もしシンジきゅんが男娼だったら 2at EVA
もしシンジきゅんが男娼だったら 2 - 暇つぶし2ch100:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:50:16
 こんな高慢な女性では多少顔立ちが良くても押し倒すに倒せない。ある意味試練に近い物がある。
「男娼だか何だか知らないけど、それが仕事なんでしょ? ちゃんと確認してから連れてきて、って言ってあるんだから。とっとと来てよ。別にトークとかムードとか期待してないし」
 貴方ならするだけ無駄っぽいしね、と豪快な毒を吐いて、幼女にも見える少女は両足をベッドへと乗せた。
「取り敢えず最初は舐めてよ。自分でするんじゃ舐めるって出来ないから、早く誰かにやらせてみたかったの。上手だったらお礼金払わせるわ」
 急かした手招きをするので元より逃げ道の無いシンジは一礼してからベッドへ乗る。
 体がゆっくりと沈む、暖かく柔らかな最上級のベッド。
 寝れば足元になる方に丁寧に畳まれた掛け布団も綺麗なカバーの枕も、どれを取っても高級感が溢れ過ぎていて、寝室なのに逆に落ち着けない。
 ブティックホテルで妙に高い部屋を選ぶ客や、わざわざ第3新東京市から少し離れた場所にあるリゾートホテルの一室を使う客も居るが、そのベッドも同じ位豪華なベッドでも乗ればギシリと鳴る。
 だがこのベッドはどうだろう。例えシンジが今の3倍の体重になろうともふんわりと受け止めてくれそうな程静かなベッド。ほのかに何か良い香りすら感じられた。
「……わかったよ」
 これなら恐ろしい顔立ちだが丁寧な言葉の、あの初老の紳士が客の方が幾分かマシだったかもしれない。
 だらしなく足を伸ばして座っている幼い少女に覆い被さるように座り直し、隠そうともしない溜息を吐きながらシンジは思った。


 同色のレースやリボンがやたらと施された少女漫画の世界のような黒いシースルーのキャミソールが、彼女の体には大き過ぎてワンピースのようになっている。

101:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:52:09
 透けて見えるブラジャーとショーツもまた黒く、大人の色気を必死に纏いたがっていながらも、やはり体型は子供なので背伸びをしている印象。
「どうしたの? 始めるなら先ず脱がしてくれない?脱がす事すら満足に出来ない? 貴方随分と子供ね」
 未だ5つ程年下の少女に鼻で笑われてはシンジの眉間にも皺が出来た。
 髪を撫でたり口付けを交わしたり等の前戯は省略し、おもむろにキャミソールを裾から派手に捲り上げる。
「やん、大胆」
 わざとらしい口調がどこまでもからかわれているのだと思い知らされた。
 露になった体は日焼けを知らない白さで、子供特有の未発達さが有る。
 将来的には豊満に、ともすればふくよかになるだろう体だが、今は未だ子供なので栄養を欲して見えた。
 ブラジャーの上から乳房を両方共包み込む。
「男はやっぱりここが好き、なのね。それとも貴方が子供だから、ママのミルクが飲みたくなっちゃったのかしら?」
 クスクスと笑う様子は小悪魔を通り越して鎌を持った死神に近い。
「……舐めてって言ったのはそっちじゃないか」
 口先に怒りを込めて呟き、フロントホックだったので中央から左右に分けるように気遣い無く下着を剥ぎ取った。
 貧乳や細身ではない、ただただ発育していない胸。膨らみ掛けたそれの尖端は肌の白さと幼さに反比例して深く色付いている。
 シンジは右手で尖端には触れぬように撫でながら、反対の乳房へは唇を寄せた。
「嫌だ、手袋ってザラザラしてるのね。これで触って。ね、早く触って」
 わざと避けていたが、少女の方から尖端が手袋に触れるよう上手く腰を動かし、無理矢理触らせる。
 1度触れては焦らす意味も無いので、人指し指の腹でぐりぐりと押してやった。

102:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:53:20
「ンふうぅっ! くすぐったい」
 一応嫌とは言うが、決して不快ではないと声が物語っている。
 シンジは僅かに口を開き、舌先すぼめたまま突き出して尖端を弾いた。
「あンッ! い、今の良い! ね、今のをもっとして?」
 言われた通りに舌を数回上下させ、それから口を大きく開いて尖端を周囲の乳肉ごと口に含む。
「あァん……お口、あったかいのね……」
 媚を売る甘味過ぎる声を出した少女はゆっくりと背をこの柔らかなベッドへと沈めた。
 片方の乳房を咥え、もう片方の尖端を指で摘みながらシンジもベッドへとうつ伏せになる。
 2人の体重を包むように受け止めたベッドの隣で大型犬は吠える事無くカーペットの上にぽつんと座るばかり。
 可愛がっているペットに自分の喘ぎを聞かせて楽しんでいるのだとしたら、こちらのお嬢様も相当趣味が悪い。
 シンジの頭の中には「バター犬に使っているのでは」なんて考えは浮かばない。彼の中にそんな種類の犬は存在しない。
「ねぇ……さっきの、さっきのやって。舌だけでペロペロって。そっちの方が気持ち良かった……」
 甘いがどこか自分本意な我儘を受け入れて、シンジは口を放して再度舌を伸ばす。
 唾液でタップリと濡れた尖端は硬く勃ち、先程とは別物にも思えた。
 咥内に含んでの綿密な愛撫を受けるよりも、外気と舌の感触が混ざりあって刺激してくる方が、単調な動きでも気に入ったらしい。
 親切心を欠いた舌が上下に少し乱暴に行き交う度に少女の鼻にかかった演技臭い声が上がる。
「うぅンゥ……ねぇ、未だ続けるの? もうそろそろ、違う所も舐めてよぉ……」

103:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:55:00
 最近は恋人気分を楽しみたい者や、兎に角リードしたがる者ばかりだったが、この仕事の本来の役目はこうして言われるがまま奉仕する事に有ったと改めて気付かされた。
 性の切り売りなんて表現を用いた人間は実に言葉が上手い。
 溜め息混じりに舌を這わせたまま胸から腹、下腹部を通ってショーツの端へと移動する。
 手袋越しなので感触はわからないまま右手は愛撫を続け、左手は同じく手袋をはめたまま太股を撫でる。
「ねぇ、早くぅ……もう! 触らなくても良いから、とっとと舐めなさい!」
 ぴしゃりと怒鳴り付けられたシンジは慌てて体を離した。
「ご、ごめんなさい。すみません」
「……頼りない子」


 言葉を吐き捨てられても逆上出来る性質は持ち合わせていない。シンジは両方の眉を下げて申し訳無さそうな顔をするしか出来なかった。
「もう……面倒な子ね! 寝たままだとやりにくいなら、体勢を変えてあげるわ。何かやりやすい格好とか有るの?」
 ベッドヘッドの方に有る抱き枕程のサイズが有る大きな枕を取り、少女の腰に入れるように敷く。
 腰が、小さな体なので腹の辺りまで持ち上がり、少し苦しそうな体勢にさせた。腰を高く突き上げて陰毛の無い恥丘を見せ付けるような姿に。
「貴方、こんな体勢でするつもりぃ?」
 不満そうな口振りだが、その唇の端は不敵に上がっている。
「ちょっと苦しいから、早くしてくれなきゃ嫌よ」
 左右の足を開く。この体勢に自ら望んでなったかのように。しまいには2本の指を添え、大陰唇を開いて見せてきた。
 彼女の体躯や女性器からすると、少しばかり陰核が大きい気がする。興奮しているだけかもしれないが。

104:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:56:44
 そこへ吸い込まれるように顔を埋め、シンジは少し離れた位置から舌を伸ばして、ただの割れ目にしか見えない女性器をつつく。
「んっ……何か、思ったより小さい感じね……もっと全部の場所を、って出来ないの?」
 言われた通りに従わないとまた怒鳴られる。もしかするとこの家―広さからすると屋敷、の方が正しいだろうか?―に連れてきた初老の紳士を呼ばれるかもしれない。何をされるワケでもないだろうが、何と無く怖い。
 大きく口を開き、唇全てを股間へと押し付ける。
 幼い子供特有の色気が無く余り良いとも思えない香りがシンジの鼻腔を占めた。
 性器を吸い寄せて飲み込むように口から息を吸い、そのまま舌の表面が全てつくように伸ばす。
―ぺちゃり
 確かな水音はシンジの唾液だけではない。そうそうに割れ目の奥から蜜が滲んできている。
「うぅん……やれば出来るのね……全然違う、良いわ、この感じ……」
 溢れてくる蜜にも負けない熱い息が絶えず性器全体に掛けられている感触に少女は肩をゾクリと震わせ、その度にまた熱い蜜が次々とシンジの咥内に侵入してくる。
 シンジは両手でしっかりと少女の太股を掴み、自分の体を支えながら抵抗されないようにクンニリングスを続けた。
 舌の先の裏側で叩き落すように舐められるのが特に気に入ったらしく、まるで放尿しているかのように愛液は出続けてはシンジの口の端から落ちてゆく。
 シンジは顔を少し下へずらし、いつの間にか愛液でドロドロになっている会陰を舐め始めた。
「く、くぅゥッ!」
 少女の足が暴れたがるが、非力と言われがちだが流石にこの少女よりは力の有るシンジの手でしっかりと押さえられている。

105:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:58:13
 鼻の先でぐいぐいと陰核を押し付けてやると、少女はまた大きな声を上げた。
 上手く呼吸は出来ないし、愛液独特の味だけではなく匂いまでもが顔全体を犯していくような感覚。
 舌に伸びていく糸を引きそうな粘液はどんなに飲み込んでも止まらず、顎がどんどんと汚れていく。
 ここでスカトロ趣味が有ると言いながら放尿されては窒息死してしまうかもしれない。
「あぁッン! 凄い、凄いぃ! ねぇ舐めて、もっともっと、もっと奥までぇ!」
 両足が言う事をきかないとわかった少女は上半身を、シンジを抱え込むように起こす。
 そして両手でシンジの顔を自分の性器へと押し付けた。
「ぶ、ぐっ!?」
「ねぇ、ねぇ舐めて頂戴! ヴァジャイナのうーんと奥までぇッ!」
 舌を伸ばしたまま手から逃れるように首を無理矢理動かすシンジ。
 何度もクンニリングスを行ってきたとは言え、膣内に舌を差し込む程の技量は持ち合わせていないし、何よりこの少女の小さ過ぎる性器では上手く挿れられそうにない。
「ンああぁー……ね、えぇ……早くゥ……は、早くンッ! ッ!!」
 乱暴に顔を動かしていると鼻の横側で陰核を強く押し付ける形になった。
 と同時に少女が甲高い声で、正確には声にすらなっていない、苦しそうな息の音を漏らす。
 そして大量に愛液が噴き出してきた。
「ッ……は、ふぁア……ん……」
 押さえ付けてくる手の力が抜けたのでシンジは慌てて顔を離す。
 割れ目が少し口を開けてピュッピュッと白とも黄とも透明とも言えぬ色の液体を飛ばしている。
 数度に渡って愛液よりは粘度の低そうな液体が止まった頃には、少女はぐったりと体を倒してベッドと腰の下の大きな枕に預けていた

106:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/05 00:59:54
「……やっぱり私……ヴァジャイナよりも、クリトリスの方が好きみたい」
 虚ろだった焦点がシンジの顔を捉えると、耐えそうな息の間から相変わらず早めの口調で呟く。
「うふふ……凄い顔ね。貴方淡白過ぎる顔をしているから、その位の方がセクシャルに見えて良いわ」
 慌てて右手の甲で口元を拭く。ベタベタしたいやらしい匂いを放つ粘液は2度往復させても拭いきれない。
「楽しかったわね」
 わざとらしい作り笑顔を向けながら体を起こして座り直す少女に対し、シンジも顔を拭きながら同じような座り方をした。
「はい……」
 ムスっとした表情に、精一杯の低く出した声。……しかし体の一部は充分に楽しかったと誇張している。
「勃ってるわよ、ピナス。ねぇねぇ早く見せて! 私本物を目の前で見た事って無いの」
 ほら早く、と急かされて漸くシンジは視線を下へ向けた。
 確かに性器は下着も今日初めて着たとは思えない程サイズもデザインも似合っているパンツも押し上げている。
「何だったら私も舐めてあげるわよ? やってみたかったの。無理矢理口に挿れられるのって、やっぱり興奮するじゃない」
 すっかり体力を回復させたらしい少女は早々に興奮した楽しそうな笑顔で『命令』している。早く脱いで見せなさいと。
 シンジ自身が望んで身を投げ込んだ世界なので理不尽だと文句を言う事は出来ない。最も敏感にして大事な箇所を、自ら曝け出さなくてはならない。
 彼女の前からも、この世界からも逃げ出す事はもう出来ない。

続く。

107:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/05 14:52:29 xU6Ewp4R


108:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/05 17:11:00
相変わらずえっちぃー!乙

109:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/06 10:55:45
読みたいが今から学校で読めねえ!!
帰ってきてからの楽しみ(;´Д`)

110:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/07 21:44:43
つか、超お疲れ。

111:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/10 01:16:29
お疲れ様!!
続き超楽しみ


あとバター犬のくだりちょとワロタ

112:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/12 16:10:55
保全

113:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:31:31
1週間位振りです。
何か綺麗にまとめられなかったんで、もう1回分ける事にしました。
まとめて投下しろよ派の人すんません。

注意事項
・相手は女性、同じやつ
・獣姦っぽいかも

114:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:32:34
 ブラウスも手袋も残したまま下半身だけを脱がされ、更には腰を突き出す体勢。
 自ら進んでやればただの変質者だが、強制されると恥ずかしい事この上無い。
「あら? 貴方、包茎ってヤツ? 皮が被っているのは包茎と聞いたわ」
 ぐ、と少女はいきなり既に勃ち上がっている性器を右手できつく掴んだ。
「ンっ、ちょっ、ちょっと止めッ……痛いィ……」
 掠れそうな声で訴えるのも当然、綺麗に伸ばした爪が裏の筋に丁度当たっている。
 すぐにでも離してもらいたいシンジの願いに反して、少女の好奇心は一気に手の中に注がれた。
「やだわ、これちょっと動いたわよ。貴方包茎じゃないの? あぁでも包茎だとコイトス出来ないから、違う方が良いのよね」
 親指と人指し指で皮の途切れている部分を摘み、口の端を上げてゆっくりとその指先を下ろす。
「ッ……」
 シンジの声を殺した息を飲む様子に少女は益々顔に笑みを咲かせた。
「ねぇちょっと見て、本物のピナスが顔を出したわ。思ってたよりもずっと真っ赤、とってもグロテスクで貴方に似合ってなくて可愛いわ」
 1度手を放してぎゅっと根元を握り直すと小指の側面が陰嚢に当たる。
「これが手コキなのかしら。どっちかって言うと皮コキって感じ」
 そのまま瞬時に要領を理解してゆっくりと性器を握った手を上下した。
「や、だ……っ」
「嫌なんて言わないでよ。私、貴方をちゃーんとお金出して買ったんだから」
 金を出したのは、その金を稼いでいるのは彼女自身ではないが。
「貴方は生きるバイブでしかないんだから、ちゃんと腰突き出して私に見せてよ。……思ってたよりも長い所はちゃんと評価してあげるわ」

115:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:33:35
 出っ張った雁の真下から本来毛が有る筈の肌までの長さは、普段シンジの客となる人々からすれば丁度良いか少し物足りない程度しかないが、少女の手からすれば充分過ぎる。
「私こんなに勃起したピナス、初めて見たの。これが私のヴァジャイナで1人暴れてくれるのかと思うと、もう楽しみで濡れてきちゃう!」
 恥ずかしくて仕方無かったが、それでも仕事だとちゃんと腰を、性器を前に出すシンジ。
 体の真横から少し後ろ位の位置のシーツは両手に握り締められて皺を沢山作っている。
「本当はもっと極太の、大きくて太くて硬くて作り物みたいなのが良かったの。玩具じゃ駄目よ、勝手に動いて欲しいから」
 言いながら手は止めない。手の温度とはだいぶ違う性器のビクビクと脈打つ感触が相当気に入ったらしい。
 どちらかというと終わりの早いシンジの性器からは先走りが漏れ始めた。
 勢いの全く無いその液体は少女の手の平に伝い、擦る度にくちゅくちゅと卑猥な音を響かせる。
「手の平、ベタベタしてきたわ。貴方が射したんだから、後でちゃんと舐めてね。……返事は?」
 初めて触れたとは思えない、いつも見せろと言われて自らの手で自慰をする時に程近い、まるで自分が向こう側から擦っているような刺激が頭を白くして考えを吹き飛ばした。
「……う、ぁはい……ん、ん」
 唇を噛み締めても鼻から甘い声と息が漏れてしまう。
「自分のスペルマを舐めるのよ? よくそんな事出来るわね。貴方変態?」
 意識は今にも飛びそうだが、少女の言葉はしっかり聞こえているし理解も出来る。
 細く睨むように目を開けて、シンジは首を左右に振った。

116:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:35:30
「ふふっ、やっぱりフィルム役者になんて頼まなくて良かった。ブルーフィルム……今の主流はアダルトDVDかしら? そんなのに出てる人はピナスしか映されないからと、酷い顔をしてるもの」
 手首を動かして上下ではなく、くるくると円を描くような愛撫に変える。
「……は……あ、ん……」
 もどかしい動きに翻弄されて、腰が無意識に性器を少女の手に擦り付けようと動いた。
「貴方みたいな素人に毛が生えた程度の人でも、見た目が可愛ければそれで良いわ。……ね、そろそろ私とシたいでしょ?」
 肯定すべくシンジは頭を下げる。
 頷くのとは違い、性器からの刺激が背筋を駆け上がり過ぎていて、もう頭を上げ直す事が出来ない。
「コイトスしたいでしょ? こんなにパンパンにしちゃって……ただのバイブの分際で、大した主張ね」
 パッと少女の手が離れ、室内の空気が性器にまとわりついた。
「……うんぅ」
「正直ね」
 手の温かさと性器自身の温かさと全く違う適温に設定された筈の空気は冷たい。
 同じように、少女の笑みもまた少し冷たかった。

 少女は再び仰向けに寝そべり、膝を立てて開く。
 真正面のシンジから見ると足は無理無くMの字を描き、真っ赤に熟した性器がだらしなく唾液のように愛液を垂らしているのが見えた。
「処女だから優しくしてなんて言わないわ。早く挿れて、気持ち良い所突いて、沢山イカせて。初潮未だだから膣出ししても大丈夫だし、兎に角沢山動いて」
「……うん」
 どことなく不安を残したままシンジは両手を少女の太股の内側に手を置く。
 両方の細い脚を持ち上げると、少女は抵抗をしない所か自ら腰をこちらへと差し出した。

117:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:37:07
 先程の愛撫と少女自身の傍若無人な性的振る舞いでテラテラと光る性器は、卑猥な匂いを漂わせている。
「早く、私のここ……」
 わざとヒクヒク動かしているそこに、同じ位熱い性器をシンジは手を使わずに押し付けた。
「早く、早くぅ!」
 破瓜を待つ少女とは思えない淫らな言葉と口調がシンジの背を後押しする。
 自分も挿れられる側に回った時は、多少嫌でも急かす言葉を吐いてみようと思いながら。
―ぬるり
 ドロドロと言っても過言ではないそこはにちゅにちゅと音を立てながらシンジの性器を受け入れた。
 体格通り小さく狭い膣。洪水も揶揄ではない程愛液にまみれていてすんなりとカリ首を飲み込む。
 しかし中程まで咥えた後、シンジが動きを止めた。
 性器の先端に何かが当たっている。
「あぁん……貴方の、やっぱりパッと見よりも長いわ……ちゃんと奥まで届いてるもの」
 口の端に笑みを乗せて、年齢がからなくなる程妖艶に少女がポツリと呟いた。
「……じゃあ、もう……入らない? ん……」
 内壁はぬめりを除けばさぞツルツルしていると容易に想像出来る程何も無く、反して異様なまでに濡れそぼっている。
 ただでさえ興奮を重ねて熱い性器が、少女の膣に納めた先の方は溶けてしまいそうな程。
 挿れていない根元付近も熱い。湯気が立っていても可笑しくはない。
 こんなに小さい―言い直せば短い―膣は無論初めてのシンジはどうすればわからず、達してしまわないようにじっと動きを止めた。
「……何してるの? ねぇ、早くしなさいよ」
「早く?」
「そ。早く。早くエクスタシー迎えなさいって意味じゃないわよ? あ、でも、スペルマがお腹に満たされるのって面白いかも」

118:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:38:49
 交接したままクスクスと笑われると精神的には不快だが、性器は直接的な刺激を受けて興奮してしまう。
「早くってば! 早く動いて」
 軽く腰を左右に揺らす少女。決して自分で動くワケではない。
「痛くは……ない?」
「痛い? 全然痛くないわ。貴方自分のピナスがそんなに立派だと思ってるの? 短くはないし、体格の割には……」
「そ、そうじゃなくて」
 太股を内側から押し上げているシンジの手ピクリと動いて怯む。
「だって……初めてって痛いって聞くし……」
 実際自分もそれなりに痛かった気がしなくもない。余り記憶には無いが。
 男性の性器を咥える事が初めてであって、決して膣に何も受け入れた事が無かったのではない。寧ろシンジの性器の倍近い太さの物を咥えさせて遊んだ事だって有る。
 言葉にするのが面倒なのか、少女はシンジのほぼ真下から睨み付けるような視線を送った。
「……ごめん」
 本日最大級の情けない謝罪の言葉が口から出る。
 謝る暇が有ったら……と言われる前に、シンジは突き刺さった性器を、腰を前へ突き出して更に奥深くへと押し込んだ。
「あぁウん! ずるずるってしたぁ!」
 少女の言葉通り、ビラビラとした淫猥な襞が性器を押し進める事によって全て捲れ上がり、突如入ってきた性器に対して困惑するようにまとわりついてくる。
「ふう、うぅ……
「ん……ねぇ、貴方……女性をエクスタシーまで導けた事、有る?」
 え? と聞き返したかったが、今声を出しては喘ぎ声になってしまいそうなので答えられない。
 代わりに多少感じられなくとも痛みを軽減出来そうな一定の速度で行っていたピストン運動をゆっくりした動きに変える。

119:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:40:13
「貴方早漏そうだから……別に何度射しても構わないけれど、ちゃんと私にもエクスタシーを感じさせてくれなくては駄目よ? こんなトロ臭い動きだけじゃ許さないわ」
「……ン、うん……その、がっ……頑張るよ……」
 小さな声の合間に熱い息と甘い喘ぎが入って上手く返事が出来ない。
 平然とした顔で話す間も返答を聞く間も、少女は器用に膣を絞るように締め上げたり、逆に力を抜いて更に奥へと導いたりを繰り返していた。
「あぅ、あ……はァっ……」
 徐々に腰のスピードを上げてゆくシンジ。
 嫌そうな顔をされていては怖いので目を閉じて集中する。しかしそうすると予想以上の悦に声が漏れてしまう。
―ぶちゅっ、ぐちゅっ
 粘液の壁がべっとりと濡れて、それでも未だ足りないと言わんばかりに奥から蜜をトロトロ溢れさせる。
 その所為でどんなに互いに無毛の肌を強くぶつけようとも水音ばかりが耳についた。
 放尿後を思わせる程熱く濡れているので、滑りは抜群に良い。転じて、挿れ始めと比べると妙に締まりが悪くなってきた。
 こんなにぬめっていては、いつか性器がするりと抜け落ちてしまうかもしれない。
 蜂蜜のタップリ入った壺へ出し入れをしているような甘過ぎて馬鹿馬鹿しい悦が、腹の奥底から込み上げては体の隅々まで痺れを伴って行き渡る。
「……ん、やっぱ……駄目ね」
 乱れていた少女の息が途端に整う。わざと乱していた。当然奉仕しているシンジの為ではなく、少しでも自分の気分を盛り上げる為に。
「……っ……?」
 腰の動きと同じ間隔の息の合間にシンジが少女の顔を見ると、髪が汗で張り付いていながらも、ムッとした表情が見えた。

120:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:42:04
 この状況下に置いて冷静を通り越して酷く不満そうな、年相応の性格をしていたならば頬でも膨らませそうな表情が。
「……ただでさえお粗末な大きさなのに、ろくに動けもしないなんて……ンもう! じれったいったら無いわ!」
―パンッ
 部屋に乾いた音が響くのは久し振りだった。
 呆然と閉じてしまった目と、そして少し口を開いてシンジは少女を見下ろす。
 右手を止める事無く振り抜いてシンジの左頬を叩いた少女を。
「あ、ご、ゴメン……なさい……」
 思考回路が未だ動き出さない。何故左頬がこんなに熱を持ったような痛みを持っているのかわからない。
「謝って欲しいんじゃないわ。買われた人間として価値有る行動を取ってもらいたいの!」
 少女の膣がギュッと痛い位に狭まる。
「うッ……」
 痛い位ではなく実際に痛い。
 奥の方は元から特に狭いので、射精や放尿を無理矢理止められた中途半端な窮屈さと悦が入り混じった刺激を感じさせる。
「貴方だけじゃ駄目ね……ま、そんな事も有ろうかと、ちゃんと準備はしておいたけど」
 両足をシンジの腰へ回して絡め、互いの体を密着させる。
 年の割には決して大きな方ではない、寧ろ細さも相まって小柄な位のシンジは、自分よりも一回りは小さそうな体とこんなにも触れるのは、ましてや組み敷くのは初めてだった。
「心臓、ドクドク言ってるわね……私のヴァジャイナがそんなに良い? その割には萎えて……あぁ、元から小さいものね。ちょっと長いからって、売り物にならないわよ……あははっ、でも可愛い……」
 実際に興奮が収まりつつある等少女は微塵も考えていないのだろう。辛そうな表情のシンジの頬を右手でゆっくり撫でる。

121:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:43:10
 汗ばんだ手の平が、同じく汗ばんだ頬に触れ、顎のラインを伝って首に触れた。
 力を入れれば呼吸を止める事すら簡単そうな細いシンジの首だが、少女の幼く小さな手ではそれも無理だろう。
 親指でそろそろ変声期を迎えて喉仏が出ても可笑しくないその喉をなぞると、不意に顔を左へと背けた。
「Kommen!!」
 気丈に発する異国の言葉に、ベッドがぐらりと沈む。
「……えっ?」

 柔らかなベッドが動いた理由は部屋に入った時に少女とのんびりした時間を過ごしていた大型犬。
 犬がベッドに乗り上げ、交接している2人の周りをぐるりと1周したのが理由でベッドが動いた。
 シンジが疑問系に言葉を発したのはすっかりその存在を忘れていたからだけではない。
「うふふ、可愛いでしょ? これで人間だったら、私貴方を買わずにこの子とばっかり遊んでいたわ」
 可愛い? これが?
 もしも今声が出るのならシンジはそう言っていた。
 落ち着きを欠如して尾を盛んにパタパタと上下させている犬は、横たわる少女の丁度頭の隣を何度も足踏みしている。
 その後ろ足と後ろ足の間に、雄雄しく猛った性器が見えた。
「発情期の犬って可愛いわよね。ベッドの脚に牝犬の匂いを再現した香を付けておいたから、大人しくしていられなくなっちゃったみたい」
 得意気に話している姿、そしてその言葉と口調はインサートされている女性とはとても思えない程日常的な物。
「勃起した犬のピナスを見るのは初めてかしら? 私は何度も見てるけど余り綺麗じゃないのよね。だから、とっても激しく動いてくれそうだけど、私のヴァジャイナは受け付けないの。だって私は綺麗な物しか認めないもの」

122:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:45:12
 淡々と語れるのはシンジの動きが完全に止まっているからも有るだろう。
「この子にバイブを付けてコイトスさせたら……さぞ気持ち良いんじゃないかしら、なんて思うのよ」
 少女が目線を向けると興奮しきっている犬は承知したと言わんばかりに足元へ、シンジの背へと向かった。
「どういう事……?」
「あら、わからないの?」
 少し低めの声で言った少女がムッとした表情になった理由は勘の鈍さに対してだけではなく、膣内でシンジの性器が萎縮したのがわかったからだろう。
「……仕方無いわね。Hund!」
 再び異国の言葉が漏れる。声の調子から恐らく命令形の言葉かもしれない。
 そう思った矢先、背中に何か重たい物が乗った。
 見なくても、寧ろ見えないからこそわかる。
「な……に……?」
 漸く先を何と無くだが予想出来たシンジは恐る恐る質問した。
「さぁ、始めなさい。Hund!!」
 どこか馬鹿にした異国の言葉が再度。そしてシンジの背の重みがずるずると下がって腰の辺りで止まる。
―ずぶり
 少し間の抜けた、余り聞き覚えの無い音がした。
「っ! は、あ……ン、うぁっ……」
 少女に覆い被さった状態でシンジが呻く。
 その後ろに、腰に覆い被さっているのは犬。
 ただの犬ではなく性器を限界まで勃起させ、それを人間の少年にインサートしている犬。
「は……だ、駄目! 怖い、抜いて……」
「い・や・よ」
 火照って赤くなっていた顔を見る見る内に青くしていくシンジとは対照的に、少女はクスクスと笑うばかり。
「痛い、痛いからぁ……あァ……」
 犬はどこまで言葉を理解し、どこから音としてしか認識出来ないのだろうか。

123:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:46:13
 腰辺りを前足2つがしっかりと押さえてくるので、爪が刺さったように痛む。
「い、たい、よぉ……抜いてぇ、あ……ア! あ! あゥっ!」
―ビシっ
 後頭部の辺りから不快な音が聞こえた気がした。
 腰を振り続ける犬との結合部が妙に痛く、同時に妙に滑らかになっている。
 きっと腸壁が傷付けられてしまったのだ。
 肉体的な意味でも、精神的な意味でも。
「い、あァぅっんっや、あ! 痛ぁ、いィっ!」
 傷口を抉られて痛いだけの筈なのに、肛門性交の快楽に慣れてしまった身体は淫らな声を上げてしまう。
 涙も甲高い声も、勃起さえも止まってくれない。
 犬の動きは遠慮が無い為激しく、一緒になってシンジもまた腰を振っている、振らされている状態。
 挿れたままの性器が自分の意思とは無関係に少女の幼い膣を掻き回し、少女は卑猥に声を上げた。
「あぁっあアン! あっ、あんぅーっ! いい、いいっ!」
 犬自身の性器は対した大きさではないので、ましてやそれを受けるシンジを間に挟んでいるので、動きは小刻になる。
 しかし本日の客の少女はそれを気に入ったらしく、耳障りな程大きな嬌声を響かせた。
「は、あンっ、ああぁっ! 止め、止めてよッ! アあ、んうぅっ」
 こんなに高い声はなかなか声変わりが訪れないとはいえ、男として恥ずかしい。だというのに止まらない。
 可愛いと頭を撫でていただけの犬という動物に犯されている。
 しかも自分より幼い女の子が、もっと早く動けるようにと、自分勝手な理由で。
 動物らしく乱暴な、生殖しか目的としない動きは痛みと恐怖しかもたらさないのに、伸ばした足の指の先までビリビリと痺れてくる程に気持ち良い。

124:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:47:04
「か、はっ……あぁっ! んぅああァっ! や……あぁウっ!」
 感じている。犬扱い……いや、それ以下の性欲の捌け口として使われているのに、性器がどんどん少女の膣の中で膨らんできた。
 少女の方も気付いているのだろう。目を細めて今にも鼻で笑い出しそうな顔で、下腹部に力を入れて締め付ける。
「ひゃ、は、あっ、アっ! おぉ、お腹! お腹ヒクヒクしちゃっ……あァアっ! も……も、嫌、止めっ!」
「んぅ……止めないわよ、ねぇ?」
 問う相手はシンジではなく犬。
「折角貴方の……んっ、お粗末な大きさの、ピナスがぁ……あンっ……んくっ、大きくなってきた所ぉ……でしょ?」
 少女は急に立てた右膝でシンジの左脇腹を小突いてくる。
 反対の右脇腹は逃がさぬようにと押さえてくる犬の手の爪がシャツを過ぎて皮膚を食い込んでいた。
 痛い筈なのに、それすらも気持ち良い快感に化ける。
 腸壁が内部で捲くれ上がっている事すらわかる。そこに微かな血液が塗りたくられ、人間のものではない粘液の塊がビクンビクンと確かな脈を打ちながら何度もぶつかってくる。それすらも気持ち良い気がしてきた。
「は、ひゃ、はぁ……うゥんっ……」
 声が上擦ってきた。シンジの口からは息と明確な喘ぎが漏れてきた。
 そのシンジの体の下では少女が引っ切り無しに喘ぎ続けている。声を出す度に膣が収縮を繰り返し、小さい女性器が精一杯男根を奥へ奥へと飲み込もうとしている。
 何もしなくても勝手に後ろから体を動かされ、ぴったりと性器を離さずに絡み付いた膣壁を捲りながらピストンをしている状態。
 隙間の無い結合部。だが少女の愛液は留まる事無く分泌され続け、どんどんとベッドの高級そうなシーツを汚していった。

125:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:48:28
 少女を犯すように、犬の性器を更に咥えるように、シンジ自身も無意識的に腰が動く。
 背を無遠慮に快感が駆け上がっていく。
「……あ、アっ、僕……イ、イキそう……ッ……」
「だ、駄目よ! 未だ嫌、もっと……あん、もっとぉ!! そ、そうだわ……あン、私のっ……触ってからぁ……」
 少女が言葉になる声を喋れば喋る程シンジを挟んで向かい合っている犬を興奮させるらしく、犬の動きが乱暴になった。
 直接触れるように前立腺を刺激され、早く精を吐き出せと言わんばかりに性器を包む膣が襞と愛液をぶつけてくる。
 2箇所からの圧倒的な悦を前にシンジは制止の言葉を聞けずに叫んでいた。
「だ、駄目ッ……あ、うンンッ! 射っちゃ……あ、ああアアあぁァぁぁッ!!」
 射精。
 会陰からは痛い程の刺激が走り、鈴口が裂けてしまいそうな錯覚を伴いながら精が噴き出した。
 と言っても中出しした為に勢いは見る事等出来ず、性器をまるで取り囲むような膣壁相手に精は行き場を失って結合部からプシッと音を立てて潮吹きするかのように僅かな量を噴き出して見せる。
「は……あ、ぁ……射てる……お腹にいっぱいザーメン流されて……るぅ……」
 軽度のオーガズムを得る事が出来たのか膣は少し空洞を作り、これ以上は零すまいと入り口部分のみがキュッと締まった。
 また少女自身も顔を背けるように横に向けて開いた口からだらしなく唾液を垂らしている。
 動きが止まっていたらしい犬がワンテンポ遅れて射精した。
―ドプッ! ドク、ドクッ……ビュル、ビュッ
 1度では止まらない。初回で既に大量に吐き出した筈なのに、動物らしい形をした性器は大きさをそのままにシンジの肛を塞いだまま2度目の放出。更に栓をしたまま前後運動もせずに3度目の放出をする。

126:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:50:24
「……や、だ……」
 吐精した直後の気怠さでは余計に支配しようと犬の精が体を巡るのがわかる。力無くシンジは小さく呟いた。
 本来排泄する為にあるこの箇所から何か―液体固体問わず―を挿れられた事は何度も有った。1時間前に会ったばかりの男の精だって注がれた事が有る。
 しかし……人間のそれと犬のそれとは全然違う。直腸を通って流れ込んでくる異臭を放つ液体は、ただただ不快。
 主人たる少女が命を下す前に犬は漸く射しきって平常時の大きさになった性器を抜いて、そのままベッドを降りた。
 背中から漸く重荷が降りる。が、傷まで付けられた直腸は犬の精が満ち満ちたまま。
「あぁ……疲れたぁ」
 シンジよりも先に達した後の愉悦から戻ってきた少女は「退け」と言わんばかりの目でシンジを見上げてきた。
「……ごめん」
 何で謝るのだろう。そう自分でも疑問に思ったが、取り敢えず体を起こして少女の真横に横たえる。
「何だかつまらなかったわ。もっとこう……何度も何度もエクスタシーを得られるコイトスをイメージしてたんだけど、貴方じゃやっぱり役不足なのかしら」
 あれだけ大声を上げて我儘に振舞っても、それでも満足が出来ていないらしい。
 ごろん、とシンジに背を向けるように寝返りを打つ。
「まぁ貴方は私の可愛いペットの捌け口としては役に立ったみたいだし、これからあの男……あぁ、お父様の部下の男ね、あの嫌な男」
 相当嫌いなのか少し声が低くなった。
「あの男とコイトスする際に言ってやるのよ。僕のヴァジャイナは犬用の物なんです、って。犬のザーメンがタップリ入っているんです、って。……ねー?」

127:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/12 16:52:04
 最後の問い掛けはシンジに向いていなかった。証拠にワン、と犬が1つ吠えて返事をする。
 どこまで馬鹿にされているのだろう。頻繁にアスカが、そして稀に他の友人が自分に言う『馬鹿』とは違う。
 違う。全く違う。
 友人達の言葉の中には友情が含まれている。反対に少女の言葉はただ侮蔑するだけ。それも、対象は自分ではなく自分を通して別の人間。
 誰も、誰も彼もが自分を見てくれない。見てくれる事は無い。
 誰からでも、犬からですら親愛を注がれる少女とは正反対に。
 不思議と自然なまでに手がゆっくりと伸びていった。背を向けても己の疲労だけを理由に眠ってしまおうとする幼い少女の体へと。

続く。

128:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/12 16:57:12
リアルタイムktkr

お疲れサマンサタバサ
相変わらず上手いね
獣姦くるとは思わなんだ

お嬢にムカつきつつ、酷いことされちゃうシンジきゅんに興奮しちゃう俺は駄目な子

129:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/13 01:30:19
孔雀ネ申超乙!
いつも有り難う

130:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/13 01:57:38
シンジきゅんのチンコ長いでなんか興奮した

131:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/16 00:22:20
ネタが尽きない孔雀氏にかんぱい

132:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/19 12:49:57
乙なんだけど、とても怖い…切ない…
シンジが人として救われる日は、来るのだろうか…

133:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/19 18:23:29
トラウマになりそうなほどぞっとするけど、激しく続きが気になる

134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/19 19:48:19
このシンジの結末すごい楽しみ
てかほんと守ってあげたい

135:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/20 13:31:14
確かに。がんがれ孔雀氏。

136:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:23:52
来ました。今度こそ終わります。
期待はしない方が良いです。どうせ俺が書いたら801で終わるんだから。

注意事項
・相手同じ
・珍しくシンジきゅんをMっぽくなくしてみた。つもり。

137:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:25:12
 シンジは伸ばした手で背を向けた少女の後ろから左手で腰を掴み、右手で左足の膝の下を持ち上げる。
「きゃ、な、何!? 何すんのよっ!!」
 この体勢では無理なので左手を放して腰を沈めさせ、殆んどうつ伏せの状態にさせてから、空いた左手でシンジは己の性器の根元を掴んだ。
 未だ背に重たく熱い感触が残っている気がする。
 背だけなら良い。肛にもしっかりと残っている。こちらは気がするだけではない。
 後ろから見ればさぞ恥ずかしい事になっているだろう。
 突然無理矢理拡げられて間が無い為締まらない肛から、人間の物ですらない精が微かな血液を交えてゆっくりと逆流しているのがハッキリとわかった。
 痛いという気持ち以上に今は不快で仕方無い。
 少女を掴む手に更に力が入る。
「何、何すんのよ! 放して! 逆らう気ぃ?」
 こんな事をさせた目の前の少女に同様の復讐をしたいが、すっかり大人しくなってベッドを降りて座っている犬がこの主人にもそんな真似をするとは思えない。
 ならば自分がするしか方法は無かった。
 例えそれが自ら犬と同じ世界に立つ事を意味しているとわかっても。
「!? ちょっ……」
 右手の全ての指に目一杯彼女の愛液を掬い付けて、その手をそのまま臀部へと滑らせる。
「放しなさいよ、疲れてるの。それにエイナスは嫌よ。私そっちの趣味は無いの」
 少女の言葉は聞かず尻肉の間に中指をつき立てた。
 垂れてきた愛液で微かに濡れている肛の感触が有る。
「な……ど、どこ触ってるのよ! 汚い所は嫌! 私嫌って言ったでしょ!」
 先の性交で少しほぐれた感の有る肛は言葉に合わせてヒクヒク動き、しっかりと押し当てた中指の侵入を防いでいた。

138:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:26:46
 しかし少女自らの潤滑油は虚しくもシンジの指を受け入れる。
―ズルッ
 入り口部分だけは固く閉ざしていたものの、熱くて恐らく汚い内部はヌルヌルとしながらシンジの細長い指を奥へ奥へと飲み込んでいく。
「や……は……」
 体に杭を打ち付けられたように体が硬直してしまった少女は、肛門性交の経験が恐らく無さそうだ。
 自称医者に買われた際「指を挿れてみればすぐわかる」と嬲られながら聞いた話を思い出す。
「い、いや……いや、止めて……」
 暴れればまた違うだろうが、少女の両手はしっかりとベッドのシーツを握っている。怯えで震えながら。
「さっき、あんなに僕が止めてって言っても止めなかったじゃないか」
 ぐっと指を中で折り曲げる。
「ウ……」
 あの幼い女の子の声とは違う低い呻き。
「だから僕も止めてって、痛いって言ったって止めない」
 目の前の子供以上に自分は子供だとわかっている。
 それでも悔しくて。
 金で買われる事はこんなにも馬鹿げていると理解しながら、止められず続けている事が益々馬鹿だと気付かされたのが悔しくて。
 少女への復讐ではなく、自分を辱めている自分への復讐に。
「い、ぎぃっ! や、嫌ぁ痛い!」
 煩い声が耳に入って抜けていく。
 気付けば挿入している指が人指し指と中指の2本に増え、2本共折り曲げた状態で引っ掻くような乱暴な出し入れを繰り返していた。
 これ程喚いていたって、やがてこんな不浄で不潔な穴を掻き混ぜられただけで絶頂を迎えられるようになる。
 何度か達せば痛い位が丁度良くなってくる。なってしまった。
「……煩い。煩い、煩い! 煩いッ!」
 犬の精には苛立ちを促進させる成分でも含まれているのだろうか。

139:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:28:13
 周囲と世界に対して卑屈であり続けたシンジの行き場の無い怒りが、やつあたりに自分ではなく目の前で背を見せている少女にだけ向かう。
―ズリュッ
 予告の1つも無く勢い良く指を引き抜いた。
「やあぁうっ!」
 体が指につられて排泄したくて、だが心は決して人前でしてはならないと訴えて仕方無いのだろう。
「さっき、こんな気持ちだったんだよ」
 さっきだけじゃない、いつだってそうだ。
 顔を近付けないまま、まるで独り言のように呟いたシンジは性的な興奮等全くしていないのに、先程射せなかったので勃起したままの性器を尻肉の間に擦り付ける。
「ひ……ま、待って、私ソドミーの趣味は無いの……お願い、そのままヴァジャイナに挿れて。ね……あ、謝るわ、犬に犯させた事は謝るから……」
「そんなに嫌なの?」
「そうよ! だって……あん、違うの、貴方のピナスが嫌じゃなくて、そこでスるのが……」
 シーツを掴む手がガタガタと震えている。
 恐ろしい程に性に開放的だった少女が、1つのプレイだと割り切れずにここまで嫌がるとは。
 加虐心は持ち合わせていないが、初めてはと締まりが強くて良いとどの客かの言葉が下半身と少女を強く掴む手に熱を持たせた。
「……あ、あのねっ! 私はお客様なのよ! 貴方にとって神様でしょ!?」
「神様?」
 手も擦り付ける腰も止まり、シンジは眉間に皺を寄せた。
「言うじゃない、お客様は神様だって!」
 確かにテレビか何かで聞いた事の有るキャッチフレーズだ。
 金が有れば何でも出来る。金さえ有れば神にもなれる。
 だがそんな神には簡単に逆らう事が出来る。
「じゃあこれからの分は差し引いた金額しか貰わないでおくよ」

140:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:29:30
「なっ……」
 いつの間にか性交をしたいのではなく、少女を傷付けたいだけになっていると、漸く気付けた。
―ぎし
「いっ! ヒ、イィい……
 膣とは違い肛は酷い抵抗を見せる。
 たいして大きくはないカリ首の大きさにすら限界らしく、引き裂かれる痛みに耐えるような悲鳴を殺した声を少女は漏らした。
「……くっ……痛いッ……」
 膣も決して緩くはなかったが、肛とそれを比べようがない。1度も外から開かれた事が無く、また潤滑油の量も全く違う。
 少女を苦しめてやりたいと思った罰が当たったのか、反対にシンジ自身が苦しめられている。
「この……っ!」
 乱暴に腰を前へ突き出すと、ぬるりと気色の悪い感触を伴って付け根まで飲み込まれた。
「ウっ! 痛い、痛いぃィ!」
 入り口―勿論本来は出口―部分は相当狭くきついのに対し、奥の方はそうでもない。寧ろ膣よりも自由が利きそうな程。
 但し入り口部分は狭いなんて言葉では片付けられない程に性器の根元をギリギリと締め付けてくる為、シンジの表情は必然的に辛そうなまま。
 容赦無く腰を引いて性器を半分以上出す。
「ぎ、いっ……痛いィっ……早く、全部抜いてぇ……」
 全て引き抜く勢いで腰を引いたが、カリが入り口部分で引っ掛かって簡単に抜け切らない。
 どんなに乱暴に動いても抜けてしまう無様な目には遭わない。
―ぎゅ、ぐ、ぎゅ、ぎゅっ
 単調なピストン運動を始める。
 潤滑油が充分ではないからか、それとも単に肛がきつ過ぎるからなのか、水音とは程遠いベタベタとした耳障りな音が部屋に響いた。
 そんな音を聞いても、主人がこんなにも酷い目に遭っていても、大型犬は姿に似合わず大人しくぽつんと座っている。

141:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:30:57
「か、あ、は、うっ、あぁっ……んっ、う、ウ」
 膣とは違い自ら濡れてくる事も絡み付いてくる事も無いが、純粋に空間と呼ぶにも狭すぎる肛は苦しさに近い快感を与えてきた。
 パンパンと当たる尻肉が恥骨に痛い。
「痛い……」
 少女が言葉ではない喘ぎか呻きを漏らす代わりに、シンジがしっかりと意味の有る言葉を呟いた。
 犬に肛を犯されていた時にも出ていた嫌な汗が止まらない。
 肛を拡げられる苦しみ以上に、性器を握り潰されそうな程の痛みが結合部で発生している。
 敏感な性器を何度も締め付けとそこからの開放を繰り返しているのに、確かに気持ち良い筈なのに、ちっとも達せそうにない。
 べったりした腸壁は次第に追い出そうともしなくなり、入ってくるのも出て行くのも純粋に受け入れるようにポッカリと開いた空洞に変わってきた。
 少し入り口がきついだけの、シンジが他者に言われて自慰をする時のような妙なゆとりの有る快感。
 もっと追い込まねばいつまで経っても達せない。
 両手でしっかりと腰を押さえて体を更に深く突き入れ、少女の体ごと動かす。
「は、あぅんッ!」
 胸や陰核等がベッドのシーツと擦れ、少女の中に痛みと苦しみ以外の明確な快楽が生じた。
 しかしそれで直腸が塗れる事は無い。肛の締め付けよりも繰り返す摩擦による痛みが腰を動かす事を拒み始める。
「ン、あぁ……もっと……」
 声音が変わった。甘い、甘くて温い雌らしい声色に。
 どこまでも彼女は快楽に変換させられる。自分は何をどうしても痛く苦しいのに。
―ズルっ
 両手で少女の体を押し退けながら腰を引くと、少し引っ掛かったが性器が汚い音を立てて抜けた。

142:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:32:34
 シンジは手を離して少女の体を投げ出し、同時に自分もまた性器は勃ったままだが体の力を抜き、ベッドの上に正座を崩して尻を付けたような座り方をする。
「アんっ! ……はぁ、あぅん……もう終わっちゃうのぉ……?」
 開放されてうつ伏せになった体を、上半身だけを振り返るように横に向けて少女はシンジの方を見た。
 汗と涙と恐らく鼻水まで付けて汚れた元来は綺麗な顔立ちが挑発している。
「……終わらないよ」
 明らかに怒りしかこもっていない声に少女は一瞬驚いて目を見開いた。
「きゃっ!?」
 膝立ちになったシンジは少女の前髪を掴み、抜けるのも構わずに顔と体を起こしてこちらへと、シンジの腰へと近付ける。
 唖然と開いた口に無理矢理性器を咥えさせた。
「口でするのは、する方は絶対気持ち良くなれないんだから」
 怒り……と言うよりも妬み、かもしれない。少女の目から見たあのたおやかで愛らしいシンジの顔は今や負の感情で染まっている。
「ずっと、ずっと僕だって辛かったんだから!」
 更に深く根元まで咥えさせるように顔を近付けさせて腰を押し付ける。先端が少女の喉の粘膜を突いた。
「ぐ、グっ!? あ、あがぁっ!」
 嘔吐感が込み上げてきたらしく、性器の先端で触れる粘液が舐めてもいないのに酸味が有るに違いない独特の痛い物に変わる。
 少女も苦しかろうとそのまま嘔吐したり、ましてや歯を立てたりしては更に酷い仕打ちが待っているかもしれないと考えたのか、既に真っ赤だった目に再び涙を溜めながらも抵抗しない。
「こ、のぉ……っ」
 両手で少女の顎を支えるように持ち、慣れない動きで腰を前後させるシンジ。

143:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:34:16
 何度もやらされてきた強制的な口奉仕は意外に難しい。
 腰を動かすだけで舌の腹が裏筋をねっとり舐めているような刺激が訪れて、敏感なシンジでは膝がガクガクと揺れてしまう。
「うぶっ……う、ウぅ……」
 遂に少女の目から涙がポロポロと、既に泣いていたので粒状ではないが零れ落ちた。
 体も顔も小さい少女は口も小さいので、咥内の肉が上下左右全ての方向から性器を包み込む。
 抜き差しを繰り返していると唾液に塗れた唇の感触と口の外の空気との温度差ですら悦になる。それでいて先端は熱い咥内と更に熱い喉という粘液で刺激が尽きない。
 鼻のうんと奥の、目頭と目頭の間がツンと痛み、一瞬白い世界が見えた。
「あ……い、イク……イッちゃ、う……」
 目を瞑り、汗だらけの頬を染めて、シンジはうわ言のように小さく呟く。
 性器を抜き取り、そして少女の頬に押し当てた。
「えっ……」
 口を開放されて何か尋ねようと少女が声を漏らす。
 ラストスパートとして、シンジは先端を柔らかい生まれたてを連想させる頬に押し付けたまま、何度かゴシゴシと根本から中辺りまでを擦り上げた。
「ンんぅっ!!」
――ドクン、どぴゅ、ぴゅぴゅっ、ぴゅっ
 射精。鈴口から1度大量に強い勢いで精が吹き飛び、次いで勢いを落とした精が2、3度飛び出してくる。
「あ、ふぁ……」
 シンジは後ろに倒れ込むようにバランスを崩し、そのままぺたりとまた膝を崩して両足を後ろに向けた座り方をする。前とは違い、背を丸めて。
 真っ白だった視界が開けて、徐々にシンジの意識がはっきりと戻ってくる。
 顔を上げて少女を見ると、顔の右半分がシンジの精でべっとりと濡れていて、目も開けない状態になっていた。

144:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:35:38
 口を半開きにし、呆然とこちらを見ている。いや、焦点は合っていない。
「あ、の……」
 シンジが掠れた声を掛ける。
「あ、あ……ぅあぁぁー!」
 叫んだ。いや、泣き出した。
「うっあっうぅっあぁーっ、あぁーっ、あぁぁーっ」
 遠くからでも見える腹部の異様なひきつりが心の奥からではなく腹の底から泣いているのがわかる。
「あ……あの、あ……」
 入った時はあんなに静かだった部屋に、ただ煩く少女の泣き声が響いていた。
 ごめん。
 普段嫌と言う程口から勝手に出てくる言葉が全く出てこない。
 謝り過ぎだと叱られた事すら有ったのに、何故か謝罪の言葉が喉の奥で鉛に変化してドロリと食道を伝って落ちる。
 口先だけで謝罪した所で何1つ変わらないだろう。それでも謝らねば。それしか泣き止ませる方法を知らない。
 自分が大泣きした時、どうしてもらえれば泣き止むか……と考えて、すぐに考えるのを止めた。
 物心ついてからシンジはこんなにも泣いた記憶が無くて。
 泣いても状況は変わらないし、周りの人々―主に大人―を困らせるだけ。
 ならば泣かない方が良い。どうしても悲しい時は布団の中で声を殺して誰にも見られないように泣けば他者に迷惑を掛けずに済む。
 迷惑を掛けなければ、捨てられる事も無い。
 そうだ、捨てられた時には彼女と同様に、もしかするとそれ以上に泣いていたかもしれない。
 駅のホームで、小さな体で、大きいけれど小さな子供の全てにしては小さい鞄の隣で。
 どんなに泣いても戻ってきてはくれないのに、迎えに来た大人を困惑させるだけなのに、嗚咽が一切止まらなかった。
 やがて時がその悲しみと寂しさを憎しみと虚しさに変えてくれた。

145:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:37:12
 泣き止む方法を知らないから、泣き止ませる方法もわからない。
―みしみしっ
 あれだけ暴れても静かに受けとめ続けたベッドから音がした。
 見ると犬が少女の方へ擦り寄り、少女もまた鼻はグズグズ言っているが泣きやんでいる。
 相変わらず犬らしく息を荒くしたまま、少女の顔を舐め始めた。
 人間同士の愛撫とは違う、親猫が産まれたばかりの子猫を舐める仕草。
 大泣きして顔をぐちゃぐちゃにしている涙も、美しい泣き顔には不要な汚い鼻水も、重力に従ってだいぶ見えなくなったシンジの精も、彼女の苦しみ全てを舐め取るように。
「……う、ありがと」
 抱き寄せて身を任せる姿。
 これなのかと、漸く頭が認識する。
―ぎゅ
 幼い少女も大きな犬も、シンジはまとめて抱き締めた。
「何よ……何なのよ、何してるのよ」
 厳しい口調だが腕から抜け出そうとはしない。
 脅えている、というよりは自棄になっているのか、少女は声をどんどん小さくしてゆく。
 犬の方も人1人抱き締めていると思わせる大きさなのに、雷に脅える
「何だって……いうのよ……貴方、私の事嫌いなんでしょ」
 好き嫌いで言えば好きではないが、何と言われようと今は離さない。少女と犬とが眠るまでは。

146:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/22 22:38:22
 ただ誰かが寄り添って、出来れば抱き締めてくれれば、それだけで涙は止まる。
 悲しくなくなる。寂しくなくなる。虚しさが消える。
 あの時せめて、こうしてあやしてもらえれば、きっともっと大声で泣いてしまう子供になっていた。
「嫌いなんでしょ? ねぇ、そうなんでしょ? だから……」
「違うよ、羨ましかっただけ」
 大声で泣き叫べる事も、それを無条件で慰めてくれる誰かが居る事も。
 大きな屋敷よりも立派な服よりも腐る程有る金よりも、そんなちっぽけだけど手に入らない事達が羨ましい。
 もし金を積む事で、股を開く事で手に入れられるのならば。
 有り得ないとどこからか否定される前に、皆で眠ってしまおう。
 まるで1人と1匹の間に入れてくれたような、犬の舌の感触を頬に受けながら。



147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 01:50:09
(゚Д゚)ウマー

148:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 03:40:20
いや、すごい…
いつも感嘆の言葉しか出てこんわ


EOEチックなシンジに萌えた
やはり負の部分があってこそシンジ

149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 04:26:51
アスカ

150:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 13:41:34
リアルすぎる官能描写にしばし呆然。
救いのある結末になんだかほっとしますた

151:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 14:04:33
ホストや娼婦の哀愁が性行為の中からにじみ出るのって、お世辞抜きにスゲーですわ。俺にはとても出来ん…

152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/23 14:05:21
娼婦だった女性が保母さんを始めたら
意外に適職だったってケースがあるそうですが
風俗の世界って他人の意思に自分の視線を合わせる
サービス業なんだと気づかされる…マジでお疲れ様

153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/24 21:12:41
孔雀氏乙!
でもってウマー( ゚ Д゚)

154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/26 18:38:01
このシンジきゅんの最初のお仕事を読んでみたい…なんつて

相変わらず上手いなぁ…マジで

155:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/26 21:59:26
>>154に激しく同意

孔雀氏時間があればでいいが書いてくれないか・・・?


156:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/26 22:51:35
まあ名無しのリクエストとして頭の片隅にでも残してくれれば幸いです

孔雀神は好きなもん書いて。

てかマジ、読んだあとに自分って贅沢だなぁ~って思っちゃうよ。
あーこれを短編漫画で貞描いてw

157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/27 14:03:26
同意。哀愁と神聖さがあるんだよな、この人の官能には

158:孔雀 ◆nULfbdzH0k
06/12/28 02:16:56
皆有難う

初仕事=脱童貞・処女って事?
そういうの苦手だから多分ご期待にそえないと思うけど、書いてみようと思います。

(´-`).。oO(年末年始休み無く仕事だから時間は無いけど

159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/28 02:55:29
>>158
いつも乙っす。
いや、ほんと気が向いたらでいいです



間違いないなくwktkしとくけど

160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/28 05:26:01
>>158
密かにwktkして待ってます

161:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/28 09:42:27
>>158
年末年始もお仕事とは大変ですね
身体に気をつけて無理しないでくださいね
こっそりwktkしてます

162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/12/30 19:46:46
いつでも大丈夫です。待ってます。我らがネ申

163:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/05 17:38:05
同じく。

つ 旦 オチャドゾー

164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/08 14:21:25
孔雀氏応援ほしゅ

165:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/08 17:33:01
密かにwktk

166:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 08:22:26
孔雀氏は必ず完結させてくれるから好き

167:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:40:41
>>163
頂きます。
やっぱ紅茶には砂糖だよね(´ω`)つ゚・旦
いやこれ絶対紅茶じゃないと思うけど。

そんなワケで投下に来ました。
初仕事だからってテカテカしててくれたみたいだけど、ご期待にそえられるかどうか微妙っす。

注意事項
・相手名無し男=ホモ
・スカトロ連想させる言葉がちらほら出てくる
・最終的にはやっぱりスカトロになってる
・微妙にネタバレなので、エヴァ2未プレイの人は5つ位後から読んで下さい。

168:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:43:20
 こうして教室の自分の席に座って耳を塞いでいると、幼い頃を思い出した。
 根も葉も無い噂話であったとしても、幼い子供の頃は言葉1つが充分に重たく、ましてやそれが根も葉も茎も花も果実までもが有る物だとしたら。
「援交やってる姉とか最悪じゃん」
「自分はクソ真面目なのにね」
「同じ血なんだから、自分もやってんじゃないの?」
 脳内でどんどん変換される。
―自分の母を殺した父か、どれ程可哀想な子なんだ―
―比べて随分と真面目に……多少大人しいが優等生然とした少年に育ってくれたね―
―よもや父を真似て自分も、なんて事は……―
 それでも未だ自分の事を悪く言うだけなら聞き流せた。
 何よりも辛いのは、父自身の事を言われた時。恐らく大半は自分が知らないだけの事実なのだろうし、ましてや自分が制止しても良い自分の事ではない。
「シンジぃ? どーかした?」
 相田ケンスケから掛けられた声に返事をせず、耳を塞いだまま横目で噂の張本人の方を見る。
 この黒い噂の種となっているのは彼女の姉だが、彼女自身はどう思っているのだろうか。
 洞木ヒカリは、幸いにも本当に聞こえていないようで、惣流・アスカ・ラングレーとにこやかに談笑していた。
 良かった。彼女は苦しんでいない。
 あの日の自分とは違う。
「良かった……」
 思わず呟いた碇シンジも失礼だとは思いつつ、やはりその噂を聞いた事が有った。
 優等生で学級委員長をも務めるヒカリの姉の素行がとてつもなく悪いという噂。
 高校生の彼女は話によると友人の交際相手だろうと「男と見れば寝取る」人間だという。シンジにはよくわからなかったが、取り敢えず極端に性の方面が解放的らしい。

169:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:44:43
 更に最近は所謂「援助交際」……と言えば未だ響きは良い、売春行為を繰り返しているとか。
 噂は噂に留まらず兄が別れさせられた、父親が金銭交渉に呼び止められた、しまいには学級で1番大人びている男子が声を掛けられた、ときている。
 最後の話は、学校名と学年とクラスを告げたら「嫌そうな顔をして途端に去っていった」との事から疑う方が逆に難しい。
「でもさぁ、やっぱ援交ってかなり儲かるらしいよ」
「そうなの? どの位?」
「知らないよ、やった事無いし」
「洞木さんに訊いてみれば?」
「訊けねー! あ、でもさ、洞木さん家って確かお姉さんと妹さん居るのに、お父さん1人しか働いてないんだよね?」
「あーそれ聞いたー、でも余り生活に困ってなさそう。家だってあの高台の方だっていうし」
「って言うかさ、もしかして、お姉さんの『パパ』のお金で生活してる?」
「洞木さんに訊いてみれば?」
「そればっか」
 そして再び笑い声。そろそろヒカリも自分の話だと気付いてしまう。……気付いてもらいたくない。
「シンジ! 顔真っ青やないか!!」
「え?」
 漸く両手を耳から離して顔を上げると、心配そうなケンスケと何故か憤って怒鳴った鈴原トウジが居た。
「どうしたんだよ、ずっと声掛けてたんだぜ?」
「腹でも痛いんか?」
 違うよ、と否定する為に首を左右に静かに振る。声が上手く出ない。
「ずっと耳押さえとったし、耳が痛いんか? 聞こえ悪いとか……一応保健室行こか?」
「今日は養護教諭休みだって、朝のHRで言ってただろ」
「ホンマ? ワシ朝遅刻してもうたから聞いとらんかったわ」
「そう言やそうだったな。……そうだシンジ、6時間目理科だし一層の事、早退しちまえば?」

170:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:46:21
 早退、というよりもそれはエスケープ。授業は出るのが至極当然のシンジからすると、その意見は眉間に皺が寄る物だった。
「そんな顔すんなよ。保健室に寝てたって楽になるとは限らないだろ? サボるってんじゃなくて、病院行けば良いんだし。どうせ理科だしさ。あの先生ならその辺の融通利くだろ?」
「そうなの?」
「おう」
 エスケープの常習犯たるケンスケの意見は果たして信用して良いのか否か。
「それに明日土曜で休みだろ? その次は日曜、次の登校は3日先。色々訊かれる事も無いって」
「ケンスケ、自分そないにシンジにサボらせたいんか?」
「そうじゃないけどさ、トウジだって心配だろ? シンジがこのまま倒れたらどうすんだよ。エヴァンリオンを動かせるのは、シンジしか居ないんだぜ!」
 過去に1度近くで見た操縦方法―両手でインダクションレバーをガチャガチャと動かすような動作―を真似るケンスケ。
 一応他にも、尚もヒカリと話し続けては大笑いしているアスカと、本日欠席のレイも操縦は出来るのだが。
「まぁ……そうかもしれへんけど……今日CD見に行こ言うとったやないか。ネルフ行かんくてもエエ日やって。……ま、具合悪いまんま連れてくつもりは有らへんけど。自分は行くんやろ?」
「勿論」
 話題を振られたケンスケは笑顔で答え、再びシンジの方を向く。
「大丈夫なら良いんだけどさ。何か辛そうだし」
 わからない。大丈夫かどうか。
 授業が始まればあの陰口にしては大きく悪口にしては小さい話はしなくなるだろう。
 だが……
「シンジぃー! 私、今日帰りこのまんまヒカリの家行って泊まるからぁー!」
 そんなに大声を出さずとも聞こえるのに、アスカは何が楽しいのか朗らかな声で言った。

171:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:47:13
「……ミサトさんに言って、僕、今日もう帰るから。早退する」
 大きな目を更に大きく丸くしたアスカの顔を見て、シンジは机の中の少ししかない授業道具を鞄に移し始める。
「やっぱり僕早退するよ」
 ヒカリは大丈夫だ。何故ならアスカが居るから。
 親友が居るのは心強い。今側に居る親友が、それを何より証明してくれている。
「そっか。気を付けて帰れよ。体も、それから誰にも見付からないように気を付けるのも忘れんな」
「ほんなら先生にはワシらが言うといたるわ」
「うん、宜しく」
 先程の毒気だらけの会話に呑まれてしまったのか、シンジの返事は弱々しかった。
 それでも心の奥底で「この2人があの時側に居てくれれば、また違ったのかもしれない」とは思えた。良い方向に変わっていたのだろうと。
 立ち上がり、片手に鞄を持って教室を出る。
 同時にチャイムが鳴った。6時間目の開始を告げる音だが、一向に2-Aには次の授業の理科教師が来ない。
 お陰でその教師にも、他の教師にも見られないで帰る事が出来る。全てにおいて都合が良かった。

 家へ帰ろうと思ったが、もしミサトが居ては何を言われるかわからない。噂話の声からは逃れられたからか、本調子ではないにしろ病院に行く程具合は悪くもない。
 照り付ける日光が酷く暑い。どこか建物の中に入って日除けをしたい。
 財布の中身は1,000円札が1枚と小銭が数枚。映画館に入るには少し心細いし、だからと言って喫茶店等に1人で入る方が余程気合が必要だ。
 こんなにも暑いのに、一体どうすれば良いのか……
「大丈夫かい?」
―トン
 不意に肩に手が置かれ、シンジは慌てて振り向く。
「っ! とう……」
 さん、ではない。
「何だか具合悪そうに見えたけれど」

172:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:48:02
 暑くてかいていた汗は一瞬冷や汗になり、すぐにまた普通の汗に戻った。
「君?」
 手を置いたまま不思議そうにしている長身の男は、父の碇ゲンドウには似ても似つかない男。
 背は高いが父には劣るし、口元の皺と髪の半分近くが白い辺りは父よりも年上に見える。
 ただその顔を隠す眼鏡は、色も形も父の掛けている物と全く同じだった。
「君? 聞こえているかい?」
「……え、あっ! あの! すみません……」
 話を散々無視していた事に気付いたシンジが焦って返答すると男は漸く手を放す。
「どうしたんだい? 聞こえなかったのかな? もし具合いが悪いなら、どこかで休まないと」
「違うんです。ちょっと……あの、父かと勘違いしてしまいました。驚かせてすみません」
「いやいや、それなら良いんだよ」
 皺の目立つ口元に緩やかな笑みを乗せる男は、紳士然とした優雅な印象が有った。
「私に君程若い子供は居ないさ。居るのはもう少し上の甥位だよ。幾つかわからないがその制服姿からして見た所15、6……おや? だとしたら学校はどうしたのかな?」
「学校、ですか……」
 見知らぬ人間に、素直に「サボりました」等と言うべきだろうか?
 もしかするとこの温厚そうなサングラスが浮いて見える男は警察か何かで、理由無くエスケープしたと知られたら補導されてしまうだろうか?
 ただでさえ嘘を吐けない性格のシンジが、こんな制服姿では何も言葉が思い付かない。
「私と同じでサボりかな?」
 いつの間にか足元を見ていた顔を上げると、男は眼鏡の奥で笑っているように見えた。
「ちょっと変わった仕事をしていてね。忙しい日は忙しいけれど、そうでない日はとことん暇で。こうして事務所……職場を抜け出してきたんだ」

173:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:49:03
 優しい笑顔と言葉に呑まれてシンジも自然と笑みを浮かべた。
「……私はこういう者だが、君、名前は?」
 暫し顔を見ていた男はグレーストライプのスーツの、ジャケットの内ポケットからケースらしき物を取り出し、カードサイズの紙切れを1枚差し出してきた。
 受け取ったそれを見ると、男の名前が中央に大きく、右側には恐らく会社名と役職名と思しき文字、そして左側には電話番号が書いてある。
「僕は碇シンジです」
 名刺から目を放さずに淡白に名乗る。
 役職名が『代表取締役』と有るが、これは会社で1番偉いのではなかろうか?
 そしてそれだけ偉い人間がこんな真っ昼間からサボり歩いて良いものだろうか? それはシンジには言えない事だが。
「余り詮索するつもりは無いけれど、もし君が『取引相手』を探しているなら私は相当良い相手になると思うよ?」
 急にぐっと顔を近付けて男は告げる。
 その顔に張り付いた表情は温和が好色に変わっている事に、未熟なシンジは未だ気付けない。
「それとも、誰かと会う約束が?」
「……あ、いえ特に、誰かと会う予定とか無いですけど……」
「そうか、良かった! 私は君のような子を探していたんだ。さ、こんなに暑くては日射病にもなりかねない。早い所移動しよう。どこか希望は有るかい?」
 何の事やら話が見えない。その隙を突いて男はシンジの肩を抱き寄せた。
「あっ……」
「おっと、人前じゃ駄目だったかな」すぐに手を放し「清純そうな外見で清らかな態度を見せる……君は自分の事をきちんとわかっているんだね」
 自分の事を理解している?
 シンジは今まで自分の周りに存在しなかった言葉に、眉間に皺を寄せる。
 誰も他人を理解出来ないし、それは自分が理解出来ないから。ではないのか。

174:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:50:16
 それともまさかこの初対面の男が、自分を理解してくれるのだろうか?
 有り得ない期待に胸は膨らみ、顔は綻ぶ。
「ではどこに行こうか? 気に入っているホテル等が有ればそこにしよう。料金は私が出してあげるからね」
「ホテル?」
「あぁ。流石に初買いの私の部屋は不安だろう? 勿論私は困らないが……ただ野外は勘弁だね。色々と厄介だ。それに今日は暑いしね」
 今日はというより今日も。ずっと暑い日々が続いている。
「確かに暑いですよね。シャワー入りたい位……」
 普段いかに冷房の効いた室内で生活していたのかがわかる。少しいつもより長い時間屋外に居ただけで脇の下や膝の裏がベタベタとして不快だ。
 1番不愉快なのは首。先程男をゲンドウと勘違いした際に暑さとは関係無い汗をかいている。
「そうか、なら風呂の綺麗な所へ行こうか。先ずタクシーを拾える道まで行くよ」
 おいでと背を向けて男は歩き出した。
 あの日の背中と比べると小さくてすぐに手が届きそうなのは自分が大きくなったからか、相手がただの他人だからか。

 タクシーは至って普通のタクシーだったが、かなりの距離を走った所為か法外な料金になっていた。
 どこに何をしに行くかは知らないが、シンジは帰りのタクシー代がどうなるのか、そればかりが気になっていた。
 何せ財布の中身は1番頼りない札が1枚。タクシー代は愚か、下手をすると電車代すら危うい。
 タクシー代は当然男が払ったが、ついた先の建物―初めて見るデザインなのでシンジの持つ言葉では形容出来なかった―にもまた料金が掛かりそうで、あまつさえ絶対的に安くはなさそうで、シンジの表情は益々曇った。

175:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:52:06
 だがその表情は男に案内されるように連れられた部屋を見て急に晴れやかになった。
「凄い……広い部屋!」
 マンションとはいえ高級に分類される葛城家のリビングにすら相当する広さの部屋。
 中央に巨大なベッドが有り、それを挟んでスクリーンと呼んでも良さそうな巨大なテレビ。隣にはそのテレビに相応しいスピーカーが有る。
 どれもこれも素晴らしくはあるが、中でもスピーカーから目が離せない。もしもコンポに繋げるのなら……久々にシンジの物欲が鎌首をもたげた。
「君の家の部屋はどの位の大きさだい?」
「え? えっと……」
 『先生』の家に居候していた時はそれなりの……否、かなり広い部屋だった。気がする。
 葛城家に変わってからも決して狭くはなく、6畳は有った。
 アスカとの同居に伴い、大きさは半分でどんなに掃除しても少しカビ臭くて日光すら射さない、部屋と呼ぶのはシンジとミサト位の物置部屋になったのだが。
「今はちょっと、狭いです。でも! 別に不満とか無くて……」
 だから出来ればずっと、暮らしていたい。
「そうかい」
 男は何が楽しいのか軽やかな声で相槌を打って眼鏡を外す。
 やはり眼鏡の下の顔はゲンドウと似ても似つかない。
 安堵して良いのか軽く落ち込めば良いのか。シンジは顔を見るのを止めて、正面を向いた。
「……窓、無いんですね」
「必要無いからね。窓が好きなのかい?」
「別に、特に好きとかじゃないですけど」
 その所為で妙に薄暗いのか、と改めて思っただけに過ぎない。
 決して嫌いではない。絵画では他者と自らを繋ぐと表現されるから、ではないが。
「あの、今僕窓の無い部屋に住んでいて……悪いとか嫌だとかじゃないんですけど」

176:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:53:16
「窓の無い部屋とは……君のお母さんやお父さんは随分思い切った事をするんだね」
「……そうですね」
 母とも父とも暮らしてはいないのだが。
 男からすると窓の無い狭い部屋に自分の―随分と愛らしく育った―息子を閉じ込めるとなると、宜しくない趣味が有るように思える。
 それに窓が有る部屋よりも、今暮らす暖かさの有る部屋が良い。
「可哀想に……一人暮らしはしないのかい? あぁ、その資金を貯めているのかな。方法はどうであれ、自分で稼げばきっとお母さんもお父さんも認めてくれるからね」
 優しい言葉と同時に、シンジの頭に大きな手が乗った。
 ゆっくりと短い髪の感触を確かめるように撫でる手。
 頭を押さえられているようなものなので相手の顔は見えないが、きっと優しく笑ってくれている。
 もう見る事の出来ない母のように。もしかしたら過去にこんな穏やかさを持っていたかもしれない父のように。
 認めて貰える。金を稼げば。そう、今まで父が『先生』に払ってきた金を全て返せば、自分を被保護者としてではなく、1人の対等な人間として見てもらえるかもしれない。
 ……暖かな手の所為か、何と無く頬が熱い。
「……さて、シャワーを浴びたいと言っていたね。先に入ると良い。ここはとても広いし、浴槽には照明も付いている。浴槽に浸かるなら、すぐに湯を張ろう」
 男は身を翻して右手に有る扉へと向かった。
―ガコン ザァー……
 扉を開けたままにしているので、浴槽に湯が溜っていく音が聞こえる。
 開け放ったままでは浴室が冷えてしまって、湯船につかる際に心臓に負担が掛かってしまう。
「湯を溜めている間に入るかい?」
 温まる前に浴室独特のくぐもった声が響いてきた。

177:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:54:42
「あ、はい……」駆け足で浴室を覗くと、そこは部屋に負けず劣らず広い空間が広がっているのが目に入り「……凄い」
「気に入っただろう? 浴槽もこの通り大きい。風呂といえばここ、と思っているから少し遠乗りしてしまったんだ」
 どの位の大きさだろうか。取り敢えずこの浴室にシンジの今使っている部屋はすっぽりと入ってしまうだろう。
 この薄暗いホテルの一室の中で、照明が煌々と浴室を照らしている。唯一明るい空間に思えた。
「風呂は好きかい?」
 優しく尋ねる声に、シンジは黙り込む。風呂に入りたいとは言ったが、決して好きではない。
 一時期は酷く苦手だった。体を洗う行為は好き嫌い以前に絶対的に必要なので置いておいて、静かな―水の音しかしない―分、浴室では色々な事が頭を巡る。
 嫌いだったから嫌いではないになったのはつい最近の事。
「普段は余り湯船に浸からず、シャワーで済ませるのかな? さっきも「シャワーに」と言っていたね。体を休めるにはしっかり浸かった方が良い」
 蛇口を捻るのにしか使っていないのか、汚れ所か雫すら付いていない手が伸びてきた。
 男の手はワイシャツのボタンを上から順に1つ、2つと外してゆく。
「? あの……」
「一緒に風呂に入ろうか。もう私は我慢が出来ないからね……明るい所では恥ずかしい?」
 シンジにとってはそれ以前の問題だが、実際に恥ずかしいので素直にコクリと頷いた。
「そうか……電気を消して折角の水中照明を使おうか。それでも恥ずかしいなら、ちゃんと目を閉じて……いや、さっきのサングラスでも掛けていようか?」
「さっきの?」
 語尾に笑いが含まれていた男の言葉を鸚鵡返しで尋ねるシンジ。

178:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:55:40
 この男には大して似合わない、ゲンドウの普段掛けている、少なくとも3年振りに再会してからはずっと掛けているように見える物と同じ色付き眼鏡。
 金を以てして認められたいと思う相手に、真っ先に名前が挙がるゲンドウと同じ……
「……お願い、出来ますか?」
「何?」
 嫌悪感が含まれた質問の声に少し怯むが、シンジはなけなしの勇気を振り絞って告げた。
「さっきの眼鏡、掛けてもらえませんか。掛けてる方が……その、良いと思って」
「風呂に入るのに……まぁ良い。一応度が入っているし……それに、君が昔流行った眼鏡フェチとやらでも私は一向に構わないしな」

 浴室の照明はつまみで明るさを調節出来る仕組みで、薄暗い部屋から繋がっているとは思えない明るさから4分の3程に控えた。
 眩し過ぎず、勿論暗過ぎず。手元はよく見えるし、目にも痛くない。
 代わりにと水中照明を付けた。7色に変わるそれを初めこそ楽しそうに変わる様を見ていたが、徐々に見慣れてしまった今ではそれを背に浴室と部屋を繋ぐ戸を見る形で、湯の中で膝を抱えて座っている。
 足は少し膝を折っても良いなら充分に伸ばせる広さの湯船。左隣には大きな鏡、右隣には……股間すらタオルで隠さない全裸なのにサングラスを掛けている、見るからに不審な男。
 掛けて欲しいとのシンジの願いを茶化しはしたものの、結局は真摯に聞き入れて湯気で曇らせながらも掛けたまま。
 この年になって誰かと共に湯船に浸かる事になるとは思ってもみなかった。
 あの後一旦浴室を出て、湯が零れるまで溜まるのを待ち、本日出会ったばかりの2人で一緒に風呂に入っている。
 不思議な感じだが、何故か自然にも思える。隣に座る男が余りにも慣れている様子だからだろうか。

179:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 21:56:48
「……僕位の甥っ子さん、居るんですよね?」
 珍しくシンジの方から口火を切った。
「うん? あぁ、居るよ」
 相手はほぼ初対面だが、同時に共に風呂に入る仲だ。だからか、次々と言葉が自然と出てきて、会話が成立していく。
「一緒にお風呂に入ったりとか、するんですか?」
「いやぁ可愛がってはいるけれど流石にそれは無いなぁ。それにもう大きいしね。……勿論、こういう意味で一緒に入った事は無いしね」
「こういう意味?」
 口で答えるより先に男の左手はシンジの左側の、離れている方の腰を掴んだ。
 ぐいと引き寄せられ、素肌と素肌が湯を通して密着する。
「あ、あのっ……」
「恥ずかしいなら、後ろから抱っこしてあげよう」
 言葉通りに体を半回転させられ、左側に有った筈の鏡と向かい合う形になった。
 両方の脇の下から男の手が胸を持ち上げているが、女性のそれと違って膨らみの一切無い平らなシンジの胸は同年代の男性と比べても更に薄く、思い切り叩けば今トクトクと脈を打っている心臓も止まってしまいそうだ。
 両手の指でその贅肉の無い胸を上下させる。
「甥にはこんな事をしないだろう?」
 別にしたくもないし、と心の中で付け加え。
 手の平で無い胸を寄せてはあげるように揉みしだきながら、指の腹の位置を胸の先をかすめる動きに変える。
 ぷっくりとした健康的な尖端は手の平では存在を潜めていたが、指が押すように通過するとコリコリと硬く主張してきた。
「や……ちょっと、止めて下さい! くすぐったいです!!」
 口だけの抵抗に過ぎないのか、暴れる事すら出来ない程辛いのか、シンジの自由な両手は左手が壁を、右手が浴槽の縁を掴むのみ。

180:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:00:16
 両方の尖端を人指し指と中指でそっと摘むと、シンジは体をのけざらせる。
「ひゃっ! も、止めっ! ん……くすぐったい……んぅっ」
 細い二の腕がプツプツと粟立つ。何とか浴槽の縁に掴まっている手は見るからに先程より強い力に変わり、必死なのがわかった。
「そ、そんな所……もう、くすぐらないで下さ……」
 シンジの後ろで不適にほくそ笑んだ男は、尖端を左右同時に指の腹で強く尖端を摘む。
「アんっ!」
 座っているシンジの足にも強い力が加わった。
「止めて下さい……乳首、千切れちゃうッ……」
「でも気持ち良いんだろう?」
「なっ!?」
 否定の言葉を吐く前にシンジの体を引き寄せる。
「痛いのが好きかい? それともさっきみたいにこそばゆい位焦らされる方が良いかい?」
 シンジは何を指されているか理解して、慌てて両手で股間を隠した。
 しかし水中だからか上手く隠しきれない。すっかりと勃起しきったそれは。
「見ないで、見ないで下さいっ! 嫌だ……は、恥ずかしい……」
 縁を掴む手が放れてバランスを崩したシンジが背中を預けてくる。
「どれ……どうだ、可愛いモンだ」
 そんなシンジを足と足の間に深く座らせて、背凭れになった男の右手が必死に隠している両手を分けて性器を掴んだ。
「やァっ!」
 自分でも放尿時にしか触らない、最も汚くて最も大事な箇所を他者に、それも自分よりもかなり大きな手に捕えられる。
「あ……は……嫌ぁ、嫌ですっ」
 慌ててシンジの両手は男の手首を捕らえるが、性器を手中に収められてからでは既に時遅し。
「ここから見てるからかな? 玉袋が少し小さめに見えるな。それに何より皮を被って……」

181:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:02:31
 人指し指と中指で丸く輪を作り、辛うじて先端を露出している幼い性器を守る皮へと掛けた。
「な、何をするんですかっ!? や、やだ、嫌だっ! 変な事しないで下さいっ」
 指を下ろそうとすると妙な抵抗が有る。
 真性……というより、まだ皮を剥いた事が無いのだろう。
「痛ぁ……い、た、止めッ……あ、うぁっ……」
 水中なのに接着剤で留めたかと思わせる程下りる事を拒んだ皮だが、左手で胸の尖端を潰すように愛撫し続けると、きちんと姿を現した。
「や……な、に? な……何? 僕のおちんちん、どうして……」
 不安がっているが、それだけではなくシンジの息は熱い。
 真っ赤に充血した、子供は卒業したがちっとも大人には含まれない性器が、怯えるように手の中でビクビクと動いている。
「はぁ……ん、ん……お風呂のお湯……」
 何もせずとも湯が性器に直接触れるだけでシンジは声を上擦らせた。
 そっと性器を握る。手の平には窪ませて少し空洞を作り、手と性器の間には温かな湯が有る状態。
「うゥんっはぁ……お湯が……温か……ん、お湯……はぁ……変っ」
 先端から少しずつ先走りが滲み出て浴槽の湯と一体化していく事にシンジも気付いた。
 出したばかりの綺麗な湯が、泡立つように濁り始めている。
「で、ちゃいそ……うぅッ……」
「もう射しちゃうのかい? 随分早漏だねぇ……まぁ若いから仕方無いか。ほら、精液位どーんと射しなさい」
「せーえき?」
「そうだよ、ほら」
 カリ首を指で作った輪で捕らえてグッと絞り上げると、小さい悲鳴が漏れた。
「だ、駄目ッ……オシッコ、出ちゃいそうだか、ら……は、ア!」
「小便?」

182:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:05:26
「へ、変! 変なんです! 僕、急に……あ、オ、オシッコし……した、は、あ、ハっ、あ……」
 頭の後ろをツンと駆け上がる悦にシンジが体をガクガクと震わせる。
 が、精もシンジが勘違いしている小水も放出する前に、快感は終わった。
「……あ、れ……?」
 シンジが強く瞑っていた目を開いて体の中心部を見下ろすと見た事も無い色と形になってしまっている性器が見える。
 それを扱いていた男の大きな手は離れ、湯の中でわざと開いていた。
 まるでシンジの両手が必死に止めたかのように手首を押さえたままで。
「あ……」
「流石に小便を出されては困ると思ったが、どうやら違ったみたいだね。君はあれか、射精すらままならない子供だったのか」
 恐る恐る手首から手を放す。男の手が引っ込む。但し、性器の高ぶりは一向に収まらない。
「そういえば年を聞いていなかったな。中高生位の、随分とまた童顔な子だとは思っていたが……まさか小学生じゃあないよね? 違うよね」
 優しい言葉遣いだが強制的。正面に有る鏡越しに見える顔は口元が微笑んでいるのに、目元はきっと笑顔ではない。
 それどころかきっと恐ろしい目で睨み付けているに違いない。あの眼鏡が、父と同じサングラスがそう思わせる。
「くっ……こ、このッ! 変態ッ!!」
 罵る言葉すら思い付かないシンジは精一杯の口汚さを放って立ち上がると、湯船の中の湯が煩く音を立てて波を作った。

「うわっ!」
 所が、無理矢理右太股を掴まれてシンジは体勢を崩す。
 慌てて両手を前方の鏡について体を支えた。
 それでも片足を持ち上げられてはまともな姿勢でいられず、顔が鏡とぶつかるように張り付いて滑り落ちる。
「あっ!!」

183:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:07:53
 浴室中に響き渡る声。すぐ目の前に有る水面への恐怖。
「や、た、助けっ……」
「おやおや、随分とまぁ綺麗なアナルをしているねぇ」
 右足が高々と持ち上げられて、肛も嚢の裏側もよく見える姿勢。
 それでもシンジが怯えるのは湯に沈められる事。溺れてしまう事。
 母のように溺死させられてしまう事。
「お、お願いし……助けて下さいっ! 僕泳げ、泳げないからッ!」
 間違いだらけの微かな記憶では、母は溺死していた。実験か何かで、大量の液体の中に消えていった。……気がする。
 それを忘れて尚、水面に対しての恐怖だけが残り、今まさに失禁してしまいそうな寒気に体が震えた。
「放してッ! 放せっ!!」
 口を開けば余計に水を飲み込んでしまうかもしれないのに。
 全く気にせずに足を持ったまま男の反対の手の親指は肛を開こうと押し拡げる。
 見えるのは排泄すら難しそうな1つの小さな点。
「水が恐い?」
「助けて……嫌だ……」
 優しく尋ねるとシンジは掠れた声で返事をした。
「水嵩は君の腕よりも低いから、ゆっくり片方ずつ手を下ろして底についてごらん」
 言われた通りに右手を下ろして湯船のそこの感触を確かめるように触る。
 続いて顔を鏡から放して左手も下ろす。と同時に、男が手を放したので右足も湯船の底へと戻った。
「……本当だ」
 安堵して両膝も湯船の底に下ろしたが、俯かない限り湯は顎を霞める程度までしか無い。
 確かに2人並んで浸かっている時に肩まで湯が届かなかったのだから、両手を伸ばせば溺れる事は無いだろう。
「でもこれで無防備だ」
 わざと誘発するかのようにこちらへと突き出した湯の中の尻を軽く叩くと、水面がパシャリと音を立てる。

184:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:10:28
「な、何するんですか?」
 恐る恐る……というより不快感を露にした声が小さく浴室に響いた。
 薄い尻の肉の丁度中間に小指を立てる。
「やっ! さ、触らないで下さっ……」
 穴ですらない点の有る窪みは小指ですら受け挿れない。
 肛をくるくると模写するように小指で撫で回すと、指の先の感触が徐々にじんわりと柔らかくなってゆく。窄みへと向かう皺が1つ1つ解けていくように。
「……くすぐ、った、い」
 上手く言葉にならないが鼻の中がむず痒くて堪らない、それが足の親指と親指の間という酷く恥ずかしい部分で起こっている。
 鏡越しにそのむず痒さに戸惑っているシンジの顔が見えた。
「あの、や……止めて、下さい」
 果たして本当に止めて欲しいのか。声にも戸惑いが含まれている。
 それに上の口よりも正直な下の口がゆっくりと菊の花開くように点から穴へ、穴から隙間へと形を変えてゆく。
―つぷっ
 滑らすように小指を肛へと押し入れた。
「ひゃッ!!」
 一際甲高いシンジの声。
 難無く第一関節まで呑み込まれた小指からわかる感触は、妙にヌルヌルしている事のみ。
 肛はぴっちりと閉じきっていたが、内部は未だ辛うじて余裕が有る。尤も、挿れているのが小指だから、だが。
「は……あ……」
 何か言おうと口を開閉させても言葉にならない。シンジの熱い息が鏡を曇らせる。
「どこ……ど、こ……触ってるんです、か……」
 今にも泣き出しそうな声で言葉が漸く紡ぎ出せた。
 それすらも黙らせるように、ゆっくりと小指を押し進める。
 湯船を満たす湯も充分に温かかったが、腸内の方が何倍も温かい。そして粘液の柔らかさと未開の証の硬さも持ち合わせている腸壁。

185:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 22:11:20
孔雀氏キタ━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
お疲れさんです。後で読ませて頂きます!

186:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:13:04
「あの、そこ……は、汚いっ……ンぅ!」
 小指を曲げるとシンジは声を失う。再び指をピンと伸ばして勢い良く引き抜いた。
―コプコプ
「はぁっ! は、アっ!!」
 突き上げてはいるが湯の中なので肛がどうなっているか見えないのが惜しい。
 ただ鏡に映っているシンジの口は喘ぎを上げながら唾液を垂らしているのが見える。
「……が、挿入ってきて……熱いっの……」
「何?」
「お湯……お尻に、お湯ぅ……お湯が入って熱くて、抜いて……お湯、取って下さい……」
 ここだ、と言わんばかりに左右に肉の薄い尻を振るので水面が波打った。
 そっと太股の付け根に触れると、今度は一切抵抗の言葉は無い。
 ゆるゆるとそこを撫でると背全体を粟立てて体を仰け反らせる。
「取って……あの、お尻からぁ、お湯……」
 先の会話以上に舌足らずな、羞恥だらけの言葉を聞き入れて、人差し指と中指を重ねるように添えて肛へと押し当てた。
 ここへきていやいやと首を横に振り、丸い後頭部が揺れる。
 2本の指を差し入れると、力を込めてきたシンジの肛は受け入れようと一瞬力が緩まった。
 ただでさえ湯が入っているのに、指と同時に更に湯が直腸へと流れ込む。
「痛ァッ……い!」
 熱さと痛みと恥ずかしさがシンジの表情を淫らに歪めた。
―ズプッ、ぬぷっ
 単調に指を出し入れするだけで膣を彷彿させる水音が肛から出ては湯に消える。
「んっ……ンっ……んあッ……」
 指が抜ける度に切なげな息が漏れ、再び挿れるとその分肛に力が篭った。
 深く指の付け根まで押し入れた時。
「アァんっ!!」
 媚びるような甘く高い掛け声で、肛が指の根元をきつく咥えた。

187:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:14:40
 2本の内の中指の先端が腸の奥の、虫刺されでも起こして腫れたようにプクッとしている部分に触れている。
「ふぁ……それ、変……」
前立腺を刺激され喘ぎ、閉じていた目をトロンとした状態で開くシンジ。
 限界まで指を挿れた更に先なので上手く届かない。両指を何度か折り曲げて、触れる時と触れない時とが有った。
「ハぁンッ! 駄目、それ! それされひゃうと……ンァ……あ、うッ! オシッコ……出ちゃうぅ……」
「シンジの言うオシッコは精液の事か? 射精したいんだろう?」
「いぃ……せーえきなんて、しない……んッ! 駄目、駄目だよ、エッチなの、僕……オシッコ、出ちゃ……」
 シンジの息が深くなって肛が隙を見せたので2本共指を抜き取った。
 コポコポコポ、と3つ音を立てて泡が浮き上がる。
「ふァ……お腹、重い……」
 重いだけではなく痛い。体がだるい。声も、それから鏡に映る頬を赤くした表情も、それを物語っていた。
 空いた右手でシンジの腹を撫でると、あれだけほっそりとしていたのに、今はほんの少し膨らみが感じられる。
「お水……取って、お腹から取って下さ……い」
 苦しそうな声だが、項垂れては湯に顔を付ける事になるのをわかっているのか、シンジの両腕はピンと伸ばしたまま。
―ぱしゃん
 小さい音を立てて水面が揺れる。シンジの汗が顎を伝って湯と一体化した。
「……トイレ、行きたい……い、行かせて、トイレでオシッコしたい……オシッコと一緒にお腹の水、出したい……」
「じゃあイカせてあげるから、白いオシッコとやらを射させてあげるから、お金もきちんと払ってあげるから、もう少し尻をこちらに向けなさい」
 余り尻ばかりを上げると顔が湯についてしまう。

188:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:15:59
 イコール溺れてしまう、と直結しているシンジは、躊躇いながらも少し両足を開いて男の方へと突き出す。
 男の両方の手が湯に浸かったシンジの折れそうな腰へと伸びた。

「しかしまぁ……君程可愛い子の処女を頂けるとは光栄だ。普通のアナルならばもっと拡張しなくてはならないが、風呂の中ならもう大丈夫だろう。それにきっと君には素質が有る」
 心なしか男の息も多少乱れていた。額から流れた汗は頬も顎も伝ってシンジの背へと落ちる。
「んっ」
 その汗にすら過敏にシンジは声を上げた。
 いざ四つん這いのシンジの腰を掴んで見下ろすと、小柄というよりも華奢な体躯をしている事がわかる。
 こんな細い体にちゃんと性器が挿入出来るのだろうか。不安な反面、想像しただけでも楽しくなってくる。
 さぞ気持ち良い事だろう。さぞ苦痛と快楽に惑わされる顔を見せるのだろう。
 性器を肛へと宛がうと、薄い肩がピクリと動いた。
―ぐに
 至って標準的な大きさの性器が肛を無理矢理に抉じ開ける。
「い、ああぁあぁアっ!!」
 悲痛なシンジの叫びに逆らって、性器を押し付けていく。目前にはシンジが頭を狂ったように左右に振っているのが見えた。
「やめ! 止めて! 抜いて!! 痛い、痛っ! お願いだから、痛いの嫌ッ!!」
 指2本咥えるだけでも精一杯だった肛がみしみしと音を立てながらカリ首を飲み込む。
「アあぁーっ……あ、う……お尻が、痛いッ……止めて、下さいっ……」
 シンジの脈拍にあわせて肛はビクンビクンと性器の少しだけ窪んだ部分を締め付けた。
 更に奥へ進めようとすると、再びシンジが首を振るう。

189:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:17:27
「駄目! もう駄目! 早く、はやっ……抜いて! お尻に変なの挿れないでッ! お風呂のお水ッ、もう出さなくて、出さなくて良いから! オシッコも我慢するっ!」
 意見を聞き入れずに性器を無理矢理進める。想像を絶する程に狭いが、腸壁はヌルっとした感触で性器を飲み込もうと努力していた。
 更に風呂の湯がたっぷりと入った直腸は、それこそ愛液を止め処無く流す膣のようにドロドロに濡れて性器に細胞1つ1つを絡ませてくる。
「あ、ア……何これぇ……お腹に、いっぱいに……お尻が痛いのに、お腹……お腹お湯で痛いのにぃ……」
 浮言を繰り返すシンジ。上の口とは対照的に下の口は根に向かって性器をグイグイと呑み込んで、従順に拡げられていった。
 先程まで排泄にしか使われなかった器官が、性器の形に合わせて自らも性器へと変貌していく。
 鈴口はぴっちりと閉じた腸壁をにちにちと抉じ開けて道を作り、終わりの無い奥を目指す。拒むように、そして受け入れるように腸壁は性器全体を締め付けた。
 もう1番太い部分は呑み込んだ後。躊躇いを捨てて性器を最後まで突き入れる。
「か、はッ!!」
 悲鳴の前に何か小さな音がしたので湯を見てみると、赤い液体が線を描く布を彷彿とさせながら浮かんできた。
「うぅ……あ、お、お尻が……痛い、止めて……」
 肛を犯して破瓜の血液を見る事が出来るとは貴重だ、と男は口元で笑う。
 初めて性器を受け入れた肛は性器を離すまいと、更に奥深く呑み込もうと脈を打つ。
 静かに貫通式を終えた性器を抜き、カリ首が引っ掛かると同時に再び奥へと突き刺した。
「ンあっ! あ、変! 駄目、それッ!!」

190:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:18:57
 先程よりも甘さが強いシンジの声。指では上手く触れられなかった部分も、完全に膨張しきった性器では簡単に届く。
 腰を緩く動かしながら、どの位置が最もシンジが悦ぶ位置かを探る。
「あっ、あッ、あっ、あっ、んあぁァっ! あぁ! イっ! イイっ! あンっ、もっと! もっと!! 駄目! 駄目っ!」
 両腕をガクガクと震わせて否定とも肯定とも知れぬ言葉を垂れ流し続けるシンジ。
 剥けたばかりの幼い性器は怒張しきってシンジ自身の腹を叩き、体系通りに小さい嚢だけが湯の中をぷちゃぷちゃと揺れていた。
「お尻! 熱いッ! オシッコっ、出ちゃうッ! あンっ! お腹と、お尻っ!!」
 湯が浴槽の縁で跳ね返る水音と、ピストンする度に性器と共に肛を出入りする少し汚らしい湯の音が、シンジの声に負けまいと浴室で響く。
 ある程度の時間湯船に浸かっているので男も足の感覚がぼやけ始めた。
 それなのに、性器とそれを挿れる為にぶつける陰毛ですら防ぎきれない恥骨への感覚は鈍る事無く悦を伝え続けてくる。
 湯の水と共に纏わりついてくる腸壁を振り解いて奥へと突き入れれば、応えるようにシンジが嬌声を上げる。逆に引き抜けば水も共にゴポゴポと抜け出そうとし、シンジの息が切なげな物に変わる。
 前に有る鏡にはシンジは自分が何をしているのか、されているのかわからないといった調子で、目を閉じて涙を堪え、口を開いて抑える事無く唾液を垂らしている姿が映っていた。
「ンンッ! そこ!! そこイイっ! 駄目、そこイイッ! は、アぁっ! 恥ずかしいッ!」
 全裸で湯船の湯におびえて、こんな大声を上げて、尻に『何か』を挿れられて。

191:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:21:36
 それなのに『何か』が尻の奥の方を突く度に、確実に気持ち良いと思っている、唾液を垂らしてまで悦んでいる自分が恥ずかしい。
「あ、あ……ア、また……ああぁあーっ! また、また出ちゃう! また出そう! そこされちゃうと、変なのっ! また、オシッコ出そうぅっ! お尻壊れそう! 壊れそうなのにッ!!」
 知識の無いシンジは壊れた人形の如くひたすらに喘ぐ。
 自分が肛門性交をしている、今しがた会ったばかりの男に排泄器官を肉茎で犯されているなんて理解していない。
 男根ではなく前立腺を刺激されて射精寸前まで追い込まれている、先程他人を罵る言葉として聞いた売春行為を自分がしているなんて思ってもいない。
 童貞のまま処女を失ってしまった等と露も感じずに、溺死と肛の痛みから逃れんばかりに侵入してきた性器を締め付けていた。
「熱い、イイぃ! お尻イイッ! 熱いのにっ! 壊れるのにッ! 来る、来るっ!」
 それが恥ずかしい事だとすらもわからずに、背を走る射精の予感を振り解きたくてシンジは自ら腰を振る。
 勿論肛に咥え込んだ性器に悦を与えようとしてではなく、ただ乱暴に無理をして左右に振ってみせるだけだが。
「お湯が! お湯がお尻いっぱい! 熱いィっ!」
「精液で満たして、もっと熱くしてあげよう」
 首を曲げてシンジの耳元で囁くと、鏡に向かっているシンジの顔の、大きな瞳が開いた。
「ンあんっ! シてっ! さっきの所、せーえきシてッ! 僕、もう怖い、ンっ!」
 どれだけ腰をぶつけても緩くならずに締め上げ続ける腸壁に性器を擦り付けながら、男はシンジの腰を引き寄せる。
「嫌、嫌だッ!」

192:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:22:55
 己の性器も腰も動かさず、湯が顎に触れて怯えるシンジの腰を手で支えて動かす乱暴な性交。
 次第に男の方も意識せずとも腰がガクガクと揺れる。
「あ、アっ! 熱い! 熱い、熱いイぃッ! 来るっ! 来る、来ちゃう! オシッコしちゃうッ!!」
 ぐ、と最奥へ、シンジを黙らせるように性器を突き刺した。
――ごぷっ、ドクドクドクっ……
 湯が満ち満ちている直腸へ追い討ちをかけるように精を注ぎ込む。
「ウッ!! あ、あああぁああぁぁぁ……んぅ……」
 何もかもを吐き出したような開放感から男が目を開けると、苦しむ声を漏らしたシンジもシンジで達していたらしく、湯船は少量の血液とかなりの量の精で濁っていた。
 シンジの息が喘ぎから完全に呼吸に変わる頃、ゆっくりと萎んだ性器を引き抜き、中にタップリと入った精や湯が抜け出す前に親指で肛をなぞってみる。
「や、ンっ! う……お腹、痛いのに……」
 軽い抵抗の言葉を吐く事しか、遅い精通を迎えたばかりのシンジには出来なかった。
 最初よりは幾分か拡張されてはいるが、ここに性器を挿入していたとは思えない程に未だ狭い。
「……のぼせてしまうから、そろそろ出ようか」
 このままシンジに触れていてはまた肌を重ねたくなる。
 そこまで体力は残っていないのに。それに、もししてしまったら確実に2人揃ってのぼせてしまうだろう。
「あ……はい……」
 掠れきった消え入りそうな声での返事。
 しかし口先だけでシンジは四つん這いの姿のまま動こうとしない。……動けそうにない。
「仕方の無い子だね。まぁ多少甘えてくれても良いか」
 よいしょ、と掛け声を付けてシンジの体を普通に座る体勢にし、そのまま膝に腕を通して横抱きにして持ち上げる。

193:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 22:24:07 vMuvKcSL
 軽そうに思っていたが、それ以上に軽い。しかし腹部がポコッと膨らんでいた。
「……おろして、おろして下さい」
「ん? 恥ずかしいかい? 別に気にする事じゃ……」
「違う、違います。でも、おろして下さい。恥ずかしい、もっと……もっと恥ずかしい、から……」
 仕方無く湯船からは出て、その縁に背を凭れさせてシンジを座らせる。
「自分で立てる?」
 シンジは首を左右に振った。
「じゃあ……」
「アっ! あ、あっち、あっち向いて……あ、ンぁ……」
 開いた目に涙を浮かべて再び息を乱すシンジ。
 ずるずると背を滑らせて、背ではなく首を浴槽の縁へと預け、両手で膨らんだ腹を押さえる。
「痛い?」
 その質問に声も出せずにシンジは頷き、心配そうに男はシンジの左の膝を押し上げて肛の辺りに目を向けた。
「初めての子に、無理をさせ過ぎたかな?」
「だ、駄目……ア、ん……退いてよ、もう僕ッ……」
 顎をがくがくっと震わせたシンジは大きく息を呑む。そして、再び目をきつく閉じる。
「あ、イ、だ……駄目ッ……ア、あぁんんうゥっ!!」
 歯を食い縛りながらシンジは力んだ。
―プシャッ
 小気味良い音を立てて小さく狭いながらも未だ閉じきれない肛から、勢い良く湯船から流れ込んだ湯が飛び出す。
 次いでドロドロと白濁した精が逆流して浴室の床を汚す。
 そして最後に少量の健康的な糞便が、聞きなれた醜い音を立てて排出された。

 制服に着替えたシンジはベッドの上で掛け布団を頭から被って体を丸めていた。
 恥ずかしい。いや、恥ずかしいなんて言葉だけでは表せない。自分の身に何が起きたかよくわからないが、最後の最後で犯した失態―ある意味それすらも媚態だが―だけは理解出来てしまう。

194:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:26:12
ゴメ、何かageてた…


 泣きたかった。だがこの年で泣くのは更に恥ずかしい気がして泣けなかった。
「もうそろそろ機嫌を直してくれないかい?」
 優しい気遣う声音で、もう何度同じ事を問われただろうか。
 ブティックホテルの1室なのだから時間制限は有る。だが、男はそれを手持ちの金で幾らでも引き伸ばせる。
 だからこそ純粋にシンジが辛い事こそ辛い、といった状態なのだが……
「僕……もう嫌です……」
 思えば恥ずかしいというよりも、自分に対しての呆れが有ったのかもしれない。
「やれやれ、本格的に嫌われてしまったか……」
「別に、嫌いとかそういうのじゃなくて!」
 掛け布団を剥いで顔を出したシンジだが、目を合わせるなり横になって急いで反対を向く。
「顔を見られたくないんです……僕が悪いんですけど……」
 元を辿ればあんな事をしてしまった理由は、その直前まで湯船で繰り広げられていた男の仕業なのだが、悪い事は全て自分で抱え込む性質のシンジはそう考えられない。
「じゃあ……せめて金だけは先に払わせてくれ。後味が悪いし、それに出来れば今後も君とこうしたいと私は思う」
 だから少しでも気に入られておきたいと、金銭的余裕が有る所を見せ付けておきたい。
「お金?」
 後頭部しか見せないまま尋ねるシンジ。
「そう。この辺りの女の子と同じ金額で良いのかな? 男の子は海外でしか買わないからわからないよ」
「海外、ですか?」
「よく行くんだよ。顔の作りを気にしなければ黒人の少年が1番良い。童貞を捨てる前に処女を捨てればエイズにならないと言えば、鵜呑みにして自らケツを差し出してくる」
 性的な方面の知識が欠落しており、あまつさえ最近はろくに保健体育の授業を受ける事が出来ないシンジには何の事よくわからない。

195:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:27:21
 ただ1つ、それがつまりは嘘なのだとはわかった。
「それに黒い肌は精液を掛けるとよく映える」
 満足そうに言う男の性癖は、どうやら体の作りに関しては男女どちらでも簡単に欲情出来るらしい。
「ただ顔がね……黒人よりも白人の顔の作りが良い。それ以上に良いのは、やっぱり同じ国の日本人だね。勿論女性の顔が良い。目は大きくて唇は……ただ日本は、セカンド・インパクト直後は随分やりやすかったけれど、今となっては1歩間違えるとすぐに犯罪だ」
 間違えなくとも、今現在既に犯罪に抵触している。
 被害者であり共犯者でもあるシンジには理解出来ないだけで。
「まぁ生きる為の法の目ばかりが厳しい、性に関しては緩いこの市では何とかなっているから助かるよ。……君はこの市の子で間違い無いよね? この市の女の子と同額で……いや、処女を堪能させてもらったのだから、多少色を付けようか」
 男とは反対側の横を向いているシンジの目の前に、数枚―決して少なくはない―が投げられた。
「それで良いかい?」
「あ、ちょ、ちょっと!」
 その札束を握り締めてシンジは上半身を起こした。制服で横になるのは初めてなので、こんなにも皺だらけになっているとは思わないだろう。
「足りないかい? それ以上は持ち合わせとして厳しいから、少し待っててもらいたいな。銀行へ行かないと……」
「そ、そうじゃなく……あの、このお金……」
 すっかり自分の物のように握ってはいるが、何故自分がこの金を手にしているのか、貰える事になっているのかシンジにはわからない。
 自分が体を売った、という事実に気付いていないのだから。
「こんな……大金、僕はどうすれば……」

196:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/10 22:29:22
「多過ぎる、なんて謙虚な事を言いたいのかい? 益々可愛いなぁ。じゃあ多い分は次の機会に取っておいてくれないか。先の名刺には連絡先が書いている」
 ポンポンと大きな手で頭を撫でられる。嬉しくて、シンジは視線を下へと向けた。
「だけど痛く辛い思いをしたのだから、この位は貰えて当然なんだよ? 他の人が払えないと言うのなら、脱がずにすぐ私の元に来なさい」
「痛く、辛い……」
「そう」
 抱き寄せられて、制服に益々皺が付く。
 暖かい。とても。空調システムが整っていなければ暑苦しい程に暖かい。
「有難う……ございます」
 痛くて辛い思いをしても、こうして抱き締めてもらえる。
 そして少しずつ金が貯まれば、きっと「お父さんも認めてくれる」し、その父の事で誤解していた人々もきっと見解が変わるのだから。
 世界で唯一にして最も認めてもらいたい相手が居る。その相手と同じサングラスを未だ掛けたままの男の腕の中で、右手で強く握り締めた金を手放さず、シンジは1つの道を歩む事を自ら決断した。


終わり。

197:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 22:38:23
孔雀氏乙です
シンジきゅん(つД`)セツナス

198:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 22:38:29
まだ読んでいないけど、あまりの嬉しさに書き込み
お疲れ様孔雀神


199:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 23:51:00
すげすぎる……!
ムスカみたいな理性型の悪党が目に浮かぶな…

官能度のあまりの高さに思わず嫉妬

200:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 23:55:05
もうなんか孔雀氏と結婚したい
好きだ

201:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/10 23:55:14
書き手の人間性は『悪役の描写』に強く現れるというが(苦笑)
シンジきゅんを抱いている理性型の893みたいな人は
おもいっきし孔雀氏の分身に見えますね。力作乙



202:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 00:10:02
なるほど
孔雀氏はムスカ、と

203:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 01:23:56
官能描写のレベル高いなぁ~


そりゃこんなの経験したら抜け出せないわ
父に認められるために売春って泣けるね
きっとどこかで、こんな自分を見て父に叱ってほしいと思ってんだろな
切ないよシンジきゅん

204:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 01:59:12
毎回孔雀氏のSS読むたびに、涙が出てくるのは何でだぜ?
このスレに来て孔雀氏と出会えた事に感謝します。

205:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 02:52:12
処女奪われるシンジきゅんに凄まじく萌えた

206:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 06:45:50
初めて来た。リアルすぎて読んでると体が痛くなるけど、職人すごいよ!
初体験シンジ君に萌えた。

207:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 16:02:44
GJ!!

208:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/11 22:10:28
GJと書き込まずにはいられない

209:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/13 01:53:43
閉鎖前にすべてまとめたいがケータイの漏れには、ただGJと書くことしか出来ない


210:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/13 02:46:58
シンジきゅん警戒心なさ杉w
GJ

211:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/14 17:44:28
>>200
自分も貴方の事を好きになりました。ハンコ押した婚姻届け持ってきて下さい。

シンジきゅんらしさとスレタイらしさが欠けてて申し訳無かったです。
所でこのスレに来てる人ってどの位のSMなら耐えられるんでしょうか。
切断は書かないようにしますが、流血とかもヤバいでしょうか。
スカ関係ももう少し描写したいとか思ってたらいい加減あぼーんでしょうか。

212:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:05:16
横レスですがシンジきゅんらしさは充分すぎる位ありますので
ご安心を。断言。スカ関係?良く分からん。

流血とかSMとか、その手の流れは生理的嫌悪感があるしゾッとするけど…
ぶっちゃけ、あっちのスレのちん○○の無茶なシナリオのせいか、
あらゆる状況に慣れたwシンジきゅんが救われるなら何でもありかと。

213:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:13:12
エロけりゃおkかと

214:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:22:38
ケツとスカは切っても切れない関係

SMは切断じゃなけりゃ、なんでもいい

とりあえずエロけりゃ!


215:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:23:22
流血やSMを見ると…何故か…反逆の血が…疼く…
支配の位置にいることで優越感に浸る者に流血の裁きを…
王を玉座から引きずり下ろし…支配した事を後悔させてやると…

嘘です。自由奔放に官能描写頑張って下され。

216:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:41:18
シンジきゅんってSも結構似合うと思うんだがそりゃ俺だけか。
EOEのアスカの首を締めるときの血走った目とか、ゼルエルを殴るときのイっちゃった顔とか。

すまん、俺だけだな…

217:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/14 18:52:59
あーそれ言えてる。あのSモードシンジきゅんの前で
殺し屋1の『垣原』の真似とかして
徐々に恐怖に怯えさせてみたいとかこっそり思ってたーw
SをMの薄気味悪さや反逆のプレッシャーで壊すって、
快感つーかなんつーか。

超余計な意見なのでそろそろ逝って来る

218:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/15 09:45:06
個人的にはシンジきゅん板って言うのが欲しいかもw

219:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/24 03:57:51
ほっしゅ

220:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/24 13:26:10
死姦までならOKかな

221:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/24 17:27:47
この状況でシンジが補完を求めたらどうなるんだろう…?
どんな世界になるだろう?

222:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/24 19:25:22
ここのシンジ君はサービス精神が旺盛だから
一皮剥けるとむしろ補完計画に興味を示すと思う

223:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/24 21:19:59
ラストは男娼バージョン補完計画発動か、死体になってまで奉仕するシンジきゅんですね。

224:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/25 19:02:48
孔雀氏はネ申

225:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/26 04:51:17
なにをあたりまえなことを

226:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/01/31 01:58:47
どうも、取り敢えずエロければSでも死姦でも補完計画でも許されると学んだ孔雀です。
補完計画はかなり面白そうだねーと思いつつ、エロ要素無くなるので書けないorz

所で。
無駄にやったら長くて5分割とかしそうな物と、
ちょっとシンジきゅんが脇役…?みたいな位置になりそうなのと、
どっちなら許されるのかなぁと思いまして、良ければご意見伺いたく。

いやエロければ良いんだろうけど。

227:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/01/31 02:14:42
どっちも



と言ったらぜいたくは日本の敵と罵られてしまいます

228:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/02/01 03:24:52
前者がいい。
孔雀氏の長編読みたい

229:孔雀 ◆nULfbdzH0k
07/02/01 23:50:50
>>228
じゃあお言葉に甘えて長いの書いてみます。
無理だったら後者の書いて投下に来ます。

本当は江戸時代?とかの、男娼の時代の完全パラレルっぽいのも書いてみたいんですけどね。
時間と知識が欲しい…orz

230:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/02/02 00:19:20
江戸!江戸!

231:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/02/02 19:17:16
>>229
補完計画ネタは某電波スレでやりつくした感がありますので
じっくり腰をすえてガツンと気合入った奴をおながいします。
江戸ってのもいいな。新鮮で


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