【LAS】アスカの日記 8冊目【LAS】at EVA
【LAS】アスカの日記 8冊目【LAS】 - 暇つぶし2ch2:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/07 17:06:11
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アスカの日記 4冊目
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スレリンク(eva板)

3:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/07 17:06:28
2get
>>1

4:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/07 17:07:01
>>1俺乙

5:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/07 19:40:45
前スレ埋まるまで待機

6:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/07 21:48:13
1乙
sage進行

7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/08 00:48:09
保全

8:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/08 07:00:38
待機

9:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/08 13:03:41


10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/08 15:12:43 zrKx03/Q
10

11:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/09 01:24:41
まち

12:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/09 22:19:27
神まち

13:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/10 11:23:18
待機

14:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/10 22:04:01
大気

15:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/10 22:59:56
タイキシャトル

16:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/11 12:11:39
ここの稼働もまもなく

17:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/11 13:55:06
てーき

18:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 01:16:34
タイキブリザード

19:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 03:12:44
マチカネタンホイザ

20:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 04:48:52
タチカワボールペン

21:捨てシンジ
06/05/12 19:15:25
 ということで私は今、ペットショップにいる。首輪と鎖を買いに来たのだ。近所のミサト姉さんも言ってた。「大事なものはしっかり鎖で繋いでおかないと後で痛い目見るわよ。
大体、男なんて・・・・。」後の方はよくわからなかったが、とにかく鎖が良いらしい。
鎖に繋いだシンジをどう調きょ・・じゃなくって躾けるか想像していたら、店員さんに
「お客様、すいませんが、よだれが・・・。」と注意された。気がつくとよだれが品物にかかりそうなぐらい垂れていた。さらに近くにいる親子に「あのお姉ちゃん、一人で笑ってるよ。」「見るんじゃありません!」のおまけがつく。
まあ、とにかく、無事に首輪と鎖を購入できたわけで、実際手に取ってみると、みるみるうちによだれ・・・じゃないって、やる気が出てきた。覚悟しなさいバカシンジ!


22:捨てシンジ
06/05/12 19:17:24
結果は・・・惨敗に終わった。鎖を見せたとたん、ビビッてシンジがトイレに逃げ込んだのだ。
(断じて私の表情にビビったのではない・・・たぶん。)
台所を握っているアイツに対してこの行為は軽率だった・・・。結局、バカがずっとトイレに篭ってたため、
アタシは夕食にありつけないまま、時間が過ぎていき、帰ってきたママにこってり叱られた。
その後、二人でなだめすかして、やっと出てきた。もちろん、鎖は禁止だ。
でも私は負けない!いつかきっちり型にはめてやるから!

7冊目からの続きです。読みづらくて申し訳ない。
えー、二度目になるかもしれませんがシンジの設定はテキトーです。深く考えないでください。二人のネ申待ちの間の余興として読んでいただければ光栄です。
引き続きアドバイスがあればお願いします。ありがとうございました。


23:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 20:55:21
捨てシンジGJ!よいよ!

二人のネ申待ち。
今思えば毎日のように投下されていたお二人、それを当然と思ってこのスレを見てたわけで
最近やっぱりそれはすごいことだと思った。
まぁ確かに待ちどおしいのだが、ここは急かさずに落ち着いて待ちたい。
というわけでネ申待ち

24:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 23:28:20
ひょっとしてDAHLIA氏、否定的な意見があったからやめてしまったんじゃ・・・・。

なんかそれっぽいこと書いてたし。やる気なくしたのかも。

25:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/12 23:45:38
そうかもしれない、と思いつつも希望を捨てきれない…
戻ってきて下さい、一生のお願い

26:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 01:07:49
一生のお願いだけはやめとけ…

27:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 01:36:12
とにかく待つ

28:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 01:40:22
うむ、外野はあぁだこぅだ騒がずに、待つべきではないか
そして職人が来たら、よければ乙と言い、よくなかったら読まない、職人が来なければスレを保守し待つ。
それがベスト

29:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 01:56:04
確かにDAHLIA氏のは脱線気味だったからねぇ。
このスレ的には疑問符が付く。

30:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 07:29:39
だがそれがいい

スレ違いにしても、期待させたままの中断なんてナンセンスですよ。
ヒスt(ry

31:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 11:17:22
脱線気味だから他でやった方が、って氏も言っていたけど自分はここで良いと思う。

32:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 16:34:47
同意。
あれは日記にカテゴライズするべきだろう。

33:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 20:13:29
続けてほしいという結論で落ち着こう。

34:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 21:45:30
氏の作品は、リアル日時と合わせる事にこだわるから
しばらく日記が書けない状態の演出と自分に言い聞かせて
待っている

35:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 21:50:12
>>29
だからといって「青葉の日記」なんてスレを立てるのはナンセンスだと思うし
主軸が「アスカの日記」なら、ここでいいと思う。
面白くなる分には、狭義にならず歓迎で良いんジャネ?

36:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 21:58:24
ホリちゃんダリちゃんまち

37:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 22:29:51
まち

38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 23:00:25
漏れもダリ待ちだな。

39:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 23:03:17
マチカネホリデイ

40:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 23:08:17
なんだかんだ言って俺達は待っています。
いつか来るであろう投下を信じて。

41:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/13 23:11:47
誰がなんと言おうと待ってます

42:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/14 00:04:29
>>1
乙です、いえ、深く感謝しております。

では新スレを祝して拙作を投下しますかな。

43:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/14 00:05:27
夜の月戰い日

週末の夜なんて楽しい時間を過ごした後の延長戦みたいなもの。
リビングではなればなれに居場所を作るアタシとシンジもそれは仮の姿にすぎない。
どうやってこの間延びしそうな危うい時をうまく活用してやろうか手ぐすねをひいてるのだ。

今日はシンジの「TV見てないならチャンネル変えるよ」という一言が着火点。
BGM代わりに意味もなく流してたのがばれたかと口惜しかったけど、
シンジとて見たい番組があるわけじゃなしザッピングを繰り返して何かをごまかしてたわ。

リモコンを投げやりに置いたシンジを見つめるアタシの瞳は狩人の目、
いいえむしろ狩られるはずの獣が獲物を狙って離さない目、
交わされた視線は火花を散らし、アイツが思わずたじろげばそれは何かの合図。

ぼんやりとイスにもたれてたアイツの広げた足の中へ四つ足で近づくアタシはまさしく獣、
「TVも飽きたし楽しい事はとっくにしちゃったし、でも何か物足りないと思わないシンジ?」
少し甘えた声で誘うアタシに驚きアイツのつばを飲み込む音が静かに響いたリビング。

上目遣いの困った顔がほんのり染まればそれはアタシとアイツにしかわからないサイン、秘密のサイン。

44:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 00:06:37
ホリ氏キターーーーーー!!

45:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/14 00:08:02
たぶんアイツは知っているのだ、アタシの中にある強烈な何かを。

猫のように迫るアタシの姿はちょっとだけ寄せた胸がちらちらとして、
おまけに自分で云うのもあれだけど綺麗な足や艶かしい体の動きも相まって、
つまりアイツはもう限界、自画自賛じゃないけどアタシにめろめろね。

鼻先まで近づきいたずらたっぷりににやりと笑いかけアタシはとどめをさす、「何が物足りないと思う?」
アイツも知っているくせに本心は云わない「…どうしても僕に云わせたいの…?」
こそばゆい息遣いは答えを云ったも同然、そうよアンタはアタシを、アタシはアンタを…

そのままもたれかかりアタシは両手を回し体を預けしっかりと抱きついた。
「…最初っからこうしたいって云えばいいのにさ…」ぜったい云うもんか、アンタなんかに。
嬉しくもなさそうな顔してちゃんと抱き返すアンタの方がよっぽど素直じゃないわよ、ふんだ。

たぶんいちばん幸せだと思い、欠けていた何かを埋めて満たされる瞬間。
一緒に居て、それなりの触れあいもあるのにどうしてこうしなきゃいられないんだろう。
ほんとうは嫌いだった男の子に、今は好きになってしまった男の子に。

もっとも今も嫌いになりそうなのは膝元に当たるちょっと熱くて固い何かを感じた時、
ほんっっとオトコってこうスケベでバカでどうしようもないのよっ!そこだけはまだ慣れないのよね…むう。

でも、それすらも忘れさせるなぞる唇の魔力は忘れられなくて…それからは内緒よいくら日記でもね。
明日もこんな風に過ごせるの?それとも来週までおあずけなの?
眠りにつくまでに教えなさいよシンジ、でなきゃ許さないからね、ふふふ。

46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 00:11:28
よお、遅かったじゃないかホr(ry

47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 00:13:29
gj!

48:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 00:34:02
乙!

49:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 00:49:11
うむ、よい、すべてはこれでよい…

ダリ氏、もしもう一度会うことが出来たなら、前スレで言えなかった言葉を言うよ…

50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 01:02:42
しかし本当に外にでねえやつらだなあ。
まるで貧乏学生カップルみたいだ。

51:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 01:37:02
こんなところにいましたよ

スレリンク(eva板)l50

52:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 01:44:27
GodJob!!

53:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 15:47:19
乙。ホリ氏ネ申

54:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 20:18:07
乙です

スレ立てした甲斐がありました。今回も甘く熱い二人の抱擁にとろけそうです。

55:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/14 20:56:28


56:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/15 00:07:40
成長月期日

ちょっとだけブラがきつくなった、ミサトに聞けばサイズを改めたら?と、
しごくもっともな意見を云われたので納得してしかたなく買いに行った。

今まで買ったものが全て無駄になるのがとても腹立たしかったけど、
苦しいのは自分なのだからしょうがないと思いつつちゃっかり色々なのを選ぶのはなんなのか、
結局普段にも使える無難なものとちょっとレースが可愛いのを選んでしまったのは不覚、
…別に誰に見せるわけでもないのに…なんで無意味な所を意地張るんだろう…バカなアタシ。

帰ってからミサトに見せると「いいじゃな~い、誰に見せてもめろめろよん」と云われたけど…
先述の通りアタシは誰にも見せるつもりなんてないんだから、そう云われても納得はできない。

でもなんでだろう、アイツはそういうアタシの変化を知らず知らず気づいてる、
妙に今日は胸に向けられる目線が痛かった、アタシの顔はちらりアタシの胸はじろり、何よもう。

腹立たしさが募るのでアイツにしっかりと聞いてみた、「何見てるの?」と。
いつも通りごまかすアイツのムッツリスケベぶりがむかついたけど、それをものともせずまたアタシは探り出す、
ようやく「少し大きくなった…?」と正直な答えを聞き出してよせばいいのに誇らしげに見せつけるアタシ。

見せつけるように強調するアタシにアイツは何もできなかったけど、
真っ赤な顔と実は狙ってる狩人の目が光ったなんて全てはお見通し。

だからなのねいきなり抱きついてきたのは、貪りたがるその欲望、わかる気はするけど…
おあずけを命令してもアイツはおさまりなんかしない、しかたなくアタシは唇を犯す事だけを許したわ。
いつもより荒々しい交わしあいはそういう事?アイツに男を感じる瞬間、それはつまり…そういう事だ…むう。

最後まで行かなくても結局アタシとシンジはそんな丁度いい所で満足する、
昨日もそうだったけど…ほんとはその先を望んでるのかな?いいえまだ早いわよね。
でも教えてあげたいわ、少しだけ成長したアタシの胸がどうなのかって。

でもまあ…アイツにはまだ早いかもね、乙女の秘密を探せる心意気があるかしら?少しは見せなさいよバカシンジ、ふふ。

57:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 00:42:49
乙です


少しずつ低くなるハードル。そしていつか乗り越えられる時が。

58:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 05:53:37


59:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 06:47:03
少しずつ迫ってきてますね
たまんねえ

60:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 08:43:24
よしよし

61:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 09:07:01
乙です
どんどん素敵な二人に

62:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/15 10:07:49
(・∀・)イイ!

63:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/16 00:05:35
その先の月二人日

授業の中で将来についてのサゼッションを受けたアタシ達は、
わかりやすく幼い未来像を思い述べた事でひとまずその場は収束したけれど、
昼休みアイツと屋上でお弁当を広げた時、またその話を蒸し返してしまった。

シンジはさっきの時間明確に未来への意見を述べはしなかった、だからだろう、
「もう少ししたら大人になるのかあ…どうなってるんだろう?」なんて呟いたのは。
随分先のようでもしかしたらあっという間に辿り着いてしまう世界、そりゃ気になるわよね。

まだこれといってやりたい事も行きたい所も考えられないアタシ達にとって、
その問いかけは無意味な禅問答を生むしかできない、でもお互いの未来を思い浮かべるのはたやすいわ。

たぶんもう少し背が大きくなってる、少しは弱々しさが薄れるかしら?
ちったあ鍛えて抱きしめた時に「男」を感じさせる体つきになりなさいよ、
マッチョは嫌だけどもう少しだけたくましさを身につけなさい、これは命令よ、ほんの少しでいいんだから。

アタシ?アタシは決まってるじゃない、今より少し大人っぽく、もっと可愛くなってやるんだから。
もうそれこそ今以上に世間の男を振り返らせてやるわよ、ぜったい相手なんかしないけど、
だってしかたないでしょ、もうアタシの隣の指定席は決まってるんだから、ちょっと頼りないバカだけど。

他愛ない予想図を思い浮かべて意地悪くにやにやしてあげたら、
「何がおかしいのさ?人の顔見て」なんてすね顔、もう少し先の未来になったら教えてあげるわ、ふふ。

64:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/16 00:06:42
もう少し経ったらアタシ達はどんな風に過ごしどんな風に歩いてるんだろう?
今から何一つ変わらないままなのかしら?まだ知らず知らず傷つけあうのかしら?
それとも…どちらかが少しだけ大人になって…許容を、慈悲を、情愛を示すのかしら?

たぶんアタシは変わらない、ううん変われないと思う、それがアタシだとよくわかってはいる。
ならばあのバカシンジが変わってくれたらと思うけど…それも無理な話ね、だってアイツだし。
やっぱりいつまでたっても引いたり押したりぶつかりあったりな日々なんだろうな…ふむう。

「でもね、もう少しだけ強くなりたいんだ…守りたいから、って聞いてるのアスカ?」
想像から引き戻され聞く事ができたのは最後の部分だけなんて不覚も不覚、
なんでそう思ったの?どのくらい強くなりたいの?誰を守りたいの?ぶつけたいくつもの問いかけ、
「それは…そのう」なんてごまかすアイツに食い下がっても肝心な部分は聞かせてくれなかった、けち。

ともかくアタシ達に今必要なのは遠くて近い未来より目先のお昼よと、
ささやかな時間を二人でしっかりと味わう事にした、これもまた続けられるのかな?

食事を終え二人手すりにもたれながらまたさっきの続きを少しだけ話した。
「…たぶん、アスカは可愛くなってると思う…うん、たぶん」なんて気のきく言葉云ってくれるじゃない、
「アンタは相変らず鈍感でバカなままね、たぶんじゃなくてぜったい」「そう云うと思った」
おおげさに笑いはしなくてもかすかな笑みを交わしあいアタシ達は空を見上げた。

この空と同じものを未来にもう一度見る事ができたら、今は云えない云いたくない気持ちを伝えてあげたい、
生まれる前から変わらない青空にそんな願いを託してみた、変わらないからこそ変わりたくないと気持ちをこめて。

だからごめん、アンタにはまだつんってしちゃうと思う、それがアタシだから、
でもねいつか必ず伝えるわ、それが大人になるってことであり…望ましい未来だと思うから、
もう少しだけ我慢してね、頑張るから、自分と戦うから、もちろんシンジも大人になってね、これも命令よ!ふんだ。

65:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 00:47:29
萌え

66:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 06:12:40
乙です

二人で描く未来予想図。可愛いね。

67:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 06:46:44
乙!
アスカ可愛い

68:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 08:41:58
アンチLASだったのに一瞬で萌え死んだ
胸キュン
GJ!

69:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/16 14:20:12
5月16日

日記を書くのも久しぶりになる。 10日以上、日本を離れていた上にこの
日記帳を置いていってしまっていたからだ。 理由は、アメリカで発見された
エヴァシリーズの核の検証に立ち会って欲しい、というお偉方の申し出に
応えていたせいなのだが、その間、こちらの相棒の様子がずっと気になっていた。

ネルフが新しい組織として少しずつ動き出しているなかで、何も知らない相棒はいまだ、
私の名前を呼び続けている。 最初は何も口にしなかったのにこのところは、食事も摂るように
なってきた。 意地悪が過ぎたかもしれない。 正直私もそろそろ進展が欲しくなってきた。
私のGOサインを受けた青葉さんは、ついにシンジに対し最終兵器を繰り出したのだ。

もう一人、サードインパクト前の知人がいる。 青葉さんのこの言葉が、泣きじゃくるシンジの心を
揺らした。 二週間近くかけてようやく得たシンジの承諾。 この機に、さらに畳み掛ける。
やっと、本当の意味での再会を果たした、果たせた。 生きている最高の形で。

もう、その後はよく覚えてない。 二人とも涙腺が壊れてしまったこと、それが青葉さんにまで移ったこと、
痛いくらいに抱き合った事、シンジが初めてベッドから立ち上がった事、今までにない長いキスをしたこと。
お互いの髪が絡み合ったこと、身体と心が震えてる音を聞いたこと、それが嬉しすぎて、また泣いたこと。


何もかも分かっていて、まだ分からない。 どうして? この気持ち。
アンバランスな廃墟の中で、心からの笑顔が出来た今日。


日本へ、ただいま。
私とシンジに、ただいま。

70:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/16 14:26:59
遅ればせながら、>>1氏スレ立て乙です。
そして、ご声援をいただいた住人の皆様に感謝しつつ、復帰させていただきたいと
思います。 これからもよろしくお願いいたします。

71:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 14:42:15
きたー!

72:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 15:49:37
乙です

二重の再会。アスカとシンジの、そしてDAHLIAさんと読者の。

73:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 17:38:01
きんもーっ☆

74:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 17:38:49
きんもーっ☆

75:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 19:30:32
DAHLIA氏待っていたかいがありました。感動しました。今後ともよろしくお願いします。

76:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 20:34:11
DAHLIAさんってもしかして初代スレの職人さん?

77:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 21:10:55


78:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 21:12:46
待ってました、待ってました…!

79:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/16 22:27:51
切ないなぁ
遠距離やってた頃を思い出した。


80:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/16 23:42:13
>>DAHLIA氏

乙です、そして再開と再会、待っておりました。
これからも良作の投下を楽しみにしております、

ではこちらも投下します↓

81:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/16 23:44:04
現代月髪形事情日

二バカともアタシとも帰らずにどこかへ消えたアイツが戻ってきたのは夕方。
どうやら伸びた髪がうっとおしかったので切りに行ってきたらしい。
それにしてもせっかく切るんならヘアサロで今っぽくしてくりゃいいのに、
律儀に床屋で済ましてくるのがシンジらしいと云うかお子様というか。

「だって校則もあるしだいいち美容院は高いからミサトさんに悪いよ」
浮いた費用はビールに変わって腹の中よ、人に義理たてるより自分を立てればいいじゃない、ふん。
とはいえさっぱりしたのが嬉しいのか妙なごきげんが可愛らしいので良しとしておこう。

しかし切る前と切った後、どこがどう変わったのかまったくわかりゃしない。
「え?前髪と襟足を整えて…ボリュームを抑えて…わからないの?」わかるわけないわよ。
一生懸命説明してくれたけどアタシにとってはいつものシンジの髪形、そうとしか云えない。

どうせならと雑誌を引っぱりだして「モテる髪形」をあれこれ教えてやったけど、
「僕にはそういうの似合わないよ…それにモテたいとは思わないし…」とあっさり流された。
ま、確かにイケメン風、パーマ、ベリーショート、ソフモヒ、どれをとっても想像し難い、
一つ一つを当てはめても見事な違和感、思い浮かべたアタシを笑い死にさせないでよバカシンジ。

まあ、今の髪形はアンタにぴったりなやりすぎずさりとて目立ちもしないもの、
髪にあれこれ悩んでキメてくるアンタなんてらしくないかもね、
ほんとはそんなシンジも見てみたい気はするけど…今のシンジがシンジらしいから無理は云わない。

82:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/16 23:46:07
「僕の事はもういいよ、アスカは髪切りに行かないの?」そら来ると思ったわ。
そういう気分になる時もあるけれど、やっぱり乙女の魅力は長い髪、これでも自慢の一つなのよ。
あと…まだママが生きてた頃アタシのこの髪形を好きだった、ってのもあるけどね…
ちょっと何を書かせるのよ!アンタなんかにはぜったい教えない秘密なんだから!

「そうだよね、僕もアスカは長い方が似合ってると思うし…好きだな…」
最後の方だけ声がこもって聞こえなくなるのはほんとアンタらしいわね、
今さら恥ずかしがる間柄じゃないでしょ、ちったあそういう所を改めなさいよ。
もう何回抱き合ったの?唇を重ねたの?そっちの方が恥ずかしいわよ、もう。

それにアンタのそういうさりげない心を惑わす言葉だって、
アタシにとってはものすごく恥ずかしいわ、こそばゆいのは息もセリフも困っちゃうのよ。
まあ、バカシンジにしては上出来な言葉の数々を褒めてはあげようかな、
もっとも口に出して賞賛なんかしないわ、だってアイツすぐ増長するんだもの。

落とし損ねた髪の切れ端がちくちくするからって珍しくアイツが先にお風呂へ入ったけど、
さらにさっぱりした自分の髪よりも、アタシの洗いたての髪の方が気になるなんて、ほんとバカね。

そういうわけで今日は抱き合ったついでに互いの髪の香りを味わってしまった。
アイツの香りもよかったけど、アタシの香りはどおだった?ちゃんとそのうち教えなさいよ。

もっとも愛おしそうにアタシの髪ヘ埋めたアイツの顔をみればいい香りだとわかるけど、けどね…ね?シンジ。
でもシンジの香りは誰にもそしてアンタにも教えないわ、それは秘密、アタシだけが知っていればいいの。

鼻先にのこった香りがまだ消えない内に筆を置いて夢の中まで持っていこうっと。

83:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 00:26:10
乙かれです。
どうせなら一緒に美容院に行く展開なんていうのも見たかったかな







いやシンジに女装させて連れて行くとかじゃないですよ?

84:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 00:47:56
>>83
美容院は女だけなんて思ってる人いないだろう


そんでホリ氏乙です。

85:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 01:44:40
あぁ、マジでホリさんイィ!
本当にあったけぇ。
15、6ぐらいってこんな感じの恋愛だよなぁ。
そういう気持ちを丹念に書けるってのが本当にすごい
マジ学生時代に戻りたいなぁ。。。

86:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/17 01:59:05
5月16日

今日は僕の人生の中でも、初めてエヴァに乗ったあの日以上に忘れられない日に
なった。 今いる病室で目を覚ましてから、毎日のように青葉さんが会いに来て
くれていた。 嬉しかったけど、その度に一緒にネルフを立ち上げよう、と誘われるのには
参っていた。 だって、僕なんかがなんの力になれるわけでもないから。
青葉さんは、僕を是非仲間に入れたい、君じゃないとダメだなんて言ってくれて。


好きな子一人、繋いでおけなかった僕に、何の価値もない。 そう思ってた。
けど、今日青葉さんが今まで隠していた重大なことを告げた。 僕がネルフに協力するなら、という
条件で同様に参加を決めかねている知人がいる、と。 僕は恐る恐るではあったものの、
その正体知りたさに首を縦に振った。 このベッドの上で、初めて歩いたような瞬間だった。

そこには、大好きな女の子が待っていた。 一番逢いたかった彼女が待っていた。
他の誰にも埋められないものを埋めてくれる人が、同じ気持ちで僕の顔を見ていたんだ。
今日ほど、嬉しかった日はない。  辛い一ヶ月だったけど、生きていて、良かった。


でも、その後青葉さんに渡された新ネルフの人事予定表に、思わず声を上げて驚いてしまった。
青葉さんとアスカは、最初から分かっていたような顔で僕を笑っている。 本気なのか。


総司令 碇 シンジ
副指令 惣流 アスカ ラングレー
補佐 青葉 シゲル

87:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/17 02:04:02
即興でシンジ日記を書いてみました。
ほとんどアスカバージョンと変わりませんけど(苦笑)。
レスを下さった住人の皆様、ありがとうございます。

>ホリデイ氏
お疲れ様です。 今スレでもよろしくお願いします。
一日一日のリアルな描写と、大袈裟じゃない出来事に二人の息吹を感じます。
毎度ながらただただGJです。 これからも楽しませてくださいね。



88:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 06:52:10
乙です

ホ:ちょっとした事が喜びだったあの頃を思い出しました。遠くまできてしまったな・・。
D:この人事には裏がありそうです。波瀾万丈の予感。頑張って。

89:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 12:25:06
切ない

90:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 13:24:16
GJ!ダリ氏またもや意外な展開www
もう本当に読んでておもろいよ!今後も頑張ってくれ!

91:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 14:22:42
お二方とも乙です

92:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 17:49:11


93:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/17 23:37:38
wktk

94:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/18 01:42:32
5月17日

相棒の退院まで秒読み態勢に入った。 紆余曲折あったけど、二人での暮らしが
帰ってきた。 訳も分からず二人きりで投げ出された以前の生活と違い、これは
二人で掴み取った現実なんだと、私達の新しい誇りになった。

今日はお見舞いに行き、半身を起こして新組織の暫定事項に目を通す相棒の横で
林檎を剥いてあげた。 前にドラマでこんなシーンを見た記憶があり、いい機会なので
再現してみたくなったのだ。 が、私は果物ナイフが上手に使えない。
プログナイフで使徒を串刺しにする術には自信があるのに、リンゴの方が手強いだなんて。

苦心する私を察して手を貸そうとするシンジを跳ね除けて無理をすれば、左手の親指を少し
切ってしまった。 痛みは大した事は無いが、腹立たしくて大げさに叫んでしまった。
するとシンジは、これまたドラマの再現、止血と言う建前で親指を口に含んでくれた。
ちょっと恥ずかしかったけど、僅かにシンジが大人びて見えたことに口元が緩んだようだ。

深く掘ってしまったような剥き掛けのリンゴの赤さ。 多分私の顔も同じだった。
弐号機、プラグスーツ、ヘッドセット、そしてシンジと一緒にいる時のこの心。
赤は、私の色。

それを一番よく知るシンジはかけがえのない理解者。 
二人で食べたリンゴの甘さに、今日はお互い、真っ赤になった。

そう、幸せだった。

95:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 05:34:48
乙です

ドラマみたいな恋がしたい。繰り返されて刻み込まれる絆。

96:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 09:29:57
>>94

> そう、幸せだった。


・・・!!
過去形?

97:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 10:06:35
んあっ!?
過去系だっ!

あ~展開気になるなぁ…
いつもながらGJ!休憩時間のよい楽しみになってます。

98:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 10:10:40


99:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 11:06:11
別離

100:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 12:52:24
一日を振り返ってただ過去形にしてるだけだと信じたい

101:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 13:59:55
そうじゃないかな

102:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 15:06:31
深い意味じゃないと思うが…
ま、これからまた展開があるのは確かだろうし、楽しみだな~

103:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/18 19:22:25
くしゃみ月三回日

さっぱりしない天気が続いたせいか鼻風邪をひいた、ええいうざったい。
動けないほど辛くないくせに関節が痛むわ鼻づまりがやまないわでもう最悪。
おかげで今日の学校はえらい長く感じた、これなら嘘ついてでも途中で帰りゃよかった、へくちっ…むう。

こういう日はさっさとお風呂入って薬飲んで寝るに限るわね、
早く夜にならないかと待ち焦がれた頃お節介なバカが余計事を聞いてきた。

温かい格好して早く寝た方がいいとか、お粥作った方がいい?とかまったくいちいちなんなのか、
近づいたら伝染すわよと憎まれ口を叩いたら「せっかく心配してるのに!」と他愛無い口げんかの始まり。

さんざんわめきあえば「はいそれまでー」とミサトの仲裁が入りひとまず休戦。
それでも黙るシンジにアタシはぶつくさ文句を止めず一方通行な一幕はまだ続いた。
困った顔のままのシンジがふと何かに気づいたみたくアタシを見つめた、いったい何なのよ?

「…鼻声のアスカ、なんか可愛いや…」ほんとこの男はバカとしか云えないわ。
「うん、そう思う、僕はそう思った」何度も確かめるみたく云わないでよしつこいわね。
何バカ云ってんのよ、そう返したらまたくしゃみが一つ、へくちっ…アイツの微笑みがくやしい、くそう。

ほんとアイツはまったく無意識にそういう言葉を吐いて人の心を惑わすんだから。
う、嬉しくなんかないわよっ、なんだか小馬鹿にされたようで、嬉しくなんかないんだからっ。
余計な心配も似合わない気遣いもぜんぜんぜんぜん嬉しくなんか…ないんだから…

104:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/18 19:23:26
嘘、ほんとは嬉しいのよ、でも認めたくないの、でも嬉しい、ええいなんなのよ。

…でもそんなに鼻声のアタシって可愛いのかな…?
思わずテープレコーダーを引っぱり出して録音してみようかとしたのは間違いなく不覚。
これは全て微熱のせいでぼうっとした頭が引き起こした失態、理性なきアタシの失敗。

そうよ、あの時こそばゆい文句を云われて顔が赤かったのも微熱のせい、
何が鼻声が可愛い、よ、しれっとした顔で云ってくれちゃってさこのムッツリスケベ、
すべては不測の風邪が起こした事態、アタシの意識が起こしたものではない、きっちり記しておく。

…でもなあ…せっかくアイツが伝えてくれた言葉…やっぱり嬉しくないわけないでしょ…
御丁寧に湯たんぽまで持ってきてくれたアイツを前時代的とバカにしながらも、
鼻声で「ありがとう…」と応えてあげた、嬉しそうなアイツの顔はアタシも嬉しい、そして好きだ。

もう少しだけひいて鼻声のアタシがどうなのかちゃんと教えてもらおうかな…
ううん、ちゃっちゃと治して健康体に戻りたいわよ鬱陶しいし、でも、でもね…

ひとまず布団にもぐりこんだアタシは湯たんぽの温かさをとても感謝して、
どうせならアンタを猫じゃないけど湯たんぽ代わりにしたかったわよと、
また微熱が生み出した言葉をつぶやいてにやにやしながら…寝る事にしたわ…おやすみなさい、へ、へくちっ…

105:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 19:29:13
乙です


恋は全てに魔法をかける。鼻声もそれは女神の声。甘いなあ。

106:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 20:37:03
GJ!

まさに微熱な恋だ

107:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/18 21:19:52
アスカテラカワユス

108:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/19 02:19:31
5月18日

外は、激しくはないけど冷たい雨。 立ち上がろうとする街の人達に、一時の休息を
促さんとしているかのように。 私もこんな日は、相棒の病室から出るつもりは無い。
その気持ちには、天候なんか関係ない気もするけど。 今の私には憂鬱になる要素がないのだ。

かつて浜辺でいた頃と同じ、昔話を繰り返す。 時折、じゃれあってみたりする。
そんな戯れの時間を、遠くか近くか、見ている気配がある。 私もシンジも、気付いていながら
言葉には出さない。 もう、eyeコンタクトなどという領域を超越した私達の意思疎通。
二人で呼吸を合わせ、「それ」を呼んだ。 声に出さず、こちらも気配で訴えかけた。

ファーストは、ゆっくり私達に近寄ってきた。 見えないけど、見えた。 近寄ってきたはずなのだ。
珍しく、寂しそうな表情をしている。 私は、嫉妬と言う感情を感じ取った。
まだまだ乙女心を理解し得ないシンジは、私がいるから来ないで欲しい、なんて一端の複雑な顔をして、言った。
私の制止も聞かずに消えてしまったファースト。 納得が出来ずにシンジに怒鳴りかけると、突然私を抱き締めてくる。


綾波レイが怖かったと、その肩は震えていた。 この気持ち、私には分からない。
私の言いたい事はかき消され、気分の良くない時間に雨音が重なった。 私は逃げ場所じゃないのに。

今日は自分の為にと言い聞かせ、シンジを許した。 せめて心の中は晴らしておきたかったから。
拒絶という選択肢が自分を閉じ込めていく事、充分にコイツは知っているはずなのに。
まあいい。 それなら、私がこじ開けるための鍵になるまで。 運命共同体の決意は揺らぐもんですか。


私も、随分変わったと思う。 何より、今の自分を愛せていることが。
だから…、ついて来るのよ、バカシンジ。


109:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/19 02:29:06
>>108
乙。健気だなぁ

110:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/19 05:48:38
乙です


閉ざされた心、繋げる心。愛は二人を、そして世界を救う。

111:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/19 19:24:31
乙。

112:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/19 20:32:18


113:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 02:15:55
GJ!
二人と、世界のRestart

114:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/20 02:17:51
5月19日

今朝、自分の部屋で朝食を取っていると電話が鳴った。
あくまで非常連絡用として持たされている携帯電話。 ディスプレイに出た番号は
唯一登録してある青葉さんのものではなく、知らない番号だった。
気になって出てみると、耳に入ったのは弱々しいけど澄んでいる、私の一番好きな声だった。
昨日、持たされたから試しにかけてみた、との事だったが本当にただそれだけだったのか
話題が無く、お互いどもってしまった。 電池の無駄だと言って切ってしまったが、無性に
顔が見たくなり、私は今日も病院へと駆け出していったのだ。

相棒の名を呼びながら病室へ飛び込んだ。背中を向けて白い布団にくるまっているシンジに
上から、走ってきた勢いのまま覆いかぶさってやった。 さぞ、喜ぶだろうと思いながら。
しかし、どうしたのかシンジは硬直して動かない。 被さった瞬間にビクンと動いたから、
余程驚いたのか、それとも寝ていたのを起こされて機嫌が悪いのだろうか。


どうしたのよと聞いてみれば、泣きそうな声で見ないでと哀願するシンジ。
そう言われてはかえって関心をあおってしまう事に気付かず、やっぱりバカシンジ。
離そうとしない掛け布団を無理矢理引き剥がしてみれば、見えた光景は唖然とするものだった。

左手にボロボロの、かつて私の顔に巻かれていた包帯。 
詳しくは書かないがベトベトの右手。 
そして普段は決して晒すことのない部位。

久しぶりに悲鳴をあげて、相棒の頬に真っ赤な手形を付けるハメになった。
予告無しで現れた私も悪い、とシンジは力なく反論したが、聞いてやらなかった。
こういうことに本気で落ち込む男なので、それ以上責めることはしなかったが、
非常に複雑な気分だった。 以前四六時中プラグスーツ姿だったのも、今頃効いているらしい。
やれやれと思いながら、今、巻いている包帯をプレゼントしてやった。


何をしているのか、私は。

115:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 02:38:36
ナニですか?

116:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 06:06:07
ワロス

117:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 08:28:43
乙です

笑っちゃったけど・・その中でもアスカの大人っぽさが見える。お姉さんアスカ。

118:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 09:43:52


119:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 14:52:02
二人とも惨下を通りながらも成長してるってのが、
よく分かるなぁ
でもまだまだ若いね
GJ!

120:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/20 20:23:42
ていうか、シンジ何やってるんだw

121:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 00:22:44
ホリちゃんはいずこ

122:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/21 01:46:02
あなたに月なれたなら日

キュロットスカートが流行ってるので買ってみた。
ホットパンツほどどぎつくないしミニスカートほど合わせにくくもないので、
なかなか重宝しそうな予感、ちょっと前までは古い格好だと思われてたなんて。

「アスカ足綺麗だからそういうの似合うわよね」ミサトにほめられたけど、
アタシにとっては彼女みたく大人のスタイルが似合うのがうらやましいから、
嬉しくてもなんだか素直に喜べなかった、ほんとうはあなたのようになりたい、なんて。

もう少し時を重ねれば自然とそういうのが身につくのかな?
「見せかけにすぎないわ、わかりやすい鎧で自分を守ってるだけ、若さは最良のファッションよ」
ミサトもまたアタシをうらやんでる、アタシもミサトをうらやんでるのに、ままならないなんて不思議ね。

でも大人になりたい、今よりももう少しだけまともになれるような気がして。
「大人になってしまっただけ、後で気づくものよ代わりに大事な何かを失ったって」
「反面教師にしろとは云わないけど…私みたく失敗ばかりの生き方よりあなた達には真直ぐ進んでほしいの」
悲しげにそれでいて力強く諭すミサトの言葉はアタシの心にしっかりと刻まれた。
わかってるわ、応えるから、でもねミサトも含めて皆いい方向に進む事をアタシは第一に望むわ。

幸せが独り占めできたらいいとは思う、でも代わりに誰かが不幸に陥るなんて見たくはない。
全てが上手くいくほど世の中甘くはないわ、ただ少なくともアタシの知る限りの人達が幸せに護られていてほしい。
ミサトにそれとなくこぼせばにっこりと微笑んでくれた、やっぱりあなたになりたい、なれるものなら。

ところでシンジにこの姿を見せたら何も云わず赤くなってしまった、何よこれしきの事で。
街でこういう格好の子を見てそれとなく意識はしていたらしい、やっぱりムッツリスケベなんだから。
でもそのおかげで明日はお出かけする事を言い出してくれた、もちろんこの姿でとの条件付きで、ふふ。

大人にすぐなれなくても今のアタシをめいいっぱい欲してくれる人がいるのだから、それでいいのよね、そう今は。
けれどもいつかその人に見せてあげたいの成長したアタシを、もっとも同じように成長したアンタによ、ね、シンジ…?

123:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 03:55:30
ホリデイ乙

124:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 04:45:54
ふふ乙

125:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 08:32:36
乙です

幸せは二人で、いやみんなで作るもの。一抹の悲しさと微笑ましさ。

126:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 08:38:22
よいね

127:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 16:20:05
乙です。
最近は一度の投下で完結ですね。毎回楽しみに読ませて頂いています。これからも宜しくお願いしますだ。

128:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/21 19:09:30


129:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/22 04:32:52
5月21日

待ちに待った日がやってきた。 相棒がようやく退院する日。
すでに新組織のトップの椅子が用意されていることに本人がいまだ釈然と
しない様子だが、盛大に迎え入れる準備は、副司令として怠っていない。
これは私が決めたこと。 政府の人間はあくまで年長の青葉さんに持ちかけた
話だとしているが、内緒でそういう役割だと決めたのだ。 そう、青葉さんは
私達のサポートにまわりたいそうだ。 主役は、私とシンジ。 


それはさておき、今日は退院祝いパーティーで盛り上がった。
三人で、贅沢とは言えないけどご馳走を食べて、笑って、騒いで。
楽しかったけど、青葉さんのリクエストでキスをさせられたのは難儀だった。
誰かに見られていると、異様なほど恥ずかしかった。 それでも場の
空気に乗っかって、ためらうシンジに強引に唇を押し付けた私は、多分愛情が
プライドに変わっていい人間になれたのだと思えた。  青葉さんには、ちょっと感謝。

すっかり恋人扱いの私達だけど、これからは上司、部下という関係になる。
シンジがそういうがらではないと私も知っている。 それでもあえて、私はシンジの部下になる。
残されたものを守ること。 残されたものの中で精一杯生きること。 そして、
やり直すのではなく、前に進む事。 これからの生き方に、もう澱みはない。


よろしくね、碇司令♥

130:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/22 04:36:01
5月21日

今日は入院生活最後の日。 迎えに来てくれたのは、毎日来てたけどやっぱり
嬉しい僕のパートナーだった。 青葉さんは昼間仕事があったそうで、アスカと
二人で病院をあとにすることになった。

街の中は、まだまだサードインパクトの傷跡が生々しく残っている。
そんな中でも割と大きく、きれいな政府のビル。 今、アスカや青葉さんが住むこの
建物が今日から、僕の住居にもなる。 街の人達には悪い気もするけど、また
アスカと暮らせる事は嬉しくって仕方がない。  やっぱり…最低かな、僕って。


でも、アスカと青葉さんは、僕の退院を心から喜んでお祝いしてくれた。
たった三人だけど、いつかを思い出せたような、楽しい時間だった。
キスを迫られたのはちょっと悪ノリだと思ったけど、恥ずかしがる僕が
青葉さんのお気に入りらしい。 なんとも、困った話だ。

今日から、アスカと同じ部屋で共同生活することになった。
以前の生活が屋内になっただけだから、そんなに違わないけど、これは
冷静に考えるとすごいと思う。 何より、アスカと出逢ってからはほとんどずっと
一緒に暮らしてるんだ。 もう僕も、特別な縁があったことを疑ってはいない。

だからこれからもずっと、一緒に暮らしていくんだ、アスカと。

131:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 06:41:35


132:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 11:19:54
乙です

退かぬ媚びぬ顧みぬ(違。
アスカの当てにする想い、そしてシンジの決意。それは新たなる旅立ち。
ハートマークが可愛いね。

133:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 12:18:12
ポエマーなスレでつね

134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 19:27:57
愛してる

135:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/22 20:31:30
恋は月水色日

お腹の辺りの肉が気になったため市民プールへ行き一泳ぎして減らす事にした。

なぜシンジもいるかと云うと記録や監視を兼ねた雑用係として採用したため、それ以上の意味はない。
だから新しい水着をなぜか持ってきたのも偶然にすぎない、決して見せつけたかったのではない…たぶん。
誰が泳ぎは苦手だとぐずるアイツを無理矢理連れてきて見せようなんて思うの?
うじうじするバカを引っぱりだしたアタシを褒めてほしいものよ、まったく、ふん。

幾度も往復を繰り返した所で小休止、イスでくつろぐバカにどうせならと誘えば、
「人は浮くようにはできてないの」といっちょまえな口を聞いたのがかちんときて、
そのままプールの中へ蹴落としておいた、盛大な音としぶきがはちきれた瞬間。

せきこみながらも器用に泳ぐ姿からなんだやればできるんじゃないと思ったら、
「泳ぐのは嫌いだし苦手なの、すすんでしたい事じゃないよ」とアイツらしい答え。
そうよね、アンタって何事にも対応できるくせに自ら動こうとはしないんだから、
エヴァに乗る事も、チェロを弾く事も、料理も家事も、みんな人に云われたから、だもんね。

「そういう云い方ないだろ」とすねるのは図星ってことでしょ、ふふ、わかりやすいんだから。
悪さがみつかってうなだれた子どもみたいなアイツの濡れた髪と体を、
そっとタオルで拭ってあげたのは「ごめんね」の代わり、ちったあ嬉しく思いなさいよ、
このアタシが優しくしてあげるなんて滅多にないことなんだからね、それもアンタだけに、よ。

136:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/22 20:32:37
「アスカはそうやって自我が強いからさあ…」とむくれたままのアイツは、
アタシにぶつぶつ聞こえない文句をこぼしてはやめこぼしてはやめ。
こうやって一度へこめばそれっきり意識は下降線を辿るだけなんだから、もう。

「3-A」と書かれた水泳パンツと揃って情けないアイツにアタシはちゃんと教えておいた。
そんなアンタでも自分から進んで、ちゃんと決めた事が存在してるじゃない、と。

不思議そうな顔で見つめるシンジにアタシは言葉を続けた、「アタシを選んだ事、よ」と。
一瞬にして火が灯った様に赤さを増したアイツは隠せないたじろぎを見せつけ、
「そ、それは、そうしなきゃ僕は…僕の気持ちが…」あーその先はくすぐったいからやめて。
ったく女の子にこんな事云わせないでよ、まあ、そういうセリフが出ないのもアイツらしさだけど。

もう一泳ぎして帰ろうと誘いアタシとシンジはプールに向かって歩き出した。
「僕はちゃんと決めたんだよ」「何が?」「…さっきの話」「わかってるわよそれくらい」
スタートラインに辿り着きアタシ達は体勢を整えた、ゆっくりと体を曲げながら会話は続く、
「成長してるって事よアンタも」「…ありがと」「…ううんほんとは嬉しかったんだから」「何が?」

もう一度聞かれるのが恥ずかしくてアタシは勢いよく飛び込んだ、
慌ててアイツも飛び込むというよりは落ちるように水の中へと後を追ったはずだ、
ゴールが近づく前にアイツの姿を確認するとアタシは潜ったまま待ってみた。

水色の世界の中で顔を見合わせれば鼻先にひらめくのはアイツの柔らかい唇、それに返事をしておいた。

ところで体重計の数値はそれほど極端な変化を示してはくれなかった、
これからは定期的にプールへ向かわなくては、仕方がないわ…
もちろんあの非協力的な雑用係を連れてかなくてはいけないのも仕方がないわ、いいわねシンジ?

137:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 20:37:46
テラモエス

138:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 21:28:34
乙です


二人で前に進む。その表現の仕方が巧みですね。さすがです。

139:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/22 22:57:45
アスカがどんどん素敵になっていくな。
女の子はいつも男の子より大人なんだよな。

140:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 00:15:57
水の中の・・・。激しく萌え。

141:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 00:19:13
モエサイコーー!!!









パシャ…

142:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/23 02:08:13
5月22日

ゆくゆくは重役になる私達だが、今の時点では特にやる事はなかったりする。
今日は相棒と二人で外を歩いた。 再会後初のデートを堪能するつもりで、部屋を出た。
しかし何もない浜辺を歩いていた時よりも、殺風景に感じられる今の街並が物悲しい。
躍動感はある。 でもそれに状況が追いついていないから。 まだ、傷口を止血する作業の
途中なのだ。 そもそも生存している人達でさえ、身元が判明しているのは僅か。
誰なのか調べようもない遺体が日々、あちこちから転がり出る。 聞こえてくるのは
笑い声より、悲鳴や泣き声が圧倒的に多いのだ。 そう、満たされて笑顔を見せる私とシンジは
浮いてしまっている。 この雰囲気の冷たさに、たまに負けそうになる。

分からないまま、集団で葬られてしまう火葬場の横を通った。 嫌な臭いと嗚咽が、
耳と鼻を歪めようとしてくる。 私はすぐに立ち去りたかったのに、シンジは立ち止まった。
そして、事もあろうに十字のペンダントを見つめている。 眼を、潤ませている。


分かってる。 私とは別の意味で、シンジがまだ、愛している女性。
私も、まだ振り切れていない想いが残っているから、シンジの痛みが伝わる。
「家族」だったのに、こうして弔ってもあげられないのか。 悔しい。


せめてこれからの「家族」を、手放してたまるもんか。
この国に来てから、初めて手にしていた三人での暮らし、忘れるもんか。
目を閉じれば、ミサトはいつも笑顔でいる。  忘れるもんか。

そして今は、シンジという家族がいる。


負けるもんか。

143:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 07:01:12
乙です
力強いなぁ

144:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 08:24:34
乙です

戻ってくるのは補完時にまだ生きていた人達なんですね。消せぬ想い、返らない想い、そして守り続ける想い。

145:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 09:20:10
繊細なスレだな。
今日のダリ氏のは泣いた

146:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 10:37:38
乙です。
…泣いてしまった

147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 12:15:59
いいなこのスレ。
久々に自分の涙を見たよ

148:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 13:51:20
今まで「泣いたよ」とかレスしてんのは全部感動したっていう例えかと思ってたけど、違った。
泣いたよ

149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 19:21:22


150:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/23 21:06:08
私だけの月指定席日

わけもなく寂しくなって独り砂利を噛むような気持ちで帰り道。

辿り着いても着替えるのすらおっくうで、一念発起して普段着姿に。
ジンジャーエールのペットを抱えて夕焼けが滲むベランダへとぼとぼ向かった。

どうして独りになるんだろう、生まれてから死ぬまでそうだと知っては見ても。
いつも隣には誰もいなかった、ママはいつの間にか息をしなくなってパパの顔は仮面になっていた。
だから自分を鼓舞して慰めた、自分が自分であるために、独りは唯一人であると勘違いして。

その果てに見たのは九つの槍に貫かれ貪られた体と、紅い水に汚され消えた心。

死にたくなかったけど生きたくもなかった日々はやがて勝手に隣に来た誰かのせいで、
いつの間にか少しは生きていた方がましだと思う日々に変わっていった、感謝なんてしてないけど。

でも傷つけあい、舐めあい、うんざりしては渇いた心を潤してほしいと繰り返すのは変わらない。
その度に意味を知る、隣に居続けてくれた人の、その人の心の、その人の想いの。

最初は何にもできなかった、そのまま拒みあい憎しみあった、
でも、それから、ほんの少し、少しづつ進んで、触れあって、今、アイツが隣にいる…
何よ、なんにもしてくれなかったたくせにいつの間にか近づいてくれて………ばか…

151:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/23 21:07:02
誰もいなかった、でも今は隣にいるんだ、それだけが支えとなって…
何一つしてくれなくてもいい、手を繋ぐ事も、抱きしめてくれる事も、キスですらも。
ふと襲いかかる何かに押しつぶされそうな瞬間、隣にいる事を教えてくれるだけで。

それだけでアタシは嬉しくなる、切なくなる、泣きたくなる。
ぜったいにそんな気持ちも姿も教えてあげないけど、それは心に浮かぶ真実。

だから今いない事が耐えられなくなった、涙なんて流さないけど心は雨模様。
いつまでも消えない不安はこういう時に限ってやけに大きくふくらんで破裂寸前、
時が重ねられても待つわ、でもお願い、陽が沈む前には姿を見せて、でないと…もう…

ジンジャーエールの苦さが気になり出した頃、玄関から空気音が響いた。
弱気な「ただいま」と強気な「おかえり」が交わりあうと間髪入れずに命令した。
「夕焼けが綺麗だからすぐこっちに来なさい!隣の特等席を用意したから」と。

深い意味は知らずに「ありがとう」と近づいてくるアンタをどれだけ待ったと思う?
いつもなんて贅沢は云わない、大事な時は必ずなんてわがままもいわない、
ただ、一日に一回でいいから隣にアンタがいるって感じさせて、それだけでいいの。

もう二度と誰も隣にいない、いてほしくないと願った日々を忘れさせて。
そして隣に誰かがいるって事をしっかりと教え続けて、
そのための碇シンジであり、アタシの大切な人なのだから、わかってる?

152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 21:14:49
乙です


誰も一人では生きられない。切実なアスカの想いが伝わってきます。これからも頑張って。

153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 21:23:50
すげえな

154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 22:08:03
なんか、人との絆を大切にしようと思った。
ホリディ氏はなぜそんなに女心が分かるのか不思議でならない。

155:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/23 22:38:36
読んでてスゲー切なくなるのは何故ですか?

156:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 00:22:42
>>155
あなたが優しいから。

157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 00:57:05
泣きました

158:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 01:02:52


159:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/24 01:20:43
5月23日

久しぶりに、腹を抱えて笑ってしまった。
相棒がこの街で発見された時、着ていた服は私のためにコイツが用意していた
スカートだったのだ。 他にないので仕方なく着ていたらしいが、ちょっと
興味が沸いてそれを穿かせてみたのだ。 嫌がってはいるが、最終的には拒めない、
それがシンジ。

…似合う。 女の私よりも、下手をするとはまっている感がある。 何度か襲われそうに
なったらしいが、これはやむを得ない気がするほどに。 恥ずかしがる姿が、飢えた男の
鼻息を荒くさせたことは簡単に想像できる。 そう考えると、吹きだしてしまって大笑い。
さすがに、男である以上不機嫌にもなった。 謝って、お詫びに一緒にバスタイムを過ごす事にした。

あの浜辺での暮らしでも一緒に身体は洗っていたけれど今は、ちゃんとしたお風呂場で、石鹸を使って
身体を洗える。 熱いお湯に浸かることもできる。 まっとうなバスタイムなのだ。
私はあまり、変わった感じを受けていなかったけど、シンジは必要以上に興奮していた。
真っ赤な顔をして、動きから喋りからぎこちない。 ますます、どちらが女なのかという気がしてしまう。
私は面白がって、背中を流してあげるといいながらそのまま抱きついた。 

赤いものを噴出して倒れてしまったシンジ。 こんなのは漫画の話だと思ってたのに、現実に見てしまった。
不思議なものだ。 一緒に寝る時は力強く抱いてくるくせに、まだ免疫がないなんて。
少しあきれ返りながらも、純粋なその頬に唇を付けて、上がりすぎた熱を吸ってあげた。


結局私は、こんなところも含めて、碇シンジを欲しがってる。
当たり前のことに気付かされて、 私も少しだけ、心が熱くなった。
冷まさずに、今日は、おやすみなさい。

160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 01:23:50
乙です


少し小悪魔ですね。それでも/だからこそ、かけがえのないパートナーなのかも。

161:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 01:28:48
>一緒に寝る時は力強く抱いてくるくせに

(*´д`*)

162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 06:40:38
可愛いなぁ

163:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 09:56:05
心底羨ましい。いやらしい意味じゃなくて。そこまで異性と深く結ばれることが。

164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 09:58:34


165:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 14:36:11
わりとこのスレはシリアル/センチメンタルなうえに中身はリアル系だよな。
だがらこそ身に染みる。

166:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/24 22:45:16
びば月のん日

うっとうしい天気が続くのも考えものだけど寒さまで引き連れてくるとは。
おかげで今夜のお風呂が爽快なものになったのは季節外れの賜物なのかな。

心地よい熱さと湯上がりの風がこれほどすっきりとしたものになるなんて、
暦の上では夏の入り口、されど暑さは年中無休、それなのに快適な入浴とは、はて。

上機嫌になればいつもの入浴も少し違うものになる、
渇ききった髪と体に潤いを戻すため一生懸命磨きをかければ、
ふんわりとそれでいて瑞々しい髪が、あるいはぷにゅってした柔らかい肌が、
これ以上ないくらい感じられて、なんだかにへらと笑ってしまったのは不覚。

乳白色の湯舟の中からぴょんと長い足を伸ばしてみたり、
つかみきれない湯のこぼれに彩られた手から腕をじっと見つめてみたり、
それなりの谷間に溜まったお湯を見てまだまだこれからなんて思ってみたり、
いつもは気づかない己の体を今一度再認識してにやにやしたのもまた不覚。

浴室と変わらないくらい湯気をほわほわとあげるアタシの一糸纏わぬ体を鏡の前で見つめた。
ふり返ってみたり胸をきゅって寄せてみたり…もう少し大きくなるかな…成長期よ止まらないで、お願い。

そりゃできるものならミサトみたく出るとこ出て引っ込むとこ引っ込むボディになりたい。
やっぱり女である以上美しさへの憧れは際限ないのよ、これで良しなんて思ってたまるもんですか。
以上アタシが美しくなりたい理由、つまり決してシンジに見せつけたいのではない…たぶん。
百歩譲ってあのムッツリスケベをからかう材料としては有効、そんな理由は成立する…そういう事にしておく。

167:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/24 22:46:44
しかしいまだに納得できないのは同じ湯に違う人間が入るって事よね。
ミサトはまあ、同じ女同士だし、その辺は仕方ないし違和感はないけど…問題はあのバカよね、
アタシやミサトが入った事想像して鼻血出しそうなムッツリだからね、あのヘンタイ。

一番最後にアイツが入るってのが問題なのよね、もっとも一番風呂の権利はアタシのものだから仕方ない。
順番を逆にしてアイツの後入るってのもなんかな…別にイヤってわけじゃないけど、
誰が入ったとか問題じゃなくて入れたてのお風呂が好きなのよね、こればかりはゆずれない。

「どうせなら一緒に入っちゃえば?」ミサトはそうやって誘導尋問して、引っかからないわよ。
札束を積まれたら考えてみるわとスルーしたけど…あーまたそうやって意地悪な目つきするんだから。
だいいちあのバカが耐えられないわよ、いやよ白い湯に赤い何かがぽとりと染まってくなんて。

そうこうしてたら話題の主がふらりと上がってきた。
なんでだろう、湯上がりの匂いってみんないい香りするけど…アイツのって特に…
いやいやそれは勘違い、長風呂はするもんじゃないわね、頭がぼうっとしちゃうんだから。

「お風呂上がりのアスカの匂い…僕好きだよ」あー、そうやってまた人を惑わして、
でもまあいいか、アタシが思ってたのと同じ事アンタも感じてたなんて、ちょっと嬉しかった、いやかなり。
一緒に入って一緒の香りになるのを想像した事を必死に隠した、ぜったいわからせてあげない、ふん。

くすぐったい言葉の飛び交う中、お互いに顔が赤いのは湯にのぼせたからと言い合った、
「私はあなた達のその様子にのぼせたわよ、ビールのせいもあるけど」お節介な家主の一言。
今度はほんとうに赤くなったねと、また互いに顔を見合わせてちょっぴりの微笑みを交わした。

「でもねアスカ、脱いだものはちゃんとかごに入れといてよ…僕恥ずかしいよう…」
あーもう、そういう事云わなきゃもっと好きになれるんだけど、この鈍感バカ。
くやしいけどアンタと一緒に入る夢、しばらくは夢のままね、、後少しの成長を願うわ、このバカシンジ、むう。

168:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 22:52:38
乙です

甘甘お風呂タイム。男は黙って洗濯かも。しかし、いいですね。

169:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/05/24 22:58:04
5月24日

まだ十年以上先の話だが、遷都予定とされている五番目の東京。
今朝、私達の部屋を訪れた黒服の男が目を通せと持ってきた資料に、その都市に
ついての計画があれこれと書かれていた。 使徒迎撃用の要塞都市だった第三新東京市と
酷似した防衛機能を持つその案を、私とシンジはお茶をすすりながらなんとなく
読んでいた。 全然実感のない話、関係ないわよねと呟いていれば、ドアの向こうから
そうでもないよと投げかけてきたのは、そろそろ長髪の鬱陶しい私達の兄貴分だった。

新しいネルフの本部は、この新しい都市へ造られるそうだ。 これは前身と同じく、
ネルフが街のリーダーとなりうる事実を示している。 わずか15歳の男女に、大人たちは
どんな重荷を背負わせるつもりなのか。 呆れてそっぽを向く私。 相棒は何故か、
ニコニコと微笑っている。 何が嬉しいのかと聞いてみれば、予想だにしない答えが返ってきた。

新しい街を、出来るだけ第三新東京市に似せて造って欲しいと、相棒は願い出た。
本来の用途を考慮すれば、おのずとそうなってくるとは思うが、とにかく嬉しそうなシンジ。
もう一度、戦いたい。  それがシンジの思いらしい。  あの時の自分が輝いていたことが
分かったと、珍しく強い口調で言い切った。 私も、つられて微笑んだ。 

こんな顔のシンジを信用した時、いつも私に笑顔をくれていたからだ。
総司令という任を受けた自覚はまだ無さそうだが、芽生えている気はする。
なら、もう一度このバカの手を取って歩こうと思う。 強く、引っ張ってくれるなら。


共に生きるところに、どんな意味があってもいい。
共に生きてきたことを、信じられるからそれでいい。

170:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/24 23:06:08
乙です

過去からの絆があるから現在の自分がある。それがあなたとなら未来をも切り開いてゆける。

171:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/25 00:25:41 +q7K1z+H
ホモはすっこんでなさいよ!

172:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/25 05:10:44
みなさんがんばって

173:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/25 06:41:08
すばらしい

174:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/25 10:21:05


175:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/25 14:12:57
いつかはTokyo-5でのデートだな

176:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/25 23:53:43
欲する月ということ日

手足を投げ出してごろんとしたままぼんやりしてたらなぜか視線を感じた。
体を動かさず目だけを動かして様子を伺えば同じようにぼんやりと見つめてたアイツ。
気づいたら即座に目をそらし赤のライティングが射したような顔が可笑しい。

いつもより露出度の高い格好だったから?おへそが見えそうな黒キャミにぎりぎりな短パン。
この姿に何も感じない男の子なんていない、いいえいたらそいつは人間じゃない。
鼻息が荒いくせに、どきどきしてるくせに、隠してるアンタがとても可愛いのに。

たぶん、見とれてた、さらけ出した肢体に、刺激的な服装に。
たぶん、焦がれてた、性を感じる何かに、女である事を隠さないアタシに。
たぶん、欲してた、互いを求める想いに、はちきれそうなどきどきに。

少しは努力してる胸を見せつけたいなんておかしい?
ううん、知りたいのそうやって誘ったらどんな風にどきどきしてくれるかって。
もちろん何も言えずにおろおろしてもごもごして燻るのは予想通りよ。
でもやめないの、たまには見たいの、純粋さの裏に隠されたアンタの獣を。

少しだけ迫った勢いと、強く握りしめてきた右手は褒めてあげるわ、それが見たかったから。
でも、そこまでで終わっちゃって、何をしていいか困るのはまだまだって所ね。

されど侮り難し、男はやはり男なのね、素っ気なく交わしたおやすみの果ては、
…後ろからキュッて抱きついてきて…そのまま何も云わずに唇奪うなんて…くそう…裏をかかれたわ。
なかなかのものね、それも見たかったの、お礼は二度目のキスで伝えておいた。

ほんの少しづつ蓄積された欲する想いはこうして月に一度放たれる、
突き進むほど愚かではないが、何もしないほど野暮じゃない、求めあう何かが生む幸福、
恋人のようで恋人じゃないようなアタシ達が、ほんものになる瞬間、とても嬉しい。

欲しいと素直に言えれば簡単なのだが、こんな探りあいの極みな方がアタシ達らしいのかな
…シンジはどう思ってる?そのうち教えてね、アタシとアンタにしかわからない方法で、ね?

177:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/26 04:32:06


178:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/26 05:09:55
乙です

寄せては返す波のように欲っする想いはいつか一気に越えていく。絶妙ですね。

179:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/26 06:37:08
たまらん

180:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 00:14:36
ホリちゃんダリアちゃんまち

181:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 00:16:26 ueoaluJM
チュンデレ

182:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 01:50:30
乙です
あいかわらずのホリデイクオリティー
たまりません

183:DAHLIA
06/05/27 02:19:34
5月26日

私との再会という快挙を成した今でも、相棒はたまに過去への罪悪感に
苛まれるらしい。 確かにシンジの心が世界を破壊した事実はあるが、
私に言わせれば今の世界が残ったのもコイツの功績なのだから、
気に病む程ではないと思うのだ。

部屋のガラス窓からぼんやり空を見上げて寂しげな顔、それでいて
何かに怯えているような眼。 皮肉なことにシンジには似合っている
気がしてしまう。


今まで散々色々な言葉をかけてきたが、残念ながら特効薬は見つかっていない。
だから、何も言わずに、後ろから抱きしめてやった。

ギュッと強く、ギュウッと強く。


お互いの体温を与えあう、慰めの時間。 優しくて、少しだけ痛い時間。
過去に構う暇はないから、こうやって、これからを紡ぐ。


いつの間にか生まれていた、愛情を撫でながら。
永遠を願ってる。

184:DAHLIA
06/05/27 02:21:43
PC不調のため携帯から投下しました。
短い上にぎこちない文章ですがご容赦ください…orz

185:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 05:49:57
DAHLIAたんカワユス

186:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 10:05:25
携帯でも落ちないダリクオリティ

187:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 12:22:35
nintendo64のエンディングってLASエンドって聞いたんだけど、誰か詳細知っている人いますか?

188:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/27 14:45:29
DAHLIA氏GJ

189:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/28 00:45:31


190:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/28 02:26:15 z3kZ14hl
アッチャンいつものやったげて!

191:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/28 02:31:08
ピンポンダッシュでダッシュしない。

192:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/28 23:45:23
眩しさの月裏側に日

外から帰ってきて二人リビングに居た時の事、
何気なく退屈なTVを見ながらぽりぽりと腰のあたりを掻いたその時、
だってしょうがないじゃない、パンツのラインが妙にこそばゆかったし。

ローライズのデニムスカートと黒キャミから覗いた腰の辺りの肌を隠しもせず、
無意識にぽりぽりしただけなのに、妙な視線を感じたのはなぜ?
振り返ればほんのり顔を赤らめて困りながらぽつりと呟いたアイツ。

「…ねえアスカ…丸見えだよ…」云えない言葉を紡いだアイツは恥ずかしさたっぷり。
云われてみて気づいたけど確かにぎりぎりのキャミからスカートの間に、
柔肌がばっちり御開帳、恥ずかしい話だけどパンティも少しだけ見えていた、不覚。

ああこれだからバカなガキはちょっとした事でどぎまぎおろおろして、
何見てんのよ!と怒ってみれば「僕じゃなくても誰でも指摘するよお!」と逆ギレされた、ふん。
そうよねアンタはムッツリスケベでアタシのそういう所見て変な気持ちになってんのよね、
続けざまの挑発はくやしさを隠すための下らない対抗心、あるいは見せかけの突っ張り。

「ミサトさんもそうだけど、そういう所簡単に見せるのやめてよ」一緒にするな、ばか。
知ってるわよアタシだって、「ブラとパンツがないわいな~♪」って唄うミサトの恥ずかしさを。
でもそれをなぜシンジが云うのか、その本意をアタシは知る事になった、様々な事象から。


シンジはそうやって少しづつ互いを知ると遠慮なく人の何かを指摘する。
「それが近づいた証拠なのよあの子、余裕であり許容なのかもね」ミサトがいつか云っていた。
思い出してみると確かにアタシにも色々な事を容赦なく言い放つ事があった。

193:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/28 23:46:56
大抵は嬉しくない注意の数々なれど、それだけ見られてるという事なのだろう。
あんまり人に近づかないアイツが近づいてくれたと云う事、あるべき対象としてとらえてる事、
つまり自分にとって重要な存在として、その一番の所にアタシがいる…てのは考えすぎかな、たぶん。

「他人」だったのが、「家族」から始まって、いつしか「恋人」になった。
でもそれは戯れの関係ではなく、「大切な人」だと信じてる二人、今日のような出来事もその一つと思いたい。
密接な関係だからこそ云える事、だからこそ叩ける軽口、それでいてリアルな意志疎通。

アイツも色んな事を云ってくる、その何倍もアタシは返す、そんな二人の交わしあい。
それはたぶんそのくらい互いを見つめてる事を遠回しに云っておきたいのだろう、
見てる、見られてる、意識する、そして互いの想いを知って人知れず胸を焦がす、
下らない一場面ではあっても、なんだか可笑しくて誰にと云うわけじゃないけど感謝する瞬間。

鼻っ柱強くあれこれ返してみたもののアタシは嬉しかった、そんな他愛もない言い合いが。
その裏に潜んだ、シンジがアタシを見てる、アタシもシンジを見てる、という事、それがわかるだけで。

でも聞いたら肌が眩しかったなんて嬉しい文句はいいとして、
やっぱりアタシのパンティが見えたのをやけにぶつぶつこぼすなんて、やっぱりムッツリスケベ、ばか。
でもアンタに云わなかったのは、久々のおでかけだったから、つい気分が高揚して、
レースが華麗に彩られたオキニの上下をさりげなく纏ったという事実、だって…着たかったのよ、悪い?
見せるつもりなんてさらさらないけど、アンタだから、アンタじゃなきゃ…って事よ、いいでしょ!ふ、ふん。

でも見せ物にされるのはイヤだったから、その後はずっと隣にいて邪な目線を封じておいた。
もっともアイツの眼差しはそれからアタシに釘付けだったけど、いい心がけよシンジ、へへん♪

この眩しい体を全て見せてあげられるのはいつの日だろう?すぐ来てほしいけどまだまだな気分…
でも、でもね、それを見せたい、見せてあげたいのは世界で唯一人よ、それアンタわかってる?ふふ。

194:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/29 00:38:02
乙です

D:永遠を歩いてゆける。未来に向けて。PC復活を祈念しています。
ホ:二人の素敵な関係が伝わってきます。いやほんと上手い。頑張って。

195:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/29 06:39:16
たまらん

196:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/29 14:29:18
乙カリー

197:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/29 23:20:21
えじん月ばらばら日

TVニュースでスコットランドの風俗が紹介され、現存する人々が映し出された。
バグパイプの音色もなかなか風情が合って気に入ったけど、何より人々の衣装、これよ。
男が皆キルトスカートを纏ってるなんて?!けれど妙に似合ってるのよね、なぜだろう。

ドイツ支部時代、スタッフにいたイギリス人を思い出した、
目の前に虎がいても顔色一つ変えないようなすかした男だったけど、
着てる服がいちいち仕立てよく、それを自慢にしてたわね、ほんとすかした奴だった。
でもイングランド出身だったからスコットランドの事は小馬鹿にしてたな、
アンタこそキルトスカートきて出勤しなさいよなんてこっちもからかったっけ。

似たようなスカートを引っぱり出して着てみた、うん、やっぱりかわいいわこれ。
ついでにツイードのJKと同じ色のハイソックスも合わせてみたら、うんうん、いいじゃない。
これで足りないのはバグパイプと鉛色の空くらいね、まあここはイギリスじゃないからしょうがないけど。

ちょうど帰ってきたシンジが驚いてたので、ここは一つ同じ格好をさせる事にした。
JKはなかったけど、制服のシャツにネクタイを合わさせ、もう一つあったスカートを、ふふふ。
もちろん手酷く抵抗したけどそんなの知ったこっちゃない、観念しなさいシンジ。

顔を真っ赤にさせていやいやしながら佇むキルトスカートの男の子、
「僕はアスカの着せ替え人形じゃないよ…だいいちなんでスコットランドなのさ…」
「うっさいわね!アンタチェロ弾けるんでしょ?ついでにバグパイプだってできるでしょ?」
「ああもお!アスカが何云ってるのかわからないよう!」
うん、確かに、今日のアタシはどうかしてるわよ、今は反省してる、悪い?

198: ◆A7RGAj24KE
06/05/29 23:21:16
奇妙なペアルックのアタシとシンジの前に帰宅した家主、
「あなた達…そんなにイギリスに行きたいの?無理よ、今月も来月も来年までピンチ」
そんなつもりはさらさらないとこれまでのいきさつを話してみたら、大笑いされた、何よ、ふんだ。

とはいえキルトスカート姿が可愛いとほめられたので悪い気はしない。
制服もあんなのじゃなくてブレザーにこれだったらまた可愛いのに、
また全校生徒の目を釘付けにしてやる…と思ったけどめんどくさいからいいわ。
だからもし制服がそうなっても見せるのは一人だけで十分だ、あの鈍感バカだけで。

しかしやっぱりシンジのスカート姿は気になるのね、ミサトも。
しばらく二人この格好のままで過ごしてみたけど、アルコール入ったミサトは…まったく…
シンジのスカートをちらちらめくっては「ぬふふ、ういやつよのう」なんて悪戯してたわ。
「や、やめて下さい!アスカもミサトさんもお!…ひどいよ…僕の気も知らないで…」
しかたないでしょ、女二人集まれば悪戯心は二倍、小悪魔と大悪魔のせいと諦めなさい。

結局シンジにけっこう怒られたけど、いいでしょたまにはこんなバカな真似したって。
これくらいの暇つぶしがないと毎日ってのは退屈に埋没しちゃうのよ、またつきあいなさい、いいわね?

追記

「ねえアスカ、スコットランドではその衣装、下着はつけないのがルールらしいわよ」
ミサトから貴重な情報を得たのでさっそく実行しておいた、え?アタシ?アタシがやるわけないでしょ?!

記す必要もないが、もちろんこういうのはシンジの役目だ、さっそく命令、当然拒否。
その後は追いかけ回し押さえつけては逃れの繰り返し、スカートを半分降ろすのは成功したのに、くそう。
さっきよりも真剣に且つ相当怒られたので諦めた、ああ、せっかくの面白い事件が、むう。

もっともアイツはアイツでアタシが着るのは嬉しいのよね、そのまま過ごしちゃったけど。
「今度もそれ…着てよ…?」云われなくてもわかってるわよ、また惑わしてあげるから。
そのかわりアンタも一緒に着るのよと云ったら、徹底的に拒絶された、冗談よ、ふふん♪

199:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 00:06:40
乙です


ホント毎回ネタつきないのがすごいです。目の前に浮かんできそうな情景だし。がんばって。

200:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 00:10:43 go+bSJ8A
うっるさいわねぇー!

201:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 02:42:49
乙です。
ホリディ氏のは、本当に日記だよな。リアルすぎる。
あったけぇよ、うん

202:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 08:07:27
乙。
キルティシュなアスカとシンジ

203:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/30 22:14:14
互いを留める月全てを留める日

髪を留めるのにヘッドセットを使わなくなったのはいつかの日記に書いた通り。
今は時にリボンだったりアイツからもらった可愛い髪留めだったり、まあそれはいい。

少しだけれど、それは変わると云う事、意固地をやめて許容した証。
それをアイツが妙に嬉しがるのがちょっとこっちも嬉しいというのは…内緒であり、絶対秘密。
きちんと記しておくがアタシは別にシンジの為に変わったわけではない、
変わる事、自分を変える事、それが成長だと気づいただけの話、繰り返すけどアイツは関係ない。

閑話休題、とはいえ毎日を数少ないローテで切り盛りするのも限界はある。
飽きがきて迷う事もあれば気分に乗じたものが見つからないのは時に困りもの、
さりとて15才の懐なんてたかが知れてる、新しいのを買うほど予算は潤沢ではない。
悩みを抱えれば救いの手をさしのべたのはミサトだった。

「昔のだけど、それでよければ、ね?」引き出しから出てきたのは色褪せぬストック。
今風に派手でもなく時代遅れな違和感もない、感謝して二・三のそれを選んだ。
でもこんなにあったのになんでどれも傷みや風化がないの?たずねればどこか浮かない顔。

「…買ってはみたものの、ね、つけるには若くなかったって事かな…」少しだけ嘘の匂い。
「…アスカと同じ頃は…つけて喜ぶ人もいなかったし…私もそれどころじゃなかったから…」
いつかシンジが教えてくれたミサトの過去、セカンドインパクト、失語症、孤独、そして脱却。

幸せを、日常を失った世代、そしてそれを知らず日常を、幸せを当然と思う世代。
いたたまれなさで顔が曇った時、彼女は穏やかな笑みをアタシに向けてこんな話をしてくれた。

204:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/30 22:15:14
「主を失った装飾具でも…誰かの役に立てば喜ぶわ、これは女の武器でもあるし、
 それにね…一人っ子だけど…お姉さんのお古っての少し憧れててね…
 馬鹿な話だけどなんだかお転婆な妹の力になればって…私はなんにもされなかったから、
 余計に誰かに同じ悲しさは感じて欲しくないの…ごめんなさい、お節介ばかり押しつけて」

突然大声で泣きたくなった、そんな事云わないで、悲しいんじゃない、嬉しいの。
ミサトがそうであった様にアタシも独りだったのだから、こんな風にされたのは初めてだったから。
お姉さんが欲しかったんじゃない、でもそんな風に見てくれる人が欲しかった。

選んだ赤色のリボンをミサトは丁寧に着けてくれた、ずっと待ち焦がれてた様に、慈しむ様に。
「これはいちばん誰かにあげたかったのよ、偶然とはいえ奇妙ね」そう、でももう一つの理由もある、
赤色が似合うとアイツの言葉を基に選んだのは内緒であり不覚だけど、お見通しだった、やっぱりお節介。

おまけにそれを嬉しそうにシンジへばらすんだから、ああほんとお節介でいやな姉貴、くそう。
あーとかうーんとかもごもごさせて機知に富んだ答えを出せないバカにきっちりと云っておいた、
「だあれがアンタの為に選んだってえのよ!アタシの…それとミサトの為に決まってるでしょ!!」

「素直じゃないんだから」とすねた顔と目線で反抗的なヴァカシンジ。
「あらあらいつまで突っ張る気?」とニヤケ顔のお節介極まりない三十路大悪魔こと葛城ミサト。
いつかこの二人、殺してやるくらいひどい目にあわせてやる、ぜったい、待ってなさい。

それでも作れなかった想い出の代わりに今まで抱えてた想いが詰まったリボン達を、
アタシはしっかりと身につける事で応えようと決めた、ありがとう、「お姉ちゃん」

想いで繋ぎ留められたリボンは寝る前にもう一人想いを伝えたい誰かによってほどかれた。
二人の女性の想いを受け取ってもらう為にだ、もっともそこまで大した奴じゃないけど。
ただし、いきさつを知ったとはいえ「僕それも好きだよ」と云ってくれた所は評価に値する。

全てが繋ぎ留められたこれをアタシもいつか誰かに託すのかな?
その時は想い人と結びあう魔法のリボンとでも云ってあげようかな…やだ何書いてんだろ、これも内緒よ!ふ、ふん。

205:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 22:24:39
乙です。いいですね~。お見事です!

206:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 22:27:58
乙です。
毎回素晴らしい日記に感動してます。

207:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 22:31:20
乙です


ミサトさんとの心のつながりがとても素敵です。

208:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/30 22:59:47
うほ

209:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/31 00:17:55
ミサトさん素敵。
味わい深い日記に感謝。

210:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/31 09:42:37
ホリディ氏乙。
ミサトへのアスカの態度、考えがどんどんよい方向に変化していってる。
戦いなんかなきゃ二人はこう姉妹みたくなってたんだろな。

ダリ氏が心配だ。パソコンは直ったのだろうか?

211:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/05/31 09:57:32
DAHLIAちゃんまち

212:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/31 23:21:48
季節月開かれる時日

束の間の晴天続きは何を意味するのかしら?

男子には内緒だけど女子達は汗ばんだ制服の鬱陶しさに四苦八苦。
そりゃアイツらより一枚身につけるものが多いんだもん、
じわりと吹き出る汗が気になっても脱ぎ捨てるわけにはいかず、
それでも妙な違和感はどうしたものかと皆が皆同じ悩みを抱える始末。

雨がもたらす湿った日々とそして暑さが日常となる頃を迎えたらいったいどうなってしまうんだろう、
臆面もなく胸元へ下敷きで風を送れる男気溢れたあの娘がうらやましい、そんな勇気はアタシにはない。
吸収性の少ない独特の布地なシャツをどうすればいいのか、その話でヒカリと盛り上がるなんて。
「一日中プールで授業だったらいいのにね」風邪ひきそうだけどそれもまた面白いわ。

どうせなら夏の間だけ私服で登校させてくれりゃいいのに、
そしたらいつものキャミにカットオフのデニムで楽々過ごしてやるのに。

でもそれじゃ皆がアタシに抱いてるイメージが狂っちゃうかもね、
だいいちろくでもない男共に格好な材料なんて与えたくないわ、
ただでさえあのじめってした目線にうんざりなのに、見せる相手は一人で十分だ。

そっか…もう少ししたらアタシのいろんな姿にアイツがどぎまぎする季節が来るんだ…
今年はどんな水着にしよっかなあ…そうだ、あの店にあったワンピースも欲しいなあ…

「でもね、鈴原ったら真夏でもジャージなのよ、これがワシのユニフォームじゃ!だなんて、聞いてる?」
え?う、うん、真夏にジャージでしょ?…蒸れてそうで…やな想像したけどヒカリには悪いので黙っておいた。

213:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/05/31 23:23:54
今年もみんなでどこか行こうねと、去年の夏を思い出して約束した。
「…今年は…ちょっぴり勇気ある水着にしたいの…せっかくつきあってるし…」
知らない間に純情なあなたでもそんな気持ちは生まれるのね、いいな、自分に素直で、
あの熱血バカでもそれだけの何かを見せたい相手なのね、恐らくちゃんと云ってくれたんだな、見たいって…

いくら着飾ってみても、危ない挑発を纏っても、何一つ気のきいた事云えないアイツ…
それでもアタシは頑張る、ううん、無駄じゃないの、ちゃんと…伝えてはくれる奴だから…

さりげなく夏休みの行く末を聞いてみてもこれといった建設的な意見は出さないんだから。
しょうがなく去年の想い出を語ればようやく一生懸命さを見せた、ほんと鈍感ね、それもアイツらしさ、か…

「またみんなで楽しみたいね、トウジにケンスケに委員長、ミサトさん加持さん、それに綾波も」
たいした気配りね、でもアタシが聞きたかったのはそんなセリフじゃないわよ!
なんでこう、ちゃんとしてくれないの、みんなもいいけど…何より誰より…でしょ?この鈍感ヴァカ。

でも、そうよ、やっぱりアイツはアイツ、だからアタシは安心できる。
「ところでさ、今年はどんな水着にするの?去年のも…僕好きだけど」
決めた、ぜったい来月あたりアンタを店に連れ回してやる、アタシの七変化を見せてやる、ふふ。
鼻血と鼻の下に気をつけなさいよ、我慢できたらしっかりと見せてあげるわ期待通りの姿を、ね。

「泳ぎの嫌いなアンタが海なんて、どういうつもり?」
「…見たいんだ…海を見ると色々な事を思い出すから…辛かった事、忘れちゃいけない事を…」
そうね、アタシとアンタにとってはいつまでも、白い渚、紅い海が甦るものね…忘れてないわよアタシも。

「…ねえみんなとじゃなきゃイヤ?」「え?ううん、そうだね…今年はどこの海に二人で行く?」
空想の計画を互いに浮かべてアタシは笑った、シンジも笑ってくれた、夏休みは、もうすぐだ。

214:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/01 00:55:22
乙です


二人で作る夏の想い出。いいなあ。

215:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/01 05:56:43
よかよか

216:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/01 10:59:28


217:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/01 20:32:29
夜に月弾けたものは?日

クーラーを稼動させるほどではないけどやはり妙な暑さは耐え難い。
窓を開いてささやかな風を招き入れても爽快感はやんわりとしか感じ得ない。

そういうわけで今日はノースリーブのカットソーを引っぱり出して過ごした。
袖口は肩の骨が見えるか見えないかの辺りで終わる微妙な長さ、
おまけに彩りとして綺麗なレースをあしらってるのがお気に入りな一枚。
衝動買いとはいえ愛着がわいたのは珍しい事だ、自分の審美眼を改めて自画自賛。

もう一度自画自賛したのはシンジの目線とぎこちない言葉を得られたから。
アタシの姿を見たとたんぱっと明かりがついたような顔を見せたなんて。
もちろんそれからはいつもと同じ態度で隠そうとしてたけど、
長いつきあいでしょアタシとアンタは、何を抱えてるのかお見通しよ。

「…ねえ…それいつ買ったの?」三人でリビングに居たら隣からか細く聞こえた言葉。
TVと缶ビールに没入するミサトを気にしてだろう、こっちもささやきを返した、つい最近と。
「…そっか…」短く返した言葉の裏に強い気持ちを感じたのもお見通しよ、だってその目つき、もう。

「あら私もそれ可愛いと思ったわよ」振り向きもせず放たれたのは名実共に耳年増な家主の一言。
「お姉さんを侮ると恐いわよん♪」お酒も呑まずにアタシとシンジの顔はほんのり赤さを増した。
赤くなるのは缶を重ねるあなただけで十分よ!ったくそうやってからかうんだから、くそう。

衆人監視の元、吐き出せなかった想いは、二人っきりになった深夜、弾き出された。
きっかけはアイツらしい不器用でストレートな感想、あーあこれだからオトコってのは。

218:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/01 20:34:14
「なんでさあ…そういう可愛いのばっかり選んでくるのさ…」
しかたないでしょ、見せたいバカがそういうの好きそうだからよ、決まってるじゃない。
いつも通りの受け答えも胸いっぱいのバカには通用しない、黙る姿はたぶんサイン、愛情のサイン。

アイツの部屋のベッドに腰掛けてたアタシの元へシンジは何も云わず抱きついてきた。
でも同じ目線だったのは束の間、そのまま腰を落とし胸元に顔を埋めたわ、縋るように。
なんでこんな風にしかしないんだろう、不器用な直接さで構わないのに…答えは彼の口から漏れ出す。

「僕だってわからないんだ…好きだと思えば思うほどどうしていいのかわからなくなる…
 今だってほんとうはすっごくしっかりしたいのに…こういう風になっちゃうんだ…
 可愛いって云いたいんだ、かっこよく振る舞いたいんだ、でも、でも僕は…
 導いた答えはいつも間違いで傷つけるしかできなくて…だから自信なくて…ごめん、いつもごめん…」

間違いなんかじゃないわ、こうして心を開いてくれるだけで、それだけでいいの。
アタシだって間違いだらけ、おかげで随分遠回りしたから、今もそんなに変わりはしないけど、ね、ふん。
でも昨日聞いた答えが今日また新しい答えに連なるとこうしてわかりあえるんだから。
逃げ場所じゃなく、自分の気持ちを知る為になら、いくらでも縋ってほしいんだから…

はぐれ続けた子犬のように寂しげな顔を上げたアイツは、そのまま正直にアタシの唇を奪った。
そういえば久しぶりね、これすら必要ない日常と思ってたけど…それでも欲する気持ちは失われないわよね。

ちょっとだけ長く、強く、熱く、アタシとシンジは繋がった、大事な気持ちを知る為に。

ベッドに倒れこみようやく同じ目線に戻ったもののこの時のシンジの目が忘れられない、
嬉しくてたまらないのに切なさを失わない瞳、まだ信じられないのね、自分が。
少なくともアタシは信じてるわよ、そう云うと、茶色の瞳は光を変えた、どうやら心配ないようね。

短いようで長い二人の夜、久々の夜、弾けたものを互いに受け止めアタシ達は眠る事にした。
何を得たかなんて、襖の前で交わしたユニゾンの「おやすみ」が全ての証よ、ね?シンジ…

219:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/01 21:21:04
せつねえ

220:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/01 23:45:14
乙です


なんかしみじみします。

221:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/02 01:21:54
乙です。
ここを見るのが日課になってしまいますた

222:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/02 01:21:58
DAHLIAさん忙しいのかなorzPC壊れたままなのかなOTL

223:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/02 14:46:31


224:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/02 21:21:21
トリコに月なりました日

教室を彩る話の数々は、誰と誰がくっついた離れたなんてもの。
おいしいスイーツも可愛い服もダイエットの秘訣もそれには勝てないわ。

今日も運動部の噂の男の子がとうとうつきあったなんて噂が駆け巡って、
朝から下校のチャイムがなるまでその話で持ちきりだった、
でもまあアタシやヒカリには、それからなぜかファーストにも興味ない話。
他人に興味のないファーストはいいとしてアタシやヒカリにはもう…ね?

「いいじゃない、想い人が現れるってのは女の夢だし」ヒカリも随分なものだ。
自分にはもうその人がいる、そんな余裕が言葉を生むのかしら?いいわね、ううん、いいなあ。
「あらアスカだって似たようなものじゃない」そりゃそうだけど世間一般とは事情が違う。
なんでだろう、いつだって余計な悩み抱えて、反応の悪い奴を相手しなきゃいけないなんて。

「…心を開かなければ何事も上手くいかないわ…」いきなり背後からささやくなんて悪趣味ね、ファースト。
でもなぜか彼女はアタシの右手をぎゅって包むと「…自分を…そして碇君を…信じて…」と一言、
「…優しいわね?」云ってるアタシも聞いてたファーストもなぜかうっすら紅の差した顔、
桜色のファーストはさよならも云わず帰っていった、温もりに何かを託したまま…でも、ありがと。

そうよね、いつも記してる通り、信じてるんだろう。
他の人にはわからないくらい衝突と許容を繰り返したアタシとシンジだから、
生まれては消える問題は複雑であっても、答えを得る瞬間はひどく単純だなんて。

一般論では測れない二人、それなのにすんなりと自己解決できる二人、おかしな二人…ほんと。


225:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/02 21:22:31
帰宅すると玄関には大きな箱を抱えたシンジが待っていた。
「アスカ宛だってさ、いったいなんだろう?」今帰ったアタシが知るわけないでしょ、バカ。

箱を開くとそれは黒のワンピースだった、フリルがアクセントとして彩られた可愛さたっぷりの。
「今日は帰ったらいいものが待ってるわよん」今朝ミサトが云ってた言葉が頭によぎった。
うん、とてもいいものが待ってたわ、もちろんシンジじゃなくてワンピースよ、決まってるでしょ。

さっそく制服を脱ぎ捨てて袖を通してみた、何回も鏡の前をくるくる回りながら。
鏡だけに見せたって面白くない、一応批評は仰がねば、それがシンジに見せた理由、そういう事。

すでに箱を開いた時から想像してたんだろう、アタシから目を離せなかったアイツ、ふふ。
でも欲しいのは態度じゃなくて言葉、素直に放たれた想いのたけをアタシは待った、いいえ望んだ。

「…なんだかアスカがアスカじゃないみたいだ…」それが感想?!期待して損した。
「…違うよ!だから、その…いつもより…あの…」うんうん、その先よ、早くいいなさい!
「…き、きれい?というか…か、可愛いと思う…」うーん、当りと云えど遠からずね、まあ上出来よ。

「そうじゃなくて言葉が見つからないんだよ…」とすねたって惑わされないわよ。
とはいえぷくーって少しほほを膨らませて不満を訴えたその顔には駄目だった、くそう。
膨れたほほをアタシは指でつんつんする、また膨らむほほ、またつんつんする指、
「もう…」と云いかけたアイツのほほを引っ張って気持ちをごまかした、ばかなアタシ達…ほんと。

期待した答えは得られなかったけど、言葉の代わりは行動が証明してくれた。

「ところでアタシをこんな格好のまま、何も応えずに終わらせるつもり?」
腰に手をあてて誇らしげなポーズを見せ最後の挑発をつきつけたアタシ、
「…え?」困った顔はフェイク、弱気な瞳に光が一瞬きらめいて近づいてきたシンジ。

それからどうなったかを日記とはいえ最後まで記すほどアタシは野暮じゃない。
唯一つ、もっともっとアイツを信じたくなった、それだけは書いておくわ、ふふふ。

226:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/02 21:55:02
乙です


甘甘ですね。幸せな二人の風景。

227:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/02 23:01:59
畜生何したのかきになるぜ

228:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/03 00:15:58
……この直後にアスカが猫になるのか……。

229:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/03 00:28:00
>>228

いえいえ、こっちはこっちですよ。
もしあの服を滞りなく着れたらどうなってたのかな、なんて事です。
そういえばあっちのスレも滞ってますね…いいアイディアを生まなければ。

それにDAHLIA氏の復帰が気になりますね、早く戻ってきてほしいです。
孤軍奮闘してた頃のように、やはり毎日投下はなかなかどうして…
DAHLIA氏のぴりっとした日記が恋しいです。

自分のは同じような日常の日記ばかりで…ROMされてる方、レスを書かれる方、
いずれにせよまだまだ頑張らなくてはと、申し訳もありません。

少し自分の気持ちを書いてみたかったので、長文すみません。

230:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/03 00:30:00
訂正

×孤軍奮闘してた頃のように
◎自分が孤軍奮闘してた頃のように

231:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/03 06:38:47
ホリデイさんのはそれが魅力なのだと思われ。
しかし、DAHLIAさんはどうされたのか、心配ですね。


232:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/03 13:15:47


233:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/03 15:17:06
うむ、ホリディ氏の持ち味はその暖かい日常にある。
毎日のこまかな変化を書けるというのはなかなかできないと思うしな。
なにはともあれGJということさ。

234:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/04 09:34:41
おつ

235:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/05 11:34:32
神まち

236:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 05:09:52
お二人とも投下お待ちしております

237:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/06 20:34:27
6月6日

今日は、相棒の誕生日。 この世に生を受けた日らしい。
覚えていた訳じゃない。 つい数日前に目を通した資料のプロフィールで
確認しただけだが、その時が誕生日の直後でありお祝いの機を一年先まで
逃してしまった青葉さんはなんだか不憫だと思う。

それはいいとして、今日はこないだに続いてシンジの祝賀会だ。
ケーキとか、気の利いたお菓子などは用意できないけどささやかながら
ご馳走を食べて、Dear Shinjiと歌って。 淡白だけど、シンジの喜ぶ顔が
見られたから、私にとっても有意義なイベントだった。
シンジは、自分の誕生日を私が覚えていたと大喜びだった。  …真相は、伏せておく。

そもそも物もないし、シンジが何かを欲しがるとも思えない。
プレゼントはあれこれ考えた結果、私が自己中心な性格のせいでシンジに言わせて
ばかりだった、愛の言葉をかけてやることにした。 

今なら言ってもいいと思うし、安上がりで一石二鳥だ。
そう思ってパーティーの最中、できればドラムロールが欲しかったような
雰囲気を作り、思い切って私の気持ち、ぶつけてやった。


泣いちゃってさ、バカ。

238:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/06 20:35:56
最近は割とよく見られるようになったけど、まだ貴重なシンジの笑顔。
これまでにないくらいのそれを期待して言ってやったのに。
涙でクシャクシャになった顔で、力いっぱい、痛いくらいに抱き締められた。

望んだものとは違ったのに、私も満たされてしまったからよく分からない。
気持ちよかった。 これからもずっと一緒だよって、心に流れ込んできたから。
当たり前の事だけど、夢を現実にする旅路はシンジと共に歩いていく。
どんなに長くて険しくても、大丈夫。  頼りないけど、熱い心で抱き合ってるから。
どんなに辛くて悲しい過去も、大丈夫。 それが全部、力になったんだから。

ほんの数日前に分かって、シンジに隠していたことがある。
プレゼントついでに、それも教えてあげた。 二重に驚かせてしまったけど、これでいい。


シンジは、今日で16歳。 これからも頼りないバカには変わりないだろうけど、
私と一緒に、少しずつ階段を昇っていかなきゃと言う横顔は、少しだけ頼もしかった。


そう、強くなってもらわなきゃ。
この身体に宿る、新しい生命のためにも、ね。

239:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/06 20:36:44
6月6日

つい、忘れそうになるもの。 自分の誕生日だ。
僕が生まれてから今日で16年目。 ここ二年がめまぐるしすぎて、節目だなんて
実感がまるでないけれど。 今日のお昼過ぎまで、すっかり忘れていた。
それに気付かせてくれたのは、一番大切な、自分より大切な彼女だった。
アスカが覚えていてくれた。 僕にはそれだけで胸が一杯だった。 再会してからの
生活は、自分の中では…本当にもう、大きくって。 それなのに、最近もろくなってる
涙腺が、また壊されちゃったんだ。 ありふれた、「おめでとう」の言葉で。


ついこないだ、退院祝いをしてもらったばかりなのにまた、僕のパーティーだ。
なんだか悪い気がする。 でも、今度のアスカや青葉さんの誕生日には、だからこそ
今日よりも盛大にお祝いをしたい。 それを心に誓って、今日は好意を受けることにした。

楽しかった。 今まで自分の誕生日が、年を重ねることが嬉しいなんて思ったことは
一度もなかったのに、早く大人になりたいな、なんて思えた。 すごく、暖かくて。
僕にとっては、これだけで充分だった。 本当ならもう、高校生になっている歳。 でも
学校がない代わりに、僕にとって必要なかけがえのない勉強ができたと思うから。


お互い、辛い思いをしながら今、手を繋いでいられるアスカ。
一緒にいてくれる、それで充分だったのに。 アスカは、更に僕への
プレゼントを用意してくれていたんだ。

240:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/06 20:37:48
この、めまぐるしかった二年間。 そのほとんどの日を一緒に過ごしてきたアスカ。
少しずつだけど距離は縮まって、一時はATフィールドすら取り払われてしまったほどだ。
そんな一番近い他人、僕はもちろん大好きだって言える。 本当に、大好きだから。

でも、アスカからはまだ、一度も言ってもらったことがない。
それを僕も、アスカも知っている。 誕生日プレゼントは、僕とアスカが一歩、
前に進むための言葉だった。 特別な言葉じゃないけど、とっても、特別な言葉。


「愛してる。 これからもずっと、大好き。」


身体が勝手に動いて、アスカを抱き締めてた。 返したかった同じ言葉が消えて、
涙に変わって流れ落ちた。 もう、溶けてしまうことはないけど、溶けていきそうな時間。
熱くなって、熱くなって、自分じゃ何を抑えているのかも分からない力が入ってた。
僕も、アスカが大好き。 

嫌な事が多かったこの十六年間だけど、この先はきっと素敵な人生になるはず。
だって、アスカが大好きだって言ってくれたから。 アスカが大好きだって言えるから。


プレゼントともう一つ、アスカから打ち明けられた隠し事があった。
僕は、ここにいてもいいって教えてくれたアスカが、僕をまた一つ、重くしてくれた。

ああ、ここにいなきゃいけないんだって、たぶん僕の顔は微笑ってた。

241:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 20:45:15
乙です

おめでとうのおめでとう。再開と思えば、衝撃ですね。とにかくお待ちしておりました。

242:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 21:08:53
マチカネフクキタル

DAHLIA氏、乙です

243:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/06 22:04:35
PC復旧しました。 中身がほぼ無事で胸を撫で下ろしています(苦笑)。
拙作でありながら待っていただける住人の方々のご声援、携帯から心強く
受け取らせていただいてました。 本当にありがとうございます。

展望としてはシンジ君の誕生日を以って完結する予定でした。
今日の投下で締め括るつもりだったのですが前振りとして書きたかった部分が
書けない状態になってしまったので、少しだけ内容を変えて投下させていただきました。
この先どういう方向へ持っていくか、自分の中でもまだ未定ですが
応援してくださる皆様の声を励みに、アスカ、シンジその他一名を歩かせようと思っています。

重ねて、ホリデイ氏含め住人の皆様の暖かいご声援に感謝いたします。
もうしばらく、お付き合いくだされば光栄です・・・。

244:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 22:13:39
よかった。どうかこれからもがんばってください。

245:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 22:29:47
DAHLIA氏乙です。

久々の投下にしてはかなりドラマチックですね。思わぬ衝撃に恥ずかしながら目頭が熱くなりました。

まだまだDAHLIA氏には勝手に期待しております。
これからの展開にもいい意味で期待を裏切る展開を期待してます。

246:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 22:45:31
再開されるこの時をずっと待っていました。これからも変わらず投下をお願いします。

247:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/06 23:18:08
アスカおめでた?
スラッと書いてしまうDAHLIA氏、すごいな。

248:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/07 00:18:25
DAHLIAさんとホリデイさんの日記、
URLリンク(yy10.kakiko.com)
に所蔵してほしいなあ。

249:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/07 05:52:34


250:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/07 12:50:39
ここのお二方は本当にすごい。
触発されて自分もFF書きになったが、うまく書くのが本当に難しいと分かった。
マジで乙です。

251:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/07 22:38:00
6月7日

今日は少し肌寒い一日。 相棒と部屋にこもって外には出なかった。
なにげない時間だけど、少し前の私からすれば夢のような状況だ。
それは勿論、相棒にとっても同じ事。それを考えれば、自然と顔が緩んで
くるのも分かる。 ニコニコ顔のシンジは、以前は聞かせたことなどない
鼻歌まで披露している。 上機嫌を絵に描いたような姿。

シンジは言った。 いずれまた、大変なことや辛いことがあるから、楽しい時は
思いきり笑っていたいのだと。 今なら、それができるからと。
コイツらしいとは思いながら、どうせならどんな時でも笑っていられるようになれ、と
軽く肩を叩いた。 無言で頷いて、ゆっくりと私を抱き締めてくる。

こうやって身体が密着する度に、思い出すのは初めて逢った日のこと。
プラグスーツ同士、狭いコクピットの中で、使徒と戦いながらお互いを感じてた。
あの日から少しずつ繋がっていく絆を、私達なりに育てていたんだって、
一つになった心が言ってた。  知らない間に夜が来た。


冷え込むはずの夜だけど、全然寒くない。 
冷たい海の中で熱くなれた、あの日みたいに。

252:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/07 22:57:33
乙です

冷たさの中の熱さ、水から空気へ、戦いから愛へ、深まる絆。

253:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/08 00:23:26
遅まきながらDAHLIA氏の復活に。
更に深い絆で結ばれたアスカとシンジに。
そして、新しい命に。

おめでとう。

254:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/08 06:06:12


255:DAHLIA ◆0VwZh5AEOE
06/06/08 21:29:51
6月8日

今朝、私達の部屋を訪れた黒服の男が、ぶしつけに渡した一枚の紙があった。
婚姻届。 私の身体の状態を知って、上なりの配慮なのだろう。
私もだが、ピンと来ていないのは相棒の方だ。 顔を見合わせて、お互いの心中を
確認する。 そう、通じたものは、何の意味もないということだった。

手続きをして「夫婦」になってもならなくても、それによって何かが変化する訳でもない。
シンジ16歳、私が15歳。 本当ならまだ高校生だし、日本の法律ではまだ認められない年齢。
ただ、他のどんな夫婦にも想いの強さでは負けない、そういう自信はある。
それでもとりあえず、保留して「結婚」はしないという結論で合意した。

碇 アスカ ラングレー?
惣流 シンジ?

馬鹿馬鹿しい。 大事なことはそんなことじゃない。
もうすぐ親になるのは事実だけど、私は私だし、シンジはシンジ。
関係ない誰かから、飾りを付けられるのはゴメンだ。
これが私達。 新しいATフィールドを誇りにして、シンジと、



愛し合ってる。

256:名無しが氏んでも代わりはいるもの
06/06/08 21:43:53
乙です


何より大切な二人の気持ち。

257:ホリデイ ◆A7RGAj24KE
06/06/08 22:08:33
16個の月気持ち日

誕生日、この世に生まれた日、自分の存在を得た日。
でもアタシじゃない、アイツが生まれた日、めでたくもありめでたくもなし。

またミサトに頼まれてケーキを取りに行く羽目になるとは、去年の二の舞いだわ。
「帰りたくても書類の山とリツコが引き留めるの」大人の事情はもうたくさん、まあしょうがないけど。
評判がよかったので去年と同じ店にしたけど「一年は早いですね」なんて店員さんに云われ、
そうですねと返したもののあっという間に流れた時の早さに笑うなんてできやしない。

持ち帰った包みを見てアイツは「甘いもの食べると太るよ」とまあ鈍感な事、
怒られてやっと気づくなんてほんとバカ、「そうだよね…ごめん、忘れてた」だって、ふん。
これだから祝ってあげる気になれないのよ、まあ妙に強調されてもいやではあるけど。

それでも、夕食後、電気を消し、キャンドルを灯してあげるアタシは、
別に優しさなんかじゃない、同情でもない、たぶん…やっぱり…そうよね。

二息で消された灯火、わずかな闇が反転した光にかき消された時、
目の前には、案外幸せそうなアイツの顔がぎこちない笑みを浮かべてた。

「おめでとう」「…ありがとう」
このやりとり、そして祝福は世界でアタシとアイツにしかできないもの。

見つめあった瞳に紡がれた糸が切れたのはケーキに耐えられないアタシの餓えが限界を超えた頃。
互いにさっそく食べ始めたら、アイツの口にはクリームの切れ端がさりげなく自己主張、
人指し指ですくいとって舐めてあげれば桜色の微笑がこっちに放たれた、たぶんアタシも同じ色な気がした。

甘えたかったのでもなく、意地悪したかったのでもない、ただそうしたかったの、なんとなく…ふふ♪

さてケーキの次はプレゼントなんだけど…とりあえず何も用意しなかった、忘れたんじゃないわよ!


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