本編レイ、リナレイ、ちびレイ三姉妹の生活 2at EVA
本編レイ、リナレイ、ちびレイ三姉妹の生活 2 - 暇つぶし2ch151:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 13:07:25

買ってきたものを冷蔵庫に入れるのを手伝いながらリナは話しかけた。
「二人きりなんてレイ姉もやるねぇ」
「いいえ、みんなもいたわ」
「みんな?」
「惣流さん、渚くんも」
「隣の家のアスカはともかくなんで渚カヲルまでいるの?」
「楽譜を持ってきたついでだそうよ」

おそらくノートを貸しに行ったレイにシンジと同じ音楽部の渚カヲルが
ついてきたのだろう。もしかしたらそこにアスカがいたのかもしれない。
アスカとカヲルはリナのクラスでは1,2を争う成績だから
勉強を教わるのにはいい人物だ。
だが、それ以前に二人は犬猿の仲だ。
この二人が揃ったら勉強どころではなかっただろう。

(碇くん、不憫だなぁ)
二人の喧嘩をシンジがおろおろしながら仲裁して、レイがたんたんと
ノートを解説するのをときたま聞き取って書いていく様子がリナに浮かんだ。
結局ノートをシンジに貸したとレイは言っていたので、リナの想像も
当たらずとも遠からずというところか。

152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 13:18:19
とりあえず今回はここまで。

書けたらまた続き載せるよ。

153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/11 01:51:17
頼んだ!

154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 02:22:29 MAus1o8W
hosyu

155:無題
07/10/13 15:52:55
「チビを迎えに行かなきゃ」
「チビなら帰ってるよ。保育園で熱が出たってお昼に迎えに行って、今寝てる」
「そう」

チビの様子を見にレイは部屋に入ったものの、すぐに出てきてタンスの一番上の
引き出しをあさった。
「どうしたの、レイ姉?」
「病院に行くの」
レイは引き出しから保険証と財布を取り出してポケットに入れた。
チビの状態は寝かしつけたときよりもずっと酷くなってるらしい。

レイの言葉にリナも様子を見に行くと、いつ起きたのか顔を熱で真っ赤にして
ぼうっとベッドの片隅に腰掛けてるチビがいた。

「リナ、チビを着替えさせて」
「あ、うん」
服を出すと自分でチビは着はじめた。
レイは電話でタクシーを呼んでるようだが、何度かけ直しているのを見ると
雨で利用するお客が多いのか捕まらないみたいだった。

家のチャイムが鳴った。
服を着替えているチビを置いてドアを開けると碇シンジが
ノートを持って立っていた。

156:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 15:54:16
「あ、あれ?」
出てくるのがレイだと期待していたのか、シンジはリナを見たとたんに
不審げな表情を浮かべた。
「綾波…レイのほうは?」
「いるけど今取り込み中で」

玄関に出てくるレイがシンジに声を掛けた。
「碇くん?」
「借りたノートを返しに来たんだけど……。どうしたの?」
「病院に行くの」
「病院?どこか悪いの?」
「チビが熱があるの」

着替えが終わったチビが部屋から出てきてシンジを見ると
少しだけにっこりした。熱のせいか足が少しふらついてる。
チビが病院まで歩いていくのは危なっかしかった。
「おんぶしてあげる」
レイの言葉にチビは首を横に振ってシンジのほうへフラフラ歩いて
シンジの手を握った。
「わがままはダメ」
「ボクならかまわないよ。綾波だって荷物を持って
チビをおんぶするんじゃ大変だろ?傘だって持てないし」


157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 15:57:50
とりあえずここまでっす。



158:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/15 23:57:56
イイヨイイヨー
ホシュ

159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/25 11:16:02
保守
URLリンク(u.pic.to)

160:無題
07/10/26 02:44:36
シンジはこれ、とリナにノートを手渡すとチビをおんぶして玄関の外に出た。
後に傘と荷物を持ったレイが続く。
リナは自分もついて行こうとした。
「リナはここにいて」
「なんで!?」
「何かあったら連絡するから」

もしチビが入院なんてことになったら家にいるリナにお呼びがかかるのだろう。
病院でただ待っているよりも、家で何かしていた方がずっと気が紛れるのは確かだ。
病院に行ったら診断がつくまで自分は不安でたまらなくなる。
それを見越しての長姉の判断だろう。レイ姉の判断は正しい。
心配だったが、リナは家に残った。

何かする……。
何かする……。
勉強……、はしたくない。
ゲーム……、は集中できない。
本……、も多分読めない。

流しに目を移すと汚れたお皿が桶に浸かってあった。
そうだ、とりあえずお皿を洗おう、とリナはお皿を洗い始めた。


161:無題
07/10/26 02:45:41
お皿を洗い終わると同時にチャイムが鳴った。
今日は千客万来の日だ。
「バカシンジいる?」
アスカだった。
「アイツ、私のノート持ったままトンズラこいたのよ。
シンジのおばさまにこっちに来たって聞いたんだけど?」
一通り言いたいことを喋ってからアスカはリナの様子に目を止めた。
「なによ、そんな顔して。一体どうしたのよ?」

問われてリナはこれまでのいきさつを話した。
話ながらリナは洗った茶碗にお茶をついだ。
「待つしかないじゃない」
至極明快なアスカの答えだった。
「でも」
「でももへったくれもないわよ。連絡がこなけりゃどうしようもないわ」
テーブルについたアスカはお茶を一口飲んで口を潤した。
アスカは一つため息をつくとテレビのスイッチを入れて
少しだけ優しい口調になった。
「アンタはテレビでも見てなさい」
「うん」


162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/26 02:47:54
とりあえず保守も兼ねてここまでっす。

>>159
チャイナ綾波頂きました。乙です。


163:無題
07/11/03 03:32:35
テレビを見ているうちに不意にリナの視界がぼやけた。
「どうしよう。チビがなんか重い病気だったら、どうしよう」
私のせいだ。私がもっと早く気づけば……
「かんがえない!そういうことは!」
アスカは、リナの言葉を強い声で打ち消し、ついでにテレビも消した。

しばらくリナのすすり泣く声とアスカが人差し指で軽く机を叩く音しか聞こえなかった。
プルルル……と電話がその調和を破った。
二人は顔を見合わせ、リナが出られる状態じゃないと悟ったのかアスカが電話を取った。

「はい、綾波です……。このバカ!なんでもっと早く電話してこないのよ!」
電話の主は一発で判った。碇シンジだ。
「忘れたですってぇ?携帯くらい持ってきなさいよ!」
病院では携帯は使えないことを指摘されたのか、
アスカは急にトーンダウンした。
「あ、そっか。それでどうなの?うん、……そう」
電話を持ったままリナの方を振り向き、言う。
「今日一日入院で明日には退院だって。よかったじゃない、そんなに酷くなくて」
電話に戻ると再び大声になった。
「そうだ、さっさと帰ってきて、私のノート返してよね!数学の宿題あるんだから!」
言いたいことを言い終わるとアスカは電話を切った。
「これだけ言えば、シンジのヤツ飛んで帰ってくるわ」


164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/03 04:05:04
スマン、今回はこの一レスのみ……。

165:無題
07/11/13 04:11:59 E3NFt3JZ
20分後、玄関のチャイムが鳴った。
いそいそとアスカが開けるとシンジではなく、いたのは渚カヲルだ。
「シンジくんのお母さんから」
入る前にアスカが急いでドアを閉めた。
ドアの外から声が聞こえてくる。
「ちょ、ちょっと閉めるなよ、惣流」
「あれ?なにしてるのカヲルくん」
「綾波の家なのに、惣流に閉め出された」
ちょうどシンジが帰ってきたらしい。
肩をそびやかして話すカヲルがリナの目に浮かぶ。

拗ねてるアスカを尻目にリナはドアへ近づいた。
「ちょっと待って。開けるから」


166:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/13 04:14:53
リナはシンジとカヲルを招き入れると二人にもお茶を出した。
「どうだった?」
リナが聞く。
「扁桃腺炎だって。点滴受けたらずいぶんと良くなってた。
熱はまだあるみたいだから、大事を取って今日一日だけ入院しようと
いうことになったみたいだけど」
「よかった……。ありがとう、碇くん」
リナはホッと息を吐き出した。
「なんだい?なにがあったの?誰が点滴?」
今ひとつ状況がカヲルは飲み込めてない。
興味深そうに聞いてくる。
「アンタには関係ないでしょう!?」
アスカが怒鳴った。
が、カヲルはどこ吹く風でシンジを見つめた。
「え、えっと……」
睨むアスカと微笑みかけるカヲルの真ん中で答えるべきか戸惑うシンジに
リナが助け船を出した。
「うちのチビが熱を出して碇くんとレイ姉が病院に連れてったの」
「そ、そうなんだ」
ホッとしたシンジが同意した。


167:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/13 04:17:31
「じゃ、また明日」
「また明日ね。ほらシンジも」
「あぁ、うん。さよなら」

皆が帰っていき、リナは再び一人になった。


夜、誰もいなくなった部屋は広く感じる。
まるでこの部屋には最初から自分しかいなかったみたいにリナは感じた。
そう感じたくないリナはチビのベッドに寝ころんだ。

そのまま眠りに落ちていく。

水の中。
まるで夕暮れのような色の水だ。
リナは水槽の中を漂っていた。
周りには自分と同じ存在がたくさんいた。

包帯を巻いた水の外の同じ顔の子と目が合う。
(あの子はいいな、外に出られて)

それが周りの同じ顔、同じ身体のモノに伝わってさざ波のようにざわめく。
(いいな……)
(いいな……)
(いいな……)

心を持たぬモノの心の声。
外の子は聞こえているのかいないのか、少しだけ細めたその子の目と
水槽のリナの目があった。


168:無題
07/11/13 04:19:29
しばらく目を合わせていたが、外の子はくるりと背を向けて歩み去っていった。
ゆらゆらと水が揺らぐ。
水の揺らぎに合わせて自分の身体も揺らぐ。

ゆさゆさ……
ん?
まるで誰かに揺さぶられてるよう。

目を開けると夢と同じく赤い瞳と目があい、リナは
一瞬まだ夢の中にいるのかと思った。
レイの目だった。

「先に学校に行くから」
レイが制服姿で見つめていた。
「……いってらっしゃい」
寝ぼけた頭で返事を返す。
「ご飯を食べたら、チビをよろしく」
横でリナを揺すぶってるチビに「大人しくしているのよ」と頭を撫でて
レイはくるりと背を向けて部屋を出て行った。

169:無題
07/11/13 04:22:33
「行かないの?」
「へ?」
「シンジお兄ちゃんち」
「なんで?」
「お母さんがいるからいいよって」

チビの短い言葉を解釈すると、碇シンジのうちにはきっとシンジの母がいて、
日中、チビを預かってくれるということなのだろう。

せかすようにチビは玄関へ走って足踏みをしてる。
「まったくもう、ゲンキンなヤツ」
リナは手早く着替えた。
そして食パンを一枚を手に取ってかじりながら、チビを追いかけて
外へ出た。外は雨上がりの青い空が広がっていた。


170:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/13 09:14:15
乙!何だか癒されるよ

171:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/13 22:00:23
>>170
トン。
正直スレの反応が全くなかったので落として良いのか不安だった。
でも途中で止めて尻切れトンボになるのは避けたかったからね。




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