07/07/17 23:34:49 l8etTovH
「キョン、僕ってむっつりすけべらしい」
なんだ、そりゃ。唐突にンなこといわれてもな
「キョン、キミはむっつりすけべと言われた事は無いかい?」
「或るわけ無いだろう」
小難しい顔をして教室に戻ってきたと思ったら、またエライ無茶振りだな
「佐々木よ、状況を説明してくれ。でなきゃ答えられん」
「そうかい、じゃあこれ」
と言って佐々木がスカートのポケットから取り出したのは一枚の便箋だ。
「今朝方、僕の下駄箱にコレが入っててね。で、さっきこの手紙の差出人の所に行ってきたのさ。」
てことは佐々木宛のラブレターかこいつは。
「結局、僕はその差出人の意に沿えなかった。で、最後に言われた言葉がむっつりすけべだったのさ」
「………」
「どうしたんだい、キョン急にしかめっ面なんかして」
佐々木を勝手に呼びつけた挙句、意に沿わないと知るや否や
先ほどの罵詈雑言、俺は佐々木の友人の一人として怒りを禁じえない。
恐らくは佐々木特有のあの言い回しのせいかもしれないが、それでも一人の女子に対しては
言っていいことと悪いことがあるんじゃないのか。どこの馬の骨か判らんがはっきり言って許せん。
「…キョン、キョン、まだ話は続きがあるんだ、いいかい。」
佐々木は便箋の中身を取り出すと一枚の写真が入っていた。
「実は、隣のクラスにいる知り合いの家で仔猫が何匹か産まれたらしくてね。
僕もできれば一匹欲しかったところなのだけど、生憎両親の反対にあってしまってね。
結局断る事にしたのさ。」
で、それがむっつりすけべとどう繋がるんだ?
「この写真を見て欲しい。一番右端にいる子だよ」
見るとあどけない表情をみせる5匹の内、1匹だけ不貞腐れたように横を向いているのがいる。
「僕はこの仔が一番カワイイというと、他のみんなはこんなむすっとしてスケベそうなのが
どこがいいの?っていうんだよ、キョン。挙句の果てには、飼い主は自分に似たタイプをペットに
選ぶとかって、そんなのどこに根拠があるっていうんだい?」
…あー俺のさっきまで有った憤りはどこにいっちまったんだ。
ていうか、佐々木さっきからクスクス笑っているのはなんでだ?
「ところで、その仔猫キョンに似ていると思わないかい?」
「やかましい!」
その後しばらく、佐々木は俺の顔を見るたびに、喉の奥であの独特の笑い声を転がすようになる。
まったくやれやれだ