07/05/18 00:02:29
いちおつ
3:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 00:04:12
壱乙
3get
4:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 02:37:21
>1乙
4ゲト
5:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 08:46:27
無駄のないスレ立てに惚れた
6:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 13:26:57
>>1
乙
7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 14:47:46
>>1
乙!
8:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/18 15:21:02
一応前スレ977氏待ち
9:アスカ
07/05/19 05:06:23
1乙!です
こういう場合続きから投下すればいいのかしら?
10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/19 05:37:04
続きがかけてる場合はそうだと思うよ
11:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/19 17:36:14
暇?
小説のパロディーなら短いの今すぐに投下できるんだが。
12:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/19 22:00:01
>>11
正座して待ってるのにまだですか?
そろそろ足の感覚が無くなってきました。
13:アスカ
07/05/20 02:08:00
「私がイイって言ってるんだから扱いてごらんなさいよ」
シンジの最後の抵抗、タオルケットを毟り取る。
「……ぁ」
情けない声。股間に視線を移すと…勃起してた。まったくコイツったら…
「シンジ…何で勃起してるの?」
私は悪戯っ子の様に笑った……
「ね、良い子だから見せて」
すっ裸のシンジを立たせる。
必死に股間を隠しているシンジ。
でもビンビンに勃起したモノは両手からはみ出し、隠しきれて無い。
男の子の身体って面白いわね…
向かい合ってシンジの頬を両手で押さえ話かける。
「シンジ私の目を視て…」
シンジは恐る恐る私に顔を向ける。
「シンジの恥ずかしいオナニー視ててあげる」
「この私が最後まで視ててあげるからね…」
そう言って足元にしゃがみ込む。
ちょうど、おちんちんの位置に顔がくる。
もう一度顔を上げ話かける。
「ね…シンジ」
口調は優しいが命令形で……
14:アスカ
07/05/20 02:10:16
シンジの目を上気した顔で見つめる。
「ね…」
そう呟いて必死で股間を隠している両手を掴み、ゆっくりと退かす。
「うわぁー、凄い…」
初めて目の前で見るおちんちんは吃驚する程の大きさ…
「はぁ……ぁ」
思わず溜息が出ちゃう。
私の唇から発した、甘~い溜息がシンジのおちんちんに当たる。
「あっ…」
シンジが身体を捩る。
陰毛が溜息で、そよいでる…
「ア、アスカ…」
シンジは、泣きそうな顔をしてる。
勿論、嬉し泣きでしょうけどね……
視られてる恥ずかしさからか、身を捩って私の視線から逃げている。
しかし、身体が震える度おちんちんが揺れて滑稽だ。
まだ私が両手をしっかり握ってるんだから逃げられないわよ…
15:アスカ
07/05/20 02:11:30
そそり起つおちんちんは、お臍にくっ付きそう。
視てるだけで興奮する。
「ゴクッ」
恥ずかしい!唾を飲み込む音が聴こえる。
眼の前30cmのおちんちん。恥ずかしがってる癖にビンビンに勃起してる。
「シンジ、こっち視なさいよ!」
私の顔を視るよう声を掛ける。
シンジは淫らな予感に逆らえない。素直に顔を向ける。
「あ!?」
うふふ…ようやく気が付いたみたい。
私の顔がシンジのいやらしく勃起したモノの直ぐ近くに在る事を…
「ねえシンジ、よーく視てご覧なさい」
「こーんな近くで、シンジのおちんちん視てあげてるのよ」
「どう?」
シンジはもうハァハァ息を荒くして、何が何だか判らない位興奮してる。
「ハァハァ、アスカ、アスカに視られてる。アスカの顔が…ハァハァ」
ハァハァとおちんちんをヒクヒクさせてる。
私に握られている両手には、先程までの抵抗は既に無い。
16:アスカ
07/05/20 02:12:58
「アスカ・・・は、恥ずかしいよ・・・」
嘘ばっかり。
本当は嬉しいくせに・・・
私に見せつけるかの様に、おちんちんがピクピクと動く。
腰が微妙に前後してる。興奮しすぎて勝手に動いてるみたいね・・・
早く刺激が欲しくて堪んないんだ。
シンジ…弄ばれて喜んでるの?
可笑しくって思わず「くすっ」と笑う。
「アスカ・・・」
シンジは甘える様な声を出し、私を見つめる。
何を期待してるの?
私はそう質問する代わりに大きく深呼吸した。
「うわぁー、シンジのおちんちん、何かイカくさ~い」
おちんちんに顔を近づけて大袈裟に言う。
「くんくん、ねえ?何でなの?」
シンジの目を視ながら意地悪に訊いてみる。
アスカったら酷い娘ね・・・そう思うでしょ?シンジ。
あ、目を逸らした。
恥ずかしいんだ、やっぱり・・・
んふふー、シンジ可愛い~
17:アスカ
07/05/20 02:14:29
再び、おちんちんを見つめる。
「あれ?ねえシンジ!」
驚いて、ずっと掴んでいた両手を放しちゃう。
「えっ?ね、ね、シンジ。おちんちんから透明なのが垂れてきたわよ?」
「凄~い!糸引いてるよ~」
「ねえ、シンジったら、教えてよ・・・」
恥ずかしがるシンジを質問攻めにする。
「ア、アスカ…もう許してよ」
シンジは顔を真っ赤にして呟く。
「駄目!答えなさいよ。じゃなきゃ、もう視るの止めちゃうわよ!」
視てて貰いたいんでしょ、シンジ?
もっと夜を楽しみましょ、二人の夜はこれからよ・・・
18:アスカ
07/05/20 02:16:05
ハァハァ、シンジの恥ずかしい喘ぎ声が続いてる。
「ねえ、教えて。何なのこれ?」
おちんちんの先から垂れるその雫はキラキラと光りながら、
ゆっくり、糸を伸ばして行く。
このままだと脚に垂れちゃう・・・
私の脚がいやらしい汁でマーキングされちゃう・・・
「アスカ、恥ずかしいよ」
また嘘ついて・・・
もう両手を押さえられてないんだから隠せるのに・・・
視られて喜んでる変態。
シンジは変態。私は・・・私はチョットだけHな女の子なんだからね。
19:アスカ
07/05/20 02:17:28
「教えなさい」
シンジには少し強い口調の方がイイのよね・・・
「が、我慢汁だよ・・・」
「我慢汁?」
「カウパーの事だよ。気持ち良くなると濡れるんだよ、おちんちんも」
濡れる?
その言葉にドキッとする。私も濡れてるのよ・・・・・・シンジ。
シンジに心を見透かされない様に誤魔化す。
「ふーん。何かマギみたいな呼び方なんだね」
照れながら喋る私の脚に我慢汁が垂れた。
「あっ」
温かい。シンジの体温を感じる。
マーキングされた。シンジに・・・私シンジのモノになっちゃった。
膝の付近に光る我慢汁。きらきら光ってる。
溜まった汁を指で摘んでみる。
ヌルヌルしてる。
いやらしい、けど心地よい滑り。
「シンジ、ほら」
指先をシンジに魅せつけ、ぴちゃぴちゃ音を鳴らす。
「アスカ、いやらしい・・・」
シンジは興奮してる。今迄、妄想していた事が現実に・・・
「私の事、嫌いになった?」
微笑みながらシンジをからかう。
私とシンジは透明な糸で繋がってる。
赤い糸じゃ無く・・・いやらしい糸で。
20:アスカ
07/05/20 02:19:17
続く
21:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/20 05:33:43
GJ
22:ハルキスト 1/8
07/05/20 05:36:27
>>12 ゴメン 寝てた
僕はウェイターを呼んで四杯目の注文をした。おかわりが来るまで
アスカはカウンターに頬杖をついていた。店の中には五、六人の
客がいたが皆酒を飲んでいてアルコールの香りが薄暗い店内に
夜の親密な空気を作り出していた。
「今度の日曜日アンタ暇?」とアスカは僕に訊いた。
「この前も言ったけど、日曜日はいつも暇だよ。
六時からのアルバイトを別にすればね」
「じゃあ今度の日曜日、私につきあって」
「いいよ」
「日曜の朝にアンタの寮に迎えに行くわよ。
時間はちょっとはっきりわからないけどかまわない?」
「どうぞ。かまわないよ」と僕は言った。
「ねぇ、シンジィ。私が今何したいかわかる?」
僕はつばをゴクリと飲み込んで一瞬の沈黙を掻き消す為に口を開いた。
「さあね、想像もつかないよ」
23:ハルキスト 2/8
07/05/20 05:48:08
「広いふかふかとしたベットに横になりたいの、まず」とアスカは言った。
「すごく気持がよくて酔払っていて、隣にはアンタが寝ているの、そして
ちょっとずつ私の服を脱がせるの。すごくやさしく。お母さんが
小さな子供の服を脱がせるときみたいに、そっと」
「ふぅむ」と僕は言った。
「私途中まで気持ち良いなあと思ってぼんやりしているの。でもね、ほら、ふと
我に返って『ぬゎにやってんのよ、バカシンジ!』って叫ぶの。
『私、シンジのこと好きだけど、私には他に付き合っている人がいるし
そんなこと出来ないの。だからやめて、お願い』って言うの。
でもアンタはやめないの」
「や、やめるよ、僕は」
「知ってるわよ。あんたが意気地なしだって言うことぐらい」
アスカは、さっきからグラスの中の氷を手でかき回していた。
「もう一杯、飲む?」
「うん」
24:ハルキスト 3/8
07/05/20 06:02:01
「そしてね、私にばっちりみせつけるのよ、あれを。そそり立ったのを。
私すぐ目を伏せるんだけど、それでもチラッと見えちゃうのよね。そして言うの
『駄目よ、本当に駄目、そんなに固くて大きいのとても入らないわよ』って」
「そんなに大きくないよ、普通だよ」
「いいのよ、別に、幻想なんだから。するとね、アンタは怯えた目で私を見るの、
なんだか可哀想だから慰めてあげるの。よしよし、可哀想にって」
「それがアスカの今やりたいことなの?」
「そうよ」
「やれやれ」と僕は言った。
最後のウオッカ・トニックを飲んでから我々は店を出た。僕はいつものよにお金を
払おうとするとアスカは僕の手をぴしゃっと叩いて払いのけ、財布からしわひとつない
一万円札を出して勘定を払った。
「あの、どうしたのアスカ?」
「アンタ、筋金入りの弱虫ね、私が奢ることぐらいだってたまにはあるわよ私が誘ったんだし」
それでも財布を握っている僕を見てアスカは続けた。
「それに入れさせてもあげなかったし」
「固くて大きいから」と僕は言った。
「そう、固くて大きいから」
25:ハルキスト 4/8
07/05/20 06:09:30
それからの四日間僕は、大学に出席し講義のメモを採り小説を読んで
部屋に戻ってからは溜息と精液を吐き出した。
アスカと同じ大学に合格できたら告白しようと決めていたあの頃を思い出すのは
憂鬱でしかなかった。そもそも、後期日程で地方の大学を受験した僕は
アスカの彼氏になる資格は無いんじゃないかとも最近では考えるようになってきた。
アスカに彼氏が出来たと聞いたせいで半月遅れて始まる僕の夏休みの予定は空白になった。
日曜日に着ていく服も僕の気持ちも夏休みの予定もすべてが空白で、きっと神様が見ていたら
『オイ、イカリシンジ、お前はどうしてそんなに真っ白になれるんだ』って言うに違いない。
『そんなの仕方ないよ、アスカに彼氏が出来たって聞いたとき思わずオメデトウとか
言っちゃったわけだし、アスカと同じ大学に通うだけの頭は持ち合わせてなかったわけだし』
『お前には失望した』
きっとそんなことを言うんだろう。
26:ハルキスト 5/8
07/05/20 06:20:08
日曜日の朝の九時半にアスカは僕を迎えに来た。誰かが僕の部屋を
どんどん叩いて、おいイカリ、女が来てるぞ!とどなったので
玄関に下りてみるとアスカが信じられないくらい短いジーンズのスカートをはいて
ロビーの椅子に座って脚を組み、あくびをしていた。
朝食を食べに行く連中がとおりがけにみんな彼女のすらりとのびた脚をじろじろ
眺めていった。アスカの脚はたしかにとても綺麗だった。
「ようやくお目覚めね、バカシンジ!」
「これから顔を洗って髭を剃ってくるから十分くらい待ってくれる?」
「待つのはいいけど、さっきからみんな私の脚をじろじろ見てるわよ」
「あたりまえじゃないか、男子寮にそんな短いスカートはいてくるんだもの。
見るにきまってるよ、みんな」
「大丈夫よ。今日のはすごく可愛い下着だから」
「そういうのが余計にいけないんだよ」と僕は溜息をついて言った。
急いで部屋に戻って、顔を洗い髭を剃った。平常心と書かれたTシャツを
着て下に降り、アスカを寮の門の外に連れ出したときには、冷や汗をかいていた。
27:ハルキスト 6/8
07/05/20 06:26:57
「ねっ、ここにいる人たちがみんなオナニーしてるわけ?シコシコッて?」
とアスカは寮の建物を見上げながら言った。
「たぶんね」
「男の人って女の子のことを考えながらあれやるわけ?」
「景気変動とか不規則動詞とかサハラ砂漠のことを考えながらオナニーする男は
まあいないだろうね。大体は女のことを考えながらするんじゃないかな」
「サハラ砂漠?」
「たとえば、だよ」
「つまり特定の女のこのことを考えるのね?」
「あのね、そういうのは君の恋人に訊けばいいんじゃないの?
‥‥‥アスカの彼氏って誰なの?いいかげん教えてくれたっていいじゃないか」
僕は神経をやすりで削る思いになって訊いたのにアスカは黙り込んだ。
「あの、うん、えっとね、考えるよ。少なくとも僕はね。
他人の事まではよくわからないけど」と僕はあきらめて答えた。
28:ハルキスト 7/8
07/05/20 06:35:05
「シンジは私のこと考えてやった事ある?正直に答えてよ、怒らないから」
今度は僕のほうが黙り込んでしまった。本当のことを言えばいいのに
それすらできない僕をアスカが覗き込んだ。アスカの瞳に映る情けない僕の顔に
気がついて先に目を逸らしてしまった。微かな雨が僕の鼻先をそっとぬらした。
「ねぇ、シンジ。一回くらい私を出演させてくれない?私そういうのに出てみたいのよ。
これアンタだから頼むのよ。だってこんな事他の人に頼めないじゃない。
幼馴染のアンタだから頼むのよ。そしてどんなだったかあとで教えてほしいの。
どんなことしただとか」
僕はため息をついた。
「でも入れちゃ駄目よ。私たちただの幼馴染なんだから。ね?入れなければ
あとは何してもいいわよ、名に考えても」
「どうかな。そういう制約のあるやつってあまりやったことないからねえ」
「考えておおいてくれる?」
「考えておくよ」
「本当に一回でいいから私のこと考えてよね」
「試してみるよ、今夜」と僕はあきらめて言った。
29:ハルキスト 8/8
07/05/20 06:43:28
僕は約束を果たすためにアスカのことを考えながらオナニーをしてみたのだったが
どうしてもうまくいかなかった。仕方なく途中から綾波に切り替えてみたのだが
綾波のイメージも今回はあまり助けにならなかった。それでなんとなく
馬鹿馬鹿しくなってやめてしまった。そしてウイスキーを飲んで、‥‥気がつくと
アスカに電話を掛けていた。
「あ、あのやっぱり入れさせてくれないかな。うまくいかないんだよ」
「だめよ、約束したじゃない」
「そんなのむちゃくちゃだよ。どうしてそんな制約つけるんだよ」
「‥‥‥アンタ、私のこと好き?」
会話は途切れて、僕は、部屋の窓を叩きつける雨のBGMを聞いていた。
それから、僕は何を言ったか覚えていない。夢中になっていた。
そう夢中になっていて、十年以上溜め込んでいた思いを空っぽになるまで
ただ空っぽになるまで吐き出した。
アスカは長い間電話の向こうで黙っていた。その間僕はずっと窓ガラスに
額を押しつけながら目を瞑っていた。
「じゃあ、ひろいふかふかのベットの上でなら」
30:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/20 06:52:39
リアルタイムで遭遇(*´д`*)
GJでした
31:ハルキスト 蛇足
07/05/20 07:12:01
僕はアスカの体を抱き寄せて口付けをした。
「そんな下らない傘なんか持ってないで両手でもっとしっかり抱いてよ」とアスカは言った。
「傘ささないとずぶ濡れになっちゃうよ」
「いいわよ、そんなの、どうでも。今は何も考えずに抱きしめてほしいのよ。
私十年近くこれ我慢したのよ」
僕は傘を足元に置き、雨の中でしっかりアスカを抱きしめた。
アスカは僕の履いたジーパンのボタンをはずし僕の勃起したペニスを手に取った。
そして息を呑んだ。
「ねぇ、シンジ、悪いけどこれ本当に冗談抜きで駄目。こんな大きくて固いもの
とても入らないわよ。嫌だ」
32:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/20 17:35:54
はい、GJです
33:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/20 23:16:07
乙かれです
しゃれてて微妙にえっちくてよかったです
34:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/20 23:39:53
乙。
でもなんか文章までまんまだなwwwそこまでパクらんでも…。
で、アスカはこの後ギリシャで失踪しちゃったり、
京都の山奥のサナトリウムに行っちゃったり、
はたまたかつら工場で住み込みで働くようになっちゃったりするのか?
35:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/22 00:07:09
ちょっと聞きたいんだが、これは何の小説のパロディなの?
36:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/22 00:09:46
これ、原文の名前を変えただけじゃね?
37:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/22 00:38:33
>>35
つ村上春樹
38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/22 16:20:53
あ、だから春樹ストか!
39:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/23 02:08:17
>>36
人間関係がピッタリ当てはまるから名前変えただけでガチだったんだorz
結構いろいろ編集したんだが‥‥
結構楽しかったからオリジナルを書いてみた。
見切り発車だけどどうしても書きたいシーンがあるのでそこまではがんばろうと思う。
40:ハル
07/05/23 02:10:48
僕はお姉さんと住んでいる。お姉さんといっても
姉でもなければ義姉でもない。
母親以外の年上の女性はお姉さんかおばさんと呼ぶのが一般的であるけれど
彼女は僕の財布を握っている。だからここではお姉さんと呼ぶ。
そのお姉さんは今日帰ってこない。
なぜなら今日は9月15日で彼女は国連の職員だから。
毎年この日になると世界中でテロが発生する。
世界一治安の良い日本でも例外ではない。
『毎年9月になると服のサイズが1号若返るのよねー』というのは伊達ではない。
もちろん学校は休みで、外出も極力控えなければならない。今日はとても退屈で
どこのチャンネルをつけても報道特番とやらを垂れ流している。
親友の誕生日を密かに祝うという9月15日の過ごし方を、ここ数年実行
してきたけれど今年は出来そうに無い。
昔流行ったアニメのグッズ・通称白い量産機ストラップは後日渡そう。
一人で食べる夕食はあまりおいしいとは感じられず久しぶりに残してしまった。
冷蔵庫のビールを一口飲んでみたけど不味かった。
それから寝るまでの間ペットのペンペンで遊んだ。
ハムスターは、げっ歯類特有の前歯が特徴的で、それをつつくと面白い反応をする。
ウン、なかなかいい子だ、ペンペン。
41:ハル ◆NekokanK8k
07/05/23 02:12:32
ミサトさん(お姉さん)が久しぶりに帰ってきた
‥‥と思ったら、さっきからずっと電話をしている。
僕の知らない言語で喋っているから何を話しているかちんぷんかんぷんだった。
電話を切って開口一番
「シンちゃん、明日から家族が一人増えるから」
だからてっきり結婚するんだと思って「加持さんと結婚するんですか」って訊いたら
「だーれがあんなぶゎかと」って怒鳴られた。
話を聞いたところドイツではテロが激しくて
内戦状態になっていて、いつ治まるか目途がたたない状態らしい。
それで日本に縁のあるドイツの女子大生(たぶんVIP)が疎開?するらしい。
僕はベットに横たわり満月の優しい光に包まれながら先ほどの言葉を反芻した。
「『家族』か、末っ子長男だな」それもわるくないかも。
42:ハル ◆NekokanK8k
07/05/23 02:13:48
空は高く風の強い午後、僕は空港へ向かった。
おろしたてのシャツに身を包み未だ見ぬ姉との待ち合わせ。
モニュメントの周りを一周したけど女子大生風の外人など見当たらなかった。
人探しをしているっぽい外人は二人いて一人は男性で
もう一人は女性ではあるが大学生にはとても見えなかった。
心配になった頃僕の携帯に着信が入った。
番号を確認していると、ふと視線を感じたので僕は振り返った。
山吹色のワンピースを着たもう一人のほうの外人が
片手は携帯にもう片方の手は腰に手を当て仁王立ちしていた。
突風・僥倖そして一瞬の静寂
>>ネ申風氏
GJ ( ゚∀゚)o彡
僕は彼女に平手打ちという名の挨拶をもらった。
43:ハル ◆NekokanK8k
07/05/23 02:15:01
「なーんでアンタなの?ミサトから美形だって聞いていたのに」
そういって少女は携帯のメールに添付された写真を見せ付けた。
そこには透き通るような肌をした王子様と形容すべき少年が映っていた。
「ミサトさん、時々こういうイタズラするんだ。
僕だって大学生だって聞いていたんだよ」
「私はね正真正銘の大学生なの」
僕は一瞬ためらったが年齢を訊いた。
「えー、じゃあ僕より年下なの?」
こういう事情でぼくは二番目の姉が年下だということが判った。
僕たちはモノレールとバスを乗り継いで帰宅した。
その間二番目の姉といろいろ話をした。
名はアスカといい、風貌は外人というよりハーフといった感じで
実際に日本人の血を分けている。
ミサトさんは学生の頃彼女の家にホームステイしていたことが判明した。
44:ハル ◆NekokanK8k
07/05/23 02:16:12
帰宅後僕はアスカに街を案内させられた。
アスカに貸したキャスケット、カットソー、カーゴパンツは
風の強い午後の装いにはぴったしだ。
何を着ても似合うなんてズルいや。
僕はアスカを自転車の後ろに乗せて
コンビニ・公園・スーパーマーケットを廻りメールに添付された写真の人に
四日遅れの誕生日プレゼントを渡し、帰りにはひまわり畑から種を拝借した。
背中に感じる女の子の身体の感触で僕は溶けてバターになりそうになった。
わざと遠回りをした。
「アイツって、ホモ?」
「そんなこと無いよ、カヲル君には彼女だっているんだから」
「あんた達、怪しかったわよ。それにしてもアンタ、センス無いわね。
私だったらあんな『白いうなぎ』もらったらグーでパンチよ」
45:ハル ◆NekokanK8k
07/05/23 02:19:52
とりあえず ここまで
一応四季のある世界です。
肩の凝らない小説を目指します
次はしばらく後
初めてなので練習用に使いますが何か?
46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/23 07:21:20
なごんだ。GJ
47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/23 22:12:13
GJ
期待。
48:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 20:59:02
続けて貰えると有難いです。
49:ハル ◆NekokanK8k
07/05/24 21:03:08
確認と質問
まず確認、アスカって来日時点で13歳だよね。
質問
1)ユニゾンで使われた曲名は?
2)ユイの命日はいつ?
3)ユイってカトリック?
4)ハムスターの飼育方法は?
教えてエロい人
50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 21:44:52
>>49
>アスカって来日時点で13歳だよね。
14歳です。
>1)ユニゾンで使われた曲名は?
第9話の英文サブタイトルと同じ。後は調べなさい。
> 2)ユイの命日はいつ?
不明。12月20日という考察はあるけど、yahooのエヴァ特集で取り上げられたりしたw
>3)ユイってカトリック?
不明
>4)ハムスターの飼育方法は?
ぐぐれ。
51:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 21:49:53
アスカは12月4日生まれ
日本に来たのは9月の終わり頃だったよね
14歳なのか
52:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 21:52:00
どっかのサイトのタイムテーブルだとユイの命日は3月27日らしい
53:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 21:57:43
>>51
それが作られた頃はまだアスカの誕生日の設定はなかった。
14歳という年齢の設定はあったけどね。
54:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/24 22:06:55
>>53
へえ
55:ハル ◆NekokanK8k
07/05/24 22:51:17
どもです
ユイの命日12月説を採用します。
56:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/25 06:23:55
がんばって。
57:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/25 16:37:02
>>53
惣流アスカラングレーのタイムパラドックス
58:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/25 17:55:33
>>57
だからパラドックスでも何でもないって。
そもそも誕生日の設定が無く年齢の設定があったんだから
59:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 19:51:24
セカンドインパクト
妊婦や新生児だけ災禍をまぬがれる事が出来るわけでは
もちろん無く、全ての人々に平等に見舞われた。
年齢別の人口の統計は、どこの国でも一箇所だけ不連続領域がある。
それが僕らの世代だ。
今期の中学二年はほとんど、どこの学校でも一クラスしか無かった。
僕とアスカが同じクラスになった理由の一つがそれ。
もう一つの理由は、同世代の友達と思い出を作れるようにとの
ミサトさんなりの配慮があったため。ただし、これを知ったのは
もっと、ずいぶんあとになってからだ。
転校生の噂は瞬く間に全校に拡がった。
みんな、知らないんだ‥‥彼女の本性を。僕は溜息をついた。
60:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 19:52:37
『違いのわかる男』演出家 相田ケンスケは知っている
上質な舞台芸術は、誰をも魅了する役者によって完遂せしめることを。
昼休みの話題は7日後に迫った学園祭、僕らのクラスはミュージカルを演じる。
『違いのわかる男』脚本、監督、演出による
『浪速のクマテツ』こと 鈴原トウジ主演
のミュージカル『ダンス・ダンス・ダンス』
「で、どうするんや?もう配役は決まってるわけやし」
「変更はしないよ、ラストに一分ばかし追加をすればいいじゃないか
一分だったら今からでも練習間に合うだろ」
ケンスケはコーヒーを飲みながら片手で絵コンテをスラスラ描きあげる。
それをトウジに渡すと、彼は大きくうなずいた。
ケンスケは ⅱ pod を取り出し曲を僕に聞かせた。
たしかにいい曲だ。
「それからシンジ、放課後に惣流を音楽室に呼び出してくれ」
「な、何で僕が?」
「シンジって、惣流と同居してるんだろ?」
ケンスケとミサトさんがメル友だということを、この日初めて知った。
61:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 19:53:41
秋の西日が差し込む音楽室に僕らは集まった。
最初、アスカは不機嫌そうな顔をしていたが説明を聞いて
目を輝かせた。やはり、舞台のセンターというのが効いたらしい。
62秒の追加シーンはセンターにアスカ、その後ろを僕とクマテツが踊る
僕がピアノで Dance Like You Want to Win!を弾いて
それに合わせてクマテツが舞う、違いのわかる男がそれを録画する。
華麗な舞に流石のアスカも舌を巻いた。
僕らの六日間の特訓生活はこうして幕を開けた。
家でビデオを見ながら踊りの練習。アスカの上達は確かに早かった。
僕がステップを間違えると「何度も足引っ張んないでよ!」って怒鳴られる。
怒鳴るより先に蹴りが入る、いいケリが幾つか入った。
それから、ケンスケの助言どうり生活のペースをアスカに合わせた。
起床も就寝も同じ、歯磨きや洗面も一緒。
お風呂も同じ
62:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 19:54:45
銭湯で。
5日目にしてようやく、同時に待合室に出れた。
そんなことでも、なんとなく嬉しい。
突然の大雨で僕たちは、一本の傘で帰ることになった。
いつもより、身を寄せて歩く夜の帰り道
一台のⅱ podでイヤホンを僕の右耳とアスカの左耳にあてて聞いた。
「ゴメン、僕がへたくそすぎて」
「アンタね、そうやってすぐ謝るところキライ」
「ゴ、ゴメン‥‥」
「いい?本番は絶対に成功するの。だから謝らないで」
アスカの意志の強さを彼女の横顔で読み取った。
少しだけ心が、近づいた気がする。
63:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 19:55:42
6日目にトウジがマンションまで来て一緒に最終調整をすることになった。
僕らの進捗度をみてクマテツは泊りがけになることを覚悟した。
合宿はかなり楽しくて、時間はあっという間に過ぎていく。
僕はとろろで巻いたおにぎりを夜食に作って、これが結構好評だった。
ユニゾンは二時過ぎにようやく完成し、僕とトウジは居間に布団を敷きそこで寝た。
なんとなく寝付けなくて僕はⅱ podで明日の曲を聴いていた。
突然、襖が開く音がして、慌てて寝たフリをした。
耳を、澄まして‥‥‥
カラカラカラカラ
ジャーーーーーーーー
近づく足音
近づく足音?
近づく足音????
!!!!!!!!!!!!!!!!
64:ハル ◆NekokanK8k
07/05/25 20:40:26
ここまで
その後の展開はインスピレーション待ち
65:ハル ◆NekokanK8k
07/05/26 17:14:54
今のうちに訂正
62と63変えます
あとクマテツは熊川哲也
66:ハル ◆NekokanK8k
07/05/26 17:16:14
銭湯で。
5日目にしてようやく、同時に待合室に出れた。
そんなことでも、なんとなく嬉しい。
突然の大雨で僕たちは、一本の傘で帰ることになった。
いつもより、身を寄せて歩く夜の帰り道
一台のⅱ podでイヤホンを僕の右耳とアスカの左耳にあてて聞いた。
「ゴメン、僕がへたくそすぎて」
「なんでもかんでも、すぐに謝って。本当に悪いと思ってるの?」
「ゴ、ゴメン‥‥」
「いい?本番は絶対に成功するの。だから謝らないで」
アスカの意志の強さを彼女の横顔で読み取った。
少しだけ心が、近づいた気がする。
傘の上で踊る雨粒たちの歌は聞こえない。
67:ハル ◆NekokanK8k
07/05/26 17:17:11
一台のトラックが僕の横を通過するとき、アスカは僕の身体を引っ張った。
バランスを崩し、後ろ向きによろけるアスカと
それに向かって前向きによろける僕。民家のブロック塀に僕は手をついた。
その横にはアスカの顔、傘だけはしっかり離さなかった。
イヤホンは耳からこぼれ落ち、荷物は地面に飛散した。
鼻息がかかる距離まで顔が近づき、頭の中は真っ白になって
世界の中で二人だけに一時停止のボタンを押した。
固まる二人
雨粒たちの歌
イヤホンから漏れるピアノの音色
今度は左手に傘を持ち少しだけ車道を気にして帰った。
68:ハル ◆NekokanK8k
07/05/26 17:18:11
6日目にトウジがマンションまで来て一緒に最終調整をすることになった。
僕らの進捗度をみてクマテツは泊りがけになることを覚悟した。
合宿はかなり楽しくて、時間はあっという間に過ぎていく。
僕はとろろで巻いたおにぎりを夜食に作って、これが結構好評だった。
ユニゾンは二時過ぎにようやく完成し、僕とトウジは居間に布団を敷きそこで寝た。
なんとなく寝付けなくて僕はⅱ podで明日の曲を聴いていた。
突然、襖が開く音がして、慌てて寝たフリをした。
耳を、澄まして‥‥‥
カラカラカラカラ
ジャーーーーーーーー
足音はアスカの部屋に収束し襖が閉じる音がした。
僕はⅱ podのスイッチを切って今度こそ寝た。
69:ハル ◆NekokanK8k
07/05/26 17:19:56
7日目の朝、僕は初めて四人分の朝食を作る。昨日あまったとろろを味噌汁に入れて
鯵を焼いた。箸でごはんを食べるアスカの姿が板についてきた。
生まれて初めての、騒がしい食卓に眠気が吹き飛んだ。
冬服に身を包んでの登校、もちろん真ん中にはアスカが歩き
練習どうりのフォーメーションを学校まで貫いた。
舞台の終盤、アスカの登場。62秒の追加シーンに
場内の心は一つになった。最後の着地で僕はミスった。
誰も気がつかなかった。
70:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 00:30:55
ショートでBUMPの車輪の唄ベースにSS1本書いたが何故か最後がLASじゃなくなった・・・。
71:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 01:36:30
選挙区ミスだな
72:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 02:31:26
GJ!乙!
73:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 09:34:17
GJ。
次回は是非LASで!
74:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 21:00:17
ハルキスト氏が書いたパロSSの元って村上春樹のなんていう小説?
今日どうしても読みたくなって本屋に行ったんだけど、結局どれだか分からなかったんだ
短編集?
75:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 21:58:26
ノルウェイの森
ワタナベ → シンジ ナオコ → 綾波
緑 → アスカ レイコ → リツコ
永沢 → 加持 ハツミ → ミサト
キズキ → カヲル
と脳内変換して読むことをお勧めする。
最初LRSだけど最後はきちんとLASだ。
76:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 23:29:51
>>75
でもそれだと最後…シンジ君はリツコさんとwwww
77:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 23:33:34
>>75
つまり、アスカとケンスケが元カレカノでヤリヤリなわけですね
78:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/27 23:38:13
まあ、シンジに彼氏のことでエロエロ相談をするアスカも面白いかもしれんね
そして、その度に吐血するシンジというのも見てみたい
79:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/28 00:16:21 gJzSmF6E
>>75
サンクス
嫌いな友達が春樹好きで今まで読まず嫌いしてたんだが読んでみる
80:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/28 00:18:11
ageちまった…スマン
81:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/28 06:10:55
>>76
淋しくないお葬式で解禁だから別にしてもいいだろ。やっても
そのあとアスカに電話かけて、多分するだろ
リツコですら四回だから想像つかねえよ。
82:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/28 21:36:40
スレ違い自重
83:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 18:59:01
僕はカゼをひいた、修学旅行の前日に。
確かにその日は朝から違和感があった。疲れとダルさそして
寒気があった。でも、疲れのほうは昨日アスカに買い物に付き合わされた
ためだと思っていたし、寒気のほうは深まる秋のせいにしてた。
昼休みには、保健室に行って少し休んだ‥‥つもりだったけど
時間とともに悪化してきたから家に帰された。
誰もいないはずの家には、めいいっぱい着込んで、さらに毛布をかぶった
アスカがぶるぶると震えていた。
「アンタも、今日中に治すのよ」
僕は既に諦めていたから気の無い返事をした。
アスカは大学生だから修学旅行に行けるチャンスは
これが最後なのかとふと思った。
五時過ぎにミサトさんから電話が来るまで二人はマグロ。
僕は一番上の姉に事情を説明した。
「あ、やっぱりカゼひいたんだ。そっちに加持よこすからそれまで我慢して」
『やっぱり』が気になる‥‥‥
84:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 19:00:11
さらに三十分して加持さんが合鍵で入ってきた。すぐにタクシーを手配して
くれてリツコさんの所へ行った。診察もせずに『風邪ね』と一言。
ミサトさんからのもらい物だってことがこの時分かった。
アスカが『呪ってやる呪ってやる‥‥』とつぶやいたのは聞かなかった事にしよう。
リツコさんに注射をしてもらったが修学旅行は諦めさせられた。
「この状態で晩秋の北海道は無理よ」たしかにそう思う。
家に帰ると病人に必要な物全てが揃っていた、しかも三人分。
居間に三つ布団を並べて寝るのはさながら修学旅行のようだ
枕投げをする気力も無いけど。
加持さんの手際の良い看病でこの日は何とか乗り切った。
朝、目が覚めると朝食が用意されていた、加持さんはいない。
ミサトさんも今日は有給を使い体調管理に専念。
アスカはサミトさんに恨みをぶつける。
「‥‥エリモミサキ‥‥オタルウンガ‥‥ヒツジガオカ‥‥
ワインジョウ‥‥ダテジダイムラ‥‥ジョウザンケイ‥‥」
アスカはMPを使い果たすまで呪文を唱え続けた。
85:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 19:01:02
私ね、雪の降る中で温泉に入りたかったの‥‥」
日本の温泉とドイツの温泉では質が違うからなぁと僕は思った。
「アスカ、今度の土日に温泉に連れて行くから許して」
「私ね、『雪の降る中で』温泉に入りたかったの‥‥」
「分かった、雪の降るところに連れて行くから」
「昨日の人もこないかなぁ」
「ハイハイ、加持ね。分かったわ」
「ねぇ、ミサト。前に私のこと本当の妹のように思っているって
言ってくれたわよね。妹ってのはね、姉からお下がりをもらう
権利があるの。ミサトの『お古』私にくれない?
今、付き合ってるわけじゃないんでしょ」
アスカは加持さんとミサトさんの関係を見抜いたんだろう。僕は
あの関係を理解するのに二年もかかったのに。
「ダダだめよ、サ、サイズがね、合わないから。アスカにはまだ早いわよ」
ミサトさんがドモるのをこの時初めて聞いた。
86:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 19:04:11
長野県安曇野市、第三東京から五時間はかかるであろう道のりを
ミサトさんのドライビングテクニックで二時間半で到着した。
血のつながりの無い、僕らの家族旅行は山奥の高級そうな旅館。
しっかりと、積もっている雪にアスカはそうそう、これこれと頷く。
アスカの美意識は日本人的なのだと思う。
「ペンペンはどうしたんだい?」加持さんが僕に話しかけてきた。
「リツコさんに預かってもらったんです」
「まさか、リッチャン猫飼ってるんだぞ」
「冗談です、本当はマヤさんに預かってもらったんです」
「シンジくん、明るくなったんだな。前は、冗談なんか言わなかったはずだ」
確かに僕は以前に比べて少し明るくなったのかもしれない。
87:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 19:05:40
ひんやりとした岩場を裸足で抜けるとかなり広めの露天風呂。
漆喰の塀が辺り一面の雪景色と調和している。
加持さんは湯の上にお盆を立てて徳利とお猪口を乗せた。
父のこと、母のこと、ミサトさんのこと、女の子のこと
僕は加持さんに訊きたい事がたくさんあったけど何から話せばいいか
言葉が見当たらない。きっと、この人は何でも知っているんだろうと
思うけど訊きたい事がありすぎて一言も言葉に出来ない。
加持さんはそんな僕の気持ちを知ってか、知らずか空を眺めている。
あせる必要は無いんだなと思った。
男湯は無言で、片や塀の向こうでは会話が弾んでいるようだった。
なんとなく右手に力を入れて、力こぶを作ってみた。
「ハハハ、シンジくん、まだまだだな」加持さんはそう言って左手で力こぶを作った。
「加持さんの、すごく大きいですね」
「毎日、鍛えてるからな。こっちの方はもっとすごいぞ」こんどは右手で力こぶを作る。
「触ってもいいですか?」
「かまわないさ」
「うわぁ、すごく固いや。やっぱ加持さんはすごいなぁ」
ようやく加持さんと打ち解けた気がする。
入浴後、アスカだけでなくミサトさんも僕に対して冷たかった。
88:ハル ◆NekokanK8k
07/05/29 19:08:34
シモネタ落ちorz
公式設定とか調べれるサイトあったら教えてください。
なにぶん初めてエヴァ見てから四ヶ月なので‥‥
89:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/05/29 22:39:47
wikiに載ってるので十分
EVAwikiじゃなくて本家ウィキペディアな
90:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/02 01:26:10
アッー!
91:アスカ
07/06/02 03:17:35
19からの続き
シンジの右手を再び掴む。
「ねぇシンジ、私が好きならオナニーしてみせて」
右手をおちんちんに近づける。
「シンジが私のこと、どれ位好きなのか知りたいの」
我ながら滅茶苦茶な事言ってると思う。
「アスカ・・・」
もう一押し。この台詞で・・・
「わ、私で・・・セ、セ・・・」
恥ずかしいよー
シンジの手をおちんちんに添える。
「わ、私で・・・セ、センズリ扱いて・・・」
顔が真っ赤になる。
いくら面白そうだからって、こんな言葉、恥ずかしい・・・
92:アスカ
07/06/02 03:18:38
「え、アスカ!?今なんて?」
シンジのばか!
答える替わりにシンジの右手を掴み動かしちゃう。
おちんちんを扱かせる。
「あぁぁー、アスカー」
嬉しい声を上げるシンジ。
「もう一度言ったら自分でして見せてくれる?」
誘惑する。
喘ぐシンジ・・・
「ねえ、シンジ」
動かしていたシンジの右手を止める。
「あっ、意地悪しないでよアスカ・・・」
「もう一度聴きたい?」
私は手を離して意地悪く訊き返す。
これでシンジはもう自分で扱くしか無くなった。
このままパンツ履ける訳ないもんね。ニヤリ。
「う、うん。だから、ねえ・・・お願い」
「お願いします。でしょ!」
「お願いします」
「そんなにシンジが観て貰いたいんだったら、しょうが無いわよね」
ハァハァ言ってるシンジ。
「わ、私をオカズにしてセンズリ扱いていいのよ・・・」
「シコシコ、シコシコしてごらんなさい。観ててあげるから・・・ね」
「早くー、おちんちん扱いてよ、シ・ン・ジ」
93:アスカ
07/06/02 03:21:11
ぴちゃぴちゃ、ぴちゃぴちゃ
規則正しく音がする。いやらしい音・・・・・・
「す、凄ぉぉぉーい」
誘惑に負けたシンジ。
右手は快感を求め激しく動いてる・・・
いざ目前で見せつけられると圧倒されちゃう・・・
「はぁぁぁー」
溜息が出ちゃう。
昨夜覗き見た時より迫力が有る。
男の子って何時もこんなに激しいの?
おちんちんの先っちょから溢れ出る液・・・
糸を引きながら私の脚に垂れ、溜まっていく。
濡れた脚。
指で淫らな汁を弄びながらおちんちんを見る。
「シンジ、おちんちん気持ち良い?」
ハァハァ喘いでるシンジに訊いてみる。
もっと恥ずかしい言葉を言わせたい。ううん、聞いてみたいの。
「ねえ、シンジったらぁー」
夢中で扱いてるシンジに答えさせる。
「ハァハァ・・・う、うんアスカ気持ち良いよ・・・」
94:アスカ
07/06/02 03:23:21
もっと聞きたい。いやらしい気持ちが溢れ出て止まらないの・・・
「どこが気持ち良いの?」
シンジを言葉で弄ぶ。
「お、おちんちん。おちんちんが気持ち良いんだよ、アスカ」
あぁぁぁー。シ、シンジ私・・・もう・・・
「誰をオカズにセンズリ扱いてるの・・・シンジ?」
「あ、ハァハァ・・・」
気持ち良すぎて答えられないの?
「ねえ、シンジ。誰のこと考えてセンズリ扱いてるの?」
だ、駄目よアスカ・・・いつからこんないやらしい女の子になっちゃったの?
「ア、アスカ・・・アスカのこと考えて毎日弄ってたんだ」
「アスカ、アスカ可愛いよ、アスカ大好き!」
ドキ・ドキ・ドキ・ドキ
めまいがする。
心臓が興奮で張り裂けそう。
「あぁ、シンジ・・・」
95:アスカ
07/06/02 03:24:36
「ア、アスカ・・・アスカのこと考えて毎日弄ってたんだ」
「アスカ、アスカ可愛いよ、アスカ大好き!」
シンジの言葉が媚薬のように私の心を酔わせる。
シンジの足元にしゃがんでいた私は激しく動く右手に釘づけ。
恥ずかしい・・・あそこが疼いてる。
疼きを誤魔化す様に腰の位置をずらす。
「あ!」
あそこに電気が駆け抜けたかのような快感が走る・・・
偶然あそこに当たった踵から甘美な刺激を与えられる。
文字通り腰砕け・・・・・・
ジワッと恥ずかしい液体が溢れ出る。
ヌルリとパンツが滑る。
「はぁぁー」
淫らな溜息が・・・
顔が一気に赤くなる。
96:アスカ
07/06/02 03:25:51
「アスカ」
私の変化に気付いたシンジが声を掛ける。
右手を激しく動かしたまま。そう、私に見せ付けるように近づけて。
今度は私がハァハァする番になっちゃった・・・
「ア、アスカも興奮してるの?」
このバカシンジめ!
「ねえ、アスカ?」
こんな気持ち良い感じ初めて・・・
今迄こっそり肌を弄んでた時とは違う・・・
「あ、あんたバカぁー、か・感じてなんか無いわよ!」
「シンジが、おちんちん魅せつけたから濡れたんじゃないんだからね!」
しまった・・・
でも、踵は小刻みに動かしていた。快感を求めて・・・
続く
97:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/02 13:15:45
>>91-96
少なくとも、書いている奴には面白いんだろうなw
98:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:34:55
放課後の音楽室。ここに来て三、四十分ピアノの練習をするのが
僕の日課。時折、アスカが来てアレ弾いて、コレ弾いてと
リクエストをしに来る。アスカが来た日には、いつも一緒に
帰っている。その時に「あの時の曲良かったじゃない」と言って
褒めてくれる。いつも、すぐには褒めてくれない。
僕がコンクールに出場したときは、初めてすぐに褒めてくれた。
入賞はしなかったけど、元々プロになるつもりなんてなかったから
アスカに褒めてくれる事の方がよっぽど嬉しい。
聞かせる相手がいると練習は楽しい。十年近く続けてきて良かったと思う。
カヲル君がコンクールに入賞した。悔しさなんてこれっぽっちも無い。
ライバル視していたのは、随分と昔のことで学年が一つ違うこともあって
素直に認め合うことが出来る。彼の弾くベートーベンはとても力強く
それでいて繊細だ。
カヲル君の入賞パーティーをウチでしてもいいとミサトさんから許可が出た。
一万円を貰い五人分の料理の食材とケーキを購入した。
特にあの二人は小食だからとあまりたくさんは買い込まなかった。
99:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:36:35
綾波レイ。僕が初めて彼女にあったのは今年の春、カヲル君の通う
私立の中学校のグラウンド。合わせたい人がいる、と言う彼の誘いに
陸上部の練習場に足を運んだ。空気は冷たく日差しのみが暖かい
グラウンドで槍投げの練習をする彼女を見つけた。
二度目に合ったのは、梅雨の季節の或る日曜日。ピアノを弾きにカヲル君の
家まで行った時、私服姿の綾波がいて初めて会話した。
『どうして綾波は槍を投げるの』と訊いたのに対して
『私には他に何も無いから』と言ったのを今でも覚えている。
綾波はとても華奢でなぜ槍投げなのかはどうしても分からない。
繊細な硝子細工を傷つけたような気分になったので
『走ればいいと思うよ』と言ったらにっこり笑ってた。
その綾波が今日、ウチに来る。
100:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:38:46
フィンガー・サンドイッチに鰯のマリネ、オクラの胡麻和え、ふくさ焼き
イカとエビのアーモンドフリッター。
あは、ほとんどがミサトさん用のおつまみだ。まあ、スポンサーだから
仕方が無い。日曜の昼に作る料理はちょっと豪華なパーティー仕様。
僕は料理をしながら主役の登場を待った。
二時を回った頃、今日の主役が登場した。カヲル君と綾波はお似合いのカップルで
よくもまあ、世界の中でこの二人が出会ったものだと感心する。
ちょうど、料理も出来て乾杯でもしようかと思った頃、僕の携帯に
着信があった。ケンスケから今日一緒に遊ばないかという誘いだった。
今日は家でパーティーがあるからと僕が言ったのに対して
『ミサトさんの昇進パーティー?すぐ行く』と言って切ってしまった。
意味が分らず、ミサトさんに聞いてみたら三佐への昇進が内定したらしい。
「じゃ、昇進祝いも兼ねるのはどうだい?」とカヲル君が言ったので
アスカが「それなら、ヒカリと加持さんも呼ぶ」と言って電話を掛けはじめた。
そういう訳で、僕は追加の食材を買出しに出かけた。
101:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:40:38
買出しにはアスカもついてきた。僕たちは落ち葉のじゅうたんを踏みしめながら
スーパーへ向かった。くしゅくしゅと二人の足音が調和する。
「あの娘のこと、好きなんでしょ?」
「分らない。よく分らないんだ」
僕が、綾波に特別な感情を持っているのは事実だけど、それが恋愛感情かと
言われれば多分違うと思う。親友の恋人という特別な事情を差し引いても
僕は綾波に何も見返りを求めていない。前に加持さんが言ってた
『異性を好きになる』というのは心のどこかに見返りを求めていて
だからこそ胸が苦しくなるんだ、と言っていたのを思い出した。
綾波の雰囲気を例えるならば、『線香花火の儚さ』護ってあげたく
なるけれど、それは無償の行為で、母性愛に近いのかもしれない。
じゃあ、愛は恋よりもっと、高尚なものかと訊いたら
『それも、違うな。大人になれば分るさ』と返ってきた。
僕には、まだ分りません。
102:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:42:15
「じゃあ、アスカには好きな人がいるの?」
よく、聞き取れなかった。アスカは何も答えなかった
のかもしれない。でも、僕はこの時『バカシンジ』って感じた
聞こえたのではなく感じた。耳から入ってきたのではなく、直接、頭に入ってきた。
それに対して、自信が持てる訳でないけれど、聞き返すのも良くない。
『好きな人はいるの?』と訊いた直後に『いま、僕の名前呼んだ?』
はあまりにもデリカシーが無さ過ぎる。かといって
確かめる方法なんて何も無い。この『バカシンジ』というフレーズ自体も
初めて聞いた言葉で、アスカは僕たちのことを3バカトリオって呼んでるけど
僕のことを直接『バカシンジ』と呼んだことは無い。
スーパーまでの道すがら、確かめる方法を模索したけど、とうとう見つからなかった。
103:ハル ◆NekokanK8k
07/06/02 15:43:37
食料を買い込み、帰宅すると靴は玄関を埋め尽くしていた。
僕は大急ぎでキッチンに向かった。手伝ってくれたのは洞木さんだけ。
大人たちは、既に出来上がってるらしく『おつまみ、まだー』と催促をする。
子供たちは、子供たちでカラオケに盛り上がっている。
大忙しではあったけど、こういう風に料理を作るのは、結構楽しい。
料理をテーブルに運んだときにカラオケで、僕の得意な曲が選曲されてるのが
分った。僕は『誰が歌うの』って訊いたら、アスカが答えた。
「アンタが歌うのよ、バカシンジ」
僕はこの時、顔を真っ赤にしていたと思う、たぶん。
104:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/03 00:34:52
GJ
105:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/03 07:01:38
あぁぁぁぁああぁぁあ!
イイ!なんか切れ目切れ目とかがすごくいい!
GJです!
106:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/07 18:49:00
すごくいいです。
はやく続きを読みたいものです、はい。
107:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:11:32
感想レス、マジ感謝!ホント励みになります。
ちょっと、遅れたけど誕生日つながりの話題を投下します。
108:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:13:00
11月最後の日の昼食時、僕はケンスケに相談を持ちかけた。
「じゃ‥‥、コーヒーで」その台詞に対して僕は頷いた。
急いで売店まで行き、あの上質なコーヒーを買った。
アスカの誕生日にグーのパンチを貰わないためには、軍師の助言が必要で
その助言とやらもタダではない。
軍師の助言に従い、向かった先はデパートの一階。
僕にとっては場違いな場所でプレゼント用の香水を探す。
何本かのテスターを嗅ぎ、自分にとって一番しっくり来るのを選んだ。
選ぶのに50分もかかった。それが、ラベンダーの香りがする香水で
お小遣い三か月分。これで殴られたら報われないなぁ。
12月4日に渡すべく、綺麗にラッピングした状態のまま机の中に眠らせた。
109:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:14:44
そして、12月4日
僕とアスカはミサトさんからの呼び出しを受け、彼女の職場を訪ねることになった
放課後、一旦帰宅し着替えてから向かうことになった。
ミサトさんからのアスカへのプレゼントだって事は分っていたし
その内容も大体は予想がつく。だけど、先にばらしてしまう様な無粋なことはしない。
だから何事か訊かれても、はぐらかしておいた。
UNフォースの第三東京基地。30分にも及ぶボディーチェックや手荷物検査
身元確認を経て比較的セキュリティーレベルの低い区画にあるビルの屋上に通される。
屋上はヘリポートになっていて軍用ヘリが一機スタンバイ。
家族特典とやらで年に一度コレに乗れる機会がある。
僕は高所恐怖症だから去年は ⅱ pod が欲しいと懇願し事前に回避することが出来た。
今回はアスカの誕生日だからと辞退することにしよう。
で、
僕は今ヘリの中にいます。
110:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:16:25
40分間の遊覧飛行。ミサトさんの操縦するヘリに乗って
僕とアスカで第三東京の街並みを俯瞰する。
当初の不安とは裏腹に意外に快適だった。案ずるより産むが易しか。
帰りのエレベーターでアスカは上機嫌だった。
軍師の知恵があっても此れに適う物は無い。
僕らを乗せた密室は目的地とは違う階で停止して
扉が開く代わりに照明が落ちた。つまり、停電という事か。
僕はアスカに相談し非常用のボタンを押した。
ウンともスンとも、いわないから事態は深刻なのだと気付く。
基地には携帯を持ち込むことは出来ないので、外部と連絡を取る手段が全く無い。
つまり、大ピンチという事か。
「すぐに予備電源に切り替わるわよ」この一言で僕は落ち着くことができた。
10分経つけど切り替わんねぇ‥‥‥
111:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:17:49
こういう時、人は二通りの行動パターンを採る。おとなしく助けが来るのを待つか
自力で脱出を試みるか。もちろん僕は前者なんだけど残念ながら決定権は無いので
脱出を試みることになった。
アスカはバッグの中からハンカチを二枚取り出して、それを繋ぎ合わせた。
そして、僕に目隠しをする、既に暗闇なのに。
つまり、肩車をして上部のハッチをこじ開ける計画だけど、アスカはここに
ミニのプリーツスカートを穿いて来た。
「絶対に変なこと考えないでよ!!」釘を刺された。
だけど緊迫した状況だから、そういう事は考えない自信があった。
むしろ、不安を紛らわすために珍しく強気に返した。
「考えるわけ無いよ、今はそれどころじゃないんだ」
僕は目隠しされた状態のまま、肩車をした。その上でアスカが作業したんだけど‥‥
多分、目隠しは逆効果だったと思います。
人は、目が見えないとき、他の感覚が敏感になります。
つまり、直接手で支えるアスカの腿の感触に少なからず興奮してしまいました。
強気に返したことをひどく後悔する。
たぶん、目隠しがいけないんだ。きっと、そうに違いない。そうだよね?
112:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:19:26
アスカは、ハッチをこじ開けるために力を入れる。
悪戦苦闘している様子が声で判る。
「コノ、コノ、なんで開かないのよー」アスカが力を入れれば入れるほど
腿で僕の首が絞まってく。僕は腿と首の間のスペースを確保すべく
手を腿の内側に移動させた。その時、はっきりと聞こえてしまった。
「んぁっ‥‥」
その声を聞いて、僕は、その、つまり、あの、一言でいうと
ボ ク ノ シ ョ ゴ ウ キ ガ ボ ウ ソ ウ シ タ
初号機(仮)が僕の意思とは無関係に大きくる。焦れば焦るほど
シンクロ率は上昇する。頬だって緩みっぱなしだし‥‥‥
とんでもない爆弾を腰にぶら下げたために思いのほか前かがみになった。
113:ハル ◆NekokanK8k
07/06/08 19:20:58
肩車をしたまま、前かがみ。これは事態の更なる悪化を意味する。
なぜなら、僕の頭はスカートの中にすっぽりと入っているのが感覚で分かる。
そして、アスカの体重を支えているのは肩ではなく頸骨の辺り。
僕の頸骨にはスカートではない布地が密着している。
シンクロ率は時間とともに単調増加、400%を超えている。
グーのパンチでも済まされないだろう。
突然、機械の作動音が鳴り、エレベーターは動き始めた。
僕はバランスを崩し壁に頭をぶつけ脳震盪を起こしたらしい。
薄れゆく意識の中でアスカの悲鳴が聞こえた。
その後、しばらくアスカからは口もきいてくれなくなった。
プレゼント、どうやって渡せばいいだろうか?
114:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/08 22:57:19
GJ
115:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/08 23:03:25
GJだが下ネタ好きなんですねw
116:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/08 23:15:40
GJっす
117:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 08:06:57
昨日、丸一日費やして最終回の原稿を書いた。
吐き気がするほど文章と格闘したかいがあって最後だけは自信作。
だけどラストを先に書くとね制約が付いて次から大変になるんだわorz
次回は最初に書いたところだから、とっくの昔に出来てるんだけど
下ネタ部分を削除しようか、かなり迷ってる。どうしよっか?
118:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 09:38:19
全然OK
14歳らしいのが伝わるのでむしろ削らない方向で読みたい。
119:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:31:42
母さん、僕はあなたの命日に女の子とキスをしました。
生まれて初めてのキスです。
今日僕は女の子の唇を知った。
キスをして、そして‥‥‥
「アンタ、怖いの?男の子のくせにー」
「あぁっっ‥‥、アス‥カ、お願い、もう‥やめて」
「やめるわけなーいジャン」
「うん、怖い。本当に怖い。だから、もうやめて」
僕は全身を氷像のように固まらせながらアスカに願いを乞うのが精一杯だった。
しかし、徐々に確実に昇ぼる。
「そっか、シンジ怖いんだー、どーしよっかなー」そういっても全く止める気は無い。
アスカは、腰を浮かしては沈め、沈めては浮かせていた。
「こ‥‥これ以上、揺らさないで」
「あぁ‥‥はぁぁ‥‥アーーーー!!!」
そして僕が見たものは‥‥‥
120:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:33:23
僕は今、墓地に来ている。日本人がイメージする墓地とは違うカトリックの
簡素な墓碑が並んだ墓地。
今日は朝5時に起きて7時には母の墓前に到着したのに
既にユリの花が手向けられていた。
今年こそ父さんに会えるかも、と思ったが来年まで持ち越した。
僕は母さんを知らない。
どんな食べ物が好きなのか、どんな音楽が好きか、どんな小説を読み
どういう映画を観るか、ラーメンにはニンニクを入れるのか
カップのアイスのふたを舐めるのか?
顔も知らない、声も知らない、あるのは曖昧模糊とした『母』というイメージ。
だから、家族の好物を持ってきた。タッパの蓋を開け
ハンバーグにデミグラスソースをかけた、そしてえびちゅを横に置く。
手袋をぬいで両手を合わせる。ポケットからハーモニカを取り出した。
一曲目はクイーンの『ボヘミアンラプソディー』
次にドビッシーの『月の光』バッハの『G線上のアリア』
ビリー・ジョエルの『ピアノマン』と『アニスティー』
ビートルズからは『イエスタデー』と『ミシェル』
ベートーベンの『第九』そしてアニメの主題歌『残酷な天使のテーゼ』
最後にボサノバの名曲『 Fly me to the moon 』
『来年で、11回目だね。次までにあと1曲覚えるよ』
121:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:34:15
午後からは、僕とアスカ、カヲル君と綾波で遊園地でのダブルデートをした。
前は大雨が降って台無しになったけど今度は雲ひとつ無い天気だ。
寒さに目をつぶれば絶好の遊園地日和だ。
今回はカヲル君のセッティングで普段の僕とアスカの関係からは考えられない
『デート』という行為が実現した。
実は僕もアスカも遊園地に行くのは初めてで結構楽しみにしている。
最初にジェットコースターに乗った。
もちろん初めて乗るわけだからかなり緊張したけれど
思ったほど怖くなかった『案ずるより産むが易し』
その後、僕らは遊園地の定番の乗り物を巡った。
そして、日が傾いた頃に観覧車に乗った。
まず、カヲル君と綾波が乗って。次のゴンドラに僕とアスカが乗った。
僕は元々高いところが少し苦手だった。だけど今日乗った遊園地の乗り物で
怖いと感じたものは無かった。だから大いに油断した。
まさか観覧車が揺れるとは‥‥‥
122:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:35:13
観覧車は小高い丘の上に建っていて下から見たときより遥かに高く感じた。
「アンタ、怖いの?男の子のくせにー」アスカはわざとゴンドラを揺らす
「あぁっっ‥‥、アス‥カ、お願い、もう‥やめて」
「やめるわけなーいジャン」
「うん、怖い。本当に怖い。だから、もうやめて」
僕は全身を氷像のように固まらせながらアスカに願いを乞うのが精一杯だった。
しかし、ゴンドラは徐々に確実に昇ぼる。
「そっか、シンジ怖いんだー、どーしよっかなー」そういっても全く止める気は無い。
アスカは、腰を浮かしては沈め、沈めては浮かせていた。
僕は手のひらに信じられない位の汗をかいていた。
「こ‥‥これ以上、揺らさないで」
「あぁ‥‥はぁぁ‥‥アーーーー!!!」
ゴンドラが頂上に差し掛かる頃僕は見てしまった。
カヲル君と綾波がキスをしている。
アスカも咄嗟に振り返った。
このとき僕は、たぶん、きっと、とても情けない顔をしていたと思う。
涙が溢れそうになったから目を瞑った。
ゴンドラが少し僕のほうに傾くと、汗だらけの手の上に柔らかい手が乗って
僕の口に何かが衝突してラベンダーの香りがした。
123:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:36:19
アスカの髪が、僕の肩をくすぐった。
ああ、これがキスなんだなと直ぐにわかった。
たとえ、もし、このゴンドラが落下しても僕たちは無傷でいられる様な気がする。
理由なんて無い、そんな気がするだけ。
神様‥‥‥
もう少しだけ
僕は神様にお願いした。
しかし、昇りの百分の一の時間で到着した。
僕は今、確信している。
僕はアスカに恋をした。
124:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:37:27
その日の晩、ドイツ領事館から電話があった。
前 編 完
125:ハル ◆NekokanK8k
07/06/10 16:39:44
タイトル 『Love letter from Tokyo-3』
第一章 年下の姉 >>40-44
第二章 Dabada >>59-61 >>66-69
第三章 しかしMPが足りない >>83-87
第四章 バカシンジ >>98-103
第五章 レーゾン・デートゥル >>108-113
第六章 神様もう少しだけ >>119-124
第七章 未定
第八章 トゥ・シューズ(予定)
第九章 2月14日のルーチンワーク
第十章 管轄外(予定)
最終章 アタシの全部
126:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 16:59:53
GJ!
127:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 17:46:41
久々に来たけどN3はどうなったん?
128:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 17:48:30
お星様になりました
129:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 18:16:42
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― + ―
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マジで?
そうか。夜型の仕事みたいだったからな…
130:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/10 18:49:53
携帯からで良かったら、投稿させていただけませんか?
131:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 17:39:43
普通に投下してる輩もいるからOK
132:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 20:36:22
つまんない・・・
今日、何度目だろう?
大学の食堂から外を見ながら、アスカはぼんやり考えていた。
サードインパクトから6年、彼女は美しく成長し毎日を過ごしていた。だけど、この空虚なキモチはなんだろう?
自分にとって、大事なナニカが無い事に気付いているが、何処かで其れを認められずに時間だけは過ぎてきた。
このまま、大学卒業して、どうするんだろ。私は
そんな事を考えながら、サービスパスタの器を洗浄スペースに運ぶ。
アスカのローライズジーンズのポケットから、静かにメロディが奏でられた。
見れば、それは彼女の同居人からだった。
「はい、ミサト? どうしたの、こんな時間に。」
「アスカ、今日連絡来たわ。シンジ君が帰って来るわよ!」
続く
133:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 20:40:00
今回は とりあえずは導入部分だけです、ゲーム板のスパロボ兄弟スレの資料集めに、久しぶりにエヴァを見ていて、出来上がった妄想を形にしてみました。
批判等々お持ちしています。
134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 22:19:19
感想も何も、短かすぎだろ、オイ!
と突っ込むだろ普通。
もう少し読んでから。
135:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 22:19:44
>>133
早よ、続き書けw
136:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/11 22:48:57
きもw
137:132
07/06/11 23:34:01
132の続き
ミサトから電話を聞き、胸が高鳴る。アイツが帰って来る?
シンジが、バカシンジが
「も~し、も~し、聞いてんの、アスカ?」
「聞いてるわよ、ミサト!」
そう、アイツが帰ってくる。
サードインパクトの後でいきなり私の前から消えたアイツ、碇シンジが・・・。
「シンジ君は明日、第三新東京に到着予定らしいから、歓迎の準備しなくちゃね。」
「そーいう訳なんで、アスカ。部屋の掃除お願いね~。 シンちゃんにあの頃より酷い部屋見せたくないしね~。」
「ちょっと、勝手な事言わないでよ。ミサトッ!」
彼女は大学を飛び出し、住居(魔窟?)に帰り、ため息をつきながら、掃除を開始した。
まだ頭の中はグルグルといろんな事が駆け巡っている。
シンジ、本当に帰ってくるの?
どんな顔して会えば良いの?
やっぱりアイツも変わったのかな?
夕方になり夜になり、クタクタになりながら、ようやく掃除は終わった。
「まったく、ミサトのエビチュばっかりじゃない。何やってんのよ。」
缶を分別していると、玄関で呼び鈴が鳴った
アスカは掃除の時のエプロン姿のままで玄関に向かった。
「アスカァ~、買い物してきたから、玄関開けて~」
やれやれ、原因の同居人が帰ってきたようだ。アスカはなんのきなしに玄関に向かい、ドアを開けた。
アスカは油断していたのだ
見慣れない男性が立っていた、そいつは彼女を見ると微笑みを浮かべて言った。
「ただいま、アスカ。」
138:132
07/06/11 23:47:53
戸惑ってしまった。
そして、事実に気付いた瞬間に、なぜか涙が溢れてきた。
哀しいわけじゃない、なのにどうして・・・?
「あっ ゴ、ゴメン。アスカ、僕何かしちゃった?」 昔と同じ様にあわてて、私にあやまるアイツ。焦った時にこめかみを指でかく癖は直ってない。
顔は自らの意思に反して、真っ赤になっていく。
それをシンジの陰から隠れていたミサトがニヤニヤしながら、見ている事に気付いた瞬間。
バッチ――ン
と激しいビンタの音が終わった後は、シンジの左頬に赤いアスカの見事な手形を残していた。
「アンタ、バカァ! ドアからの埃が目に入って痛かっただけよ!」
「ヒドイよ、アスカ・・・。6年ぶりなのに・・・。」
「も~、素直じゃないんだから、アスカは。」
そんな騒ぎをペンペンは静かに見ていた
続く
139:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/13 02:29:42
続きwktk
140:132
07/06/13 16:35:27
久しぶりに再会したのに、私は何やってんだろ・・・。
左頬を腫らしたシンジを見ながら、私は内心ため息を付いた。 涙を見られた私はとっさにシンジにビンタをお見舞いしてしまい、結果はぶすけたシンジと笑いを噛み殺すのに必死なミサトと食卓を囲んでいる。
ミサトが笑いながら、話したのは私を驚かせるために、あの電話の時にはシンジはミサトの側にいたらしい。
むぅ、なんだか、ひとりであわてて掃除していた私が馬鹿みたいだった。それもあって、私はちょっと不機嫌だった。
シンジが帰ってきた事を祝う宴なのに、シンジが全ての料理を作ったのも、妙な話だが、私を驚かせた罰として、作らせる事にした。まぁ、三人の中では一番料理がうまいのがシンジなのだから、仕方ない。
シンジ自身、ちょっとブツブツ言ったりしながらも、笑いながら、楽しそうに料理していた。
テーブルに並んだ料理を口に運んで、驚いた。あの6年前よりもシンジの腕が上がっていたのだ。
ちょっと悔しかった、私もこの長い時間の中でヒカリに教わったりしながら、料理を勉強してきて、自分では“シンジを越えた!”と思っていたのだから、でも当然か、私も長い時間を過ごしたように、アイツも同じ時間を過ごしたに違いないのだから。
この後、宴はいつもの如く酔っぱらったミサトが爆弾を私達に投げ込んだ。
「シンちゃ~ん、これから何処に住むの~、ウチに住むぅ~?」
ミサトッ GJ!
私が気になっていた事をズバッと聞いてくれた。さすがは女みの○んた!
昔は三人一緒に住んで、“家族”として暮らしていた私達。でもねぇ・・・、あの頃でさえ、テーソーの危機を感じた事もあったし、気にはなっていた。
あの頃より、可愛く美しくなった私にバカシンジが我慢出来るはずがないのだ!
シンジはちょっと言いにくそうにしながら、こう言った。
「ネルフ本部近くに父さんが残したマンションがあるんです、そこに住むようにしています。荷物はもう運ばれているはずです。」
ちょっと意外だった、アイツの父親碇ゲンドウとシンジの仲は他人の私から見ても最悪だったのに、やっぱり変わったのかな?
シンジも・・・。
続く
141:132
07/06/13 17:59:23
久しぶりに心の底から楽しいと感じられる食事だった。ただ、調子に乗った私とミサトはエビチュとシンジのお土産ワインで完全に酔っぱらって・・・。
記憶がない
朝、ペンペンのペタペタ歩く足音とキッチンから漂うフレンチトーストの良い香りで目が覚めた。
さすがに昨晩は飲みすぎたのか、経験した事がないくらいに痛む頭を抱えて、部屋を出てみると、シンジが朝食を用意してくれていた。
「おはよう、アスカ。早く目が覚めたから、前みたいに朝食作ってみたから、食べてよ。」
チクショー、久しぶりに再会したのに、昨日はビンタ、今日は朝から朝食の準備までされた。シンジの前なのに、アタシはぜんぜんっ良い所ないじゃない!
まっ久しぶりに食べるシンジの作ってくれたおいしい朝食に免じて、今回は目をつぶる事にした。
私が朝風呂から出てきて、身支度を整えた頃に、ようやくミサトが酒の匂いをさせながら、起きてきた。
「うぉはよぉ~ シンジ君、アスカ。」
「おはようございます、ミサトさん。」
「また二日酔いなの? ミサト!」
私の声にミサトは頭をしかめながら、私に想定もしていなかった事をしゃべった。
「アスカァ、今日はアタシ二日酔いだし、休みだから寝るわ。」
私にとって、衝撃の宣告を言ったミサトはまた部屋に戻っていた
続く
142:132
07/06/13 19:25:45
今から、バスやリニアレールを乗り継いでも、大学には間に合わない、途方に暮れそうな私に思わぬ救いの神が舞い降りた。
「アスカ、僕車だから大学まで送るよ。」
へっ? まったく想定外の事を言われて、一瞬止まってしまった私にシンジはこう言った。
「昨日はここまで自分の車で来たし、車の中で寝たんだよ。だから気にならなきゃ送って行くよ。」
確かに以前シンジが使っていた部屋は私とミサトの倉庫になっていて、シンジがどこに寝たのか、ちょっとだけ気になっていたのだけど、まさか自分の車とはこのアスカ様でも考えて付かなかった。
なんて事を頭の中で考えていると、シンジに呆れられたように、「急がなきゃ、間に合わないんだろ。アスカ?」
ちょっと上から優位にたったような言い方はしゃくに触ったが、ここは有りがたく、シンジの提案を飲む事にした。
まっ、ちょっと、ちょっとだけシンジの車とやらにも興味があったのは、事実だ。
私が身支度を終えて、マンションの入口まで走って行くとちょっとスポーティな銀の車が止まっていた。 どうやら、これがシンジの車らしい。
「早く乗って、出すから。」
助手席に座ると、昔感じた事のある香りに気が付いた。シンジが使っていたボディシャンプーの香りだ
「この車、新車で乗せたのアスカが最初だよ。」
そう言ったシンジの言葉を聞いて、ちょっと嬉しくなった。私がシンジの車の最初の同乗者というそれだけの事がたまらなく嬉しく感じた。
それに朝の日射しを避けるために、薄い色の入ったメガネをかけたシンジは、ちょっとカッコ良かった・・・。
妙にドキドキしながら、シンジの運転する車で私は大学へ向かった。
続く
143:132
07/06/13 21:18:43
大学にはミサトの運転だと、15分で着いていたがシンジはその性格の為か、安全運転で20分程かかった。その信号待ちの間にシンジの携帯アドレスをちょっと強引に聞き出して、私の携帯に登録した。
正門前でシンジの車から降りて、一応わざわざ送ってくれたシンジに礼を言う。
「ダンケ! シンジ。」
いつもギリギリのミサトの送迎よりかなり時間があったので、ロビーに座りシンジの携帯アドレスを登録していた、そこに我が親友が表れた。
「おはよう、アスカ。今日はいつもより早いわね。」 洞木ヒカリ あの3度目の前からの私の日本での友達であり、常に本音で語り会える大事な人だ。まっ彼女の男の趣味はねぇ・・・。
「ああ、今日はシンジに送ってもらったの。アイツ昨日、帰ってきたのよ。この街に」
「えっシンジって、碇君!?」
「ヒカリ、あのシンジがたくさんいたら、凄くうっとしいじゃない。」
ヒカリは私を見ながら、微笑みながら、こう言った。
「ふ~ん、それで今日のアスカは妙に嬉しそうなんだ。」
ヒカリの思わぬ言葉に私は飲んでいたミルクティーを噴き出しかけた。
「そんな事はないわよ、まっアイツにしては成長したんじゃない? このアスカさんを送迎しようなんて、自分から言い出すなんつね~」
その後、ヒカリにもシンジのアドレスを教えて、まっ、本人の許可はとってないけど知らない仲でもないし、私が許した。
ヒカリは早速、シンジの事を楽しそうに自分の恋人に連絡していた。
ヒカリの恋人はともかく、やっぱり恋人同士の語らいはうらやましいと思ってしまう。何故か運転中のシンジの顔が思い浮かんだのは、いったい何で?
続く
144:132
07/06/13 21:43:46
ヒカリとは科が違うので、昼休みに会う約束をして分かれた。
今の私は現代文学科の学生であるアスカというわけ、セカンド・チルドレンとしてのアスカは未だに私の誇りだけど、今の学生のアスカとしての人生も気に入っている。
教室では同じ科の女子が私を「聞きたい事がある!」と待ち構えていた。
内容はどうやら、シンジの事らしい、いつもならミサトの車で大学に来るのに、今日は違う車、しかも同い年くらいの男に送られてきた事が同じゼミの男共には、ショッキングな出来事だったらしい。
口々に恋人なのか?とか付き合ってどれぐらい?などと聞かれた。
私は想像もしていなかったが、他人から見たらシンジと私は恋人同士に見えるらしい。バカバカしいと思ったが、ミサトは姉でシンジは従兄弟という事にしていた。
私は講義中、恋人同士に見えたというシンジの運転中の横顔や微笑みが頭から消えず、教授の声も耳に入らなかった。
そういえば、シンジ・・・。恋人なんかいるのかな。アイツの事だから、やっぱりいないんだろうけど。可哀想だから、アタシが付き合っても・・・! 何考えてるんだ、私は!
そりゃ昨日、久しぶりに再会したアイツは正直かなりイイ男になったと思う。 でも、まだまだこの大学のボンクラ男共と同レベルかちょっと良いだけよ!
このアスカ様には釣り合わないわよ、シンジごときじゃね。
でも、なんでこんなアイツが、バカシンジが、碇シンジという男が気になるんだろう。
アイツと私は6年前に共にEVAに乗り、一緒に戦った戦友?なのであって、お互いに勘違いした恋愛感情みたいなものはあってのかも知れないが、恋愛、親友ヒカリの様な結婚を考えるような関係ではないはずだ。
なのに、なんでこんなにアイツの事が気になって、頭から離れないんだろう。 まさか、これが恋というヤツなの!?
続く
145:132
07/06/13 21:57:09
入院中のヒマにまかせて、多目に投下してみました。
至らない部分やお気にめさない表現もあると思いますが、よろしくお願い致します。
146:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/14 00:04:22
>>145
乙。内容はGJです。
改行は40字前後でやった方がPCで見やすいと思います。
Take care of yourself.
147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/14 11:04:01
大学生が新車買うのかよ
どんだけのボンボンだ
148:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/14 12:00:28
バブル期なんだろ
149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/14 14:22:24
>147-148
細かいトコロを気にするな。
つーかオレも大学入ってすぐに買った車は新車、
貯金180万+親からの借金でなんとかなった。
150:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/14 17:33:56
久まで読んだ
151:132
07/06/14 21:29:19
今日は昼までしか講義を入れていない私はヒカリと学食で食事をとっていた。 ヒカリの話では私が男の車で登校した事はかなり話題になっているそうだ。
「なんで、男はバカみたいにそんな事気にすんのよ。本当にバカばっか!」
「アスカ、仕方ないわよ。去年の現代文学部のミスキャンパスなんだから、注目もされているわよ。」
最近でこそ、忘れていたが私は昨年の学園祭で現代文学部のミスキャンパスなんてのに、選ばれていたんだった・・・。 あの後からしばらくは毎日のように男達がデートを申し込んできて、本当にうっとおしかった。
「このままじゃ今日の帰り道はまた追い掛けられるかもよ、アスカ?」
ヒカリはちょっと意地悪そうにこちらを見ていた。
どうしようかと悩んだ結果、今日はミサトに迎えに来てもらい、難を逃れる作戦を思い付いた。
早速、善は急げとミサトの携帯に連結すると、電源を切っていた。ヒカリの恋人の車にヒカリと同乗するのも、申し訳ないと思っていた時にひとつ閃いた。
そうだ! 朝みたいにシンジに頼んでみよう。
なんだかヒカリがニヤニヤしながら、私が電話する所を見よう無視して
ちょっと離れて、朝聴いたシンジの携帯番号に電話した。
ちょうどシンジは新しい住居への引越し作業の途中らしく、優しい私は手伝いを交換条件にシンジという専用タクシーを手に入れた。
ヒカリに話をすると、彼女とその恋人鈴原トウジもシンジを手伝いたいと言ってくれた。
続く
152:132
07/06/14 22:04:26
ヒカリの恋人鈴原トウジは私やシンジや綾波レイ、ヒカリと一緒の中学校の生徒だった。当時はシンジともう一人、メガネのミリオタ合田ケンスケと共に三馬鹿と呼ばれていた奴だ。ヒカリは彼と中学時代から親しくなり、サードインパクトを乗り越えて、今や結婚を誓い合う仲だ。
そして、フォースチルドレン。彼が乗る筈だったEVA参号機はその起動試験中に使徒に侵蝕、使徒として初号機のダミープラグにより、撃破された。
鈴原はその際に負った重傷の回復とリハビリに時間はかかったが、今では日常生活を送れるまでになっている。
もちろんそれには、親友ヒカリの助けと支えがあったからこそだ。なんだかんだ言いながら、私はこのカップルの幸せを祈っている。
ヒカリは鈴原との待ち合わせがあるらしく、一足先に帰っていった。 私はシンジとの待ち合わせ場所にした朝と同じ校門の前で待っていた。何人かまた、男共が話しかけてきたが、無視してやった。
几帳面なシンジらしく、待ち合わせ時間の5分前には来てくれた。正直引越し作業の最中に呼ぶのは気が引けたが、まぁ良いだろう。
「引越し終わったの? シンジ。」
車に乗り込むなり、私は開口一番に聞いた。
「うん、家具や大概の物は終わったよ。ほとんど業者さんに任せたから、後は細かい物を自分でやるだけだよ。」
「じゃあさ、シンジの新しい部屋見せてよ! 私が採点してあげるわ。」
「駄目だよ、まだ完全には片付いてないし・・・。」
「良いじゃない、手伝ってあげるわよ。」
結局、私が強引にシンジに部屋を見せる事を承諾させた。しょせんシンジでは私には勝てないのだ。
ふふん♪
続く
153:132
07/06/14 22:26:57
シンジの住居はミサトのマンションとはちょっと比較にならない高級そうなマンションにあった。まぁ、碇司令が残した部屋らしいからなんだろうけど、ちょっと生意気だと思った。私は6年間も狭い部屋のままなのに!
部屋の中はシックというよりも寂しい部屋だと感じた。孤独な心の中をそのまま、部屋にしたようなイメージだった。
「父さんが残したいろんな物のひとつにこの部屋と僕名義の通帳やカードがあったんだ。」
その話をするシンジはヤケに寂しそうだった。机の上に二つ程、写真立てがある事に気付いた。
シンジも気付いたらしく隠そうとしたが、私の方が一足早く手に入れた。
「あっアスカぁ、見ないで!」
バカなシンジだ、見ないでと言われて、はいそーですかなんて、私が言うもんですか!一枚目の写真は綾波レイ? でも年が違うし、雰囲気も違うし?
「母さんだよ、冬月さんからもらったんだよ。」
確かにシンジに似ていると言うか、シンジを女性化したらこうなるのでは?というような印象だった。
そして、もう一枚はっ・・・。
「それだけは見ないで、アスカ!」
必死のシンジの抗議を無視して、二枚目を見るとそれは私だった。
プラグスーツを着て、勝気な表情でブイサインを決めている私の写真・・・。
シンジはどうして、私の写真を持っていたの?
パイロット同士でしかない私の写真をわざわざ写真立てに入れて、大事に
続く
154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/15 01:23:25
GJ!
155:132
07/06/15 20:45:29
シンジは顔を真っ赤にして、完全に固まっている。その顔は昔のままだった、一方の私も頭の中は何人ものアスカが激論を交していた。
ASUKA 01「やっぱりシンジは私が好きなのよ!」
ASUKA 02「ミサトのイタズラでもらった写真を捨てなかっただけよ~」
ASUKA 03「気持ち悪い気持ち悪い・・・」
ASUKA 04「私にはもっと見合った加持さんみたいな良い男がいるはずよ!」
好きな事を言ってる、ASUKA評議会は無視して、とりあえずは頭の中の会議を強制終了させて、シンジを改めて、引越しの手伝いをすると言った。 その私の言葉でシンジも少々、かなり? バツが悪そうに動きだした。
妙に重い空気に耐えきれなくなった私は意を決して、シンジに話しかけた。
「「あの・・・ さぁ・・・」」
同じタイミングでしゃべってしまい、また黙ってしまった。う~ストレスが溜るぅ~
私がイライラしている所にシンジが話しかけてきた。
「アスカ、お腹空いてない?」
思わずテレビのげーにん並にずっこけてしまった。
「あ、アンタねぇ、今する話なのそれ?」
「でも、もうこんな時間だよ。」
時計を見れば、夜7時を指して、窓の外も薄暗くなっていた。どうしようかと悩んでいると、いきなり“ぐぅ~”と間抜けな腹時計の音がシンジのお腹から聞こえてきた。
思いっきり、シンジを怒鳴りつけてやろうと思っていた私も力が抜けて、思わず笑ってしまった。シンジも照れ隠しから笑いだして、ようやく私達二人の妙な空気は晴れていった。
時間も時間なので、シンジがまた送ってくれる事になり、その途中で今日の作業お礼に食事を奢らせると約束させた。
やったね!あっでも、ミサトの食事用意してないし、どうしよう。ほっとくとペンペンのエサでビール飲み始めないとも限らないし・・・
続く
156:132
07/06/15 21:12:54
携帯でミサトに電話してみると、弱りきった声で
「アスカァ~ お腹減ったぁ~」と言ってきた。
それを聞いたシンジが途中のドライブスルーに寄ってくれる事になった。
そのまま、シンジの車で途中でミサトの分を含めて、買い物して帰った。
車から降りる時に私は、どうしても気になっていた事をシンジに聞く事にした。
「ねぇ、シンジ? 聞きたい事あるんだけど、良い?」
「えっ、何?」
「6年前、どうして私達の前からいなくなったの?
ミサトやネルフの人達に聞いても誰も教えてくれなかったし・・・ 私、最初はアンタが私を嫌っていなくなったと思っていたのよ。」
6年間、私の心に一番澱のように残っていた事・・・
あのLCLの海で私が彼に投げつけた。あの言葉が彼を傷つけたのではと、ずっと気になっていたのだ。
傷だらけの私を見て、涙を流しながら喜ぶ彼を私は否定したも同然だったのだから・・・
車内は薄暗く、メーターとオーディオの光しかない中で見たシンジの顔は、あの時と同じぐらいに辛そうな顔で何かを噛みしめていた。
「アスカのせいじゃないよ・・・」
絞り出すような声でシンジは返事をした。
「じゃあ、どうしてよ! 私が退院した時にはアンタいなかったじゃない!」
「ごめん、アスカ・・・ それだけは言えない。言えないんだよ。」
急に涙が出てきた、シンジと再会した時の喜びの涙じゃない、悲しい、本当に悲しい涙。私は助手席のドアを開き、泣きながら部屋に戻っていった。
シンジにまた私は拒絶されてしまった事が悲しくて・・・
続く
157:132
07/06/15 21:45:36
部屋のドアを開けるとミサトが待っていてくれた。「おかえりなさい、アスカ。酷い顔よ、とりあえずシャワー浴びてらっしゃい。」
ミサトの言葉に従い、私は熱いシャワーを浴び、お風呂に入った。
お風呂から上がると、ペンペンが立っていた。なんだか心配そうに私を見て、首を傾げている。ペンペンにまで心配かけるような酷い顔で私は泣いていたのか・・・
ミサトは座って、私を待っていた。
「シンジ君が忘れ物届けてくれたわよ、わざわざ私の好きな翔竜軒の餃子まで買ってきてくれたのね、ありがとう。」
私は無言で頷いて、自分の部屋に戻ろうとした。
「アスカ、シンジ君にいなくなった理由聞いたの?」ミサトは決して叱ったり、なじる様な口調ではなく、やさしく聞いてきた。
その言葉に堪えてきた涙がまた溢れだした。
「とりあえず、餃子と唐揚げセット食べようっか。貴方もお腹空いてるでしょ」
頷いて、二人で無言でまだ、ほのかに温かい餃子と唐揚げを食べた。
人間なんて、本当に現金なモノらしく、お腹がいっぱいになると私の気分も少しだけ晴れた。
「アスカ、シンジ君がいなくなった理由を知りたいの?」
ミサトは私に聞いてきた、私は少しだけ考えてから頷いた。私はやっぱり知りたかった、シンジがいなくなった理由、私の前から・・・
ミサトも喋りにくそうに少しずつ話をしてくれた。
「サードインパクトの後、私達はLCLの海から還ってきた・・・、ようやく事態が沈静化しだした時に国連が動きだしたの・・・」
「ゼーレはいなくなり、彼らはエヴァの力を手に入れようと欲したのよ。常任理事国は自国にあるネルフ支部を接収し、本部の資料開示を求めてきたわ・・・」
知らなかった、私がサードインパクト後、半年程ネルフ内の病院に入院していたなんて・・・
「日本政府と戦自はネルフ本部は日本国の物として、一部資料だけを渡して、納得させたわ・・・」
話を聞きながら、この話とシンジのいなくなった理由が結びつかなかった私は分からなくなってきた。
ミサトも話しながら気付いたのか、先に進んでくれた。
「代わりに戦自はエヴァシリーズの解析を依頼、というより命令ね・・・その附属品全てを持っていたわ。」 それって、まさか・・・
私はこれ以上聞くべきか迷った
続く
158:132
07/06/15 22:02:33
ミサトも次の言葉を絞りだすように言った。
「エヴァ初号機 パイロット、サードチルドレンである碇シンジの身柄よ。残された初号機や弐号機も予備パーツも含めてね・・・」
話を聞いていて、自分自身が情けなくなった。シンジは自らの意思とは関係なしに拉致されていたのに、私は6年間も真実を知らず、シンジが逃げ出したんだと思っていたのだ。私を否定し、いなくなったんだとばかり思っていたのだ。
「シンジ君の場合、碇司令の息子という立場もあって、碇司令がLCLの海から帰ってきた際に人質として意味合いもあったようね・・・」
シンジが私に話したくない、話せないと言うのは当然だ。なのに私はシンジの傷をまた開いてしまったのだ。
どうしようか・・・
どうしたら良いの?
どうすれば償えるの?
「アスカ、シンジ君は怒ってないわよ。貴方に謝りたいと言っていたわ。」
謝らなきゃならないのは私だ、傷つけたのは私なのに・・・
話し終えたミサトは急に話題を変えてきた。
「ところでアスカ、貴方シンジ君の気持ちに気付いているの? まっ自分自身の気持ちにも気付いてないんでしょうけど?」
えっ、アイツの気持ち?私の気持ち?
続く
159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/16 00:20:22
乙です。
けど一回一回『続く』って書かなくていいと思う。
160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/16 05:29:24
神が降臨しとるGJ
161:ハル ◆NekokanK8k
07/06/16 08:05:17
『アスカが側に居ること』それは、ごく当たり前で
僕にとってそれがずっと続くものだと思っていた。
昨日も今日も、一番に挨拶したし、明日も明後日も一年後も
まるでそれが普通であるかのよう。
だからアスカが今、ここに居る理由はいつの間にか失念してた。
それを思い出させたのが、ドイツ領事館からの電話だ。
テレビやネットなどで、世界の治安の好転を伝えているのを
最近よく目にする。僕は遠い世界での出来事などに関心を払わなかった。
でも事実として、アスカは疎開のために日本に来ている。つまり
そのニュースは、僕とアスカが一緒に居られる期間が短くなることを意味している。
アスカの居ない日常生活は、今の僕にとって、とても想像がつかない。
三ヶ月前の出来事なのに、それが遥か遠い昔のココに来る前の出来事のようだ。
だけど、アスカの居ない日常生活に戻る事は、最初から決まっていたことで
そんな事をすっかり忘れていたのをひどく後悔する。
162:ハル携帯
07/06/16 08:13:42
アク禁くらったかもしれん。
ベージが表示されないorz
163:132
07/06/16 19:28:34
ミサトからの思わぬ言葉は私をさらに混乱させた。シンジの私への気持ち? 私のシンジに対する気持ち?
ミサトはやさしい顔で私に言った。
「シンジ君は貴方とまっ正面から向き合うと決めたのよ。」
私はただ聞く事しかできなかった・・・
「アスカ、あなたも正直にシンジ君と向き合いなさい。気持ちのままにね」
ミサトは微笑みながら、私に言ってくれた
「正直に気持ちを伝えないと、後で後悔するわ・・・ 私とアイツのようにね。」
その日はそのまま寝てしまった。次の日はいつもの通りミサトの車で大学へ行った。
いつものように大学を終え、帰り道にふと携帯を見ると、たくさんの着信通知と1通のメールが入っていた。
シンジからだった・・・ メールを見ると、週末にシンジの引越し祝いをするので来て欲しいと書いてあった。
昨日の私の言葉には何ひとつ触れられずに、待っていると書いてあったメールを見て、シンジに謝りたいと思った。
送った返事には短く、「Yes」と打ち込んで返送した。
どうやって、シンジと話せば良いのかなと思い悩んでいたら、バスを乗り過ごしてしまった。
ちょっと失敗してしまった
その日の晩はヒカリに電話して、シンジの家に引越し祝いで持って行くものをどうしようかと、けっこう長電話してしまった。
彼女の恋人には申し訳ない事をした、ごめん! 鈴原。
164:132
07/06/16 20:01:30
そして、当日の金曜。
決戦は金曜日! んっなんかミサトが聴いていた古い曲のワンフレーズが何故か私の頭をリフレインしていた。
鈴原夫妻(ヒカリカップルが二人でいる時は私はこう呼んでいる)がシンジの自宅を知らないし、私もシンジの家に行く手段が無いので、シンジが大学まで来てくれる事になっていた。
私達を迎えにきたシンジは私に小さく言ってくれた。
「ごめんね、アスカ。」
謝るのは私と言いたかったけど、鈴原とヒカリの前では言えなかった。 それに鈴原と対面したシンジは泣き出してしまい、釣られて、鈴原も泣き出してしまった。 二人とも参号機の事件以降、一度も会えなかったのだ。
二人はようやくバツが悪そうにお互いを見て、笑いあった。7年前のあいつらを見ているようなとびっきりの笑顔を見せながらね
シンジの部屋に到着すると、鈴原とヒカリもびっくりしていた。まっ私は先に見せてもらったし、ふふん♪
料理はシンジがあらかじめ作ってくれた料理とヒカリが作ってくれた料理もあり、充実していた。
一応、私もケーキとビスケットを作ってきていたので、後で皆食べる事にした。
会話は取り留めのない話ばかりで中学時代の話がメインだったが、鈴原は仕事先で昇進するという話には拍手を送った。
「シンジは今から惣流と同じ大学に行くんか?」
かなり酔ったらしい鈴原がシンジに聞いてきた、すぐにヒカリが鈴原をたしなめていた。ヒカリに鈴原は完全に尻に引かれているわね・・・
シンジは普通に答えた
「いや、ネルフの研究部に入るんだ。生体義肢をするんだ。」
聞いた私達はびっくりした! あのシンジが研究者なんてねぇ・・・
あっ、でもシンジの両親は父親の碇司令も母親のユイさんも有名な研究者だったらしいし・・・ バカシンジなんて、私はよく言ったりしていたが、シンジは成績は優秀だったんだっけ?
シンジは静かに喋りだした。
「エヴァのパイロットでネルフにいた僕は今のサードインパクト後、何かをしたかったんだ。それでトウジの足やたくさんの紛争被害者を見て、ネルフの技術を生かした義肢は出来ないと思って、研究始めたんだ。」
ううっ、私はシンジを甘く見ていた。大学で私は好きな文学に浸り、日本の大学生活を楽しんでいた。その間にシンジは自らの境遇や環境に負けずに、新しい道を見つけていたのだ。
165:132
07/06/16 20:23:10
その後はひたすら、飲んで騒いだ私達。多分うるさかったに違いない、シンジの両隣の部屋の方、ごめんなさい
ベロンベロンに酔っぱらった鈴原と介抱するヒカリは私が呼んだタクシーで帰って行った。楽しい宴だった・・・と思い、私も帰り支度を始めようと思ったが、先に私にはやるべき事があった。シンジに謝らなきゃ!
シンジは汚れた皿を片付けようとしていた、私は思いきって話しかけた。
「シンジ、こないだは嫌な事を聞いてごめんなさい。」
シンジはびっくりして、目を白黒させていたけど、急にやさしい顔になって、私を見た。 やだ・・・ ちょっとかっこいい・・・
「僕の方こそごめんなさい、アスカに嫌な思いをさせてしまって。」
シンジはひとつ、深呼吸をしてから、私に言った。
「アスカ、僕は、碇シンジは6年前から、アスカが、惣流・アスカ・ラングレーが好きでした!」
びっくりする位に大きな声でシンジは顔を真っ赤に紅潮させて、一気に喋った。
シンジは私が好き・・・? シンジが私を・・・?
シンジが私?
私がシンジ?
私はシンジ?
私はシンジが好き?
私はシンジが好きなの?
い、いけない。落ち着きなさい、アスカ。
COOLよ COOLになるのよ、アスカ!
シンジは私が好きだと言ってくれた、あの時否定した私を好きだと言ってくれた・・・。
私の気持ちはどうなの?
私はシンジが好きなの?
パニックになっている私を見て、シンジは一言だけ・・・
「君の気持ちが決まるまで、僕は待つよ。」
私はひとまず、シンジの部屋を出て、タクシーで帰ってきた。
シンジの言葉が頭の中で繰り返されて、どうやってタクシーから降りて、帰ってきたのかさえ覚えていない。
なんで、シンジはいきなり私に気持ちを伝えてきたんだろ? 私はシンジにきちんと答えられるの?
続く
166:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/16 22:51:04
COOLになれと自分に言ってる時点でKOOLになってそうだがw
しかし今回もGJだぜ
167:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/16 22:52:23
GJ!!
168:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:29:56
中途半端な投下してゴメソ
単なるPCの不調だった。
とりあえず最初から送ります。
サブタイトルは 『新右衛門さん』
169:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:31:19
『アスカが側に居ること』それは、ごく当たり前で
僕にとってそれがずっと続くものだと思っていた。
昨日も今日も、一番に挨拶したし、明日も明後日も一年後も
まるでそれが普通であるかのよう。
だからアスカが今、ここに居る理由はいつの間にか失念してた。
それを思い出させたのが、ドイツ領事館からの電話だ。
テレビやネットなどで、世界の治安の好転を伝えているのを
最近よく目にする。僕は遠い世界での出来事などに関心を払わなかった。
でも事実として、アスカは疎開のために日本に来ている。つまり
そのニュースは、僕とアスカが一緒に居られる期間が短くなることを意味している。
アスカの居ない日常生活は、今の僕にとって、とても想像がつかない。
三ヶ月前の出来事なのに、それが遥か遠い昔のココに来る前の出来事のようだ。
だけど、アスカの居ない日常生活に戻る事は、最初から決まっていたことで
そんな事をすっかり忘れていたのをひどく後悔する。
170:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:32:25
電話はミサトさんに取り次いだ。そして、僕はその様子を
後ろから黙って、まるで置物の人形のようにじっと見ていた。
ただ、静かにしていれば良いだけなのに、その間の僕はずっと
カーネル・サンダースで、電話が終わるまでの間、その事にすら気付かなかった。
電話が終わると、僕はすぐさまミサトさんに質問した。
「アスカのことですよね?これからどうなるんですか?」
その言葉に対して、ミサトさんは少し躊躇した後
普段僕には見せない、とても真剣な顔つきになり静かに口を開いた。
「ちょっちね‥‥、アスカのビザの期限の更新について私的に問い合わせてみたの。
アスカから、頼まれたらいつでもできるように、準備しておいた方がいいから‥‥」
僕はそのセリフから、沢山の疑問が頭の中に浮かんだ。
だけど、それを言葉にするにはミサトさんの表情が重すぎた。
扉二枚隔てた向こうでは、今アスカが入浴している。
僕はベットに横たわりながら、初雪によって微かにかすむ夜景を眺めた。
僕の部屋にまで雪が降ってきて、朝になればきっと雪に埋もれているだろう。
それで、僕は目を覚まして僕の上に積もった雪から顔だけ出して、『冷たいな』
と独り言を洩らし、そのまま二度寝する、そこで50時間は眠りたい。
171:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:33:50
アスカが突然、居なくなってしまうかも知れないという『不安』
そして、アスカが居なくなってしまうと僕はぷっつりと
停止してしまうのではないかという気になってしまう。
『誰か、背中のぜんまいを巻いて下さい』
『不安』という言葉は『安心』という言葉の対義語であるそうだ。
アスカは僕にちっとも安心を与えてくれない。なのに、僕はアスカが
居なくなるかも知れない、と思うと不安になる。
混沌とした僕の心に問いかけてみる。地球の裏側に繋がっているんじゃないか
と思うほど深い井戸に石を投げるような行為だ。
『ぽちゃん』という音も聞こえないんだ。
不安という悪魔に取り付かれて、僕は電話を掛けた。
「じゃあ、水曜日の午前中に来てくれ」
その言葉に僕はお礼を述べて電話を切った。
僕は、玄関のチャイムを鳴らすと、その男はくわえ煙草のまま出てきた。
「よう、遅かったじゃないか」と言ったのは、クリスマスイブの前日という
大事な時間を気にしてのことだろうか?
軽い皮肉に対して律儀に謝った僕は、その事を加持さんに笑いながら指摘された。
172:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:34:51
一面に張られた窓からはちょうど富士山が見える。
それを、遮るビルは一つも無いほどの高さ。
生活感の無いと表現すべき部屋で生活している男の淹れたレモンティーを口にした。
悔しいくらい美味しかった。
「あの、色々と調べてくれてありがとうございます」
僕はかしこまりながら、今日三度目になるお礼を述べた。
「気にすることは無い、俺は君に借りを作ることが得だと判断しただけの事さ」
僕は加持さんの作成した資料に目を通した。アスカのビザの期限、期限の延長の可否
その問い合わせをした事に対する記録等。全てを頭の中に収めるべくゆっくりと読み込んだ。
セカンドインパクトの影響もあって、ビザの取得や更新が著しく困難なことは知っていた。
だけど、その期限を知らないとアスカが僕の前から突然姿を消すことが起こりうる。
それは僕にとっては、とても嫌な事だけど心の準備が出来ているほうがショックは小さい。
その資料からは、僕が三日前からの一番の疑問は分らなかった。
『なぜミサトさんは、アスカがもっと長く日本に居たいと思っているのだろうか?』
僕は、その疑問を素直にもらした。すると意外な言葉が返ってきた。
「簡単な事さ」そう言いながら煙草に火をつけ、煙を大きく上に吹きかけた後に続けた。
「彼女って、大学生なんだろ?あの年で大学生だっていうのを想像できるかい?」
14才の大学生なんてアスカ以外に僕は知らない。その事を只、頭がいいだけに思い
もっと、根本的なことに頭が回らなかった。
「例えば、君の通う中学校に一人だけ7才の子がいたら、まともに相手にするかい?
彼女は周りの人間が常に自分より年上という環境で育って、それで人間が成長する
過程で経験する様々な事がすっぽりと抜け落ちているんだよ」
173:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:35:59
僕は今の言葉を聞くまで、アスカの本質的な性質というものに全く気が付くことが無かった。
いや、気が付いてあげれなかったという方が正確なのかもしれない。実際に、気が付くだけの
判断材料はあった。だけど、それを鈍らせたのはある種の憧れのような感情で
今までアスカの虚像だけを見ていたのかもしれない。
現実のアスカは、人間関係を構築するのがかなり苦手なのかもしれない。元々僕は、アスカが
プライドの高い人間だと思っていたけど、ただ、単に自分から人に歩み寄ることが出来ないだけだとすると
すごく損な性格だ。そして、今は実際にそうなんだと実感する。
アスカが日本の中学校に通うことを、最初不思議に思っていたけど
今となっては、それが配慮なり気遣いだというのが判る。
ミサトさんとアスカの間には僕の知らない絆というものがあるのだろう。
だから、僕はドイツでのアスカがすごく気になった。
「つまり、ドイツには人間関係を築く相手がいないという事ですか?」
「家族、も含めてかい?」と煙草をもみくしゃにしながら言った。
それに答えるよりも先に彼は続けた。
「葛城が留学していたのはハンブルグの大学で、すぐ近くに住んでいたらしい。
だけど、惣流はミュンヘンの大学に通ってるんだぜ。ハンブルグとミュンヘンじゃ
日本だと北海道と九州みたいなものだ。こっから先には推測なんだが‥‥」
174:ハル ◆NekokanK8k
07/06/17 05:37:04
僕は加持さんの話を聞いて、アスカの為に自分が出来ることがあればと決意した。
ビザの期限は3月末。国連からの正式な要請があれば期限の延長は出来るらしいが
ミサトさんにはそこまで権限は無い。もし、ミサトさんにその権限があれば
『なりふり構っていられない』と言って公私混同であっても要請はしただろう。
なら、僕は‥‥
僕は2年ぶりに父に手紙を書いた、それだけが僕に出来る全て。
2年前、僕はカヲル君の通う私立の中学を受験したいと父に申し出た。
父からは、『そんな下らないことで連絡するな』と返ってきた。
それ以来、僕は父に対し何も期待しなくなった。
だけど今回諦めると、たぶんもう二度とアスカに会うことが出来なくなるかも
知れないと思った。確かに、アスカの事情を知ってそれでも諦めたら
僕はアスカに顔をあわせることが出来ない。
父上様 お元気ですか?
夕べ杉のこずえに 明るく光る星一つ見つけました‥‥
175:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/17 11:23:38
GJ
シンジが(・∀・)カコイイ!!
176:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/17 15:43:02
乙です
シンジてんぱって手紙の書き出しがおかしくなってるw
177:132
07/06/17 18:59:36
その日、帰ってきた私はお風呂でシンジの顔と言葉が頭の中から消えなくて、溺れかけた上に湯当たりしてしまった。
その後はペンペンのおしりを蹴ってしまい、私のおしりもつつかれた。
痛かった・・・ でもそのお陰ですこし冷静になれた。
翌日、私は、シンジに連絡を入れた。私が昨日の晩ほとんど眠らず、(眠れるわけないじゃない!)決めた考え、この惣流・アスカ・ラングレーの一大決心! 私からシンジにデートのお誘いをする事にしたのだ。
シンジも驚いて、声が上擦っていた。私はこのデートの中で私のシンジに対する気持ちを確かめたかった。 シンジの気持ちに曖昧な返事はしたくなかったから・・・
シンジからの返事は二つ返事でOKだった。コースはシンジにお任せにした、多分、悩むんだろうな、シンジは。なんだかガイドブックやPC見ながら、悩んでいるシンジが想像できて楽しかった♪
しかし、いざデートの約束をすると、途端に私が不安になってきた。よ~く考えてみると、私は誘われたお義理のデート?はあっても、本当に自分から行きたいと思ったデートは初めてなんだっけ・・・
あぁ~ どうしよう~
とりあえずは周りの計経験者に聞く事にした。最初はヒカリ、失敗した、ヒカリのとこは毎日がデート状態だった・・・ 他人のオノロケ聞かされるのが、こんなに苦痛だったなんて。親友だからこそ、腹が立つのかな?
リツコは、どうやら地雷だったらしい。「私はデートなんかした事ないわよ・・・」と怒りに肩を震わせながら、呟いていたのでさっさと逃走した。
伊吹さんは・・・ 思い出すだけで赤面するような○○なデートだった。あの潔癖症のマヤさんが・・・
次に一応、男の立場からメガネとロンゲもとい、日向さんと青葉さんに聞いた。日向さんは学生時代はひたすらガイドブックやグルメサイトを見たと笑いながら、教えてくれた。
青葉さんは自作の曲をプレゼントして、振られたらしい。泣いていた、ごめんなさい、トラウマ開いてしまって。
そして、私の同居人であるミサトに聞く事になった。
178:132
07/06/17 19:17:45
聞くんじゃなかったよ・・・この人には・・・
ミサトはまず、いきなり避妊の重要性など喋りだしたから、持っていたジャ○プの角でつっこみを入れておいた。かなり涙目だったけど自業自得だ、冗談でも許してやるもんか。
まずは楽しめというお言葉は有りがたくいただいておいた。そしてミサトは私に意外な事を言い出した。
「アスカ、あなたシンジ君とのデートは何を着ていくの?」
はぅ! 実は一番私が気にしていた事をズバリ指摘してきた。この女みのめぇ~
「私が買ってあげるわ、あなたの記念すべき初デートだもんね。」
「良いの? でも・・・」
「任せなさい~ お姉さんに。かわいいアスカのためですもの」
ミサトは私に言ってくれた。
「私にとって、あなたは本当の妹みたいに思っているから。世話焼き姉さんからのプレゼントよ」
ママが死んで、私はセカンドチルドレンになり、日本に来た。ヒカリと家族たちのような、お姉さんや妹の関係はうらやましかった。
でも、私にもお姉さんがいたのだ、やさしく私を見てくれるお姉さんが・・・
ビールが好きで片付けが嫌いな所はあるけどね。
嬉しかった、ありがとうね。ミサト姉さん・・・。
続く
179:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/06/18 00:53:18
なんか和んだ。ありがとう。
180:132
07/06/19 09:52:36
すいません、昨日晩に投下予定でしたが、体調不良で病室内で点滴受けていて。できませんでした。
181:132
07/06/19 10:43:19
幸い、シンジとのデートまでは時間があったので、服を買いに行く事も出来た。
バーターとして、かわりの1ヶ月間お風呂掃除が押し付けられたが、シャナルの新作にガルティエのアクセサリーまで買ってくれた。
やったね!
まっちょっとミサトの後ろ姿の肩がプルプルと震えていたのは・・・気のせいにする事にした。
デートの3日前にシンジからメールが私に来ていた、どうやら何気ない会話に見せかけて、少しでも私の希望をリサーチしたいらしい。
ちょっとだけいじわるして、新しくオープンしたカフェのケーキセットが評判らしいと送ってやった。 本当は、ヒカリとよく行く定番コースなんだけどね。
そして、いよいよ当日。
ぜんぜん、眠れなかった・・・。目は冴えて冴えまくり、気分はハイ
起床から妙にせわしなく、朝のお風呂も長めに念入りに体を磨いた。
いや、その、ねぇ、期待なんかはねぇ、してない、いや本当にしてないんですよ。
やっぱり、デートするに辺り、こちらの礼儀としてねぇ、やっぱり・・・
食事は軽めにして、食前、食後に念入りな歯磨きをして、さぁ着替えましょう!
こんなにドキドキしながら、服を着るなんて何年ぶりだろう? 初めてプラグスーツを着た時以来かしら。今から考えるとセクハラよね
着替え終わって、みだしなみチェックをしたら、ペンペンに向きなおって
クルリとひと回転して、「どう?」なんて聞いてみた。ペンペンはバンザイして、「クワッ」と一言。
合格点もらえたみたい。
ペンペンに見送られて、シンジとの待ち合わせ場所へと向かった。
182:132
07/06/19 11:40:11
リニアレールの駅前にあるカフェでシンジとは待ち合わせしていた。大きな駐車場がある場所で分かりやすいランドマークは駅前だったので、待ち合わせ場所にした。
カフェをちょっと遠くから覗いてみたら、シンジはシルバーフレームのメガネをかけて、何かレポートみたいなものを一心不乱に読んでいた。
あまり邪魔したくなかったので、静かにシンジが座っている席の前に座った。ようやく気付いたらしい、この鈍感オトコは。
「お、おはよう。」
「待ち合わせ場所で相手来たのに、書類読んでいるらんてサイテー、減点2ね。」
「ご、ごめん。トウジ用義足の資料見ていて・・・ ようやく昨日ネルフ病院から来たからさ。」
「鈴原のデーター?」
「うん、今度民間のある会社がトウジの為にAI制御の義足を試作してくれる事になったんだ。」
「ヘェー、良かったじゃない。でも、今日は私が相手じゃないの? シンジ?」
「あ、そうだね。ごめんね、アスカ。」
ちょっとシンジを冷やかしたけど、シンジが鈴原の為に駆け回った結果なのだろう。鈴原の義足を作ってくれるという会社には、私からもお礼が言いたいぐらいだ。
「ね、シンジ、今日はどんな予定で楽しませてくれる?」
シンジは無言で私を見ながら、ポツリと一言言ってくれた。
「今日、一段とかわいいね。アスカ」
くぅ、こいつ、できる! ちょっとドキンとしたぞ、このやろー。 KOOLじゃなくて、COOLになるのよ、アスカ。
「うん、とりあえずはちょっと見せたいものがあるからさ。車で行こうか」
シンジの言葉で二人で駅前の立体駐車場へと歩いて行く。
「ねっ、シンジ。 手つなご。」
「ええ、恥ずかしくないの?」
「デートなんだから、それらしくしないとね。それとも嫌なの?」
シンジはちょっと顔を赤くしながら、少し私に手を出した。手を繋いでから、ふと思った。いつの間に、シンジを私を見下ろす高さになったんだと・・・
男性と手を繋ぐなんて、ああ、そうか・・・ 加持さん以来なんだ。
加持さんとはだいぶタイプは違うけど、シンジと手を繋ぐとなんだか安心出来た。やっぱり私は・・・