07/04/10 20:23:15 zQ4mMPa8
それからは、お互いクラス会についての事務的な話を進めていって、キリのいいところで店を出ることにした。
食事代をワリカンだ。
しかし、悲しきはパブロフの犬並みに染み付いた習慣かな。
条件反射で思わず伝票を手に取っていた。
「女性と食事する際のマナーはきっちり教育されているようだね。」
クラス会の会場も決めて、連絡係も決めて、今日やるべきことは終わった―
はずだった。
店を出てとりあえず駅前の方へ歩いていると、突然佐々木の足が止まった。
見てはいけないものを見てしまったような佐々木の顔から、その目線の先に目を向ける。
涼宮ハルヒ。
そこには涼宮ハルヒがいた。
ハルヒは目を見開いて立っていた。
その表情からはSOS団をサボって女の子とデートしている団員に対する怒りは感じられず、ただ驚愕の一言あるのみだった。
一瞬時間が止まったようだった。
何もやましいことはないはずだ。
なのに、なぜ俺は言い訳を必死で考えている?
なのに、なぜ俺は逃げ出したいような衝動に駆られている?
なのに、なぜ―
古泉の言葉が頭に響く。
俺はどうすることもできず、そこにいた。