07/07/30 01:15:38 cLLh8m8I
実に和む光景だ。せっせとお茶の用意をするメイド姿の朝比奈さん。その姿を可愛い妹を見るかのような目で見ているハルヒ。
たまにはキテレツ体験をするのもいいかもしれないが、やっぱり何も変わらない穏やかな日常が一番だな。
その日の放課後は何事も無く、ただ平和に時間が流れた。そして活動終了の合図こと、長門が本を閉じる音で本日の活動は終了した。
そして、中睦まじく坂道を下る五人組。いつもなら先頭をハルヒと朝比奈さんがペアを組んで歩き、その少し後ろを長門が
二ノ宮金次郎像のように本を読み耽りながら随伴しているのだが、今日は違っていた。なんと長門が本を読みながら歩いていないのだ。
それどころか、長門はハルヒと朝比奈さんの間に挟まれ三人仲良く並んで歩いている。実にいい光景だ。
きっとハルヒと長門は、さっきの件を乗り越えさらなる結束を固めたに違いない。雨降って地固まると言う奴だ。
それぞれが四方に散らばる駅前。皆との別れ際に俺はこっそり長門に話し掛けた。
「良かったな、長門」
長門はゆっくりこちらを振り向き、
「……そう」
とだけ言い残し、夕闇に後ろ姿を消した。
end(?)