07/10/30 00:28:52
赤木家のベランダ
赤木家のベランダと伊吹家のベランダは壁一枚を隔ててあるだけなので、少し体を外に出せば相手の家の人間と会話が出来るような仕組みになっている
そして今日も煙草片手にリツコが、布団叩き片手にマヤが楽しげに世間話をしていた
…だが、会話の合間に赤木家からは、朝とは思えないような声が時たま響いてくる
『ふわうぁぁ~っ!!シンジもっとぉ!もっとぉぉ~!!』
「はぁ…うるさいわねぇ、あの子達」
リツコは煙と溜め息を同時に吐き出しながら、愚痴を吐く
「ホントですねぇ
…あれで付き合ってるのが、バレて無いと思ってるからスゴいですよね」
マヤはそう言うとクスリと笑った
あの2人はあくまでも他の人達の前では、ただの幼なじみを演じている
(演じてはいるが目を覆いたくなるような三文芝居である)
「まぁ成長したって事よね…」
「そうですね。もう『あのアスカとシンジ君』と同い年ですもん」
「はぁ…。年取るワケね」
リツコは自らの顔を指でさする
すっかり母親が板についてしまったリツコの顔は、多用し過ぎた『笑顔』のためか、優しさの年輪が増えてきていた
「私が母親か…
ふふっ、14年前の私が聞いたら発狂しそうね…」
そしてリツコは煙を吐き出し、14年の思い出にふける