綾波と俺を同じ部屋に閉じ込めてみたat EVA
綾波と俺を同じ部屋に閉じ込めてみた - 暇つぶし2ch433: ◆i6LROeveXU
07/12/01 22:29:20

しばし、再び無言の時間が来た。 私を見つめてくださるレイさんの紅い瞳は、
驚愕、戸惑い、疑念、どの色に染まっているのだろうか…?

(人がそんなに便利になれるわけない…)

赤い人の親族さんが言っておられた言葉、今ならよくわかり、胸に突き刺さる
そして、レイさんが口を開かれた。

「… そう… なの…  ?」

私は、自分自身全てをかけて答えた。

「そうです」

レイさんは、その返答にしばし考え込んでいるようだったが… やがて、その瞳に、
私にもわかる 「決意」 と 「覚悟」の色をたたえて、おっしゃられた。

「… お願い … 教えて。 あなたが知っていた 『続き』 を」

434: ◆i6LROeveXU
07/12/01 22:34:57
先ほど考えていた 「しなければならない選択」 それを。今、レイさんから提示されて。

迷っていた私の心は決まった。 …それは残酷なことだろう。無慈悲なことかもしれない。

だが今ならば分かるのだ。 私の言葉に、確固たる「意志」を以って答えてくれたレイさんならば。
それを乗り越えられると。もはや、その筋書きに進んでいない、ということもあるが、
…ここを出たのち、その残滓がレイさんにふりかからないとは言えまい。

それは、運命といいかえてもいいかもしれない… 人は皆運命の奴隷なのだ… そういう言葉もあるが

今のレイさんの瞳に宿っている覚悟… ここでレイさんといっしょに過ごさせていただいた毎日の中で、
改めて感じられた 「黄金色に輝くもの」… それがあるならば。

運命すらも、乗り越えられる。そう信じている。

だから、私も、今は迷いはしない。先ほどは迷っていた。だが、今は違う。

レイさんが「覚悟」を以って問いかけてくださっているのならば… 私は、私の知る全てを伝えよう。

435: ◆i6LROeveXU
07/12/01 22:40:32

「…すこし… 長い話になります それに聞き辛いことでもあるでしょうから…
 なにか、用意してきますね」

それは逃げか? いやそうではないだろう。目的がありそれに到達しなければならないとしても、
手段は吟味すべきものだ。もしレイさんがその話を聞いて、また変調をきたされるようであれば、
それに対応しなければならないしな… だから、これは「備え」でもある

「パラベラム」というやつか? …やや意味が異なるかもしれないが。 ともあれ、私はレイさんの
肩に手を置くと立ち上がって、リビングへと向かった。

…(さっき肩に手を置いたのは、なれなれしすぎるかな? いや、まあそうでもあるまい…)

自分としても心の均衡を保つためにそのようなことを考えていたのかは、わからないが。

そのやや浮ついた心は、リビングから例の部屋に続くドアの前で一瞬にして拭い去られた。

「…!」

436: ◆i6LROeveXU
07/12/01 22:45:06
その事象が脳に届き、理解する前に、私は手近にあったモップをひっつかんで
ドアを蹴破る勢いで開け、中に文字通り… 「突入」していた。


  キ サ マ
「 貴 様

   ミ
  見 て い る な ッ ! ! !」

そう叫んで、私はモップを思い切り… 「その穴」に叩き付けていた。
ガコッ!という鈍い音がして、モップの先端が砕けて外れた。穴のふちから、土くれが飛び散る。

おそるおそるモップを外したときには、その気配はもう消えていた。 …甘かった、油断をしていた。

私はひどく舌打ちをしたい気分にかられたが、後ろに、おそらくはその音を聞いていらっしゃった
レイさんを認めて、それを押し留めた。

437: ◆i6LROeveXU
07/12/01 22:50:52

「…レイさん、もうしわけありませんが、今日は… 先ほどのお話をするわけにはいかないようです」

声にやや強わいものが混じっていたのは、どうしようもなかった。

「……」

レイさんが、やや怯えたような顔をなさって、私を見つめている。
レイさんの前でこういう面は出したくないんだが… しかたないこと、なのか。

モップをその場に放り捨てて、私はレイさんを促してリビングへ出た。
その後はややぎこちない空気だったけれど、レイさんがローズティーを淹れて下さったので、
張り詰めていた私の心もなんとか落ち着いた。だが依然張り詰めているのにはかわりない


…今日も寝るわけにはいかないな…

もっと… 厳しくなるな … これからは…

438: ◆i6LROeveXU
07/12/02 22:34:28
とりあえず、プラモを作る時に使う(なぜか大缶であった)パテを持ってきて
穴を塞いだ コンクリに比べれば強度は(悪い意味で)段違いだが
まぁ無いよりはいいだろう。しかしこれで安心してはいられない
あくまで悪い意味だからこんなものはすぐにでも突破されるかもしれない

なぜか今は「奴」は覗いているだけのようだが… いつ考えを改めるか分からないからね

だから穴のパテが固まる前に、一見わからないように鳴子をたくさんしかけておいた
どの部屋にいても穴に変化があればこれが鳴って知らせる
まぁ無いよりはいいだろう。

…レイさんもうすうす感づいておられるのかな

だがまぁ… できるならば… レイさんには負担を掛けずに私がケリを付けたいところだ

439: ◆i6LROeveXU
07/12/02 22:43:13

さて、昨日のことで中断してしまったが、今日は、いよいよレイさんに全てを伝えなければならない

とりあえず朝食の後、腹ごなしが済んだややのち、いろいろと準備をした上で、リビングで
レイさんと向かい合った。私のソファの後ろには洗面器や救急箱などが用意してある

昨日のことでなにか聞かれるかも、と思っていたが、レイさんは先の問題に注視しておられるようだ

ホットチョコレートを淹れた後、私は例のDVDの残り4枚を取り出して、レイさんに見せた

それぞれ、『最後の使徒』および『最初の結末』のDISCと、『後の結末』のDISCだ
後半二枚には『DEATH/TRUE』及び『Air/まごころを、君に』と刻印してある

アルジャーノンのお墓に… そんな一文が浮かぶが まぁそれは今は関係ない

「そうですね… まずは、この前言ったカヲル君のことから確認しましょうか」

今のレイさんは、カヲル君に会ったことは無い。あの時点のレイさんはまだ彼に逢っていない。
少なくとも、「この筋書きの中では」  …まこと、人生にはいろいろな可能性があるものだ

440: ◆i6LROeveXU
07/12/02 22:52:57
以前にも言ったが、フィフスチルドレンとして着任してきた彼、渚カヲルは使徒だった。結果的には。

だが彼は他の使徒たちとは違い、人間に極めて近く、他の使徒には見られなかった高度な「自己」
があった これは、私は、カヲルはレイさんと同じような存在であるからではないか、と思っていること。

それと、私はもうレイさんについての全てを(あくまで映像に表れた全て)を知っているということも、話した。
以前、「一人目の~」云々、と言ったときに、もう気付かれていたのだろうけれども。

…だがまぁ、そんなことは私には関係ない。レイさんはレイさんだ。昨日言ったとおりさ。
だから私はレイさんに弁明をしたりはしない。 レイさんが私をどう思おうとも… それが私の「覚悟」。

話がそれたが、ともあれ彼はシンジ君と仲良くなり、心を通い合った仲になったと思われたのだが…

使徒のサダメに沿って、彼は始めてNervの最下層に立った。「そして御使いは神の前に立つ」という賛美歌を
背後に。そして、真実に気付いた。

(地下のリリスがアダムではない、ということは、以前「アスカ来日」の時点で
説明しておいた あの時のアダムはベークライト越しだったせいか レイさんにも気色悪い以上の影響は与えなかったが)


そして、シンジ君と対話し… 自らの自由意志に従って、死を選んだ。

441: ◆i6LROeveXU
07/12/02 23:00:00

私はこのことについては淡々と事実を告げるだけに留めた。自分の言葉で語ると、
どうしても主観が入るものだからな… まぁそれを完全に排除することなどできはしないのだが。
自分の感情や意見を交えて語るのは、カヲル君の選択を侮辱することにもなるかもしれんからかな…?

だが所詮カヲル君だからこう冷静でいられるのだ。もしカヲル君の立場がレイさんだったなら、
こうまで冷静に語ってはいられまい。

だがまぁ… もしあそこでカヲル君がシンジ君と一緒に生きていく世界を選んだならば、
最後はああもならなかったのかな、とも思うと、改めて自分が「傍観者」だということを強く認識させられる

いや、正確には「傍観者だった」だ。

…だからそれゆえに、今語っていることはもはや無き事となった、「ありえたかもしれない未来」の筋書き。
実際に、弐拾参話以降のDISCはみなブランクディスクになっているのだから…

そう思うと、カヲル君の死の前に現れた「三人目」のレイさんについて語るときにも、
あまり重々しく考えないで済んだ。

442: ◆i6LROeveXU
07/12/02 23:11:09
『一つ目の結末』については、あまり多くを語るまい。シンジ君は最後に殻を破ったように…見える。

だが、レイさんのことについては、一言あってしかるべきだろう。
具体的には、弐拾伍話のレイさんパートのことだ。

 『あの人が必要だから私はいたの。
  でも終わり。
  いらなくなるわ、私。
  あの人に捨てられるの、私。
  その日を願っていたはずなのに、
  今は……怖いの』


よくもまぁ人を人形みたいに扱うものだよ、そのおかげでレイさんが啼いているじゃあないか
涙というものは涙を流すだけではないというふうに私は思っているからかな…
だから、このセリフは印象に残っている

 「レイさん、誰かに必要とされるために人は生きる、というのも、一つの真実ではありましょう。
  ですが、人生というものはそれだけではないと、私は思っています」

 「………」

 「それに… もし、誰もがレイさんを必要と…  …。」

 「…… 何?」

 「…… いえ」

「つい主観がまじる」とはこういうことを言うのだ。やれやれ。

443: ◆i6LROeveXU
07/12/02 23:18:14
DEATH編はいままでの再構成だからよしとして… だがまぁ、一度聞いてみたかったことを訊いた

「レイさん、いままでにヴィオラを弾いたことはございますか?」

「…ヴィオラ?」

レイさんはヴィオラ自体は知っているようだが 弾いたことはないとおっしゃられた

「でも… 何故か 音色を知っているような気がする」


それは、弾いたときの感覚、といったようなものなのか

しかし… となると… シンジ君のチェロを筆頭とした、パッヘルベルのカノン、あれはなんだったのだろう…?

やはり、よくわからない。心象風景だということなのだろうか…?

444: ◆i6LROeveXU
07/12/02 23:22:13
シンジ君のチェロに対しては、いろいろと諸説がある

曰く、チェロは最も欧米の壮年男性の声を連想させる楽器だとか、
そのおかげでアスカはシンジ君に「男」を感じたとかいろいろだ

しかし残念なことに、私は弦楽器には詳しくない チューバ吹きだったものでね…

だからレイさんが弾いていたヴィオラに秘められているであろう意図は読み取れなかった


ただ… あの時 まだ子供の範囲を脱しきれていなかった頃聞いた
あのパッヘルベルのカノンの弦楽四重奏

この心に何か秋空に舞う一枚の紅葉のように残っているのだ。

445:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/12/03 22:13:13
>>チューバ吹き

ルリヲってブラスバンド部だったの?
有り余る肺活量を駆使してチューバを吹き鳴らすルリヲ・・・なんかイメージと違うなw

446: ◆i6LROeveXU
07/12/03 22:28:48
ホットチョコレートの二杯目を淹れてきた。 一杯目はお互いにあんまり減っていなかったから
二杯目というよりは継ぎ足しになるのかもしれない

さていよいよ、というわけでもないが… EOEにいたるというわけ

しかし、EOEは私からしても曖昧な結論しか出せていないし、それを言葉で説明するとなると…
というわけで、繋ぎも展開も切れ切れになってしまうだろうけど、ある程度仕方ないかな…

「それでですね、アスカさんは心神喪失、というような事になってしまったわけですけど」

結構迷ったが、結局は当たり障りの無い表現になってしまった

「シンジ君がお見舞いに行っていたようですよ」

見舞いか…  おみまいの意味が違うんじゃないか まぁ… 思春期だしなあ

そしてそれが、ガラスのように繊細な日常が打ち破られる寸前のときだったわけだ。

あくまで淡々と言ったつもりだったが、視線をそらしていたのに気付かれたのか、
レイさんは多少戸惑ったような顔をなされていたが。  やれやれ、これから先はどうなる事やら。

447: ◆i6LROeveXU
07/12/03 22:40:35
全ての使徒を排除し、障害がなくなったことにより… 黒幕は部隊に姿を現す
Nervの陰に潜んでいた魂… SEELEが。

元々Nervというのはエヴァという強大な力を持ちながら、その性質ゆえに
極端に対人戦に疎いという弱点を突いてきた、戦略自衛隊の襲撃。

務めて感情を排する様に喋っていたが、やはり、どこかに嫌悪がにじみ出るのは
どうしようもないのか…? それはそうかも 後から思えば、戦略自衛隊は
決して真実を知って攻めてきたわけではあるまい。

彼らが知っていたのは、「Nervが使徒を全て殲滅し終わった後、その「特異」な思想をもとに
セカンドインパクト以上の惨劇をもたらそうとしている」という「事実」だったのだろう。

汚いやり口だ。「二つの善意の第三者」というわけか 自分達の手を汚さず
彼らはナプキンを巻いて銀の皿の前で待っていると言うわけだ。彼らの目的云々を抜きにしても、
そういったやり口を行う以上、性質が悪いとは言えるだろう

「……」

…いまだ「二人目」のレイさんも、 その事について眉をそばだたせておられる

「…しかし、Nervにしても、それを事前に察知できなかったのは大きいです」

彼らを擁護するわけではないが、これは言っておかなければならなかった レイさんの人生の足しに
なるだろうと思ったからだ 結果論的な要素も人生にはあるから

(あるいは、「察知はしていたが放置していた」のか…)  そうも思うが、いたずらに複層化するのを避けるため
それは黙っていた。

448: ◆i6LROeveXU
07/12/03 22:46:51
第一陣は、デジタルな手段で。これは、例の事から来る「謹慎」から解かれた赤木博士が対応したことにより、
事なきを得た

だがまぁこれも前哨戦だったわけだ これですめば最良といったところだろう
「結果」は変わらないかもしれないが。戦自が突入することによって、それが遅いか早いか…
それだけの違いなのだろう あるいは… 「個人個人に終わる」か、「一斉に終わるか」の違いとも言えるか?

第ニ陣は極めてアナログな手段で来る。つまりは「直接」ということだ。

―その「直接」っぷりは、私はなるべく避けて話していたのだけれど、聞いているレイさんも、
その「直接」の内容を想像されたのか、顔色が更に白くなられていた。

『…相手は使徒じゃないのに。同じ人間なのに』

伊吹二尉の搾り出すような呟きが思い出される。

449: ◆i6LROeveXU
07/12/03 22:54:18

人間というのは、「大事なものを守るため」ならば、いくらでも残虐になれるといういい証左だろう
しかしそれもゼーレから伝わった偽りの事実。まこと、人は他人を100%理解することなどできはしない
その弊害がそこにはあった。ましてや、相手はそのことのプロだからな。どうにもならん

だがまぁ、それ自体は否定されるものではない、ということを、私はあえて言った
それはしかたのないことではある。その心を利用しけしかけるものこそ邪悪であるということも含めて。

私もかつて、初めてそれを見た日は、食欲があまり無かった、ような記憶もある
だから、このへんは簡潔にしておいて、(うっちゃっておいたともいう)

チルドレンのお話に話を移した。 といっても、前者の話題と完全に切り離せるわけでもなかったが。

450: ◆i6LROeveXU
07/12/03 23:05:47
私はミサトさんがうずくまるシンジ君に言った言葉を一字一句正確に覚えていたわけではないけれど…
これは全てのレイさんの世界の物事の根本に関わることだったので、特に時間を割いて
丁寧に説明した。 ミサトさんの言葉は、Nervのバックデーターから引き出したものだから、
かなり信憑性は高いだろう。そういって以下にまとめたことを言った

・セカンドインパクトは、アダムの覚醒を防ぐために仕組まれた事象だったこと
・人間は「アダムではなく」「リリスから生まれた」「18番目の」使徒であったこと
・他の使徒は別の可能性だったこと。つまりはありえたかもしれない人のカタチだったこと
・そして使徒の襲来は、その先にある「何か」を目指していたと言うこと。それはサードインパクト
 の後に来るなにかであること

言っているうちにホットチョコレートが固まってしまった。まぁ、暖めなおす暇も無いけれど

「そういった意味では… レイさんにも、シンジ君にも、他の人にも、なんら違いは無いと言うことにも
 なるでしょう そういう考えかたもあります」

換骨奪胎とはこのことだが まぁそいう見方が出来ることは確かだ
「私」を含まなかったのは あくまで私はちがう世界の人間だからな… そういう枠にないのかもしれない

451: ◆i6LROeveXU
07/12/03 23:16:52
「………!」

レイさんが驚いておられる そうまで驚かれることでは… とあわてたとき 私は改めて
私の世界とレイさんの世界が違うことに気付いた。レイさんにしてみれば、
自分のレーゾン・デートルに深く関わる事であろうから。

「……同じ…」

レイさんは、しばらくその事実を胸の中で繰り返し確かめておられるようでしたが…
ふと、その顔に険しいものがよぎった。

レイさんが正確に何を考えていたのかはわからなかったが、私は先手をきって言葉を紡いだ

「ミサトさんも言いました、使徒はお互いを拒絶するしかなかった哀しい生命体だったと。
 しかしそれも我々人の側から見た感傷とでも言うべきものですから、一概にそれについて
 どうこう思うのも、どうかな、とは思います ただ一ついえるべきことは……」

そこで私は一回言葉を切って、慎重に言葉を選んでレイさんに言った。

「レイさんが、他の皆さんを大切に思えたからこそ、レイさんは、使徒というものと戦ったのでしょう。
 ですから、それ自体は間違ってはいないと私は思います。レイさんたちがいなければ、
 ほかの人びとも…」

そこまで言って私は咄嗟に言葉に詰まった。考えすぎかもしれないが、もしやレイさんが、
先ほど話したような、Nervの皆さんの「直接」な受けっぷりとこの言葉を重ねて考えてしまえば、
余計に(言わなければよかったと思うほど)心を沈ませてしまうのではないか、とも思ったからだ

例えるならば、末期癌の患者に延命措置を施すような… あくまで「治療」ではない…

いや、そういうものでは断じて無いだろう。私はそう思うが… しかしレイさんは…

452: ◆i6LROeveXU
07/12/03 23:21:51

「… そう… そうね」

レイさんは完全には納得していない、というような顔だったけれど、なんとか折り合いを付けられたようで、
そうおっしゃられた。

…やれやれ、どうやらまた私の考えすぎだったらしい。どうも私は穿って考えるクセがある。悪い癖だな
だがまぁ気付かないよりはいいのかな… そんなことも思う。

レイさんにしても、今まで戦ってきたのは、皆さんを守るためで、先ほど話したような目にあわせるためでは
ない、断じてないと思っていらっしゃるなら、私としては安心できるのだけれども。  …今はそれはいい。

とりあえず私は話を進めた。

戦自の攻撃によって目覚めたアスカさん、ミサトさんによってケイジへと送り出されたシンジ君
(ミサトさんについては、送り届けたというところで切っておいた 今更なんだ、と思うのだが、
 やはり改めて言うのはキツいものだ 優柔不断のそしりを受けるに値するが、ね…)

453: ◆i6LROeveXU
07/12/03 23:36:05

ここまで「三人目」のレイさんには触れていなかったが、ここまでくるとイヤでも触れなければならなくなる

(あくまでこれはありえたかもしれない未来 今のレイさんには関係のないことだ)
そう思えばこそ、ゲンドウとともにリリスの前にたたずむレイさんのことも話せる

「……司令は…」

レイさんも何を言っていいかわからない様子だった
心の中で思っていたことが、つい口についたのかもしれない

―今のレイさんは二人目のレイさん。三人目のレイさんの心のうちはわかるまい。

そんなふうに思う私はどうだろうか?

もしかしたら、私が「分かりたくない」だけなのかもしれないが。

しかし、その思いが私の心の大切な部分を形成している。 勝手な思い込みと言えばそれまでだけれど、
それが人を信じる、ということなのではないのだろうか。

 …それを「身勝手」というならば、いくらでも言うがいいさ…。


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