【江川の存在】江川達也10【大爆笑】at COMIC
【江川の存在】江川達也10【大爆笑】 - 暇つぶし2ch382:マンヴァさん
07/06/27 01:57:54 LgbfT4HA0

 追加してちょっと書こう。

 江川がよく使うテーマに、「個人の自立」 というものがあるよね。
 これは 『BE FREE!』 の頃から一貫している、江川メッセージの一つだろうと思う。
 まぁ正直、今時そんな 「古くさい」 事言ってんのか、という印象は拭えないけれど、作品のテーマとして
それを使うこと自体は悪いことではないでしょう。
 
 で、作品の中でのメッセージをきちんと意図的に織り込んで描こう、とするなら、まずテーゼ (この場合、
「個人の自立」) が描かれて、それに対してのアンチテーゼが現されて、それらの対立の結果、どうあるべ
きだと主張したいのか、という、作家としての回答を示す、というのが、基本だと思うわけだ。
 で、まずそのテーゼとアンチテーゼの対立、の部分が、江川は弱い。
 江川は、自分が掲げる 「正しさ」 を強調しようとするあまり、反対側のアンチテーゼをとにかく陳腐化する
という手法をとる。
 「見るからに」 俗悪で低俗な言動をさせたり、、醜悪な姿形に描いたりというやり方をする。
 このやり方は、江川がバカにして見下している、「勧善懲悪で自己満足と快楽に浸る俗悪な娯楽作品」 の
やり方なんだよ。
 悪役は徹底して悪人で、正義の味方は美形で善良で誰からも好かれる完璧超人。だから悪党をバサバサ
斬り殺すのがカッコイイという図式。
 だから、江川の作品はドラマが弱い。
 ドラマ性というのは、矛盾と軋轢によって深みが増す。
 つまりは、正しいという事をしたい。けれどもそれを簡単には行えない。自分の信念に従いたいが、相手にも
理がある…という様な事の積み重ねによって、いわゆる 「深みのある重層的なドラマ」 というのが作られる。
 この図式は同時に、誰でも身近に感じていて、抱えている矛盾でもある。
 だから、共感も呼びやすいし心を打つのだけれど、同時にそういう現実の軋轢を忘れて娯楽だけを楽しみた
い人にとっては、出来れば忌避したいことであったりもする。



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