07/01/12 05:46:08
全てが終わった後、シンジとアスカは共に暮らしていた。アスカは量産機戦の傷が原因で右腕の感覚と左目の視力を失っていた。
それは自分のせいだ、とシンジは自分を責め、アスカに対し異常とも思える献身を行う、一方アスカはそんな事に関心は無く、内心シンジを蔑みながら、それでも拒絶も出来ず諦めの気持ちと共に漫然と時を過ごしていた。
そんなお互いに甘い毒により緩やかに破滅に向かおうとしていた時、アスカの腕は手術によって治るかもしれないという事がわかる、喜ぶシンジだったが、アスカの顔には暗い影があった。
手術を奨めるシンジだったがアスカに拒絶されてしまう、戸惑うシンジにアスカは感情を爆発させる、もし腕が治ったらアンタが側にいる理由も無くなる、だったら治らない方がいいと。
そして我に返ったアスカは全てを諦めてしまった、でもこんな事思ってるって知られたらもう側にはいられない、と去ろうとするアスカをシンジは思わず捕まえる、その手をアスカはまともに動かない右腕で払うのだった。明確な拒絶と別れのサインでもあった。
失意の中、ドイツに帰る支度をするアスカ、マヤやヒカリの制止も振り切り帰国の準備を進める、しかし彼女は分かっていた、ドイツにはもう帰る場所は無いという事に。
帰国前夜、ふらりと立ち寄った公園、そこに彼はいた
彼は待ち合わせをしていた、誰と、と彼女は問う、彼は君と、と答えた。
最後に贈り物をしたかったと彼は言った、彼女は渋々それを受け取る事にする
「もう一度会いたいと思った、その時の気持ちは、本当だと思うから」
彼女の左手には指輪、右手の指を動かさないと取れない指輪。今の彼女には取れない指輪。
彼女は思う、何だこれはと、相手の気持ちも確かめずに渡す物かと、それに私は右手が動かないのだ、半ば強制ではないか、と。
故に彼女はこう言った
「―…あんた、バカァ?」
と、残念ながら瞳の物を隠す余裕はなかったようだ
そしてこんな事を考え書いた俺はキモい