07/07/04 22:54:53
結局、作戦が変更され、マルチがけはレイが担当することとなった。
シンジとアスカの二人は、トマトの苗の定植を担当することに。
この日から二人の必死の定植訓練が始まった。
まずは苗の順化。
苗床の苗は温度の変化が緩やかで、水分も光も適度、風にも守られている。
しかし定植される畑は環境の変化が激しい。
そこで、環境の急激な変化に順応させるため、
十日ほど前から夜間も外気に当てたりして、畑の環境に近づける必要があるのだ。
苗の変化に気を配るため、農場にテント泊り込みで管理を行う二人。
更に、定植は、マルチングしたフィルムを植え穴に合わせて切り取り、
収穫しやすいように花房を通路側に向けて植えなければならない。
マルチを切り取る作業をアスカが、苗を植える作業をシンジが受け持つ、
と二人は決め、迅速な作業を可能とするため、特訓に特訓を重ねた。
日に日に迫る定植予定日。
しかし、特訓の成果は徐々に現われ始めていた。
定植前夜。
夜、ミサトがいないので別々のテントで寝る二人。
ウォークマンを聞きながら寝るシンジ。なかなか寝付けないでいる。
と、そこへ。
寝ぼけてシンジの隣に横になるアスカ。
二人の距離、急接近。 目の前にあるアスカの唇。
その唇に迫るシンジ。
そのとき、アスカの寝言が。
「ララァ…、私を導いてくれ…」
急に興ざめして、離れて眠るシンジだった。
つづく