、急きょ三佐に昇
進している。
 通常軍隊でいうところの少佐にあたる。
 とりたてて何かしたわけではないのだが、ゲンドウの「階級が高いほうが動きやすかろ
う」という配慮でそうなった。
 いや、竜馬の面倒を見続けた功労としては不足だったかも知れないが……だいぶ、ゲン
ドウも動きが変わったといえよう。

 そのゲンドウは、酒に口をつけず喧騒にも触らず、独りもくもくと出される料理に口を
つけているだけだった。
 息子のシンジも同様である。

835:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:13:00
ハヤトォォォォォ!!支援

836:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:13:52
 他はすでに騒ぎはじめているのだが、この二人のみはA.Tフィールドを張っているかの
ごとく、その体の周囲において空間が静かだった。
 それを見つけたアスカがシンジにからむ。
 なお彼女は将造と共にいる間に、未成年のくせの酒の味を覚えてしまったらしい。

「どうしてアンタはいっつもそう、じめじめ暗いのよぉキノコ生えちゃうじゃない」
「や、やめてよアスカ……僕は、あんまり好きじゃないんだよ、こういうの……」
「うるさいうるさいっ。加持さんはミサトにべったりだし、ゲッターのせいで弐号機の活
躍は奪われるし、呑まなきゃやってらんないわよぉッ。だからアンタも呑むのッ!!」
「理屈になってない……」
「いいから飲めっ」

 と、まずシンジが強制的に酒を注いだコップに口を付けさせられた。
 ゲンドウがそれをちらり、と見るがなにもいわない。
 それになぜか、将造がからんだ。
 酒癖の悪い人間ばかりである。実際に遭遇したらたまったものではないだろう。

「うお、オッサン! どーしょんならぁっ。おどりゃーオセがそがあな風にしょーるんじ
ゃあ、いかんけぇ飲まんかい。こーいう時ぁ、飲んでつばえりゃええんじゃあ!」

 酔いのせいか、完全に広島弁になっている。
 ゲンドウには将造が何を言っているか、半分ほどにもわからなかった。

「……標準語で話してくれ」

 と呻くようにいった。
 訳せば「大人がそんなでどうする、飲んで騒げばいいんだ」という意味になるのだが、
将造が聞き入れるものではない。

「じゃかあしいやあッ!!」

837:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:14:56
 というと、アスカがシンジにやったように無理矢理ゲンドウをひっ捕まえると、その口
に入ろうが入るまいが一升瓶を逆さに、浴びせるように飲ませようとする。
 この義親あってこの義娘ありといったところか。

 さすがにゲンドウも酒に衣服をずぶ濡れにされてはかなわないと思って、それを受け取
って飲みに入るが、さほど強くないのであろう。
 数杯、コップを空ける内には言葉数こそ変わらないものの、明らかに顔が赤くなって動
きがふらふらと、怪しくなっていた。

 みれば、シンジも同様であった。
 すでに頭が回っていないうえに、あうあうと、ろれつも回っていない。
 そのシンジが、サングラスをぬぐうためにそれを外したゲンドウと目があった。
 ゲンドウがサングラスを手に持ったままの体勢で、

「……なんだ、シンジ」

 と聞くが、シンジは答えずにしばらく父の目を見続けたあとに、突如、ぐわっ、とゲン
ドウに躍りかかるとすがりつくようになって叫んだ。

「なんだよぉ!! 見てちゃいけないかよ! 僕は、僕はっ、父さんを見返してやりたいの
と認められたいってだけでゲッターにもエヴァにも乗ってきたのに、父さんはいっつも変
な顔して命令するばっかりで!!
 竜馬さんにいわれたんだ、無視したら殴ってでも応答させてやれって。今日こそ殴って
やる、前歯折ってやるぅっ……」

 と流れるように喋って拳を振るおうとするが、酔って動きが定まらずにそのまま、ゲン
ドウからずり落ちるようにして畳の上にはいつくばるだけだった。
 未成年で、隠れて酒を飲むような悪ガキでもない彼にとって、強烈なアルコールによる
酔いの症状は耐え難いものだあったのだろう。

838:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:20:51
バイバイさるさん?

839:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:22:37
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、    
             / /" `ヽ ヽ  \  
         //, '/     ヽハ  、 ヽ 
         〃 {_{       リ| l.│ i|  
         レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|  しえーん
          ヽ|l ●   ●  | .|ノ│  
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.  
          | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
.          | /  /::|三/:://  ヽ |

840:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:27:56
かかっちゃったか。続きは明日だな

841:名無しさん氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:37:39
隼人も確実に超人類化しているな・・・。この人たちがでるスパロボは作れないのだろうか?

842:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:41:20
なんというか…なんというほのぼのw

843:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:45:27
どうなったの?

844:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/11 23:55:15
前歯ww

845:残り
07/11/12 00:01:24
 と流れるように喋って拳を振るおうとするが、酔って動きが定まらずにそのまま、ゲン
ドウからずり落ちるようにして畳の上にはいつくばるだけだった。
 未成年で、隠れて酒を飲むような悪ガキでもない彼にとって、強烈なアルコールによる
酔いの症状は耐え難いものだあったのだろう。
 ゲンドウはしばらくシンジを見ていたが、やがてサングラスを置いてシンジの身を起こ
してやりながら、いった。

「私が……お前の側にいても、お前を傷つけてしまうだけだ。だから私の背を見るのはや
めろ。自分の足で地に立って歩け。私自身も、そうしてきたのだ。それに、今のお前には
他に心の支えになる人間が、いるだろう」

 といって、向こう側の席でなぜか騒がず静かに飲んでいる竜馬や、逆に騒ぎまくるミサ
トを見ていった。
 だがシンジは、

「うるさいっ!! そんな理屈なんか聞きたくない!! 父さん以外は父さんにはなれないん
だ、どうしてこんな僕にもわかる簡単なことがわかんないんだよ!」

 と、泣きわめくようにいった。
 その涙が雨のように畳の上へ落ちいき、それを濡らしていくが、ゲンドウはどうしてい
いか解らない風にうろたえてしまう。
 普段なら、これすらも冷淡に突き放すのだろうが、酒はそういう演技力を人から奪いさ
っていく効能がある。
 そこに、先ほどから後ろで静かに座っていたレイがふわりと立つと、ゲンドウに寄って
いった。

「あなた」

 発した言葉はそれのみである。
 それだけいって、またレイは下がってしまった。

846:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:01:52
>>841
スパロボDが真ゲッターロボからの参戦だお

847:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:02:47
 だが、それにゲンドウは固まって反応するとコップに一杯、酒を並々と注ぐと一気に飲
み干してから、再びシンジに目を戻していった。
 この際、酒の力を借りて喋ろうというのだろう。
 ゲンドウは半目になっていった。

「情けない話だが俺は……お前が恐かった。どう接していいのかそれすらも解らなかった
……シンジ。今度、釣りにでも付き合ってくれ。もう少し、落ち着いたらな」

 そういうと、後に会話はなかった。
 ただ、ゲンドウとシンジ、レイの姿を借りたユイの三人に空間ができていたことはたしかである。
 見れば、懇意のグループがすでにできあがっている。
 アスカと将造、そして仲の良い舎弟二人ほどが一グループ。
 文太とか健とか呼ばれていたようだった。

 もう一つは、加持とミサトだ。
 こちらは元恋人同士である。焼けぼっくりに火がついた、ということ以外は書く必要も
あるまい。

 それを傍目に見る竜馬はすこし気だるそうに「夜風に当たってくらあ」と、座をたって
いった。酒に強いのであろう、もう酒の二、三升はゆうに飲み干していたが、さして足が
ふらつくこともない。
 竜馬が外に出ようとすると、護衛にいた組員が「竜兄ィ、おもては危険じゃあ」と止め
ようとするが「俺は平気だ」と相手にしない。
 仕方なしに組員も道をゆずる。
 竜馬の性格は、その呼ばれ方から察しても岩鬼組に知れ渡っているのであろう。

 外に出ると、すでに日は落ちて辺りは電灯だけが照らす闇夜となっていた。
 竜馬は店を離れて、近くの電柱に背を持たれたまま、どかりとその場に座り込んだ。
 夜空を見上げれば雲ひとつなく星々が輝いていて、竜馬はそれをじっと睨んだまま黙りこくる。
 彼のいう、ゲッターエンペラーや時天空に関する事でも考えているのであろうか。
 しばらくそうしていると、ふと電灯の光に自分以外の影が映し出されるのがみえた。

848:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:03:48
「危険だっていわれてるのに」

 影の正体は、リツコだった。
 体に張り付くようなブラウスに、タイトスカートといういつもの服装である。
 さらに寄る影に、竜馬はぴくりとも動かずに答えた。

「愁嘆場は嫌ぇだって、前にもいったろう。あんなのは見てられねえや、こう見えても
俺の精神は繊細なんだよ」
「ウソね」
「ケンカ売ってんのかてめえ」

 その言葉に竜馬が機嫌を悪くする。だが、立って掴みかかるような、普段の勢いはなか
った。さすがに酔いが回っているのであろう。
 だがリツコは、

「……見てられないのは、私だって同じよ」

 顔をそむけるようにしていった。
 結局、ゲンドウの心は碇性の人々にあることを、再度見せつけられたのである。
 すでに彼とのことは過去のこととして捉えていても、あまり気持ちの良い光景とは、いえまい。
 酔いが全身に回っている今なら、なおさらである。
 竜馬はそれを見ていった。

「だからおめえまで外に出てきたのか。まあ、かまわねえけどよ」

 というと、リツコはふっ、と息をもらしてから竜馬を見た。
 なにか気がかりがあるといったような様子である。
 やがて彼女は口を開いた。

849:ここまで
07/11/12 00:04:55
「流君、ゲッターエンペラーの話」
「それがどうした」
「この世界ですべき事が終わったら、あなたははるか未来へ帰ってしまうんでしょう」
「ああ。ここでの事は、いずれやる、でけえドンパチの下準備も下準備だ」
「私たちの苦悩も、ゲッターから見ればミジンコの争いも同然ってことか……ねえ、私が
最後まで生きていられたら、一緒に未来へ連れていってよ」

 リツコの言葉に、竜馬はすこし考えたあとにいう。

「未来にいくということは、エンペラーの戦いに参加するってことだ。その意味、解ってんだろうな」
「命を捨てる覚悟はできてるっていったでしょ。もう、この世界に未練はないわ」
「どこにも物好きはいるもんだ。まあいい、好きにしな」
「ありがとう。もし、あなたが来なければ、私はきっと陰惨な人生をたどるしかなかったと思うわ。流君……」

 そこまで会話すると、店の方から将造が走ってきた。
 竜馬とリツコが消えたことに気づいたのだろう。
 おそらく二人を通した組員は、将造に絞られに絞られたに違いない。
 拳をふりあげながら将造が叫ぶ。

「アホンダラぁっ!! なに似合わんロマンスなんぞしょーるんじゃ、外に出よったらわざ
わざこもった意味がないじゃろうがバアタレがあっ」

 その言葉に、竜馬はいつものように「うるせえ、この野郎」と啖呵を吐きながら戻って
いくと、リツコも肩をすくめて店へ戻ろうとする。
 ただその途中で、ふと嫌な予感が頭をかすめたのを忘れなかった。

 ―なんだかみんな、ずいぶん良い方向へ向かっているけど、幸せの次に不幸がやって
くるなんて、下手な詩歌のようにならないといいんだけど。

 そう、思うのだった。

850:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:16:19
次からはどんどん状況が不利になってゆくターンだな。
エヴァもゲッターもそういう流れだったし、そうでないと
終わり近くの反撃が面白くないからな。

851:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:19:19
ワクワクテカテカガクガクブルブル

852:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:22:07
おお……とりあえずネルフ陣営が一丸になった。ちょっと信じられない光景でもある。
はてさて、福の次は禍が示唆されてるけど、使徒や委員会の外患か、新たな内憂の発芽か。
あと敷島博士と前歯自重。

853:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:22:57
乙です。なんだかこの面子で和むとは意外すぎるw

>前歯折ってやるぅっ
シンジ君が敷島博士みたいなダッチワイフを持った二代目ヤクザに!www

854:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:24:02
N2弾頭付きのミサイルガトリングは無しか・・・・
ひじょ~に残念ね。ん

855:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:26:49
乙とGJを束にして神職人へ!

とっても良い流れだけど、やっぱり次は不幸の雪崩か?
みんなに幸せになって欲しいのに(つД`)

しかし名前だけの登場でおいしいところをさらっていくとは
さすがだなボインスキー

856:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:33:04
しかしゼーレや使徒がどうあがいた所で竜馬やゲッター、将造に太刀打ちできるとも
思えんから、やはり搦め手の標的になるのはこっちの世界の面々か…
なんかこう、石川漫画版ダイザー対グレートばりに、参号機あるいは量産機に
学校の連中詰め込むなり縛り付けるなりして繰り出してきそうな気も。
そしてシンジとゲンドウの釣り云々にあからさまな涙の死別フラグが…

857:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 00:38:36
そういえば、研究所襲撃を命令した官房長官は・・・。

858:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 01:05:52
ゲンドウ「メタルビーストの力見るがいい!」
冬月「初代ゲッターチームの力見せてやる!」
キール「とどめだ!ペダルを踏むタイミングをあわせるんだ!」

「「「おう!!」」」

859:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 02:30:12
戦自VS竜馬・将造・慎一なら

860:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 06:50:03
リツコさんはゲッター軍団入りするよりは死んだほうがましな未来だろうなあ。

861:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 10:27:42
使徒は! 補完は! カヲルとは! と言い残し、高笑いしつつ爆死しそうだな

862:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 11:27:44
職人さん乙
隼人はともかく、敷島博士はどうやってこの世界に来たんだろうw

863:名無しさん@お腹いっぱい
07/11/12 12:46:30
ここまで読んで思ったのはこっちの(とくに新ゲの)竜馬って、熱血キャラだけどスパロボで出てくる熱血系の
人たちと全然タイプが違うよな。キャラも強烈だし、まあこれは新ゲのゲッターチーム全てにいえる
ことだけど、あんまりにも濃すぎて他のキャラが食われるから新ゲはスパロボにでないんだろうか?

864:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 12:47:49
まぁ新ゲは割と最近だからだと思ってる。そのうち出てくるよ

865:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 18:55:55
>>859
10分生き永らえられたらご褒美に墓前に角砂糖でも供えてやるさね




……無論戦自全隊員の、にだが。

866:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/12 21:21:38
>>863
同じ熱血でも、ヒーローとダークヒーロー(ダーティーヒーロー)の違いだと思ってる。

867:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/13 14:35:50 7T6zla1w
作者さんGJ
だが本当嵐の前の静けさっぽいな…

868:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 01:32:04
セカンドインパクトの真実…
突如出現した巨大使徒アダムに対して国連秘密会議はついに大型ミサイルを発射するのであった。
そしてミサイル落下を防ぐために、ゲッターチームがついに飛び立った!

ゲンドウ「何故、分離する冬月!!」
冬月「遅れた分をゲッター2のスピードに賭ける!」
ゲンドウ「無茶だ!こんなスピードで失敗してみろ…!」

ゲンドウ「!!おもしれぇ!(モニターに映るキールの顔を見て)」

冬月「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!」
ゲンドウ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…!」

キール「何もかも昔のままだ・・・」

冬月「チェェェェェンジ・ゲタァァァァァァ…トゥッ!!」
   
ゲ・冬「うおおおおおおおおおおおおおおおおお……!!」

巨大ミサイルに迫る真ゲッターであったが…

869:つづき
07/11/14 20:48:34
 第三新東京市地下に広がる大空洞、ジオフロント。
 その広大な空間を拠点とするネルフ本部においては所有兵器たるエヴァンゲリオンを、
格納するためのケイジと呼ばれるブロックがあった。
 ケイジとは、オリの意のことだ。
 すなわちエヴァを拘束するための場所である。
 格納でなく拘束というのは、すでに明らかになっているように、この汎用人型決戦兵器
と称されるものは確かに兵器ではあるが無機物ではないからだ。

 初号機が人類の始祖・リリスの、それ以外が人類になり損ねたモノの始祖・アダムのコ
ピー体であり、有機体である。
 生物を機械でコントロールした兵器であるエヴァは、暴走への対処もしなければならな
いし、維持には相応の処置が必要だった。
 このケイジ内ではエヴァを拘束するほか通常、高濃度酸素水の一種であるLCLを満たす
ことで、その生体部品腐敗などを防いでいた。

 それに対してゲッターロボ。
 これはその名が示すとおりの機械で、動力源こそゲッター線という機械すらも自己進化
させる超エネルギーであるが、器は無機物にすぎない。
 それをLCLに満ちたエヴァが居るケイジなどに置けば、まともな整備もままならないの
はいうまでもないだろう。
 だが整備はしなければならない。
 そこで、普段使用されている第七ケイジを避けて、第八ケイジを解放し専用の格納庫と
することでネルフはゲッターの管理にあたっていた。

 その第八ケイジに白衣に身を包んだリツコと、いつものボロのデニムジャケットとジー
ンズという服装の竜馬がいる。
 二人はたたずむゲッターを見上げていたが、そのゲッターのカラーリングがいつもと違
うようだった。
 燃えるような赤色につつまれているはずのゲッター1は、闇のような黒に全身を塗装さ
れて、全身の形状がわずかに変容していた。

870:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:49:41
 その理由は。
 サハクィエル戦にて、二度の大気圏突入をサポートも無しに単機で決行したゲッターは
機体にややダメージが蓄積しており、補修が必要であったのだ。
 ここにきてゲッターロボに対する知識が深まっていたリツコは、補修のついでに強化改
造する案を竜馬に持ちかけた。
 竜馬は最初、改造する間ゲッターが戦闘不可能になることを理由に断っていたが、あま
りに必死にせがまれるので、面倒くさくなって承諾した。

 結果は、竜馬自身も予想しえないこととなる。
 そう。彼は改造されたゲッターの姿に記憶があったのだ。

「こいつぁ……ブラックゲッターじゃねえか」

 竜馬がいった。
 頭部の意匠が大きく変容しており、菱形だった目は三角となり、さらにその中に赤く小
さな瞳が浮いている。
 アゴの部分には蛇腹になったマスクのようなものが装着されており、従来のゲッターに
比べて見た目はずいぶんと凶悪なものとなっていた。

 ともかくも目つきが悪すぎる。赤い瞳の他、人間の白目にあたる黄色い部分もやや赤く
血走っていたほどだ。
 だがゲッターを禍々しい姿に改造した本人の感想は、まったく違った。

「ゲッターの改造は間もなく終わる。それにしても、なんて美しい……相手を破壊するた
めだけに特化した機能美。我ながら惚れ惚れするわ」

 と、リツコは陶酔するような目でいう。
 破壊に特化したの言葉に偽りなく、ゲッターの両腕に生えている三連の刃も巨大化して
まるでゲッタートマホークの必要がなさそうに感じるほどだった。

871:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:50:44
 その拳にも、鋭いトゲがメリケンサックをつけたかのように付いている。
 格闘戦を重視しているのであろう。
 リツコ案による改造であるが、竜馬好みといえた。

「よく短え間に、ここまで技術をたくわえたもんだ。やるじゃねえかリツコ。まあ変形機
構を残したとこが俺のと違うが」
「えっ?」
「いや……なんでもねえ。こいつでまたひと暴れさせてもらう」

 そう竜馬がいったときだった。
 ふらりと珍しい人物が第八ケイジを訪れた。

「また、大胆な改造だな」

 声の主は、ゲンドウだ。
 シトを相手にしていないときや、私生活の様式は組織の人間もほとんど知らないこの男
が、作戦中でもないのにケイジに訪れるのは極めて希なことであった。
 彼はいう。

「結局、南極で槍は見つからなかった。これもゲッターによるシナリオの変動かね」
「俺は難しいことはわかんねえよ。だが、あれは諸刃の剣だ……二つといらねえはずだ」
「まあ、な」

 そういうと、ゲンドウは眼鏡のずれを直すと手袋ごしに目を一度こすって、再び竜馬をみた。

「流。一応、礼はいっておく……同時に詫びてもおこう。もしできることなら、シンジに
道を示してやってほしい」
「それはてめえの役割だぜ」
「だが、私には」

872:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:51:46
 視線をそらし、ゲンドウは迷いをみせる。
 酒の席でいったように、まだ、息子に対する畏怖感が消えないのであろう。
 それを竜馬が頭から抑えつけて無理矢理、己の方を向かせると貫くようにいった。

「俺の親父は、一岩といってな。ふざけた野郎だったぜ。親父のせいでガキだった俺は死
ぬような特訓の日々を送った。実際、何度も死にかけた。
 だが、今の俺の生き方があるのは、その親父のおかげでもある。
 別にてめえに同じ事しろたあ、言うつもりはねえ……俺だって自分のガキにゃ大したこ
としていない。
 だが、ガキに甘えたがる親父じゃ親父である意味がねえんだ。ちったあ気合入れろ」

 そういう竜馬の目に貫かれるゲンドウは、しばらく言葉を失っていたが、やがて彼から
離れるように一歩さがると、再び眼鏡を直していった。

「精神論だが……たしかに、それでなければ解決できない問題もあるな。その言葉は覚えておこう」

 ゲンドウはきびすを返すと「失礼する」といって第八ケイジから退出していった。

 そんなやりとりを交わした直後だった。
 喋り終えるのを待っていたかのように警報が鳴り響き、アナウンスはシト出現の報をネ
ルフ本部全体に伝えていく。
 竜馬が勇んでゲッターに乗ろうとするが、側で作業にあたっていたメカニックをみて、
まだ作業が終わっていないことを思い出す。
 頭部のコクピットにぶらさがりながら叫んだ。

「ちっ……最近姿を見せなかったくせによ! あとどれぐらい掛かる!?」
「一〇分だけ頂戴!」
「急げッ」

873:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:52:48
 竜馬が叫んだころ、同じくして第七ケイジのシンジたちも出撃準備に入っていた。
 初号機、弐号機、零号機の各パイロットも、それぞれのエントリープラグへの搭乗も済
んで、あとは地上へ射出されるのを待つだけだった。

「初号機、発進準備完了」
「零号機、準備完了」
「弐號機プラズマボムス起動。こっちゃいつでもいけるわよ、ミサト!」

「オーケー。今回は珍しくエヴァ全機稼働してるわね……けど気をつけて。今度の相手は
レーダーにも反応しないし、波長もオレンジ。シトとは認識されない相手よ。
 けど、間違いなくシトだわ。第三新東京市低空を、微速で進行中……第九シト、作戦上
のコードネームはレリエル。
 能力が解らない以上、慎重に接触して。可能であれば市街へ誘導してちょうだい」

 ミサトがいう。
 彼女が見つめる司令部のモニタには、シマウマの柄のような球体がゴウゴウと奇妙な唸
りをあげて動いている。
 かつての第五シト、ラミエルを思い出させる異様さだったが、別に加粒子砲を撃ってく
るわけでも無いし、どうも実体感のない敵であった。
 まるで、蜃気楼でもみているかのようだ。
 レーダーに反応しないというのもそれを裏付けているようであった。
 が、目にははっきりと見えるわけだし、波長はセンサーに感知されるので、間違いなく
そこに何かがいる。

「了解……早速、弐號機が役に立ちそうね」
「では、エヴァ各機発進!」

 ミサトの号令と共にエヴァ三機が地上へ吐き出されていった。
 地上に出、すぐにリフトオフし初号機、零号機がビルディングのそびえる大地を揺るが
して前へ踏み出す。

874:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:53:51
 弐號機はリフトオフすると、右肩の直立コンテナに内蔵されたプラズマボムスの唸りと
共にふわりと宙に浮き上がっていく。
 どこがどうなっているのか、プラズマボムスによる稼働は同時にエヴァに空中を制す能
力までをもたらした。
 なお、號の表記は敷島が勝手に名付けたエヴァンゲリオン號という名称から、アスカが
その文字を気に入ってそう呼称しているものであり、正式には弐号機・改の扱いだ。
 弐號機はレリエルに感づかれぬよう、ビルの谷間をゆっくりと舞うように飛ぶ。

「こちら弐號機。先行して隊の目になるわ、弐號機からのデータをよく見て動いて」
「初号機、了解」
「零号機了解」

 そういうと、アスカは弐號機を急浮上させてビル街の真上に飛び出ていく。
 すぐに視界にゼブラ模様の球体が現れて、弐號機が身構えるが、レリエルはなにもしてこない。
 アスカが眉をひそめる。

「こちら弐號機、おかしいわ。敵に動きがない……まるでこっちを誘ってるみたい」
「……仕方がない。初号機、零号機は待機。弐號機は空中から威嚇射撃して様子を見て」
「了解ッ」

 ミサトの指示に従って弐號機が手に持ったパレットライフルを発射する。
 レリエルはよけることもなく、劣化ウランの弾丸は全てが命中していった……が、命中
したはずの弾丸は、まるでホログラムの映像でも撃ったかのごとく、レリエルをすり抜け
てその後ろにあったビルを破損させただけで終わってしまう。

「な、なにそれぇッ……!?」

 アスカが悲鳴をあげる。
 だが、これでなにかを直感したように、

875:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:54:53
「こいつは……っ。シンジ、ファースト、下がって!! 嫌な予感が―」

 叫ぶが、それと同時にレリエルが動く。
 いや、消えた。
 テレビモニタの電源を落としたかのようにふっ、と空間から姿を消すと、次の瞬間には
レリエルは後退しようとしていた初号機の頭上に迫っていたのだ。

「く、こいつっ」

 レリエルの接近に焦るシンジは、その手に持った専用拳銃を連射して球体に攻撃を加え
るが、やはり弾丸がすり抜けていってしまってダメージを与えられない。
 と、レリエルがそれを待っていたかのように初号機に降下してくる。
 シンジはそれから離脱しようとするが、しかし思うようにエヴァの足が動かない。

 ―なんだ!?

 と思って足下を確認すると、道路があるはずの地がなくなり、真っ暗で巨大な影が広が
りつつあった。
 突然、足の下に巨大な沼が現れたかのように、その上のなにもかもが、黒い影の中に飲
み込まれていってしまう。
 シンジはあわてて脱出しようとするが、掴むものがなくどうにもならない。

「しまった……くそ、ミサトさんっ、あのゼブラ模様はフェイントです! 本体は、こっ
ち……う、ううっ。だめだ飲み込まれる……」

 そういう間にも、初号機の体が半分に埋まっていく。
 弐號機が跳んだ。

「シンジ!」

 沈む初号機を救出しようとするが、この時点になってレリエルの球体からその子分のよ
うなものが次々と飛び出して弐號機、そして零号機にまとわりついていく。

876:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:55:55
 どうやら、子分の方には実体があるようだった。

「ちっ、邪魔よ、離せええっ」
「駄目、動けない……!」

 その様子が作戦司令室のモニタにもはっきりと映っていた。
 ミサトが狼狽する。
 このような人知を超えた状態でどうしろ、とも言えるはずがなかった。
 ただ、ひとつ希望になるものは。

「そうだ、ゲッターは!? まだゲッターは出られないの、第八ケイジにつないで!!」
「はい!」

 ミサトの叫びにマコトが応答した。
 すぐにモニタには第八ケイジの様子が映しされ、漆黒のゲッターの姿が浮かびあがる。
 すでに発進準備は整っているようで、ゲッターの背には外が機体と同じ黒い、内が真紅
に染められたマントがたなびいていた。
 その呼びかけに応答したゲッターから通信が入る。
 だが、モニタに映った人間は竜馬でもリツコでもなかった。

「ふ。出撃……」

 そういうのは、いつもの黒い制服に身を包んだままのゲンドウであったのだ。
 ミサトが飛び上がらんばかりの声をだす。

「い、碇司令!? なにやってんですかそんなとこで! こんな時にッ!!」
「非常時だ、私がベアー号パイロットをつとめる。敵は未知だ、ゲッターがフルパワーである方が望ましい」
「し、しかし……」

877:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:56:58
 言いよどむミサト。
 そこへ竜馬が割り込んでくる。

「どうしても乗せろっていうんだ、なんでもアダム喰ったから平気だとか抜かしやがって
よお! おう、喋ってる時間はねえッ。ゲッター発進するぞ!!」

 竜馬が叫ぶとミサトの返答を待たずに、ゲッターがケイジの天井を突き破って飛び上がっていく。
 次から次へと内壁を破壊しながら、発進用エレベーターをも超えた速度でみるみる内に
地上へ登り上がって地上から空中へと突き抜けて躍り出た。

 すでに初号機は完全にレリエルの球体の下部に広がる、黒い影に飲み込まれて周辺のも
のと共に消え去っていた。
 竜馬が叫んだ。

「アスカぁッ、俺は影に突入する! その間きっちり仕事してやがれ!!」

 そういうとゲッターは一度上空へ跳ね上がってから影に向かって急降下していく。

「いくぞリツコ、ゲンドウ!!」
「ええ!」
「ああ」
「おおぉぉっ!!」

 三人が一斉に叫ぶと同時に、ゲッターが水面に落ちた鉄球のような勢いで黒い影の内に
突入して消えた。

「げ、ゲッターロボ……ロスト」

 その様子をシゲルが報告する。

「バカな……」

878:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 20:58:06
 冬月がうめいた。
 だが、まだレリエルの子分が残っている。
 ミサトが我に返ると、再び指示にはいった。

「レイ、アスカっ。とにかくそいつらをなんとか振りほどいて離脱してっ」
「やってるわよっ」

 弐號機がまとわりつく一体を両手で絡め取ると、そのまま力任せに握りつぶす。
 ばしゃっ、と赤い液体が散って砕けた。
 やはり生物なのは確かだったようだ。
 さらにまとわりつく他の子分をふりほどき、弐號機は零号機の側へ飛んで首を引っつか
むと、子分共を払い落としながら離脱する。
 感覚をダイレクトに受けるレイが苦しんだが、それを気にしている余裕はない。
 さらに飛び、零号機を回収ポイントの上に落とすとシャッターが開いて回収されていった。

「ナイス、アスカ! あなたも早く後退して」

 ミサトがいうが、アスカはまだ引かない。

「駄目よ。子分共をなんとかしないと、こいつらジオフロントまで追ってくる!」

 そういうアスカが子分共を引きつけながら弐號機を天高く舞い上がらせ、全身を蒼く発
光させはじめる。
 すれば右肩に内蔵されたプラズマボムスがひときわ大きな唸りをあげていき、ついには
電光が弐號機の体を走りはじめた。
 両腕を大空へぐわりと振り上げると拳が大きく開き、そして掌と掌の間に空間を揺るが
す放電が発生していく。
 その状態のままアスカが叫んだ。

「プラズマサンダーッ!!」

879:ここまで
07/11/14 20:59:11
 それと同時に、弐號機はのけぞるように振りかぶってから、弾けるような勢いで両の腕
を迫る子分共に向かってつきだす。
 瞬間、いかづちの轟音と共に空気を裂いた稲光が敵に迫り、子分共を瞬時に消し炭と化
しながら本体のレリエルをも貫き、残ったエネルギーが周囲のものを破壊しながら爆散していく。
 飛び散る街の破片が上空から降り注ぎ、それを防ぐために弐號機はA.Tフィールドを展
開するほどであった。

 まるでゲッタービームの掃射を見ているかのようだった。
 だが、爆発が収まるころになっても、レリエルはいまだ健在であった。
 どころか、何らプラズマサンダーの影響を受けていない。
 物質による攻撃は通用しない、ということであろう。

 加えてレリエルの攻撃手段は本体に見せかけた球体でのフェイントと、影とみせかけた
本体での飲み込みときている。
 脅威の相手だった。
 幸いなことはレリエルに、これ以上の追撃を行う様子がないことのみである。
 プラズマサンダーで大量のエネルギーを消費した弐號機も活動限界が迫り、これ以上の
戦闘は不可能であろう。

「アスカ、本当によくやってくれたわ。今度こそ後退よ」
「ええ……でもミサト。こういう時は後退じゃなくって転進っていうの! 闘争心が消え
ちゃうじゃないっ」

 弐號機がいそぎ回収ポイントに向かう。
 場は、沈黙に包まれるのだった。


・・・

880:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 21:08:52
続きキター!っていきなりレリエル戦?
職人め・・・予定を繰り上げてきたか・・・GJ!

881:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 21:09:43
え~と・・・・・・ゲンちゃん死亡フラグ立っちゃった?

882:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 21:12:52
突入したゲッターのコクピットにはやはり、デニムとスカーフと邪悪笑いしか残ってないんだろうか・・・

883:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 21:20:50
なんかこのまま黒平安京ならぬ黒第三新東京に行きそうな展開だ

GJ!

884:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 22:18:02
どうなるのか次が楽しみ

885:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 23:14:04
今日のぶんおわた?

886:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/14 23:47:12
GJ!!!
エヴァが空飛んでしかもプラズマサンダーを…!
なんてゾクゾクする展開なんだ!

しかしゲンドウがベアー号って…
やっぱりあれか、最後はゲッター炉心掴み出うわ誰だ何をするやめドワオ

887:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 02:12:36
なぁ、いつの間にこんな神が現れたんだ?

888:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 05:13:02
石川賢の一周忌だぜ…

889:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 05:55:41
やはり職人はエンペラーに乗って帰ってきた石川先s


DOWAO

890:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 16:40:21 JBK6atpx
ほぼ連日投下されていたSSが、しばらく間が空くと次がちゃんと投下されるのか不安になるのは・・・うん。仕方ないよね?
息切れを心配してもさ。

891:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 17:09:18
ゲッターの力を信じて、かつsageろ。
あと、ほぼ同サイズと思われるゲッターとエヴァが競演するとなると
リボルテックで再現したくなるところだが、1はブラックに、
またラミエル戦で大破した零号機はたぶん青い改になってるだろうとして、
初号機はTV版と劇場版のどっちなんだろう。
エヴァ関連のは全然買ってなくて、どうせならこのSSで登場してる方に
合わせたいのだが…

892:名無しさん氏んでも代わりがいるもの
07/11/15 17:49:34
>>890
というか今までのペースが凄すぎただけですので、不安になってはいけません。

それはそうと虚無るエンドにも、いい虚無るとわるい虚無るがあると思います。
ちなみに新ゲはいい虚無るENDだったと思います。まあ好みですが。

893:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:17:43
TO虚無る


ところで貞本絵の竜馬ってどんな感じかね?

894:つづき EVAはTV版
07/11/15 19:22:05
「ここは―」

 ふと、シンジが目を開ける。
 レリエルの影に飲み込まれてからどれほどの時間が経ったのか……それすらも解らなか
ったが、ともかくも自分は生きている。
 シンジは周りをみた。
 プラグ内に居るのは確かだったが、周りはなにも映っていない。

「……」

 シンジはそれを確認すると、ネルフ本部との通信や、ソナーによる探知を試みるのだが
どれも効果を成さない。

「どうなってるんだ……」

 困り果ててつぶやいた。
 それは誰も答えてくれるのことのない疑問……の、はずだった。
 しかし。

「ココハ、別ノ宇宙ヘノ扉デモアル場所」

 何者かの声が、初号機のプラグ内に響いてくる。
 だが通信機器によるものではなくシンジの頭の中に、直接響いてくるような声だった。

「誰!?」

 シンジが頭を振ってプラグの中を見渡すが、狭い空間だ。
 なにかが発見できるはずもないし、映される外界はあいかわらず黒一色だ。
 そんなシンジをあざ笑うかのように声はつづいた。

895:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:23:09
「ボクハ、レリエル。碇シンジ、君ニ知ッテモライタイコトガアッテ呼ンダンダ」
「シトに……言葉を使う知恵があったの」
「シトモ色々。目的モ様々。ボクノ目的ハ君二、ゲッターノ真実ヲ知ッテモラウコト」
「ゲッターの……わかってるよ。ゲッターは時天空を倒すための兵器。時天空を倒さなけ
れば、僕らのやってきたことは全てに無駄になってしまう。だから僕は……」
「ダガ……コレヲ見テモ君ハ、ソウイッテイラレルカナ」
「うわあっ……!!」

 その会話を境に、シンジの目の前が白く光りはじめる。
 あまりのまぶしさに何も見えなくなってしまい、しばらく目を閉じたままどうすること
もできなかった。
 やがて、開けてきたシンジの視界に、なにやら赤黒い色が映っていく。
 最初それはぼんやりとしか見えなかったが時間が経つにつれてはっきりとしていき、次
第に知覚できるようになった。

 気づけばシンジはエヴァのプラグから降りていた。
 いや、エヴァそのものがどこかへ行ってしまっている。
 そして自分が、腰の位置にまで液体に浸かっているのに気づく。
 その正体は、

「うっ……! 血だ……これ、血の海が……うぐっ」

 むわっ、と吐きたくなるようなほどに強烈な血の鉄分の臭いがシンジの鼻孔に充満して
脳を刺激する。
 視覚にもどす黒い血液がプラグスーツを染め、引き上げた掌からぼたぼたと、それがし
たたり落ちていく。
 シンジはたまらず胃の中のものを全て外に戻してしまう。
 今朝に食べたトーストから、飲んだコーヒーまで全てが混ざったものというものを、吐
き出してからシンジは顔をゆっくりとあげる。

896:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:24:11
 辺りを見回した。
 すれば、永遠にどす黒い血の海がつづき、その水平線ならぬ血平線がみえた。
 見上げれば、黒い太陽がそびえて空は不気味なほどに赤く夕焼けしている。

「何もない……なんだよここ、血の海がどこまでも続いてる。
 くそ、レリエルめ何をしたっ。僕をここで発狂死でもさせるつもりか」

 シンジは脳裏に竜馬とゲンドウの顔を思い起こすと、負けてたまるかと勇気をふるいお
こして前へすすむ。
 だが粘性のある血液が進む脚にからみつき、足からつたわってくるのはコケの生えた石
の上をあるいているような感覚だ。
 思うように前へ進めない。

「くそっ……」

 シンジが呻く。
 だが、そうこうしていると遠目になにか物体が蠢くのがみえた。

「なんだ」

 目をこらしてそちらを見る……すると。

「あ、あれは、僕……?」

 シンジの見る先に、ぽつん、と学校のワイシャツとスラックスに身を包んだ自分がうつ
むき加減で立っているのがみえた。
 むろん、白いはずのワイシャツは血に染まってそのままの色へと変貌している。
 とにかく物体が見えたことでシンジはそちらへ歩を進めるが、やはり血に足をとられて
なかなか前へ進まない。

897:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:24:30
支援

898:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:25:13
 それでも気力のままに前進していくと、ある程度近づいて大きく見えるようになったと
ころで、血の海の中から誰かがはい上がってきた。
 それは……

「ミサトさん」

 髪までも血にまみれているが、たしかにミサトであった。
 一糸まとわぬ姿でいることにシンジは血の海にいることも瞬時、わすれて赤面する。
 だがミサトは瞬時、鬼のような表情になって制服のシンジに腕を振り上げて襲いかかっていく。
 あっ、と思った瞬間だった。
 しかしうつむいていた制服のシンジはとっさに顔をあげるとミサトの手をはらい、片腕
でその首を鋭く掴みあげると、凄まじい力でつり上げていく。
 ミサトは苦しそうに抵抗するが、力が違いすぎてどうにもならないようだった。

「な、なにをしてるんだッ……やめろっ!!」

 シンジが止めようとするが、ある程度近づくとどうやっても進めなくなってしまう。
 さらに制服のシンジは残りの腕をすっ、と引っ込めると貫手をミサトの下腹部に放つ。
 それは彼女の肉を裂いて貫き、さらに腕をぐるりとねじってまわしながら引き抜き、途
中で中の腸を引きずり出してしまう。
 すでに、ミサトは絶命していた。

 制服のシンジはミサトの骸をどこかへ放って、血の海に沈める。
 そして、手に残った腸に喰らいついて瞬く間に噛みちぎり、一部をその胃へと収めると
あとはさきほど持ち主にやったと同じように、放って捨てた。
 その様子を黙ってみているしかなかったシンジが震えている。
 怒と哀の感情が高ぶって彼を支配した。

「なんで、なんで僕がそんなことをするんだ!!」

899:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:26:14

 そう叫ぶと、制服のシンジがこちらへ気づいて首を曲げた。
 顔には薄ら笑いが張り付いていた。
 彼は、静かに口をひらく。

「ようこそ、僕。気に入って貰えたかな、この世界は……」

 と、自身とまったく同じ声で話しかけてくる。
 それに嫌悪感を感じるシンジが、激高して、

「ふざけるな! なにが気に入っただ、よくもミサトさんを……っ」

 叫ぶが、もう一人のシンジは相手にならない。
 ふっと鼻でわらうと、血にまみれた指をぺろりと舐めていった。

「だって……これが僕たちの望んだ果てにある世界じゃないか。ゲッターと共にあるとい
う未来を選んだ、僕たちの。
 この血の海はゲッターに関わって死んでいった人たち全てのものさ」

 ケタケタと笑う。
 さらに彼はつづけた。

「僕は流竜馬と逢ったことで運命を変えた。だけど、その変わった運命は変わる前の運命
よりも、もっと残酷で血なまぐさい未来だった。
 これがゲッターに関わった者たちの末路なんだ。進化のために、ひたすら殺し合いを続
ける未来だ。嫌かい?」

「嫌だよこんなのっ。地獄じゃないか、これじゃあっ!!」

 シンジは血まみれの手でその頭をかきむしる。

900:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:27:15
 血が髪にまとわりついて、まだらに赤く染めていく。
 そんなシンジをみながら、もう一人の制服のシンジが、つぶやくようにいう。

「そう。なら、また未来を変えればいいんだ。流竜馬がやったようにね。
 まだ間に合うよ……今から運命の歯車を元に戻して人類補完計画を発動させれば、僕ら
はLCLという一つの生命になって安息の時が得られる。地獄で苦しまずに済むんだ」

 誘いかけるかのようにいう。
 シンジはしばらく目をつむって思考したが、やがて、

「……だめだ」

 といった。
 それを受け手制服のシンジの顔が歪む。

「酔いどれ亭でみんな約束したんだ、人類補完計画は阻止するって。それに思い出せば
竜馬さんはこういう地獄のような未来を変えるためにゲッターの導き手として、エンペラー
も支配するって言っていた。
 だまされないぞ、お前は僕じゃない。この世界も未来じゃない、幻覚だ」

 毅然といった。
 さらに表情を歪ませる制服のシンジがはあ、と大きくため息をひとつつく。
 次の瞬間、瞳の中の黒目が猫のように細まった。
 うっ、とそれを見たシンジが息につまる。
 制服のシンジは、その細い黒目でシンジを睨み付けながら無表情にいった。
 
「つくづくゲッター線に触れた人間は、意思が強くなって困るよ」
「なにっ」

901:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:28:13
支援

902:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:28:28
 そういうと、制服のシンジの姿がぐにゃりと崩れて球体のレリエルに変わる。
 はっ、とするシンジ。
 と同時に視界が一気にプラグ内のものへと戻っていく。

「やっぱり幻覚だった……くそ、僕を元の世界に返せ!!」
「ドノミチ、エンペラー二感ヅカレレバ終ワリダ。シカシ、人類補完計画ノ要デアル君ヲ
手放シハシナイ。碇シンジ」

 その言葉と共に、シンジの足下を何かがカサリ、とうごめいた。



 一方、同じ時刻に黒い影に飛び込んだゲッターは、凄まじい速度で影の底を飛んで進ん
だがいくら行っても暗闇が続くのみで何もない。
 たまりかねて竜馬が怒号を発した。

「どこだここは!? シンジの野郎はどこにいきやがったぁッ!!」

 その叫びに、ジャガー号のリツコが答える。
 なにか思い当たるフシがあるようだった。

「いや、そんなはずは……でも、あるいはディラックの海。流君、ここは負のエネルギー
が無限につまった空間で理論上は……」

「俺のわかるように言え! いけどもいけども果てがねえってこたあ、異次元なんだろ。
 シトめ味な真似しやがる……だが、破壊規模のことも考えなくていいわけだ。
 ちと強引な手段だがしかたねえ。来い、エンペラーーッ!!」

 竜馬がゲッターエンペラーを呼んだ。

903:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 19:29:35
 すれば、突如としてブラックゲッターの視界が真っ赤に染まり、いままで暗闇だったは
ずの空間がみるみる内に赤だけの空間となっていく。
 リツコもゲンドウも、なにが起こっているのか理解できなかった。
 それも無理はない。

 竜馬は、今このとき一つの宇宙と同じだけのサイズに進化したエンペラーを、無限空間
へ呼んだのだ。
 無限なだけにエンペラーがはみ出してしまうことはないが、人間の知覚力でその大きさ
を測り知ることなどは到底、不可能なことだった。
 ただ、その体色である赤の色が視界の全てとなっていくだけである。
 竜馬がいう。

「リツコ、ゲンドウ。もはや目など役にたたん、心でゲッターをイメージしろ」
「イメージだと」
「そうだ。目を閉じてエンペラーを思え。そうすりゃ心で空間を見ることができる」

 今度は二人が竜馬のいっていることがよくわからない状態だったが、ともかくもいわれ
たままに目を閉じて、エンペラーが無限の世界を往く姿を想像してみる。
 すると。

「こ、これはッ」
「すごい。流君のいっていた、ゲッターエンペラー……なんて途方もない」

 二人の脳裏に、エンペラーのイメージが流れ込み、その存在を知覚させていく。
 見えたものはゲッターロボの顔。
 とてつもなく巨大でそれのみで宇宙すらも飲み込むほどの大きさの、顔だった。
 だが人間は対比物がないと、対象の大きさを判断できない存在だ。
 だからエンペラーは彼らのイメージのなかに、宇宙を風船にたとえて、そのなか一杯に
つまった状態の自己を想像させた。
 さらにその風船をやぶり、別の世界にまで浸食するイメージだ。


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