07/03/21 16:07:09
｢オイオイ見ろよ何だありゃ！？｣
突如、教室の外から生徒の声が聞こえてきた。
｢あれは…………。ちょ、綾波じゃねぇかよ！!｣
同じく続いて驚きの声が聞こえた。
戸の方をにらんでいたシンジの目は、ファースト・チルドレン、綾波レイが入室した途端に大きく見開かれた。
｢あ…あやなみ？｣
そこに立ちつくして自分を見つめる人物の名前を、彼は思わず反芻していた。
『グレードアップ』した綾波レイに怯えているしかないヒカリの存在を無視して、レイはシンジの席へ直行した。
｢おはよう、碇君｣
シンジは目を白黒させ、息を呑みつつ答えた。
｢お、おはよう綾波｣
彼の目はレイの顔の周囲を泳いでいた。その変貌ははなはだしい。
｢ん…なぁ、綾波?｣
｢なに、碇君｣
レイはまさに全てを見通しそうな鋭い目つきで真っ直ぐ少年を睨み続ける。
立ち上がったシンジは、ためらいがちに手を伸ばし、レイの手を取った。
｢…ちょっと話があるんだけど、いいかな？2人だけで｣
そう言って外についてこいとでも言うようなジェスチャーをする。クラスメート達には感づかれませんように。
そんな彼の手を固く握ると、レイは一度うなずいた直後、自ら彼を外に引きずり出した。
｢もちろんよ碇君｣
＜やったわ。第一段階成功。計画を進めなきゃ＞
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