【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その66at ANICHARA2
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その66 - 暇つぶし2ch973:ハルキョン SS お誘い
07/11/02 00:12:10 ypS7es6M
「安定を求めちゃダメよね…」
恐ろしく不穏当な台詞がハルヒの口から漏れる。冗談は頭の中だけにしてくれ。
「SOS団にはみくるちゃんという得がたいマスコットがいるわ」
飼ってる生き物みたいな言い方をやめろ。
「でもそれだけじゃ男は釣れても女は釣れないわ」
いつからここは釣堀になったんだ。そもそもキャッチ前にことごとく追っ払ってるくせに。
「というわけでキョン。あんたはイケメンホストを目指しなさい!」
「断る」
当然で最良でこれ以外ない答えだ。いいNoだったと自分でも思う。
「なんでよ!」
俺が断ることが心底意外だとでも言うように詰め寄ってくるハルヒ。
「なんで俺がそんなことしなきゃならないんだ」
「あんた男でしょ」
こいつには俺の対面で手持ち無沙汰に俺の次の手を待っている奴が見えないのだろうか。
「そういえばそうね」
本気だったらしい。哀れなり古泉。
「たしかに古泉君のほうが向いてるわね」
言外に俺より古泉のほうが男前だと含めるハルヒ。こいつと一緒にしないでくれ。
「じゃあ古泉くん。女の子を誘ってみて。あたしが練習台よ」
なんでわざわざハルヒかね、まあ他の二人より向いているといえば向いているのかもしれないがな。
「では失礼して」
そんな前置きとともに咳払いを一つ。そしてハルヒの手をとり言った。
「次の週末予定は入っていますか?もし空いているなら大切な時間を僕のために使って下さいませんか。僕に出来るのはせいぜい楽しいおしゃべりと素敵な夜景を見せることくらいですが」
…あの笑顔は女性にとってたまらないのだろうな。今俺に浮いている鳥肌に反比例して。
俺の主観ではただ気持ち悪い笑顔に対してハルヒはにっこり微笑む。
「おい、ハル…」
「いいじゃない!さすが古泉くんね。ん?何キョン?」
「いや別に」
「まったく、あんたも古泉くんを見習いなさいよ。ほら、やってみて」
ドンと来い!とばかりに胸を張るハルヒの横をすりぬけ朝比奈さんの前に。
「朝比奈さん。もしよければ今度の休みに…」
「バカキョン!!!」
…耳がヤバイ。いままでの中でも一際でかい声だった。
「なんでみくるちゃんなのよ!あたしが練習台って言ったでしょ!」
「それは古泉のときだろ。俺は朝比奈さんに…」
「い・い・か・ら!あたしに言いなさい!これは団長命令よ」
なんで朝比奈さんじゃダメなんだ、という文句は鬼のようなハルヒの形相の前では泡沫の夢と消える。
甚だ不本意ではあるが仕方ない。ハルヒに向き直る。
「あー、なんだ、その次の休みあたりどっか行くか」
我ながらやる気のかけらも見当たらない。そもそも誘うという気がしない。
ハルヒは黙って俺を見ている。でもそれすら意外だ。即刻罵倒されるものと思っていたんだがな。
「…で、どこに連れて行ってくれるの?」
「は?」と返しそうになったがさすがにまずいと気づきなんとか思いとどまる。
「そうだな、しかしいつもみんなにおごってるせいで金がない。せいぜいいつもみたいに町をぶらつく程度だな」
洒落た言い方ならウインドウショッピングか?いやまあそれも古いのかもしれないが。
「かいしょーなし。ま、いいわ、付き合ってあげる」
「はいはい」
ハルヒは満足げに団長席に戻っていく。やれやれといつもの席に座ると古泉が話しかけてきた。
「おめでとうございます」
祝福されるいわれがない。俺の見てないうちに頭でも打ったか?
「週末はお楽しみですね」
言ってる意味が分からない。きっともうこいつはダメなんだろう。
「スマートとは言えませんがあなたらしい誘い方でした。応援しますよ」
「…待て。あれはただの練習というか、ふりというか」
「涼宮さんはそう思っていないようですが」
妙にハイテンションなハルヒが目に入る。浮かれているというか、いてもたってもいられない遠足の前日の小学生みたいな顔。
おいおいあいつ本気っぽいぞ。自分で練習台とか何とか言ってたくせに何なんだ。
「とはいえあなたも満更ではないのではありませんか?先ほどの会話はあなたの等身大の思いのように感じました」
貧乏くさいとでも言いたいのだろうか、しかしハルヒがああなった以上腹をくくるしかあるまい。しょうがない奴だな、ほんと。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch