07/08/10 18:46:46 FsGk+pTS
>>348
富竹は、泥まみれでしゃがむ鷹野の元へ歩み寄る…。
「……………ジロウさん………ジロウさん………ぅわぅううぅぅううぅ、
わうううぅうううぅううぅうう!!あうううぅううぅ、わううううぅうぅうっぅ!!」
鷹野は富竹の胸に顔を埋めて、……泣いた。
……その涙の意味は、…彼女と富竹にしかわからないだろう。
「………遅くなったね…。…君を迎えに来たよ。」
「ぅわううぅうぅうううぅ…。ジロウさん、…ジロウさん、…わぅううぅううぅ…!」
「君は、君がそうだと思っているような悪い人じゃないんだ。……やり直そう。
…今度こそ、君の本当の人生を、……田無美代子の人生をやり直すんだ…。」
「…できない、…できないできない…。
…私、…いっぱい罪にまみれた…。 やり直したりなんかしちゃいけない、死ななきゃいけない…。
……じゃなきゃ、…私は自分の罪の重さで……、」
「……そうだね。君の罪は、ひょっとすると軽いものじゃないかもしれない。 でも、大丈夫。
…僕が一緒だから。…だから一緒に償おう。鷹野三四の罪を償おう。 …そして、僕と一緒に
田無美代子を、取り戻そう。その日まで、僕は決して君の側を離れない…!」
「い、………生きてていいの…? 私は……生きてていいの…?
みんながお前が死ねば丸く収まるって私に言うよ……?
それでも、………それでも、私は生きてていいの……?それでも、
ジロウさんは生きててもいいと言うの? それでも、私は許してもらえるの…?」
「……世界は君を許さないかもしれない。でも、それが何だってんだい!
僕が、君を許すよ。だから生きよう。死ぬことは罪の償いにはならない。
生きて償い、世界に許しを乞おう。そしてやり直すんだ。そうしたらきっと思い出せる。
君が本当はどんな人で、……どんな風な笑顔を浮かべていたかをね!」