07/10/18 00:17:37 KQUhKylt
特にすることもないしお掃除でもしようかな。
「ちょっとお掃除しますね」
皆さんに断ってから準備をはじめる。服はこのメイドさんのままでいいとして、髪はどうしようかな。
このままじゃやりにくいからちょっとアップにしよう。うん。
自分でもってきた鏡を見ながら髪を結わえる。ポニーテール、ちゃんとできてるかな?
あれ?視線を感じる…。
「キョンくん?」
「あ…すいません。その、つい見蕩れていまして…」
キョンくん照れてる。ちょっとかわいいかも。
「好きなんですか?ポニーテール」
「え、ええ。はい。まあそこそこに」
なんとなく本当はすごく好きなんじゃないかなって思う。
「じゃあしばらくこのままにしておきますね」
キョンくん隠してるつもりなのかもしれないけど嬉しそうにしてる。そこまで喜んでくれるとなんだか嬉しいな。
「こら!エロキョン!みくるちゃんはあんたの慰み者じゃないのよ!」
涼宮さんがよく意味はわからないことを言う。たぶんすごいこといってるような気がする…。
「バカいうな。俺は朝比奈さんをそんな目で見たりしない」
「嘘でしょ」
涼宮さんがキョンくんに迫る。顔と顔が10センチくらいしか開いてない。そ、そのままキスしちゃいそう…。
あ、キョンくん目を逸らした。
「やっぱり!罰として全員分の飲み物買ってきなさい」
キョンくんは「なんで俺が…」って言いながら外に出て行った。もしかしてわたしのせいなのかな…。
「まったく、ホントエロキョンよね。デレデレデレデレしちゃってさ」
あう、また涼宮さんの機嫌が悪い。こ、ここはわたしがなんとかしなきゃ!
「あ、あのですね涼宮さん」
「なによ」
う、怖い。でも頑張ろう。
「キョンくんはその、髪型に喜んでくれただけですよ?きっとポニーテールが好きなんですよ」
だから涼宮さんもポニーテールにすればキョンくんだってきっと…。
「知ってるわよそんなの」
「え?」
「あいつがポニーテール萌えってことは知ってるって言ってんの」
萌え…ってよくわからないけど好きってことなのかな。
「じゃあ涼宮さんもポニーテールにすれば…」
ちょっと短いけどがんばれば出来ると思うし。
「嫌」
「なんでですか?」
「…あいつがポニーテール萌えだからってポニーテールにしたら、その」
涼宮さんはぷい、と横を向きながらごにょごにょと言った。
「あいつに気にして欲しいみたいじゃない」
…どうしよう、涼宮さん、すごくかわいい。だってそんなこと思ってる時点ですごく気にしてるってことだから。
古泉くんが顔を手で覆いながら震えている。きっと顔を見られないようにするためだ。
わたしだってきっと顔がほころんでる。
「な、なによその顔。別にあたしはキョンなんかに負けるのが嫌なだけで…」
きっともう負けてますよ、涼宮さん。
「じゃあ涼宮さんもポニーテールにしましょう。わたしおそろいがいいなぁ」
たぶんキョンくんは驚いたと思う。
帰ってきたら涼宮さんがポニーテールにしてるんだから。
「…なによ。なんか言いたいの?」
「いや、別に、ただまあ今のお前の髪型をおかしいなんて言おうものなら同じ髪型の朝比奈さんに失礼に当たる。だから」
キョンくんはコホンとせきを一つしてから言った。
「…似合ってるぞ」
…どうしよう。キョンくんもかわいい。
でも涼宮さんは横を向いたまま黙ってる。…きっと照れてるんだろうな。
「涼宮さん、キョンくんに言うことありませんか?」
涼宮さんは「う」とうめいて、キョンくんに顔が見えないようにしながら言った。
「…別にあんたに褒められても何てことないけど、一応…ありがと」
わたしから見える涼宮さんの顔は真っ赤で、小さく聞こえた「…今度は言えた」っていう言葉の意味はわからなかった。
でもそんなことがあってわたしはもっと涼宮さんを好きになった。