06/11/29 01:07:27 PKBM2UGr
>>6
魅力的な文体だと思います。ありきたりにならないよう、表現に気を使って書かれている印象を受けました。
さらさらと流れていくように読みやすく、途中でつっかえることもなく最後まで面白く読ませていただきました。
評価というより感想のようになってしまい申し訳ないのですが、
情景描写や事物の描写を仔細に表現していらっしゃる割には、人物の描写が薄いように感じました。
私見ですが、恋愛小説は、いかに読者を恋愛の渦中にいるキャラクターに入れ込ませるか、ということが勝負の分かれ目だと感じています。
他人事の恋物語ほど退屈なものはありませんものね。
この物語を恋愛小説として読ませるならば、情景よりも何よりも、まず人物の描写に力を入れられたほうがより印象的になると思われます。
まず主人公である男の子が、男女ともに人気のあるキャラクターとして設定されていますが、ざっと読んだかぎりではそれほど魅力的に感じられませんでした。
ただの軽い、今風の男の子としか。
どうして人気があるのか、友人に「顔かな~」などと簡単に言い表させるのではなく、
読者が主人公の魅力を直に感じられるような描写の一文でもあれば、また印象も変わるのですが。
ヒロインについても同じです。
美人で、頭が良くて、とのテンプレ設定については個人的な好みを除けば、まあありかな、とも思いますが、
主人公との会話や容姿や仕草の描写まであえてテンプレにする必要はないのでは?
このままだと、主人公がなぜヒロインに惹かれたのかがいま一つわかりにくく、物語に入り込みにくいです。
春という浮かれた季節のせいとしか思えず、めでたく恋が成就して嬉しいはずのラストで、何だか微妙な気分になってしまいがちです。
女の子にもてる主人公が、たくさんの中からどうしてその子だけをいいと思ったのか、そこを読み取らせるのがキモなのではないですか?
会話文はそれを読者に提示できる重要な部分でもあるので、さらっと流さず、もう少し魅せられるような流れがあればと残念に思います。
悪いですが途中主人公に対してちょっと気持ち悪いかな、とのマイナスな感情も抱きました。
惚れた動機が曖昧にもかかわらず、その強い思い込みだけが強調されすぎているせいです。