【涼宮ハルヒの憂鬱】橘京子2【んん…!もうっ!】at ANICHARA2
【涼宮ハルヒの憂鬱】橘京子2【んん…!もうっ!】 - 暇つぶし2ch822:名無しさん@お腹いっぱい。
07/06/01 16:19:31 UI+eiRb6
放課後、いつものように部室の扉を開ける。
と。
「……あ」
「あ」
メイド衣装に着替え中の橘と目が合った。
「あひゃあああっ!!」
「す……すまん!」
慌てて反転、ドアを閉める俺。
まったく、着替えてるなら鍵くらい掛けておいてくれよ…。
どこで身に付けたんだ、こんなドジッ娘属性。
待つこと数分、キィィと控えめに開く扉。
「あ、えと……ど、どうぞ……」
そんな風に頬を染めながら俯き気味に言うんじゃない。
抱き締めたくなっちまうだろうが。
中へ入ると、九曜がいつもの定位置で無音で存在していた。
まあ、今更ツッコむところでもないな。
「あ……お茶淹れますね」
橘がパタパタと動き、ヤカンをコンロにかける。
じっとヤカンを見つめる目は真剣そのものだ。
……ふむ、まだ見習い中の新人メイドのようなおぼつかなさで、それでも懸命に茶の準備をしている姿には、なんかこう……ぐっとくるものがあるな。
「? どうかしましたか?」
こういうときだけ目ざとい橘は、俺の視線に気付き、不思議そうな眼で俺を見る。
「いや、なんでもない」
そんなやりとりを交わすうちに、佐々木と藤原も現れた。
いつもと変わらぬ表情と口調で佐々木が、
「やあ。皆早いね」
「お前もたまには早く来いよ。団長なんだから」
俺の小言に対しくっくっと笑うのもいつもどおりだ。
「いや、悪いね。掃除当番が長引いてしまって」
なんとなく嘘っぽく感じる。
そんな俺と佐々木のやり取りを遮るように、藤原が俺の前のパイプ椅子に腰掛けつつ、
「今日はチェスなんてどうだ?」
「またか。お前、自分が勝てるのがチェスしかないからって」
「ふん、昨日の将棋は不慣れだっただけだ。一ヵ月後には僕は飛車角落ちでもあんたに勝つさ」
やれやれ。相変わらず負けん気の強い奴だ。
「あ、そうだ」
ふと思い出したように橘が、団長席に腰を落ち着けた佐々木の方を向き、
「佐々木さん、今度の合宿の候補地、考えておいてくれました?」
「ああ。ごめん。忘れてた」
「ええっ! もう……ずっと前から言ってるのにぃ」
ぷうっと頬を膨らます橘。
それならお前が考えればいいだろう。
「それはダメなのです。団長は佐々木さんなのですから」
どうでもいいとこで生真面目な奴だな。
「どうでもよくないです!合宿は団員間の親睦を深める上でも…」
「わかったよ橘さん。そのうちきっといつかまた多分考えておくから」
団長の事実上の放置宣言に、橘は大きく溜息をついた。
「……もういいです…ぐすん」

ピーッとヤカンが蒸気を上げ、橘は慌てて火を止めた。
上司の怠慢に不満があっても、ストを起こしたりはしない我が団の専属メイドは、ぶうたれた表情のまま、急須に湯を注いでいる。
今日も、世界は平和だ。


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