エヴァ量産機の流浪日記at EVA
エヴァ量産機の流浪日記 - 暇つぶし2ch725:七号機 ◆9Vhhtv.dG6
07/06/18 01:15:20
真っ赤に輝く光の壁が槍の行く手を遮った。
俺には見えた、光を放ちながら宙に浮くアイツの姿が。もう一つの神、アダムの姿が。
そして人の形をした神は俺の方を向き、手をかざす。
途端、俺には何が起きたのかはよく分からなかった。俺の中の補完のデータが暴走し、
具現化されたそれは波のようになって世界を覆い尽くす、そんな気がした。
事実その間の時が止まっていた。再び頭の中を幾度もよぎってゆく人の感情、こころ。
補完のそれだけではない。俺の居る今という時間の中での世界、その全てから
流れ込んでくる。ヒトだけじゃない、全生命、巨人のものだって。
やがてそれら全てからすすり泣く音が聞こえてくる。
いや現に聴いていたのだ。俺はいつの間にか現実へと立ち戻っていた。
そして一人の者が声を上げる。涙を流しながら。
 「もういいじゃないですか。分かってたことじゃないですか。
  怖いモノなんて誰にでもあるんです。でも、有りもしないモノに縋ってるより、
  目の前のモノとちゃんと向き合う方がずっといいに決まってるじゃないですか。
  ・・・神様は死んだんです。神様はもういないんです!
  だから、もう分かったじゃないですか・・・」
この声はどこまで響いたのだろうか?
宙に浮いていた槍は糸でも切られたかのように大地へと落ちた。
やがて人々は銃を捨て、巨人は膝から崩れ落ち、大声で泣き出す者もいた。
カヲルは俺に微笑みを向けている。
漸くして、俺は長い戦争が終わったことに気がついた。


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