【涼宮ハルヒの憂鬱】橘京子2【んん…!もうっ!】at ANICHARA2
【涼宮ハルヒの憂鬱】橘京子2【んん…!もうっ!】 - 暇つぶし2ch523:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:15:22 0VdM7AL6
学生だとしたら、きょこたんの学校はどこなんだろ。
佐々木のところ昆布のところかあるいは?

524:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:33:52 uDpD2HzX
>>523
キョン宅近くの市立高校で学校の行き帰りに
毎日顔を合わせることになるとかもだと面白いかもな

ビジュアル的に紺のセーラー服空いてるから
校区エリアが隣接するうちの母校でも良いけど

525:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:39:48 h4mZwgfF
電車通学って言ってたので、校区も関係なく遠い所かと

526:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:45:00 h4mZwgfF
スマン、佐々木スレと勘違いしてた。
中学生説もあるが、おそらく近所ではなかろうか。

527:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:45:43 AQIK4LQm
あれ?電車通学は佐々木じゃなかったか?

528:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 12:47:00 AQIK4LQm
ちょw何と言うタイミングの悪さだ俺…

529:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 15:52:04 uWiocAkm
「きょこたん」をギャル文字変換してみたら、「きょこたω」に鉈。

530:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 16:36:02 TVxJ4dj8
きょこたωかわいいよきょこたω

531:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 16:37:13 /XFqFSKc
きょこたんハァハァ

532:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 17:10:41 usyNaWig
SS書いてみたんだが33KBとちょっと長めになってしまった。
ここってこんくらいの長さでも投下していいのか?

533:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 17:18:08 nkmdil7P
>>526
むしろ実はランドセルしょった小学生の方向で

>>532
いいよ
ローカルルールに反しない(要するにエロパロ行きじゃない)燃料ならおk

534:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 17:21:26 vhklPaZV
     , -‐- 、、
.    〃   ; ヽヾ
    ハミ((メノリ从))
    | i(| ┃ ┃ |!| >>532
    | トリ、'' ヮ''ノl'!| かもーん なのです
.   レ゙ {つ旦O リ ただ10レス以上なら できればナンバリングしていただきたいの
.    とく_/__l_j>

535:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 17:23:17 2tVGOEed
ガンガンのばして
>>871
に送るのもアリかもアリかも

536:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 17:33:18 usyNaWig
よし、じゃあ投下いってみる。15レスくらいを予定。

537:ただいま小悪魔系見習い中1
07/05/20 17:34:44 usyNaWig
「んもうっ!」

 喫茶店からの帰り道、長い信号待ちであたしは思わず地団駄を踏みました。
 なかなか青に変わらない信号に腹を立てたんじゃなくて、じっと立っている内にすっきりしないイライラみたいなものが溜まっていって、とうとうそれが軽く爆発しちゃったような感じ。
 でも、かかとを盲人用の黄色い点字ブロックにぶつけた後で、すぐに軽率な行動だったとちょっと後悔しました。
 周りの人に変な娘だと思われちゃったかな。
 何やってるんだろうって、ますます自己嫌悪にハマってしまいます。
 少しこのまま佇んでいたい気分だったけど、空気を読んでくれない信号機が変わったので厭々歩みを進めます。
 まるで自慢の青色発光ダイオードを見せびらかすように明々と灯っている『進め』のランプがとことん可愛くない。よくよくみるとツブツブがいっぱいで気持ち悪いのです
 まったく、気の利かない。
 そうっ、なんて気の利かない人が多いことでしょう。
 あたしがこれだけ世界の在るべき姿の重要性を説いているというのに、どこ吹く風とばっかりに非協力的な人ばかり。
 今日の会合だって人を集めるのにどれだけ苦労したか分かります?
 腰の重い人達ばかりを説得してみんなの都合を調整してようやく一同に会することができたのです。
 念願だったキョンさんを交えた貴重な会合、もっともっと有意義な話をするはずだったのに……。

 キョンさんは朝比奈さんの件であたしを完全に悪役だと誤解しちゃってるし、
 佐々木さんは自分の存在の重大さがイマイチ分かってなくて非協力的だし、
 自称『藤原』さんは非協力的以前に会話すらも噛み合わせてくれないし、
 九曜さんは会話する以前に存在感そのものが希薄でつかみ所がないし、
 
 兎にも角にもうまくいかないことだらけでした。
 たった一つの収穫といえば、あたしの能力でキョンさんに佐々木さんの内面世界を見せることができたことくらいかな。
 そう思うとやっぱり頼れるのは自分だけなのかなと思っちゃいます。
 本当は対抗組織としての団結力を高めてチームワークで臨むのが理想なんでしょうけど、この状況じゃそんなこと夢物語ね。
 諦めるわけじゃないけど方針の転換は必要みたい。
 じゃあ具体的にどうするのっていう疑問の答えですけど、実はおぼろげながらもすでにあたしの頭の中に用意があったりします。
 やはりキーパーソンとなるのはキョンさん。
 佐々木さんは今は渋ってるけど彼さえその気になればどうとでも転ぶわ。それこそコロっとね。間違いないです。
 哲学的な論調で平静を装って努めて理性的であろうとする彼女の姿は滑稽ですらあります。それに気づかない鈍感で朴念仁な彼もだけど。
 二人が素直にくっついてくれればそれは願ったり叶ったりだけど、お二人の態度を見てる限りじゃ10年待っても良いお友達のフリしてよろしくやってそうね。
 とてもじゃないけど、そんなに待ってられません。
 もちろん涼宮さんにいつまでも世界改変の能力を預けてられないってのもあるけれど、煮え切らないような態度の佐々木さんの方針も良く分からないのです。
 そうなの、花の命は儚くて短いのよ。
 どこかで読んだ本には、夫がいつまでも妻に愛着を持ち続ける一つの条件は、十代後半から二十代前半にかけて一番女性として綺麗な時期の妻を知ってることって書いてありました。
 プリプリのお肌の生足で大胆に勝負できるのはまさに今だけなのです。
 意中の男の子に一番可愛い自分を見せずにむざむざやり過ごすなんてありえない!
 気づけばあたしは立ち止まってお気に入りの○ェンディの傘の柄を痛いくらいに握り締めてました。
 突然スイッチが入ったみたいに爪が食い込んでうっ血している掌の悲鳴を聞いて、慌てて我に返ります。

538:ただいま小悪魔系見習い中2
07/05/20 17:36:59 usyNaWig
 あたしってば何を力説してるんでしょ。意味もなく当たり散らすなんてらしくありません。どうも今日は調子がヘンです。どうしてかな……。
 今日何度目か分からない自己嫌悪に自嘲しながら深呼吸を一つ吐きます。
 湿気たっぷりの不快指数の高い空気のおかげですぐに頭は冷えました。
 ……さて、だいぶ話が横道に逸れてしまったようだけど、どこまで思考を進めてたかな。
 そう、キョンさんのことでした。
 要するに将を射んとすればまずは馬からなんて暢気なことやってる余裕はないのです。
 つまり、あたし自ら動くしかないってこと。
 で、思いついた秘策とは――、

 ズバリ、キョンさんをあたしの色香で惑わせて虜にする。名づけて『傾国の美女作戦』!
 
 なんてったって女性を巡って男性が動くのは歴史が雄弁に語ってるもの。
 クレオパトラと楊貴妃がその絶世の美貌で歴史を作ったのはあまりにも有名なのです。
 だいたい男の子なんて女の子の色目には弱いもの。免疫の無さそうなキョンさんなんてそれこそイチコロよ。
 キョンさんと佐々木さんが簡単にくっつかないのなら、あたしにくっつけちゃえば良いのです。堂々とくっついちゃうと問題があるので、あくまでも裏で。裏から操っちゃうなんていかにも悪女めいていて燃えるのです。うふっ。
 キョンさんの周りにはどういうわけか女のあたしから見ても可愛い女の子達がたくさんひしめき合ってるけど、どの娘も揃いも揃ってお子ちゃまなのが絶好のつけ入る隙。
 誤解がないように説明すると、容姿やスタイルでも引けをとってるつもりなんかちっともないです。
 機関のお仕事があるので特別に気合入れてないだけで、あたしだってまんざらじゃないのよ。
 コクられたことだって何度もあるし、ラブレターだって貰ったことあるのです。
 その気になればあの中でも真っ向から十分勝負できる見込みはあるもの。なーんて言うとちょっと自惚れかな。
 まぁ、それはそうとして……。

 ふふっ、おままごとはもう終わりの時間なのです。

 キョンさんの思いのほか大きくて暖かい手の感触を思い起こすと、じん、と掌にうずきが灯りました。

 あの手で優しく髪の毛を撫でてもらえたら、
 アノ手で強く胸を揉みシダかれたら、
 アノテデアタシノ……ヲハゲシク、ハゲシク――、
 
「はぁ……」
 
 あらぬ所へと妄想が飛んで、身体が熱く火照ってきました。
 やだ、あたしったらはしたない。
 でも、あの無愛想なキョンさんがあたしにメロメロのデレデレになってる図を想像すると口の端が吊り上ってニヤケるのを止められません。
 こんな感覚って初めて。ドキドキが全然治まらない。こんな願望があるなんて自分でもびっくりです。
 あたしって小悪魔的な気質があるのかも……。
 薄く笑んで空を見上げると曇天の切れ間から一筋の光明が差し込んできました。
 いつの間にか雨が止んでいることに気づくとあたしは傘をたたんで、一転意気揚々と駅の切符売り場へ向かいます。
 このままおとなしく家に帰るつもりだったけど急用ができました。
 やるならトコトン、準備は万全に。
 特急の窓に写りこむのは使命感を瞳に滾らせたあたし。そのもう一人の自分と挑戦的に向き合ってあたしは終点を目指します。

539:ただいま小悪魔系見習い中3
07/05/20 17:38:33 usyNaWig

//////////

「悪いが何度誘われようが俺の気持ちは変わらん。お前と改めて話すことなど何一つない」

 ピッ、ツー、ツー、ツー――。

 一方的に切られて耳に押し当てたケータイの受話器から聞こえる空しい発信音を聞きながら、あたしは呆然となりました。
 水でもぶっかけられたように、高揚していた気分が覚めていきます。
 あの雨の日のセレンディピティから作戦を練りに練って、必要なモノを全て揃えて、お肌の調子も整えて、さぁ後は実行するだけというところまでは比較的順調に来れたんです。
 でも、いざ始めようとしていきなり大きな壁にぶち当たることになりました。
 肝心なことが抜けてたのです。
 そう、うかつにもキョンさんのアポイントを取り付けること自体が難関だってことをすっかり忘れてしまっていたの。
 舞い上がってたせいで勝手に楽観視してたってのもあるのかな。
 ダメダメ、こんな甘いことじゃダメです。到底オトコを惑わす悪女になることなんて無理。
 あたしが目指すのは、こう……、一見無垢でか弱い儚さと冴え渡る打算を兼ね備えた悪い女。まさに北条政子、日野富子、淀殿の系譜なのです。
 この痛い経験を心に刻んで気を引き締め直したあたしは、心意気も新たに手を変え品を変え猛烈にアプローチをかけました。
 ケータイに電話すること18回、メールを打つこと52回、待ち伏せすること5回。
 数々の失敗と挫折を見えないトコに図太い鉄心を仕込んだ乙女心で乗り越えて、ついにっ、ついにキョンさんとの約束を取り付けることに成功したんです。
 まぁ、最後の手段とばかりに自宅前で待ち伏せてるところを親御さんに発見されて夕飯をご馳走になったのがキッカケなので、実はラッキーの他何でもありませんけど。
 さすがに家族同席の場であからさまに女の子を冷たくあしらうこともできなかったらしく、半ばストーカーに怯えるキョンさんを今週の土曜日に誘い出すことに成功したのでした。ふふふ。

//////////

 待ちに待った土曜日の昼下がり。
 あたしは30分前行動で待ち合わせ場所に待機してキョンさんを待ちます。
 繁華街にある誰でも知ってる某ファッションビルの入り口で待ち合わせ。
 ガラス張りのショーケースに写った自分の姿は、いつもとはガラリとイメチェンをして狙い通りにキュートなオネエに変身を遂げたあたし。

540:ただいま小悪魔系見習い中
07/05/20 17:39:37 usyNaWig
 貯金を散財したのは切ないですけど、投資の効果はヒシヒシと感じるのです。
 自惚れでもなんでもなく、これで落とせない男なんてそうそういないはず。
 せっかくだから今日のあたしのファッションをチェックしちゃいましょう。
 トップスは大きなレース付シフォンの襟がラブリーなパフニット。白のシフォンと黒のパフニットのコントラストが格調高くてオトナな雰囲気を演出してくれちゃいます。
 パフニットは袖口を絞った半袖になってて腕を大胆に出して気品あるフェミニンさもアピールなのです。
 一方ボトムはサテン切り替えでウェストを絞った純白のタックフレアスカート。裾には灰色のラインが入ってるところがワンポイント。ベルトの大きなリボンで可愛らしさをこれ以上ないくらいに引き出しちゃってます。
 この絶妙の上下白黒コーデにプラスして注目すべきはなんといってもバストのボリューム。
 今まで本気で選んだことなんてなかったから知らなかったけど、最近の補正下着はすごいのよ。見栄張ってギリギリCカップだったあたしの胸に立派な谷間がでーんと……、でーんと……、って本当にすごい。
 家を出た瞬間からやたらと男の人の視線を感じっぱなしなので正直恥ずかしいですけど、キョンさんが巨乳好きというデータがある以上これを外すことはできません。
 ああ、でも、も、もしブラを外すような事態になったとしたら……、やだ、あたしったら何を昼間っから妄想してるんでしょ。

「おい」

 でも、100パーセントないとも言いきれないし、そうなったら困るなぁ……。嫌じゃないんだけど、うん、困る……、どうしよう?

「おいって」

「え? あっ、ハイ!」

 一人芝居に耽っていたところでいきなり肩を叩かれて慌てて振り向くと、そこには待ち人が訝しげに佇んでいました。

「キョ、キョンさん!?」

「呼び出しといてその驚きようはなんだ?」

 なんたる不覚。ホテルの前でどうやって言い訳したら良いか順調に考え込んでるうちに、キョンさんの接近に気づかないなんて。
 なんだコイツ、と言わんばかりの疑惑の視線がそこはかとなく痛いです。

「いえ、あの……、昨日の夜あんまり眠れなくて上の空だった、のです」

 自分でも苦しいと思う出来損ないの言い訳に思わず目も少し泳いでしまいましたが、なんとか納得してもらえたみたいです。これ以上ツッコむのも億劫ってのが真相臭いですけど。

「で? ストーカーまがいのことまでして休日の俺を引っ張り出す用件はなんだ?」

 出会い頭の先制パンチが飛んできました。
 うう、そんないかにもつっけんどんな態度を取らないで欲しいなぁ。
 でも、これは想定の範囲内。こんなとこでいちいち挫けてられません。

「用件って、予め伝えていた通り今日は堅苦しい話をするつもりはありません。純粋にキョンさんとお話がしたかっただけなのです」

541:ただいま小悪魔系見習い中5
07/05/20 17:40:36 usyNaWig

「何度も言うが誘拐犯と話す話題の持ち合わせなんぞないんだが」

 んもうっ。何度も言うのはこっちの台詞なのです。
 あれはポーズみたいなものだったってさんざん説明してるのにどうして分かってくれないのかな。
 どうやらターゲットに朝比奈さんを選んだことが相当に根を持たせてる原因みたいです。
 ……それって、なんだか気に入らないなぁ。
 そんな心中を機微を心の奥底に押しやって、とにかく話を進めます。

「だからこれはそのお詫びのつもりなのです。仲互いする意図なんてこれっぽっちもないんだから。親睦会よ、親・睦・会」

「侘びだと? 相手が違うんじゃないか。謝るんなら俺じゃなくて朝比奈さんだろう」

「それは重々承知しているのです。だけど彼女の性格からしていきなりあたしが会いに行っても怖がらせるだけでしょう? だからまずはキョンさんに間に入ってもらいたいの」

「…………」
 
 思惑は上々、キョンさんは少し考え込むように黙ってしまいました。少し眉間にしわを寄せて口元に手をやる仕草が何気にあたし的にツボかもしれません。
 ここはチャンスとばかりに一気に切り崩しにかかります。

「彼女にはいずれ謝罪に行くつもりなのです。でもそれには順番を踏まないと、ね。まずはその第一段階としてキョンさんのあたしに対する誤解を解きたいなって。だから今日はもてなしをさせて欲しいのです」

 ぎゅっと握った両手を胸の前にもってきてちょっと上目遣いで10センチくらい上にある彼を見上げると、キョンさんはあからさまに困った顔をしてました。
 良い表情と言うには程遠いけど、5分前の嫌悪感と猜疑心を顔全体に貼り付けた不快指数100%の彼はもう在りません。あと一押し!

「今日は全部奢ります。あ、お金の心配なら無用です。機関の交際費で落としちゃいますから」

「……いやそれは別にどうでもいいんだが」

 あたしに付き合ってもいいけど、なんかひっかかる……、そんな感じかな。
 年分不相応に落ち着いてるだけあって、さすがに思慮深いです。それでもこうやって普通な感じで女の子に頼みごとをされると無碍にできないのがやっぱり男の子。
 キョンさんは「あー」とか「うー」とか一人で唸り続けています。
 でも、迷ってるってことは少し強引でもオーケーなはずよね。ここは一つ強攻策でいくとしましょう。

「もうっ、要するに今日は楽しんで欲しいってことなのっ。……えいっ!」

「あ、おいっ!」

 ひたすら渋るキョンさんに焦れたようにしてあたしは彼の腕を取って歩き出しました。
 本気で抵抗すれば簡単に振りほどけるはずだけど、そうはせずに引っ張られる身体に脚が無理やりついてくるといった感じで進みます。

「そんなに深く考えないで。女友達と遊ぶ、そんな感覚でいいのです。なんならデート気分なんてどう? あたし的には全然問題なしです」

 無邪気に振舞ってキョンさんの腕を深く引き寄せて身体全体で抱え込んでみました。
 増量されたムネの谷間に丁度挟み込むような体勢にすると、彼は覿面に面食らったような顔をして、慌てて引き離そうとしたけどもちろん簡単には離してあげません。
 すごく緊張してるせいか、キョンさんの高い体温が生々しく伝わってきます。
 や、やだ……、あんまり暴れたら腕が……、変なトコに擦れちゃいます。

「ちょっ、コラ! そんなにくっつくなって」

「い、いいからいいから。話があるなら店にでも入ってゆっくりしましょ」

 雑念を振り払うように小走りになると、ようやく観念したのか抵抗する力が随分弱まりました。
 この後どうなってしまうのか、計画は綿密に練ってきたにも関わらず、あたしは新鮮なキョンさんのリアクションに高鳴る鼓動を抑えられないまま、地についてないような足取りでお気に入りのカフェを目指しました。

542:ただいま小悪魔系見習い中6
07/05/20 17:41:39 usyNaWig

//////////

「キョンさんはお気に入りの店とかないんですか?」

「……ないね。あいにくちょくちょく外食できるほど金を持ってるわけじゃないんでね」

「そ、そうですか……」

 瀟洒なカフェの窓際の席で春のうららかな日差しを浴びながら優雅にランチタイムという予定だったんだけど、現実に在る目の前の光景はそんな空想からは遠くかけ離れたもの。
 正面に座っているキョンさんはあまり視線も会話も合わせてくれず、食後に注文したアイスコーヒーも一口飲んだだけで、仏頂面のままそっぽを向いてしまっています。
 あたしはそれに愛想笑いを浮かべるだけ。
 ああ、もうっ、早くも用意してきた会話のネタ(日常編)が底を尽きました。
 ただの世間話には興味がない、ということね。それならば、こっちにだってやり方があるのです。こんなに早く使うとは思ってなかったけど、ここは絡め手で責めるしかありません。

「キョンさんって、好きな女の子は居るんですか?」
 
 ピクリという擬音そのままに、キョンさんの背筋が少し伸びました。してやったり、これは今までに無かった反応です。

「涼宮さんもそうだけど、キョンさんの周りには可愛い女の子がいっぱいいるじゃないですか。あ、佐々木さんもその中に入るのかな」

「何を藪から棒に。そんなことを訊いてどうするんだ? お前の所属する機関はティーンズ対象の街頭アンケートでもやってるのか?」
 
「あはは、面白いことを言いますね。でもケムに巻こうたってそうはいかないのです。誰が一番気になる? タイプの女の子ってどんなの?」

 キョンさんは古泉さんがよくやるように掌を天井に向けて、『やれやれ』と軽く首を振ってみせましたけどそんなことで誤魔化されるほどあたしも甘くはないのです。
 つつけば面白い言葉が出てきそうな雰囲気がプンプン漂ってるんだもの。これは攻める他ないです。
 
「ふーん。でも少なくともこないだのあたしの申し出を断ったあたり、少なくとも佐々木さんよりは涼宮さんが良いってことよね」

「お前ね。そりゃいくらなんでも短絡的過ぎだ。前にも言ったが、愛着ってもんがあるんだよ。あんな存在意義不明の集まりにもな。だから個人的にどうこうという問題じゃない」

 斜め向いていたキョンさんの身体が久々にあたしの方に向き直りました。会話の内容はどうであれ、真剣に取り合ってる証拠です。良い傾向ね。
 あたしは急に悲しげな表情を作って、ここぞとばかりにでっちあげます。

「でも佐々木さんはそうは思ってなかったみたい。『キョンはきっと涼宮さんのことが好きみたい』って、『一年間、想いを胸に押し留めている間に随分水をあけられちゃったなぁ』って。その表情といったら切なげで見てるあたしも中てられちゃうくらいだったなぁ……」

 人差し指を顎に当てて存在しない記憶を思い出すフリをしながら、キョンさんの様子を窺います。
 途端にキョンさんの瞳に揺らぎが感じられました。今までの虚勢で塗り固めた余裕は完全に崩れて、動揺していることが手に取るように分かります。

543:ただいま小悪魔系見習い中7
07/05/20 17:42:38 usyNaWig

「嘘だろ? 佐々木自身、自分を中心とした集まりを作ることに乗り気じゃななかったじゃないか」

 必死に弁解するキョンさんを少し嘲るかのように眇めて見て、

「えー? キョンさん本当に女の子の気持ち分かってないんですねぇ。鈍感ー」

 などと煽ってあげると、わざとらしくも中々有効だったらしく、キョンさんは少し思いつめたように真顔になりました。
 
「……どういうことだ?」

「さぁ、それはあたしが説明するには何か違うような気がするので答えられませんけど」

 お互いの腹を探るかのように真正面からじっと見詰め合うこと数秒。
 先に目を逸らしたら負けだとばかりに、あたしが我慢大会のように照れる気持ちをひたすら押さえつけてると、キョンさんは深く息を吐いて年代を感じさせる艶やかな木椅子にもたれ掛かりました。
 視線は外さずにその口が開くと、予想外の言葉が飛び出てきました。

「お前はどうなんだ?」

「えっ?」

 急に水を向けられて、思わず気の抜けた声が漏れてしましました。唖然と開いた口元に慌てて手をやりましたけど時すでに遅し。
 うう……、きっと間抜けな顔を見せてしまったに違いありません。

「お前に浮いた話はないのかって訊いてるんだよ。古泉もそうだがお前らのように特殊なアルバイトに腐心しながら学生としてのプライベートをどう両立させてるのか興味がないこともないからな」

「あ、あたしですか?」

 馬鹿正直にお答えすると、機関のお仕事にかまけてて恋愛とか部活とかが二の次になってしまってるのが現状です。
 初めの方でも言ったけど告白されたことが何回かあって、お付き合いをしたこともあるけれどどれも長く続きませんでした。現在進行中の恋愛も特にないのです。
 ただ、こんなことをなんのひねりもなくつまびらかにしても面白くもなんともありません。会話を打ち切るようなもの。
 そう即座に判断したあたしは、

「……気になる人はいるのです」

 と半ば無意識の内にブラフを打ってました。

544:ただいま小悪魔系見習い中8
07/05/20 17:43:50 usyNaWig

「ほぉ」

 少し意外といった感じでキョンさんは相槌を返します。
 含みのある表情を作って意味深さを演出してみてみたものの内心は大混乱。だって、何の設定も考えてないんだもの。ツッコまれたら即終了なのです。
 気になる人と言えば、きになるひとといえば、キニナルヒトトイエバ……、まじかるバナナの要領でこじつけられないかとを思考をものすごい勢いでかき混ぜてると、足掻いてみるもので一本の回線が繋がったかのように閃いてしまいました。

「で、その相手はどういうヤツなのか、訊いていいか?」

 当然のごとくキョンさんは必要以上に待ってくれません。
 正直躊躇われるところがあるんだけど、他に思いつかない以上このアイデアでいくしかありません。ここが天王山。参謀役としての真価が問われる瞬間なのです。頑張れ、あたし。

「あたしの目の前に座ってる人」

 ここでどもってはすべてぶち壊し。淀むことなくあくまでもシレっと言ってのけると、キョンさんは目を丸くして瞬きを何回を繰り返しました。
 キョンさんってこんな顔して驚くんだ……、なんだか新鮮なのです。

「俺?」

「そ、あなた」

 自分を指差すキョンさんに倣って、あたしも人差し指を差し向けて確認を上書きしてあげます。
 十秒間ほどたっぷりと空白の時間を過ごしたかな。
 その間キョンさんは視線を漂わせて色々と考えを巡らしているような感じだったけど、最終的に落ち着いたのは手元が狂ってお茶っ葉を入れ過ぎたような渋い顔。
 
「悪いがはっきり言って面白くないジョークだな」

「ジョークなんて心外なのです。会ってから間もないのにとか言うのはナシね。ヒトメボレって言葉があるでしょ?」

「……それは認める。去年の暮れにその強烈な典型例を目の当たりにしたばかりだ」

 あたしの知らないエピソードね。キョンさんはそう言いながら苦笑を垣間見せました。しかし、一転表情を引き締めて続けます。

「だが、主格がお前で対象が俺では無理がある。俺はお前に対して一貫して警戒と嫌悪の態度をとり続けてきたからな。惹かれる要素なんぞどこにある? もしあるとするなら相当のマゾヒストだぜ」

 う……、確かに的を射た指摘ですけど、そんなことは口が裂けても言えません。
 その……、実は、そ、そういう気があるかもしれないことを含めればなおさらなのです……。
 ああ、もうっ! こんなどうでもいいことを考えて一人で盛り上がってしまうのは悪い癖。

545:ただいま小悪魔系見習い中9
07/05/20 18:04:49 usyNaWig
 もっと置かれてる状況を自覚しないとっ。ピンチなのよ? あたし。
 えーっと、こういうピンチのときの定番は――、発想の逆転!

「逆ですよ逆」

 とりあえず分かってないなぁ、っぷりに大げさに溜息を落としてみました。
 言ってはみたものの相変わらず何も考えてないのが困ったもの。さて、どうしたものかなぁ。
 でもこうすると相手のリアクションの分だけ間が稼げることを学習しちゃいました。
 思惑通りにキョンさんは訝んであたしの言葉を待ってくれます。
 しかしよく考えるとハッタリを編み上げる必要はないことに気づきました。
 だって、あたしの目にキョンさんがときどき魅力的に写っていることは嘘じゃないんだもの。要するにこの気持ちを素直に言えば良いのです。

「キョンさんってずうっとあたしにキツつ当たってたでしょ? だから逆にふとしたときに見せる表情や仕草がすごく新鮮に写るんです」

 ここで一拍置くと、キョンさんは思いのほか真摯に聞き入ってくれているみたいで黙ったまま続きを促します。

「確かに初めの頃はにべもない態度であしらわれていたけど、それに挫けずに約束をとりつけて、それなりに日常の会話もしてきました。そうした中であたしの知らないキョンさんを少しずつ発見していったの。ああ、この人はこういう一面も持ってるんだなぁっ、て」

 キョンさんはアイスコーヒーから滴り落ちた水滴で湿ったコースターを爪で弾きながら、あたしの目を真っ直ぐに見て問いかけてきます。

「……俺のどの一面がお前の心を捕らえたって言うんだ?」

 すぐに結論を求めるのが男性特有の考え方だって言うけど、キョンさんはその代表格ね。
 思わず噴出しそうになるけど、それはあまりに失礼なので微苦笑でごまかして説明をします。

「それは分かりません。分かってたら『気になる』なんて曖昧なこと言わないもの。そう思いません?」

「開き直って言うことでもないと思うけどな。だが、一理あるのは認めてやる」

 破顔一笑。どこか滑稽なやりとりにお互いの表情が崩れました。こんなに場が和んだことなんて未だかつてなかったかもしれません。
 キョンさんの穏やかな笑みを受けてあたしの心は共鳴するかのように響きます。
 ひょっとしたらここが仕掛けるタイミングなのかもしれません。

 本当はこの後エッチなシーンがある流行のアクション映画を観て、
 ゲームセンターのクレーンゲームで人形をねだってみたりして、
 カラオケボックスでデュエットで盛り上がっちゃったりして、
 頃合をみて猛練習してきた洋楽ラヴソングを熱唱披露して、
 34秒間たっぷりの間奏を使ってマイクで想いを伝える――。

 という算段だったけど、今冷静に考えると歌の合間に告白以前にカラオケまで辿り付ける確率がすでに奇跡レベルのような気がしないでもありません。
 誰よ? こんな台本書いたの? 昨日の自分が信じられません。
 でも、今の会話の流れなら比較的自然な感じで切り出せそう。
 そう決断したあたしは予定を大幅に切り上げて、ここで勝負をかけることにしました。

546:ただいま小悪魔系見習い中10
07/05/20 18:05:59 usyNaWig

「ついさっき今日会って初めて笑ってくれたとき、胸が高鳴りっぱなしだったのです。顔には出さないようにしてたけどね。こんな風にあたしをドキドキさせてくれて、もっと知りたいという気持ちにさせてくれるのがキョンさん、あなたなの」

 あなたなの、のところで訴えかけるようにトーンアップ。
 ダメかな? 的に顎を少し引いて小首を傾げた格好でキョンさんの顔を窺うと、キョンさんはゴクリと一度喉を鳴らして気圧されたような表情を見せました。
 ふふ、これぞ小悪魔娘の悩殺ポージングその1。効いてる! 効いてるのです。
 ここで一転、身を乗り出して頬杖をついて薄く笑みます。頬杖の間にボリュームアップさせてたわわに実った胸をテーブルの上にでーんと載せました。悩殺ポージングその2。
 恥ずかしいのをおした甲斐あって場の空気が蠱惑的で怪しげな雰囲気に変わります。

「キョンさんから見てあたしはどう写ってますか?」

「どうって、そりゃあ外面だけ見りゃ……、それなりに、器量は良いんじゃないか?」

 どことなくしどろもどろになりながらキョンさんはあたしに視線を忙しなく彷徨わせます。
 ああ……、キョンさんに見られちゃってる。そう思うだけで芯から身体が熱くなってきました。
 注意深くキョンさんの目を追うと、チラチラと胸のあたりを見てるのが丸分かり。ふふ、女冥利に尽きるのです。今更気づいた風なのは遺憾ですけど。
 
「キョンさんとあたし、意外に結構相性良いと思うんだけどなぁ……。あたしなら不当な我侭で困らせたりしないし、照れ隠しに遠回りなキャラを作って焦らしたりしないのです。あなたの理想の女の子になろうと実直に努力するもの」

 今日何度目か分からない沈黙が訪れました。
 聞こえてくるのはCDで流している小鳥の囀りのBGMとキッチンから聞こえてくる水音と微かに食器がぶつかる音だけ。
 キョンさんは思いつめたように眉間に手をやって沈思黙考してます。
 後一押しってところかな。ここはもう健全な男子の持て余した身体を煽るしかないのです。
 『その……、あたしだったら、キョンさんさえ望めば……何だってしてあげます』
 悩殺ポージングその3、口許に手をやって伏目がちにこの台詞を言えればあたしの勝ち。
 そう確信して、頬杖を解こうとしたその時でした。

「ぷっ……、くくっっ……」

 突然キョンさんは肩を震わせて身体を曲げて噴き出し始めたんです。

「キョンさん?」

「くくくっ……、あははっ、はっ、あははははははっ、いや、すまん。くくくくっ……」

 大ウケの大爆笑という見当違いのリアクションにあたしは完全に置いてけぼり。
 どうして? なんで、なんで? 笑うところなんてどこにもなかったはずなのです。
 キョンさんは周囲を気遣ってできるだけ押し込めたままひとしきり笑うと、ようやくといった感じで姿勢を正しました。
 
「た、橘っ、今のは面白かったぞ。お前っ、演技派だなぁ――、はははっ、っくくっ」

547:ただいま小悪魔系見習い中11
07/05/20 18:06:52 usyNaWig

 息も絶え絶えのままトンデモな感想を言うと、性懲りもなくまた笑い始めてしまいました。目の端に涙さえ浮かべて。
 あたしは我慢ならずに問い詰めようとすると、

 ブブブブッ、ブブブブッ――。

 テーブルの上に置いてあったキョンさんのケータイが着信して震えました。もうっ、なんて間が悪い。
 キョンさんは崩れた顔を治せないまま画面を確認すると、すまんとばかりに軽く手を挙げて席を立ってエントランスへ向かいました。
 店の外で通話中のキョンさんをガラス越しに見ながら、あたしは考え込みます。
 一体どういうこと?
 演技派ってそんなに芝居臭くてわざとらしかったってこと?
 つまり、あたしは完全になりきってると思ってたのに、キョンさんには三文芝居のように写ってたってこと?
 そう内省すると、顔から火がでそうなくらいに気恥ずかしい思いがこみ上げてきました。きっと首筋から耳まで真っ赤に染まっちゃってるに違いありません。
 なんたる大失態……、穴があったら入りたい。
 ベソをかくのに夢中になっていると、いつの間にじゃキョンさんが戻ってきていました。
 とてもキョンさんの顔をまともに見れそうになくて俯いていると、椅子に掛けてあったジャケットが視線から消えます。
 まさかと思ったけど、予感は的中してキョンさんはすっかり帰り支度モード。

「悪いな。ちょっと野暮用が入ったんだ」

「えっ、ええ~~~? そんなぁ。どうしても行かないとダメですか?」

 内心無駄だとは思ってたけど一応引き止めます。だって、こんな幕切れなんてあんまりにもあんまりなんですもの。
 演技もへったくれもない素の泣きべそをかいて、自分でも十分に情けないと思える声を惜しまず甘えてみたものの、

「すまん。けど、今日の会合の目論見は達成されたんだから、俺はいいんじゃないかと思うけどな。今日でお前の見方が少し変わったよ。立場上馴れ合うことはできないけどな。じゃあな」
 
 口を挟む余地もなく、一方的にキョンさんはそう言い残して颯爽と去っていきました。
 ぽつねんと取り残されたあたしは、しばらく燃え尽きたようになにも出来ないで飲みかけのアップルティーを見つめていたけど、そうしている内に心の奥底から湧き上がってくる何かを感じました。
 『やっぱりこんなの納得できない』
 その感情があたしに渇を入れて奮い立たせます。
 意を決したようにキョンさんの後を尾けることにしたのでした。

//////////

 商店街の人の波を掻き分けるようにしてあたしはキョンさんを追います。
 店を出る前にレジを済まそうとすると、知らない間にキョンさんが自分の分の支払いを終えてたみたいで最後まで格好がつきませんでした。
 なおさら納得できないと足を速めます。
 ……奢りのはずなのに人知れず自分の分を出すという姿勢ははカッコいいんだけど、ってダメダメ、そんなことでこの憤りは誤魔化されないのです。
 確か向かったのは駅とは逆方向。人ごみのアーケードの下、キョンさんの後ろ姿を懸命に捜します。
 買いたての靴が走りにくくて何度もつまずきそうになったけど、必死の追跡の甲斐あってアーケードを抜けたところで信号待ちの人だかりの中に見覚えのあるジャケットを見つけました。
 はぁっ、疲れた……。歩いて一体どこまで行くのかな。
 男子と女子とじゃ歩ける距離の感覚が違うので、ひょっとしたらとんでもなく長い距離を追わなければならないことを一瞬覚悟したあたしですけど、意外にもゴールは見えるところにありました。

548:ただいま小悪魔系見習い中12
07/05/20 18:13:04 usyNaWig
 駅から少し離れたところに建っている大手百貨店にキョンさんは何のためらいもなく入っていったのです。
 百貨店で一体何を……、まさかデパ地下で買い物とか……ないよね?
 目的の見当がさっぱりつかめないまま玄関を抜けようとすると、玄関口にあるフランスの某有名ファッションブランドの店先で待ち合わせているキョンさんを目の当たりにして慌てて物陰に隠れました。
 その行動は不審者そのもので通り過ぎていく家族連れが眉を顰めて一瞥していきますが、そんなことはこの際二の次。
 キョンさんを呼び出したのは一体誰?
 半身の体勢で覗き込むと、そこに居たのは高校生とは思えないくらいにブランド物のポロシャツ落ちついて着こなして、薫風然とした様子で爽やかに談笑する――、古泉さん。
 予想外の展開に思考もろとも身体もフリーズしちゃいそうだったけど、その前になんとか身を物陰に戻すことだけは済ますことができました。
 背中を壁に押し付けたまま状況の整理しようとするけど、混乱してうまくいきません。
 どうして古泉さんが……、涼宮さんを中心にしてあの二人が一緒に居る機会は多いけれど、こうして休日に二人で遊ぶ仲だとは聞いてないのです。
 しかも高校生男子の二人組みが百貨店に何の用があるっていうの?
 てんで理解が追いつかないけど、合流した二人がフロアの奥の方に進んでいくので追う他ありません。
 エスカレーターに乗った二人を10段くらい下方から見上げます。幸いにも休日だけあって店内の人口密度は高く、女の子一人が紛れる余裕は十分にありました。
 横に並んで喋る二人の表情は、何の裏表もない完全に打ち解けたもの。
 未だあたしには見せてくれたことのない自然な表情を見せ付けられているように感じて胸の奥がチクリと痛みました。
 何回も折り返して辿り着いたのは八階の催し物会場。フロア全体を借り切って大きなイベントが開催されていました。これは盲点だったのです。
 会場の入り口には大きなノボリがはためいていて、そこには――、

 『古今東西を完全網羅! 全世界テーブルゲーム博物展』
 
 と在りました。
 ――テーブルゲーム?
 テーブルゲームってアレ? トランプとかオセロとか人○ゲームとか、カードとか駒とかサイコロを使ってみんなで囲んでやるアレ?
 あたし的にはお盆やお正月に家族や親戚で集まったときに、付き合いで仕方なく参加するくらいしか縁のないアレ?
 ……いえ、個人の趣味を否定するわけではないのです。
 でも、コレは同年代の女の子の甘い誘いをほっぽいて優先することなの?
 それってなんか……、なんか健全な高校生男子として間違ってるのですよっ。キョンさんっ。
 涼宮さんとか佐々木さんとか、他の女の子の呼び出しに応じたならまだ納得がいくのです。いけ好かないけど。
 でも現実は何よこれっ。あたしにはこんな二次元アナログ遊戯以下の興味しかないってこと?
 それとも、ま、まさか古泉さんが裏本命とかないよね? ね? やですよ? 対立関係がオトコにまで及ぶのはっ。
 思わずスカートを掴む手に力が入ります。
 和やかムードに包まれたフロアの片隅で、やるかたのない憤懣を滲ませて佇むあたしはさぞかし浮いていることでしょう。
 でも遠目から子供のような無邪気な表情で展示品を物珍しそうに見るキョンさんを眺めていると、その怒りも程なくして霧散してしまいました。
 締めとばかりに、はぁ、と途方もなく溜息を吐くと、ようやく諦めがつきました。
 でもそれはあくまでも今日に限っての話なのです。
 障害が高ければ燃える、それはやはり然りでキョンさんを睨みつけると、

『今日はあたしの負けで良いけど、いつかは恋の虜にしてみせるのです』

 と、ぐっと胸の前で拳を握って改めて心中声高々に宣言してみせたのでした。
 よしっ、気合の入ったところで退散なのです。
 踵を返そうとすると、ポンッとあくまでも優しく肩に手を置かれました。
 振り向けば菩薩のような柔和な知人の顔。突然の登場と気まずさの相乗効果であたしの心臓は飛び跳ねました。

549:ただいま小悪魔系見習い中13
07/05/20 18:13:58 usyNaWig

「さっ、佐々木さん?」

 今日最も会ってはいけない人物との遭遇に思わず裏返った大声を出しそうになったけど、咄嗟になんとか音量を押し留めることができたのはたった一つの救いなのです。
 一目見た佐々木さんの表情はいつもの奥ゆかしくもたおやかなもので、まるで街で偶然出くわしたような自然な雰囲気に一瞬安堵しかけたけど――、
 よくよく見るとその瞳の奥で言いようのない何かが蠢いていることに勘づいてあたしは戦慄を覚えました。

「奇遇ね。こんなところで会うなんて。こういうのに興味があるんだ?」

「いえ……、適当にブラブラしてる内に着いちゃったような、そんな感じ、です」

 外面はあくまでも敵意や害意などとは無縁の微笑み。だけど、その裏では黒い炎のような無定形のモノがユラユラと熾っているのがありありと感じ取れるのです。
 バレている、絶対にバレている。そう思い込んだがもう負けでした。。
 しっぽを下げてしまった犬のようにあたしは何かに慄いたまま、語尾も立ち消えそうになってしまいました。
 しかしそんなあたしに構うことなく佐々木さんはいつもの調子で続けます。

「それはまた奇遇だね。私もそんな感じかな」

 さっきからやたらと『奇遇』にアクセントが掛かってるように感じるのは気のせいではないような気がします。本能的に受け入れられない怖さを肌で感じて、あたしは蛇に睨まれた蛙のように足が竦んで動けなくなってしまいました。
 か、身体が勝手にカタカタとふ、震えて、さ、さぶいぼまで出ちゃってます……うぅ……。

「ところで、今日の橘さんは随分とオシャレに気合が入っているね。どのアイテムも見たことのないものばかりかな」

 第三者から見れば他愛のないごく普通のやり取りに見えるかもしれないけど、あたしにとってはキラーワードの他なんでもありません。
 身体を硬直させたまま、引きつった愛想笑いで返すのが精一杯。

「もし時間があるなら、少し話さない? もしかしたらついさっき喫茶店に入ったばかりかもしれないけど、どうやら橘さんとの付き合い方を考え直さないといけないみたいだから」

550:ただいま小悪魔系見習い中14
07/05/20 18:15:15 usyNaWig

「……い、いやぁ、あの、あたしこの後機関のお仕事が……」

「時間は取らせないよ、ね、行こう?」

「ひっ」

 そう言って佐々木さんはあたしの手を取りました。マーガレットのような清楚で可憐な笑みを浮かべて、にこやかにあたしを誘うように。
 しかし、いざ握られた手は鍵でもかかったように逃がさないの意思表示。
 佐々木さんに曳かれて厭でも歩みは進みます。
 この泣きっ面に蜂を地でいく不幸っぷりは一体なに? 厄日なの?
 せめて理不尽な不運を心の中で叫んでみたものの、何を呪おうと繋がれた手は解ける気配が一向にありません。むしろなんか段々握る力が強くなってるんですけど……。
 ……い、痛いです。佐々木さぁんっ。
 百貨店から連れ出された時点でいよいよ諦めの気持ちも大きくなってきて、これが因果応報ってものなのかなぁ、なんて一瞬観念しようとしたけれど、この後の怖過ぎて謎過ぎる展開を想うとやっぱり泣き出したくなりました。

 「ほ、本当に行き先は喫茶店なんですかぁ?」

 「たぶん、ね」

 意味深に笑む佐々木さんの横顔は……、なんか目が据わってるぅ~~~。
 えーん。なんでこんなことにぃ―――!
 天を仰いでそんな泣き言を心の中でリフレインさせながら、問答無用でズルズルと引きずられていきます。
 不本意、ほっっっんとに不本意ではあるけれどっ、あたしの女の勝負を掛けた四月某日はこうやってかなり悲惨風味に過ぎ去っていったのでした。くすん。


551:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:16:13 usyNaWig
以上、おしまい。
途中さるってもたついてしまった、スマソ。

552:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:18:30 2tVGOEed
>>551
GJ

553:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:22:40 nkmdil7P
これは素晴らしい
GJ

しかしいろいろかわいそうなきょこたん

554:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:25:45 StL+zMsC
>>551
GJ!

これはきょこたんフィルターの参考にさせてもらおう

555:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:29:33 EXLxLlDV
>>551
GJなところ申し訳ないが
こんなかわいいきょこたんは俺が小脇に抱えて貰って帰るノシ

556:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:43:21 h4mZwgfF
>>555
だが断る。
俺が貰っていく。

557:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:48:51 nkmdil7P
いやいや俺が

558:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 18:52:18 QknXMgpl
素晴らしいな

559:キョン
07/05/20 18:57:35 5bFbLbPe
>>555-557
じっ、じゃあ俺が

560:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 19:02:46 nkmdil7P
>>559
どうぞどうぞ

561:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 19:03:52 EXLxLlDV
>>559
どうぞどうぞ

562:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 19:22:04 hzuusdZH
>>559
どうぞどうぞ

563:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 19:41:39 h4mZwgfF
>>559
どうぞどうぞ

564:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 19:49:32 ajkVG5Z/
>>551 GJ
これが>>520に有れば尚更良かったが……無理な話だな


565:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 20:01:20 1/PXViF0
発想の逆転にワロタ

566:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 20:16:18 w0869PXo
>>551
狂おしい程にGJ
きょこたんどこ連れてかれたんだよw

567:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 20:38:42 95Wgpm9J
なんだこの流れwカオスw
ここの住人はおもしろいから困るw

568:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 21:15:32 nUM7OJKc
佐々木と同じくきょこたんにもSS保管庫がほしいなぁ

569:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 21:31:21 Ctq1BgyD
>>551 GJ!!
きょこたんが敬語すきず、原作に近い喋り方がうまかったよ~
そして見事な空回りと自爆、そしてフラグクラッシャーK
シメの佐々木が見事に決めてくれた
……ってか、>>871 はこれを超えるレベルのSSを書かねばならんのか!!

>>568
いままでぽじてぃぶカンパニーがきょこたんまとめ代わりになってくれてたけれど、
一ヶ月お休みだからな~ 正式にどこか保管庫立ち上げるべきか

570:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 22:45:45 ajkVG5Z/
行ける……この流れなら言えるぞ!




きょこたん可愛いよきょこたん

571:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:15:44 nUM7OJKc
誰もいないのか?俺と10分程たちばなししようぜ

572:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:17:20 vhklPaZV
       ,.-,ヘー.、
     ノ 八ヽ`ヽヾ
.     i ハヽ リノバリゝ
     イ(l|⌒ |⌒リノ
     Yル、 ー ノハ すみません ちょっと通りますよ
      ⊂}`|{†}|゙{つ
       ゝ .> 〉
       レ'レ'

573:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:17:32 YnUemlsi
ふん、気乗りしないが既定事項だ。してやるよ。

574:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:18:39 2tVGOEed
この流れなら、行ける



10分レスがなかったらきょこたんは俺の妹

575:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:19:06 nUM7OJKc
>>574
うん、それ無理

576:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:19:37 2tVGOEed
早いなw

577:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/20 23:26:03 2tVGOEed
そして加速する・・・



1分レスがなかったらきょこたんは俺の妹

578:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 00:13:30 azU3MXdo
分レスであまり数字小さくすると喜緑さんの手でレス自体なかったことにされるから注意しろよ

579:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 00:28:53 ma3NRgDK
URLリンク(doukutsu.qp.land.to)(R18)

分裂が発売されるはるか前から存在する虹絵だが、橘に似てないか?
とりあえず石恵であることは間違いないと思うのだが、誰か詳細キボン

580:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 00:34:56 pCySD0E1
>>579
かしまし

581:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 00:50:55 I0X0rRxg
>>578
レス自体どころか投稿者ごとなかったことにされるらしいぜ

582:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 01:00:33 YNP1/3ER
増える若布ならぬきえる昆布ですな

583:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 01:42:34 C0JLNCEe
>>551
金八先生が言ってたっけ。「かわいい」と「かわいそう」は非常に近しいものなんだって。 
可愛いがきゃぴきゃぴした明るい娘は「ぶりっこ」なんて言われてしまうが、男は
可愛くてどこか不幸だったりダメな女の子にひかれてしまうって。
なんというきょこたん、超GJ。

584:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 03:02:23 2Gis1tv4
>>583
「可哀想ってのは惚れてるってことさ」
 たしか、何かの翻訳文のセリフだったような、気がするぜ。
 夏目漱石って聞いたことがあるけど、ソースは不明なんだぜ。

585:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 12:39:15 DHURzuBz
577:          [ ]
 

586:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 12:42:52 o7Hu2DMu
>>584
憐憫は愛
原語の台詞は忘れた

587:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 13:06:30 jpNBfNWr
>>585
どうした、見たまんまの引用なんかして。
まあ>>577が空っぽのレスなのは確かに俺も気になってるが。

588:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 20:50:01 Ya3dOS/C
>>587
お前は俺か?気になりすぎる。
メル欄すら空っぽなのにsagaってるなんて……

589:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 21:24:18 VOSArTgN
「白石黒子、参上ですわ!………って、あれ?なんだかお呼びでない?
失礼いたしましたわ」


ツーテに百合で超能力と聞くとこいつが思い浮かんだ

590:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/21 21:38:50 ++vM0oFw
>>589
萌えた。kwsk!

591:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 01:38:36 7vgK8Jfa
こないだハルヒファンになって原作を買い集めていて
さっき陰謀を読んできたんですが、
カーチェイスシーン付近が涙無しで読めません

このスレッドのみなさんのおかげです。

592:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 02:02:00 VtdAzH+H
>>591
泣け、どんどん泣け。そして立派なきょこたん萌えになるんだ

593:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 02:29:39 VHNSgWir
>>591
橘「ひゃああ~!?とめてえ~!ちょ、信号赤、赤、あかぁーー!!(泣)」
構成員A「馬鹿!あの車に乗ってるのが誰か知らねえのか!隠密作戦とCQCの伝説的達人、通称スネークの荒川と
殱滅戦に単身向かわせれば草木一本残さないメイド型重爆撃機、エンヴァイラメントクラッシャー森園生だぞ!
車を止めたが最後、俺たちは地獄の苦しみを味あわされた挙げ句、魂までも粉微塵に砕かれるんだ!!」 橘「ひいいぃ!なんでそんな人たちを敵に回したのですかぁ~!だから犯罪はダメだって言ったのにぃ。。。」
構成員B「うへへ・・・みろよ、森さんおれたちをみて笑ってるよ・・・何されるのかなぁ・・・
うきゃあ~!?いっそガケから落ちて死んじまおうぜぇ~wwww」
橘「きゃああああ!やめてくださいハンドルもどしてあああ落ちるぶつかる殺されるぅ~!?
おかあさああああぁん(号泣)」 ズザザザザ!!


橘「ぐすっ、みなさん・・・せめて死に際は余裕の笑みをうかべて逝きましょうね・・・」
構成員C「うん・・・じゃあ開けるぞ・・・覚悟を決めような・・・」                            こうしてきょこたんと愉快な仲間たちはアフガンの戦場もかくやという死線を運良く見逃され、
普通とはいえないけど平和な日常にもどってくることができたのでした。

きょこたんかわいいよきょこたん

594:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 02:36:26 NiRP9oGv
>>589
「橘京子です。今日は最近出来た友人の白石黒子さんを紹介するのです」

「白石さんは名門女子校、常盤台中学所属、中学生さんですね。ツインテールの似合う可愛らしい方です。
3サイズは上から……お、お互い頑張りましょう。成績は…機密?学校なのに機密…まあ、かなり上位らし
いのです。風紀委員でもあるようです。平穏の為に活動するのは気が合いますね。組織内でも人望があるよ
うです。委員活動後には甘味処に立ち寄るようですが、最近ウエストを気にしているみたいです。実は私も
…さて、そんな白石さんですけど、彼女には意中の方がいらっしゃいます。どうやらルームメートの先輩さ
んのようです。もともとは違う部屋だったらしいのですが何やら水面下の闘争の末、相部屋になったようで
す。しかしその方、他校の男子高校生にツンデレ状態。白石さんが積極的にアプローチかけてもどんどん引
いていってしまいます。何ででしょうか。白石さんファイトです」
「というよりですわ。お姉様は私に対する態度がおざなりなんですのよ」
「わ!白石さんいつの間に」
「しかも私が目を離した隙にあの若造やら初春に世話焼きスキル全開なんてどういう了見ですの。納得出来
ませんのことよ。初春には後で制裁を加えるとして、あの若造は早急に串刺しにしてやりませんとお姉様の
貞操が危ういですわ。ふっふっふっ、覚悟しておくことですわ。ふっふっふへあはひゃははらー!」
「白石さんが壊れたのです」
「ちょっと黒子!こんな所まで来て人様に迷惑かけるんじゃないわよ」
「その声は!お姉様 お姉様ああ お姉様。お姉様自らこんな所までお迎えに来て頂けるなんて……は!も
しや!そういうことですの。気付きませんでしたわ。なるほど、私の準備はいつでも万全OKですわ。さあ
、さあ、さあ!」
「ええい、何を勘違いしてんのよ。にじり寄るな!ここはスレ違いだって事なのよ。さっさと行くわよ」
「ああ、お姉様。そんな、殺生な。待ってくださいですの」




「………行っちゃいました。……………私も佐々木さんの所に行くのです」

595:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 02:36:43 C0M5yyYr
>>593ほどじゃないにしても、カーチェイス中には弱音吐きまくってて、車から出てきたときも内心すごくビクビクしてたってのは……アリだ。

596:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 03:08:23 7vgK8Jfa
>>593 >>595
あれ?なんでか目から水が‥‥。
つか森さんが超能力者派キャラで最強の人のような気がしてきた。

――――――――
森「素直に開放なさいませ。この場は見逃して差し上げます。
  どこへでもお行きになってください。でないと―」

構成員A「チッ(ひぃいぃぃ!!!お、おれは逃げる!!)」
構成員C「‥‥(お、俺もだ!!これは逃げざるをえん!!橘あとはまかせた!!)」
構成員B「‥‥(うぉぉ崖が呼んでいる~~)」

橘「(え!?えええええ!!?私が捨て石ですかぁぁぁ!?そんなぁあ!?)
  ‥‥‥‥コホン。
  仕方がないわね。
  だいたい予想していたけど、やっぱりダメでした。これも必然だったのかしら?
  (みんな早く逃げてぇぇぇぇぇぇぇ)」


597:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 03:30:05 jmPtYGaz
橘はきょんの好み(推定
最悪の出会い方←未来人の規定事項

あの出会い方じゃなければキョン×橘の未来が有り得たんじゃないだろうか

598:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 03:43:52 EuiJkUq7
>>597
キョンが強気に出れる相手ってあんまりいないからな。
ちゃんとした出会いかたしてれば、佐々木みたいなポジションに収まってた可能性が。


もちろんきょこたんは年頃のおにゃのこなので、恋愛関係に発展する可能性が(ry

599:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 04:25:47 H7Q0oqP5
二度殺されかけた朝倉でさえ、もう一度あの笑顔を見たいとか言ってるくらいだから分からんよ

600:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 05:37:33 9HPPrT/G
>>599
そんなこといってたっけ?

601:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 05:58:01 G/ULZUkH
きょこたん可愛いよきょこたん

602:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 06:56:16 KOoB9Ya1
きょこたん可愛いよきょこたん

603:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 07:03:13 Q7ufsHCk
きょこたんかわいいよきょこたん

604:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 08:42:03 0pn9v283
りょこたんかわいいよりょこたん

605:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 08:51:05 E+/P+xjo
>>604
惜しいな
朝倉スレへどぞ

606:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 15:09:12 VHNSgWir
きょこたん気合いだよきょこたん

607:○
07/05/22 15:09:16 nhyxeHCT
きょんたんかわいいよきょんたん

608:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 15:12:37 E+/P+xjo
>>607
古泉乙
パンジーと仲良くしろよ

609:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 16:08:38 d1Hs4y1M
>>608
古泉は●だ

○は橘

610:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 16:26:36 E+/P+xjo
>>609
そういやそうだった…
名前欄に●入れても○表示になるから早合点したようだ。すまない。

611:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 17:16:25 JkXbq22e
いまってSS透過できる雰囲気?

612:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 17:24:00 d1Hs4y1M
>>611
大丈夫だと思う

613:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 17:24:08 Ui0glrh0
イイーンダヨー

614:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 17:26:30 JkXbq22e
それじゃ、覚悟を決めてごお

615:橘京子の憂鬱1
07/05/22 17:27:25 JkXbq22e
俺がたいした感慨もなく高校に入学し、そしてこれまたたいした感慨もなく高校生としての平凡な日常を送り出して、ちょうど一年の春―――、

橘京子と出会った。




北高に合格し、早朝ハイキングのあまりの過酷さに驚いたのも、緊張しながら頭からひねり出した自己紹介のセリフを言ったのも、もう一年ほど前のことになる。
 二年に上がっても、おかげさまで友達に苦労することは無かった。同じ中学から来た奴も多かったしな。今俺の裏に座っているこいつもその一人だな。


「やぁ、キョン。どうやら今年は、キミとは一年間ともにクラスメイトとして過ごして行けるようだ。嬉しい限りだね」

「佐々木か。そうみたいだな。このクラスには国木田も居るし、それなりに悪くないクラスでよかったよ」


 こいつは、中学のときの印象では確か頭の出来は俺よりは相当良いはずだったが、まぁなんか事情でもあるんだろ、とにかく同じ高校に進学していた。

 そうして、入学式等、新学年の催しを終え程なく落ち着いて話していたころ、それは唐突にやってきた。


616:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 17:27:25 Ms6Yubp1
お待ちしておりました

617:橘京子の憂鬱2
07/05/22 17:28:55 JkXbq22e
「佐々木さんは居ますかっ? お話があるのです。」


 見ない顔だな、一年生だろうか。


「あぁ、佐々木ってわたしのことね。話しって言いいました?それはここで良いのかな?」

「ちょっと時間をいただけますか?来てもらいたい場所があります。
・・・あ、そんなに時間はかかりませんから。お願いします」

「だそうだ。それじゃあいこうか、キョン」


ん?なぜ俺が出てくるんだ?お前に用があるんだから、一人で行けばいいじゃないか。


「まぁまぁ、いいじゃないか。楽しそうだ」


わけが分からんな、ってほんとに行くのかよ。


618:橘京子の憂鬱2
07/05/22 17:29:58 JkXbq22e
渡り廊下を通って、いったん外に出て、別校舎に入る。歩みを進めるうちに目的地が見えてきた。ここは・・・旧館、文科系部の部室棟か。どうやらこの文芸部に用があるらしいな。


「ここです。さぁ中に入って。んふっ、なかなか趣があっていい空間でしょ」

「君の名前をまだ教えてもらってなかったね。なんというの?」

「橘京子といいます。時間も無いから、本題に行かせてもらうわ。まず簡単に言うと、佐々木さん、あなたには私たちの同好会に参加してもらいたいのです。キョンさんといいましたっけ、あなたもどう?」


いったいなんなんだ。確かに俺も佐々木も面倒くさがって部活動には参加していなかった口だが、それにしても突然やってきて、同好会に入ってくれとは、突然にもほどがあるんじゃないか。


「突然何なんだ。初対面で、突然同好会に入れだなんて突然すぎるぞ。理由くらい聞かせてもらってもいいんじゃないか」

「理由はいえないのです。でも名前なら決まってるのよ。聞きたい?
それでは発表します。じゃじゃーん、『SOS団』ですっ!! ぱふぱふ。
意味はSe界を Oち付かせるための Sa々木さんの団 です。活動内容は特にないの。強いて言うなら、放課後や、休日にみんなで集まってのんびりすごしましょう、ってところかな」

「SOS団って、何で佐々木の名前が入ってるんだ?おかしくないか?」

「いいえ、団長は佐々木さんに勤めてもらうつもりだもの。これでいいのよ。佐々木さん、あなたにはぜひ参加してほしい、いえ、参加してもらわなければなりません、考えてくれますか」


619:橘京子の憂鬱4
07/05/22 17:31:46 JkXbq22e
「うん、団については大体分かったよ。ところで、SOS団には何人くらいの団員が居るの?」

「人数なら、わたしと、そこに立っている彼女、」

「―わたしは―九曜――――周防―九曜―――」

「それからここには居ないけど藤原さんって男の人が居ます。彼は、バカバカしいから遠慮する、ですって。学校には来てるんでしょうけど。今日は顔出ししないみたい。ホントは来てもらいたかったんだけどね。こういうことは最初が肝心って・・・」


俺は、橘の言葉よりも、今目の前にある現実に驚きを隠せなかった。
たった今まで何も意識していなかったそこには、黒いもの、とでも形容すべきか、人が佇んでいた。そいつは、カラスよりも暗い色の髪を持っていた。その髪は、腰よりも長く伸び、おまけに波濤のように・・・・・・・・、コンブのような特長的な髪形をしている。
目立って仕方がないはずなのに、橘に言われるまで姿形が見て取れなかった。
どうやら佐々木も、この事態に少し戸惑っている様子だった。


「んん・・・!もうっ!お二人とも話を聞いてますか?とにかくそういうことなのです。佐々木さん、入ってくれますよね。」

「・・・っあぁ。そうだね。どうせ暇だし、入ってもいいかな」


おい、マジか。


「いいじゃないか。キミも部活には所属してないんだろう。いいじゃないか。少し面白そうだ」


やれやれ。暇なことには文句ないしこういうのもいいか。


なんて思った俺が間違いだったのかもな。兎にも角にも、俺の超不思議的生活はここから始まったのさ。







続けれない


620:橘京子の憂鬱
07/05/22 17:33:05 JkXbq22e
勝手が分からないけど、当たって砕けろ作戦でごお
何番煎じか分からないけど、とりあえずはみんな思いつきそうなネタで。きょこたんについて同学年のところが、一個下になってるのは、俺の趣味
ここから、きょこたんの出番が増えるはずだけど
体力切れ


621:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 18:14:35 yncF9TJd
乙!

622:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 19:37:22 OQNeMdgy
>>620
“一個下になってるのは、俺の趣味”

貴公とは友達になれそうだよ.
それはともかく,GJ!是非続けてくれ!

623:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 20:28:46 Ms6Yubp1
>>620
乙!あなたのペースでいいから是非続けてほしい

>>620>>622
よぅ、俺

624:橘京子の憂鬱
07/05/22 23:08:09 JkXbq22e
レスありがと

>>622>>623
他人とは思えないな


ところで>>481は糖分を運んできてくれるのだろうか。

625:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 23:11:07 Ui0glrh0
>>624
(´・ω・)ノ やあ
書きあげたところ、ただのキョンSSになりつつあるので調整中だい

626:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/22 23:52:29 JkXbq22e
>>625wktk

627:481
07/05/23 00:19:00 S6l7AeK6
調整したので投下準備。これ入れて5レス使います。

・分裂事件解決後を想定したキョン視点のお話。
・きょこたん視点で見てみると?
・糖分が予定より控えめになっちゃいました。

628:481 1/4
07/05/23 00:22:47 S6l7AeK6
 世界が分断されてしまうという未曾有の危機を、俺たちSOS団が苦闘の末に解決してから数日が過ぎた。
 今までも常識では考えられないような局面に何度か立たされた俺だったが……
 さすがに今回ばかりは想像以上に精神的に堪えちまった。数日前の出来事の顛末が脳裏にフラッシュバックしそうだ。
「まだまだ俺も精進が足りんってことか」
 現在の心情をこっそり吐露してみる。幸い、こんな小言は誰にも聞かれる事はない。
 今は俺しかいない自分の部屋、自分のベッドの上で瞼が閉じるのを待っている状態だ。
 暗がりの中にうっすらと見える、時計の針は深夜一時を過ぎた辺りを指している。今日は随分と遅いな、睡魔よ。
 そういえば現国の課題が出されてた気がしたが、朝一番にハルヒにノート写させてもらうか……と考えた時だった。

「!?」

 机の上の携帯の着信音が鳴り響いた。……ぬかった、マナーモードにしておくべきだったか。
 大抵、真夜中に掛かってくる電話は間違い電話の類と相場は決まっている。
 着信音が四回、五回、六回…と鳴った所で、鳴り止んだ。大当たり、明日は良い事がありそうだ。
 ……勝ち誇った矢先、再び着信音が鳴り響く。
「何処の誰だよ、んな時間に……!」
 もう少しで寝られる所を妨害されたんだ、多少言葉が荒くなるが許せよ。今の俺は疲れてるんだから。
 古泉でもある程度は空気ってものを読めるだろ……と思いつつ、机の上の携帯を取って誰からの着信なのか確認してみた。
 携帯のサブディスプレイには、見覚えのない番号が表示されていた……携帯からか。
 二回ぐらいなら間違い電話だと気付かずに再度掛け直してくる場合がある。とりあえず止むのを待とう。
 また五回程鳴った所で着信音が止む。
「番号はちゃんと確かめてからにしてくれ」
 誰もが思うであろう言葉を呟きつつ、携帯をマナーモードに切り替えて再び布団に中に潜り込む。

 目を閉じて一分ぐらい経ったか、携帯がガタガタと震えだした。また同じ番号か?
 再び携帯を手元に引き寄せて目をやる……案の定さっきと同じ、見ず知らずの番号からだ。
 ハルヒなら『イタ電が多いから携帯の番号を変えたのよ。あんたに教えるのすっかり忘れてたわ』とか言いそうだが。
 とりあえず電話の主は何者だ。文句ぐらい言わんとすっきり寝られん。
 だが通話ボタンを押そうと携帯を開いた途端に電話が切れた……何がしたいんだよ。
 携帯を枕元に投げようと、投擲のフォームを取った直後に手元で合計四度目の携帯へのアクセス。
 これで切られたら腹が立って仕方がない……苛立ちながらディスプレイを確認するまでもなく俺はすかさず通話ボタンを押した。
 すると俺が何かしらの言葉を発するより先に、電話の主が深夜の静かな部屋響き渡った。

629:481 2/4
07/05/23 00:23:39 S6l7AeK6
『あ……!ちゃんと繋がった……あ、あの……もしもし?』

 電話を掛けてきた相手は女だった。しかもここ最近頻繁に聞いた声……間違い、電話を掛けてきたのは橘京子だ。
『やっと出てくれて良かったです……なかなか出てくれなくて心配になっちゃって。キョンさんに相談したい事があるんですけど……いい

ですか?』
 こいつは俺が出た事を確認もしないで話を進めるつもりか……? 
 俺が出たのは確かだからそこんところの追求は割愛しておくがな。とりあえず文句は言ってやらんと気が済まん。
「橘」
『へ? あ、はい』
「そんなことより先に言うことがあるんじゃないのか」
『先に? えーっと……何かありました?』
「そもそも何でお前はこんな時間に俺に電話してきてるのかだろうが。何時だと思ってる」
『……でも相談したい事があって……あの……その』
「相談……俺にか」
『それにも理由が……あの……やっぱりいいです、ごめんなさい』
「一応、何の用件かぐらいは話せよ。安心して寝る事も出来ん」
『相談って言っても……電話では話し辛くて。出来れば直接会って相談したいなー……なんて』
「こんな時間にか」
『出来れば早いうちに話しをしたくて……』
 また佐々木を神様にしたいから云々の話なのか? この前のあれでほぼ解決したようなものなのにか。
『駄目……ですか?』
「今から、とでも言うつもりじゃないだろうな」
『今からじゃ……駄目ですか?』
 深夜にいきなり電話掛けてきて勝手に話を進めて、何がしたいんだこいつは。しかしまた電話掛けられてイライラするのも癪だが……
「仕方ないな……それで場所はどうするんだ」
『いつものSOS団の皆さんの集合場所の喫茶店の前でいいですか?』
「こっちにも色々都合があるんだ。無理矢理な話は今回限りにしてもらうぞ」
『ごめんなさいです……ではまた後で』
 そう言うと橘は電話を切った。全く人騒がせな奴だ。それにしても急用で、しかも直接言いたい話って何だ?

 さすがに家族全員が寝静まったようで、着替え終わってから玄関に辿り着くまでのミッションは難なく完遂出来た。
 幸いなことにシャミセンは妹の部屋で寝ており、俺が部屋から出てきた時も気付かなかったようで安心した。
「自転車の鍵と家の鍵、よし」
 誰にも物音が聞こえないのを確認しつつ小声で確認……したところで、一つ重大な事を思い出す。
 そういや、昼間親父が買い物に行くのに俺の自転車使ったのは良かったが、帰りにパンクさせて帰ってきたんだっけ。
 パンクしたままの自転車を使うぐらいなら置いて行った方が多少はマシというものか。已むを得ん、歩くしかないな。
 物音一つ立てずに外に出られたのは良かったが、昼間には考えられない程に冷え切っていた。
 上着を取りに戻るべきなのかもしれんが、今戻って手間取る時間が惜しい。さっさと行って帰ってこよう。
 俺は駆け足気味で毎度お馴染みの喫茶店前に向かうことにした。
 結局、仕方なしに返事をしてしまったわけだが……この安易な判断で後々に後悔することになろうとは思っていなかった。

630:481 3/4
07/05/23 00:24:33 S6l7AeK6
 待ち合わせ場所に着いたものの、いつもの駅前は閑散としており、終電も終わった頃合のために人もほとんどいない。
 どうやら俺の方が先に喫茶店前に到着したようで、橘の姿は周囲には見えなかった。
 いつもは遅れをとるパターンの方が多いが、たまには先に待つのも悪くはないな。
 だが肌寒くて敵わん……早く済ませて寝たいものだが。
 
 十分程度待っただろうか、瞼が重くなってきた。さっきはそうでもなかったが、俺としたことが油断した。
 睡魔がちくちくと嫌らしい攻撃を開始した間際、俺の視界が一瞬にして真っ暗になった。
「だ~れだっ」
 やっとこさ現れやがったか。何が、誰だ?だ。
「遅刻しておいて何の真似だ」
「うふふ。いいじゃないですか。一度でいいからやってみたかったんですよ」
 カップルじゃあるまいし、何を間抜けた事を。
「待たせたみたいで……ごめんなさい。これでも急いだんですよ」
「……ところでだ」
「はい?」
「何で俺の番号知ってるんだ。教えた覚えはないんだが」
「佐々木さんに教えてもらいました。キョンさんの携帯の番号教えて下さい!って言ったら、いいよーって」
 勝手な事をしてくれるな。そもそも何でこいつが俺の番号必要とするんだ。嫌がらせのためか?
「電話しようか迷ったんですけど……掛けちゃった」
「教えて貰って掛けてくるのはまだいい。何でこんな時間にだ。しかも電話じゃ無理な用件ってどういうことだ」
「私、昼間はなかなか家抜け出せなくて。両親が結構うるさいんです。自由に出歩けるのってこの時間ぐらいしかなくて」
 だから深夜に気付かれんように、か。両親が知ったら泣くだろうな。
「だが待て、いつも昼間に佐々木らと一緒に現れてるのは何だ」
「両親には友達と勉強会だっていつも言ってますから。内緒ですよ?」
 なるほどな、この手のパターンか。俺も昔はそれで遊んでたっけ。
「それでだ、話って何だ。また佐々木が神様云々じゃないだろうな」
「えーっと、その事についてはまた……今度、みんな集まった時にでも」
 じゃあ直接言うような話って一体何なんだ。
「歩きながらにしませんか? このままずっと立ち話というのも……あれですし」
 妙に話が噛み合ってないような気がするが……この際どうだっていい。多少は我慢してやる。
「何処へ行くつもりだ」
 俺の問い掛けを無視したまま、橘はふらふらと先に進み始めた。

 どれくらい歩いただろうか、それまで黙っていた橘が急に口を開いた。
「人気のない街を歩くのって結構気持ちいいですよね」
 一応それには同意は出来るが、誰が好き好んで大して仲の良くない女と深夜に徘徊しなけりゃならんのだろうか、誰か教えてくれ。
「こうやって出歩く時はいつも……一人なんですよ。今日はキョンさんが付き合ってくれて嬉しいです」
 一体何処へ行く気なんだこいつは。
「風が気持ちいい……厚着しすぎたかな。キョンさん涼しそうですよね」
 俺は寒いんだがな。上着の一枚でも貸して貰いたいもんだ。
「どうかしましたか?」
「別に」
「あんまりこっち来たことないんですけど……良い所ですね。一人暮らしするならこっちにしようかな」
 やっぱり土地勘なし、か。高校生が揃って深夜に徘徊してて補導でもされたらどうするつもりなんだろう。迷惑を被るのは御免だ。
「やれやれ」
 つい溜息と共にいつものあの言葉が口から漏れる。幸い聞かれはしかなったようだ。
 それからお互い口を開く事もなく、しばらく目的地のない散策が続いた。

631:481 4/4
07/05/23 00:25:27 S6l7AeK6
 少し先を歩く橘の後姿を見ていて、その足取りが若干ふら付いているように見えた。
「おい、橘」
「……」
「聞いてんのか?」
「……あ、はい」
「お前もしかして酔ってないだろうな?」
「別に酔ったりなんかしてませんよ? お酒は呑みません……」
 そう言って後ろを振り向いた顔が疲れているように見えたのは気のせいではないと一瞬で判った。
「どうかしましたか? 何か顔に付いてたりします?」
「お前……体調悪いのか?」
「どうってことないですよ。大丈夫……です」
 大丈夫と言ってはいるが苦しそうにしか見えん。目つきも虚ろに見える。
「お前の家はどこだ。何なら俺が家まで付き添ってやるが」
「結構遠いんですよ……ここからだと距離ありますし」
 じゃあどうするしたものか……と思った直後、今現在立っている場所を見回してみて気付いた。
 何だかんだで黙々と歩いているうちに、俺の家に比較的近い所まで来ている事に。
「橘、大丈夫か?」
「やっぱり大丈夫……じゃないかもです」
 このままここに野放しにするほど俺はまだ落ちぶれちゃいない。
「背負ってやるから、乗れるな?」
 黙って頷いた橘は俺の肩に手を掛けた。疲れ気味のこの体には厳しいがそうも言っていられん。
「すいません……お手間掛けさせちゃって」
「昔はこうやって妹の世話を見てやったもんだ」
 妹に比べれば軽々と、というわけにも行かなかったが、夜風で冷え切った体には橘の熱った体温がカイロみたいで温かい。
「それと……」
「今は気にしてないから黙ってろ」
 然程遠い距離ではなかったが、病人を背負っているため走るわけにもいかん。橘を俺の家で休ませるべく足を進めた。


 背負ってから数十分程で家に到着したのだが、無論隠れて連れ込むわけにもいかず、眠気混じりの頭で考えた情けない言い訳で辛うじて

飛び起きてきた両親を納得させたまでは良かった。
 橘は居間でしばらく寝かせ休ませた後、明け方にお袋が車で自宅まで送ることになったのだが……
 その時に玄関先であれやこれやと騒ぎ立てちまったせいで妹が起きてくるというトラブルに見舞われた。
「その人だーれー? ハルにゃんのお友達ー? キョンくんのカノジョー?」
 若干疲れた表情をした橘が俺の方を見つつ、この場合はどうしたらいいんでしょうか?と言いたげな表情を向けた。
「あははは……」
 頼むから俺にフォローしてくれ光線を出すんじゃない。
「キョンくん教えてー」
「あ、ああ……俺の……遠い親戚だ」
 無論、妹を通してハルヒにこの事が知られてしまい、俺が散々な目に逢ったのは言うまでもない。




632:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 00:34:42 RIUJUq0T
GJ  ほんのり甘めなトコがまた良い

633:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 00:40:56 dibJJIA5
きょこたんの相談事ってなんだったんだろう

634:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 00:55:32 Hn40e0vi
きっとそれも>>871が明らかにしてくれるはずだ!

と過去の話題を持ち出してスマソ

635:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 01:12:00 RIUJUq0T
いや、皆が忘れかけた時こそ思い出させてやるのだ

636:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 01:13:09 4xNaYLg3
家畜に神はいないッのです!

637:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 06:11:38 VL9psrjg
きょこたん可愛いよきょこたん

638:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 06:31:58 VL9psrjg
可愛いきょこたんいただき!

ずっとオレのきょこた~ん♪

639:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 07:18:27 PxvWAOHC
>>631
当然続編を期待しても良いんだな?

640:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 07:41:52 YZp/1KW4
>>631
あなたが来るのを待っていたけれど、これで終わりとは言わせないのです

641:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 20:33:48 KtQkHL04
この流れは甘いss希望って感じなんか?

642:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 22:22:16 YZp/1KW4
>>641YES
そういやキミ佐々木スレにもいたよね?

643:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 22:33:47 KtQkHL04
IDチェッカーがいたんか…くそ、うかつだったw
いやあのね、佐々木ssを書こうと思ってたらつまっちゃったんで
ちょろーんと浮気しちゃおうかと…

644:名無しさん@お腹いっぱい
07/05/23 22:46:23 haB2l5g8
>>643大丈夫、俺もだ。やっぱこの2人のどちらかにするかは迷う・・・

645:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 22:51:05 9frXZ9Fz
>>643,644
同士よ ノシ

646:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/23 22:51:54 KtQkHL04
じゃあきょこたんの甘甘ssをかいてやりたいんですがかまいませんねッ!
ってかもうかいてるけど! そろそろ完成するけど!

647:名無しさん@お腹いっぱい
07/05/23 23:11:12 haB2l5g8
>>646wktkしながら待っとるよ~!

648:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 00:15:17 cPYcNlg2
お待たせしました~!!
ss投下いきます!

649:おもちゃやめぐり・1
07/05/24 00:18:16 cPYcNlg2
あたしの日々にも、一日ぐらい…
こんなにいい日があったっていいよね?



「キョンくんキョンくーん!」
そういって妹が部屋に突入してきたのは、晩飯を食い終わって
ぼちぼち課題でもやるか、と思っていたころだった。
こら、親しき仲にも礼儀ありっていうだろ。
たとえ家族だろうと、ノック声かけ、これ世界の常識だ。
「キョンくん昔のおもちゃ捨てちゃったー?」
聞いちゃいねえし。
「おもちゃ? んなもん突然いわれてもな…
あーそうだ、あの辺に確か空けてないプラモが…」
っと、いかん。あれはハルヒのお達しでフリマに出しちまったんじゃなかったか。
さらばケン○ファー。
「ちょっと心当たりがないな。何に使うんだ?」
「んーとね、向こうの幼稚園で、バザーやるから何かないかってお母さんが!」
バザー? ああ、あの何とかっていうカトリック系の幼稚園か。
確か梅雨のちょい前くらいにバザーをやるんだよな。もうそんな時期か。
申し訳程度に縁日なんかもあって、ちょっとしたお祭気分なんだよな。
で、うちの母上様はこれに乗じて我が家のガラクタを
一掃してしまおうと言う魂胆らしいが。
「俺のところからは、何も出せそうもないな」
「えー、なんかないのー? みくるちゃんの服とかー」
いやあれは俺の私物じゃないしな。それに誰かにやるくらいなら
俺がこの手に……って何を言わせるんだこいつは。
「あーキョンくんえっちなかおしてるー」
だまらっしゃい。

その後何とか妹を追い出した俺は、一応格好だけでも探すだけはしてみようと
部屋のそこかしこをひっくり返し始めた。
……しかしなかなか見つからないもんだな。あるのは本物のガラクタで、
正直商品価値なんざ欠片もないようなものばっかりだ。
まあ、あったとしてもああいうバザーには出さんわな。
マリア様には悪いが、今の俺は毎週の喫茶店代だけでも馬鹿にならんのでね。
どうせなら俺に恩恵が流れてくるフリマなんかのほうが望ましいのさ。


で、その週の日曜。
SOS団の集まりもないし、家に閉じこもっているのもつまらないので
ぶらぶらと出かけてみることにした。
深い意味はない。来週あたりから雨も増えるというし、
この五月晴れを見納めるついでに散歩でもしようかと思っただけさ。
と、当てもなく歩いていた俺は、どこからか子供たちの楽しそうな
はしゃぎ声が聞こえるのに気づいた。
これは、もしかしてあのバザーか。
…しかし、高二の男が幼稚園にノコノコと行くっていうのも
何か気恥ずかしいものがある。散財というほどの金もないしな。
だが、このときの俺は何かに憑かれていたのか、もしくは魔がさしたのか、
少しぐらいは覗いてもいいかな、という気になっていた。
ええい、ガキと笑わば笑え。これが いきものの サガか…
アホなことを考えている間にも、足は自然と幼い日の祭の場を目指していた。


650:おもちゃやめぐり・2
07/05/24 00:19:29 cPYcNlg2
この快晴も手伝ってか、幼稚園の庭先には人がごった返していた。
朝の通勤ラッシュとかこんな感じなんだろうな。俺は知らんが。
しかしその中にあって、子供たちがあちらからこちらへと
走り回っている様子はなんともほほえましい。
あのころってのは毎日が面白くてしょうがないんだよな。
毎日が小さな大発見の連続で。明日は今日よりいい日だと疑わない。
俺にもあんな時代があったのかねえ。もう遠い昔のような気がするな。
と、俺の目が違和感を捉えた。
なんだ? 何を見た?
なんとなく野次馬根性もあってその方向へ近づいていってしまう。
と、そこにいたのはこの場に似つかわしくないストリートファッションの男数名、
そして俺の顔を認めてこちらに突進してくるのは……
「とにかく! 私はこの人と約束があるんです!」
……おい、そいつは何の冗談だ、橘京子。


「ありがとう。助かっちゃいました♪」
俺の傍らで上機嫌真っ盛りなのは、あの誘拐少女こと橘京子。
……何でこんな奴と一緒に、しかも幼稚園のバザーなんか廻る羽目になってやがる?
「それにしてもあの人たち、最低。
幼稚園まで来て何やってるのかしら」
まあ俺としては連中が咲き盛る前の蕾を目当てで来たとは考えたくないがな。
って、それよりも。
「…なんでお前は俺についてくる。
あのナンパ連中をごまかせたってんなら、俺はもうお役御免だろ」
「もうっ! そういうこと言わないの。
せっかくだからここまで来たら一緒に廻りましょう?」
せっかくだから俺はこの誘拐犯を選ぶぜ!…何言ってんだ俺は。
「どうしてもダメ、ですか?」
そんな顔するなよ。俺が苛めてるみたいじゃねえか…!
ちっ、しょうがない。観念するか。
あー、これが朝比奈さんだったらどんなに良かったことやら。
俺がマリア様にも負けないエンジェリックスマイルを思い浮かべていると、
隣の橘がジャケットも裾を思い切り引っ張ってきた。なんなんだお前。
「…女の子とのデート中に、他の子の事を考えるなんて、
重大なマナー違反ですよ?」
顔に出ていたらしい。いかんいかん。しかし麗しの女神と犯罪者じゃ
天秤にかける以前の問題だしな。
「…これがデートとは知らなかったが?」
「いいから! もう、いちいち女の子にこういうこと言わせるなんて
ダメですよ?そんなんじゃ」
なんか分からんが怒られたらしい。
まあいいか。どうせ一人で廻ってもすぐ飽きてしまいそうだしな。
それにもし、こいつがさっきの連中にまた絡まれでもしたら夢見が悪い。
「わかった。…幼稚園のデートなんざ初耳だがな」
「よろしい」
橘が満面の笑みで胸を張る。さっきから怒ったり笑ったり忙しい奴だ。
「忙しくなんてないですよ。
あたしの心はさっきからこーんなに快晴なのです!」
橘がおどけた調子で両手を広げてくるくる回る。
おい、危ないぞ、人にぶつかるだろ。
なにやら一層ハイになったこのくるくる少女の手を引いて、俺はその場を後にした。


651:おもちゃやめぐり・3
07/05/24 00:21:37 cPYcNlg2
その後はもう息つく間もないほど、次から次へと出店を駆け巡った。
途中から俺もやけくそになって橘と一緒に大騒ぎしながら店という店を冷やかした。

「あ、これなつかしい」
橘の弾んだ声に振り向くと、あいつは昔の特撮に出てきた怪獣人形を手に取っていた。
「随分古いな」
「知ってる?」
「ああ」
そうだ。毎週この番組が楽しみでしょうがなかった。
町全体が寝坊する日曜の朝、妹と二人で早起きして熱心に見てたもんだ。
もちろん俺はヒーローになりきって……
「…大丈夫ですか?」
どうやらボーっとしていたらしい俺の顔を、橘が心配そうに覗き込んでいる。
なんでもない、ちょっと思い出に浸っていただけだ。
「…そう、ですか」
橘はなにやら難しい顔をしていたが、ふいに笑顔で俺のほうに向き直った。
その顔は満面の笑みというか、どちらかというといたずらを思いついたときの
妹のような顔だった。
「ねえ、ひとつ聞いていいですか?」
手には怪獣の人形。
「もしあたしが悪い人たちにさらわれちゃったりしたら、どうします?」
「…どうもこうも、しねえよ。
第一、悪の組織はお前らだろうが」
言って少し心が痛んだ。こんなときまで冷たく当たらなくてもいいはずだ。
「……ですよね」
橘は表情を崩さずにうなずくと、また人形の物色に移った。
やれやれ、意図のわからない質問ってのは手に負えないな。

その後の橘は妙に口数も少なくなり、
俺が話しかけてもあまり反応しなくなった。なんだってんだこいつは。
いつの間にか、俺と橘の間にはずいぶんと間が開くようになってしまった。
俺が近づくと、橘が小走りで遠ざかる。
そんなサイレントコメディみたいな真似を繰り返してるうちに、
とうとう橘の姿は見えなくなってしまった。
知るかあんな奴。


652:おもちゃやめぐり・4
07/05/24 00:22:48 cPYcNlg2
人間のメンタリティは天候気候にも大きく影響を受けるときくが、
俺も太陽が沈み始めると途端に気分がダウナーになってきやがった。
ええい、胸糞悪い。なんなんだいったい。
このまま帰ろうかどうしようかと迷っていた俺の耳に、聞きなれた声が届いた。
「いいから、放してください!」
みると、さっきのヒップホップ連中にまたしても橘が絡まれていた。
おいおい、しつこいなあいつらも。そんなに犯罪者がいいか?
橘も早く帰ればいいのにな。何をぐずぐずしてたんだよ。
……ええい忌々しい忌々しい。

「ここにいたのか。さっきから探したぞ」
さて、俺は何をやってるのでしょう。
気がついたら、ヒップホップと橘の間に割ってはいっていた。
アクセだらけの手を払って、橘をかばうように立つ。
「dんwけlmlえあ!?」
なんだかろれつの回らない言葉ですごんでくるラッパー連中。
うお、すごい迫力だ。これがブラックピープルのディスリスペクトか。
どうみても日本人だがな。
「ほら、いこうぜ」
「でも…」
俺はなんちゃってブラックどもを見なかったことにして脱出を試みたが、
そう世の中はうまくいかないようだった。
一番ガタイのいいやつが俺の胸倉をつかみあげる。おい、ここでやる気かよ。
そいつがそのままものすごい腕力で俺を放り投げた。
吹き飛んで後ろの台に激突する。…これは洒落にならんぐらい痛いな。
「…ョンさん!」
俺を放り投げたラッパー野郎は、今度はにたにたと笑いながら橘の肩に手を回している。
ったく、ほんとにこいつらは幼稚園に来て何やってんだ。
マリア様のお膝元だぜ?
あーくそ、悔しいが今ので完全にビビっちまったな俺。足が動かねえや。







休みが取れたら 君を連れ出し
昔のヒーローの おもちゃを探そう





特撮的漫画的ヒーローだったら悪者をやっつけてハッピーエンドなんだがな。
正直俺なんかがヒーローになれるわけがない。
俺は平々凡々とした一般人なんだから。




知らないだろうね 彼らはみんな
死ぬこと恐れず 勇気があってね




……何言ってんだろうな俺は。
そんなのが言い訳になるかよ。
いくらなんでも、そいつは格好悪すぎと違うか?

653:おもちゃやめぐり・5
07/05/24 00:23:48 cPYcNlg2




デビルマン バロム1 ロボット刑事K






どうせ宇宙人未来人に超能力者、ついでに神様までそろってやがるんだ。
今更、特撮ヒーローの一人や二人増えたところで、何の不思議がある!






僕は 君のために死ねるだろうか!!






俺はゆっくりと立ち上がった。相手はこっちには気づいてない。
もう自分が何を考えているのかもよく分からない。
くそ、さっき頭でも打ったか。数回頭を横に振る。
…連中は全部で三人。一人が橘を後ろから羽交い絞めにし、
さっきのガタイがいい奴ともう一人が両脇からベタベタと胸やら腰やらを触っている。
俺をふっ飛ばしてくれたマッチョ野郎は、おあつらえ向きに後ろを向けてやがるな。
……さて、いくか。敵は地獄のデストロンだ。
俺は猛然とダッシュすると、マッチョラッパーの後頭部めがけて痛恨の飛び蹴りを放つ。
小気味良い音を立てて今度はヤツが吹っ飛ぶ。ジャパニーズ魂なめんな。
「キョンさん!!」
動揺する二人の隙をついて拘束から抜け出した橘が、
後ろから抑えてた奴の金的に前蹴り、鳩尾に肘、そして鼻の下に裏拳の
流れるような三連撃を叩き込む。
…グッドだ。ラップなんざ足元にも及ばないリズムの心地よさだったぜ。

まあ当たり前というか大騒ぎになったので、
俺と橘は当局の追及を逃れるべくこそこそとその場を逃げ出し、
どことなく気まずいような、照れくさいような雰囲気を湛えつつ
家路へつくこととなった。
しかし橘よ、お前結構強かったんだな。
「まあ…一通りの訓練は受けていますから。
でもダメね、いきなりだったから頭の中が真っ白になっちゃって」
…なんだかな。微妙に俺の立場がなかったというか。
でも『助けなくてもよかったか』なんてのは言わなかったぜ。
当たり前だろ?


654:おもちゃやめぐり・ラスト
07/05/24 00:25:55 cPYcNlg2
あの後病院へ行ってみたら、やっぱり手を傷めてた。
どうやら正確に人中をヒットしないで相手の歯を打っていたみたい。
まだまだ修行不足ね。
しかしそれにしても散々な日曜だったな。
あんな事なら家でゆっくりしてたほうがよっぽどマシ。
…いけないいけない、今日はもう月曜。
これから一週間の始まりなんだから、いつまでも引きずっていられない。
心機一転、がんばれ京子!
……そんな寂しいファイトを入れると、
あたしは無事な左手で玄関のドアを開けた。
「もう出てきたのか、随分早いんだな」
………………はい?
「ほれ、その怪我じゃ不自由だろ。乗ってけ」
え、ええええええええええええええええええええええええええっ!?
「な、なんでこんなところにいるんですかっ!?」
「何でって…ほら、お前手怪我してたみたいだし、
それは俺のせいだからさ、これでも責任感じてんだ」
そういって決まり悪げにするキョンさんの頭にもまた、痛々しい包帯が巻かれていて。
「で、でもあたし電車通学だから…」
「う…じゃ、じゃあ駅まででもいいだろ、送ってく」
あたしの家はきっと佐々木さんあたりに聞いたんだろうけど、
通学路まで頭が回らなかったみたい。やっぱりそそっかしいんだ、この人。
あたしの口から自然と笑いが漏れる。
「うーん、そこまでいうなら、お言葉に甘えちゃおうかな」
「よし。よく言った」
キョンさんは満足そうに笑うと、照れくさそうにしながら手を差し伸べた。
あたしはそれを受け取って、右手をかばいながら荷台に乗る。
そして、ちょっと頼りない王子様の乗った白馬ならぬ自転車は、ゆっくりと動き出した。
あ、今思ったんだけど事の真相を知ったら佐々木さん怒るだろうな。
しばらく口きいてくれなくなるかも。あーもう、うまくいかないなあ。
「嘘だからな」
あたしが人知れず悶々としていると、キョンさんが顔を前に向けたまま話しかけてきた。
「なにが、です?」
あたしはすかさず聞き返す。…少し冷たい言い方になっちゃったかも。
でもキョンさんはそんなの気にした様子もなく、言葉を続けていく。
「お前が悪い奴らに捕まったら」
彼の背中につかまる手に、力が入る。
「助けに行ってやるよ、絶対に」
「え…?」
え、なに?なになになに? ナニ言ッテンノコノ人?
「…それって」
「だ、だからな! お前に何かあったら佐々木だって心配するだろうし、
勝手に俺の周りをかき回して消えられると困るんだよ!」
……ふーん。佐々木さんが、ねえ。まあいいや。
いまはそれで、満足しておいてあげる。

それにしても、この雲ひとつない五月晴れが今はちょっと恨めしい。
これじゃあ夕焼け色に染まった顔が、とても目立ってしまうから。



ヒーローズ ヒーローズ おもちゃ屋を巡った
ヒーローズ ヒーローズ 彼らに会うために
ヒーローズ ヒーローズ 勇気をもらうために
ヒーローズ ヒーローズ 君を愛するために
わからないだろ いーんだ それで



おわり

655:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 00:26:34 ahwbfum2
エヴァンゲリオンと涼宮ハルヒの憂鬱の見分け方
放映開始から10年経ってもファンがいるのがエヴァ         放映前から2chにスレを乱立して騒ぐ工作員がいるのがハルヒ
10年経って続編情報が出てファンを複雑にさせてるのがエヴァ  放送後1年未満で風化がはじまり工作員が焦ってニセ続編情報のスレを乱立したのがハルヒ
人類補完計画など物語に数多くのミステリーがあるのがエヴァ  DVDの予約数が5万あったのに発売日の売上が2万というミステリーがあったのがハルヒ
ペンギンという一風変わったマスコットがいるのがエヴァ      女性キャラクターの顔が一風変わった爬虫類なのがハルヒ
セカイ系、無口系ヒロインのブームに火をつけたのがエヴァ    アフェリエイトで稼いでいたブログ連合が炎上したきっかけがハルヒ
映画で監督がファンを突き放したのがエヴァ              2ちゃん中に宣伝のマルチポストしまくりで嫌われ突き放されているのがハルヒ
悩み苦しみ弱音を吐き怒られる等身大の少年が主人公のエヴァ  人に迷惑をかけても積み重ねのない薄っぺらの「実は悩んでました設定」で罰をうけないのが涼宮ハルヒ
2chで話題が尽きないせいで専用板ができたのがエヴァ      2chで専用板がほしくて雑談やサッカー実況でスレを伸ばし、さくら板を横取りしようと荒らすも失敗したのがハルヒ
個性的なヒロイン達が魅力的に動くのがエヴァ             エロゲーやライトノベルで使い古されたテンプレキャラ達が主人公の気を引くために動くのがハルヒ
監督の好きなロボットアニメの影響が大きく出ているのがエヴァ  逆転裁判やガンダムの映像を丸パクリ、モザイク処理して喜んでいるのがハルヒ
主人公が自分の殻の世界から脱出するのがエヴァ         主人公にキスされてハーレム世界に戻っていったのがハルヒ
物語の印象的な断片を次々カットインするかっこいいOPがエヴァ Berryz工房の踊りをパクッた振り付けをバレるまでオリジナルと言い張っていたEDがハルヒ

656:641
07/05/24 00:30:26 cPYcNlg2
終~了~…
ぎゃああああああ!!!
こ、こっぱずかしいいいいいいWRRRRYYYYYYY!!
やっぱラブコメは僕にはきつすぎッす。


まあ、お粗末さまでしたとしか言いようがないですな。
ちなみにタイトルおよび挿入歌詞は、筋肉少女帯の名曲「おもちゃやめぐり」。
すごく幸せになれる曲なのでぜひどうぞ。

佐々木スレの「奴はペインキラー」のほうも近いうちに完結させますのでよろしく!

カスラックの介入が心配だ…

657:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 00:40:40 Tqnq85LX
>>641
GJなのです。

658:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 00:47:55 W7iqU15M
>>641
乙なのです!

幸せなきょこたんを見ると顔が緩んできますね.
ペインキラーも楽しみにしてます.

659:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 01:23:46 MoyakGID
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      |  あなたが明日退院するって聞いて、
      |  今夜サプライズお祝いしてあげようと思って来てみたら・・・
      |  あんたたち 純っ白のベッドの中で いったい何をしてたわけ?
      \__  ______________________
           \|  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              |  ち 違うの! これはその……そう、
              |  彼の体調が悪くなったから、仕方なく二人で寝ていただけ
              |  まだ何も間違った行為はしていません
              \_________________  ______
         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∨  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         |  最終弁論終了ね。じゃあ評決をとるわ
         |  ・・・4対0 全員一致で有罪。では二人とも潔く刑に処されなさい
         \________________  ___________
                    .  -‐-          |/
                   〃.     ヾ         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ウッカリキャラ ハ            ! |ノiノハ从ハヽゝ テキセイ ト  | 今のが最終弁論なんて無茶苦茶だわ
 フタリ モ イリマセン!!.        i (| |┰ ┰iイ   ハンテイ.  | 証人が一人残ってるでしょう?
.     , -‐-‐-.、         'ハリ、 - ノリ_____, _     \________  _____
___.〃#;' .  ヽ______ {i'つ{_~O-i_i''''''´~ ___ ホラ キョンクン カラ モ  |/
.    ! ((八从リ)))  .       くソ_i_li;ゝ , -‐―‐- 、    チャント セツメイシテ アゲルノデス   ZZZ...
    |(| | ┃ ┃ | !    | ̄ ̄ ̄ ̄\_) ./r#/ニニヽヽ.     , -‐- 、、.    , -‐-ー .、
   ノリ.ハ'''  ''ノハi    .| ~~ / ̄  ハ芥.lノメ从从|゙t     〃   ; ヽヾ   〃;   ヽヾ. ======||
.  (.(ノ○ニニニ○ニ<|  ._|__/,___i l (| | ┃ ┃ i |__ .ハミ((ノノリ从))  i ハハハバハゝ_____||
. // く_/_i_l,ゝ   ,.-,ヘー.、_____i从リ、''' ヮ''ノリl__| | i(|;┃ ┃ |!| /i! (lj ─ ─|i  ̄ノi /||
ノ ノ   (__ハ_,)  ノ 八ヽ`ヽヾ         {にづiソ     | トリ、'' (フ''ノl'!/ ゞハ、 - ノ’__/ノ /:::||
/         i ハヽ リノバリゝ        く_/_i_l_ゝ    . レ゙  {i"つづく  ̄?´ ̄ ̄ ̄⌒ヽ ̄.ヽ/||
 ボウリョクコウイ ハ イ(l|⌒ |⌒リノ         (__八__)         ノ_/__l_〈/            ノ/
 サケタイ トコロ    Yル、 ー ノハ                      `~(__ハ/   )        / /
 ナノデスガ… .   ⊂}`|{†}|゙{G|―――        .       /    ヽ       l ,/
             l^´T`'i                          ノ             / /.______
            〈__八__〉                        'ー─'´ー──-´´/ l__Y__j
                                         .| |_______| |/
                                         .|_|           .|_|


660:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 01:51:13 LU3bX+5G
なんでキョンはトランクス脱いでるんだw

661:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 07:54:16 GDDUuppa
>>656
乙っす!いやぁ甘々だなぁw
あなたはペインの作者さんか、楽しみにしてるよ
そして最後に
>>643よう、俺

662:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 21:00:20 2zHUvMTZ
今日の過疎度ならできるはず……!

10分レスが無かったらきょこたんは俺の嫁

663:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 21:04:23 d0kSr+/I
>>662
それ●だよ
丸いからわかる

664:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 21:07:44 o0CZKCbp
よく見たら○

665:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 23:13:22 Ce5/UHhs
んん……!もっふ!

666:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 23:39:27 VXlhJr6Q
つまりきょこたんがなんかもふもふしたものをもふもふするわけですね?

667:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 23:49:38 dgQidwTh
きょこたんのもふもふは俺のだ!

668:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/24 23:50:45 cPYcNlg2
別にもふもふするほどボリュームは

なんだ? 回覧板かな?

669:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 00:14:53 jh3p4uyh
いや、意外と下の方の毛が(見かけより)多く、それをもふもh……



ん? ピザ宅配? 頼んだ憶えはないんだが・・・

670:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 03:07:52 I16iipRb
>>871まであと200age

671:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 06:59:01 w20ZXjFX
橘キョン子

672:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 07:09:49 SntxpzY9
>>671
何か女装したキョンみたいで
イヤァー

673:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 15:01:55 dfi8L2Jy
フュージョン!ハッ!

674:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 17:27:50 RFRx363+
佐々木「名前は?」
キョン+京子「キョコン」
佐々木「……失敗だね」

675:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 17:46:47 j+HT6DfN
なんで>>648の感想がこんなに少ないんだ?

超GJ

676:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 17:55:28 HAr2YM2f
>>674
吹いたw

677:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 22:41:25 O2nhJqXV
>>675
ありがとう…正直反応の薄さにちょっとくじけそうだったところなんだw
あなたの『GJ』ッ!確かに受け取らせてもらったッ!

678:677=648
07/05/25 22:55:04 O2nhJqXV
あ、もちろん即反応をくれた人たちにもこの場で感謝します。

679:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/25 23:15:08 +oN30nT7
>>678
あなたには期待している
これからも良ssを書いてってホスィ

680:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 00:01:48 iNkgWRyu
かわいいよきょこたんかわいいよ

681:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 01:40:35 NCyw8J06
ここで10分たちばなし

682:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 01:42:04 qyBhbsTS
阻止

683:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 01:45:29 NCyw8J06
きょこ~ん・・・

684:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 01:55:15 Ow52/vhh
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ
かわいいよきょこたんかわいいよきょこたんかわいいよ


685:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 01:59:20 hYiIuSV5
○分たちばなしって
「○分間レスが無ければきょこたんの立場無し」という意味?

686:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 03:05:20 Hy56JZfK
○分後橘死という予言を表していたんだよ!

687:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 13:02:19 NU0AN2bV
50分太刀話

「朧火が最強なのです!
え?……斬り下がり自重?
んん…!もうっ!」

こうですか?わかりません!> <

688:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 13:10:46 JPFWc1Ak
刃物の話題は朝倉さんとやってくれ。

689:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 13:15:13 RXq+GdFr
朝倉×橘ww

690:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 13:48:54 mmc17TeF
>>687
モンハンかよww

691:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 14:29:31 3w9IlMhm
>>686
もちろん死ぬ橘はきょこたんじゃなくて
1000取りに執念を燃やしている
あすかの方だよな

692:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/26 19:52:37 ChfdexZI
>>691
旋風のほうじゃない?

693:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/27 01:28:54 KrNZ2hrI
今なら言えるのです!15分レスが無かったらキョンさんは私の……
あっ、佐々木さんっ、いえっ、キョンさんは私たちの側についてくれるのです!



orz


694:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/27 01:29:36 Mdhy55pj
>>693
応援するぜ!!!

695:名無しさん@お腹いっぱい。
07/05/27 01:53:16 nPhUJoT6
きょこたんがあんなに佐々木に入れ込むのは
きょこたんは小さいころお父さんっ子だったがお父さんは不幸な事故で死んでしまい
残された母親は精神を病み橘に毎晩つらく当たる。
それでも橘は自分がしっかりしなきゃと母の暴力にも耐える
橘は常に自分をこの逆境から救ってくれる存在を期待したがそんな物現れるはずもなく
学校では俗にいういじめられっこで、毎日をぎりぎりで生きていた
そんな中ある日自分に特別な能力を与えられたことに気付く
そして佐々木と出会い橘の人生は開けていく
だが願ったような日々は思うように展開することがなく、橘はある種のフラストレーションに苛まれて行く
そしてついに橘はキョンの無神経なひと言をきっかけに
自分の思い通りにならない佐々木非協力的なな九曜藤原に対し不満を爆発させる
手のつけようがなくなった橘に対し、少しばかり責任を感じたキョンは橘を優しく慰める
橘はキョンに恋心を抱くようになり、自分にとっての神は佐々木でなくキョンであることを悟る
そして橘のヤンデレ化

な電波を受信した


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