07/10/14 02:14:01 SCbWfTsj
どれくらい戦っていただろう。
二人とも息も絶え絶えだ。
とくかく俺たちは無我夢中だった。
「はぁ……はぁ……」
「……はぁ……腕を上げたわね、キョン……」
「……お前こそ…………だが、俺は負けない!」
そう、この勝負なんとしてでも勝たなければならん。
この勝負、男として負けるわけにはいかないのだ。
そう、反則技を使ってでもな。
俺は一瞬の隙をついた。
「……!」
こいつはコレに弱いのだ。
一気に攻める。
「うりゃあ!」
「……ふぁ……! あぁあああ!」
勝った!
「も、もう! なにすんのよ! いきなりキスするなんて……っ! 反則よ!」
「いいじゃねぇか。俺だってしたくなったんだよ」
「……バカ」
……まったく。付き合って随分経つのにキスされるだけで脱力して耳まで真っ赤になっちまうなんていつの時代の純情娘だよ。
「……こ、今度は負けないんだから!」
どうやら負けず嫌いのハルヒの闘争心に火を点けてしまったようで、それ以来HR前に1ラウンドが日課になってしまった。
しかし今のところ俺が圧勝だ。
ま、情けないことに反則技で勝利をおさめているわけだが、その俺の繰り出す反則技に対して文句は言うものの厳罰処分は無いのは一体どういうわけなんだろうね。
おっと、今日も試合が始まるぞ。
「キョン! たまには腕相撲じゃなくて指相撲にするわよ!」
おわり。