07/11/04 23:02:13 BimOhl+T
「美少女戦士、セーラーバニー!」
部室のドアを開けると、一人の高らかな声とともに、二人の少女がたいへん扇情的な格好で決めポーズをとっていた。
バニーガールの衣装に、セーラー服の上だけを着たスタイルで、ハルヒは満足げな表情で、朝比奈さんは今にも泣きそうっていうかもはや涙目だった。
「へっへーん、どう? キョン。コスプレの衣装代もバカにならないからさ、有り合わせのもので創作してみたわけ。割と自信作なんだけど」
「はあ……そりゃ、まあ、なんとも研究熱心なことで……」
ツッコミたいことは山程あるが、こいつと正面から言い合いをしても疲れるだけなので放っておくことにする。
「……って!?」
俺は一瞬目を疑った。ウサ耳を付けているから、下に着てるのはてっきりバニースーツと思い込んでいたのだが、違った。
水着だ。
スクール水着って奴だ。
「気が付いたようね。一度のコスプレで三種の属性を網羅した、前代未聞、前人未到、史上最強のコスプレ、それがセーラーバニーよ!
これ新発見なんだけど、セーラー服を着ることでバニーやスク水単体よりも露出度は下がってるのに、何故かエロさは増すっていう不思議」
いや、そんなことを自信満々に嬉々として語るな。
「バニーもチャイナも、あたしには何がいけないのかサッパリわからないけど、要するに制服じゃないってことで教師とか生徒会やらに付け入る隙を与えているわけよ。
これだったら、セーラー服も水着も学校指定だもの。まさか校内で身に着けてて駄目だなんて言わせないわ!」
そういう問題じゃあないだろうに。
「長門はやんなくていいのか、それ」
長門は普段通り制服にカーディガンを着て、部屋の隅で本を読んでいた。
「……何よ、有希のが見たいの? エロキョン! スケベ!」
「素朴な疑問を口にしただけだろうが。だいたいお前は自分からエロいっつってその格好を俺に見せてるじゃないか。何で俺が責められるいわれがある」
「だって、その……そりゃあ、有希は、その……あ、そうそう、耳よ、ウサ耳が二つしか無いから……」
「バニーにこだわる必要は無いぞ。長門には伝家の宝刀がある。魔女服だ。スク水魔女ってのはどうだ?」
「ふむ……それは新しいわ。キョンのくせに冴えたアイディア出すじゃない……じゃなくって! う~、良いの! あんたは有希じゃなくて、あたしのエロい格好だけ見て興奮すれば良いの!」
「え?」
「すっ……涼宮さん……?」
「……え、あ……? あたし、今なんて………きゃあああぁぁぁぁ!!」
ハルヒは顔を真っ赤にして叫びながら部室を飛び出して行ってしまった。
やれやれ、早く追いかけなきゃな。ハルヒのあの抜群にエロい格好を、他の男に見られる前に。