07/06/15 02:43:19 EDMNulXq
>>1 乙
あとスレタイとは無関係だが、前スレで七夕関連の候補がいくつか出ていたので、つい書いてしまった。
「おーい、こなた。ふう……ようやく見つけた」
「いやはや。つかさだけならともかく、まさか私以外の全員が迷子になるとは思わなかったよ」
「って、はぐれたのはあんたの方でしょうが！ まったく。せめて、携帯くらい持ってきなさいよね」
「かがみだって持って来てないんじゃ……。ところで他のみんなは？」
「先に短冊を書きに行ってるわよ。そこに行けば合流できるでしょ」
「ふーん、じゃあ行こっか」
「ちょ……なんで、手を握るのよ」
「かがみが、はぐれないように繋いでおかないとね」
「…………別にいいけどね」
「こなたは短冊にどんな願い事を書くつもり？」
「ん～、特に決めてないんだよね。去年はどうしたっけなぁ……」
「去年の願い事、か。もう隠す意味ないから言うけど、私は同じクラスになりたいって書いたのよね」
「誰と？」
「……あんた、わかってて言ってるだろ」
「いやいや、日本は察しの文化と言われるけれど、実際は言わないとわからない事ばかりですよ」
「はあ。まあ結局、こなたとは違うクラスのままだったけどね。叶わず仕舞いでもう卒業」
「留年すれば、一緒になれるかもよ？」
「あはは、さすがにそれはキツイわよ。休み時間に遊びに行くだけで我慢しなきゃ」
「うーんまあ、卒業したら進路が分かれる可能性は高いしね」
「確かにそうよね。まるで天の川に隔たれるみたいに、顔を見る機会も減って……それで」
「……かがみ？」
「こんな日に生まれたせいかな。織姫と彦星の伝説は、昔から結構考えること多かったんだ」
「うん」
「好きな人と年に一度しか会えない二人。例えばつかさと私がそうなったら、とかね」
「家族は離れても、家族のままってイメージがあるけど？」
「私もそう思う。けど、寂しくないのとはやっぱり違うよ。両手が空いているのは、きっとさみしい」
「うん……そだね」
「七夕なんてさ、全然ロマンチックじゃないよね。どれだけ綺麗に誤魔化しても、本人達はさみしいよ」
「かがみは……自分も織姫みたいになりそうで怖い？」
「不安なのかな。うん、怖いかも。……って、こなた。ちょっと力入れすぎで手が痛いんだけど」
「べつに大丈夫だよ。将来のことなんて、想像もできないけど」
「なっ、説得力皆無じゃない！」
「だって、友達になったはっきりした理由なんてないんだし、それが続く根拠なんて必要ないでしょ」
「う……うん」
「そだ、さっきの話に戻るけどさ」
「え？」
「短冊に書く内容。二人で、『何年経っても友達でいられますように』とか書いてみる？」
「……バカ。望まなくても叶うに決まっている事をお願いしてどうするのよ。別のことにしときなさい」
「だねー。じゃあ、ここは好きな漫画のアニメ化でも」
「そんな願い事を書くの、絶対にあんたしかいないわ……」
「あやのー、一緒に来たうちらのこと、完全に忘れ去られてね？」
「まあまあ」