07/08/11 23:56:57 kUQqn92L
九曜たんを飼おう
気がついたら、俺の家にペットが一匹増えていた。
それがこいつ……犬の「九曜」だ。
ああ、そうだ。膝にシャミセンを乗せて、ボーっと座っている周防九曜がそれだ。
姿は人間だが、紛れもなく犬だ。そういうことにしておいてくれ。証拠ならある。
ほら、頭に黒い犬の垂れ耳がついてるし、スカートのお尻の所には、ふさふさした
しっぽがついているだろう? これは犬だ。うん、疑うことは許されない。
「九曜、今日も散歩に行くぞ」
「…………行く…………」
パタパタとしっぽを振って、俺の方へ寄ってくる九曜。こいつは飼い始めた頃から
感情を表情に出さない奴だったが、最近、しっぽの振り方でうれしがっている時は
わかるようになった。
散歩の時と、食事の時は、必ずリズミカルなスウィングをしてくれる。この辺は、
普通の犬となんら変わるところはないようだ。
九曜の首についている革の首輪に、リードをつけて……さ、外へ行くとしよう。
「…………わん…………」ぱたぱた
うちに来た時点で、九曜はしつけの行き届いた、行儀のいいわんこだった。
今も、俺の右斜め後ろを、黙ってトコトコとついてきている。
……個人的には、犬耳をつけた九曜の首に首輪とヒモをつけて散歩するってのに、
彼女が四つんばいじゃなく、普通に二足歩行しているというのが、なんだかすごく
もったいない気がしてしょうがないのだが……いや、これは妄言だ。忘れてくれ。