07/09/07 11:41:02
僕はすごく無機質な場所が好きだ。そして海がある場所が好きだ。
みなとみらい。お台場。葛西臨海公園。品川埠頭。芝浦。東京湾岸。ニュータウン。
海の寂しさと、鉄の寂しさと、コンクリートの寂しさが、大作りに配置してある街。
人の声よりも風の音と鉄の音が耳に残る街が好きだ。空が青いのに、歴史と温度と表情のない街。
そして僕はショートカットの女の子が好きだ。
別にショートカットじゃなくてもいいんだけど、好きな子がショートカットにするともう大好きになる。
そして色白で華奢な子が好きだ。 さらに言えば、よく怪我をする子が好きだ。
捻挫、青アザ、すりむき傷。眼帯をしていたらもう最高。 そんな日常を送っている子が好きだ。
かなりハードラックな運命にある子が好きだ。さらに、その運命に立ち向かう女の子が好きなのだ。
誰かに守ってもらおうなんて思ってない戦う女の子が好きだ。
スイーツというよりも工具。工具っぽい女の子が好きだ。
そして、大きな機械を操縦していたらもう僕はパラダイス。
それもバイクとかよりもかなり大型でキャタピラっぽいやつ。ショベルカーとか。
なぜなのかわからなかった。自分の中で断片的にある、これが好き。の感覚。
これを読んでいる人はもちろん文脈上わかるだろうが、自分の中で未整理の段階時、
このことは自分内不可思議として迷宮入りしていた。
が、そうなのだ。明らかにそうなのだ。
理想の場所、それは「第三新東京市」
理想の女の子、それは「綾波レイ」
だったのだ。
人は、心の原風景から、逃れることはできない。心の原風景へ、人はやがて戻る。
「心の原風景」ッッッッッ！！！！！
たとえば、漁のさかんな港街に育った人には、いさり火のような夜景が最高に感じる夜景なんだという。
育った場所。心に残る場所。
父の仕事の都合で転居が多く、「ふるさと」や「地元」を持たない僕には
関係ないことだと思って聞き流していたその男の言葉が眼前に迫ってくる。
そうだ。僕の原風景は架空の都市「第三新東京市」だったんだ。
by中田敦彦