07/04/21 22:01:00 RFTfdlJp
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3:マロン名無しさん
07/04/21 23:01:13
>1乙
4:マロン名無しさん
07/04/22 03:27:14
>>1乙
5:マロン名無しさん
07/04/22 12:52:43
新スレ立て乙
6:マロン名無しさん
07/04/22 15:09:11 UDdhPsPq
あげとくお
7:マロン名無しさん
07/04/22 21:03:31
乙です
8:マロン名無しさん
07/04/24 08:45:45
新スレ保守
9:マロン名無しさん
07/04/25 16:10:14
保守
10:Pani Poni HAZARD
07/04/26 23:36:02 6zg/DZGo
保守ついでにあげときます
PCがぶっ壊れるとかもうやってられん
そろそろ投下しようかと思ってるので自分のこと覚えてた人は
待っててくれると嬉しいです、忘れてた人はなんとか思い出してください
11:マロン名無しさん
07/04/27 02:44:01
>>10
待ってます。
もう全裸でも寒くないし。
12:マロン名無しさん
07/04/28 11:01:21
保守
新作、前スレからの続きまだカナ?
13:マロン名無しさん
07/04/28 11:33:45
がんばります
14:マロン名無しさん
07/04/29 08:59:50
ganbarimasu...
15:桃月コンフィデンシャル
07/04/29 20:44:08
<4>
都は予備校での講義を終えると、家路に就くために外を歩き始めた。駅までものの五分、いつもと同じ帰り道だった。
すっかり夜は進行し、街は人工灯の装いに活気付いていた。
味気ない喧騒が至る所で弾けるように生まれ、名も無い街の彷徨者たちは力なくその渦に巻き込まれる。都はその上を無関心の態度で滑っていく。
駅の構内に入りかけたところで不意に後ろから声を掛けられた。
その日は存分に疲れきっていた都は、気怠げに声の方に振り向いたが、その段ではその声が誰のものであったか咄嗟には判別できていなかった。
だが、やがて眠たげな目の焦点が背後に満面の笑みで佇む懐かしい少女の姿に合わせられると、都はわずかな驚きとともに言葉と動きを失った。
少女はくたびれた藍色のパーカーを上着に羽織り、棒切れのように細い、口の締まった薄色のジーンズを穿いていた。
膝小僧の布地が擦り切れていたが、それがそういう加工のものなのか、それとも疲弊のために破けてしまったのか、一目見ただけでは容易には判断がつきかねた。
肌の色は黒ずんでいて、不健康な艶が頬の上に乗っている。全体を見渡してもみすぼらしい、擦り切れた襤褸のような風体を思わせたが、殊にその目はくたびれ方が顕著であった。
まるで元気の無い、疲れきった様で、それにも関わらず無理して笑顔を作ろうとするので、痛ましいほどに哀れを誘うのである。
彼女は―片桐姫子は、たった一人でそこに立っていた。
車道を背にして、ちっぽけなその身体を何とか立ち上がらせているような様子だった。都は無表情のまま彼女の顔を眺めていたが、やがてふてくされたように息を吐いた。
それはため息というにはあまりにも感情が無く、呼吸というにはあまりにも味気ないものだった。
「姫子じゃない。久しぶりね」
疲れを帯びた声で気怠げに口を開いた。本当はどうでもいいという声だった。
「久しぶり、都ちゃん。学校の帰り?随分遅いね」
「塾に行ってたのよ」
姫子はしばらく考えるようにして頭をもたげていたが、やがて都の方に近づきながら答えた。
「そっか。来年は受験生だもんね。最近どう?元気?」
都の少し手前で姫子は足を止めた。ポケットに両手を突っ込んだまま、背をひどく丸めている。
16:桃月コンフィデンシャル
07/04/29 20:46:23
「まあまあってところよ。あんたはどうなの?随分潮垂れてるみたいじゃない」
「そんな風に見えるかなぁ?私は何とか頑張ってやってるよ。他のみんなはどう?ベッキーとか元気にやってる?」
「宮本先生は最近随分おとなしくなったわよ。他のみんなもまぁそれなりに……」
都は素っ気なく答えたが、姫子はそれを聞きながら、突然吹き出すようにして笑い声を立てた。
都は無表情のままその様子を眺め、首を傾げて訝しいふりをして見せた。
「何がそんなにおかしいのよ」
「だって、"宮本先生"なんて。なんか変なんだもん」
姫子の態度にわずかばかりの苛立ちを覚え、都は言葉を浪費するのも億劫だといった口調で鋭く言い放った。
「みんな変わったのよ」
姫子の笑い声が止んだ。都は相変わらず表情を変えなかった。
「……そっか。そうだよね。もう帰るの?」
「ええ、そのつもりよ。あんたはこれからどうするつもりなの」
「私もお仕事終わりで帰るところ。とっても疲れたよ」
「何の仕事だったかしら?」
「ウェイトレスだよ。ファミレスのね。ようやく仕事にも慣れてきたってところかな。いまだにお皿を割っちゃうんだけどね」
「ふうん。日勤なの?」
「週末は夜勤もあるよ。私は眠くて仕方が無くってさ。家に帰ったらもうわき目もふらずにバタンキューだよ。仕事って本当に大変だね。
お金を稼ぐってことが生半可じゃないってことがわかったよ」
「そうなの」
都は逃げる機会を失って困惑し始めた。姫子は以前ほど饒舌ではなかったが、それでも話し出すと止まらないタイプの女だった。
心身に疲労が溜まっている状態では、相手にするのが面倒で仕方がない。
それでも彼女を振り切って逃げ出せるラインを既に通り過ぎていたことは明らかだった。
相手に振り回されるのは都の持って生まれた性格だった。どんなに冷徹非情を装っても、どんなに自助努力と独立心を主張しても、彼女はNOという言葉をどうしても言い切れない。
「ねぇ、都ちゃん」
「何よ」
「ちょっとだけ付き合ってもらえないかな」
「早く帰りたいんだけど」
都が言葉を濁らせるのにもお構い無しに、姫子は彼女の手を掴んだ。
「いろいろ話がしたいの。お願い」
17:桃月コンフィデンシャル
07/04/29 20:48:41
姫子に手を曳かれるまま、都はやむなくその後についていった。
その手を振り払うだけの気力がそもそも残っていなかったし、久しぶりに会った友人の誘いを易々と断って気まずい思いをしたまま眠りにつきたくなかったからだ。
二人はやがて誰もいない公園にやってきた。街の明かりが覆い被さるような植樹の影によって見えなくなっている。
かわりに公園の中に一本だけぽつんと立つ水銀灯の青白い強烈な光によって、二人はお互いの生気の無い肌色を見ることができた。
公園の真ん中辺りまで手を引っ張ったところで、姫子は振り返って都の顔を眺めた。
都は無関心を装いながらその当惑を密かにした。
「玲ちゃんの話、聞いた?」
姫子は唐突に口を開いた。
「玲?何かあったの」
「うん、聞いた話なんだけどね、最近玲ちゃん、病院に通っているって」
「病院?」
「そう。その、なんというか……薬物依存症の治療室だって。あの事件の後、もっとやばいクスリに手を出しちゃったみたいなの。
どうやら"冷たいの"みたいなんだけど、何かがマズくなって病院に駆け込んだらしいって。最近の玲ちゃん、そっちの筋の人とも付き合いがあるっていういやな噂も聞いたし、何か心配で」
「懲りてないのね、あの馬鹿は」
都の冷たい一言に姫子は一瞬、非難がましい眼差しをあげたが、すぐに顔色を暗くして俯いてしまった。
「そうだよね。みんな馬鹿だよね。大馬鹿者だよね……あんなことが起きたっていうのに、全然自分の罪の実感がついてこないんだもん。本当に、どうしようもない馬鹿だよ」
「わかっているのならいいじゃない。あんたは私にどうさせたいわけ?慰めてもらいたいの?優しい言葉でもかけてもらいたいの?
私は今のあんたのことなんかどうとも思っちゃいないし、正直に言えばどうでもいいの。玲の事だって、私には関係ない。知ったこっちゃないわ」
姫子の瞳がきらりと輝いた。涙の潤いがいっぱいに溜まっている。
都は心底嫌気がさして頭をもたげた。
「ごめん……ごめんね、都ちゃん」
「謝られる筋合いなんかないわ。あんたはもううちの学校の生徒じゃないし、私はもう赤の他人だからね。泣きたきゃ一人で泣きなさい、私を巻き込んで不愉快にさせようとするのはよしてよ」
18:桃月コンフィデンシャル
07/04/29 20:50:24
「本当にごめんなさい……あの事件のこと、6号さんや桃瀬君のことを怒っているんじゃないかって」
「あんたなんかに怒りをぶつけて何になるのよ。起こってしまったことはもうどうしようもないし、泣きごと言ったり謝ったりすればどうにかなるような問題じゃないでしょ?
大体、桃瀬君のことはあんたには関係ないでしょ。訳知り顔で首を突っ込むのはよして」
「でも、都ちゃん、落ち込んでいるんじゃないかって」
「あんたみたいな人間のクズに同情されるのは甚だ迷惑よ。自分の行動がどんな結果になるのかも予測を立てずに、好き勝手やって結局身動きがとれなくなって全部御破算にさせちゃうのよ。
周りの人間のことなんか考えず、辺りにあるもの構わず一緒に腐らせてしまう。それでもなお自分だけが周りから大切にされてしかるべきだと思って振舞っている。
そんないい加減なやり方しかできないような人間なんか―」
都が捲くし立てる途中で、ついに姫子は声を上げて泣き出した。
顔をくしゃくしゃにして、喉の奥から嗚咽を溢す。
都は咳払いをして心を落ち着けると、さっと身体を翻した。
「とにかく、もう私は行くわ。今度街で見かけても、もう声をかけないでよね」
「待って、都ちゃん!」
姫子の大声に都は立ち去ろうとするのを制された。
「私のこと……」
「何よ」
「何でもない。ごめんね、引き止めちゃって」
姫子は俯いた。髪の毛が目を覆い、その表情をいっそう暗く見せる。
「くだらないわ。全部、何もかも」
そう言い捨てると、都は歩き出した。街の夜の闇に向かって、ひっそりと。
「そういえば」
背後で姫子が呟く。
「何?まだ何かあるの」
「ちょっと巷に聞いた話なんだけどね、学校に関してよくない噂があるみたいなんだよ」
「噂?」
都の足が止まった。このところ耳に聞く噂にはろくなものがない。
19:桃月コンフィデンシャル
07/04/29 20:51:14
ここまで
>まとめサイト様
修正、どうもありがとうございました
20:マロン名無しさん
07/04/29 23:05:22
>>19
乙
久々に正統派学級崩壊SSの予感
21:マロン名無しさん
07/04/30 04:41:27
>19
Otsu, GJ!
Confidential san, kongo mo kitai shite masu yo!
22:今月のGFを読んで
07/04/30 23:12:52
エロありグロあり人死にありです。
NHKで黄色いバカンス絶賛放送中。
いつもよりさらに趣味に走りました……
23:今月のGFを読んで
07/04/30 23:14:21
【む】 無惨! コンクリート詰めで餓死させられたちびっこ天才教師!
【け】 毛虫のように全身に針を突き立てられたベホイミの死体
【し】 硝酸に一年間漬け込んで熟成させたメディア
【み】 都殺戮遊戯
【その1】
ドクロ仮面の上から無理矢理バケツを被せたら圧力で頭蓋骨が砕け、脳損傷でベホイミは死んだ。
「わ、私のせいじゃないですからねっ!」
怪力でバケツに押し込んだメイドは当然責任の大部分を担っているだろうに逃げたのでマジカルシュート。
そして未来は恋の終わりを感じたのだった。
だが未来の人生は今始まったばかりなのだ。
「きっと新しい出会いもあるデスよ。例えば隣に浮かんでるキュートなオオサンショウウオとか……」
「……うん、そうだね…… 雅ちゃんのお兄さんもかっこいいし……」
「あと隣に浮かんでるイケてるオオサンショウウオとか」
「麻生先生の妹になりたいな……服もおそろいにしたりして」
「あと隣に浮かんでる角がかわいいオオサンショウウオとか」
サラマンダーの肩を誰かが叩いた。振り向くとそこにはメソウサが立っていたのだった。
24:今月のGFを読んで
07/04/30 23:15:43
【その2】
「とおりゃあ!」
空気を震わせるやや間の抜けた気合と共に最強の手刀が振り下ろされる。鈴音の最終奥義『鈴音チョップ』である。
全てを切り裂く閃光の剣は南条のスカートの中から伸びた太い尾を切り裂いた、かに見えた。
『まあ……痛いですわね』
切断面がブツブツと盛り上がったかと思うと、鋭い牙が飛び出して口になり、ドラゴンの頭になり、チョップの炸裂から一秒も経たないうちに鈴音の右手に噛みつく。
「痛いーよー」
鈴音はこのまま右手を食いちぎられるのを覚悟した。
が、その考えはあまりに甘かった。
尻尾を覆う鱗の一枚一枚が銛のように変化し、鈴音を串刺しにしていく。急所を狙うとも避けるともせずに機械的に突き刺していく。
「鈴音! やめろやめてくれ動物女!」
南条は乙女に微笑みと共に一礼し、尻尾のドラゴンで鈴音の死体にかぶりついた。むしゃむしゃとかみ砕き、ごくんと飲み込んだ。
『尻尾には普段味覚と嗅覚は持たせていませんの。もちろん持たせる事も出来ますけれど、獲物を食べる時にはあまり味わいたくないものですから』
美食家で鳴らした彼女にとって、アンデッドや機械を味わって食べる事は耐え難い苦痛なのだ。
「鈴音えぇぇぇぇぇぇ……ッ!」
絶叫する乙女の目の前に鈴音の鎧の一部が吐き出されてバウンドして転がって止まった。
25:今月のGFを読んで
07/04/30 23:16:38
隙を付いてアイテムを盗もうと忍び寄っていた姫子だが、振り向きざまのノートゥングの一閃で縦方向に真っ二つにされた。
自ら先陣に立ち敵軍を屠ってきた女帝の剣は確かであり、さらに聖剣の力も加わってシーフの回避能力などあってないようなものである。
「マホ」
姫子の陰から綿貫が風車を全力で放っていたが、左手の手刀に叩き落とされる。
「かえるにょぱにぽに!」
さらに玲がカエル爆弾を放ったが爆風は南条の髪を揺らすに留まった。
『可愛いカエルさんの命を弄ぶとは許せませんわね』
南条の左目から暗黒の輝きが一条の閃光となってほとばしり、カエルの命を弄ぶ玲の胸を貫く。心臓を貫かれ玲の命の灯火はあっけなく尽きた。
秘術により南条の影から出現し不意打ちを試みた一条も左手で頭部を握り潰されて悶死した。
『甘い……甘いですわね……うん?』
「『始原の劫火よ天壌を満たす炎よ天空の彼方より来たり我が仇敵を灼き滅し給え』スターライトフレア!」
ベッキーは宇宙の彼方から恒星の炎を召喚して南条に浴びせる。結界魔法による空間隔絶を前提とした禁断の炎魔法である。
特にアンデッドに対しては絶大な効果を誇り、つい先程、由香と千夏を焼き滅ぼしたばかりだ。
世界征服を唱えパシフィス、レムリアにベッキーのメガラニカや綿貫達のシャングリラ、いつのまにかティルナノーグも滅ぼした南条を討つべく
太陽都ヒラニプラに潜入した反帝国軍の精鋭だったが、ベッキー達の虐殺してきたモンスターを吸収して究極の獣帝へとクラスチェンジした南条に返り討ちとなった。
全滅を覚悟した時に命懸けで逃がしてくれたのが『アトランティスの剣と盾』由香と千夏だった。
巨大な顎でかみ砕かれる千夏に、尻尾で締め上げられて骨を砕かれる由香の悲鳴を聞きながらベッキー達は敗走した。
二人がいなければ今こうして再び南条と戦う事も出来なかったのだ。感謝してもし足りない程の恩人の二人は
南条の僕として復活させられ、植えつけられた狂的な忠誠によって変わらぬ剣をベッキー達に振るわせられた。
「骨まで燃えちゅきりょ!」
憤りの炎も威力に換えて全力で叩き込む。
26:今月のGFを読んで
07/04/30 23:17:22
……が、南条は涼しい顔であった。
目の覚めるような瑠璃色のドレスの背中から真紅の翼が伸びると、炎はみるみる翼に吸い込まれてしまう。
『不死鳥は炎の中より蘇る……博覧強記で鳴らしたあなたなら御存知かと思いますけれど、レベッカ姫』
翼に炎を揺らめかせ、またノートゥングに伝わらせて燃え上がらせながら南条操は微笑んだものだった。
一応は人間の形を保っているものの、戦いの中で尻尾を現出させ、今また翼を伸ばした姿に、ベッキーはあの時の、最強の獣と化した南条を垣間見た時の戦慄を感じる。
「くっ……」
『私を倒したいというのならこの位はして頂かないと…… エトワールトロイメライ』
南条の呼びかけに応じて、空間を越えて無数の恒星がベッキー達に降り注ぐ。
「うわああああっ!」
「ぎえーっ!」
「ぬるぽーッ!」
次々に超新星爆発を起こす銀河の奔流の中でベッキー達は息絶えていくのだった。
27:今月のGFを読んで
07/04/30 23:25:40
【その3】
「あーっ! また全滅したー!」
コントローラを座布団に投げ捨ててハルカはペットボトルから炭酸飲料をあおった。
ライムベースのさわやかな味が大好評という触れ込みの、日本新発売の製品である。
南条製薬が輸入発売しており、マーケティング戦略の成功もあって出足はなかなか好調のようだ。
もちろん宮本病院の自動販売機にもばっちり入っている。
「げぶっ」
勢い良く炭酸ガスを吐き出す。
「まあラスボス強くなるの知ってて強化条件全部満たしちゃったんだから無理ないか」
「おまえって」
ハルカお手製のビーフシチューを食べながらその南条製薬の社長を務める南条つるぎがあきれたように言う。
「本当にゲーム好きだな。どこの世界に愛人にファミコン買いに生かせる女がいるんだよ」
「あんたが買いに行ったわけじゃないでしょ? どうせ秘書あたりに買いに行かせたくせに」
「俺は忙しいんだよ」
最近は後発医薬品を優先して使用する傾向が強まっているのでネームバリューに胡座をかいてばかりもいられないのだ。
「家に帰る暇もないくらいにね。もっとも愛人宅に泊まる暇はあるみたいだけど……あとファミコンじゃありませんー」
ハルカに非難のまなざしを送られてつるぎは頬を膨らませる。
「ふん……都にも雅にも言われたよ」
28:今月のGFを読んで
07/04/30 23:27:41
「そういえば雅ちゃん元気?」
「ああ、元気だよ」
「みたいね。メールの文面だと」
雅にとってハルカは『お父さんの知り合いのゲーム好きなお姉さん』という認識なのだろう。
一度ボーイズラブゲームの隠しキャラ攻略の相談に乗ったところ歳も四つしか違わないせいか信用を勝ち得たようで、時々両親にも内緒の事柄をメールしてくる。
ちなみにハルカのゲーム機を買ってきたのも実は雅であり、南条家のコネを活かして早々に、
具体的には大作RPGの参入の翌日に自分の分は発売と同時に確保する約束を取り付けたのだが、『やはり発売日の午前零時を店頭で迎えてこそ』というポリシーに則って
秋葉原で徹夜したのだ。
もっとも、雅を心配する親心から一番年若い女性秘書に同行を命じたので、秘書に買いに行かせたというのもあながち間違ってはいない。
「修君は?」
「今年受験だからな、大変だ」
未成年でなければ雅には修を同行させたところである。
「そうね……くるみちゃんもでしょ?」
「……そうだっけ? ……来年じゃなかったか? いや済んでいたような気も」
「あのね、修君とくるみちゃんは双子のきょうだいでしょうに…… 酷い父親ね」
「家の事は都に任せてるからな。それにくるみは印象が薄い。地味だ」
「愛人の前で本妻の話をする? 全く……酷いパパでちゅねぇ」
言ってハルカはおなかをなでた。慈しむように柔らかくたおやかに。
29:今月のGFを読んで
07/04/30 23:28:37
「……パパ?」
「綿貫産科で診てもらったわ。三十八週ですって」
「俺の息子か?」
「残念でした、女の子」
「あ……いや……」
「あなた以外の心あたりないもの。それにそういう契約でしょう? 私はあなたのもの、そのかわりあなた……南条製薬は宮本病院に便宜を図る」
「……あそこでおまえを見た時に感じるものがあったんだ。おまえは若い時の都に似ていた。今じゃ五十一のババアだが当時は輝いていたんだ」
どこで見たのかは差し支えがあるのでここでは書かない。
「私、産むわよ。てゆーかもう堕ろせないし」
中絶は建前上は二十二週までしか認められていない。
「ああ、いいよ」
つるぎはあっさり言った。
「そう……ありがとう」
「名前はもう決めたのか?」
「いえ、あなたにつけてもらいたいと思って」
「じゃあ晶というのはどうだ? おまえに初めて買ってやったのがクリスタルガラスのグラスだった」
「うん、ちゃんと持ってるわ」
「子供が産まれたらあれでワインを飲もう。おまえの誕生年のやつをな」
「ええ」
ハルカはうれしそうにおなかをなでた。そのおなかはぷっくりと膨らんで、南条操の秘書綿貫のようだった。
つるぎはハルカのおなかに頬ずりしようとしたが強く止められたので涙を呑んだ。
30:今月のGFを読んで
07/04/30 23:31:40
【その4】
「というわけだ」
「もしも桃月学園が病院でもそんな展開にはならんだろ」
「いやわからないぞ。それよかジュゴン、ちゃんと救助よんでくれたかな」
寝転んだまま小石を太平洋に投げてレベッカが言う。
「さあわかんねえなあ」
「先生……乙女さん」
宮田は俯いた。
この二人は、やめてくださいかわいそうですと叫ぶ宮田を暴力で黙らせて、ジュゴンを殺して食ってしまったのに、それも忘れてしまったらしい。
乙女の渾身の一撃をもらった脇腹は今でも痛い。
(でも……おいしかったなぁ)
ジュゴンの脂肪たっぷりの肉は空腹という事もあって美味しかった。
(また、食べたいなぁ)
宮田の目には寝そべるレベッカ宮本と秋山乙女がなんだかジュゴンのようにも見えてきたのだった。
宮田はいつのまにか棒を握りしめていた。
『もすけて』と救援のメッセージを描いた時に使った棒である。
31:今月の萌王を読んで
07/04/30 23:37:43
【その5】
コピー本の原稿をなんとか終え、念を押すように保存して片桐姫子は大きく伸びをした。
「さあネットでもやるか」
以前のパソコンでは期待のギャルゲーにスペックが足りなかったので買い換えて以来、パソコンで原稿を処理する事も多い。
原稿をやりながら散々ネットを覗き、『原稿の進行状況を語るスレ』のお世話になりまくって挙げ句新スレを立てたりしておきながらいまさらであるが、わざとらしく口に出してブラウザを立ち上げる。
原稿に専念する為に三十分ほど前に画像処理ソフト以外のソフトは切ったのである。
メモリは限界まで増設したので足りているが、作業中のBGMには携帯ラジオのアニラジや
(タイマー録音の待機中にはコンポが使えないし、トイレには携帯ラジオでないと持っていくのは難しい)
部屋のテレビでアニメを見る事にしており、パソコンのプレイヤーはあまり使わない。
32:今月の萌王を読んで
07/04/30 23:39:08
(なになに……『萌え萌え詐欺』? メイドや妹に扮しては金を騙し取る? ひどい話だなー)
書き込みにはアップローダーへのリンクが張られており、一緒に取った写真がアップロードされていた。
そんな女の顔を一目見てやろうとクリックするとブロードバンドの偉力素晴らしくすぐさま表示される。
が、しかし姫子の脳が表示された画像とそれから導き出される事態を認識するまでにはしばらくの時間を要した。
33:今月の萌王を読んで
07/04/30 23:40:59
目線は入っていたが生真面目そうな男と肩を組んで写っていたのは誰あろう、
三年前に高校を卒業して以来疎遠になってしまったが、今でも彼女の方では親友と思っている高校時代のクラスメイトの橘玲であった。
姫子がコーディネイトした『白玲ちゃん』をアレンジした髪形とメイクで媚びた笑いを向けている。
髪こそ染めていたが間違いなく玲だった。
姫子はしばらく衝撃に打ちのめされたがのろのろと原稿を出力し、魂が抜けたまま面付して、コーヒーをあおってから家を出た。
そして気がついた時には家に帰っていて紙を折っていたのだった。
(折りは明日にして今日はお風呂入って寝るつもりだったのになぁ……)
思わぬ作業のはかどりにうれしくなった姫子は、すぐに玲の事を思い出して鬱になった。
34:今月の萌王を読んで
07/04/30 23:42:59
数日後、被害者の一人と街で出会った玲は金を返還するよう求める被害者に侮蔑の言葉を浴びせた為、
彼が持っていたサバイバルナイフで刺し殺されてしまうのだがそれはまた別のお話。
35:今月のGFを読んで
07/05/01 00:00:12
以上です。
黄色いバカンスにあわせて急いで書き上げましたがおかげでなんとか四月中に間に合いました。
南条さん好きがあさっての方向に行ってしまいましたでしょうか、いろいろな意味でごめんなさい。
(私はムーンライト・ラブをリクエストしたんですけどね。
それにしてもまさかNHKでぱにぽにの曲が聞けるとは。
さらに新谷良子ちゃんが宮田やぱにぽにについて熱弁を揮って説明してたし。)
36:マロン名無しさん
07/05/01 09:57:57
GF氏GJ
相変わらずのカオス
37:マロン名無しさん
07/05/01 11:21:24
今月氏GJ!
待ってました!!
38:マロン名無しさん
07/05/01 17:10:59
おおお!!!!
って、ラジオ聞き損ねたorz
39:マロン名無しさん
07/05/02 17:54:09 VLmwal1J
まとめサイトの「'Round About Midnight、」が見れん。
40:マロン名無しさん
07/05/02 18:40:46
まとめサイトといえば、独白さんのヤツ、そろそろ
ひとつのコーナーにまとめたほうがいいんじゃない?
最後に全部つながるみたいなこと言ってたし。
41:マロン名無しさん
07/05/02 21:13:28
今気づいたんだが、前スレまだ生き残ってね?
42:マロン名無しさん
07/05/02 21:49:46
1000行くよ
43:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:12:39
久々に次行きます
「マホホ、マホホ、マホホ~♪」
気が滅入る様なじめじめとした空気の中、こんな場所には不釣合いな声が鳴り響いていた。
「・・・おい、姫子」
「マホ?何かな玲ちゃん?」
「あのなあ・・・お前今の状況分かってるか?よくそんなお気楽気分で居られるな」
「う・・・ご、ごめんね玲ちゃんちょっと選曲がマズかったかな?」
「そういうことじゃない・・・全くお前って奴は・・・本当に羨ましいよ」
口ではこう言ったもののさてこれからどうしたものか、今のところの目標はベッキー達や他の生存者
を探すというところだ、しかし今自分たちは地面の上では無く下に居る、はたしてこのまま地下を進んで
生存者を見つけ出す事ができるのだろうか?それは玲にももちろん姫子にもわからない。
44:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:13:34
「マホ!玲ちゃん、見てアレ!」
「ん?なんだ?」
考え事をしながら歩いていた足を止める、玲たちの目の前には格子でできた扉が立ちふさがっていた
「なんだこりゃ・・・取っ手どころか鍵穴すら無いじゃないか」
「玲ちゃん。こっちにはもう一つ扉があるよ、ここは普通に開きそうだけど」
「嫌、待て、必ず何か有るはずだ・・・これは?」
それは扉のすぐ近くの壁にあった、調べてみると何やら丸いくぼみがある
「・・・??何かをはめるのか?」
「玲ちゃん見て!何か書いてあるよ?」
「本当だ、何々・・・「翼をここへ」?何だそりゃ?」
「マ・ホ???」
(待てよ・・・そもそもなんでこんなとこにこんなものがあるんだ?何かのアトラクションか?嫌そんなバカな・・・)
「玲ちゃん?」
「ん?ああ、すまん、何だ姫子?」
「とりあえずここは置いといて、こっちの扉に入ってみたらどうカナ?なにかあるかもしれないし」
・・・確かにその通りだ、ここから先に進むには何かがが必要なようだし、ここで頭を抱えても進展は無いだろう
玲はそう判断した。
「よし、行こう」
ドアノブをひねると扉はあっさりと開いた、電気は付いているようだ。
扉の先には同じような作りの下水路が通っていた。
「ここから違うところに行けるみたいだな、何が居るかわからん、用心しろよ姫子」
「了解であります玲ちゃん!!」
45:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:14:29
玲たちにしてもそうだが下水道に制服というのはあまりにも不釣合いなものである
そもそも下水道に似合う服など作業着ぐらいのものであろうが、ほんの少し前、
玲たちが通った道を進んでいる少女の格好もあまりにミスマッチだった。
しかしゾンビたちにとっては姿形背格好などどうでもよいのである、とどのつまり
美味ければいいのだ、汚水の中から起き上がった彼もその一人であり、その少女の
格好など気にすることもなくただただ少女を食らいに歩き始めた。
足を止めた少女は起き上がった彼にひるむ事も無く、逃げる事も無く
ただ当然といわんばかりに
手に持った銃を構え、引き金を引いた。
目にも留まらぬ速さで彼の体に鉛弾が打ち込まれ、そのまま彼は汚水の中に倒れた。
少女は彼が動かなくなったのを確認すると、再び歩き始めた。
46:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:15:17
「ハァッ・・・ハァ・・・」
「れ、玲ちゃん?大丈夫?ケガはない?」
「ああ、心配無い、助かったぞ姫子」
「マホホ・・・よかったよ・・・」
玲の人生で銃を撃ったのはこれが初めてだった、厳密に言えば撃たざるを得なかったという感じだが
手の痺れが否応にもその実感を体に伝える、これもそのうち慣れるのだろうか。
「まさか・・・ロッカー開けたら中に居るとはな・・・本当に驚いた・・・」
「オメガびっくりした・・・心臓が飛び出すかと思ったよ、マホホ~」
事の始まりはこうだ、玲たちは扉の先の道を進んでいた、するとこの下水道の管理者の部屋にたどり着くことが
出来た、下水道の管理者というのならば当然ここのことは知り尽くしているはずである、ということはあの扉のヒント
があるに違いない、そう思った玲たちは直ちに手がかりを探すために部屋をあさり始めた。
しかし不運なもので、始めに調べようとしたロッカーの一番端の扉を開けた瞬間、見たくも無い腐った顔面が目に飛び込んできた上
襲い掛かってきたのだ、玲の絹を裂くような悲鳴とともに玲は床に押し倒されてしまった。
しかしそのままゾンビが玲の首筋に噛み付こうとしたとき、姫子の必殺、パイプ椅子アタックが炸裂しゾンビを引き剥がしたのだ。
体勢を立て直した玲は、迷うことなく銃を取り出し、ゾンビに向かって引き金を引いた。
これである、結果として玲の眼前には頭がはじけたゾンビの死体が転がっている、まさかと思ったがやはり頭を撃つのは
胴体を撃つよりも有効なようだった。
47:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:16:01
「ふう・・・もうこの部屋にはいないだろうな?もう二度とゴメンだ」
「うん、夢に出てきそうだよ・・・」
それにしてもいくら化け物相手だったとは言え、人間だったものを撃つのは若干嫌な気分だった。
もちろんそんなことを言ったところで何も始まらないことは玲自信分かっていた、しかし人間の感情というものは
理屈では片付けられないこともある―止めておこう、今はこんな事を考えている場合ではない、そう自分に言い聞かせた。
「さて・・・気を取り直して手がかりを探すか・・・大丈夫か?姫子?」
「うん、多分大丈夫カナ、ありがとう玲ちゃん」
部屋自体は広くない、まずはかたっぱしからロッカーを開けてみる、今度は腐った顔を見ずに済んだ、そのかわり何も無かったのだが。
次に机の上を眺めてみる――何も無い、さて、次は・・・と思った時、姫子が声を上げた
「玲ちゃん!コレ見て!」
「!何かあったか?」
「うん、コレ!」
姫子が手渡してきた物は日記のようだった、ここの管理者のものだろう
「ほら、ココ!」
「なになに・・・」
今日はついていない、扉を開けるためのメダルを無くしてしまったからだ、まいった、あれが無いとお偉いさんにどやされる
多分部屋に戻るまでにどこかに落としたんだろう、早く探さなくては
「メダル・・・なるほどな、あのくぼみにそれを・・・」
「でもこの人、メダル落としちゃったって書いてるよ?探さなくちゃ!」
「しかし場所がわからんとなるとかなり大変だな・・・仕方ないか、よし、行こう姫子」
玲たちは日記を床に放り投げると一目散に部屋から出て行った。
「「翼をここへ」・・・何っスか、これ・・・」
48:Pani Poni HAZARD
07/05/04 02:16:37
ここまでです、なにかあったらどうぞ
バイオの魅力としてはやっぱこういう意味の分からない謎解きとか
律儀に手記やら日記やらを残してる奴らとか色々ありますね
ラクーンシティはそういう意味だととても貴重な町です
市長の像が回転してバッテリーが出てくるのはラクーンだけです
今月氏
GJです!!、そのカオスっぷりは見習いたいです
49:マロン名無しさん
07/05/04 13:29:55
>ハザード氏
乙、GJ!
バイオ世界とぱにぽに世界のうまい融合、流石です。
続き楽しみにしてます。
50:マロン名無しさん
07/05/04 23:07:24
前スレ1000行った!!
これって初めてじゃ?
51:マロン名無しさん
07/05/04 23:08:17
>>48
いいよーいいよー思わずおっきしたおーw
52:マロン名無しさん
07/05/04 23:43:20
このスレも1000を目指そうか
53:マロン名無しさん
07/05/06 02:46:23
もう無理かも知れんがインプランタとバトロワの続きマダー
54:マロン名無しさん
07/05/06 03:33:02
ハザード読んで、バイオ系のゲームやりたくなったが・・・
DSしか持ってませんorz
55:マロン名無しさん
07/05/06 03:36:41
>>54
DS持ってるんなら1の移植がありますよ
56:マロン名無しさん
07/05/06 12:24:15
>>53
俺は『誰か』氏も追加するぜ
57:54
07/05/06 13:33:04
>>55
探してみる。
けどDSとか携帯ゲーム機でプレイするより、
PSやwiiでプレイしたほうが迫力あるんだろうな、こういうゲームは・・・
58:マロン名無しさん
07/05/06 15:16:50
ぱにぽにゲーム化すればいいのに
59:マロン名無しさん
07/05/07 16:49:03
保守
60:マロン名無しさん
07/05/08 01:01:46
独白の人です。
都の独白の続きです。
61:マロン名無しさん
07/05/08 01:02:42
<上原都の独白:3>
既に高くなった南国の太陽が、窓越しに私たちを照らしていた。
午前中の調査に同行したハワイ大の院生のお勧めの、ケエアウモク通りの
ちょっと古びたダイナー。
マキキでのフィールドワークで疲れた私にはもう、伸びかけたサイミンを
最後まですする元気もなくなっていた。
エビのダシがよく効いたスープは確かにおいしかったけれど、なんだか
これ以上食べる気がしなかった。
「都君…どうした、浮かない顔して?」
「…ちょっと疲れただけよ。
ご心配なく。」
「そうか…ならいいんじゃが、無理は禁物じゃよ。」
向かいでロコモコをぱくつく、Reyn'sのアロハシャツ姿の教授の言葉に私は答えず、
赤いビニール張りの座席の背もたれに上半身を投げ出す。
冷房にかなり長い時間晒されたビニールの、ひんやりした感触。
からん、と音を立てる、アイスティの氷。
近くの席でオックステールスープを食べながら談笑する、おそらく韓国系の
老人たちの話し声。
日系人の家庭での聞き取り調査という今日の体験は、私に父のことを
再び考えさせるのに、果たして十分だった。
ここで育ち、イラクで死んだ父も、あんな家に生まれたのだろうか。
銃弾が頭を貫いたその瞬間に、ここでの暮らしのことを思い出したのだろうか。
それとも、母や私のことを考えながら死んでいったのだろうか。
…なんだか、涙が出そうになった。
62:マロン名無しさん
07/05/08 01:04:00
教授は、何を思い、今回のフィールドにここを選んだのだろうか。
そういえば、私たちの最初のフィールドも、父との因縁深いバグダッドだった。
あのときはベッキーもメディアもいて、私はまだ何もできなかったけれど、
確かに私はあのとき、父の亡くなった土地へと足を踏み入れたのだった。
1回目は、偶然だと思うことができた。
何も考えていない風を装い、その場を楽しむフリくらいはできた。
でも、2回目となると、どうもそうは思えなかった。
私は、教授の無神経さに、アメリカ人ならではの傲慢さとも思える部分に、
静かに腹を立てた。
教授は、私に何をさせようとしているのだろうか。
何を、考えさせようとしているのだろうか。
「都君、レモンシフォンパイ食わんか?
あの院生の…ナタリー君じゃったか、が言っとったが、ここのは
とびきり美味いらしいぞ。」
「…いらない。
なんかあまり食欲ないんだ。」
「お前さんくらいの歳の子は、ちゃんと食わんとダメだぞ。
まあ、お前さんが食べなくてもわしは食うんじゃけどな。」
「そうやって食い意地張った人ばっかりだから、お宅の国は世界で一番
ダイエット産業が流行ってるんじゃないの?
クルマにばーっかり乗ってて歩かないし。
おまけに、BSEで世界中大騒ぎしたのに、今でもみーんな平気で牛肉
パクパク食べてるし。
ホンっト、『繊細』って言葉とはほど遠い国よね、ここは。」
63:マロン名無しさん
07/05/08 01:04:59
「おいおい、今日は随分手厳しいな。
昨日アラモアナセンターに寄らなかったから、怒っとるのか?」
「別に…ちょっと疲れてるって、私言わなかった?」
アラモアナセンターか…すっかり忘れてた。
American Eagle OutfittersとかHolistarとか、日本にまだ来てないお店が
いっぱい入ってるから、絶対寄ろうと思ってたんだっけ。
ワイケレで大分散財したけど、お小遣いにはまだ余裕があるもんね。
教授が、日系らしい、もう60近そうなウェイトレスさんに追加の注文を頼む声を
聞きながら、私は窓の外を眺めていた。
建物の影からちらっと見える、山側がまだ工事中のアラモアナセンター。
確かあそこには、今度Nordstromが入るって話だったっけ。
「…ねえ教授、やっぱりアラモアナ、寄ってもいい?」
「ああ、晩までもう今日は何もないからの。
何じゃ、何だかんだ言って、本当はやっぱり行きたかったんじゃないか。」
「…まあね。」
私は、もう一口だけ、サイミンのスープをすすった。
ちょっとだけしょっぱい、エビのダシの効いたスープ。
もうぬるくなっちゃってるけど、そこそこ美味しいスープ。
アラモアナセンターで買い物したら、ホテルに帰ってシャワーでも浴びよう。
それで、ラナイでレッドブルでも飲んで少しボーっとしよう。
なんだか、考えることに、段々疲れてきた。
64:マロン名無しさん
07/05/08 01:06:36
窓の外は、相変わらずの晴天。
もう1時間もしたらスコールが降るかもしれないけれど、まだまだ、抜けるような空。
私は、また背もたれによしかかると、少し目を閉じた。
そっと、目を閉じた。
65:マロン名無しさん
07/05/08 01:08:01
以上です。
おやすみなさい。
66:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:41:41
次行きます
「メダル、メダル、メダル、メダル~」
「くそっ・・・見つからないな・・・」
無い、あの格子の先に進むにはそのメダルは必要不可欠なものだった
しかし見つからない、当然だろう、この下水道で見た事もないメダルを探し出す
などというのは至難の業だ。
「あ~もう、ねえ玲ちゃん、ココには無さそうダヨ?別のところに行ってみない?」
「ああ・・・そうだな、少し先に進んでみよう」
(ここの管理者はどこかから部屋に戻る時にメダルを落としたわけだから・・・
そのどこかに近づいていければ良いが・・・)
「ここカナ?よっと・・・」
もういくつ通った分からない同じ作りのドアを開ける、開いた先は今までのところよりもっと水がよどんでいた。
「うええ・・・きったない、もうヤダよ~」
「弱音を吐くな姫子・・・私だって辛いんだ・・・しかしこれじゃ全く見えないな・・・まいった」
67:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:43:43
「ねえ玲ちゃん・・・ホントに入るの?ホントに?」
「う~む、コレじゃ仮に入っても手探りで探す羽目になるな・・・仕方ない、私がやろう」
「マホッ!!玲ちゃん!男前!!頑張って玲ちゃん!応援してるよぉ~!!」
「はいはい、調子のいい奴だな、よし・・・くうう・・・気持ち悪い・・・」
「頑張って玲ちゃん!!きっとメダルの奴はそこに隠れてるよぉ~!!」
「分かったから少し黙っててくれるか・・・ああもう、何でったってこんなことに・・・」
「ファイトだよ玲ちゃん!!メダルはいつもそこにある!!」
「ああダメだ!!見つからん!!これじゃラチがあかない!」
「う~どうする玲ちゃん?アレが無いとあそこから先にいけないし・・・」
「もういい、あそこは後回しだ、まずはこの道がどこに通じてるのか調べよう、何か手掛かりがあるかもしれないからな
もしかしたらこっちに出口があるのかもしれない」
「アイアイサー!じゃあ行こう!」
68:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:44:58
「ねえ玲ちゃん」
「なんだ?」
「ここってさあ、一体どこにつながってるのカナ?すごく広いし・・・」
「さあな・・・私にもよく分からん、けど確かにただの観光地にしちゃ変な島だな・・・」
「ココの島ってこんなになる前はどんなとこだったのカナ?」
「さあ、それもよく分からない、けどまあ、今の状況を見る限り・・・普通の島じゃなかったんだろう、南条の奴、この島の事を知らされてなかったのか?」
「南条さんたち何やってるのカナ?こんな事になってるんだからなんとかしてほしいんだけどなナ・・・」
(確かにな・・・本当ならこんなところ1分も居たくない)
「そう落ち込むな姫子、そのうち助けが来るさ」
「うん・・・そうだといいケド・・・」
「・・・来るさ、きっと」
「うん・・・ あ、玲ちゃん、また扉が」
「よし、行くぞ」
またドアノブに手を掛ける、いいかげんこんなところは飽き飽きしているのだがそうはいかない、玲たちは先に進まなければならなかった。
「マホ?なにここ・・・?」
「・・・?何だこりゃ?なんでこんなとこにモニターが?」
69:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:45:39
玲たちがたどり着いた場所は複数のモニターが設置されている部屋だった、そのモニターにはどこかの場所が映し出されている。
「これは一体・・・どこの映像だ?」
「!!玲ちゃん見て!人がいるよ!」
「何!?」
姫子の言葉に反応した玲はすかさずモニターをとらえた。
そのモニターには白衣を着た研究員らしき男が壁際に追い詰められている映像だった、男が何を恐れているのかは玲たちもわかっていた。
男は壁にすがり尽きながらなにやら叫び声を挙げている、しかしそんな声が奴らに響くはずが無かった。
モニターにゾンビたちの姿が映し出される、1,2,3,4,5,6,7匹、確認できただけでもそれだけの数が男に迫っていた。
男はなおも叫びながら壁にすがり続ける、男は信じていない神に祈った、死にたくない、助けてくれ、と。
しかし、この島に神などというものはいなかった。
ゾンビたちが泣き叫ぶ男に覆いかぶさっていき、残りのゾンビもそれに続いた、あっという間に男は血しぶきを上げ、死んでいった。
姫子はモニターを見れなかった。
玲はモニターから眼を離さなかった、いや、離せなかった。
70:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:47:58
「玲ちゃん・・・?大丈夫?」
「ああ・・・少し、気分が悪くなった・・・けど大丈夫だ、さあ、手掛かりを探そう」
「うん・・・」
ガン
「!?」
ガン
「れ、玲ちゃん・・・?」
「・・・姫子、こっちに来い・・・早く来い!!」
ガンガンガンガンガン
轟音とともに扉が悲鳴を上げ始めた。
玲の頭の中にはあの映像がこびりついていた、怖い、本当に怖い、手に持ったベレッタのグリップが汗で滑る。
一匹ならまだ何とかなる・・・だがそれ以上ならどうだ?切り抜ける自信は全く無い、ということは、あの男のように姫子ともども・・・
「死ぬ」
死という言葉がとても重くのしかかる、そう、奴らは化け物なのだ、話し合いも袖の下も全く意味を持たない、生き抜きたければ、殺さなくてはならない。
ガンガンガンガンガンガンガンガン
扉はもう壊れかけていた、姫子は玲の服を思い切りつかんだまま顔を伏せて震えている、心臓の鼓動が恐ろしいほど早くなっていた。
バン!!
勢いのよい音とともに扉が開かれた、開かれた扉の先には、5匹の飢えた化け物たちがたたずんでいた。
そして二つの餌を目標に、一斉に動き始めた。
71:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:49:41
「玲ちゃぁん・・・」
「いいか姫子!私が撃ったら隙を見て逃げろ!いいな!」
「え?だったら玲ちゃんはどうするの?玲ちゃんも逃げないと!」
「いいから私の言うとおりにしろ!!死にたいのか!!」
玲が必死に逃げるための作戦を考えている最中もゾンビたちは距離を詰めていた。
一匹のゾンビが玲に襲い掛かる
玲はメガネのレンズ越しに狙いを定め、頭目掛けて引き金を引いた。
パンッ
乾いた音が部屋に鳴り響く
「今だ!行け!」
玲の叫び声と共にゾンビの頭が大きく後方にのけぞる、しかし死んではいなかった。
姫子は銃声と共に出口に走り出していた、しかしゾンビたちがむざむざ餌を逃がすはずが無かった。
「きゃああああああ!!!!」
「!姫子!!」
姫子はあっという間に壁に押し付けられてしまった、女の子の力ではゾンビたちの怪力にはとても太刀打ちできない。
「今助けるぞ!!」
玲はゾンビの間を縫って動き、姫子に今まさに噛み付こうとするゾンビを思い切り蹴飛ばした。
「大丈夫か!?逃げるぞ!!」
姫子の手を握りしめ一目散に出口に向かおうとする、しかしその玲の足を掴むものが居た、奴らは玲たちを逃がすつもりなど毛頭無い
頭を9m弾で一発撃たれた程度では奴らは死なない、蹴飛ばされた程度では奴らは死なない
72:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:50:39
「こ・・・のぉっ!!!」
つかまれた足を必死に振りほどく、しかし敵は一匹ではないのだ、目の前にはすでに別のゾンビが立っていた。
そのゾンビは玲の肩をガッシリと掴むと、その口を大きく開け、生きのいい肉を堪能すべく食らいつこうとした、
「う・・・ああああああっ!!」
すかさず銃を構え、銃口を頭に向けると、引き金を引いた、その衝撃で腕が離れた。
「姫子!立てるか!?出口まで走れ!おい!」
「いやっ・・・やだよぉっ・・・」
さっきまで玲の足を掴んでいたゾンビは、目標を姫子に変更していた、腰の抜けた姫子をジリジリ追い詰めていく。
「こいつッ・・・」
玲も目標を変更し姫子を助けるべく這いずっているゾンビに銃を向け引き金を引いた、しかし弾は出なかった。
「・・・嘘だろう?」
その一瞬だった、頭に穴を開けたゾンビが玲に再び襲い掛かった。
口を大きく開け必死に食らいつこうとする
「くっ・・・やめろ!やめろぉっ!!」
決死の思いで振りほどく、しかしもう玲に対抗する手段は残されていなかった。
じりじりと迫ってくるゾンビたちに対して玲たちはまったくの無力なのだ。
気づくと二人とも背中には壁があった、そして目の前にはゾンビが居た、頭の中にこびりついたあの場面が今再現されようとしている
自分達が犠牲になって
もう玲は諦めていた、姫子を逃がす事も、ベッキーたちと再会するのも、生き延びる事すら、諦めていた。
73:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:51:29
その時、音が聞こえた、金属音だった。
「伏せるっス!!」
最後に残った判断力を使い、玲は姫子をかばうように伏せた。
すさまじい音と共にゾンビたちが血を撒き散らしながらバタバタと倒れていく、あっという間に立っているゾンビは一匹もいなくなった。
「な、何?どうなったの玲ちゃん・・・?」
「アァァァアアァア・・・・」
「ひいっ!!やだぁ!!」
その銃を撃った主はそのままつかつかと這いずっているゾンビに近づくと、脳天に鉛弾を打ち込んだ、ゾンビはばったりとその場に崩れ落ちた。
「お前・・・ベホイミ!ベホイミじゃないか!」
「へ・・・?ベホイミちゃん!?」
「うっス、大丈夫っスか?」
74:Pani Poni HAZARD
07/05/08 01:52:23
ここまでです
何かあったらどうぞ
やっぱり実際こんな状況になるとアイテムなんてモンはそうそう見つかるもんじゃないでしょうね
ゲームみたいに都合よく光ってはくれません。
>>独白氏
面白かったです、次も待ってます
75:マロン名無しさん
07/05/08 10:48:15
独白氏
バイオ氏
ぐっどだよ、ぐっーど
76:マロン名無しさん
07/05/08 16:52:31
独白大先生キタ━━(゚∀゚)━━!!
バイオ氏もグッド
77:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 22:53:22
<5>
『桃月学園カクテル・パーティ事件』
それは稀代の学生スキャンダルであった。
昨年の夏の終わり、残暑が退いて秋の涼しい風が肌にもうっすらと感じられるようになった頃の出来事である。
当時一年生だった一部の生徒たちが軽はずみな衝動と愚にもつかない好奇心とに誘われるがまま、若気の至りというにはあまりにもお粗末な"パーティ"を開催したのだった。
そしてそこで座の中心に据えられたカクテルが問題となった。
それはいくら高校生には手が出せないといっても、その気になれば近所のコンビニエンス・ストアでも手に入るようなアルコールよりいくらも問題があるものだったのだ。
カクテル。それは色とりどりのカラフルな幻。時には赤く、時には黄色で、時には白く。さまざまな幻の横顔がそこに刻まれる。
それを口に含めば、その心は遥か地平の先にまで飛んでいく。ボロボロとなった身体を現実に置き去りにして。
カクテル。またの名をエクスタシー。錠剤の中に凝縮されたほんのひとときの夢の残りカス。
生徒たちは興味本位でこの薬物に手を出し、そしてとうとう何人かは戻ってくることがなかった。
その魂を永遠なるところに残したまま、彷徨する空っぽの身体ばかりが無様にのた打ち回るのだった。
「カクテル」という呼び名をはじめに使ったのはそれを持ち込んだ人間だった。
それが皮肉と自嘲を込めて名づけられたものなのか、それとも若者特有の単なるファッション感覚からくる隠語なのか、今となっては知るべく術もない。
ただ、その語感に込められた軽薄な調子は、それが導くことになる破滅へのステップを、明らかに見過ごしていたことが窺える。
そのベホイミという偽名の少女はどこでどのようにして入手したのか、とても高校生の手には余るほどの大量のMDMA錠剤をばら撒き、この狂った少年少女たちのパーティに色を添えた。
それはけばけばしすぎるほどの原色の祭典であり、結局は灰色の上に重ねられた幻覚の色彩レイヤーであった。
まさに一瞬の夢のためにしつらえた虚構のパーティ会場であった。
78:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 22:55:21
事の概要は以下の通りである。
当時桃月学園の一期生徒だったベホイミが、推定100錠前後のケミカル・ドラッグであるエクスタシーを海外から持ち込んだ。
ベホイミは普段からも不認可の精神安定剤などの薬物を不法に携帯していたという証言もあり、彼女が留学生であるということからも、これらの薬物を以前から密輸入していた疑いがある。
その辺りの詳細については捜査中の名目の下で衆目からは有耶無耶の雲の下に隠されてしまっている。彼女の犯行の背景、薬の出所については現在に至るまで全く何もアナウンスされていない。
次に桃瀬修であった。彼が何らかの"はずみ"でベホイミの所有する大量のエクスタシーの存在を嗅ぎ付ける。或いは既にそれらのはしたの量の処分に困っていたベホイミが自分から修の方に話を持ちかけたのかもしれない。
実際の経緯については当事者の二人の行方がつかめない以上全く分からない。とにかくこの二人の間でいつしか"カクテル・パーティ"の案件が浮上する。
二人とも普段は真面目で教師の言うことなどもよく聞く至って普通の生徒であった。
多少世間ずれしたところなどもあったが、それも愛嬌とばかりで、友達も多く、その信望も篤かった。
一端では、それがこの悲劇の被害を急激に拡大させる結果となってしまったのだった。
その日、桃瀬修とベホイミに誘われたパーティの招待客は総勢で22人にのぼったという。
柏木優麻は桃瀬修の誘いに嬉々として応じ、馴れ合い好きの白鳥鈴音も修の一声でやってきた。
当時、桃瀬修は上原都と友人関係以上の親しい仲にあるとされていたが、その都は折りしも海外に留学しており、彼女がこの事件の全容を知ることになるのは全てが荒廃の呈を示した後である。
修が何を思って優麻と鈴音を招いたのかは闇の中である。そしてその晩この三人の間でどのような関係が生じたのかも定かではない。
或いはそれは単なる友人同士の馬鹿騒ぎに過ぎなかったのかもしれないし、激しい幻覚トリップの中で海外の恋人への貞節をいとも簡単に破ってしまったのかもしれない。
大切な人の不在の寂しさを紛らわせるためか、それとも生まれついての好色のなせる業か、パーティが乱交遊戯へと変化していったと考えるのは全く不自然なことではなかった。
79:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 22:59:43
他にいたのが橘玲と片桐姫子、そして鈴木さやかである。
玲もまたどこからかこのパーティのことを聞きつけ、自ずからベホイミと修に接触した。その折に当たって姫子と鈴木さやかが便乗したという話が定説である。
この三人がどうしてパーティに乗じたのかなどという理由は全く知られるところではない。
おそらくは理由なんてないのだろう、当事者たちは誰もがその行為のいかに重大なることかなどということをこの時にはまだ察することが出来なかったのだから。
そしてその事故が起こったのはパーティの始まって三時間ほど経過した後のことである。
時刻は午前二時に近く、消費されたエクスタシーの錠剤は40弱、食い散らかされたジャンクフードの山と、投げ捨てられたビールの空き缶、フィルターまで焦げきった煙草の吸殻が溢れ出す頃、突然鈴木さやかが奇声を上げて卒倒する。
煙たげな空気の漂う中、その声は部屋いっぱいに響き渡り、不確かな自己の世界に陶酔していた怖るべき子供たちは、その誰もが悲鳴とも破裂音ともつかぬ咆哮の元に眼を向ける。
ドスンと大きな音がして、細い体躯を弓なりに撓らせる少女の抜け殻が床の上でもがいていた。
その光景に誰もが挙動を忘れ、薬効で虚ろとなった意識のままじっと眺めつくすばかりだった。
彼女が床の上で震えながら悶えていた十分あまり、誰一人として助けの手を差し伸べた者はいなかった。
やがて少女は動かなくなる。時刻二時十五分、口から白い泡を吐き出し、飛び出すほどに大きく見開かれた瞳には充血線が迸り、顔色は限りなく蒼白である。
やっと意識を取り戻したベホイミ他数人が彼女の身体を持ち上げ、急いで病院に運ぶ。
その間も身体のおかしな震えだけは止まらない。
病院到着。時刻ニ時四十五分、鈴木さやかの身体は急に一切の動きを見せなくなる。
その表情は鈍い鉛色のようであり、呼吸も浅い。項垂れたまま力が入らず、人形のようであったという。
ベホイミたちは事件の発覚を惧れ、彼女を救急病院のエントランスロータリーに放置、そのまま逃走する。
80:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 23:02:49
鈴木さやかが発見されたのはそれからしばらく経過した後である。
時刻三時十分、別の緊急患者を搬送してきた救急隊員が入り口のガラス扉に背を凭れる意識不明の少女を発見する。
時間にして三十分近く少女は凍える夜の外気の中に放置されていたことになる。
すぐに院内に収容され、蘇生措置が講じられる。
卒倒してから既に一時間が経過している。
オーバードーズ。
その後の警察の調べによれば鈴木さやかは友人の片桐姫子に唆されるまま大量のエクスタシーを一度に服用した事実が明らかとなった。
致死量には辛うじて到達せずもそのショックが身体に与えた影響は甚大で、急性薬物中毒状態になり意識を失ったものとされる。
その後、一命は取り留めたものの、神経伝達系に異常を生じ、下半身以下が慢性的な麻痺状態となって現在も医療施設でリハビリを続けているという。
事件は彼女の証言から明るみに出ることとなった。
その後、事件に関わったとされる25人の生徒の放校処分が決定する。
その内、実際にエクスタシーを海外から密輸入した張本人と目されるベホイミは麻薬及び向精神薬取締法違反の嫌疑によって逮捕、やがて祖国に強制送還の措置を受ける。
何故そのような措置となったのか、また彼女の祖国がどこなのかは現在では誰ひとりとして記憶に留めてはいない。所詮どうでもいいことだ。その後、ベホイミの消息は完全に途絶える。
彼女が今どこで何をしているのか知る者はいない。
退学となったその他の生徒たちの現在も不確かである。大抵は就職したか通信制の高校で勉強しているという。
だが、その中で修だけはここで特筆しておく。彼は事件の発覚後、姿を眩ませた。
書置きも何もなく、ただ桃瀬家の箪笥の中にしまわれた十数万円ほどの現金だけを持って失踪してしまったのである。
そして時を同じくして柏木優麻も姿を消す。二人が通じており、雲隠れの駆け落ちに走ったというのが最も自然な考え方だった。
このことについて何かを知っているような素振りを見せていた白鳥鈴音は、一切口を閉ざしたまま誰の質問にも答えようとはしないという。
全ては闇の中に消え去った。
81:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 23:04:39
後に残された者たちも悲惨だった。
兄弟に裏切られ、一人ぼっちで世間の冷たい眼差しに曝されることになった桃瀬くるみ、柏木優奈などはこのためにかなり傷をつけられた。
だが一番悲惨だったのは当時桃瀬修と遠距離恋愛関係にあった上原都だった。
帰国と同時にこのおぞましい事件の顛末を聞かされることになった都は、それから向こう一ヶ月あまり、まったく廃人同然のようになったまま部屋に閉じこもってしまう。
自殺未遂も一回や二回で済むことではなかった。
その他にも多くの人間がこの事件でショックを受け、激しい苦痛に苛まれた。
学校そのものの雰囲気も一変した。
理事会は揃って引責辞任、自由な校風は廃れ、管理的な私立高校としてより厳格な風紀の取り締まりが行われるようになる。
かつての桃月学園は完全に死に絶える。
今でも学園に暗い影を落とすこの事件は、当時多くのマスコミの注目を集めることになったが、やがて何らかの報道協定か、或いは政治的外力に圧され、今では完全に忘れ去られつつある。
もちろん、それは渦中にあった当人たちを除いてのことである。
彼らは、たとえ忘れたくても決して忘れることの出来ない深い傷をその胸に刻み付けられたのである。
82:桃月コンフィデンシャル
07/05/08 23:06:44
とりあえずここまでです。
83:動物園で爆発テロ 特別展に抗議か
07/05/08 23:09:24
8日午後10時頃、東京都満弦ヶ崎市の南条動物園新館入場ゲート付近で爆発物によると見られる火災が発生した。
すでに閉園しておりけが人は出なかった。
この爆発について『わらうバケツマン』を名乗る団体より犯行声明のファックスが送付されており、悪質なテロと見られる。
犯行声明によると『わらうバケツマン』は南条動物園が12日より開催を予定していた『母子動物展』は
不妊に悩む女性達に対する侮辱であり社会に対する犯罪だとしている。
南条動物園では9日は臨時休園として対応を協議する。
84:マロン名無しさん
07/05/08 23:25:47
コンフィデンシャル氏、GJ!
しかし6号と都悲惨だな…
>83氏もそれらしくてGJ!
85:マロン名無しさん
07/05/08 23:58:11
初回からのくるみのDQNぶりに読んでいて少々いら立っていたが…
こりゃぐれるわな
納得した
86:マロン名無しさん
07/05/09 00:01:40
良いねー
わらうバケツマンww
87:マロン名無しさん
07/05/10 21:37:36
前スレにローマ字で「ハワイが・・・」とか書いていたのって
独白さんだったのかな?
88:マロン名無しさん
07/05/11 00:41:28
アニ2にもハワイで北米版DVDボックス買ったりアニメイベントに行った人の話が、
くるみスレにも英語で「地味少女、愛してるよ」みたいなことが書いてあったが
全部同一人物かもしれんw
89:マロン名無しさん
07/05/11 02:13:41
独白さんの書いてたダイナーってここか。
確かに旨そうだ。
「ピーチメルバ」もあるしw
URLリンク(www.hawaii-arukikata.com)
90:『わらうバケツマン』笑えなかった
07/05/12 00:54:53
11日午後10時頃、東京都江東区藍蘭島の南条動物園付属水族館で、2人組の女が爆発物のようなものを置こうとしていたところを警戒にあたっていた警視庁ファイアースクワッドが発見し、
練馬区すすきヶ原の金魚養殖業、出目金愛(でめきん・あい=25)と千葉県海鳴市無職、稲穂辺美恵子(いなほべ・みえこ=25)の両容疑者を爆発物取扱罰則違反などの疑いで逮捕した。
調べに対し、両容疑者は容疑を認めた上で、出目金容疑者は「江戸時代より南条家に金魚を納入してきたが、自分は金魚が嫌いだった。
金魚飼育をやめたかったが親が怖くて言えなかった。南条家を皆殺しにすれば金魚を飼わなくてもいいと思った」
稲穂辺容疑者は「バラム外国人部隊に所属していたがザナルカンド紛争で怪我のため妊娠できなくなった。以来母子連れに殺意を抱いていた。
爆弾製造技術はバラム時代に習得した。8日に満弦ヶ崎市で起こった事件についても自分達がやった。今は反省している」などと供述している。
南条動物園では12日より予定通り『母子動物展』を開催する。
91:マロン名無しさん
07/05/12 02:22:25
>90ワラタ
92:マロン名無しさん
07/05/14 01:26:20
ピーチメルバなんざどこにでもあるけどな
93:マロン名無しさん
07/05/14 01:31:36
カイジスレと強さスレが落ちてしまった
94:マロン名無しさん
07/05/14 01:37:21
カイジスレときどき保守してたのに…orz
95:マロン名無しさん
07/05/15 15:18:45
保守
96:マロン名無しさん
07/05/16 22:52:03
一条望
↓
他の奴も新幹線から名前をとったらどうか
↓
父:一条E1系Maxやまびこ
母:一条ひかりレールスター
長女:一条E4系Maxあさま
次女:一条のぞみ
三女:一条はやて
↓
「一条E1系Maxやまびこさん(43)宅から出火し」
「遺体は一条さんと妻のひかりレールスターさん(39)、次女の」
「15歳になる長女が行方を」
「長女は自分の名前に不満を抱いており」
↓
人名にアルファベットとアラビア数字は使えませんが何か
↓
やっぱり移動は自動車に限るよなメイドが運転してくれたらなおいい←いまここ
97:マロン名無しさん
07/05/18 13:41:25
「のぞみ」ときたら、他は「ひかり」「あかつき」「興亜」「大陸」だろ常識的に考えて…。
すんません、自分戦前派鉄ヲタですw
98:マロン名無しさん
07/05/19 00:16:01
ぱにぽにで「ぼくらの」やれば面白いと思う
問題は十五人の選出だが…
99:マロン名無しさん
07/05/19 00:28:19
俺なら、この15人だ。
・ベッキー ・芹沢
・姫子 ・来栖
・くるみ ・犬神
・玲 ・乙女
・6号 ・雅
・都 ・修
・柏木姉 ・綿貫
・柏木妹
一条さんとか白鳥は、ああいうキャラだから外した。
100:マロン名無しさん
07/05/19 01:03:18
全員伊藤さんでイナフ
101:マロン名無しさん
07/05/19 01:05:21
ぱにぽにで「LOST」やれば面白いと思う
問題はソーヤーを誰が演じるかだが…
102:マロン名無しさん
07/05/19 23:40:09
>>97
貨物列車に忍び込んで南条財閥の秘密工場に潜入する藤宮円と
危機一髪無事生還した円の報告から推理する名探偵高見沢ハルカと
秘密工場で円と邂逅して友情を育み兄弟機や南条財閥と戦う事になるロボ子と
最後の最後で颯爽とあらわれいいところをかっさらう高瀬和也
を妄想した、貨物列車に萌える江戸川乱歩オタ
円はポケット小僧のイメージ。
103:マロン名無しさん
07/05/21 14:22:19 OkKhRWn1
ぱにぽにでひぐらしも面白いかもしれんな。
犬神→圭一
南条→魅音
メディア→レナ
ベッキー→梨花
くるみ→沙都子
修→悟史
てか、スレ違いか。
104:マロン名無しさん
07/05/21 16:22:13
時報が誰になるかだけ気になる
105:マロン名無しさん
07/05/21 19:36:27
>>103
常識的に考えて魅音は柏木姉妹だろ。
106:マロン名無しさん
07/05/21 20:08:07
投下がこないとネタに走るなこのスレw
107:マロン名無しさん
07/05/21 22:44:49
>>105
詩音の存在忘れてた
うん。魅音と詩音は柏木姉妹だよな
108:マロン名無しさん
07/05/23 01:58:13
僕は早乙女
フリーの体育教師さ
109:マロン名無しさん
07/05/23 03:43:00
はいはいひぐらしひぐらし
絵がキモイ、とか言われても刺さないようにw
110:マロン名無しさん
07/05/24 03:40:51
保守
111:ぱに L O S T ぽに
07/05/24 16:03:04
1.
「―ふあっ!」
……。
ここはどこだ。
視界は暗く、何も見えない。
「うう」
頭と……右肩が痛い。どこかにぶつけたのか?
頭に手をやると、ぬるりとした感触が……。
「……うわ」
血だ。
血の匂いがする。
それほど深くはないが、切ってしまったらしい。
右肩はズキズキと痛み、動かせそうにない。
「いてて」
私はなんとか身体を起こし、辺りを窺った。
「…………」
暗闇に目が慣れ始めたのか、ぼんやりと地面と伸び放題の草を視認できた。
ポケットから携帯電話を取り出す。
ディスプレイに表示されている時刻は22:22だった。
そうか、今は夜なのか。
空は星ひとつ見えない。雲のせい?
ここはどうやら外のようだが……野原のような場所だろうか? 何もないな。
そもそも私はどうして、こんなところで怪我を負っているんだ?
思い出せない。
思い出せるのは、名前だけ。
私は……『レベッカ宮本』だ。
112:ぱに L O S T ぽに
07/05/25 00:21:38
携帯電話以外に所持していたのは、赤のボールペンとハンカチ、そして飴玉一個だけだった。
私は、これだけの持ち物で一体何をしようとしていたのだろうか。
服装はカジュアルなもので、見覚えがある。最近、買ったものだ。
「…………」
ここが何処なのかもわからないし……。
とりあえずハンカチで頭部の傷を抑える。
既に血は止まりかけていたが、ばい菌が入るとまずいからな。
ふう。
どうしよう。これから。
周囲は暗く、とても静かだ。
やけに落ち着く……いや、待て。落ち着いてていいのか?
もう少し焦ってもいいんじゃないのか?
「……なんか変だ」
目が覚めたら、見知らぬところで怪我をしていて、たった一人……この状況は確かにおかしい。
が、本当におかしいのは……『私』のほうなんじゃないのか?
そうだ、これは変だ。
今、私が置かれている状況に、それほど恐怖を感じないのは何故なんだ?
私は……自分で言うのもあれだが、かなりの怖がりだった気がする。
なのに……
「……う~」
喉が渇いてきた。うう。何か飲みたい。
とりあえずこの野原みたいな場所から出て、水を探そう。
いや、人だ。人を探そう。
人に会って保護してもらおう。ちょっと情けないが、それがいい。
怪我もしているしな。
「よし」
右肩の痛みも大分和らいできた。ていうか痺れすぎて痛みを感じなくなったのか。
まあいい、人を探そう。
私を助けてくれる人を……。
113:マロン名無しさん
07/05/25 01:00:40
>111-112
乙。
今後の展開楽しみにしてます。
114:マロン名無しさん
07/05/25 17:10:55
独白の人です。
久々に書き込みします。
115:マロン名無しさん
07/05/25 17:11:52
<新・橘玲の独白>
五香粉と豆板醤と、ゴマ油の匂い。
もう、私のカラダに染み込んで取れない匂い。
姫子がいつも、好きって言ってくれる匂い。
目覚めたらそこに漂う、中華料理屋の匂い。
今日も私は、この匂いに包まれながら学校への道を歩く。
何一つ変わったことのない、同じ道を。
平凡で、平和で、いつも通りの道を。
この、西口商店街を。
大嫌いだった家からボストンバッグ一つで逃げ出して、もうどれくらい経っただろう。
しばらく狭苦しいネットカフェで寝泊まりしてた私を、桃香飯店のオヤジさんが
拾ってくれたあの日から、もう何ヶ月経ったんだろう。
何だか、すごく長い時間がたったような気がする。
思えばあの日から、私の本当の人生が始まったのかもしれない。
生まれてから初めて味わう、ホントに自由な日々。
酒を飲んでは怒鳴り散らす父親からも、泣いてばかりの母親からも、解放された日々。
今日も自遊空間のナイトパック料金がちゃんと払えるかなんて気にしなくていい、
気楽な、あくせくしないでいい日々。
何も考えないでクラスの連中とバカやってればそれでいい、そんな日々。
父親はともかく、母親を見捨てたことには、ちょっと罪悪感もあったけれど。
116:115
07/05/25 17:13:11
「玲ちゃんオハヨー!
あはっ、今日も中華屋さんのいい匂いー!」
「こ、こら姫子!
朝っぱらから、天下の往来でいきなり抱きつくなっ!」
「えー、いーじゃん、減るもんじゃなしー。
それとも、玲ちゃんには私の愛が伝わらないのカナー?
私悲しいよ…。
玲ちゃんの鬼!
悪魔!
銭ゲバ!」
「…なあ、そのアホ毛、今日こそ一思いに抜いてやろうか?」
「マ…ち、ちょっと玲ちゃん、勘弁してっ!」
「いや、ダメだね。
何度言っても分からない奴には、カラダでしっかり分からせないとな。」
「カ、カラダって…わ、私の貞操を玲ちゃんに…そんな…女同士でなんて…
でも、玲ちゃんなら私…。」
「何やってんだよ、さっさと学校行くぞ姫子。」
「むー、玲ちゃんのイジワルー…あ、イジワルとラジアルって似てるよね?
玲ちゃんのラジアル!」
「いや…意味分からんし…。」
117:115
07/05/25 17:15:10
全く、姫子は相変わらず朝から元気だ。
この姿を見たら、この子が精神科に通ってるなんて誰が信じるだろう。
こんなに明るくて、バカばっかりやってて、いつもみんなの中心にいて。
勿論私にも、姫子にだって姫子なりの悩みがあるってことくらい想像はつく。
でも、私の前にいるこの元気な姫子の姿と、「精神科」という言葉は、私の中では
どうしても結びつかなかった。
この目で、姫子本人が精神科から出てくるところを一度見ていても、学校で何度も
噂を聞いていても。
今まで、姫子の口からは、私は何も聞けていなかった。
普段あんなにべたべたしてくる私にさえ、姫子は病院のことは何も言わなかった。
精神科に通ってるなんて大したことじゃない、と思っているのか。
それとも、姫子の中での私の存在が、その程度なのか。
そう思うと、なんだか、ちょっとだけ寂しかった。
ちょっとだけ、裏切られたような気持ちだった。
でも、私だって一時期ネットカフェで暮らしてたことは誰にも教えてないから、
お互い様なのかもしれない。
心を開いているフリをしながら本当は閉ざしている、本当は私たちは2人とも
そんな状態なのかもしれない。
私たちは2人とも、互いに仮面をつけて接しあっているのかもしれない。
いや、もしかしたら他の皆も、本当はそうなのかもしれない。
118:115
07/05/25 17:23:09
「あれ…玲ちゃん?
どうしたのカナー、そんな難しい顔して?」
「あぁ…いや、何でもないんだ、何でも。
ほ、ほら、早く学校行くぞ!」
「あっ、待ってよ玲ちゃん!!」
そんな姫子の明るい声がなんだか悲しくて、私はちょっとだけ足を早めた。
この、かりそめの平穏な日々は、見かけ上は退屈な日常は、いつまで続くのだろうか。
お互いに何かを隠しあって生きている、そんな日々は、いつまで続くのだろうか。
今日も、朝から太陽は眩しかった。
目にしみる光を浴びながら、私は学校へ向けて歩き続けた。
姫子の気配を背中に感じながら、一歩一歩、歩き続けていた。
119:マロン名無しさん
07/05/25 17:25:18
以上です。
それではまたそのうち。
120:ぱに L O S T ぽに
07/05/25 22:44:42
歩きながら、携帯電話をいじってみる。
それは、自分の持ち物とは思えないくらいダサい色の携帯電話だった。
ていうかこれ……本当に私のものなのか? 自分のセンスを疑っちゃうよ。
「…………うーん」
目覚めてからずっと頭がぼんやりしていて、名前以外確かなことが思い出せない私。
だからこの携帯電話が私のものだという確信がイマイチ持てなかった。
いいや、とりあえず中身を調べよう。
メールや着信履歴を調べれば、自分がどうしてこんな変な状況に置かれているのか、
そのヒントくらいは見つかるはずだ。
だが。
「なんで?」
ぴ。ぴ。ぴぴぴっ。ぴ……。
「なんで!?」
どういうわけか、携帯電話の中は……空だった。
電話帳の登録件数、0件。
受信メール、なし。
送信メール、なし。
着信履歴、発信履歴も何もない。メモ帳やデータフォルダも見てみたが、何も見つからなかった。
これではまるで新品のようだ……と思った。いや、もしかして新品なのか?
わからない。何がどうなっているのか……。
とにかく人だ。人に会いたい。
この気味の悪い感覚も、人に会えば解消されるはずだ。
私は歩く速度を上げた。
しばらく森のような場所を歩き続けていると、どこかから水の流れる音が聞こえてきた。
私はその音のするほうへ、駆け足で向かった。
「水! 水!」
そういえば、先ほどから喉が渇いていたな。
意識すると、無性に飲みたくなる衝動に駆られる。
そして私は、小さな川にたどり着いた。
121:ぱに L O S T ぽに
07/05/25 22:45:45
「は、はぁ……ははは」
やった。川だ。にへら~。
川に両手を突っ込む。冷たい。気持ちいい。
「うぅ」
私はゆっくりと水を飲み始めた。
「ごくっ…………うぉ」
うまい。水ってこんなにおいしかったのか。
4分後。
「うっぷ……おぇ」
お腹が膨れるまで飲んでしまった。
「うー」
ちょっと気持ち悪くなってきたかも。って私は何をしているんだ……アホか。
とりあえず、横になろうかな……
そのとき、背後から物音がした。
「!?」
振り返ると、少し離れた位置に少女が立っていて、きょろきょろと辺りを見回していた。
「変だな。音がしたんだけど……」
と少女は呟いた。やけに可愛い声だった。
向こうはまだ私に気づいていないらしい。暗いから当然か。
「あ、ここです。ここにいます」
私はそう言って、彼女に向かって手を振った。
「うわ! ……え? 今のって」
と、少女は近づいてくる。
そして、私と少女の目が合った。
「え? あれ? あんた」
「あ、私、レベッカ宮本といって……自分でもよくわからないんだけど、その、迷っていて」
しどろもどろに説明する。
「嘘……ベッキー? 私よ! 都! 上原都!」
都……? って誰よ? と思う間もなく、彼女は私に抱きついてきた。
ぐええぇぇええ。苦しい。ていうか肩痛い! 頼むから離してー。
122:ぱに L O S T ぽに
07/05/25 22:49:53
次回からまとめて投下します
>独白さん
玲×姫子のカプ好きです。できれば二人の話をもっと書いてく(ry
123:マロン名無しさん
07/05/26 22:10:48
>122
楽しみにまってるお
しかし住人がむちゃくちゃ減ったのか何なのか知らんが最近全然書き込みないな
今月氏とかどうしたんだろうか
124:今月のGFを読んで
07/05/27 00:47:17
【な】 な……なんだあれは……
【な】 南条操は化物だ……
【ア】 アルファ小隊が5分で全滅だと!?
【て】 天罰……なのか……神様……みや(グチャッ)
125:今月のGFを読んで
07/05/27 00:53:07
南条に渡されたカンガルー革の財布を持って道を歩いていると、もっともスカートの中では這っているのだが、
とにかく道を進んでいると向こうからおさげにメガネの女子高生がやってきた。
挨拶をしようかと思ったが、世界最大の都市である東京で誰かとすれ違うたびに挨拶していてはきりがない。ではあるが南条と同じ学校の制服という事で無視するのも失礼であり、折り合いを付けて会釈する。
と、女子高生はミアの襟首を掴んですごんだ。
「なんだまだ生きてたのか?」
126:今月のGFを読んで
07/05/27 00:55:57
「え?」
突然の事で呆気にとられるミアの前で少女はブレスレットを使い変身した。
変身後のピンク色の姿には見覚えがある。
ミア……侵略のため地球にやってきたラミア族の戦士は出会い頭にこの女にボコボコにされたのだ。
なんとか逃げ出したものの全身に火傷をおい怪我もひどくあのままだったら間違いなく死んでいただろう。
女……ベホイミは高らかに宣言した。
「とっとと地球から出て行け! さもなくばおまえの仲間は私が皆殺しにしてやる!」
(私の仲間は……皆殺し……)
ミアの心に南条やそのペット達が浮かんだ。
(あのひとたちを殺させるわけにはいかない)
ロードローラーとタンクローリーに潰されて瀕死の状態になった彼女を拾って治療し、ラミアだからミアと簡潔明瞭で可愛らしい名前をつけてくれた南条操。
優しかったり意地悪だったり照れ屋さんだったりした仲間のペット達。
彼女達を守らなくては。
ベホイミと戦った時の恐怖が蘇る。傷が痛む気がした。
しかし退く気はない。
たとえどんな結果になろうとも、彼女達を守る為に退く選択肢は有り得ない。
127:今月のGFを読んで
07/05/27 00:59:20
「やめてください、私はもう地球人に危害を加えるつもりはありません」
説得を試みるがベホイミの答えはそっけない。
「誰が信じるか。二度と化けて出てこれねぇようにボコボコにしてやんよ」
ベホイミはミアの右腕をひねりあげて無造作に力任せにねじ切って放り投げた。
「痛いっ! な、なにを……」
「心配するな、後で拾ってちゃんと捨ててやるから。おまえの仲間は私が皆殺しだ。何度かかってこようとな。
お祈りは済んだか? ちゃんとトイレは済ませたか? 答えは訊い」
「させない」
「……あァ?」
生体兵器として生まれ育ち、ヘビだけに冷血動物と揶揄されていた、そしてそれになんの感情も抱かなかった過去の自分。
それが今では明日ご主人様が持ってきてくれる予定の生み立て卵を楽しみにしたり、
由香のポニーテールを追いかけたり、おつかいが一人で出来るかどきどきわくわくしていたりしている。
そう感じる心をくれたのは、あのひと。
守りたい。
自分のすべてと引き換えにしてでも……
128:今月のGFを読んで
07/05/27 01:00:26
「させないッ! 私はご主人様達を守って見せるッ!」
裂帛の気合と共に繰り出したミアの尻尾の先端がベホイミの右眼窩を貫いて脳を抉った。
「ぴゃか!(バカな!)」
言いながらもベホイミは右手に装備したパーツからビームを放ち、ミアの左腹部は吹き飛んだ。
衝撃と痛みで抜けそうになる尻尾を踏ん張ってなんとか保持し、構えて道路に叩きつけるとベホイミの頭は砕けた。
「はぁ……はぁ」
荒い息で様子を睨むが再生してくる様子はない。
勝った。
戦力差は圧倒的だったが南条を守ろうとする愛の心がミアに超力を与えたのである。
(これでご主人様を守る事が出来たかしら…… 私がいなくなってもどうか幸せに)
限界を大きく越えた力を出したミアの肉体はすでに使い物にならなくなっていた。激痛をこらえながらなんとか笑みで死に顔を作りミアは逝った。
129:今月のGFを読んで
07/05/27 01:02:36
その頃南条操は広大な自宅の庭園で、一番新しいペットが買ってくる予定の食材に合わせてハーブを摘んでいた。
(思い詰めた様子だったら何かと思えばおつかいに行きたいだなんて、可愛いんだから。宮本先生にも見習ってほしいくらいですわね)
彼女が無事帰ってくる事をわずかも疑う事なく。
130:今月のGFを読んで
07/05/27 01:05:23
>>124
「いやー、女子高生のメイド喫茶ですよ中佐殿!」
「こ、こんなものは子供だましだと思っていたがなかなかいいな!」
「俺なんか胸が七回も当たっちゃったぜ!」
「バーカ! それは当ててんだよ! あ、次自分に当ててください!」
「あ、あ、あてていますのよ……」
「あっ意外と小さいんですね胸」
「! な……っ! 失礼な!」
「あーあーあーっ! 自分もぶってください! 髭! 剃ってきましたから!」
「あ、あう、わ、きゃー! ごっ、ごめんなさいーっ!」
「はは、まったく晶ちゃんはどじっ子だなあ。いいよいいよ気にしないで」
「素であれだけのドジが出来るなんてさすがだね宮田さん」
「宮田の『足が滑ってプリンを頭にぶつけちゃいましたぁごめんなさいっ!』コースの人気があそこまでとはな……」
「呟いてねえで執事おまえも仕事しろ」
「ビンタもメニューに加えてみよっか?」
「思いつきで物を言うんじゃ無いのあんたも」
131:今月のGFを読んで
07/05/27 01:07:44
以上です。
ご心配をおかけしてごめんなさい、生きてます。
女の子モンスターが可愛くて好きです。特にラミアは女性型モンスターの中でも特に大好きです。
ドラえもんの『絵本入り込みぐつ』と『桃太郎印のきび団子』があったらRPGに入って飼い馴らして連れて来たいです。
というわけでネタはラミアが登場した次のページを読んでいる時点で思いついてしまいましたが話はなかなか……もっと頑張らないとですね。
そしてGFがどっか行きました。まだ全部読んでないのに。
132:マロン名無しさん
07/05/27 01:23:11
今月氏GJ!
独自の視点がたまらんです。
なんか光臨を要求したみたいですみません。
133:マロン名無しさん
07/05/27 13:08:04
今月さんはロープレ好きだな。間違いない。
134:マロン名無しさん
07/05/28 05:18:03
チョイ悪うさぎ
「くるみさん、今日も下着の色が上下違うっすねwどんだけ面倒くさがりなんすかwwww」
「一条さんの末の妹さん、二足歩行できるのに人語解せないってw知障すかwww」
「鈴木さん、パシられて帰ってくるとき、たまにショーツ食い込んでるんすけど感じてるんすかwww」
「玲さん、あんたチャイナ服で原チャリ乗って出前してますけど、どこのデリヘルすかwwww」
「姫子さん、別に無理して明るく振舞わなくてもwあんたがメンヘラだってみんな知ってますからwww」
「都さん、えーと特に何もないっすwwwwサーセンwww」
その後彼の姿を見た者はいない……
135:マロン名無しさん
07/05/28 14:47:03
>134
禿ワロタwwwww
136:マロン名無しさん
07/05/29 23:48:56
29日午後11時50分頃、東京都太田区桃月で桃月学園1年の女子生徒が保守をした疑いで一緒にいた同級生に乙された。
女子生徒は容疑を認めた上で、「私が保守しなければ落ちてしまうのではないかと思うと恐ろしかった。
自分の行動は正しかったと確信している」と供述しているという。
一方で乙した女子生徒は「小銭が余っていたので缶ジュースを買ったら当たってしまった。
鞄を軽くしたかった。誰でもよかった」と述べている。
137:マロン名無しさん
07/05/31 22:22:34
みんな続きマダー?
138:マロン名無しさん
07/06/02 00:01:18
独白はワンパターンだからもう帰ってこなくていいよw
ていうかこんなとこで書いてたら悪化するからさっさと鬱の治療に専念しろよw
139:マロン名無しさん
07/06/02 00:14:45
あ
140:マロン名無しさん
07/06/04 02:36:44 e402KXVZ
続きがなかなか書けないので保守だけしときます
1ヶ月近く期間が開いてもログとまとめサイトがあるからいいでしょと達観した
そうでもないと書けん
141:マロン名無しさん
07/06/04 02:37:46
独白の人です。
夜更けに失礼します。
142:マロン名無しさん
07/06/04 02:38:45
<新・片桐姫子の独白>
朝の日差しが、静かに私のカラダを包んでいた。
柔らかくも優しい、初夏の日差し。
全てを忘れさせてくれそうなその明るさに身を預けながら、私はいつもどおりの
学校への道をただまっすぐに歩いていた。
人前で自分がいつも被っている仮面のことを考えなくてもいい、こんな一人の時間が
私は好きだった。
笑顔という私の顔に張り付いた仮面は、時に私を苦しめ、悩ませ、悲しませていた。
でも、それを皆に見せたくなくて、私は、一層深く仮面を被っていた。
いつも、ずっと、被り続けていた。
ADHD、注意欠陥多動性症候群、それが、私についた診断。
リタリンとカウンセリングのおかげで表面上は普通の生活ができているように感じていても、
やっぱり私は、普通とどこか違うということには変わりはないようだった。
私は自然にしているつもりでも、いつも玲ちゃんを、ベッキーを、6号さんを、都ちゃんを、
くるみちゃんを、一条さんを、そして皆を戸惑わせている。
それが、ちょっとだけ苦しかった。
普通になれない自分が、なんだか許せなかった。
でも、そんな姿は誰にも見せたくなかった。
大好きな皆に、心配はかけたくなかった。
ただでさえ皆、大変なことを抱えているのに、私のことなんかで心配をかけたくなかった。
だから私は、いつも笑顔というこの仮面を手放せないでいた。
前の方を歩く玲ちゃんの姿を見かけて、私は軽く足を速めた。
かすかに香る、中華屋さんの匂い。
その匂いが、私は好きだった。
別に私だっていつもお腹を空かせているわけじゃないけれど、でも、この匂いが
たまらなく大好きだった。
大好きな玲ちゃんの匂いだから、一層そうなのかもしれないけれど。
143:142
07/06/04 02:39:35
「玲ちゃんオハヨー!
あはっ、今日も中華屋さんのいい匂いー!」
「こ、こら姫子!
朝っぱらから、天下の往来でいきなり抱きつくなっ!」
「えー、いーじゃん、減るもんじゃなしー。
それとも、玲ちゃんには私の愛が伝わらないのカナー?
私悲しいよ…。
玲ちゃんの鬼!
悪魔!
銭ゲバ!」
「…なあ、そのアホ毛、今日こそ一思いに抜いてやろうか?」
「マ…ち、ちょっと玲ちゃん、勘弁してっ!」
「いや、ダメだね。
何度言っても分からない奴には、カラダでしっかり分からせないとな。」
「カ、カラダって…わ、私の貞操を玲ちゃんに…そんな…女同士でなんて…
でも、玲ちゃんなら私…。」
「何やってんだよ、さっさと学校行くぞ姫子。」
「むー、玲ちゃんのイジワルー…あ、イジワルとラジアルって似てるよね?
玲ちゃんのラジアル!」
「いや…意味分からんし…。」
144:142
07/06/04 02:42:06
玲ちゃんとのいつものようなこんな掛け合いが、嬉しかった。
いつもの仮面の笑顔じゃなくて、本当に、心から笑い合える時間。
一人の時間も好きだったけれど、この時間も私は好きだった。
でも、玲ちゃんが本当にお金で苦労しているってことも、それに親御さんとの関係が
あまりよくないらしいってことも、私は知っていた。
前には、あまり大声で言えないようなバイトを隠れてやってたって話も、玲ちゃんが夜、
家に帰らないで大きなカバンを持ってネットカフェに出入りするところを見たって話も、
私は何度も耳にしていた。
でも、どこまでが本当で、どこまでがタダのウワサか、それはわからなかった。
玲ちゃんには、そんなことは面と向かって聞くことはできなかった。
聞けば今の関係が壊れてしまう、それが怖かった。
そんな風に思い悩む自分を玲ちゃんに見せたくなくて、いつも私はつとめて明るく
玲ちゃんに話しかけていた。
中華屋さんのバイトを始めてから大分減ってはいたけれど、玲ちゃんの難しく考え込む顔を、
眉間に皺を寄せる顔を、私は見たくなかったからだ。
145:142
07/06/04 02:43:31
「あれ…玲ちゃん?
どうしたのカナー、そんな難しい顔して?」
「あぁ…いや、何でもないんだ、何でも。
ほ、ほら、早く学校行くぞ!」
「あっ、待ってよ玲ちゃん!!」
ちょっと早歩きの玲ちゃんを、私も早歩きでそっと追いかけた。
玲ちゃんの制服から漂ういつもの匂いを嗅ぎながら、ちょっとだけ急ぎ足で追いかけた。
今日も、いつもどおりの朝が始まる。
そう、これでいいんだ。
仮面を被りっぱなしでも、それで私がどう思おうと、何も起きないことが一番いいんだ。
"The God is in his heaven, and all's right with the world."
『天は神とともにいまし、世は全てこともなし。』
クリスチャンなんかじゃないけれど、私はその言葉を頭の中で反芻していた。
早足で歩きながら、ずっと反芻していた。
146:マロン名無しさん
07/06/04 02:45:11
以上です。
おやすみなさい。
147:マロン名無しさん
07/06/04 12:57:42
お疲れです。
最近投下が少ないな…
気長に待ってるので、未完作品の作者のみなさん頑張ってください。
148:マロン名無しさん
07/06/04 13:52:00
この空気で投下するのも辛い物があると思うが。
しかしこうも叩かれても投下できるって独白さん神経太いなー。
マジで感心するわ。
向精神薬のやり過ぎかもわかんないけど。
149:マロン名無しさん
07/06/04 15:17:49
ワンパターン乙wwww
またメンヘルネタかよwwww
この板だとsageで書くとID消えるから専ブラでも透明あぼーんできないから困るわwwww
ADHDってお前自身のことだろwwww
リタリンでヘロってんじゃねーのかwwww
150:マロン名無しさん
07/06/04 22:12:30
パキシルとドグマチールとリスパダールとリタリン飲んでる喫煙者か
151:マロン名無しさん
07/06/04 22:42:27
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
|| ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
|| ○ウザイと思ったらそのまま放置。
|| ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
|| ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
|| ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
|| 与えないで下さい。 Λ_Λ
|| ○枯死するまで孤独に暴れさせておいて \ (゚ー゚*) キホン。
|| ゴミが溜まったら削除が一番です。 ⊂⊂ |
||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_ | ̄ ̄ ̄ ̄|
( ∧ ∧__ ( ∧ ∧__( ∧ ∧  ̄ ̄ ̄
~(_( ∧ ∧_ ( ∧ ∧_ ( ∧ ∧ は~い、先生。
~(_( ,,)~(_( ,,)~(_( ,,)
~(___ノ ~(___ノ ~(___ノ
152:マロン名無しさん
07/06/04 23:21:27
>>146
乙です~
153:マロン名無しさん
07/06/04 23:46:51
荒らしになるならそれでもいいけど
"The God is in his heaven, and all's right with the world."
『天は神とともにいまし、世は全てこともなし。』
この訳おかしくない?
154:マロン名無しさん
07/06/05 00:02:44
前半は、「神は天にいまし」だなw
155:マロン名無しさん
07/06/05 18:09:59
独白先生嫌いじゃないけど細かい所が気になるんだよな
そこさえ直してくれればマシになると思うんだけど
156:マロン名無しさん
07/06/05 18:33:18
意味なく叩くのはアレだが、そういう建設的な話なら俺も知りたい
独白さんのに限らず俺や他の人が書いた文もみんなどう思ってるか気になるし
どうせならいい文書きたいもんね。
しかし独白さんに粘着してるヤツはメンヘラとか喫煙者に何か嫌な思い出でもあるのか?
それとも自分の好きなキャラを貶められたと思ってるのか?
157:マロン名無しさん
07/06/05 21:17:57
独白さんいつも最後の文をリピートするのが気になる
158:マロン名無しさん
07/06/06 13:46:27
残念ながら喫煙者は現代社会において害毒を撒き散らす社会の敵か
啓蒙すべき存在と位置付けられるだろうね
159:マロン名無しさん
07/06/06 14:27:06
ふーん。
あーアメリカンスピリット旨いw
160:マロン名無しさん
07/06/06 20:57:28
>>159
アンタも独白先生が大事ならそういう事すんなよ
161:マロン名無しさん
07/06/06 22:04:06
誰でもいいからとにかく誰かを叩きたい奴がいるようだな。
ここは自作小説のスレなんだから作品の良し悪しについてはいくらでも論じていいと思うが
喫煙者とかメンヘルとかの点で職人を叩くのは筋違いだぞ。
もう一度言う。
大事なのは作品で、職人の属性ではない。
お前が喫煙者やメンヘルに痛い目に合わされたとかそういうことはこのスレとは無関係だ。
大人になろうぜ。
162:マロン名無しさん
07/06/06 22:17:44
>作品の良し悪しについてはいくらでも論じていいと思うが
いや、それはやめた方がいい。
独白さんは叩かれるほうが嬉しいって言ってたけどその結果スレが荒廃してる訳だし。
少し位気になる所があってもそこは流していい所を見つけて褒めた方がいいだろう。
163:マロン名無しさん
07/06/06 22:26:08
柏木妹の乳でも触って落ち着け
164:マロン名無しさん
07/06/06 22:34:16
俺は鈴音がいいw
165:マロン名無しさん
07/06/07 16:04:56
この空気を吹き飛ばす新作SSキボンw
166:マロン名無しさん
07/06/07 20:14:06
五十嵐先生の太ももが最強という事でよろしいかな
167:マロン名無しさん
07/06/08 01:37:51
俺も喫煙者だがメンヘルと一緒にしないでほしい
なんかメンヘルの書いたものって読んでたら負の空気に引き込まれそうになるからイヤ
人の言葉や行動の裏を読んで勝手にうじうじ落ち込んでるのもキモい
関係ないが麻生先生ハァハァ
168:マロン名無しさん
07/06/08 13:33:50
麻生先生の顔見るとビンタしたくなるのは俺だけじゃないはず
169:マロン名無しさん
07/06/08 21:56:35
麻生先生をバカにするなー
170:マロン名無しさん
07/06/08 21:57:53
このスレではいじめいたぶりなぶり殺すのが愛だから問題ない
171:マロン名無しさん
07/06/08 22:15:50
じゃ独白さんも愛されてるんだw
172:マロン名無しさん
07/06/08 22:20:27
麻生先生はキャラ作ってる感じがしないでもない。
ブログとかで、生徒の悪口を書いて(ry
173:マロン名無しさん
07/06/08 22:28:45
>>171
納得した
174:マロン名無しさん
07/06/09 02:07:55
麻生先生は口の端がちょっと曲がってるのがなぁ
キャラ作るくらい腹黒くなきゃセンセイなんかやってられないだろうし
漫画好きってのはガチみたいだが
175:マロン名無しさん
07/06/09 09:56:37
腹黒くなきゃなれないのは代議士のセンセイだろw
176:マロン名無しさん
07/06/09 14:13:04
麻生先生は過去に苛められた経験アリ。
177:マロン名無しさん
07/06/10 04:14:52
愛する姫子と教職の二つを失うのなら、むしろすべてを失ったほうがいい。
だが、そのかわり、私の周囲のすべても亡びるべきだと、私は思った。
破局の元凶となった五十嵐よ、死ぬがいい。
私を弄んだ早乙女も死ぬべきだ。
母を死に追いやったお姉ちゃんも死ね。
そして、姫子も、恋する人を失った苦しみを知るがいい。
私はそう思い、自分に誓った。いつか、彼女等を殺してやると。
178:マロン名無しさん
07/06/10 17:15:53
(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?
179:マロン名無しさん
07/06/11 01:55:58
また暗いのがきたよ
でもこれ独白の文じゃないな
特徴的な繰り返しがない
180:マロン名無しさん
07/06/11 02:15:13
姫子死ね!
181:マロン名無しさん
07/06/11 02:28:34
ただの改変です
182:マロン名無しさん
07/06/11 20:51:16
姫子、交通事故に遭う の巻
183:マロン名無しさん
07/06/11 23:24:13
ひ
184:マロン名無しさん
07/06/11 23:41:41
か
185:マロン名無しさん
07/06/12 01:19:33
わ
186:マロン名無しさん
07/06/13 00:21:43
き
187:マロン名無しさん
07/06/13 00:59:57
ら
188:マロン名無しさん
07/06/13 09:50:44
綿貫「ひ か わ き ら
氷川キラ
氷川=キラ!
つまりこれは(ry
189:マロン名無しさん
07/06/13 21:56:02
( ´_ゝ`)フーン
190:マロン名無しさん
07/06/13 22:45:34
ぱにぽに平家物語
↓
191:マロン名無しさん
07/06/13 22:54:51
いづれの御時にか、
女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に
いとやむごとなき際にはあらぬが
すぐれて時めきたまふありけり
・・・平治9X年、世界は核の炎に包まれた。
192:マロン名無しさん
07/06/14 01:02:40
平治っていつだっけ?と思うオレ歴史ダメポ
193:マロン名無しさん
07/06/14 01:36:54
Pani Poni HAZARD の続きマダー?
194:マロン名無しさん
07/06/14 14:57:57
私的には宮田イラントの続きが気になるが…
195:マロン名無しさん
07/06/14 18:44:26 34ZK8LIp
源氏物語ならかなり勉強したんだが……大学で半年も研究したし
って平家かよ
196:マロン名無しさん
07/06/14 19:38:58
光源氏は平家の本拠だった福原京を一瞬のうちに消滅させた
源氏によって使われたピカドンの名前だよ
197:マロン名無しさん
07/06/14 20:07:27
紫上は萌える
198:マロン名無しさん
07/06/14 20:48:14
>>196
芦屋道満四天王の次峰の名前じゃなかったっけ
199:マロン名無しさん
07/06/14 22:27:39
壇ノ浦では光源氏と平清盛の一騎打ちが!!
200:マロン名無しさん
07/06/14 22:36:29
ちょwwwwおまいらいつからここは源平スレになりますたかwwww
ぱにぽにから離れ杉じゃねwwwww
201:マロン名無しさん
07/06/14 22:47:59
南条さんの父親は源氏ほたる、母親は平家雅尼
202:マロン名無しさん
07/06/14 23:16:36
それでも独白さんなら…独白さんならきっとなんとかしてくれる…
203:マロン名無しさん
07/06/14 23:33:33
覚えとけヨ
最初から天才は読み手にはいねーんだ
どんな奴でもリード&リードを重ねて、何年もかかって自分のノウハウを作っていくのヨ
ところが書き手はちがう。10年書いてうまくなった奴もいれば・・
鉛筆とって書き出したとたん上手い奴もいる
独白がそうだ
書き手に天才はいる
それは、文字と紙と点字の集合体でしかない作品に愛された人間だ
204:マロン名無しさん
07/06/14 23:39:17
独白乙。
関係ないけど、
綿貫にデヴって言いたい。
205:マロン名無しさん
07/06/15 00:14:52
>202-203は信者を装ったアンチだろ?
これじゃ本人光臨は望めないなw
206:マロン名無しさん
07/06/15 00:41:10
アンチじゃなくてネタ披露なだけな希ガス
湾ぱにスレでも似たの見たし
207:マロン名無しさん
07/06/15 02:40:53
柏木妹自殺してくれねーかなー
208:マロン名無しさん
07/06/15 19:21:28
桃月コンフィデンシャルまだー?
209:マロン名無しさん
07/06/15 19:25:08
優麻は一度痛い目に遭ったほうがいい
210:マロン名無しさん
07/06/15 21:27:09
アニメ2期キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!
スレリンク(anime2板:99番)
211:マロン名無しさん
07/06/15 22:27:12
優麻が痛い目に合うssをかけばいいのさ!
212:マロン名無しさん
07/06/15 23:12:36
優麻は足の小指をタンスにぶつけた
優麻は親指に割り箸のささくれが刺さった
優麻は爪を剥がされた
優麻はアイアンメイデンで串刺しにされた
優麻はミキサーにかけられてミンチになった
優麻は生きながらメソウサにかじり殺された
213:マロン名無しさん
07/06/17 04:58:33
優麻は謎の宇宙人に体を入れ替えられた
見るも無残な体になってしまった優麻
事情を説明しようとするも、何も知らない友達にはキモがられ、
石を投げつけられて接触すら図れない
他のぱにぽにキャラの体も狙う侵略者たちの野望を食い止められるのか?!
214:マロン名無しさん
07/06/18 23:35:02
↑
ぱにぽに古今和歌集
215:マロン名無しさん
07/06/19 04:02:02
独白さんって学級崩壊じゃなくて個人崩壊って感じだよね
独白さんに一度初期スレのような学級崩壊風味のssを書いてもらいたいな
216:マロン名無しさん
07/06/19 15:08:16
個人崩壊ばっかのクラスは自然と学級崩壊しそうだな。とりあえず独白氏、新作希望です。
アンチとか気にしないで。
217:マロン名無しさん
07/06/19 15:36:31
>>215
初代スレって独白さんはコテでしたっけ?
218:マロン名無しさん
07/06/19 18:41:07
独白自作自演乙
219:マロン名無しさん
07/06/19 20:43:48
>>217
初代スレにはいなかった気がする
220:マロン名無しさん
07/06/20 00:51:33
柏木姉妹を苛める話。
今夜投下する。
221:マロン名無しさん
07/06/20 14:45:18
「柏木って臭いよねー」
「臭いよねー」
222:マロン名無しさん
07/06/20 19:25:11
>>221
ああ、臭い
淫売の臭いがぷんぷんとな!
223:マロン名無しさん
07/06/20 23:13:19
優麻の
224:マロン名無しさん
07/06/22 15:06:39
保守
225:マロン名無しさん
07/06/23 03:25:50 1uTLkmKM
ぱーにー
226:マロン名無しさん
07/06/23 11:35:23
ぽーにー
227:マロン名無しさん
07/06/23 15:33:03
えーっくす
228:マロン名無しさん
07/06/25 00:58:18
新作はまだか
229:マロン名無しさん
07/06/25 01:02:21
ちんちん
230:マロン名無しさん
07/06/25 04:27:23 Y+BzksfS
かもかも
231:マロン名無しさん
07/06/25 19:47:29
エロでもグロでもなくて、ダークで面白いのが過去にあったら教えて。
232:マロン名無しさん
07/06/25 19:58:30
伊藤さんの話読みたい
一度書いたけど失敗したから
誰か書いてほしい
233:マロン名無しさん
07/06/26 02:23:42
伊藤さんやズーラは難しい
234:マロン名無しさん
07/06/26 23:45:58
そろそろ新刊出るんだよな?
出ればまた何か書けると思うが今はネタがない
235:マロン名無しさん
07/06/27 02:24:14
荒らしも治まったところで何か書きたいのに、ネタが浮かびません。
感情も、何か全然動きません。
こないだパキシル増えたから?
236:マロン名無しさん
07/06/27 02:27:16
ほかの漫画ならネタ浮かぶのに
ぱにぽには・・・
ベッキー自殺させるくらいしかネタが浮かばん
237:マロン名無しさん
07/06/27 17:25:43
ベッキーを飼いたい
238:マロン名無しさん
07/06/27 17:29:55
ボダ風味の高見沢ハルカと共依存な高瀬和也の話を書きたい
でもネタが浮かばないんです誰かタスケテ
239:マロン名無しさん
07/06/28 22:24:01
高見沢はいじめっこだよな
240:マロン名無しさん
07/06/28 22:31:56
ぱにぽにでボーダーっぽいキャラっていったら誰だろう?
円あたりか?
241:マロン名無しさん
07/06/29 01:01:15
姫子も境界例の可能性が
242:マロン名無しさん
07/06/29 03:29:43
マホマホ言ってるもんな
243:マロン名無しさん
07/06/29 17:58:25
姫子のお姉さん
244:マロン名無しさん
07/06/29 22:39:07
片桐
245:マロン名無しさん
07/06/29 22:52:11
片桐姓といえば片桐はいり
246:マロン名無しさん
07/06/29 23:33:44
アニメ18話でメソウサに取り付いた時限爆弾を
「解除不能な上に地球を丸ごと吹き飛ばしてしまう位の強力な爆発力を持っている」事にして
最後の手段として桃月学園に現れた宇宙人が、メソウサを宇宙に打ち上げて何とか地球だけは救おうと提案するが
ベッキーはメソウサを犠牲にしようとするこの提案を断固拒否して
メソウサを連れて全世界を相手に二人きりの逃避行をする・・・
・・・という話を考えている
247:今月のGFを読んで
07/06/30 23:10:20
世界の動物保護の為、全世界を周っている南条操は大統領官邸に向かうべくリムジンに乗り込もうとしたが、そこに全裸の女が駆けよった。
「エボン=ジュ様はおっしゃられた南条グループは世界を破壊する悪の組織だと南条操死ねしね氏ね」
「そこの女、近付くと撃つぞ。撃つぞ! はい撃った! ばーん!」
ベホイミはSPによって射殺された。
確かにこの国の経済は動物の密猟によって成り立っている部分もある。その為にも自分の活動が重要なのだ。南条操は嘆息した。
248:今月のGFを読んで
07/06/30 23:14:10
好奇心からキノコを食べた一条は死に、怒りの都の手刀はレベッカの残したふざけた看板を叩き割った勢い余ってメディアの頭蓋骨を砕き脳をかきまぜた。
横一文字に切り裂かれたおなかから来栖は内臓をポロリする。
そして島……廃棄されて数年が経ちいろんな動植物が繁茂した南条グループのメガフロートの成れの果ては崩壊し、桃月学園1年女子は全滅したのであった。
249:今月のGFを読んで
07/06/30 23:15:27
「って話はどうかな?」
作業をしながら千夏が言い、由香は作業の手を休めてボールペンの尻で千夏の頭を小突いた。
「そんなに行きたかったのかあんたは」
「う、痛いよ由香ちゃん刺さったよ」
「刺さってないわよ」
一応手の中のボールペンを確認して由香が言ったところに扉が開き、みつあみを揺らして英理子が入ってくる。
250:今月のGFを読んで
07/06/30 23:17:05
「どう? 進んでるかしら?」
「あ、はい、あと1年生が半分くらいです」
「順調ね…… 少し休憩にしない?」
「そうですね、ありがとうございます」
目の端で伺った千夏が頷いたので由香はありがたく申し出を受けた。
英理子は隣の机の上に麦茶と袋入りのスティッククッキーを載せた皿を置いた。なんと氷が入っている。
確かに職員室や家庭科室の冷蔵庫で氷は作られているが、生徒達の為に使われる事はあまりない。
冷たい水が飲みたければ学食にあるし、自動販売機もあるから必要ないのである。
「あー、冷たーい」
「おいしいー」
麦茶の冷たさにうれしそうなふたりに英理子は目を細め、自分の麦茶を一口飲んだ。
「悪いわね、せっかくの休日なのに」
「いえいえ」
「……そうだわ。これが終わったら甘いものでも食べに行かないかしら? みのり先輩がすっかり気に入ってしまったお店があるのだけれど。おごるわよ。委員会費で落ちるから」
「本当ですか? 行きます。ね、千夏」
「よろこんで」
「じゃ、残りを早く片づけましょう。私も手伝うから」
由香はボールペンを手にした英理子をまぶしそうにみつめたが、それは太陽のせいではないだろう。
その時はまだ、連れて行かれる先がメイドカフェだったなどと思いもよらなかったのである。
251:今月のGFを読んで
07/06/30 23:22:29
おしまいししまい。
10巻限定版のオハガキ大作戦も今日が締め切り。
今すぐ書いて郵便局に持ち込めば間に合うかも……
252:Pani Poni HAZARD
07/07/02 01:28:50
2ヶ月ぶりに次行きます
「――危ないところだったっスね、無事で何よりっス」
「すまんなベホイミ・・・本当に助かった」
「ううう~、怖かったよ~、ありがとうベホイミちゃん・・・」
「礼には及ばないっスよ、さ、立てるっスか?」
253:マロン名無しさん
07/07/02 01:29:59
今月氏乙です。
相変わらずGJでした。
ユカチカモエスw
254:Pani Poni HAZARD
07/07/02 01:30:34
さっきまで死ぬような思いをしていた二人だが
颯爽と現れた救世主、ベホイミの姿に安堵の色を隠しきれなかった。
もしベホイミが現れなければ二人もまたあのモニターの男のように餌食になっていたことだろう
その事を考えると思わず震えが来てしまいそうだったが、現に二人は生きている
255:Pani Poni HAZARD
07/07/02 01:32:06
「しかし玲さんも姫子さんもこんなとこにいるとは思わなかったっスよ、会えて何よりっス」
「そりゃこっちのセリフだ・・・お前がいなけりゃ今頃私達はあいつらの腹の中だ」
「ホントだよぉ~ありがとうベホイミちゃぁぁん・・・」
「あはは・・・とりあえずここから出ましょうか、ここも安全じゃ無いっスから」
「! しかしなベホイミ、お前ここに来る途中のもの、見たか?」
「もの?あの格子の扉の事っスか?」
「そうダヨ、あの扉を開けないと先には進めないみたいなんだ」
「で、その扉を開くためにあるものが必要なんだが・・・それが見つからないんだ」
「ものっスか?」
「そう、なんかメダルみたいな物らしいんだが・・・」
「これっスか?」
「そうそう、それそれ・・・・・・・!?お、お前、どうしてそれを?」
「普通に水の中で何か見えたから取ってみたんスけど・・・これっスよね?」
「さっすがダヨベホイミちゃん!!日本一!これでここから出られるね玲ちゃん!!」
「・・・」
「玲ちゃん?」
「・・・イヤ、いいんだ、これがあれば・・・先に勧める・・・」
「(あ~)れ、玲ちゃん、人生七転びなんとやらダヨ、うん」
「・・・八起きだ、さあ、見つかったんならさっさと行こう・・・こんなところにいたら気分が滅入る・・・」
「な、なんか空気が重いっスね・・・ま、まあ急いで行くっス」
256:Pani Poni HAZARD
07/07/02 01:33:46
「これをここに・・・ホイっと」
姫子が問題のくぼみに鳥の翼をかたどったレリーフが彫られたメダルをはめた
「お、動いたぞ」
ガリガリと音を立てながら格子が動いていった。
「これでOKっスね、さあ行くっス」
「そうだ、ベホイミ」
扉を開けようとしたベホイミを玲が呼び止めた
「?どうかしたっスか?」
「お前、ここに来るまでに誰かウチの生徒を見つけたか?こうもみんな散り散りじゃあな・・・」
その玲の質問にベホイミは答えた
「すいませんっス、これといって誰も・・・」
「・・・そうか、ならいいんだ」
ベホイミも正直なところかなり動揺していた、飛行機の中で感じていたあの嫌な予感、それがこんな形で現実になってしまったのだ
なのでこの異常事態にも素早く対応できなかった、しかも相手は人間ではない、ゾンビという「化け物」なのだ、ベホイミといえどそんな
連中を相手にした事など当然無かった、せめてメディアがいてくれれば・・・そうは考えてもメディアとは混乱状態のどさくさの中はぐれてしまった
あのメディアが簡単にくたばるはずも無いが、やはり心配は隠せなかった。
「・・・でも心配はいらないっス、みんなきっと生きてるっスから、だからみんなでこんな島早く出て夏休みを満喫するっスよ」
「ああ、そうだな」
「そうだよね!さあ、みんなを探しにいざ行こう!よいしょっと・・・」