07/11/05 22:17:06 XGpPXuf1
「…そういえば、惜しかったわ」
「なにがだよ」
あの後、俺は次の教室に向かおうとしたのだが、ハルヒが「一応保健室へ行きましょう」と主張したため、俺たちは保健室を目指していた。
「だってほら、空から降りてきた少女とそれにぶつかった少年…なんて、運命的じゃない」
…そうか?
「たいていの場合、落ちてきた少女は不思議な力を持ってたり、怪しい組織に狙われてたりして少年を新たな世界へ連れて行くのよ。…残念ながらあたしはそんなの持ってないけどね」
無自覚変態的能力を持ち、怪しい組織に監視され、俺を閉鎖空間に連れて行った少女が何か言っていた。
「最近じゃぶつかった少年の方も何らかの秘密があって、少女の抱える問題の解決に一役買う…ってこともあるみたいね」
そういうとハルヒはその場に止まり、ジトーっとした目で俺を見てくる。
「キョン、アンタあたしに隠してる能力とか…「そんな物は無いぞ」
俺は古泉の組織保証書付の一般人である。
「何よ、つまらないわね」
そういってため息をつく。なぜか妙に落ち込んでる気がした。
「どうしたんだよ、一体」
「ちょっとね…この間やったゲームがちょうど似たような内容でさ。それを思い出しただけ」
結局その手の内容か…ま、いいさ。
「なるほどな…で、それはどんな内容なんだ?」
「へ…? 珍しいわね、アンタが興味を持つなんて」
「そうか?」
「そうよ。ま、いいけどね」
そういうとハルヒは顔を輝かせて、本当に楽しくて仕方ないと言う風にそのゲームの内容を語りだした。
「…でね、この作品であたしが一番好きな所はヒロインのある台詞なのよ」
「どんな台詞なんだ? お前が好みそうな台詞と言うと、相当ぶっ飛んでると思うのだが」
「なんでよ? ホントいい台詞なんだから、いいことチャンと聞いてなさいよ?」
そういうとハルヒは俺に向かい不敵に笑う。本気で、その台詞が気に入ってるらしい。
だからだろうか?
「『少年、あたしと恋っぽいことしようぜ?』」
そんな変な台詞に思わず…
「ああ、いいぜ」
などと返したのは。