07/02/23 03:48:43
~第3新東京市第壱中学校-子供たちの夢の破壊はもうカリキュラムの一環~
真木タエコは今日もいつものように悩んでいた。何故自分は、ここ第3新東京市の中学校なんかで保険医を
やっているのか。給料が良いわけでもないし、巨大怪物が人類を滅ぼそうと街に襲来するのはしょっちゅうだし、
おかげで日に日に入籍への見込みは希薄なものとなり始めている。
どれもこれも、自分が大学を出て間もなく思い描いたライフスタイルとはかけ離れていた。
<何よ…26の女が『用済みだ』なんて、よくも言えた物だわ、あいつ>
何回か男と付き合うごとに事の次第は悪くなる一方だった。ああ、そうだ。あいつらはみんな異常な守銭奴で、
エゴイストすぎるんだ。そうでなきゃ、きっとただのバカだ。だが最近状況は変わった。
<そろそろまた『強制健康診断』の準備にかかろうかしら>
これらの健康診断はクジ引きのようなシステムで成り立っていた。学校のデータベースより生徒の名前が
無作為に選出され、見事当てられた不幸な人は一通りの診断を受けさせられる、といった具合だ。他の教職員は
知らなかったが、タエコは自ら事前にデータベースを弄っておいた。そこにたった一人の名前しか含まれないように。
因みに先月だけでも、碇シンジは学校で6回、ネルフで8回もの身体検査を受けている。もう少しで全裸で過ごしている
時間の方が勝りそうな勢いである。