07/02/21 23:42:32
その瞬間、シンジが見たのは、風呂上りの為か、レイは生まれたままの姿で、鼻歌
交じりで、ただバスタオルだけが肌の露出をふせいでい・・・
るはずなのだが、なぜか顔にはパーティ眼鏡(黒淵で鼻と鼻髭付いてるやつね)を
付けている。
自室の招かれざる客に気付いた彼女は一瞬固まり、その侵入者が誰であるかを
確認した。しかし、彼女の驚きの矛先は”侵入者の存在”でも”碇シンジ”に対して
でもなく、まったく別の要因に向けられていた。
----どうして!?
レイはそう言うと、唯一その透き通る様な白い肌を隠していたバスタオルが肌蹴け
落ちたのも気にせずにシンジに詰め寄る。互いの吐息が感じ取れる程までに距離を
縮め、じっと目を見詰め合う二人。シンジが緊張の生唾を飲み喉仏を鳴らすとレイは
----どうして私にはなつかないの?どうして貴方にはなつくの?
と、言うが早いか、シンジから植木鉢を奪い取った。
その弾みでシンジのカバンが引き出しに引っかかり倒れこみ、身体を重なり合わせる
二人。気が付くと目の前にはパーティ眼鏡の向こうに燃えるような赤い瞳が自分を
見詰めている。そして視線を変えれば透き通り生まれたばかりのヴィーナスの様な
白い肌が広がっている。
----どいてくれる?
レイは何事もなかったかのようにシンジを退け立ち上がるが、その白い肌は徐々に
頭部に喰らいついているパックンフラワーの口元から流れ出す流血に真紅に染められて
いく。シンジは焦って体勢を立ち直し、レイに背中を向けた。
----あ、あ、あの・・・新しいIDカード・・・てか、なんでそんな眼鏡かけてるの?
その場を取り繕う言い訳よりも率直な疑問の方が先に出てしまう。レイは何事も無かった
かの様に淡々と下着を着け用意をしている。ただ、ポツリと
----農場長がこれがあるとこの子がなつくって教えてくれたの
と、だけ答えた。頭から離れるどころか、幹を伸ばし、彼女を雁字搦めにしている
パックンフラワーを撫でながら。