07/01/12 18:11:58
441の続き
「すまない。待たせた。碇シンジ君だね?」
ヒサトは車のドアを開け、そう言った
「は、はい」
シンジはかなり驚いたのか目を丸くしながら答えた
「乗ってくれ」
シンジは急ぎ助手席に座りシートベルトを締める
「よし、ちょっち飛ばすぞ」
ヒサトはサイドミラーに映る怪物の巨大な脚に一瞬目を遣り車を出した
5分程車を走らせ山沿いの道路に入るとヒサトが先に沈黙を破った
「遅くなったね。申し訳ない」
「い、いえ」
シンジは答えた
「君が今聞きたいことは分かる。あの化け物は使徒と呼ばれている」
「…使徒、ですか?」
「そうだ。ん?」
ヒサトはフロントガラス越しに見える虚空に鈍く光るものを見つけた
それは国連軍の所有する戦略爆撃機だった
ヒサトは嫌な予感を感じ、先程の国連軍と使徒が交戦していた町の上空の方を見る
最初に見た時よりも若干数の減っている重戦闘機の部隊が蜘蛛の子を散らすように使徒から離脱し始めていた
爆撃機が使徒の遥か上空から一つ何かを投下するのが見えた
「まさかN2爆雷を使うつもりか!?シンジ君伏せてくれ!」
ヒサトは車を停めシンジを庇うように伏せる
爆撃機から投下された物体は使徒の真上に到達すると太陽が爆発したかのような強力な光を放った
その直後に発生した凄まじい爆風に周囲の構造物はすべて薙ぎ倒され、吹き飛ばされていった
それはヒサトとシンジが乗っている車も例外ではなかった