07/10/30 00:50:37 TMqZBZ74
昼。ハルヒに弁当を強奪された俺はやむなくまた学食を利用することになる。
ちくしょう、ちょっと庇ってやったらハルヒのやつ遠慮なくつけあがりやがって。
「キョン、こっちきなさい!」
うぉっと。コラ、引っ張るな。
で、俺が連れてこられたのは文芸部室。
「なんだ、学食いかないのか。」
「アタシはね、恩を仇で返すほど薄情じゃないのよ。」
よく言うぜ。
「だから・・・ハイ。」
・・・差し出されたものはなにやら四角い箱。いやまぁパッと見る限り弁当箱のようだが。
「お弁当よ、お弁当。見れば分かるでしょ。」
・・・なんだ、まさかわさびたっぷりロシアン寿司でも入ってるんじゃないだろうな。
「そんな幼稚なことしないわよ。お礼だって言ったでしょ。」
聞いてないが。つか、弁当あるなら俺のじゃなくてそっち食えよ。
「アンタバカ?お礼だって言ってるもの食べるわけ無いじゃない。」
いやいや、じゃあ俺の弁当食うなよ。それじゃチャラにならんだろ。
「だから、明日も作ってきてあげるわ。」
は?
「これは昨日のお弁当のお礼。今日のお弁当のお礼は明日作ってきてあげるって言ってるのよ。」
「で、要るの?要らないの?」
・・・まぁどうせこのままなら学食だからな。ありがたくいただくとしようか。
「そ。アンタ運がいいわ。今ならおまけがついてくるのよ。」
おまけ?
「こうゆうこと。」
するとハルヒはおもむろに髪の毛を束ね、
ゆっくりと俺に近づき――――
「で、噂は否定する?」
「・・・誤解じゃないなら、否定する必要はないだろ。」
まったくもって、やれやれ、だ。
【了】