07/06/27 02:12:04 LgbfT4HA0
>>380
そう思うのは、「作品を作る」 という事がどういう事なのか、というのを分かっていないからか、もしくは限定的に捉
えているからだよ。
作品に限らず、人間というのは 「言葉として俎上に昇ること」 だけが全てじゃない。
言葉にしていること以上の、様々な思いや考えや感情が、奥底に渦巻いているモノでしょう。
だから、「真剣に描かれた作品」 には、そういう 「言葉にされていない真剣な思い」 が、必ず入っているんだよ。
それを、読み取れる、感じ取れる読者というのもいるし、或いはそこから浮き上がってきたモノに何かを反映させて、
メッセージとして再解釈する読者というのもいる。
もっと言えば、例えば言葉にしたときには 「こういうキャラは凄くカッコイイ」 というだけの単純な事であっても、そこ
を遡って、「何故こういうキャラクターが格好良いと言うのか」 、「そうあるためにどうするべきか」、「そうでいられない
ときはどうすればよいか」 とか、そういう部分を真剣に読んでいけば、やはりそこに作者が込めている思いや価値観
や美意識というモノは浮かび上がってくる。
己の美意識や価値観をまっすぐに掲げるというのは、まさにメッセージそのものだよ。
言葉にしたときにそぎ落とされてしまう微妙で繊細なモノにこそ、より多くのモノが込められている事は当たり前にあ
ることだし、そういうものを作品に込めると言うことも、作家の仕事の一つではある。
「この作品は、これこれこういうモノで、こういうメッセージが込められています」 なんて、簡単に言える様なモノは、
本当はそう無いもんだし、あるとしたらまさにそれこそ、単純なメッセージでしかないよ。
江川にもしそれがあれば、江川の評価は多分もっと違ったモノになっているよ。
(まぁ、江川の場合、言外に漏れ出てくるモノが、ものすごくあるにはあるんだけどもね)