07/04/14 13:06:46 5wEgbRz5
俺と九曜は二人で校門を出た。もちろん手はそのままで。
つーかこれからどこに行けばいいんだ?こいつの家まで送っていくのか?
俺より頭1つ小さい九曜が、何かに気付いたように、はたと立ち止まった。
「―あ、忘れた―」
「何をだ?」
「―任務……長門有希と朝倉涼子の観察―端末同士の戦いの記録―」
なにか聞いてはいけないことを聞いてしまったような気がしたので、俺は無言で九曜が歩きだすのを待った。
俺に彼女ができたことはしばらくキョンに黙っておこう。
それがこの作品においての俺の役どころ、モテない谷口、アホの谷口ってもんだからな。
そうだな……クリスマスくらいになったら教えてやってもいいか。
九曜はまだ立ち止まって何やら考えている。夕焼け空を映している瞳はとてもきれいだ。
「―大丈夫……たぶん―あなたと一緒なら―」
その美しい瞳が俺を映したとき、俺は胸のドキドキをおさえながらちゃんと話すことができるだろうか。とても不安だ。
(終)