06/04/15 03:14:01
だがそんな願いも空しく、教室にはトウジの姿がいつものようにあった。
何か見ているのか、それとも…。トウジに声をかけようかと迷いながら机に鞄を置く。
「オッス、シンジ」
ケンスケが声をかけてきたので答えながらそちらを向くが、相変わらずトウジは窓の外を眺めている。
「………………あの、トウジ…おはよう」
昨日のアスカの言葉を思いおこし、思い切って声をかけてみる。
「あ、ああ」
それだけ言うとちらっとこちらを見ただけで、何やら授業の準備をはじめるふりをする。
それがシンジの目にはあまりにも不自然に映ったが、何も言うことができなかった。
仕方なく自分も授業の準備をする。