07/07/28 14:06:24 XnNRQMHj0
それなら僕だって
本当はのどたんが好きでのどたんの牌譜見ながら妄想してるところを
透華さんに「いちだいじっ!いちだいじですわっっ!!」といきなり駆けつけられたあげく
「どっちが真のアイドルかはっきりくっきりさせましてよ!」とか言われながら性的に矯正されかかったものの
透華さんも好きだけどやっぱりのどたんの方が好きでしかも透華さんが決勝でのどっちに負けて
和が麻雀雑誌の表紙を飾ったりとアイドル的扱いをされる一方で透華の家が破産して落ちぶれて親にも逃げられて
高校生にして抱えてしまった借金を返すために学校以外の時間を全てバイトに当ててる透華さんを愛おしく思えてきて
「私は負けたなんてちっとも思ってませんわっ。私が『のどっち』の牌譜にこだわりすぎていただけですもの!」
うかつだった。
ただでさえバイト帰りで疲れている透華さんに向かって僕はよりにもよって麻雀の話を振ってしまったのだ。
石鹸で手を洗い、うがいをするという最低限のことをした後、
透華さんは着替えもせずにいらついた様子でソファーに身を沈めだしてしまった。
「そもそも!あれは団体戦ですもの!!チームの得点差を気にさえしなかったら、私だって‥‥‥」
こうなってしまった透華さんには何を言っても無駄だというのを知っている。
僕は適当に相槌を打ちながら、冷蔵庫から『はちみつ牛乳』を取り出した。
本来は透華さんがお風呂上りに、寝る前の一日の最後の締めとして飲むのものなのだが、
この際だ、仕方がないのだろう。
一人愚痴りながら、僕の差し出したはちみつ牛乳に手を伸ばし、口をつけると、
「そう、あの人は『のどっち』ではなく、あくまで『原村和』だったの‥‥‥それなのに、私は」
それで落ち着きを取り戻したのか、その口調は静かなものへと変わった。
「私は、負けませんわ。今度は個人戦で、今度こそ本当に『原村和』を打ち負かしてやりますわ」